(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071778
(43)【公開日】2024-05-24
(54)【発明の名称】物品保管装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240517BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65G1/04 503
B65G1/00 511J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061079
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2020149231の分割
【原出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(71)【出願人】
【識別番号】000154288
【氏名又は名称】株式会社富士精工本社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】上野 敬介
(72)【発明者】
【氏名】樟 和典
(72)【発明者】
【氏名】小野 友資
(72)【発明者】
【氏名】山下 淳平
(72)【発明者】
【氏名】北出 英明
(57)【要約】
【課題】緊急時等に保管箱の向きを変えることなく、保管箱の内部に容易にアクセスすることができる荷物保管装置を提供する。
【解決手段】荷物保管装置は、内部に荷物を収容する保管箱4と、保管箱4に対する荷物の出し入れを行う搬入出部と、荷物を保管箱4とともに保管する保管部と、搬入出部と保管部との間で保管箱4を移動させる移動装置と、を備えている。保管箱4は、箱本体部4cと、第1扉と、第2扉とを備えている。箱本体部4cは内部に荷物を収納する。第1扉は、箱本体部4cのうちの、搬入出部で荷物を出し入れ可能な面に開閉可能に配置されている。第2扉は、箱本体部4cのうちの、第1扉の配置される面と異なる面に開閉可能に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に荷物を収容する保管箱と、
前記保管箱に対する前記荷物の出し入れを行う搬入出部と、
前記荷物を前記保管箱とともに保管する保管部と、
前記搬入出部と前記保管部との間で前記保管箱を移動させる移動装置と、を備え、
前記保管箱は、
内部に前記荷物を収納可能な箱本体部と、
前記箱本体部のうちの、前記搬入出部で前記荷物を出し入れ可能な面に開閉可能に配置された第1扉と、
前記箱本体部のうちの、前記第1扉の配置される面と異なる面に開閉可能に配置された第2扉と、
を備えていることを特徴する荷物保管装置。
【請求項2】
前記第2扉は、前記箱本体部のうちの、点検作業空間に臨む面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の荷物保管装置。
【請求項3】
前記第2扉は、前記箱本体部に対して脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の荷物保管装置。
【請求項4】
前記保管箱に対する前記荷物の出し入れを行う第2搬入出部をさらに備え、
前記搬入出部と前記第2搬入出部は、夫々第1外扉と第2外扉を有し、
前記第1扉は、前記第1外扉の開閉動作と連動させる第1連動部を備え、
前記第2扉は、前記第2外扉の開閉動作と連動させる第2連動部を備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の荷物保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品を保管する保管装置として、物品の搬入出部である入庫口及び出庫口と、物品を保管する保管棚と、物品を入庫口と保管棚の間や、保管棚と出庫口の間で移動させる移動装置と、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この保管装置では、物品はパレットの上に載せ置かれ、パレットごと移動装置によって目的の保管棚や出庫口に移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の保管装置では、物品がパレットに載せ置かれた状態で目的の保管棚や出庫口に移送される。しかし、上記の保管装置が、例えば、利用者から預かった荷物を保管棚に保管するような用途で用いられる場合には、荷物に対する汚れや埃の付着、荷物の脱落等を防止するために、荷物を保管箱に入れて保管棚に保管したり、移動させたりする対策を講じる必要がある。
この場合、保管箱の箱本体部には、入庫口や出庫口で開くことができる扉が設置されることになる。しかし、電源系統の故障等により、保管箱を出庫口まで移動させることができなくなった場合等には、保管箱の保管位置や停止位置によっては、内部の物品を容易に取り出すことができなくなる。また、保管箱の保管位置や停止位置によっては、緊急時であっても保管箱の箱本体部の向きを変えない限り、扉を開いて保管箱内の荷物にアクセスすることが不可能な状況が考えられる。
【0005】
そこで本発明は、緊急時等に保管箱の向きを変えることなく、保管箱の内部に容易にアクセスすることができる荷物保管装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願に係る荷物保管装置は、内部に荷物を収容する保管箱と、前記保管箱に対する前記荷物の出し入れを行う搬入出部と、前記荷物を前記保管箱とともに保管する保管部と、前記搬入出部と前記保管部との間で前記保管箱を移動させる移動装置と、を備え、前記保管箱は、内部に前記荷物を収納可能な箱本体部と、前記箱本体部のうちの、前記搬入出部で前記荷物を出し入れ可能な面に開閉可能に配置された第1扉と、前記箱本体部のうちの、前記第1扉の配置される面と異なる面に開閉可能に配置された第2扉と、を備えていることを特徴する。
【0007】
上記の構成により、搬入出部での通常の荷物の出し入れ時には、搬入出部において第1扉が開かれて保管箱の箱本体部内へのアクセスが行われる。また、電源系統の故障等によって保管箱を搬入出部に移動させることができない場合や急な点検時等には、第1扉と第2扉の少なくともいずれか一方を開くことによって保管箱の箱本体内にアクセスすることができる。
【0008】
前記第2扉は、前記箱本体部のうちの、点検作業空間に臨む面に配置されることが望ましい。
この場合、保管箱を搬入出部に移動させることができない緊急時等には、比較的広いスペースが確保されている点検作業空間において、第2扉を開く作業を行うことができる。
【0009】
前記第2扉は、前記箱本体部に対して脱着可能に取り付けられるようにしても良い。
この場合、第2扉を箱本体部から取り外すことによって箱本体部の開口を最大限に広く開口することができる。このため、箱本体部内に収納されている荷物を比較的容易に取り出すことができる。
【0010】
