(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071761
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】サーバ装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240517BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G06Q20/20
G07G1/12 351Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060159
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2021155825の分割
【原出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桜井 謙次
(72)【発明者】
【氏名】南部 和哉
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、返品レシートの表示に関し、顧客の情報端末における操作性を向上可能なサーバ装置、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態のサーバ装置は、決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引に関して返品された商品を示す返品情報を取得する返品情報取得部と、前記返品情報取得部が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する返品レシート情報登録部と、前記返品情報取得部が取得した前記取引特定情報と前記返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する訂正レシート情報登録部と、顧客の情報端末に前記訂正レシート情報と前記返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引に関して返品された商品を示す返品情報を取得する返品情報取得部と、
前記返品情報取得部が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する返品レシート情報登録部と、
前記返品情報取得部が取得した前記取引特定情報と前記返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する訂正レシート情報登録部と、
顧客の情報端末に前記訂正レシート情報と前記返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する出力部と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記出力部は、要求情報として、前記返品レシート情報を提供するWebページのリンク情報を送信する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記出力部は、返品レシートの表示を要求するアイコンを含む訂正レシートを顧客の情報端末に表示させるための表示データを出力する、
請求項1または請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記返品情報取得部が同一の取引特定情報に対して返品情報を複数回取得した場合、各返品情報に1対1で対応する前記アイコンを顧客の情報端末に表示させるための表示データを出力する、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記返品情報取得部が返品情報を取得した順序を前記アイコンに対応して表示させるための表示データを出力する、
請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
サーバ装置を制御するためのプログラムであって、
前記サーバ装置を、
決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引に関して返品された商品を示す返品情報を取得する返品情報取得部と、
前記返品情報取得部が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する返品レシート情報登録部と、
前記返品情報取得部が取得した前記取引特定情報と前記返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する訂正レシート情報登録部と、
顧客の情報端末に前記訂正レシート情報と前記返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サーバ装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービス(以下、これらを総称して「商品」という)を購入した顧客が受け取るレシートを電子化した電子レシートが利用されている。電子レシートは、レシート情報を管理する電子レシートサーバから顧客の情報端末などに送信される。
【0003】
ところで、取引においては、顧客が一度購入した商品を返品することが行われる場合がある。返品時には、一般的にPOS(Point Of Sales)端末の処理として、購入時に発行したレシートを訂正して返品があったことを示す訂正レシートと、返品した商品の情報(名称や返金額等)を記載した返品レシートとを発行することが行われている。
【0004】
上記した電子レシートを発行する仕組みにおいて、訂正レシートや返品レシートを発行するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかしながら、従来の電子レシートサーバは、訂正レシート情報および返品レシート情報を別々に顧客の情報端末に送信するものであり、顧客の情報端末では、それぞれ独立した操作で訂正レシートおよび返品レシートを表示させるものであった。