(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007175
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240111BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108462
(22)【出願日】2022-07-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトにおける公開、公開日:令和4年4月26日(掲載アドレス:https://nft.bleaguepark.jp/)、公開日:令和4年5月2日(掲載アドレス:https://nft.bleaguepark.jp/,https://tixplus.co.jp/news/detail/243)、公開日:令和4年5月25日(掲載アドレス:https://next.takacolle.softbankhawks.co.jp/,https://tixplus.co.jp/news/detail/251)、公開日:令和4年6月10日(掲載アドレス:https://next.takacolle.softbankhawks.co.jp/)
(71)【出願人】
【識別番号】519188640
【氏名又は名称】株式会社Tixplus
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 宗多朗
(72)【発明者】
【氏名】前迫 健次郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】電子データの新たな配信手法を実現する情報処理装置、方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】電子データ販売装置101は、種別情報を有する複数の電子データから、種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成し、パックに関連付けられる購入状態を管理し、複数のパックの1つに対する購入要求を取得し、購入要求を取得すると、購入状態が購入可能状態にあるパックから提供パックを選択し、提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を送信する。購入状態を管理することは、提供パックの購入状態を予約状態とし、購入要求を送信したユーザから購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、購入状態を購入済み状態とすることを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、前記種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成するパック生成部と、
前記複数のパックのそれぞれに関連付けられる購入状態を管理する購入状態管理部と、
複数のユーザのそれぞれから前記複数のパックの1つに対する購入要求を取得する購入要求取得部と、
前記購入要求を取得すると、前記複数のパックから前記購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択するパック選択部と、
前記複数の電子データのうち前記提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、前記購入要求を送信したユーザに送信する画面送信部と、を備え、
前記購入状態管理部は、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とし、前記購入要求を送信した前記ユーザから前記購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、前記購入状態を購入済み状態とする、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記購入画面は、前記予約状態にある前記提供パックを購入可能な購入可能時間をさらに提示するように構成され、
前記購入状態管理部は、前記購入入力が前記購入可能時間内に取得された場合に、前記提供パックの前記購入状態を前記予約状態から前記購入済み状態とし、前記購入入力が前記購入可能時間内に取得されなかった場合に、前記提供パックの前記購入状態を前記予約状態から前記購入可能状態とする、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記画面送信部は、前記複数のパックのうち、前記購入可能状態にある前記パックの有無を判断し、前記購入可能状態にある前記パックがある場合に、前記購入要求を送信した前記ユーザに前記購入画面を送信し、前記購入可能状態にある前記パックがない場合に、前記購入要求を送信した前記ユーザに待機画面を送信し、
前記購入要求取得部は、前記待機画面を通じて再購入要求を前記購入要求として取得する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記待機画面は、前記購入状態に基づく、前記パックのそれぞれに含まれる前記複数の電子データの個数の情報及び/又は前記種別情報を提示するように構成される、情報処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記待機画面は、前記複数のユーザのうち前記購入画面が提示されているユーザの人数の情報を提示するように構成される、情報処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記待機画面は、前記待機画面を通じて前記購入要求が再度取得可能となるまでの待機時間の情報を提示するように構成される、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記画面送信部は、前記購入状態に基づく、前記パックのそれぞれに含まれる前記複数の電子データの個数の情報及び/又は前記種別情報を提示する説明画面を前記複数のユーザに送信し、
前記購入要求取得部は、前記説明画面を通じて前記購入要求を取得する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記選択数を管理ユーザから取得する選択数取得部、をさらに備える情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、前記種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成することと、
前記複数のパックに関連付けられる購入状態を管理することと、
複数のユーザのそれぞれから前記複数のパックの1つに対する購入要求を取得することと、
前記購入要求を取得すると、前記複数のパックから前記購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択し、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とすることと、