荷物保管装置は、前記保管箱に対する前記荷物の出し入れを行う第2搬入出部をさらに備え、前記搬入出部と前記第2搬入出部は、夫々第1外扉と第2外扉を有し、前記第1扉は、前記第1外扉の開閉動作と連動させる第1連動部を備え、前記第2扉は、前記第2外扉の開閉動作と連動させる第2連動部を備えるようにしても良い。
この場合、保管箱が搬入出部に位置されているときに、第1扉が第1連動部を通して搬入出部の第1外扉と連動していれば、外扉の開閉に応じて第1扉も開閉させることができる。また、保管箱が第2搬入出部に位置されているときに、第2扉が第2連動部を通して第2搬入出部の第2外扉と連動していれば、第2外扉の開閉に応じて第2扉も開閉させることができる。このため、例えば、搬入出部をユーザの利用窓口とし、第2搬入出部をサービス提供者の窓口として利用するとき等に、簡単な構造でありながら、各窓口の外扉と保管箱の対応する扉を同タイミングで開閉することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、保管箱の箱本体部のうちの、第1扉の配置される面と異なる面に第2扉が開閉可能に配置されている。このため、電源系統の故障等によって保管箱を搬入出部に移動させることができない緊急時等には、第1扉と第2扉の少なくともいずれか一方を開くことにより、保管箱の向きを変えることなく、保管箱の内部に容易にアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の荷物保管装置を斜め前方から見た概略構成図である。
【
図2】第1実施形態の荷物保管装置の天井壁部を省略した平面図である。
【
図6】第1実施形態の搬入出部に大型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態の搬入出部に小型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【
図8】第1実施形態の荷物保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図9】第1実施形態の荷物保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図10】第1実施形態の荷物保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態の荷物保管装置の天井壁部を省略した平面図である。
【
図13】第2実施形態の第2搬入出部に大型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る荷物保管装置の実施形態について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
最初に、
図1~
図12に示す第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の荷物保管装置1を前方側から見た斜視図である。本実施形態の荷物保管装置1は、駅、空港、店舗及び宿泊施設等に設置され、ユーザの荷物Nを一時的に保管する装置である。本実施形態の荷物保管装置1は、
図1に示すように、基台2と、保管棚3と、保管箱4と、移動装置5と、外殻体6と、搬入出部7とを備えている。
【0015】
荷物保管装置1は、平面視が略長方形状とされている。以下の説明においては、平面視における荷物保管装置1の長手方向を幅方向と称し、平面視における荷物保管装置1の短手方向を奥行方向と称する。また、荷物保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における右手側を右側と称し、荷物保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における左手側を左側と称する。また、荷物保管装置1から見て奥行方向におけるユーザ側を前側と称し、荷物保管装置1から見て奥行方向におけるユーザと反対側を後側と称する。
【0016】
基台2は、保管棚3、移動装置5及び搬入出部7を下方から支持する平板状の台部であり、床面Xに対して設置されている。また、基台2は、保管箱4も間接的に支持する。なお、本実施形態において外殻体6は、床面Xに対して立設されているが、基台2で支持されるようにしても良い。基台2は、平面視において、幅方向を長手方向とし、奥行方向を短手方向とする矩形形状に形成されており、複数の平板によって構成されている。
【0017】
保管棚3は、奥行方向にて移動装置5を間に挟むようにして2台設置されている。これらの保管棚3は、棒材が格子状に接続された構造を有している。棒材によって囲まれた複数の空間部は、保管箱4を収容するための保管部3aを構成している。各保管部3aには、保管箱4が出し入れ可能に収容される。保管箱4に荷物Nが収納されている場合には、保管箱4が保管部3aに保管されることで、荷物Nが保管部3aに保管される。
【0018】
図2は、荷物保管装置1の後述する天井壁部6eを省略した平面図である。
図2に示すように、前後の各保管棚3には、複数の保管部3aが幅方向に直線状に並んで配列されている。本実施形態では、各保管部3aの幅方向の寸法が同じに設定されている。
【0019】
図3は、
図2のA-A断面図である。保管棚3には、上下方向に3つの保管部3aが配列されている。上下に配列された3つの保管部3aのうち、中段位置及び上段位置の保管部3aの高さ寸法は同一とされ、下段位置の保管部3aの高さ寸法は中段位置と上段位置の保管部3aの高さ寸法よりも小さく設定されている。なお、以下の説明では、下段位置に収容される保管部3aを小型保管部3cと称し、中段位置と上段位置に収容される保管部3aを大型保管部3bと称する。
【0020】
また、
図2に示すように、移動装置5の前側に配置された保管棚3には、1つの保管部3aの幅寸法分の保管部3aが設けられていない部位が設けられている。この保管部3aが設けられていない部位は、搬入出部7にて搬入出される荷物Nを搬入出部7と移動装置5との間で受け渡すための受渡通路3dとされている。
【0021】
図4は、
図2のB-B断面図である。この図に示すように、受渡通路3dは、移動装置5の前側に配置された保管棚3の幅方向の中央位置に配置されている。本実施形態の場合、この受渡通路3dは、上下方向にて保管棚3を貫通するように設けられている。つまり、受渡通路3dの上下には保管部3aが設けられていない。しかしながら、受渡通路3dの上方に保管部3aを設けることも可能である。また、受渡通路3dは保管棚3の幅方向の中央領域のみならず左右に偏った位置に配置されていても良い。
【0022】
図2及び
図3に示すように、受渡通路3dの下部には、搬入出部7が配置されている。搬入出部7は、
図2に示すように、平面視における保管部3aの配列方向にて、中央領域の保管部3aと保管部3aとの間に配置されている。
【0023】
保管箱4は、搬入出部7にて荷物Nが出し入れされる箱体である。保管箱4は、保管棚3上の特定の保管部3aに収納される。
図5(a)は、大型保管部3bに収容される大型の保管箱4の斜視図であり、
図5(b)は、小型保管部3cに収容される小型の保管箱4の斜視図である。
図5(a)と
図5(b)は、各保管箱4を後方側から見た斜視図である。
【0024】