このため、顧客の情報端末の操作性が良好とはいえないものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、返品レシートの表示に関し、顧客の情報端末における操作性を向上可能なサーバ装置、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のサーバ装置は、決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引に関して返品された商品を示す返品情報を取得する返品情報取得部と、前記返品情報取得部が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する返品レシート情報登録部と、前記返品情報取得部が取得した前記取引特定情報と前記返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する訂正レシート情報登録部と、顧客の情報端末に前記訂正レシート情報と前記返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の電子レシートサーバを含む電子レシートシステムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電子レシートサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態の電子レシートサーバのメモリ部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の電子レシートサーバのメモリ部に記憶されるレシート情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の電子レシートサーバのメモリ部に記憶される返品レシート情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態の電子レシートサーバの制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態の顧客端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態の顧客端末の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態の電子レシートシステムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態の顧客端末におけるレシートの表示画面を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態の顧客端末における訂正レシートの表示画面を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態の顧客端末における返品レシートの表示画面を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態の電子レシートサーバの制御部による登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態の電子レシートサーバの制御部による出力処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態のサーバ装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、顧客の情報端末として携帯端末を用いた例で説明するが、据置型のPC(Personal Computer)などであってもよい。
【0010】
図1は、電子レシートシステム1の概略を示す図である。本実施形態の電子レシートシステム1は、電子レシートサービスを提供する事業者、電子レシートの発行を行う店舗や企業(以下、これらを総称して「店舗」という)、および電子レシートサービスを利用する顧客を跨いで構築されている。
【0011】
電子レシートシステム1は、電子レシートサービスを運営する事業者が管理する電子レシートサーバ2、店舗が備える決済装置3、電子レシートサービスを利用する顧客が所有するスマートフォンなどの顧客端末4を備える。なお、
図1においては、各店舗に設けられる決済装置を1台のみ図示しているが、各店舗は複数の決済装置を備えていてもよい。ここで、電子レシートサーバ2はサーバ装置の一例であり、顧客端末4は顧客の情報端末の一例である。なお、サーバ装置は複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0012】
電子レシートサーバ2は、インターネット等のネットワークを介して決済装置3および顧客端末4と互いに通信可能に接続されている。電子レシートサーバ2は、決済装置3が設置された店舗を運営する企業の本部サーバ等を介して各店舗の決済装置3と接続されていてもよい。
【0013】
顧客が店舗で商品を購入すると、商品の購入に係るレシート情報が店舗の決済装置3から電子レシートサーバ2に送信される。電子レシートサーバ2は、所定のタイミングあるいは顧客端末4からの要求に応じて、レシート情報を顧客端末4に送信する。顧客は、顧客端末4によって電子レシートサーバ2から受信したレシート情報を閲覧することができる。これにより、決済装置3が発行する紙レシートを削減することができる。
【0014】
店舗で返品が発生すると、決済装置3は、決済処理後に返品が生じた取引を特定する取引特定情報および返品された商品を示す返品情報を電子レシートサーバ2に送信する。電子レシートサーバ2は、返品情報に基づいて返品レシート情報を登録する。また、電子レシートサーバ2は、取引特定情報と返品情報とに基づいて訂正レシート情報を登録する。例えば、決済済のレシート情報を管理する電子レシートサーバ2は、受信した取引特定情報によって特定される決済済のレシート情報を抽出し、抽出したレシート情報を受信した返品情報に基づいて更新する。
【0015】
そして、電子レシートサーバ2は、訂正レシート情報と要求情報とを対応付けて顧客端末4に送信する。要求情報は、顧客端末4が返品レシート情報要求を電子レシートサーバ2に送信するための情報で、例えば、返品レシート情報を提供するWebページのリンク情報などである。電子レシートサーバ2は、一例として、返品レシート情報を提供するWebページのリンク情報を埋め込んだ訂正レシートを表示するための表示データを顧客端末4に送信する。このような訂正レシート情報と要求情報とを対応付けた情報を電子レシートサーバ2が顧客端末4に送信することにより、顧客端末4は、訂正レシートの表示画面に返品レシートを表示するためのリンクを容易に表示させることができる。このため、顧客端末4において、顧客が返品レシートを表示させるための操作性が向上する。なお、電子レシートサーバ2は、表示データでなく、訂正レシート情報と要求情報とを対応付けたテキストデータ等を送信してもよい。この場合、携帯端末4は、受信したテキストデータ等に基づいて表示データを生成する。
【0016】
