IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 高砂電器産業株式会社の特許一覧

特開2024-71717ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム
<>
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図1
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図2
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図3
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図4
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図5
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図6
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図7
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図8
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図9
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図10
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図11
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図12
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図13
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図14
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図15
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図16
  • 特開-ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071717
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲーム装置の動作方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240517BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20240517BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20240517BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240517BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F9/00 512A
A63F13/45
A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056168
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2019095055の分割
【原出願日】2019-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】中坂 昇
(72)【発明者】
【氏名】田村 喜隆
(72)【発明者】
【氏名】東 尚吾
(57)【要約】
【課題】ゲームを繰返しプレイする誘因を遊技者に付与する。
【解決手段】ゲーム装置20は、遊技者による遊技媒体の使用と当該遊技者に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて遊技者に付与する進行制御部31と、遊技者に付与された報酬要素を記憶装置に記憶させる要素保留部32と、遊技者がゲームのプレイを終了する場合に、ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部33と、遊技者がゲームのプレイを再開する場合に、保留用記憶部に記憶された報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部34とを具備する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による遊技媒体の使用と当該遊技者に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者に付与する進行制御部と、
前記遊技者に付与された前記報酬要素を保留用記憶部に記憶させる要素保留部と、
前記遊技者が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部と、
前記遊技者が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部と
を具備するゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体(例えばトークンコイン)の使用により利用者がプレイするゲームが従来から提案されている。例えば特許文献1には、ダンジョンの探索や戦闘での勝利により遊技者が特殊アイテムを獲得できるメダルゲームが開示されている。特殊アイテムの獲得数が目標値に到達すると、遊技者は、多数の報酬(いわゆるジャックポット)を獲得するための抽選ゲームに挑戦できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-130351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームにおいて、特殊アイテムの獲得数が目標値に到達する前にゲームを終了した場合、獲得済の特殊アイテムは、直後にゲームをプレイする他の遊技者が利用することになる。すなわち、遊技者は、自身が獲得した特殊アイテムをゲームの終了により放棄する。したがって、種々の事情によりゲームを途中で終了せざるを得ない遊技者は失望し、以降に当該ゲームを再びプレイする誘因を維持することが困難であるという課題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、ゲームを繰返しプレイする誘因を遊技者に付与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係るゲーム装置は、遊技者による遊技媒体の使用と当該遊技者に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者に付与する進行制御部と、前記遊技者に付与された前記報酬要素を保留用記憶部に記憶させる要素保留部と、前記遊技者が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部と、前記遊技者が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部とを具備する。
【0006】
本発明の好適な態様に係るゲーム装置の動作方法は、遊技者による遊技媒体の使用と当該遊技者に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者に付与し、前記遊技者に付与された前記報酬要素を保留用記憶部に記憶させ、前記遊技者が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化し、前記遊技者が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する。