前記複数の電子データのうち前記提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、前記購入要求を送信したユーザに送信することと、を含み、
前記購入状態を管理することは、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とし、前記購入要求を送信した前記ユーザから前記購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、前記購入状態を購入済み状態とする、方法。
【請求項10】
コンピュータに、
種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、前記種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成することと、
前記複数のパックに関連付けられる購入状態を管理することと、
複数のユーザのそれぞれから前記複数のパックの1つに対する購入要求を取得することと、
前記購入要求を取得すると、前記複数のパックから前記購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択し、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とすることと、
前記複数の電子データのうち前記提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、前記購入要求を送信したユーザに送信することと、を実行させ、
前記購入状態を管理することは、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とし、前記購入要求を送信した前記ユーザから前記購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、前記購入状態を購入済み状態とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタや人物が図柄として含まれるトレーディングカードが、カードの購入や交換などを通じて、消費者がコレクションを行う対象として存在している。トレーディングカードは、紙やプラスチック等の実際の材料に図柄が印刷される形態で発行されるほか、電子データとして生成されてカード購入者に配信される形態で発行されることがある。特許文献1には、ネットワーク上で画像を配信し、ネットワークサーバ上にアルバムとして保存でき、かつアルバムに保存した画像をネットワーク上で交換できるデジタルトレーディングカード配信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のデジタルトレーディングカード配信システムでは、トレーディングカードが、ユーザに対してランダムに配信され、カードを購入するユーザは配信されたカードを受け取ることのみが可能である。ユーザが、トレーディングカードの配信への対価となる代金を支払う場合がある。この場合、ランダムに配信されるカードを受け取ることは、ユーザが希望しない又はユーザが既に所持しているトレーディングカードを購入することにつながり、ユーザの趣向性が低下する。また、確率に基づいてカードを有限回配信する場合、配信されるカードが偏るおそれがあった。このような状況の下、デジタルトレーディングカード等の電子データの配信においては、新しい配信手法が提供される必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、電子データの新たな配信手法を実現する情報処理装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成するパック生成部と、複数のパックのそれぞれに関連付けられる購入状態を管理する購入状態管理部と、複数のユーザのそれぞれから複数のパックの1つに対する購入要求を取得する購入要求取得部と、購入要求を取得すると、複数のパックから購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択するパック選択部と、複数の電子データのうち提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、購入要求を送信したユーザに送信する画面送信部と、を備え、購入状態管理部は、提供パックの購入状態を予約状態とし、購入要求を送信したユーザから購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、購入状態を購入済み状態とする、情報処理装置。
【0007】
この態様によれば、異なる種別情報を有する電子データのいくつかがまとめられた電子データのパックが生成される。電子データのパックのそれぞれは、種別情報が互いに異なる電子データが選択数だけ選択されてまとめられる。電子データのパックへの購入要求がユーザから取得されると、購入可能状態にあるパックの中から提供パックが選択される。提供パックは、その購入状態が購入可能状態から予約状態に更新される。画面送信部は、提供パックの情報及び提供パックに含まれる電子データの情報をユーザに提示する購入画面をユーザに送信する。ユーザは、購入画面を確認し、自身が提供パックを購入してもよいと考える場合に、購入入力を入力する。
【0008】
したがって、ユーザは、電子データを購入する場合に購入する電子データを確認した上で納得して電子データを購入することができる。また、電子データを、種別情報が互いに異なる電子データが選択数だけ選択されてまとめられたパックとして購入することで、電子データをランダムに販売する場合よりも、均等に電子データを販売することができる。これにより、電子データの新たな配信手法が実現される。
【0009】
本発明の他の態様に係る方法は、コンピュータが、種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成することと、複数のパックに関連付けられる購入状態を管理することと、複数のユーザのそれぞれから複数のパックの1つに対する購入要求を取得することと、購入要求を取得すると、複数のパックから購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択し、提供パックの購入状態を予約状態とすることと、複数の電子データのうち提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、購入要求を送信したユーザに送信することと、を含み、購入状態を管理することは、提供パックの購入状態を予約状態とし、購入要求を送信したユーザから購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、購入状態を購入済み状態とする。
【0010】