次に、電子レシートサーバ2について詳細に説明する。電子レシートサーバ2は、Webサーバとしても機能するもので、電子レシートサービスの会員である顧客に電子レシートを提供する。具体的には、電子レシートサーバ2は、決済装置3で決済された取引のレシート情報を1取引毎に管理する。そして、電子レシートサーバ2は、レシート情報をWebページに公開し、顧客端末4からの要求に応じて当該顧客端末4に適宜レシート情報を送信する。ここで、電子レシートサーバ2が送信するレシート情報のデータ形式は問わない。レシート情報は、顧客端末4で電子レシートを表示するために電子レシートサーバ2のメモリ部21(
図2参照)に記憶されているデータに基づいて生成された表示データも含む概念である。訂正レシート情報および返品レシート情報についても同様である。
【0017】
また、電子レシートサーバ2は、返品が生じた場合、返品前の取引の内容を示すレシートを訂正した電子訂正レシート(以下、単に「訂正レシート」という)、および返品された商品に関する内容を示す電子返品レシート(以下、単に「返品レシート」という)を顧客に提供する。具体的には、電子レシートサーバ2は、表示データである訂正レシート情報および返品レシート情報をWebページに公開し、顧客端末4からの要求に応じて当該顧客端末4に適宜訂正レシート情報および返品レシート情報を送信する。
【0018】
図2は、電子レシートサーバ2の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。電子レシートサーバ2は、制御部20と、メモリ部21と、表示部22と、操作部23と、通信部24と、を備えている。制御部20、メモリ部21、表示部22、操作部23、および通信部24は、バス25等を介して互いに接続されている。
【0019】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータで構成されている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、互いにバス25を介して接続されている。
【0020】
CPU201は電子レシートサーバ2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202やメモリ部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や、メモリ部21に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、電子レシートサーバ2の各種制御処理を実行する。
【0021】
メモリ部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部21は、制御プログラム211、会員マスタ212、レシート情報管理ファイル213、および返品レシート情報管理ファイル214を記憶する。
【0022】
制御プログラム211は、決済装置3からレシート情報を受信するためのプログラム、受信したレシート情報を1取引毎に管理するためのプログラム、Webサーバ機能を実現するプログラムなどである。
【0023】
会員マスタ212は、電子レシート配信サービスの会員の情報を記憶するマスタファイルである。
図3は、会員マスタ212のデータ構成を示す図である。会員マスタ212に登録される各データは、会員ID、氏名、性別、年齢、およびメールアドレスを示す各情報が対応づけられている。会員マスタ212に登録される各情報は、顧客が電子レシート配信サービスの会員登録を行うことによって登録される。
【0024】
会員IDの項目には、電子レシート配信サービスの会員を識別する会員IDが登録される。氏名の項目には、会員の氏名を示す情報が登録される。性別の項目には、会員の性別を示す情報が登録される。年齢の項目には、会員の年齢を示す情報が登録される。メールアドレスの項目には、会員が所有する顧客端末4のメールアドレスが登録される。
【0025】
レシート情報管理ファイル213は、決済装置3で決済された取引のレシート情報を1取引毎に管理するファイルである。レシート情報管理ファイル213は、決済装置3から受信したレシート情報に基づいて登録、更新される。
図4は、レシート情報管理ファイル213のデータ構成を示す図である。レシート情報管理ファイル213に登録される各データは、会員ID、レシートNo、商品情報、取引金額、取引日時、店舗情報、返品フラグ、および要求情報を示す各情報が対応づけられている。本実施形態では、レシート情報は、会員ID、レシートNo、商品情報、取引金額、取引日時、および店舗情報であるが任意に設定可能である。
【0026】
会員IDの項目には、電子レシート配信サービスの会員を識別する会員IDが登録される。レシートNoの項目には、各決済装置3における会員の1取引を特定するレシートNoが登録される。レシートNoは、各決済装置3によって発行される。レシートNoは、取引特定情報の一例である。
【0027】
商品情報の項目には、レシートNoで特定される取引で販売された商品の情報が登録される。商品情報の項目に登録される情報は、商品を特定する商品コード、商品の名称、単価、税額などを示す情報であり、任意に設定可能である。1取引において複数の商品が購入された場合、商品情報の項目には複数毎に商品情報が登録される。取引金額の項目には、1取引の合計金額を示す情報が登録される。取引日時の項目には、1取引が行われた日時を示す情報が登録される。
【0028】
店舗情報の項目には、取引が行われた店舗の情報が登録される。店舗情報の項目に登録される情報は、店舗を特定する店舗コード、店舗の名称、所在地、電話番号などであり、任意に設定可能である。例えば、取引の決済処理が行われた決済装置3を特定するレジNoが含まれていてもよい。返品フラグの項目には、レシートNoで特定される取引に返品が生じたか否かを示す情報が登録される。返品フラグの項目には、取引に返品が生じていない場合「0」が登録され、取引に返品が生じると「1」が登録される。
【0029】
要求情報の項目には、レシートNoで特定される取引に返品が生じた際に、顧客端末4が電子レシートサーバ2に対して返品レシートの要求を送信するための要求情報が登録される。本実施形態において要求情報の項目に登録される情報は、対象の返品レシート情報が公開されるWebページのURL(Uniform Resource Locator)である。対象の返品レシート情報が公開されるWebページのURLは、リンク情報であって要求情報の一例である。なお、電子レシートサーバ2がWebページを用いずに返品レシート情報を顧客端末4に送信する場合、要求情報の項目には、返品レシート情報の要求を受付ける受付先のアドレスなどが登録される。
【0030】
レシート情報管理ファイル213に登録されたレシート情報は、電子レシートサーバ2が決済装置3から取得する返品情報に応じて書き換えられる。書き換えられたレシート情報は、訂正レシート情報を構成する。したがって、レシート情報管理ファイル213は、訂正レシート情報を管理しているということもできる。