【0007】
本発明の好適な態様に係るプログラムは、遊技者による遊技媒体の使用と当該遊技者に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者に付与する進行制御部、前記遊技者に付与された前記報酬要素を保留用記憶部に記憶させる要素保留部、前記遊技者が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部、および、前記遊技者が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部、としてコンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るゲームシステムの構成を例示するブロック図である。
図2】管理装置の構成を例示するブロック図である。
図3】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
図4】ゲーム装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図5】進行処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図6】進行処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図7】進行状況データの模式図である。
図8】進行状況データの模式図である。
図9】保留処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図10】再開処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。
図11】ゲーム装置の動作の手順を例示するフローチャートである。
図12】第2実施形態における保留要求の模式図である。
図13】第2実施形態における再開処理の具体的な手順を例示するフローチャート である。
図14】第3実施形態におけるゲーム装置の機能的な構成を例示するブロック図で ある。
図15】第4実施形態におけるゲーム装置の機能的な構成を例示するブロック図で ある。
図16】第4実施形態における保留要求の模式図である。
図17】第4実施形態における再開処理の具体的な手順を例示するフローチャート である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、管理装置10とゲーム装置20とを具備する。管理装置10とゲーム装置20とは、例えばインターネット等の通信網2を介して相互に通信可能である。管理装置10およびゲーム装置20の各々と通信網2との間の通信は、有線通信および無線通信の何れでもよい。なお、実際のゲームシステム1においては複数のゲーム装置20の各々が管理装置10と通信可能であるが、以下の説明では便宜的に1個のゲーム装置20に着目する。
【0011】
ゲーム装置20は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターもしくはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲーム装置20は、遊技施設内の遊技者(プレイヤ)Pにゲームを提供するコンピュータシステムである。なお、カジノにおいて使用されるゲーム装置20は、ゲーミングマシンとも称呼される。管理装置10は、ゲーム装置20の動作を制御するためのコンピュータシステムである。
【0012】
遊技者Pは、遊技媒体を使用することでゲーム装置20によるゲームをプレイする。遊技媒体は、ゲームにおいて使用される有体または無体の価値媒体である。有体の遊技媒体は、例えばトークンコイン(メダル)、コイン(貨幣)またはチケットである。無体の遊技媒体は、例えば電子メダル、クレジットまたはポイントである。無体の遊技媒体の数量は、例えばICカード等の記録媒体、または当該ゲーム装置20と通信可能なサーバに、電子データとして記憶される。遊技者Pは、遊技媒体の使用によりゲームをプレイし、当該ゲームの進行に応じて報酬を獲得する。なお、ゲームのプレイのために使用される遊技媒体と遊技者Pに報酬として付与される遊技媒体とは、同種および異種の何れでもよい。また、遊技媒体の使用は、遊技媒体の投入または消費(あるいはベット)とも換言される。
【0013】
図2は、管理装置10の具体的な構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、第1実施形態の管理装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、管理装置10は、単体の装置で実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。
【0014】
制御装置11は、例えばゲーム装置20の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。
【0015】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として利用される。通信装置13は、制御装置11による制御のもとで通信網2を介してゲーム装置20と通信する。
【0016】
図3は、ゲーム装置20の具体的な構成を例示するブロック図である。図3に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と表示装置24と操作装置25とを具備する。なお、ゲーム装置20は、単体の装置で実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。
【0017】
制御装置21は、例えばゲーム装置20の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGAまたはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。通信装置23は、制御装置21による制御のもとで通信網2を介して管理装置10と通信する。
【0018】
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。具体的には、遊技者Pの識別情報Fpと、当該遊技者Pによるゲームの進行状況に関するデータ(以下「進行状況データ」という)Dとが、記憶装置22に記憶される。識別情報Fpは、遊技者Pを識別するための符号列である。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として採用される。
【0019】
表示装置24は、制御装置21による制御のもとで画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置24として利用される。操作装置25は、遊技者Pからの指示を受付ける入力機器である。例えば、遊技者Pが操作する複数の操作子、または、表示装置24と一体に構成されて遊技者Pによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置25として利用される。
【0020】
図4は、ゲーム装置20の機能的な構成を例示するブロック図である。図4に例示される通り、第1実施形態の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(進行制御部31,要素保留部32,要素無効化部33および要素有効化部34)を実現する。
【0021】
進行制御部31は、ゲームの進行を制御する。第1実施形態のゲームは、遊技者Pがキャラクタを操作することでダンジョンを探索する探索ゲームを包含する。進行制御部31は、遊技者Pによる遊技媒体の使用(例えばベット)を契機として探索ゲームを開始し、当該探索ゲームの進行に応じた報酬を遊技者Pに付与する。進行制御部31は、記憶装置22に記憶された各種のデータを利用して探索ゲームを進行させる。また、進行制御部31は、ゲームが展開される仮想空間または当該仮想空間内のキャラクタ等の各種のオブジェクトを含むゲーム画像を表示装置24に表示させる。