本実施形態の荷物保管装置1では、容積の異なる二種類の保管箱4を取り扱う。以下では、この種類の異なる保管箱4を区別する場合には、相対的に容積の大きいものを大型保管箱4aと称し、相対的に容積の小さいものを小型保管箱4bと称する。
図5(a)と
図5(b)を比較して分かるように、大型保管箱4aの高さ寸法は、小型保管箱4bの高さ寸法よりも大きい。大型保管箱4aは、保管棚3の大型保管部3bに収容可能な寸法とされている。また、小型保管箱4bは、保管棚3の小型保管部3cに収容可能な寸法とされている。
【0025】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、保管箱4は、内部に荷物Nが収容される直方体状の箱本体部4cを備えている。箱本体部4cは、前方側と後方側に荷物Nの出し入れが可能な開口を有する。箱本体部4cの前部側には、箱本体部4cの前方側の開口を開閉できる前扉60(第1扉)が取り付けられている。前扉60は、箱本体部4cの前部に昇降可能に設置されている。前扉60は、主に搬入出部7において、箱本体部4cに対して荷物Nの出し入れを行うための扉である。
なお、前扉60は、左右の側縁部が箱本体部4cの前部の図示しないガイド溝に案内されて上下方向に摺動可能とされている。前扉60は、箱本体部4cの前部の開口を閉じた状態からは上方側にのみ変位可能とされている。前扉60の下方変位は、図示しないストッパ金具によって規制されている。ストッパ金具は、箱本体部4cの前端部の下端にビス63(
図12参照)によって脱着可能に取り付けられている。
【0026】
前扉60の上端部には、前方に向けて突出する突起部60a(
図6,
図7参照。)が設けられている。突起部60aは、搬入出部7の後述する外扉7bに設けられた挿入部7b1に挿入される部位である。突起部60aは、外扉7bの挿入部7b1に後方側から挿入係合されることにより、前扉60を外扉7bに対して連動可能に連結する。また、突起部60aは、外扉7bの挿入部7b1との係合が解除されると、前扉60と外扉7bの連動を解除する。なお、突起部60aは、前扉60を外扉7bの開閉動作と連動させるための連動部(第1連動部)を構成している。
【0027】
また、箱本体部4cの後部側には、箱本体部4cの後方側の開口を閉塞する後扉61(第2扉)が取り付けられている。後扉61は、ビス62(固定手段)によって箱本体部4cの後端部に脱着可能に取り付けられている。つまり、後扉61は、ビス62による締結を解除することにより、箱本体部4cから取り外し可能とされている。後扉61は、通常使用時には開閉されず、緊急時やメンテナンス時にのみ取り外される。
【0028】
奥行方向に離間した前後の保管棚3の間には移動通路Tが確保されている。移動装置5は移動通路Tに配置されている。なお、荷物保管装置1のメンテナンス時には、移動通路Tは、作業者がメンテナンス作業を行うための点検作業空間となる。
【0029】
移動装置5は、
図3に示すように、移動通路Tに沿って走行可能な台車5aと、台車5aに立設された一対のマスト5bと、マスト5bに沿って昇降される昇降台5cと、を備えている。昇降台5cには、不図示の移載装置が取り付けられている。移載装置は、昇降台5cと保管箱4の載置部の間で保管箱4の載せ移し作業を行うための装置である。
移動装置5は、台車5aによって幅方向に移動し、昇降台5cを昇降させることによって、移載装置を任意の保管部3aあるいは搬入出部7に対峙させ、移載装置によって保管箱4を保管部3aあるいは搬入出部7と昇降台5cとの間で移動させる。
なお、移動装置5の構成は、特に限定されない。例えば、移載装置を幅方向に移動させるリニアガイドと、このリニアガイドを上下方向に移動可能なリニアガイドとを備える構成を採用することも可能である。
【0030】
外殻体6は、保管棚3や移動装置5を囲む壁部であり、
図1に示すように、前壁部6aと、後壁部6bと、右側壁部6cと、左側壁部6dと、天井壁部6eとを備えている。前壁部6aは、前側の保管棚3の前方に立設された壁部である。この前壁部6aの外壁面6a1は、搬入出部7を介して荷物Nの出し入れを行うユーザが対峙する面となっており、本実施形態においては模様や文字等が描かれた意匠面とされている。
【0031】
また、前壁部6aの幅方向の中央部の下部には、搬入出部7の開口7a1が設けられている。この開口7a1が設けられた前壁部6aの一部分は、搬入出部7の外壁部7aとして機能する部位となっている。つまり、本実施形態においては、搬入出部7の外壁部7aが外殻体6の前壁部6aと一体化されている。
【0032】
後壁部6bは、後側の保管棚3の後方に立設された壁部である。右側壁部6cは、保管棚3の右側に立設された壁部である。左側壁部6dは、保管棚3の左側に立設された壁部である。天井壁部6eは、保管棚3の上方に水平に配置された壁部であり、前壁部6a、後壁部6b、右側壁部6c、及び左側壁部6dによって下方から支持されている。
【0033】
搬入出部7は、荷物保管装置1を利用するユーザが荷物Nの出し入れを行う箇所であり、ユーザによって搬入出が行われる荷物Nが配置される。
図6は、搬入出部7に大型保管箱4aが設置された状態を模式的に示す断面図である。
図6(a)は、外扉7bが閉じられた状態を示す図であり、
図6(b)は、外扉7bが開かれた状態を示す図である。
図7は、搬入出部7に小型保管箱4bが設置された状態を模式的に示す断面図である。
図7(a)は、外扉7bが閉じられた状態を示す図であり、
図7(b)は、外扉7bが開かれた状態を示す図である。
図6及び
図7に示すように、搬入出部7は、外壁部7aと、外扉7bと、扉駆動部7cと、載置台7dと、重量測定部7eと、ユーザインタフェース部7f(
図1参照。)と、を備えている。
【0034】
外壁部7aは、上述のように前壁部6aと一体的に設けられた壁部であり、載置台7dと外部とを隔離する壁部である。この外壁部7aには、奥行方向に貫通する開口7a1が設けられている。開口7a1は、荷物Nを通過させるための開口であり、大型保管箱4aの前扉60が開放された場合の開口面積と略同一の開口面積とされている。
【0035】
外扉7bは、開口7a1を開閉するための扉であり、扉駆動部7cによって昇降可能とされている。この外扉7bは、
図6(a)及び
図7(a)に示すように下降操作されることで開口7a1を閉鎖し、
図6(b)及び
図7(b)に示すように上昇操作されることで開口7a1を開放する。
【0036】
なお、外扉7bには、大型保管箱4aの突起部60aの高さに合わせた位置と、小型保管箱4bの突起部60aの高さに合わせた位置とに、溝部を有する挿入部7b1を有している。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、大型保管箱4aの突起部60aは大型保管箱4aが載置台7dに載置されることで上方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、外扉7bを昇降することによって、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、外扉7bに合わせて大型保管箱4aの前扉60が昇降される。また、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、小型保管箱4bの突起部60aは小型保管箱4bが載置台7dに載置されることで下方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、外扉7bを昇降することによって、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、外扉7bに合わせて小型保管箱4bの前扉60が昇降される。