【0031】
返品レシート情報管理ファイル214は、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を管理するファイルである。返品レシート情報は、決済済の取引に返品が生じた場合、決済装置3から受信する返品情報に基づいて返品レシート情報管理ファイル214に登録される。返品情報は、返品商品の商品コードと当該商品コードが返品商品の商品コードであることを示す返品コードとを含む。返品レシート情報管理ファイル214に返品情報が登録されることで、返品レシート情報が生成されるということができる。
図4は、返品レシート情報管理ファイル214のデータ構成を示す図である。返品レシート情報管理ファイル214に登録される各データは、返品レシートNo、レシートNo、商品情報、返金額、返品日時、店舗情報、および要求情報を示す各情報が対応づけられている。本実施形態では、返品レシート情報は、返品レシートNo、レシートNo、商品情報、返金額、返品日時、および店舗情報であるが任意に設定可能である。
【0032】
返品レシートNo項目には、返品が生じた際に発行される返品レシートを特定する返品レシートNoが登録される。返品レシートNoは、決済装置3で返品処理が実行されるごとに当該決済装置3にて発行される。決済装置3による1度の返品処理で複数の商品が返品された場合、発行される返品レシートNoは1つである。
【0033】
レシートNoの項目には、決済済の取引であって返品が生じた取引のレシートNoが登録される。商品情報の項目には、返品された商品の情報が登録される。商品情報の項目に登録される情報は、商品を特定する商品コード、商品の名称、単価、税額などを示す情報であり、任意に設定可能である。
【0034】
返金額の項目には、返品処理により顧客に戻された金額、すなわち返品された全ての商品の合計金額を示す情報が登録される。返品日時の項目には、決済装置3で返品処理が実行された日時を示す情報が登録される。
【0035】
店舗情報の項目には、返品が行われた店舗の情報が登録される。店舗情報の項目に登録される情報は、店舗を特定する店舗コード、店舗の名称、所在地、電話番号などであり、返品処理が行われた決済装置3を特定するレジNoが含まれていてもよい。要求情報の項目には、返品レシートNoで特定される返品レシート情報が公開されるWebページのURLが登録される。
【0036】
図2に戻って電子レシートサーバ2のハードウェア構成について説明する。
【0037】
表示部22は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部22は、例えば会員マスタ212、レシート情報管理ファイル213、および返品レシート情報管理ファイル214に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0038】
操作部23は、制御部20に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0039】
通信部24は、決済装置3、顧客端末4などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部24を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0040】
続いて、電子レシートサーバ2の制御部20の機能構成について説明する。
図6は、電子レシートサーバ2の制御部20の主要な機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202やメモリ部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、取得部2001、登録部2002、抽出部2003、受付部2004、および出力部2005として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0041】
取得部2001は、決済装置3からレシート情報を取得する。レシート情報は、電子レシートサービスの会員である顧客の会員ID、レシートNo、取引された商品の商品情報、取引金額、取引された店舗の店舗情報等を含む。
【0042】
また、取得部2001は、決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引で返品された商品を示す返品情報を取得する。具体的には、取得部2001は、決済処理後に返品が生じた取引のレシートNo、および商品コードと当該商品コードが返品された商品の返品コードであることを示す返品コードとを含む返品情報を決済装置3から取得する。取得部2001は、返品情報取得部の一例である。
【0043】
登録部2002は、取得部2001が取得したレシート情報をレシート情報管理ファイル213に登録する。
【0044】
また、登録部2002は、返品情報取得部が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する。具体的には、登録部2002は、取得部2001が取得した返品情報に含まれる返品レシートNo、返品が生じた取引のレシートNo、返品された商品の商品情報、返金額、返品日時、および店舗情報を返品レシート情報管理ファイル214に登録する。また、登録部2002は、制御部20が設定した返品レシート情報が公開されるWebページのURLを返品レシート情報管理ファイル214に登録する。登録部2002は、返品レシート情報登録部の一例である。
【0045】
さらに登録部2002は、返品情報取得部が取得した取引特定情報と返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する。具体的には、登録部2002は、レシート情報管理ファイル213を参照して、取得部2001が取得したレシートNoに対応するレシート情報を返品情報に基づいて更新する。例えば、登録部2002は、レシート情報管理ファイル213に登録されている商品情報から、返品情報に含まれる商品情報を削除する。また、登録部2002は、レシート情報管理ファイル213に登録されている返品フラグを「0」から「1」に書き換えるとともに、要求情報の項目に設定されたWebページのURLを登録する。なお、登録部2002がレシート情報を更新する際にすでに返品フラグが「1」に書き換わっている場合、登録部2002は返品フラグを書き換えない。登録部2002は、訂正レシート情報登録部の一例でもある。なお、登録部2002は、レシート情報管理ファイル213に記憶されているレシート情報を書き換えて訂正レシート情報を登録するのではなく、別途管理ファイルを生成して訂正レシート情報を登録してもよい。
【0046】