【0022】
進行制御部31は、探索ゲームにおいて特定のアイテム(以下「特別アイテム」という)を遊技者Pに付与する。特別アイテムは、遊技者Pに付与される報酬に関連する報酬要素である。例えば探索ゲームにおいて遊技者Pが獲得可能な宝珠等のアイテムが特別アイテムの典型例である。進行制御部31は、探索ゲームにおいて所定の条件が成立した場合に遊技者Pに特別アイテムを付与する。例えば、探索ゲームの進行に応じて実行される抽選処理において遊技者Pが当選した場合に、当該遊技者Pに対して特別アイテムが付与される。
【0023】
第1実施形態の特別アイテムは、遊技者Pに報酬が付与される特定のゲーム(以下「特定ゲーム」という)を当該遊技者Pがプレイするために必要な要素である。具体的には、遊技者PがN個(Nは2以上の自然数)の特別アイテムを獲得した場合に、特定ゲームをプレイする権利(以下「特定ゲーム挑戦権」という)が遊技者Pに付与される。特定ゲームを攻略した遊技者Pには多数の報酬(いわゆるジャックポット)が付与される。特定ゲーム挑戦権は、遊技者Pに付与される報酬に関連する報酬要素である。なお、1個の特別アイテムの獲得により遊技者Pに特定ゲーム挑戦権を付与してもよい(N=1)。
【0024】
図5は、進行制御部31がゲームを進行させる処理(以下「進行処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。進行処理Saを開始すると、進行制御部31は、遊技者Pによる遊技媒体の使用を受付ける(Sa1)。遊技者Pは任意の数量の遊技媒体を使用することが可能である。進行制御部31は、記憶装置22に記憶された暫定的な報酬量(以下「暫定報酬量」という)を、遊技者Pによる遊技媒体の使用量に応じた数量だけ増加させる(Sa2)。具体的には、遊技媒体の使用量に対して所定の割合(例えば1%~3%)に相当する数量が暫定報酬量に加算される。進行処理Saは、例えば操作装置25に対する遊技者Pからの指示に応じてゲームを進行させる(Sa3)。
【0025】
図6は、進行制御部31がゲームを進行させる処理(Sa3)のうち特別アイテムの付与に関連する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。進行制御部31は、特別アイテムを遊技者Pに付与するための所定の条件が成立したか否かを判定する(Sa31)。所定の条件は、例えば抽選処理での当選である。所定の条件が成立しない場合(Sa31:NO)、進行制御部31は図6の処理を終了する。
【0026】
所定の条件が成立した場合(Sa31:YES)、進行制御部31は、遊技者Pに特別アイテムを付与する(Sa32)。すなわち、進行制御部31は、遊技者Pに付与された特別アイテムを記憶装置22に記憶する。具体的には、進行制御部31は、図7に例示される通り、遊技者Pに付与された特別アイテムを表す第1データE1を、記憶装置22に記憶された進行状況データDに登録する。1個の特別アイテムに対応する第1データE1は、当該特別アイテムに関する報酬量x(x1,x2,…)を指定する。進行制御部31は、遊技者Pに特別アイテムを付与した時点の暫定報酬量を、当該特別アイテムの報酬量xとして設定する。特別アイテムの報酬量xの設定により暫定報酬量はゼロに初期化される。
【0027】
進行制御部31は、遊技者Pが獲得した特別アイテムの個数(以下「獲得数」という)がN個に到達したか否かを判定する(Sa33)。特別アイテムの獲得数がN個に到達した場合(Sa33:YES)、進行制御部31は、特定ゲーム挑戦権を遊技者Pに付与する(Sa34)。進行制御部31は、特定ゲーム挑戦権を記憶装置22に記憶する。具体的には、進行制御部31は、図8に例示される通り、特定ゲーム挑戦権を表す第2データE2を進行状況データDに登録する。図8に例示される通り、第2データE2は、総報酬量Xを指定する。総報酬量Xは、特定ゲームの攻略(例えば抽選処理での当選)により遊技者Pに付与される報酬の数量を意味する。具体的には、進行制御部31は、N個の特別アイテムについて報酬量xを合計することで総報酬量Xを算定する。
【0028】
特定ゲーム挑戦権を記憶装置22に記憶すると、進行制御部31は、図8に例示される通り、N個の特別アイテムに対応するN個の第1データE1を進行状況データDから削除する(Sa35)。すなわち、相異なる特別アイテムに対応するN個の第1データE1が1個の第2データE2に変換される。N個の特別アイテムと引換えに遊技者Pが特定ゲーム挑戦権を獲得すると換言してもよい。なお、第1データE1を参照することで、遊技者PがN個の特別アイテムを獲得したか否か(すなわち遊技者Pが特定ゲーム挑戦権を獲得したか否か)を判定できるから、N個の第1データE1を1個の第2データE2に変換しなくてもよい。また、遊技者Pが獲得したアイテムまたはゲームに登場するキャラクタの成長度等を、進行状況データDに含ませてもよい。
【0029】
進行状況データDに特定ゲーム挑戦権が登録された状態において、進行制御部31は、操作装置25に対する遊技者Pからの指示を契機として特定ゲームを実行する。すなわち、特別アイテムの獲得数がN個に到達した直後の時点に限定されず、遊技者Pの所望の時点で特定ゲームが開始される。進行制御部31は、操作装置25に対する遊技者Pからの指示に応じて特定ゲームを進行させ、当該特定ゲームの結果に応じて総報酬量Xの報酬を遊技者Pに付与する。すなわち、進行制御部31は、N個の特別アイテムの各々について記憶装置22に記憶された報酬量xに応じた数量(すなわち総報酬量X)の遊技媒体を遊技者Pに付与する。以上の説明から理解される通り、特定ゲームは、遊技者Pによる遊技媒体の使用毎に総報酬量Xが累積的に増加するプログレッシブジャックポットである。
【0030】
遊技者Pは、ゲームの開始後における任意の時点においてゲームのプレイを終了できる。例えば、遊技者Pは、操作装置25に対する操作により終了を指示することでゲームのプレイを終了する。遊技者Pは、例えば特別アイテムの獲得数がN個に到達する以前の任意の時点でゲームのプレイを終了する。
【0031】
図4の要素保留部32は、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合に、遊技者Pに付与された報酬要素(特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権)を管理装置10の記憶装置12に記憶させる。記憶装置12は、「保留用記憶部」の一例である。また、要素無効化部33は、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合に、当該ゲームにおける報酬要素を無効化する。具体的には、要素無効化部33は、記憶装置22に記憶された進行状況データDを記憶装置22から消去する。以上の説明から理解される通り、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合、当該遊技者Pの進行状況データDが管理装置10に転送され、以降は当該進行状況データDをゲーム装置20におけるゲームに利用できない状態となる。
【0032】
図9は、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合に実行される処理(以下「保留処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。保留処理Sbを開始すると、要素保留部32は、進行状況データDの記憶を要求するための保留要求Rbを通信装置23から管理装置10に送信する(Sb1)。保留要求Rbは、遊技者Pの識別情報Fpと、遊技者Pがゲームの終了を指示した時点で記憶装置22に記憶されていた進行状況データDとを含む。通信装置13により保留要求Rbを受信すると、管理装置10の制御装置11は、保留要求Rbに含まれる識別情報Fpと進行状況データDとを相互に対応させた状態で記憶装置12に記憶させる(Sx1)。前述の通り、進行状況データDは、特別アイテム毎に報酬量xを指定する。すなわち、第1実施形態の要素保留部32は、複数の特別アイテムの各々について報酬量xを記憶装置12に記憶させる。