本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、前記種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成することと、前記複数のパックに関連付けられる購入状態を管理することと、複数のユーザのそれぞれから前記複数のパックの1つに対する購入要求を取得することと、前記購入要求を取得すると、前記複数のパックから前記購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択し、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とすることと、前記複数の電子データのうち前記提供パックに含まれる電子データの情報を提示する購入画面を、前記購入要求を送信したユーザに送信することと、を実行させ、前記購入状態を管理することは、前記提供パックの前記購入状態を予約状態とし、前記購入要求を送信した前記ユーザから前記購入画面を通じて購入入力を取得した場合に、前記購入状態を購入済み状態とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子データの新たな配信手法を実現する情報処理装置、方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る電子データ販売システムの概略図である。
【
図2】本実施形態に係る電子データ販売装置による処理の概要を説明する図である。
【
図3】本実施形態に係る電子データ販売装置のブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図5】本実施形態に係る電子データのパックの生成処理を説明する図である。
【
図6】本実施形態に係る電子データのパックの販売処理を説明する図である。
【
図9】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図10】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図11】本実施形態に係る説明画面の他の一例である。
【
図12】本実施形態に係る購入画面の他の一例である。
【
図13】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図14】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図15】本実施形態に係る電子データ情報の一例である。
【
図17】本実施形態に係る待機画面の他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0014】
本実施形態では、電子データ販売システム10によって販売される電子データは、例えば、スポーツ選手の肖像が表示されるデジタルトレーディングカードである。さらに、デジタルトレーディングカードは、ブロックチェーンネットワークにおける非代替性トークン(Non-fungible token:NFT)として発行される。非代替性トークンは、個々の非代替性トークンが固有の価値を有し、1つの非代替性トークンと同じトークンはブロックチェーンネットワーク上に存在しないという性質を有するトークンである。ただし、電子データ販売システム10によって販売される電子データは、NFTの形態に限られず、例えば、サーバにおいて管理される電子データであってもよい。電子データは、写真、動画、音声、文字等様々な情報を含むデータであってもよい。
【0015】
図1は、本実施形態に係る電子データ販売システム10の概略を示すブロック図である。電子データ販売システム10は、電子データ販売装置101、複数のユーザ端末201a,201b,201c、及びブロックチェーンネットワーク301を備える。なお、区別の必要がない場合、複数のユーザ端末201a,201b,201cをまとめてユーザ端末201とよぶ。
【0016】
電子データ販売装置101、ユーザ端末201、ブロックチェーンネットワーク301はネットワークNを通じて通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、LAN(Local Area Network)、あるいはこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。
【0017】
電子データ販売システム10は、電子データ販売装置101に、ユーザがユーザ端末201を通じてアクセスし、電子データ販売装置101を通じて、ブロックチェーンネットワーク301上に記録される電子データであるNFTの購入・販売を管理するシステムである。
【0018】
電子データ販売装置101は、所定のプログラムを実行することによって所定の処理を行うコンピュータを有するサーバ等の情報処理装置である。
【0019】
ユーザ端末201は、例えば、電子データの購入を行うユーザが使用する情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0020】
ブロックチェーンネットワーク301は、トランザクションが記録された台帳を複数の端末が共有して管理するシステムである。ブロックチェーンは、時系列にそって複数のブロックがチェーン状に繋がったデータであり、各ブロックは、一定期間におけるトランザクションのデータを含む。ブロックチェーンの技術では、複数のブロックが過去の情報を保持した状態で追加されるので、情報の改ざんが困難であるという特徴がある。ブロックチェーンネットワーク301は、NFTの発行が可能な任意のブロックチェーンネットワークを用いることができる。
【0021】
図2を参照して、電子データ販売システム10による情報処理の概要について説明する。
【0022】
ステップ(A)において、電子データ販売装置101は、例えば、電子データ販売装置101の記憶部に記憶される複数の電子データT1,T2,T3…TNが所定の個数組み合わされた電子データのパックの情報を生成する。なお、以降の説明において、「電子データのパック」を単に「パック」とよぶことがある。電子データT1~TNは、電子データ群TGとして電子データ販売装置101の記憶部に記憶される。電子データT1~TNは、それぞれが種別情報を有する。例えば、電子データT1はタイプ1の電子データであり、電子データT2はタイプ2の電子データである。一例として、それぞれのタイプは、電子データとしてのデジタルトレーディングカードの図柄別に設定される。図柄は、例えば、電子データがスポーツチームのトレーディングカードである場合、各チームそれぞれに設定される図柄である。
【0023】
N種類の電子データが、所定の組み合わせ数(選択数)組み合わされてパックP1,P2…PMが生成される。パックP1,P2…PMは、ある電子データの組み合わせの1つに対して1つのみ生成され、同じ電子データの組み合わせを有するパックは複数存在しない。
図2の例ではN種類の電子データのうち互いに種類が異なる3つを選択して1つのパックが生成される。つまり、パックの個数はN個のものから3つを選ぶ組み合わせの数となる。
図2の例では、組み合わせの数はMである。
【0024】