抽出部2003は、受付部2004が顧客端末4からレシート情報要求を受付けると、当該レシート情報要求に含まれるレシートNoに対応するレシート情報をレシート情報管理ファイル213から抽出する。また、抽出部2003は、受付部2004が顧客端末4から訂正レシート情報要求を受付けると、当該訂正レシート情報要求に含まれるレシートNoに対応するレシート情報をレシート情報管理ファイル213から抽出する。抽出されたレシート情報は、決済装置3からの返品情報によって更新されたものであって、訂正レシート情報である。さらに、抽出部2003は、受付部2004が顧客端末4から返品レシート情報要求を受付けると、当該返品レシート情報要求に含まれる返品レシートNoに対応する返品レシート情報をレシート情報管理ファイル213から抽出する。
【0047】
受付部2004は、顧客端末4からレシート情報要求、訂正レシート情報要求、および返品レシート情報要求を受付ける。
【0048】
出力部2005は、受付部2004が受付けた各種情報要求に応じて、要求されたデータ形式でレシート情報、訂正レシート情報、および返品レシート情報を顧客端末4に送信する。本実施形態においては、出力部2005は、抽出部2003が抽出したレシート情報、訂正レシート情報、および返品レシート情報をWebページに表示させるために生成された表示データを送信する。携帯端末4は、Webブラウザによってこれら各種情報を表示する。
【0049】
また、出力部2005は、顧客の情報端末に訂正レシート情報と返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する。具体的には、出力部2005は、抽出部2003が抽出した訂正レシート情報と、レシート情報管理ファイル213において当該訂正レシート情報に対応するWebページのURLとを対応付けて顧客端末4に送信する。例えば、出力部2005は、返品レシート情報を提供するWebページのリンク情報を訂正レシートに埋め込んで表示するための表示データを顧客端末4に送信する。なお、出力部2005は、その他の各種情報を必要に応じて決済装置3や顧客端末4に送信する。
【0050】
次に、決済装置3について説明する。決済装置3は、各店舗に設けられるPOS端末などの決済装置である。POS端末の種類は問わず、店員が商品登録および会計操作を行う一般的なPOS端末、顧客が商品登録および会計操作を行うセルフPOS端末、店員が商品登録を行い顧客が会計操作を行うセミセルフPOS端末等のいずれであってもよい。また、決済装置3は、キャッシュレス決済に係る処理を実行する決済端末などであってもよい。
【0051】
決済装置3は、顧客が商品を購入する際に決済処理を実行し、電子レシートサービスの会員IDを読取ると、決済処理された取引に係るレシート情報を電子レシートサーバ2に送信する。また、決済装置3は、返品処理時に上記会員IDを読取ると、返品情報を電子レシートサーバ2に送信する。
【0052】
次に、顧客端末4について説明する。
図7は、顧客端末4の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。顧客端末4は、制御部40と、メモリ部41と、表示部42と、操作部43と、通信部44と、を備えている。制御部40、メモリ部41、表示部42、操作部43、および通信部44は、バス45等を介して互いに接続されている。
【0053】
制御部40は、CPU401、ROM402、RAM403を備えたコンピュータで構成されている。CPU401、ROM402、およびRAM403は、互いにバス45を介して接続されている。
【0054】
CPU401は顧客端末4の全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用され、ROM402やメモリ部41に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部40は、CPU401がROM402や、メモリ部41に記憶されRAM403に展開された制御プログラムに従って動作することによって、顧客端末4の各種制御処理を実行する。
【0055】
メモリ部41は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部41は、制御プログラム411および会員ID412を記憶する。
【0056】
制御プログラム411は、電子レシートサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムや、電子レシート、訂正レシート、および返品レシートを表示するためのプログラム、例えばWeb上に公開された情報を閲覧するためのWebブラウザなどのプログラムを含む。
【0057】
会員IDは、電子レシートサービスの会員IDである。会員IDは、顧客が電子レシートサービスの会員登録を実行すると付与される。
【0058】
表示部42は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部42は、電子レシートサーバ2から受信した情報に基づいて、電子レシート、訂正レシート、返品レシートなどを表示する。
【0059】
操作部43は、制御部40に情報を入力するためのもので、表示部42の表面に設けられたタッチパネル等で構成される。
【0060】
通信部44は、電子レシートサーバ2などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部40は、通信部44を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0061】
続いて、顧客端末4の制御部40の機能構成について説明する。
図8は、顧客端末4の制御部40の主要な機能構成を示すブロック図である。制御部40は、CPU401がROM402やメモリ部41に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、受信部4001、入力部4002、表示処理部4003、および送信部4004として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0062】
受信部4001は、外部装置から各種情報を受信する。例えば、受信部4001は、電子レシートサーバ2から、レシート情報、要求情報が対応付けられた訂正レシート情報、および返品レシート情報を受信する。
【0063】
入力部4002には、操作部43から各種情報が入力される。例えば、入力部4002には、レシート情報要求の指示、訂正レシート情報要求の指示、および返品レシート情報要求の指示などが入力される。
【0064】