【0033】
以上の説明から理解される通り、要素保留部32は、遊技者Pに付与された報酬要素を管理装置10の記憶装置12に記憶させる。以上の構成によれば、遊技者Pに付与された報酬要素をゲーム装置20に記憶する必要がないから、ゲーム装置20の記憶装置22に必要な記憶容量が削減されるという利点がある。また、特定のゲーム装置20において遊技者Pに付与された報酬要素を、他のゲーム装置20において再現できるという利点もある。
【0034】
進行状況データDが記憶装置12に記憶されると、要素無効化部33は、遊技者Pの進行状況データDをゲーム装置20の記憶装置22から消去する(Sb2)。したがって、遊技者Pによるゲームの終了後に他の遊技者Paが同じゲーム装置20においてゲームを開始しても、遊技者Paは、遊技者Pの進行状況データDをゲームに適用することはできない。すなわち、遊技者Paは、遊技者Pが獲得した報酬要素(特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権)を自身のゲームに承継することはできない。以上の説明から理解される通り、要素無効化部33は、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合に、遊技者Pが当該ゲームにおいて獲得した報酬要素を無効化する。
【0035】
遊技者Pは、以上に説明したゲームの終了後の任意の時点(例えば後日)において当該ゲームのプレイを再開できる。図4の要素有効化部34は、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合に、管理装置10の記憶装置12に記憶された進行状況データDを当該ゲームにおいて有効化する。具体的には、要素有効化部34は、記憶装置12に記憶された進行状況データDを管理装置10から取得して記憶装置22に格納する。すなわち、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合には、前回のプレイの終了時における進行状況データDが管理装置10からゲーム装置20に転送され、当該進行状況データDがゲームに適用される。前回のプレイの終了時における進行状況が再現されると換言してもよい。遊技者Pは、過去のゲームのプレイにおいて獲得した報酬要素を今回のゲームにおいて利用できる。
【0036】
図10は、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合に実行される処理(以下「再開処理」という)Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。再開処理Scを開始すると、要素有効化部34は、進行状況データDの転送を要求するための転送要求Rcを通信装置23から管理装置10に送信する(Sc1)。転送要求Rcは、遊技者Pの識別情報Fpを含む。通信装置13により転送要求Rcを受信すると、管理装置10の制御装置11は、転送要求Rc内の識別情報Fpに対応する進行状況データDを記憶装置12から取得し、当該進行状況データDを通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sx2)。
【0037】
要素有効化部34は、管理装置10から送信された進行状況データDを通信装置23により受信する(Sc2)。要素有効化部34は、通信装置23が受信した進行状況データDを記憶装置22に格納する(Sc3)。記憶装置22に記憶された進行状況データDは、進行制御部31による進行処理Saに適用される。以上の説明から理解される通り、要素有効化部34は、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合に、当該遊技者Pが過去に獲得した報酬要素を有効化する。
【0038】
図11は、ゲーム装置20の制御装置21が実行する処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。図11の処理を開始すると、制御装置21は、識別情報Fpを遊技者Pから受付ける(S1)。例えば登録済の遊技者Pが所有するICカードから識別情報Fpを取得する処理、または、操作装置25に対する操作で遊技者Pが指示した識別情報Fpを取得する処理が実行される。なお、遊技者Pに関する事前の登録は必須ではない。例えば、事前の登録なしで遊技者Pがゲームのプレイを開始し、当該遊技者Pがゲームのプレイを終了する段階で、遊技者Pに割当てられた識別情報Fpを保留処理Sbにより記憶装置12に記憶してもよい。
【0039】
制御装置21は、遊技者Pから受付けた識別情報Fpを含む認証要求を通信装置23から仮装置に送信する(S2)。管理装置10の記憶装置12には、各遊技者Pについて登録された識別情報Fpが記憶される。管理装置10の制御装置11は、認証要求に含まれる識別情報Fpが登録済である否かを判定する認証処理を実行する(Sx3)。ゲーム装置20の制御装置21は、認証処理の結果を通信装置23により受信する(S3)。認証結果が否定(認証失敗)である場合、制御装置21は、認証の失敗を示すメッセージを表示装置24に表示したうえで処理を終了する。認証結果が肯定(認証成功)である場合、制御装置21は、以下の処理を実行する。
【0040】
制御装置21は、遊技者Pの進行状況データDが管理装置10の記憶装置12に記憶されているか否かを管理装置10に照会する(S4)。遊技者Pがゲームを初めてプレイする場合、当該遊技者Pの進行状況データDは記憶装置12に記憶されていない。記憶装置12に進行状況データDが記憶されていない場合(S4:NO)、制御装置21は、初期的な進行状況データDを記憶装置22に生成する(S5)。
【0041】
遊技者Pの進行状況データDが生成されると、制御装置21(進行制御部31)は、図5および図6を参照して前述した進行処理Saを実行する。すなわち、進行制御部31は、遊技者Pからの指示に応じてゲームを進行させ、所定の条件の成立により特別アイテムまたは特定ゲーム挑戦権を遊技者Pに付与する。進行状況データDはゲームの進行に連動して随時に更新される。
【0042】
制御装置21は、遊技者Pからゲームの終了が指示されたか否かを判定する(S6)。終了が指示されるまで(S6:NO)、進行処理Saが反復される。他方、遊技者Pがゲームの終了を指示すると(S6:YES)、制御装置21(要素保留部32および要素無効化部33)は、図9を参照して前述した保留処理Sbを実行する。すなわち、要素保留部32は、当該時点における進行状況データDを管理装置10の記憶装置12に記憶させ、要素無効化部33は、記憶装置22に記憶された進行状況データDを無効化する。
【0043】
保留処理Sbにより遊技者Pの進行状況データDが管理装置10の記憶装置12に記憶された状態(すなわち遊技者Pがゲームを再開した場合)では、ステップS4の判定の結果が肯定となる。記憶装置12に進行状況データDが記憶されている場合(S4:YES)、制御装置21(要素有効化部34)は、図10を参照して前述した再開処理Scを実行する。すなわち、要素有効化部34は、記憶装置12に記憶された進行状況データDを管理装置10から取得し、当該進行状況データDを記憶装置22に記憶する。したがって、遊技者Pは、過去のプレイにおいて獲得した報酬要素を、今回のゲームにおいて利用できる。
【0044】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、遊技者Pに付与された報酬要素(特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権)が管理装置10の記憶装置12に記憶され、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合には当該報酬要素が当該ゲームにおいて無効化される。他方、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合には、記憶装置12に記憶された報酬要素が当該ゲームにおいて有効化される。したがって、遊技者Pは、自身のプレイにより獲得した報酬要素を、プレイの終了により無駄にする(例えば直後にゲームをプレイする他の遊技者Pにより利用される)ことなく、再開後のゲームに利用することができる。以上の説明の通り、第1実施形態によれば、遊技者Pがゲームを継続的にプレイする誘因を付与できるという利点がある。