また、異なるパックに含まれる電子データは、共通のタイプを有する電子データであっても区別可能とされる。例えば、パックP1に含まれる電子データは電子データT1a,T2a,T3aであり、パックP2に含まれる電子データは電子データT1b,T2b,TNaである。電子データT1は、パックP1,P2のいずれにも含まれている。しかし、電子データT1a及び電子データT1bは、図柄は共通であるが、個々の電子データに対して通し番号が設けられて複製される。このとき、ある電子データの複製個数は、(複製個数)=M×(組み合わせ数)/Nとして算出できる。電子データ販売装置101には、例えば、電子データ販売装置101の管理者が設定した組み合わせ数に基づいて、複製個数だけ複製された電子データT1~TNが通し番号とともに記憶される。電子データ販売システム10では、電子データT1~TNのそれぞれについて、複製個数のNFTがブロックチェーンネットワーク301に発行される。例えば、電子データT1に基づくNFTのそれぞれについては、それぞれのNFTが異なる通し番号を有しているので、あるNFTと完全に同じトークンはブロックチェーンネットワーク上に存在しない。
【0025】
個々のパックには、購入状態が関連付けられている。購入状態は、パックが購入できることを示す「購入可能」、パックが後述の手順によってユーザが購入検討中であることを示す「予約中」、又はパックがユーザに購入されたことを示す「購入済み」の状態である。
【0026】
ステップ(B)において、ユーザAのユーザ端末201aを通じて電子データ販売装置101にパックの購入要求を送信する。
【0027】
電子データ販売装置101の購入要求を取得すると、電子データ販売装置101は、複数のパックから、購入状態が「購入可能」であるパックをユーザAへの提供パック(
図2にて例示されるパックP1)として選択する。ここで、提供パックの選択は、例えばランダムに行うことができる。電子データ販売装置101は、提供パックの購入状態を「購入可能」から「予約中」に更新する。
【0028】
ステップ(C)において、電子データ販売装置101は、提供パックの購入画面D1をユーザ端末201aに送信する。購入画面D1には、提供パックの情報が示される。ユーザAは、購入画面D1を確認することで、自身が購入しようとするパックの内容である電子データの組み合わせとして、電子データT1a,T2a,T3aの組を把握することができる。
【0029】
ユーザAが、
図2のパックP1に含まれる電子データを購入してもよいと考えた場合、ステップ(D)において、ユーザAは購入ボタンB1を通じて、ユーザ端末201aから電子データ販売装置101へと購入入力を送信する。
【0030】
電子データ販売装置101によって、クレジットカード決済などの電子的決済手法を用いて所定の決済処理がなされる。決済処理がなされると、電子データ販売装置101は、提供パックであるパックP1の購入状態を「予約中」から「購入済み」に更新する。
【0031】
これにより、ユーザAが電子データを購入する場合に、購入する予定の電子データの組み合わせ内容を確認した上で電子データを購入することができる。
【0032】
その後、ステップ(E)において、ユーザBがユーザ端末201bを通じて電子データ販売装置101にパックの購入要求を送信する。
【0033】
電子データ販売装置101がパックの購入要求を取得すると、電子データ販売装置101は、複数のパックから、購入状態が「購入可能」であるパックをユーザBへの提供パック(
図2にて例示されるパックP2)として選択する。電子データ販売装置101は、提供パックの購入状態を「購入可能」から「予約中」に更新する。
【0034】
ステップ(F)において、電子データ販売装置101は、提供パックの購入画面D2をユーザ端末201bに送信する。購入画面D2には、提供パックの情報が示される。ユーザBは、購入画面D2を確認することで、自身が購入しようとするパックの内容である電子データを把握することができる。
【0035】
このとき、ユーザAが購入したパックP1は、購入状態が「購入済み」となっているため、ユーザBへの提供パックとはならない。以降も各ユーザがユーザ端末201を通じて、パックP3~PMの購入を行うことができる。各タイプの電子データは共通の複製個数だけ複製されて、パックとされている。このように組み合わせたパックを販売することで、ユーザが購入する電子データの分布に偏りが生じないようにできる。さらに、提供パックをランダムに選択して販売することで、ユーザに対してどのカードが出るのかがわからない状態にして趣向性を確保しつつ、ユーザが購入する電子データの分布に偏りが生じないようにできる。
【0036】
図3を参照して、電子データ販売装置101の構成について説明する。電子データ販売装置101は、通信部1011、記憶部1012、パック生成部1013、購入状態管理部1014、購入要求取得部1015、パック選択部1016、画面送信部1017、及び選択数取得部1018を有する。
【0037】
電子データ販売装置101の各部は、電子データ販売装置101において、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることによって、実現することができる。
【0038】
通信部1011は、電子データ販売装置101によるネットワークNを通じた、ユーザ端末201、ブロックチェーンネットワーク301を含む外部装置との間の通信を制御する。
【0039】
記憶部1012は、電子データ販売装置101での処理に用いられる各種の情報を記憶する。記憶部1012には、電子データ情報10121が記憶される。
【0040】
図4を参照して、電子データ情報10121について説明する。電子データ情報10121は、個別電子データ情報DA1及びパック情報DA2を含む。
【0041】
個別電子データ情報DA1は、「電子データ種別」、「通し番号」、「データID」、「データ個数」、及び「未販売個数」の項目を有する。
【0042】
「電子データ種別」の項目には、電子データそれぞれの種別を示す種別情報が記憶される。「通し番号」の項目には、ある「電子データ種別」の電子データが複製される場合の、各電子データの通し番号が記憶される。「データID」の項目には、各電子データを識別する情報が記憶される。なお、「データID」の項目には、個々のNFTを識別するアドレスが記憶されてもよい。「データ個数」の項目には、電子データ種別ごとの電子データの複製数が記憶される。「未販売個数」の項目には、まだ購入されていない電子データの個数が記憶される。
【0043】
パック情報DA2は、「パック名」、「パックID」、「電子データ種別」、「通し番号」「データID」、及び「購入状態」の項目を有する。「電子データ種別」、「データID」、及び「通し番号」の項目は、個別電子データ情報DA1における項目と同じである。
【0044】
「パック名」の項目には、パックそれぞれの名前が記憶される。「パックID」の項目には、個々のパックを識別する情報が記憶される「購入状態」の項目には、パックの購入状態が記憶される。
【0045】
図4では、電子データは、「電子データ種別」が「タイプ1」から「タイプ11」までの11種類存在する場合が示される。このとき、パックを生成する場合の選択数は3であるとする。この場合、11種類の中から3つを選ぶ組み合わせの数は165となる。よって、パックは165個生成される。165個のパックを生成する場合、電子データの総数は、3(選択数)×165(パック個数)=495となる。電子データの総数を電子データの種類数で除すると、電子データの複製個数が算出できる。