【0037】
扉駆動部7cは、外殻体6の内部に配置されて外扉7bと接続されている。扉駆動部7cは図示しない制御装置によって制御される。扉駆動部7cは、制御装置からの制御指令を受けて外扉7bを昇降作動させる。
【0038】
載置台7dは、外殻体6の内側にて、保管棚3の受渡通路3dの下部に配置されている。載置台7dは、保管箱4が載置される台である。
【0039】
重量測定部7eは、載置台7dの下方に配置された重量センサであり、載置台7dに載置された保管箱4に収納された荷物Nの重量を測定する。このような重量測定部7eは、例えば保管箱4を含んで荷物Nの重量の測定を行う。重量測定部7eは、制御装置の信号入力部に接続されており、荷物Nの重量情報を含む信号を制御装置に出力する。制御装置は、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、保管箱4の重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。つまり、制御装置は、大型保管箱4aの重量と小型保管箱4bの重量を予め記憶しており、載置台7dに載置された保管箱4が大型保管箱4aである場合には、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、大型保管箱4aの重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。また、制御部装置は、載置台7dに載置された保管箱4が小型保管箱4bである場合には、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、小型保管箱4bの重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。
【0040】
ユーザインタフェース部7fは、
図1に示すように外壁部7aに設置され、外壁部7aの外側に露出している。このユーザインタフェース部7fは、ユーザが情報入力したりユーザに対して情報を表示したりするタッチパネル、荷物Nに関する情報を印刷した荷物保管票を作成する印刷部、保管費用の清算を行う清算部等を備えている。
【0041】
(荷物保管装置1の動作)
ユーザが実際に荷物保管装置1に荷物Nを預ける場合には、例えばユーザがユーザインタフェース部7fを操作することによって、荷物Nの大きさを選択する。荷物Nの大きさが選択されると、制御装置は、選択された荷物Nが収納可能な保管箱4の空き状態を判定し、移動装置5を制御して空いている保管箱4を搬入出部7の載置台7dまで搬送する。
【0042】
保管箱4が載置台7dまで搬送されると、制御装置は、扉駆動部7cを制御して外扉7bを上昇させる。このとき、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、制御装置は、外扉7bを最も上昇させて開口7a1を全開放する。一方で、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、制御装置は、外扉7bを半分程度上昇させて開口7a1を半開放する。このようにして、外扉7bが上昇操作されると、外扉7bと共に保管箱4の前扉60が上昇し、保管箱4の前方側が開放される。
【0043】
保管箱4の前方側が開放された状態で、ユーザは荷物Nを保管箱4の内部に入れる。その後、制御装置は、荷物Nが保管箱4に収納されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cを制御して外扉7bを下降させる。これにより、搬入出部7の開口7a1が外扉7bによって閉じられるとともに、保管箱4の前部が前扉60によって閉じられる。この後、制御装置は、移動装置5を制御して、荷物Nを収納した保管箱4を、当該保管箱4が収容されていた保管部3aに戻す。また、制御装置は、必要に応じて荷物保管票を印刷部に出力させる。
【0044】
一方、ユーザが荷物保管装置1から荷物Nを取り出す場合には、例えば荷物保管票に印刷された情報をユーザインタフェース部7fに入力する。制御装置は、入力された情報に基づいて、取り出し対象の荷物Nを特定し、移動装置5を制御して、特定した荷物Nが収納された保管箱4を搬入出部7の載置台7dまで搬送させる。
【0045】
保管箱4が載置台7dまで搬送されると、制御装置は、扉駆動部7cを制御して外扉7bを上昇させる。このとき、制御装置は、上述と同様にして保管箱4のサイズに応じて外扉7bの上昇量を制御し、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、搬入出部7の開口7a1を全開放にし、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、搬入出部7の開口7a1を半開放にする。これにより、外扉7bと共に保管箱4の前扉60が上昇し、保管箱4の前部が開放される。
【0046】
ユーザは、こうして搬入出部7の開口7a1と保管箱4の前部が開放された状態において、保管箱4の内部から荷物Nを取り出す。制御装置は、荷物Nが保管箱4から取り出されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cを制御して外扉7bを下降させる。これにより、搬入出部7の開口7a1が閉じられるとともに、保管箱4の前扉60が閉じられる。この後、制御装置は、移動装置5を制御して、保管箱4が今まで収容されていた保管部3aに戻す。
【0047】
(緊急時等における荷物Nの取り出し)
例えば、電源系統の故障等によって荷物Nの入った保管箱4を搬入出部7に移動させることができなくなった場合には、保管部3a内の保管箱4を以下のようにして開き、保管箱4内の荷物Nを取り出すことができる。以下では、保管箱4が前部側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合と、保管箱4が後部側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合とに分けて、保管箱4の開き方について説明する。
【0048】
(1)保管箱4が前側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合
図8は、前側の保管棚3の保管部3a(大型保管部3b)に収容された保管箱4(大型保管箱4a)を後側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で前側の保管棚3に向かってに立ち、