【0045】
特定ゲームのプレイに複数の特別アイテムが必要とされる構成では、遊技者Pが複数の特別アイテムを獲得するために多数の遊技媒体と長時間にわたるプレイとが必要である。したがって、遊技者Pが獲得した特別アイテムがプレイの終了により無駄になるとすれば、遊技者Pの失望が顕著となる。以上の事情を考慮すると、記憶装置12に報酬要素が記憶されてプレイの再開後に有効化される構成は、特定ゲームのプレイに複数の報酬要素が必要とされる第1実施形態において格別に有効である。
【0046】
第1実施形態では、遊技者Pに報酬が付与される特定ゲームをプレイするための特定ゲーム挑戦権(N個の特別アイテム)が遊技者Pに付与される。したがって、遊技者Pは、N個の特別アイテムを獲得してから特定ゲームをプレイすることなくゲームのプレイを終了した場合でも、当該ゲームのプレイの再開後に特定ゲームをプレイできる。第1実施形態では特に、遊技者Pに特定ゲーム挑戦権が付与された場合に、当該遊技者Pからの指示を契機として特定ゲームが実行される。したがって、特定ゲーム挑戦権を獲得した遊技者Pは、自身の所望の時期に特定ゲームをプレイすることが可能である。例えば遊技施設の閉店の間際にN個の特別アイテムを獲得した遊技者Pは、閉店時間までの期間内に制限されることなく、例えば遊技者Pに時間的な余裕がある後日に特定ゲームをプレイすることが可能である。
【0047】
また、第1実施形態では、各特別アイテム(報酬要素)に関する報酬量xが遊技者P毎に記憶装置12に記憶されるから、各遊技者Pは、自身の遊技媒体の使用量に応じた数量の遊技媒体を特定ゲームにおいて獲得することが可能である。なお、遊技者Pが獲得した報酬要素を記憶装置12に記憶しない構成では、従前のプログレッシブジャックポットのように複数の遊技者Pによる遊技価値の使用量に応じて特定ゲームの総報酬量Xが累積的に増加する。したがって、報酬要素毎の報酬量xを保持する必要はない。すなわち、第1実施形態のように報酬要素毎の報酬量xを記憶装置12に記憶する構成は、各遊技者Pが獲得した報酬要素を記憶装置12に記憶する構成のもとでこそ必要となる特徴的な構成である。
【0048】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0049】
遊技施設A内のゲーム装置20において遊技者Pが獲得した報酬要素(特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権)を、遊技施設Aとは別個の遊技施設B内のゲーム装置20において利用できるとすれば、遊技者Pによる遊技媒体の使用量と遊技者Pに対する報酬の付与量とのバランスが遊技施設毎に適切に維持されないという問題がある。例えば、遊技施設Aでは、多数の遊技媒体が使用される一方で遊技者Pに付与される報酬は少なく、遊技施設Bでは、遊技媒体の使用量は少ない一方で遊技者Pに多数の遊技媒体が付与される結果となる。以上の事情を背景として、第2実施形態では、特定の遊技施設内のゲーム装置20において遊技者Pが獲得した報酬要素の利用範囲を、当該遊技施設内のゲーム装置20に制限する。すなわち、遊技者Pは、遊技施設A内のゲーム装置20により獲得した報酬要素を、遊技施設B内のゲーム装置20では利用できない。
【0050】
第2実施形態におけるゲーム装置20の記憶装置22は、当該ゲーム装置20を識別するための識別情報Fgを記憶する。ひとつの遊技施設内に設置される複数のゲーム装置20には、共通の識別情報Fgが割当てられる。したがって、識別情報Fgは、遊技施設を識別するための情報とも換言される。ただし、遊技施設内の複数のゲーム装置20の各々に別個の識別情報Fgを割当ててもよい。
【0051】
第1実施形態の保留処理Sbでは、要素保留部32は、遊技者Pの識別情報Fpと進行状況データDとを含む保留要求Rbを管理装置10に送信した(Sb1)。第2実施形態の保留処理Sbでは、要素保留部32は、図12に例示される通り、遊技者Pの識別情報Fpと進行状況データDとに加えて当該ゲーム装置20の識別情報Fgを含む保留要求Rbを通信装置23から管理装置10に送信する(Sb1)。管理装置10は、保留要求Rbに含まれる識別情報Fpと進行状況データDと識別情報Fgとを相互に対応させた状態で記憶装置12に記憶させる(Sx1)。以上の説明から理解される通り、第2実施形態の要素保留部32は、ゲーム装置20の識別情報Fgを報酬要素(特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権)に対応させて記憶装置12に記憶させる。
【0052】
図13は、第2実施形態における再開処理Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。再開処理Scを開始すると、要素有効化部34は、第1実施形態と同様に、遊技者Pの識別情報Fpを含む転送要求Rcを通信装置23から管理装置10に送信する(Sc1)。管理装置10の制御装置11は、転送要求Rc内の識別情報Fpに対応する進行状況データDと識別情報Fgとを記憶装置12から取得し、当該進行状況データDと当該識別情報Fgとを通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sx2)。要素有効化部34は、管理装置10から送信された進行状況データDと識別情報Fgとを通信装置23により受信する(Sc2)。
【0053】
要素有効化部34は、管理装置10から受信した識別情報Fgが、当該ゲーム装置20の記憶装置22に記憶された識別情報Fgに一致するか否かを判定する(Sc4)。すなわち、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDが表す報酬要素が、当該ゲーム装置20において遊技者Pに付与されたものであるか否かを判定する。
【0054】
管理装置10から取得した識別情報Fgと当該ゲーム装置20の識別情報Fgとが一致しない場合(Sc4:NO)、進行状況データDが表す報酬要素が、当該ゲーム装置20において遊技者Pに付与されたものではないことを意味する。したがって、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDを記憶装置22に記憶することなく破棄する(Sc5)。すなわち、当該進行状況データDが表す報酬要素は、今回の遊技者Pによるゲームには適用されない。
【0055】
他方、管理装置10から取得した識別情報Fgと当該ゲーム装置20の識別情報Fgとが一致する場合(Sc4:YES)には、管理装置10から受信した進行状況データDが表す報酬要素が、当該ゲーム装置20において遊技者Pに付与されたことを意味する。したがって、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDを記憶装置22に格納することで、当該進行状況データDが表す報酬要素を今回のゲームにおいて有効化する(Sc3)。第1実施形態と同様に、記憶装置22に記憶された進行状況データDは、進行制御部31による進行処理Saに適用される。
【0056】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態では、記憶装置12に記憶された識別情報Fgとゲーム装置20の識別情報Fgとが一致する場合に報酬要素が有効化される。すなわち、ゲーム装置20において遊技者Pに付与された報酬要素を、識別情報Fgが当該ゲーム装置20とは相違する他のゲーム装置20において利用することはできない。したがって、遊技者Pによる遊技媒体の使用量と遊技者Pに対する報酬の付与量とのバランスを、識別情報Fgが共通するゲーム装置20の集合毎(例えば遊技施設毎)に適正に維持できる。