表示処理部4003は、表示部42を制御して各種情報を表示させる。例えば、表示処理部4003は、電子レシートサーバ2から受信したレシート情報に基づいて表示部42に電子レシートを表示させ、電子レシートサーバ2から受信した返品レシート情報に基づいて表示部42に返品レシートを表示させる。また、表示処理部4003は、電子レシートサーバ2から受信した訂正レシート情報および要求情報に基づいて表示部42に訂正レシートを表示させる。さらに、表示処理部4003は、電子レシートサービスの提供を受けるためのアプリケーションプログラムが起動された際などに、レシート情報要求や訂正レシート情報要求を入力するための操作画面を表示部42に表示させる。
【0065】
送信部4004は、各種情報を電子レシートサーバ2に送信する。例えば、送信部4004は、レシート情報要求、訂正レシート情報要求、返品レシート要求等の情報を電子レシートサーバ2に送信する。送信部4004は、これら各種情報を電子レシートサーバ2に情報を送信する際に併せて会員IDを送信する。これにより、電子レシートサーバ2は、会員マスタ212を参照することで各種情報の送信元(会員、会員の顧客端末4のメールアドレス)を特定することができる。
【0066】
上記構成の電子レシートシステム1の動作の概略について説明する。
図9は、電子レシートシステム1の動作の流れを示すシーケンスチャートである。なお、このシーケンスチャートは、顧客が商品を購入して取引の決済が完了した後に、当該取引に係る商品について返品がなされた場合の動作の流れを示すものである。
【0067】
まず、取引決済時の流れについて説明する。店舗で電子レシートサービスの会員が商品を購入すると、当該店舗の決済装置3で決済処理が実行される(ステップS1)。決済装置3は、決済処理した1取引に関するレシート情報を電子レシートサーバ2に送信する(ステップS2)。レシート情報は、顧客の会員ID、発行されたレシートNo、取引対象商品の商品情報(商品コード、商品名、単価、税額など)、取引金額、取引日時、店舗情報(店舗名、店舗コード、TEL、住所、レジNoなど)を含む。
【0068】
電子レシートサーバ2は、受信したレシート情報をレシート情報管理ファイル213に登録する(ステップS3)。このとき、レシート情報管理ファイル213の返品フラグには「0」が登録され、要求情報の項目には何も登録されない。
【0069】
顧客端末4は、決済装置3での決済後にレシート情報要求を電子レシートサーバ2に送信することができる(ステップS4)。レシート情報要求は、電子レシートサーバ2がレシート情報を登録すると顧客端末4にレシート情報を提供するWebページのURLを送信し、顧客端末4が当該URLを指定することでなされる。なお、レシート情報要求は、電子レシートサーバ2がレシート情報を登録すると顧客端末4にレシートNoを含む登録通知を送信し、当該登録通知を受けた顧客端末4がレシートNoを特定したレシート情報要求を電子レシートサーバ2に送信するようにしてもよい。
【0070】
電子レシートサーバ2は、レシート情報要求で要求されたレシート情報をレシート情報管理ファイル213から抽出する(ステップS5)。電子レシートサーバ2は、抽出したレシート情報の表示データを生成して、この表示データをレシート情報として顧客端末4に送信する(ステップS6)。
【0071】
顧客端末4は、受信したレシート情報、言い換えれば、Web上に公開されダウンロードされたレシート情報(表示データ)を一時的に保存し、Webブラウザによって表示部42に電子レシートを表示する(ステップS7)。一時的に保存されたレシート情報は、例えば電子レシートサービスのアプリケーションプログラムが次回に起動された際にクリアされる。なお、顧客端末4は、受信したレシート情報を蓄積して保存してもよい。レシート情報の要求、受信、保存、および表示の仕組みについては、訂正レシート情報および返品レシート情報も同様である。
【0072】
図10は、電子レシートの表示画面を示す図である。顧客端末4の表示部42には、ヘッダー部421および主表示部422が形成される。
【0073】
ヘッダー部421には、複数のボタン4211が形成されている。ボタン4211は、例えば会員IDを示すバーコードを主表示部422に表示させるためのものや、電子レシートを主表示部422に表示させるためのものなどである。
【0074】
主表示部422は、電子レシート表示画面においては電子レシートを表示する。主表示部422には、店舗情報表示領域4221および取引情報表示領域4222が形成されている。店舗情報表示領域4221には、店舗情報が表示される。なお、店舗情報表示領域4221にコマーシャルメッセージなどを表示するようにしてもよい。取引情報表示領域4222には、商品情報、取引日時、レシートNoなどが表示される。商品情報は、商品毎に商品名と価格を1行に表示する。なお、主表示部422は、1取引において購入商品が多く商品情報が顧客端末4の表示部42に収まらない場合、表示画面の上下へのスクロール機能によって全ての情報を表示することができる。
【0075】
顧客は、表示された電子レシートを閲覧することで取引内容を確認できる。また、顧客は店舗で返品を行う際に電子レシートを店員に提示して、返品する商品を購入したことを知らしめることができる。
【0076】
図9に戻って、返品時の流れについて説明する。決済済の取引に返品が生じると、決済装置3は返品処理を実行する(ステップS11)。返品処理は、顧客に対して返品された商品の代金を返金するための処理であって、従来から行われている。決済装置3は、返品情報を電子レシートサーバ2に送信する(ステップS12)。返品情報は、発行された返品レシートNo、返品が生じた決済済の取引を特定するレシートNo、返品された商品の商品情報(商品コード、商品名、単価、税額など)、返品に伴う返金額、返品日時、店舗情報(店舗名、店舗コード、TEL、住所、レジNoなど)を含む。
【0077】
電子レシートサーバ2は、返品情報に含まれるレシートNoをレシート情報管理ファイル213で検索し(ステップS13)、検索されたレシート情報を返品情報に基づいて更新する(ステップS14)。言い換えれば、電子レシートサーバ2は、返品情報に基づいて訂正した訂正レシート情報を登録する。また、電子レシートサーバ2は、返品情報に基づいて返品レシート情報を登録する(ステップS15)。このとき、返品レシート情報が公開されるWebページのURLが設定され、レシート情報管理ファイル213および返品レシート情報管理ファイル214に登録される。
【0078】
顧客端末4は、決済装置3での返品処理後に訂正レシート情報要求を電子レシートサーバ2に送信することができる(ステップS16)。
【0079】