図4の例では、495/11=45である。よって、
図4の個別電子データ情報DA1に示されるように、各タイプの電子データは45個ずつ複製され、1~45の通し番号が関連付けられる。
【0046】
例えば、「電子データ種別」がタイプ1である電子データは45個複製され、それぞれの電子データは「データID」としてD101~D145が関連付けられる。また、「データ個数」は45個である。また、「未販売個数」は45個である。
【0047】
また、「パック名」がパック1であるパックは、「パックID」がP001であり、「電子データ種別」がタイプ1、タイプ2,タイプ3の3つの電子データがパックであることが示される。パック1のタイプ1、タイプ2,タイプ3の3つの電子データそれぞれの「通し番号」はいずれも1である。また、「購入状態」は「購入可能」と記憶されている。
【0048】
「パック名」がパック2であるパックは、「パックID」がP002であり、「電子データ種別」がタイプ1、タイプ2,タイプ11の3つの電子データがパックであることが示される。パック2のタイプ1、タイプ2の電子データの「通し番号」はいずれも2である。また,タイプ11の電子データの「通し番号」は1である。また、「購入状態」は「購入可能」と記憶されている。
【0049】
図3に戻り、電子データ販売装置101の各部の説明を再開する。パック生成部1013は、種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、種別情報が互いに異なる複数の電子データが選択数だけ選択されて組み合わされた複数のパックを生成する。
図4の例では、選択数は「3」である。パック生成部1013は、個別電子データ情報DA1に基づいて、パックを生成し、パック情報DA2を更新する。パックの生成時には、各パックの購入状態は「購入可能」と記憶される。
【0050】
購入状態管理部1014は、購入状態を管理する。例えば、購入状態管理部1014は、ユーザ端末201の購入画面に表示されるパックの購入状態を「購入可能」から「予約中」に更新する。例えば、購入状態管理部1014は、ユーザによって購入されたパックの購入状態を「予約中」から「購入済み」に更新する。また、購入状態管理部1014は、所定の購入可能時間内にユーザ端末201から購入入力が取得されなかった場合に、ユーザ端末201の購入画面に表示されるパックの購入状態を「予約中」から「購入可能」に更新する。
【0051】
購入要求取得部1015は、後述の説明画面を通じてユーザ端末201から購入要求を取得する。
【0052】
パック選択部1016は、購入要求を取得した場合に、電子データ情報10121を参照して、購入状態が購入可能状態にあるパックから提供パックを選択する。
【0053】
画面送信部1017は、提供パックに含まれる複数の電子データの情報をユーザに提示する購入画面を、購入要求を送信したユーザ端末201に送信する。例えば、017は購入画面をユーザ端末201に表示するための情報を生成し、購入要求を送信したユーザ端末201に送信する。なお、以降の説明においても、画面を送信することとは、画面を表示するための情報を生成し、生成された情報をユーザ端末201に送信することを意味する。また、画面送信部1017は、ユーザが購入入力を入力可能な時間を示す購入可能時間をユーザに提示する購入画面を送信してもよい。
【0054】
また、画面送信部1017は、購入可能状態にあるパックの有無を判断し、購入可能状態にあるパックがない場合に、購入を希望するユーザ(購入希望ユーザ)に待機画面を送信してもよい。待機画面は、購入状態に基づいて、パックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報の少なくとも一方をさらに提示するよう構成される。このとき、待機画面には、購入状態が「購入可能状態」にあるパックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報が提示されてもよく、購入状態が「購入可能状態」又は「予約状態」にあるパックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報が提示されてもよい。待機画面は、複数のユーザのうち待機画面が提示されているユーザの人数の情報をさらに提示するように構成される。また、待機画面は、待機画面を通じて購入要求がユーザ端末201から再度取得可能となるまでの待機時間の情報をさらに提示ように構成される。
【0055】
また、画面送信部1017は、購入状態に基づいて、パックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報の少なくとも一方をさらに提示するよう構成される説明画面をユーザ端末201に送信する。このとき、説明画面には、購入状態が「購入可能状態」にあるパックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報が提示されてもよく、購入状態が「購入可能状態」又は「予約状態」にあるパックのそれぞれに含まれる電子データの個数の情報及び種別情報が提示されてもよい。
【0056】
選択数取得部1018は、電子データ販売装置101の管理ユーザが操作する管理端末から、選択数を取得する。パック生成部1013は、取得された選択数に基づいて、電子データを複製し、パックを生成することができる。
【0057】
図5を参照して、電子データ販売装置101によるパックの生成までの処理について説明する。
【0058】
ステップS501において、選択数取得部1018は、管理ユーザから選択数を取得する。
【0059】
ステップS501において、パック生成部1013は、記憶部1012に記憶される電子データをNFTとしてブロックチェーンネットワーク301に発行する発行トランザクションを生成する。このとき、パック生成部1013は、選択数及び電子データの種類数に基づいて、電子データの複製個数を算出し、複製する電子データを含むすべての電子データに対応するNFTを発行する発行トランザクションを生成する。
【0060】
ステップS502において、パック生成部1013は、発行トランザクションをブロックチェーンネットワーク301に送信する。
【0061】
ステップS503において、ブロックチェーンネットワーク301は発行トランザクションを処理し、電子データをNFTとして発行する。NFTはそれぞれのトークンアドレスを有する。また、発行時点におけるNFTの所有者は電子データ販売装置101の管理ユーザである。つまり、NFTは、管理ユーザがブロックチェーンネットワーク301において保有するウォレットに関連付けられる。
【0062】
ステップS504において、パック生成部1013は、ブロックチェーンネットワーク301から発行されたNFTの情報を取得する。NFTの情報とは例えば、NFTのアドレスである。NFTのアドレスには、例えば、NFTが含まれるコントラクトのコントラクトアドレス及びNFTのトークンIDが含まれる。
【0063】
ステップS505において、パック生成部1013はNFTの情報に基づいて、電子データ情報10121を更新する。具体的には、パック生成部1013はNFTの情報に基づいて、個別電子データ情報DA1の「データID」を更新する。