図8(a)に示すように、ドライバー等の工具74によって後扉61を固定している複数のビス62を取り外す。
【0049】
この後、作業者は、
図8(b)に示すように、吸盤工具75の吸盤を後扉61の後面に吸着し、その状態で吸盤工具75を適宜の方向に操作する。これにより、後扉61は、箱本体部4cの後面に突設された係止爪から外れ、箱本体部4cの後部から取り外される。
【0050】
この後、作業者は、
図8(c)に示すように、箱本体部4cの一部を保管部3aから移動通路T側に引き出し、箱本体部4cの後方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0051】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、箱本体部4cを保管部3a内に元の状態に戻し、吸盤工具75を用いて後扉61を箱本体部4cの後面に再配置する。
【0052】
この後、作業者は、ドライバー等の工具74を用いて後扉61を箱本体部4cの後面にビス62によって固定する。
なお、
図8では、前側の保管棚3の大型保管部3bに収容された大型保管箱4aから荷物Nが取り出される様子が示されているが、小型保管箱4bの場合も同様にして荷物Nを取り出し、後扉61を元の状態に戻すことができる。
【0053】
(2)保管箱4が後側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合
図9は、後側の保管棚3の小型保管部3cに収容された小型保管箱4bを前側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c),(d)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で後側の保管棚3に向かって立ち、
図9(a)に示すように、小型保管箱4bの箱本体部4cの一部を小型保管部3cから移動通路T側(前方側)に引き出す。
【0054】
次に、作業者は、
図9(b)及び
図9(c)に示すように、吸盤工具75の吸盤を前扉60の前面に吸着し、その状態で吸盤工具75を上方側に変位させる。これにより、前扉60は、箱本体部4cの前部のガイド溝に案内されつつ上昇し、ある高さに達するとガイド溝から外れる。こうして、前扉60が箱本体部4cの前部から取り外されると、箱本体部4cの前方が開口する。
【0055】
この後、作業者は、箱本体部4cの前方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0056】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、吸盤工具75を用いて前扉60を箱本体部4cの前面に再配置する。この後、作業者は、小型保管箱4bを後側の保管棚3の小型保管部3c内に押し込み、小型保管箱4bを元の状態に戻す。
【0057】
図10は、後側の保管棚3の大型保管部3bに収容された大型保管箱4aを前側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c),(d)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で後側の保管棚3に向かって立ち、
図10(a)に示すように、大型保管箱4aの箱本体部4cの一部を大型保管部3bから移動通路T側(前方側)に引き出す。
【0058】
次に、作業者は、
図10(b)に示すように、箱本体部4cの前部側の下端のビス63を外すことによって、図示しないストッパ金具を箱本体部4cから取り外す。これにより、ストッパ金具による前扉60の下方変位規制が解除される。
【0059】
この後、作業者は、
図10(c)に示すように、吸盤工具75の吸盤を前扉60の前面に吸着し、その状態で吸盤工具75を下方側に変位させる。これにより、前扉60は、箱本体部4cの前部のガイド溝に案内されつつ下降し、ある高さまで下降するとガイド溝から外れる。こうして、前扉60が箱本体部4cの前部から取り外されると、箱本体部4cの前方が開口する。
【0060】
この後、作業者は、箱本体部4cの前方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0061】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、吸盤工具75を用いて前扉60を箱本体部4cの前面に再配置する。
【0062】
この後、作業者は、箱本体部4cの前部側の下端に図示しないストッパ金具を再配置し、ビス63を締め込むことによってストッパ金具を箱本体部4cの下端に固定する。これにより、前扉60の下降変位はストッパ金具によって規制されることになる。
【0063】
最後に、作業者は、大型保管箱4aを後側の保管棚3の大型保管部3b内に押し込み、大型保管箱4aを元の状態に戻す。
【0064】
(第1実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の荷物保管装置1では、保管箱4の箱本体部4cのうちの、前扉60(第1扉)の配置される面と異なる面に、第2扉としての後扉61が配置されている。このため、電源系統の故障等によって保管箱4を搬入出部7に移動させることができない緊急時等には、外殻体6の内部において、後扉61と前扉60のうちのいずれかを開くことによって、箱本体部4cの向きを変えることなく箱本体部4cの内部に容易にアクセスすることができる。
したがって、本実施形態の保管箱4を採用した場合には、荷物保管装置1に箱本体部4cの向きを変えるための複雑な機構を設けることなく、緊急時等に箱本体部4c内の荷物Nを確実に取り出すことができる。
なお、本実施形態では、箱本体部4cの後端部に配置した後扉61が第2扉を構成しているが、第2扉は、箱本体部4cの左右の側面や上下の面に配置するようにしても良い。この場合も上記と同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、本実施形態の荷物保管装置1は、保管箱4の箱本体部4cのうちの、保管時に荷物保管装置1内の点検作業空間(移動通路T)に臨む面に第2扉である後扉61が配置されている。このため、保管箱4を搬入出部7に移動させることができない緊急時等には、比較的広いスペースが確保されている点検作業空間において、後扉61を開く作業を行うことができる。
【0066】
さらに、本実施形態の荷物保管装置1では、保管箱4の第2扉である後扉61が箱本体部4cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、第1扉である前扉60を開くことができない万が一のときには、後扉61を箱本体部4cから取り外すことによって箱本体部4cの後側の開口を最大限に広く開口することができる。したがって、本構成を採用した場合には、箱本体部4c内に収納されている荷物Nを比較的容易に取り出すことができる。
【0067】