電子レシートサーバ2は、訂正レシート情報要求で要求された訂正レシート情報をレシート情報管理ファイル213から抽出し(ステップS17)、抽出した訂正レシート情報と要求情報とを対応付けた表示データを顧客端末4に送信する(ステップS18)。一例として、要求情報は、返品レシート情報が公開されるWebページのURLである。
【0080】
顧客端末4は、受信した訂正レシート情報および要求情報に基づいて訂正レシートを表示する(ステップS19)。顧客端末4は、返品レシート情報が公開されるWebページのURLを指定するボタンを含む訂正レシートを表示する。
【0081】
図11は、訂正レシートの表示画面を示す図である。
図10と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0082】
主表示部422は、訂正レシート表示画面においては訂正レシートを表示する。主表示部422には、取引情報表示領域4222に加えて、取引額表示領域4223、返品取引表示領域4224、および返品レシート表示アイコン4225が形成されている。また、取引情報表示領域4222に表示された内容のうち訂正される内容、すなわち返品された商品の商品情報、返品により変更が生じた合計金額は、赤色などの取消線が引かれた状態で表示される。なお、訂正される内容の表示は、取消線に限らず何等かのマークを付与するなどでもよい。
【0083】
取引額表示領域4223には、返品後の合計金額が表示される。返品後の合計金額とは、返品前の取引の合計金額から返品された商品の価格を減算した金額である。返品取引表示領域4224は、返品が生じた取引であることを示す情報を表示する領域で、例えば「返品商品あり」などの文字が表示される。
【0084】
返品レシート表示アイコン4225は、返品レシートの表示を要求するためのアイコンとして機能する。顧客は、返品レシート表示アイコン4225に触れることで主表示部422に返品レシートを表示させることができる。決済装置3で複数回返品処理が行われた場合、各返品処理に対応して返品レシート表示アイコン4225が形成される。言い換えると、同一の取引に対して返品が複数回行われた場合、決済装置3の返品処理に1対1で対応するアイコンが表示される。返品レシート表示アイコン4225が複数形成される場合、返品処理された順序も表示される。
図11の例では、上段の返品レシート表示アイコン4225が1回目の返品処理に係る返品レシートを表示させるためのもので、下段の返品レシート表示アイコン4225が2回目の返品処理に係る返品レシートを表示させるためのものである。
【0085】
主表示部422に表示される訂正レシートは、返品レシート表示アイコン4225を含むものであり、また、電子レシートサーバ2の出力部2005から送信された情報に基づいて表示されるものである。言い換えれば、出力部2005は、返品レシートの表示を要求するアイコンを含む訂正レシートを顧客端末4に表示させるための表示データを出力するものであるということができる。
【0086】
顧客は、返品レシート表示アイコン4225をタッチすることで、所望の返品レシートを閲覧できる。顧客は、訂正レシートを表示させて当該訂正レシートを確認している状態で返品レシートの表示要求を入力できるので、操作性が良好である。また、1取引において複数回返品処理が行われている場合、返品レシート表示アイコン4225は、各返品処理に1対1で対応するよう、かつ、返品処理の順序がわかるよう表示されるので、顧客は所望の返品レシートを容易に閲覧することができる。
【0087】
図9に戻って説明を続ける。顧客が返品レシート表示アイコン4225をタッチすると、返品レシート情報が公開されるWebページのURLが指定され、顧客端末4に返品レシート情報要求の入力がなされる(ステップS20)。顧客端末4は、返品レシート情報要求を電子レシートサーバ2に送信する(ステップS21)。
【0088】
電子レシートサーバ2は、指定されたURLに対応する返品レシート情報を抽出し(ステップS22)、顧客端末4に送信する(ステップS23)。
【0089】
顧客端末4は、受信した返品レシート情報に基づいて、返品レシートを表示する(ステップS24)。
【0090】
図12は、返品レシートの表示画面を示す図である。
図10、
図11と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
【0091】
主表示部422は、返品レシート表示画面においては返品レシートを表示する。返品レシートにより表示される情報は、返品レシートであることを示す「返品」の文字、返品前の取引の情報(レシートNo、取引日、対象レジNo)、返品された商品情報(商品名、価格)、および返金額を含む。なお、返品レシートに含まれる情報は、上記に限らず任意に設定することができる。
【0092】
以上の動作により、電子レシートシステム1は、電子レシートサービスの会員である顧客に電子レシート、訂正レシート、および返品レシートを提供することができる。
【0093】
次に、電子レシートサーバ2が実行する登録処理について説明する。
図13は、電子レシートサーバ2の制御部20における登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0094】
制御部20は、取得部2001が決済装置3からレシート情報を取得したか否か判断する(ステップS31)。取得部2001が決済装置3からレシート情報を取得すると(ステップS31のY)、登録部2002は、レシート情報管理ファイル213にレシート情報を登録する(ステップS32)。そして、制御部20は登録処理を終了する。
【0095】
取得部2001が決済装置3からレシート情報を取得しない場合(ステップS31のN)、制御部20は、取得部2001が決済装置3から返品情報を取得したか否か判断し(ステップS33)、取得していなければ(ステップS33のN)、ステップS31の処理に戻る。
【0096】
取得部2001が決済装置3から返品情報を取得すると(ステップS33のY)、登録部2002は、返品情報に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されているか否か判断する(ステップS34)。言い換えれば、登録部2002は、返品が生じた取引のレシート情報がレシート情報管理ファイル213で管理されているか否か判断する。
【0097】
返品情報に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されていると(ステップS34のY)、登録部2002は、取得部2001が取得した返品情報に基づいて当該レシートNoのレシート情報を更新する(ステップS35)。レシート情報が更新されることによって、訂正レシート情報が登録される。次いで、登録部2002は、取得部2001が取得した返品情報を返品レシート情報管理ファイル214に登録する(ステップS36)。そして、制御部20は登録処理を終了する。