【0064】
ステップS506において、パック生成部1013は、選択数及び電子データの種類数に基づいて、パックを生成する。パック生成部1013は、生成されたパックの情報に基づいて、パック情報DA2を更新する。
【0065】
次に、
図6及び
図7から
図17を参照して、電子データ販売装置101による電子データの販売について説明する。ここでは、
図4で説明した電子データ情報10121に基づく電子データの販売を説明する。
【0066】
ステップS601において、ユーザ端末201から説明画面の要求が電子データ販売装置101に送信される。ユーザ端末201は、例えばインターネットブラウジングを行うウェブブラウザを通じて電子データ販売装置101にアクセスする。
【0067】
ステップS602において、画面送信部1017は、説明画面の情報を生成する。ステップS603において、画面送信部1017が説明画面の情報をユーザ端末201に送信する。ステップS604において、ユーザ端末201のディスプレイに説明画面が表示される。
【0068】
図7は説明画面701の一例である。説明画面701は、パック名表示欄7011、価格表示欄7012、数量表示欄7013、パック内データ数表示欄7014、日時表示欄7015、購入要求送信ボタン7016、在庫数表示領域7017、及び在庫数表示欄7018を有する。
【0069】
パック名表示欄7011には、「特別限定パック -シリーズ1-」のように、パックの総称が表示される。価格表示欄7012には、パックの販売価格が「1,000円」のように表示される。数量表示欄7013には、パックの総数が「165個」のように表示される。パック内データ数表示欄7014には、選択数が「パック内データ数:3」のように表示される。日時表示欄7015には、パックの販売開始日時及び販売終了日時が表示される。
【0070】
購入要求送信ボタン7016は、ユーザ端末201のユーザが購入要求を送信するための入力を行うボタンである。ユーザが購入要求送信ボタン7016を選択すると、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に購入要求が送信される。
【0071】
在庫数表示領域7017には、パックに含まれるそれぞれの電子データの情報が表示される。電子データの情報は例えば、電子データのタイプ(電子データ種別)や電子データの図柄である。また、各電子データには在庫数表示欄7018のように、残り個数が表示される。在庫数表示欄7018に表示される残り個数は、電子データ情報10121の個別電子データ情報DA1における未販売個数に基づいて表示される。残り個数は個別電子データ情報DA1の更新に応じて動的に更新されてもよい。
【0072】
ユーザが購入要求送信ボタン7016を選択すると、ステップS605において、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に購入要求が送信される。
【0073】
ステップS606において、画面送信部1017は、電子データ情報10121を参照する。具体的には、画面送信部1017はパック情報DA2を参照する。
【0074】
ステップS607において、画面送信部1017は、購入状態が「購入可能」であるパックの有無を判断する。
【0075】
まず、購入状態が「購入可能」であるパックがある、つまりステップS607において否定判断される場合について説明する。
【0076】
ステップS608において、パック選択部1016は、購入状態が「購入可能」であるパックから、ユーザに提示する提供パックを選択する。提供パックが選択されると、購入状態管理部1014は、提供パックの購入状態を「予約中」に更新する。
【0077】
ステップS609において、画面送信部1017は、購入画面の情報を生成する。ステップS610において、画面送信部1017が購入画面の情報をユーザ端末201に送信する。ステップS611において、ユーザ端末201のディスプレイに購入画面が表示される。
【0078】
図8は購入画面801の一例である。購入画面801は、購入可能時間表示欄8011、パック名表示欄8012、日時表示欄8013、パック内データ数表示欄8014、電子データ表示領域8015、購入入力送信ボタン8016、及び変更ボタン8017を有する。
【0079】
購入可能時間表示欄8011には、購入画面801を通じて、ユーザが電子データ販売装置101から提示されたパックを購入可能な購入可能時間が表示される。購入可能時間は例えば10分である。購入可能時間は、カウントダウンされるように更新されてもよい。カウントダウンを行い、ユーザに早期の購入を促すことができる。購入可能時間は、一例として、スポーツゲームの試合進行の間の待ち時間のように設定されてもよい。この場合、販売期間を、待ち時間の開始から終了までとすることができる。このように設定することで、試合を観戦し、参加チームへの興味が増したユーザに効果的に電子データを販売することができる。
【0080】
所定の購入可能時間内にユーザ端末201から購入入力が取得されなかった場合に、購入状態管理部1014は、提供パックの購入状態を「予約中」から「購入可能」に更新する。この場合、例えば、購入入力送信ボタン8016(後述)が無効化されるなどして、ユーザは現在の購入画面801を通じて提供パックを購入することができなくなる。
【0081】
パック名表示欄8012には、「特別限定パック -シリーズ1-」のように、パックの総称が表示される。日時表示欄8013には、例えば、パックの販売日が「2022.03.06」のように表示される。パック内データ数表示欄8014には、選択数が「パック内データ数:3」のように表示される。
【0082】
電子データ表示領域8015には、パック選択部1016によって選択された提供パックに含まれる電子データの情報が表示される。このとき、各電子データには、電子データの図柄、電子データのタイプ、及び電子データの通し番号が表示される。例えば、「タイプ1」の電子データは、通し番号が1であり、「タイプ1」の電子データの総数は45個であることが「#1/45」のように表示される。
【0083】
購入入力送信ボタン8016は、ユーザ端末201のユーザが購入入力を送信するための操作を行うボタンである。ユーザが購入入力送信ボタン8016を選択すると、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に購入入力が送信される。
【0084】
変更ボタン8017は、ユーザ端末201のユーザが別途の購入要求を送信するための操作を行うボタンである。ユーザが変更ボタン8017を選択すると、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に購入要求が送信される。この場合、電子データ販売システム10では、ステップS606からの処理が再度実行される。仮に購入可能なパックがある場合、パック選択部1016は、先に選択した提供パックとは異なるパックを新たな提供パックとして選択する。この時、購入状態管理部1014によって、先に選択した提供パックの購入状態が「予約中」から「購入可能」に更新され、新たに選択された提供パックの購入状態が「購入可能」から「予約中」に更新される。その後、画面送信部1017によって、