また、本実施形態の荷物保管装置1は、保管箱4の第1扉である前扉60も箱本体部4cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、緊急時等に前扉60を開く場合にも、前扉60を箱本体部4cから取り外すことによって箱本体部4cの前側の開口を最大限に広く開口することができる。
【0068】
<第2実施形態>
つづいて、
図11~
図13に示す第2実施形態について説明する。なお、
図11~
図13では、第1実施形態と共通部分に同一符号を付してある。以下では、第1実施形態と共通する部分については、詳細な説明を基本的に省略するが、詳細な説明が必要な部位については、第1実施形態の図面を一部流用して説明するものとする。
【0069】
図11は、第2実施形態の荷物保管装置101の天井壁部を省略した平面図であり、
図12は、
図11のC-C断面図である。
図13は、荷物保管装置101の第2搬入出部107に大型保管箱104a(保管箱104)が配置された状態を示す断面図である。
図11は、第1実施形態の
図2に相当し、
図12は、第1実施形態の
図3に相当する。
本実施形態の荷物保管装置101は、第1実施形態と同様に、外殻体6の内側に前側の保管棚3と後側の保管棚3が移動通路Tを挟んで配列され、各保管棚3に複数の保管部3aが設けられている。移動通路Tには、第1実施形態と同様の移動装置5が配置されている。各保管棚3の中段位置に配置される保管部3aと上段位置に配置される保管部3aは大型保管部とされ、各保管棚3の下段位置に配置される保管部3aは小型保管部とされている。大型保管部には大型保管箱104aが収容され、小型保管部には小型保管箱(図示せず)が収容される。
【0070】
第1実施形態では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域にのみ搬入出部7が配置されているが、本実施形態の荷物保管装置101では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域だけでなく、後側の保管棚3の幅方向の中央領域にも同様の搬入出部107が配置されている。以下では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域に配置される搬入出部を第1搬入出部7と称し、後側の保管棚3の幅方向の中央領域に配置される搬入出部を第2搬入出部107と称する。なお、第1搬入出部7及び第2搬入出部107は、保管棚3の幅方向の中央領域のみならず左右に偏った位置に配置されていても良い。
【0071】
第1搬入出部7は、第1実施形態の搬入出部7と同様の構成とされている。すなわち、第1搬入出部7は、
図6,
図7に示すように、外壁部7aと、外扉7bと、扉駆動部7cと、載置台7dと、重量測定部7eと、を備えている。外壁部7aには、奥行き方向に貫通する開口7a1が設けられ、開口7a1が外扉7bによって開閉されるようになっている。また、第1搬入出部7はユーザインタフェース部も備えている。外壁部7a、外扉7b、扉駆動部7c、載置台7d、重量測定部7e及びユーザインタフェース部は、第1実施形態のものと同様の構成されている。
なお、以下では、第1搬入出部7の外扉7bのことを第1外扉7bと称する。
【0072】
第2搬入出部107は、
図13に示すように、外殻体6の後壁部6bと一体の外壁部107aと、第2外扉107bと、扉駆動部7cと、載置台107dと、重量測定部107eと、を備えている。外壁部107aには、奥行き方向に貫通する開口107a1が設けられ、開口107a1が第2外扉107bによって開閉されるようになっている。第2搬入出部107における外壁部107a、第2外扉107b、載置台107d及び重量測定部107eは、それぞれ第1搬入出部7における外壁部7a、第1外扉7b、載置台7d及び重量測定部7eと同様の構成されている。また、第2搬入出部107は、第1搬入出部7と同様にユーザインタフェース部を備えている。
【0073】
保管箱104(大型保管箱4a及び小型保管箱)は、内部に荷物が収容される直方体状の箱本体部104cを備えている。箱本体部104cの前部と後部には開口が形成されている。箱本体部104cの前部側には、箱本体部104cの前部側の開口を開閉できる前扉60(第1扉)が取り付けられている。前扉60は、箱本体部104cの前部に昇降可能に取り付けられている。
また、箱本体部104cの後部側には、箱本体部104cの後部側の開口を開閉できる後扉160(第2扉)が取り付けられている。後扉160は、箱本体部104cの後部に昇降可能に取り付けられている。なお、前扉60と後扉160は、第1実施形態の前扉60と同様に箱本体部104cに対して脱着可能に取り付けられている。
【0074】
前扉60の上端部には、前方に向けて突出する突起部60aが設けられている。突起部60aは、
図6,
図7に示すように、第1搬入出部7の第1外扉7bに設けられた挿入部7b1に対して係合可能とされている。突起部60aは、第1外扉7bの挿入部7b1に後方側から挿入係合されることにより、前扉60を第1外扉7bに対して連動可能に連結する。また、突起部60aは、第1外扉7bの挿入部7b1との係合が解除されると、前扉60と第1外扉7bの連動を解除する。突起部60aは、前扉60を第1外扉7bの開閉動作と連動させるための第1連動部を構成している。
【0075】
後扉160の上端部には、後方に向けて突出する突起部160aが設けられている。この突起部160aは、
図13に示すように、第2搬入出部107の第2外扉107bに設けられた挿入部107b1に対して係合可能とされている。突起部160aは、第2外扉107bの挿入部107b1に前方側から挿入係合されることにより、後扉160を第2外扉107bに対して連動可能に連結する。また、突起部160aは、第2外扉107bの挿入部107b1との係合が解除されると、後扉160と第2外扉107bの連動を解除する。後扉160の突起部160aは、後扉160を第2外扉107bの開閉動作と連動させるための第2連動部を構成している。
【0076】
本実施形態の荷物保管装置101は、外殻体6の前面側の第1搬入出部7をユーザの利用窓口とし、外殻体6の後面側の第2搬入出部107をサービス提供者の窓口として利用することができる。以下、具体的な利用形態について説明する。
【0077】
(利用形態1)
利用形態1は、インターネット上のウェブサイト等で販売した商品を店頭でユーザ(消費者)に引き渡す際に用いる。荷物保管装置101は、ユーザの利用窓口である前面側の第1搬入出部7が店頭の消費者通路側に位置され、サービス提供者の窓口である後面側の第2搬入出部107が利用窓口側から見えないように店頭側に設置される。
【0078】
インターネット上のウェブサイト等で購入した商品は、サービス提供者が第2搬入出部107において、所定の保管箱104内に収容し、移動装置5を利用して保管箱104とともに所定の保管部3aに保管する。一方、サービス提供者は商品を購入した消費者(ユーザ)に対して注文番号等の購入情報を電子メール等によって送信しておく。
【0079】