【0098】
ステップS34の処理において、取得部2001が取得した返品情報に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されていないと(ステップS34のN)、返品が生じた取引のレシート情報は電子レシートサーバ2の管理対象でないとして、出力部2005は決済装置3にエラー送信を行う(ステップS37)。そして、制御部20は登録処理を終了する。
【0099】
続いて、電子レシートサーバ2が実行する出力処理について説明する。
図14は、電子レシートサーバ2の制御部20における出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
制御部20は、受付部2004が顧客端末4からレシート情報要求を受付けたか否か判断する(ステップS41)。受付部2004がレシート情報要求を受付けると(ステップS41のY)、制御部20は、当該レシート情報要求に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されているか否か判断する(ステップS42)。
【0101】
レシート情報要求に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されていると(ステップS42のY)、抽出部2003が当該レシートNoのレシート情報を抽出し、出力部2005は抽出されたレシート情報を顧客端末4に送信する(ステップS43)。そして、制御部20は出力処理を終了する。
【0102】
レシート情報要求に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されていないと(ステップS42のN)、要求されたレシート情報は電子レシートサーバ2の管理対象でないとして、出力部2005は顧客端末4にエラー送信を行う(ステップS44)。そして、制御部20は出力処理を終了する。
【0103】
ステップS41の処理において、受付部2004がレシート情報要求を受付けないと(ステップS41のN)、制御部20は、受付部2004が顧客端末4から訂正レシート情報要求を受付けたか否か判断し(ステップS45)、受付けない場合(ステップS45のN)、制御部20は、ステップS41の処理に戻る。
【0104】
受付部2004が訂正レシート情報要求を受付けると(ステップS45のY)、制御部20は、当該訂正レシート情報要求に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されているか否か判断し(ステップS46)、登録されていないと(ステップS46のN)、ステップS44の処理に移行する。
【0105】
受付部2004が受付けた訂正レシート情報要求に含まれるレシートNoがレシート情報管理ファイル213に登録されていると(ステップS46のY)、抽出部2003は、当該レシートNoのレシート情報を訂正レシート情報として抽出するとともに対応する要求情報を抽出する(ステップS47)。出力部2005は、抽出された訂正レシート情報と要求情報とを対応付けて顧客端末4に送信する(ステップS48)。
【0106】
次いで、制御部20は、受付部2004が顧客端末4から返品レシート情報要求を受付けたか否か判断する(ステップS49)。受付部2004が返品レシート情報要求を受付けると(ステップS49のY)、抽出部2003が返品レシート情報要求で指定されたURLに対応する返品レシート情報を抽出し、出力部2005は抽出された返品レシート情報を顧客端末4に送信する(ステップS50)。そして、制御部20は出力処理を終了する。
【0107】
ステップS49の処理において、返品レシート情報要求を受付けないと(ステップS49のN)、制御部20は、出力部2005が抽出された訂正レシート情報と要求情報とを対応付けて顧客端末4に送信してから所定時間経過したか否か判断する(ステップS51)。制御部20は、所定時間経過していなければ(ステップS51のN)、ステップS49の処理に戻り、所定時間経過していれば(ステップS51のY)、顧客が返品レシートの閲覧を希望しないものと判断して出力処理を終了する。
【0108】
電子レシートサーバ2は、上記登録処理により、電子レシートサービスの会員の取引について、レシート情報、訂正レシート情報、および返品レシート情報を包括的に管理することができる。また、電子レシートサーバ2は、上記出力処理により、顧客端末4における返品レシート表示の操作性を向上させることが可能な情報を送信することができる。
【0109】
以上説明したとおり、実施形態の電子レシートサーバ2は、決済処理後に返品が生じた取引の取引特定情報、および当該取引に関して返品された商品を示す返品情報を取得する取得部2001と、取得部2001が取得した返品情報に基づいて、返品された商品に関する情報を示す返品レシート情報を登録する返品レシート情報登録部(登録部2002)と、取得部2001が取得した前記取引特定情報と前記返品情報とに基づいて、返品前の取引の情報を示すレシート情報を訂正した訂正レシート情報を登録する訂正レシート情報登録部(登録部2002)と、顧客端末4に前記訂正レシート情報と前記返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けて出力する出力部2005と、を備える。
【0110】
これにより、顧客端末4は、訂正レシート情報と返品レシート情報の要求を送信するための要求情報とを対応付けた情報を取得することができる。このため、顧客端末4は、例えば、返品レシートを表示させるためのアイコンを含めた訂正レシートの表示を容易に行うことができる。言い換えれば、電子レシートサーバ2は、顧客端末4における返品レシートの表示に関する操作性を向上させることが可能である。
【0111】
なお、上記実施形態において、サーバ装置である電子レシートサーバ2や顧客端末4で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記実施形態の電子レシートサーバ2や顧客端末4で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0112】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0113】
2 電子レシートサーバ(サーバ装置)
4 顧客端末(情報端末)
2001 取得部(返品情報取得部)
2002 登録部(返品レシート情報登録部、訂正レシート情報登録部)
2005 出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】