【0057】
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態におけるゲーム装置20の機能的な構成を例示するブロック図である。図14に例示される通り、第3実施形態の制御装置21は、第1実施形態と同様の要素(進行制御部31,要素保留部32,要素無効化部33および要素有効化部34)に加えて動作設定部35として機能する。動作設定部35は、ゲーム装置20の動作モードを設定する。遊技施設の従業員等の管理者は、操作装置25を操作することで動作モードを指示する。動作設定部35は、管理者からの指示に応じて第1動作モードおよび第2動作モードの何れかを選択する。第1動作モードは、第1実施形態と同様に、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合に、当該遊技者Pの報酬要素を管理装置10の記憶装置12に記憶させたうえでゲームにおいて無効化する動作モードである。第2動作モードは、遊技者Pに付与された報酬要素の記憶および無効化を実行しない動作モードである。以上の説明から理解される通り、動作設定部35は、遊技者Pに付与された報酬要素を管理装置10の記憶装置12に記憶させるか否かを管理者からの指示に応じて設定する。
【0058】
遊技者Pからゲームの終了が指示された場合(S6:YES)、第1動作モードでは保留処理Sbが実行されるが、第2動作モードでは保留処理Sbが省略される。すなわち、第2動作モードでは、管理装置10に対する保留要求Rbの送信(Sb1)と報酬要素の無効化(Sb2)とが実行されない。また、遊技者Pがゲームのプレイを再開する場合、第1動作モードでは再開処理Scが実行されるが、第2動作モードでは再開処理Scが省略される。すなわち、第2動作モードでは、管理装置10に対する転送要求Rcの送信(Sc1)と報酬要素の有効化(Sc2,Sc3)とは実行されない。したがって、第2動作モードにおいて、遊技者Pは、他の遊技者Pが直前のプレイで獲得した報酬要素を承継してゲームをプレイする。
【0059】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、遊技者Pに付与された報酬要素を記憶装置12に記憶させるか否かが管理者からの指示に応じて設定される。したがって、ゲーム装置20の使用状況に応じた柔軟な運営が可能である。
【0060】
[第4実施形態]
図15は、第4実施形態におけるゲーム装置20の機能的な構成を例示するブロック図である。図15に例示される通り、第4実施形態の制御装置21は、第1実施形態と同様の要素(進行制御部31,要素保留部32,要素無効化部33および要素有効化部34)に加えて期間設定部36として機能する。期間設定部36は、遊技者Pに付与された報酬要素の有効期間を設定する。遊技施設の従業員等の管理者は、操作装置25を操作することで有効期間の時間長を指示する。期間設定部36は、管理者からの指示に応じて有効期間の時間長を設定する。
【0061】
第1実施形態の保留処理Sbでは、要素保留部32は、遊技者Pの識別情報Fpと進行状況データDとを含む保留要求Rbを管理装置10に送信した(Sb1)。第4実施形態の保留処理Sbでは、要素保留部32は、図16に例示される通り、遊技者Pの識別情報Fpと進行状況データDとに加えて最終プレイ時刻Tを含む保留要求Rbを通信装置23から管理装置10に送信する(Sb1)。最終プレイ時刻Tは、遊技者Pがゲームのプレイを終了する時刻である。最終プレイ時刻Tを始点として報酬要素の有効期間が設定される。管理装置10は、保留要求Rbに含まれる識別情報Fpと進行状況データDと最終プレイ時刻Tとを相互に対応させた状態で記憶装置12に記憶させる(Sx1)。
【0062】
図17は、第4実施形態における再開処理Scの具体的な手順を例示するフローチャートである。再開処理Scを開始すると、要素有効化部34は、第1実施形態と同様に、遊技者Pの識別情報Fpを含む転送要求Rcを通信装置23から管理装置10に送信する(Sc1)。管理装置10の制御装置11は、転送要求Rc内の識別情報Fpに対応する進行状況データDと最終プレイ時刻Tとを記憶装置12から取得し、当該進行状況データDと当該最終プレイ時刻Tとを通信装置13からゲーム装置20に送信する(Sx2)。要素有効化部34は、管理装置10から送信された進行状況データDおよび最終プレイ時刻Tとを通信装置23により受信する(Sc2)。
【0063】
要素有効化部34は、現在の時刻が、管理装置10から受信した最終プレイ時刻Tを始点とする有効期間内にあるか否かを判定する(Sc6)。すなわち、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDが表す報酬要素が有効期間内にあるか否かを判定する。
【0064】
現在の時刻が有効期間内にない場合(Sc6:NO)、進行状況データDが表す報酬要素の有効期間が既に満了したことを意味する。したがって、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDを記憶装置22に記憶することなく破棄する(Sc5)。すなわち、当該進行状況データDが表す報酬要素は、今回の遊技者Pによるゲームには適用されない。
【0065】
他方、現在の時刻が有効期間内にある場合(Sc6:YES)には、管理装置10から受信した進行状況データDが表す報酬要素の有効期間が満了していないことを意味する。したがって、要素有効化部34は、管理装置10から受信した進行状況データDを記憶装置22に格納することで、当該進行状況データDが表す報酬要素を今回のゲームにおいて有効化する(Sc3)。第1実施形態と同様に、記憶装置22に記憶された進行状況データDは、進行制御部31による進行処理Saに適用される。以上の説明から理解される通り、第4実施形態の要素有効化部34は、有効期間内に限定して報酬要素を有効化する。
【0066】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第4実施形態では、有効期間内に限定して報酬要素が有効化されるから、記憶装置12に記憶された報酬要素が過度に長期間にわたり有効化され得る状態が回避される。また、第4実施形態では、管理者からの指示に応じて報酬要素の有効期間が設定される。したがって、ゲーム装置20の使用状況に応じた柔軟な運営が可能である。
【0067】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0068】
(1)前述の各形態では、遊技者Pがゲームのプレイを終了する場合(S6:YES)に、当該遊技者Pに付与された報酬要素を記憶装置12に記憶させたが、記憶装置12に報酬要素を記憶させる時点は以上の例示に限定されない。例えば、記憶装置12に記憶される報酬要素を所定の周期で更新してもよいし、遊技者Pに報酬要素が付与された時点で当該報酬要素を記憶装置12に記憶してもよい。
【0069】
(2)前述の各形態では、N個の特別アイテムを遊技者Pが獲得した場合に特定ゲームのプレイを許容したが、特定ゲームのプレイのための条件は以上の例示に限定されない。例えば、複数種の特別アイテムを遊技者Pが獲得した場合に当該遊技者Pに特定ゲーム挑戦権を付与してもよい。
【0070】
(3)前述の各形態では、遊技者Pによる遊技媒体の使用量に応じて総報酬量Xが設定される特定ゲームを例示したが、特定ゲームの態様は以上の例示に限定されない。例えば、特定ゲームにおいて遊技者Pに付与される総報酬量Xは、遊技媒体の使用量とは無関係の所定値に設定されてもよい。以上の構成によれば、遊技媒体の使用量が少ない段階でも、特定ゲームでの当選により遊技者Pが相応の数量の遊技価値を獲得できるという利点がある。
【0071】