図8に示されるパックとは異なる電子データが表示される購入画面801がユーザ端末201に送信される。このとき、ユーザが購入入力送信ボタン8016を選択すると、ステップS612において、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に購入入力が送信される。
【0085】
ステップS613において、購入状態管理部1014は、ブロックチェーンネットワーク301上のNFTを、購入入力を送信したユーザに移転する移転トランザクションを生成する。このとき、移転トランザクションには、購入入力に合わせて取得されるなどして電子データ販売装置101が取得した、ユーザのブロックチェーンネットワーク301におけるウォレットのアドレスの情報が含まれる。また、移転トランザクションには、購入された電子データ(NFT)のコントラクトアドレス及びトークンIDが含まれる。なお、ここでは、購入入力を取得した電子データ販売装置101がユーザ端末201のユーザから代金を徴収する処理は省略しているが、電子的な精算方法としての従来技術を用いることができる。
【0086】
ステップS614において、購入状態管理部1014は、ブロックチェーンネットワーク301に移転トランザクションを送信する。
【0087】
ステップS615において、ブロックチェーンネットワーク301にて移転トランザクションが処理され、NFTの所有者が購入したユーザに移転される。
【0088】
ステップS616において、購入状態管理部1014は、購入されたパックの購入状態を「購入済み」に更新する。また、購入状態管理部1014は、購入されたパックに含まれる電子データの情報に基づいて、個別電子データ情報DA1における未販売個数を更新する。
【0089】
図9に示す電子データ情報10121は、ステップS608における処理が行われた場合の一例である。パック1のパックが提供パックであり、その購入状態は「予約中」となっている。
【0090】
図10に示す電子データ情報10121は、ステップS616における処理が行われた場合の一例である。パック1のパックの購入状態は「購入済み」となっている。また、パック1に含まれる電子データつまり、タイプ1、タイプ2、タイプ3の電子データの未販売個数が1ずつ減算されて更新されている。
【0091】
ここまではあるユーザ(第1ユーザ)がパックを購入して電子データを入手するまでのプロセスを説明した。次に、上述の購入処理が行われた後に、他のユーザ(第2ユーザ)がパックを購入する場合の説明画面701、購入画面801について説明する。
【0092】
図11は、ステップS604において、第2ユーザのユーザ端末201に表示される説明画面701の一例である。
【0093】
図11の説明画面701は、
図7の説明画面701と在庫数表示欄7018に表示される残り個数が異なる。これは、
図10のように未販売個数が更新されたことによる。このように説明画面701における残り個数を更新することで、後に購入する第2ユーザは、自身の希望する電子データが残っているか否かを判断することができる。
【0094】
第2ユーザが購入要求送信ボタン7016を選択した場合に、購入可能なパックが存在すれば、ステップS607からステップS611までの処理が行われる。
【0095】
このとき、ステップS608において、パック選択部1016は、購入状態が「購入可能」であるパックから、ユーザに提示する提供パックを選択する。購入状態が「予約中」又は「購入済み」であるパックは、提供パックとして選択されない。よって、この場合、パック選択部1016は、例えば、パック2のパックを提供パックとして選択する。購入状態管理部1014は、提供パックの購入状態を「予約中」に更新する。
【0096】
図12は、ステップS611において第2ユーザのユーザ端末201に表示される購入画面801の一例である。
【0097】
図12の購入画面801は、電子データ表示領域8015に表示される、提供パックの電子データの情報が、
図8の購入画面801と異なる。このように、各ユーザは、同じパックを購入することはできない。これにより、ユーザが購入する電子データの偏りを小さくすることができる。
【0098】
第2ユーザが購入入力送信ボタン8016を選択した場合、ステップS612からステップS616までの処理が行われる。
【0099】
図13に示す電子データ情報10121は、第2ユーザについて、ステップS608における処理が行われた場合の一例である。パック2のパックが提供パックであり、その購入状態は「予約中」となっている。
【0100】
図14に示す電子データ情報10121は、第2ユーザについて、ステップS616における処理が行われた場合の一例である。パック2のパックの購入状態は「購入済み」となっている。また、パック2に含まれる電子データつまり、タイプ1、タイプ2、タイプ11の電子データの未販売個数が1ずつ減算されて更新されている。
【0101】
次に、
図6及び
図15から
図17を参照して、購入状態が「購入可能」であるパックがない、つまりステップS607において肯定判断される場合について説明する。ステップS607において肯定判断される場合とは、例えば、電子データ情報10121が
図15に示されるような状況に対応する。この場合、パック情報DA2のいずれのパックも購入状態が「購入済み」又は「予約中」となっている。
【0102】
ステップS617において、画面送信部1017が待機画面の情報を生成する。ステップS618において、画面送信部1017は、待機画面の情報をユーザ端末201に送信する。ステップS619において、ユーザ端末201のディスプレイに待機画面が表示される。
【0103】
図16は待機画面1601の一例である。待機画面1601は、パック名表示欄16011、状況表示欄16012、待ち人数表示欄16013、待機時間表示欄16014、在庫数表示領域16015、及び在庫数表示欄16016を有する。
【0104】
パック名表示欄16011には、「特別限定パック -シリーズ1-」のように、パックの総称が表示される。状況表示欄16012には、ユーザに対し、販売可能なパックが用意できないことを示す情報が、「キャンセル待ち発生中」のように表示される。
【0105】
待ち人数表示欄16013には、画面送信部1017が購入画面を表示させている複数のユーザ端末201の数つまり購入検討中のユーザ数を示す情報が表示される。
図16の例では、
図15に示されるように164個のパックが「予約中」であることに基づいて、購入検討中の人数は「164人」として表示されている。購入検討中の人数はパック情報DA2の更新に応じて動的に更新されてもよい。
【0106】
待機時間表示欄16014には、待機画面1601が表示されたユーザが再度購入要求を送信可能になるまでの待機時間が表示される。待機時間は、カウントダウンされるように更新されてもよい。このように、再度購入要求を送信可能とするまでに一定の待機時間を設けることで、同一人物による買い占めを抑制できる。
【0107】