消費者(ユーザ)は、店頭の荷物保管装置101の第1搬入出部7の前に立ち、本人認証等を行った後にタッチパネル等のユーザインタフェースによって商品番号等の購入情報を入力する。これにより、制御装置による制御によって移動装置5が対象の商品の保管されている保管部3aまで移動し、商品の入っている保管箱104を第1搬入出部7まで移動させる。
【0080】
目的の保管箱104が第1搬入出部7まで移動すると、保管箱104の前扉60が外扉7bとともに開く。消費者(ユーザ)は、保管箱104の内部から購入した商品を取り出す。消費者が商品を取り出したことが確認されると、制御装置による制御によって移動装置5が空になった保管箱104を元の保管部3aに戻す。
【0081】
(利用形態2)
利用形態2は、サービス対象の荷物(例えば、修理依頼品や清掃依頼品等)を店頭で預けるとともに、サービス提供者によるサービスが終了した後にその荷物を受け取る際に用いる。
【0082】
ユーザは、荷物保管装置101の第1搬入出部7において、ユーザインタフェース部の操作を行い、移動装置5によって所定の保管箱104を第1搬入出部7まで移動させる。第1搬入出部7では、保管箱104の箱本体部104c内にサービス対象の荷物(例えば、修理依頼品や清掃依頼品等)を収納する。
【0083】
荷物保管装置101は、サービス対象の荷物を収納した保管箱104を移動装置5によってサービス提供者の窓口である第2搬入出部107まで移動させる。第2搬入出部107では、サービス提供者が保管箱104の箱本体部104c内から荷物を取り出し、その荷物に対して修理や清掃等のサービスを施す。荷物にサービスを施した後には、第2搬入出部107において、サービス提供済みの荷物を保管箱104の箱本体部104c内に戻す。荷物保管装置101は、この後に移動装置5によって保管箱104を規定の保管部3aまで移動させ、保管箱104を規定の保管部3aに保管する。
【0084】
サービスを依頼したユーザは、所定の時間の後に、第1搬入出部7でサービスを依頼した荷物を指定する操作をユーザインタフェース部で行う。これに対し、荷物保管装置101は、移動装置5によってサービス提供済みの荷物の入った保管箱104を保管部3aから第1搬入出部7まで移動させる。ユーザは、第1搬入出部7に届いた保管箱104の箱本体部104cからサービス提供済みの荷物を取り出す。
【0085】
以上の荷物保管装置101の利用形態の説明では、第1搬入出部7での第1外扉7bと保管箱104の前扉60の連動した開閉作動や、第2搬入出部107での第2外扉107bと保管箱104の後扉160の連動した開閉作動の詳細については省略している。これらの開閉作動は、第1実施形態での外扉7bと保管箱4の前扉60の開閉作動と同様にして行われる。
【0086】
また、本実施形態の荷物保管装置101の場合も、電源系統の故障等によって第1搬入出部7や第2搬入出部107まで保管箱104を移動させることができない場合には、外殻体6の内部の移動通路T(点検作業空間)において、保管箱104の前扉60や後扉160を取り外して、箱本体部104c内の荷物を取り出すことができる。前扉60や後扉160の取り外しと復元は、第1実施形態の
図8~
図10で示した動作と同様にして行うことができる。
【0087】
(第2実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の荷物保管装置101は、保管箱104の箱本体部104cのうちの、前扉60(第1扉)の配置される面と異なる面に、第2扉としての後扉160が配置されている。このため、電源系統の故障等によって保管箱104を第1搬入出部7や第2搬入出部107に移動させることができない緊急時等には、外殻体6の内部において、後扉160と前扉60のうちのいずれかを開くことによって、箱本体部4cの向きを変えることなく、箱本体部4cの内部に容易にアクセスすることができる。
したがって、本実施形態の保管箱104を採用した場合にも、保管箱104の箱本体部104cの向きを変えるための複雑な機構を設けることなく、緊急時等に箱本体部104c内の荷物Nを確実に取り出すことができる。
【0088】
また、本実施形態の荷物保管装置101は、保管箱104の箱本体部104cのうちの、保管時に点検作業空間(移動通路T)に臨む面に前扉60と後扉160が配置されている。このため、緊急時には、点検作業空間(移動通路T)の比較的広いスペースにおいて、前扉60や後扉160を開く作業を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態の荷物保管装置101では、保管箱104の前扉60と後扉160が箱本体部104cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、緊急時等に前扉60や後扉160を開くときに、前扉60や後扉160を箱本体部104cから取り外すことによって箱本体部4cの開口を最大限に広く開口することができる。したがって、本構成を採用した場合には、箱本体部104c内に収納されている荷物を比較的容易に取り出すことができる。
【0090】
さらに、本実施形態の荷物保管装置101は、保管箱104の第1扉である前扉60が、当該前扉60を第1外扉7bの開閉動作と連動させる突起部60a(第1連動部)を備え、保管箱104の第2扉である後扉160が、当該後扉160を第2外扉107bの開閉動作と連動させる突起部160a(第2連動部)を備えている。このため、保管箱104が第1搬入出部7に位置されているときに、前扉60が突起部60aを通して第1搬入出部7の第1外扉7bと連動可能とされていれば、第1外扉7bの開閉に応じて前扉60も開閉させることができる。さらに、保管箱104が第2搬入出部107に位置されているときに、後扉160が突起部160aを通して第2搬入出部107の第2外扉107bと連動可能とされていれば、第2外扉107bの開閉に応じて後扉160も開閉させることができる。
したがって、本実施形態の荷物保管装置101を採用した場合には、簡単な構造でありながら、第1搬入出部7をユーザの利用窓口として利用し、第2搬入出部107をサービス提供者の窓口として利用するとき等に、各窓口の外扉7b,107bと保管箱104の対応する扉60,160を同タイミングで開閉することができる。
【0091】
(他の技術思想)
上記の第2実施形態から抽出し得る他の技術思想について効果とともに以下に列記する。
[付記1] 物品(例えば、第2実施形態における荷物N)を載置する保管具(例えば、第2実施形態における保管箱104)と、
前記保管具に対してユーザが前記物品の出し入れを行う第1搬入出部(例えば、第2実施形態における第1搬入出部7)と、
前記保管具に対してサービス提供者が前記物品の出し入れを行う第2搬出入部(例えば、第2実施形態における第2搬入出部107)と、
前記物品を前記保管具とともに保管する保管部(例えば、第2実施形態における保管部3a)と、
前記保管具を、前記第1搬入出部、前記保管部、前記第2搬入出部の間で移動させる移動装置(例えば、第2実施形態における移動装置5)と、を備えていることを特徴とする物品保管装置。
【0092】