なお、遊技者Pが特定ゲームの攻略に失敗した場合に、当該特定ゲームにおける総報酬量Xの一部または全部を次回の特定ゲームに繰越してもよい。遊技施設内の複数のゲーム装置20における遊技媒体の使用量に応じて、特定ゲームにおける総報酬量Xを設定してもよい。総報酬量Xのうち所定の割合の数量を、特定ゲームを攻略した遊技者Pに付与してもよい。
【0072】
(4)前述の各形態では、遊技者Pが特定ゲームをプレイするための特別アイテムおよび特定ゲーム挑戦権を例示したが、報酬に関連する報酬要素の具体的な内容は以上の例示に限定されない。例えば、ゲーム装置20の動作モードを変化させるための報酬要素を遊技者Pに付与してもよい。具体的には、遊技者Pに報酬が付与される確率(例えばゲーム内の抽選処理における当選確率)が一時的に上昇する動作モードに遷移するための報酬要素を、遊技者Pに付与してもよい。また、遊技者Pに付与される報酬の数量が一時的に増加する動作モードに遷移するための報酬要素を、遊技者Pに付与してもよい。以上の例示から理解される通り、報酬要素は、遊技者Pに付与される報酬に関連するゲーム要素として包括的に表現される。
【0073】
(5)前述の第4実施形態では、最終プレイ時刻Tを始点とする有効期限を例示したが、有効期限の設定の方法は以上の例示に限定されない。例えば、各遊技者Pによるゲームのプレイとは無関係に決定された特定の時刻を終点として有効期限を設定してもよい。遊技者Pによるゲームのプレイとは無関係に決定された期間(例えば平日限定、休日限定)を有効期間としてもよい。遊技者Pによるプレイとは無関係に有効期間が設定される構成では、各遊技者Pの最終プレイ時刻Tを記憶装置12に記憶させる動作は不要である。また、前述の第4実施形態では、遊技者Pに付与された報酬要素の全体に対して有効期限を設定したが、報酬要素毎に有効期限を個別に設定してもよい。以上の構成によれば、長期間にわたり使用されない報酬要素のみを無効化することが可能である。
【0074】
(6)前述の各形態では、遊技者Pに付与された報酬要素を管理装置10の記憶装置12に記憶したが、報酬要素を記憶させる手段(保留用記憶部)は記憶装置12に限定されない。例えば、ゲーム装置20の記憶装置22に設定された所定の記憶領域に報酬要素を記憶してもよい。また、遊技者Pが所有する可搬型の記憶媒体(例えばICカード)に報酬要素を記憶してもよい。以上の説明から理解される通り、保留用記憶部は、報酬要素を記憶可能な任意の手段であり、管理装置10の記憶装置12とゲーム装置20の記憶装置22と可搬型の記録媒体とは保留用記憶部の一例である。
【0075】
(7)前述の各形態では、キャラクタがダンジョンを探索するゲームを例示したが、ゲームの内容は以上の例示に限定されない。例えば、トークンコイン等の複数の遊技体をテーブルから落下させるプッシャーゲーム、ボール等の遊技体を複数のポケットの何れかに進入させるルーレットゲーム等の各種のゲームを実行するゲーム装置に、本発明は適用される。
【0076】
(8)前述の各形態に係るゲーム装置20の機能は、制御装置21を構成する1以上のプロセッサと記憶装置22に記憶されたプログラムとの協働により実現される。プログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0077】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0078】
[付記1]
本発明の好適な態様(付記1)に係るゲーム装置(20)は、遊技者(P)による遊技媒体の使用と当該遊技者(P)に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者(P)に付与する進行制御部(31)と、前記遊技者(P)に付与された前記報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させる要素保留部(32)と、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部(33)と、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部(12)に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部(34)とを具備する。
【0079】
以上の態様では、遊技者(P)に付与された報酬要素が保留用記憶部(12)に記憶され、遊技者(P)がゲームのプレイを終了する場合に、当該報酬要素が当該ゲームにおいて無効化される。そして、遊技者(P)がゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部(12)に記憶された前記報酬要素が当該ゲームにおいて有効化される。したがって、遊技者(P)は、自身のプレイにより獲得した報酬要素をプレイの終了により無駄にする(例えば直後にゲームをプレイする他の遊技者(P)により利用される)ことなく、プレイの再開後にゲームに利用することが可能である。すなわち、遊技者(P)がゲームを継続的にプレイする誘因を付与できるという利点がある。
【0080】
「報酬に関連する報酬要素」とは、ゲームにおいて遊技者(P)に付与される報酬の数量(報酬の付与の有無を含む)に影響する要素を意味する。例えば、遊技者(P)に報酬が付与される特定のゲームをプレイするために必要なアイテムが「報酬要素」の例示である。また、遊技者(P)に報酬が付与される確率が一時的に上昇する動作モードへの遷移、または、遊技者(P)に付与される報酬の数量が一時的に増加する動作モードへの遷移を「報酬要素」としてもよい。
【0081】
ゲームにおける報酬要素の「無効化」とは、当該報酬要素をゲームに利用できない状態にすることを意味する。例えば、ゲーム制御用の記憶部(以下「制御用記憶部(22)」という)に記憶されたデータを利用して進行制御部(31)がゲームを進行させる構成では、遊技者(P)に対する付与により制御用記憶部(22)に記憶された報酬要素を消去する処理が「無効化」に相当する。また、報酬要素の有効/無効を示す情報(例えばフラグ)を、有効から無効に変更する処理も「無効化」に相当する。
【0082】
ゲームにおける報酬要素の「有効化」とは、当該報酬要素をゲームに利用できる状態にすることを意味する。例えば、保留用記憶部(12)に記憶された報酬要素を前述の制御用記憶部(22)に転送する処理が、「有効化」に相当する。また、報酬要素の有効/無効を示す情報(例えばフラグ)を、無効から有効に変更する処理も「有効化」に相当する。
【0083】
保留用記憶部(12)と制御用記憶部(22)とは、単体の記憶装置に設定された別個の記憶領域でもよいし、相互に別体で構成された別個の記憶装置でもよい。
【0084】
要素保留部(32)が報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させる時点は任意である。典型的な態様では、遊技者(P)がゲームのプレイを終了する場合に、要素保留部(32)が報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させる。なお、遊技者(P)に報酬要素が付与された時点で当該報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させる構成や、保留用記憶部(12)に記憶される報酬要素を所定の周期で更新する構成も想定される。
【0085】
[付記2]
付記1の好適例(付記2)において、前記報酬要素は、前記遊技者(P)に報酬が付与される特定ゲームをプレイするために必要な要素である。以上の態様によれば、遊技者(P)は、特定ゲームをプレイすることなくゲームのプレイを終了した場合でも、当該ゲームのプレイの再開後に報酬要素を利用することで特定ゲームをプレイできる。なお、「特定ゲーム」の典型例は、例えば遊技者(P)に対する報酬の付与の可否または報酬の付与量を抽選処理により決定する抽選ゲームである。
【0086】
[付記3]