在庫数表示領域16015には、パックに含まれるそれぞれの電子データの情報が表示される。電子データの情報は例えば、電子データのタイプ(電子データ種別)や電子データの図柄である。また、各電子データには在庫数表示欄16016のように、残り個数が表示される。在庫数表示欄7018に表示される残り個数は、電子データ情報10121の個別電子データ情報DA1における未販売個数に基づいて表示される。残り個数は個別電子データ情報DA1の更新に応じて動的に更新されてもよい。
【0108】
図17はユーザが待機時間だけ待機した後の待機画面1601の一例である。待機時間が経過すると、待機時間表示欄16014が、再購入ボタン17011に置き換わるように待機画面1601が更新される。例えば、購入画面を表示していたユーザが購入を中止したもしくは購入可能時間が過ぎた場合、「予約中」のパックの購入状態が「購入可能」に戻る。また、購入を完了したユーザがいる場合、購入されたパックの購入状態は「購入済み」になる。このとき、在庫数表示領域16015に示される在庫数も、適宜減算された結果が表示される。例えば、タイプ3の電子データは未販売個数が「0」である、つまり売り切れている場合が示されている。
【0109】
購入状態が上記の例のように更新された結果、待ち人数表示欄16013に表示される購入検討中の人数が減少する。
図17の例では、10人が購入検討中である。このように購入検討中の人数が減少した結果、購入状態が「購入可能」にあるパックが存在する場合、ユーザが再購入ボタン17011を選択することで、電子データ販売装置101に対して、パックの購入を要求することができる。
【0110】
ユーザが再購入ボタン17011を選択すると、ステップS620において、ユーザ端末201から電子データ販売装置101に再購入要求が送信される。
【0111】
ステップS621において、画面送信部1017は、電子データ情報10121を参照する。具体的には、画面送信部1017はパック情報DA2を参照する。
【0112】
ステップS622において、画面送信部1017は、購入状態が「購入可能」であるパックの有無を判断する。
【0113】
購入状態が「購入可能」であるパックがある、つまりステップS622において肯定判断される場合、ステップS608からの処理が行われ、待機していたユーザがパックを購入することができる。
【0114】
購入状態が「購入可能」であるパックがない、つまりステップS622において否定判断される場合、ステップS617からの処理に戻り、ユーザ端末201には再度待機画面1601が表示される。ユーザは、次の購入機会のために、再度待つこととなる。
【0115】
以上本実施形態について説明した。本実施形態に係る電子データ販売装置101は、種別情報をそれぞれ有する複数の電子データから、種別情報が互いに異なるように選択数だけ選択されて組み合わされた電子データのパックを複数生成するパック生成部1013と、複数のパックに関連付けられる購入状態を管理する購入状態管理部1014と、複数のユーザのそれぞれから複数のパックの1つに対する購入要求を取得する購入要求取得部1015と、購入要求を取得すると、複数のパックから購入状態が購入可能状態にある提供パックを選択するパック選択部1016と、複数の電子データのうち提供パックに含まれる複数の電子データの情報を提示する購入画面801を、購入要求を送信したユーザに送信する画面送信部1017と、を備える。購入状態管理部1014は、提供パックの購入状態を予約状態とし、購入要求を送信したユーザから購入画面801を通じて購入入力を取得した場合に、購入状態を購入済み状態とする。
【0116】
上記態様において、購入画面801は、予約状態にある提供パックを購入可能な購入可能時間をさらに提示するように構成され、購入状態管理部1014は、購入入力が購入可能時間内に取得された場合に、提供パックの購入状態を予約状態から購入済み状態とし、購入入力が購入可能時間内に取得されなかった場合に、提供パックの購入状態を予約状態から購入可能状態とする。これにより、提供パックを購入するユーザに素早い購入判断を促すことができるので、提供パックが実際に購入されやすくなるようにできる。また、予約状態を解除することで、購入を待っているユーザに適切に購入機会を与えるようにできる。これにより、ユーザの利便性が高まる。
【0117】
上記態様において、画面送信部1017は、複数のパックのうち、購入可能状態にあるパックの有無を判断し、購入可能状態にあるパックがある場合に、購入要求を送信したユーザに購入画面801を送信し、購入可能状態にあるパックがない場合に、購入要求を送信したユーザに待機画面1601を送信し、購入要求取得部1015は、待機画面1601を通じて再購入要求を購入要求として取得する。これにより、購入を待つユーザにも、待機すれば購入できる可能性があることを知らせ、適切に購入機会を与えるようにできる。これにより、ユーザの利便性が高まる。
【0118】
上記態様において、待機画面1601は、購入済み状態にないパックのそれぞれに含まれる複数の電子データの個数の情報及び/又は種別情報を提示するように構成される。これにより、待機中のユーザが、まだ残っている電子データの個数を把握することができる。仮に、ユーザが希望する電子データが残っていない場合、ユーザは待機を行わずに購入を行わないという選択が可能となるので、ユーザの利便性が高まる。
【0119】
上記態様において、待機画面1601は、複数のユーザのうち購入画面が提示されているユーザの人数の情報を提示するように構成される。これにより、ユーザがどの程度の人数分待つ必要があるのかを把握することが可能となるので、ユーザの利便性が高まる。
【0120】
上記態様において、待機画面1601は、待機画面1601を通じて購入要求が再度取得可能となるまでの待機時間の情報を提示するように構成される。これにより、ユーザがどの程度の時間待つ必要があるのかを把握することが可能となるので、ユーザの利便性が高まる。
【0121】
上記態様において、画面送信部1017は、購入状態に基づく、パックのそれぞれに含まれる複数の電子データの個数の情報及び/又は種別情報を提示する説明画面701を複数のユーザのそれぞれに送信し、購入要求取得部1015は、説明画面を通じて購入要求を取得してもよい。これにより、ユーザが購入画面を確認する前に、残っている電子データの個数を把握することができる。仮に、ユーザが希望する電子データが残っていない場合、ユーザは購入を行わないという選択が可能となるので、ユーザの利便性が高まる。
【0122】
上記態様において、電子データ販売装置101は、選択数を管理ユーザから取得する選択数取得部1018をさらに備えてもよい。これにより、パックに含まれる電子データの個数を管理ユーザが設定可能になる。よって、様々な組み合わせ方によるパックの販売が可能となる。
【0123】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0124】
10…電子データ販売システム、101…電子データ販売装置、201…ユーザ端末、
301…ブロックチェーンネットワーク、1013…パック生成部、1014…購入状態管理部、1015…購入要求取得部、1016…パック選択部、1017…画面送信部、1018…選択数取得部、701…説明画面、801…購入画面、1601…待機画面