付記2の好適例(付記3)において、前記進行制御部(31)は、前記遊技者(P)に前記報酬要素が付与された場合に、当該遊技者(P)からの指示を契機として前記特定ゲームを実行する。以上の態様によれば、報酬要素を獲得した遊技者(P)は、自身の所望の時期に特定ゲームをプレイすることが可能である。ゲームを終了した場合でも、遊技者(P)に付与された報酬要素は保留用記憶部(12)に記憶されるから、ゲームを終了するまでの期間内に制限されることなく、例えば遊技者(P)に余裕がある時点で特定ゲームをプレイすることが可能である。
【0087】
[付記4]
付記2または付記3の好適例(付記4)において、前記進行制御部(31)は、前記報酬要素を含む複数の報酬要素が遊技者(P)に付与されることを条件として前記特定ゲームを実行する。特定ゲームのプレイに複数の報酬要素が必要とされる構成では、遊技者(P)が複数の報酬要素を獲得するために多数の遊技媒体と長時間にわたるプレイとが必要である。したがって、遊技者(P)が獲得した報酬要素がプレイの終了により無駄になるとすれば、遊技者(P)の失望が顕著となる。以上の事情を考慮すると、保留用記憶部(12)に報酬要素が記憶されてプレイの再開後に有効化される本発明の各態様は、特定ゲームのプレイに複数の報酬要素が必要とされる構成において格別に有効である。
【0088】
[付記5]
付記5の好適例(付記5)において、前記要素保留部(32)は、前記報酬要素について、前記遊技者(P)による遊技媒体の使用量に応じた報酬量(x)を前記保留用記憶部(12)に記憶させ、前記進行制御部(31)は、前記特定ゲームにおいて、前記複数の報酬要素の各々について前記保留用記憶部(12)に記憶された報酬量(x)に応じた数量(X)の遊技媒体を前記遊技者(P)に付与する。以上の態様によれば、各報酬要素に関する報酬量(x)が遊技者(P)毎に記憶されるから、各遊技者(P)は、自身の遊技媒体の使用量に応じた数量の遊技媒体を特定ゲームにおいて獲得することが可能である。
【0089】
[付記6]
付記1から付記4の何れかの好適例(付記6)に係るゲーム装置(20)は、管理装置(10)との間で通信可能なゲーム装置(20)であって、前記保留用記憶部(12)は、前記管理装置(10)に設置される。以上の態様によれば、遊技者(P)の報酬要素をゲーム装置(20)に記憶する必要がないから、ゲーム装置(20)に必要な記憶容量を削減することが可能である。
【0090】
[付記7]
付記1から付記6の何れかの好適例(付記7)において、前記要素保留部(32)は、当該ゲーム装置(20)の識別情報(Fg)を前記報酬要素に対応させて前記保留用記憶部(12)に記憶させ、前記要素有効化部(34)は、前記保留用記憶部(12)に記憶された識別情報(Fg)と当該ゲーム装置(20)の識別情報(Fg)とが一致する場合に、当該識別情報(Fg)に対応する前記報酬要素をゲームにおいて有効化する。以上の態様では、保留用記憶部(12)に記憶された識別情報(Fg)とゲーム装置(20)の識別情報(Fg)とが一致する場合に報酬要素が有効化される。すなわち、ゲーム装置(20)において遊技者(P)に付与された報酬要素を、識別情報(Fg)が当該ゲーム装置(20)とは相違する他のゲーム装置(20)において利用することはできない。したがって、遊技者(P)による遊技媒体の使用量と当該遊技者(P)に対する報酬の付与量とのバランスを、識別情報(Fg)が共通するゲーム装置(20)の集合毎(例えば遊技施設毎)に適正に維持することが可能である。
【0091】
付記7の好適例において、保留用記憶部(12)の識別情報(Fg)とゲーム装置(20)の識別情報(Fg)とが一致しない場合には報酬要素は有効化されない。報酬要素を有効化しないための構成としては、当該報酬要素を保留用記憶部(12)から制御用記憶部(22)に転送したうえで当該報酬要素の利用を禁止する構成、または、保留用記憶部(12)から制御用記憶部(22)に対する報酬要素の転送を禁止する構成が例示される。
【0092】
[付記8]
付記1から付記7の何れかの好適例(付記8)に係るゲーム装置(20)は、前記遊技者(P)に付与された前記報酬要素を前記保留用記憶部(12)に記憶させるか否かを、当該ゲーム装置(20)の管理者からの指示に応じて設定する動作設定部(35)を具備する。以上の態様では、識別情報(Fg)の一致を報酬要素の有効化のために要求するか否かが管理者からの指示に応じて設定される。したがって、ゲーム装置(20)の使用状況に応じた柔軟な運営が可能である。
【0093】
[付記9]
付記1から付記8の何れかの好適例(付記9)において、前記要素有効化部(34)は、有効期間内に限定して前記報酬要素を有効化する。以上の態様では、有効期間内に限定して報酬要素が有効化される。したがって、保留用記憶部(12)に記憶された報酬要素が過度に長期間にわたり有効化され得る状態が回避される。
【0094】
有効期間の始点は、例えば、遊技者(P)に報酬要素が付与された時点、遊技者(P)がゲームを最後にプレイした時点、または、ゲームのプレイとは無関係に設定された所定の日時である。また、有効期間の終点は、例えば、有効期間の始点から所定の時間が経過した時点、または、ゲームのプレイとは無関係に設定された所定の日時である。また、ゲームのプレイとは無関係に設定された期間(例えば平日限定、休日限定)を有効期間としてもよい。
【0095】
以上の態様において、有効期間外では報酬要素は有効化されない。報酬要素を有効化しないための構成としては、当該報酬要素を保留用記憶部(12)から制御用記憶部(22)に転送したうえで当該報酬要素の利用を禁止する構成、または、保留用記憶部(12)から制御用記憶部(22)に対する報酬要素の転送を禁止する構成が例示される。
【0096】
[付記10]
付記9の好適例(付記10)に係るゲーム装置(20)は、前記有効期間を当該ゲーム装置(20)の管理者からの指示に応じて設定する期間設定部(36)を具備する。以上の態様では、管理者からの指示に応じて有効期間が設定される。したがって、ゲーム装置(20)の使用状況に応じた柔軟な運営が可能である。
【0097】
[付記11]
本発明の好適な態様(付記11)に係るゲーム装置(20)の動作方法は、遊技者(P)による遊技媒体の使用と当該遊技者(P)に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者(P)に付与し(Sa)、前記遊技者(P)に付与された前記報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させ(Sb1)、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化し(Sb2)、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部(12)に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する(Sc)。
【0098】
[付記12]
本発明の好適な態様(付記12)に係るプログラムは、遊技者(P)による遊技媒体の使用と当該遊技者(P)に対する報酬の付与とを含むゲームを進行させ、前記報酬に関連する報酬要素を当該ゲームの進行に応じて前記遊技者(P)に付与する進行制御部(31)、前記遊技者(P)に付与された前記報酬要素を保留用記憶部(12)に記憶させる要素保留部(32)、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを終了する場合に、前記ゲームにおける当該報酬要素を無効化する要素無効化部(33)、および、前記遊技者(P)が前記ゲームのプレイを再開する場合に、前記保留用記憶部(12)に記憶された前記報酬要素を当該ゲームにおいて有効化する要素有効化部(34)、としてコンピュータを機能させる。
【符号の説明】
【0099】
1…ゲームシステム、2…通信網、10…管理装置、11,21…制御装置、12,22…記憶装置、13,23…通信装置、20…ゲーム装置、24…表示装置、25…操作装置、31…進行制御部、32…要素保留部、33…要素無効化部、34…要素有効化部、35…動作設定部、36…期間設定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17