上記の付記1によれば、第2搬入出部で保管具に載置したサービス提供者の提供する物品を保管部に保管し、ユーザが第1搬入出部で所定の操作をすることにより、保管部に保管されている物品を任意のタイミングで受け取ることができる。したがって、本形態の物品保管装置を利用した場合には、ユーザとサービス提供者が夫々の都合の良いタイミングで物品の受け渡しと受け取りを行うことができる。
【0093】
[付記2] 前記第1搬入出部には、ユーザと物品を特定する操作を行うユーザインタフェース部が配置されていることを特徴とする付記1に記載の物品保管装置。
【0094】
この場合、ユーザが第1搬入出部のユーザインタフェース部でユーザと物品を特定する操作を行うことにより、保管部に一時保管されている物品を間違えなく受け取ることができる。
【0095】
[付記3] 前記保管部と移動装置が内部に設置される外殻体(例えば、第2実施形態における外殻体6)を備え、
前記外殻体の一の側壁に前記第1搬入出部が配置されるとともに、前記外殻体の前記一の側壁と対向する他の側壁に前記第2搬入出部が配置されていることを特徴とする付記1または付記2に記載の物品保管装置。
【0096】
この場合、サービス提供者は、外殻体を挟んでユーザの利用する第1搬入出部から見えない部分で提供サービスの準備や、第2搬入出部での物品の受け取り受け渡し等を行うことができる。したがって、提供サービスの品質をより高めることができる。
【0097】
[付記4] 前記保管具は、
内部に物品を収納可能で一端部と他端部に開口を有する箱本体部(例えば、第2実施形態における箱本体部104c)と、
前記第1搬入出部で前記箱本体部の一端側の開口を開閉し得る第1扉(例えば、第2実施形態における前扉60)と、
前記第2搬入出部で前記箱本体部の他端側の開口を開閉し得る第2扉(例えば、第2実施形態における後扉160)と、を備えていることを特徴とする付記3に記載の物品保管装置。
【0098】
この場合、保管具は、箱本体部内に物品を収納して第1扉と第2扉を閉じることにより、収納した物品に汚れや埃が付着することや物品の脱落を防止することができる。また、第1扉と第2扉は箱本体部の一端側と他端側に設けられているため、第1搬入出部と第2搬入出部において、保管具の向きを変えることなく保管具の内部にアクセスすることができる。したがって、本形態の物品保管装置を採用した場合には、保管具の向きを変えるための機構を設ける必要がないため、内部構造を簡素化することができる。
【0099】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、外殻体6の内部に設置する保管棚3の列は前後二列に限らず、一列であっても良い。また、保管箱4の大きさは大小二種類に限らず、一種類でも三種類以上であっても良い。
【符号の説明】
【0100】
1,101…荷物保管装置
3a…保管部
4,104…保管箱
4c,104c…箱本体部
5…移動装置
7…搬入出部
7b…外扉
60…前扉(第1扉)
60a…突起部(第1連動部)
61…後扉(第2扉)
160…後扉(第2扉)
160a…突起部(第2連動部)
107…第2搬入出部
107b…第2外扉
T…移動通路(点検作業空間)
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置する保管具と、
前記保管具に対してユーザが前記物品の出し入れを行う第1搬入出部と、
前記保管具に対してサービス提供者が前記物品の出し入れを行う第2搬入出部と、
前記物品を前記保管具とともに保管する保管部と、
前記保管具を、前記第1搬入出部、前記保管部、前記第2搬入出部の間で移動させる移動装置と、を備えていることを特徴する物品保管装置。
【請求項2】
前記第1搬入出部には、ユーザと物品を特定する操作を行うユーザインタフェース部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記保管部と移動装置が内部に設置される外殻体を備え、
前記外殻体の一の側壁に前記第1搬入出部が配置されるとともに、前記外殻体の前記一の側壁と対向する他の側壁に前記第2搬入出部が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の物品保管装置。
【請求項4】
前記保管具は、
内部に物品を収納可能で一端部と他端部に開口を有する箱本体部と、
前記第1搬入出部で前記箱本体部の一端側の開口を開閉し得る第1扉と、
前記第2搬入出部で前記箱本体部の他端側の開口を開閉し得る第2扉と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の物品保管装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品を保管する保管装置として、物品の搬入出部である入庫口及び出庫口と、物品を保管する保管棚と、物品を入庫口と保管棚の間や、保管棚と出庫口の間で移動させる移動装置と、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この保管装置では、物品はパレットの上に載せ置かれ、パレットごと移動装置によって目的の保管棚や出庫口に移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、サービス提供者の提供する物品を保管部に保管し、ユーザが保管部に保管されている物品を任意のタイミングで受け取ることができる物品保管装置の案出が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、サービス提供者の提供する物品を保管部に保管し、ユーザが保管部に保管されている物品を任意のタイミングで受け取ることができるようにして、ユーザとサービス提供者が夫々の都合の良いタイミングで物品の受け渡しと受け取りを行うことができる物品保管装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願に係る物品保管装置は、物品を載置する保管具と、前記保管具に対してユーザが前記物品の出し入れを行う第1搬入出部と、前記保管具に対してサービス提供者が前記物品の出し入れを行う第2搬入出部と、前記物品を前記保管具とともに保管する保管部と、前記保管具を、前記第1搬入出部、前記保管部、前記第2搬入出部の間で移動させる移動装置と、を備えていることを特徴する。
【0007】
上記の構成によれば、第2搬入出部で保管具に載置したサービス提供者の提供する物品を保管部に保管し、ユーザが第1搬入出部で所定の操作をすることにより、保管部に保管されている物品を任意のタイミングで受け取ることができる。したがって、本形態の物品保管装置を利用した場合には、ユーザとサービス提供者が夫々の都合の良いタイミングで物品の受け渡しと受け取りを行うことができる。
【0008】
前記第1搬入出部には、ユーザと物品を特定する操作を行うユーザインタフェース部が配置されるようにしても良い。
この場合、ユーザが第1搬入出部のユーザインタフェース部でユーザと物品を特定する操作を行うことにより、保管部に一時保管されている物品を間違えなく受け取ることができる。
【0009】
前記保管部と移動装置が内部に設置される外殻体を備え、前記外殻体の一の側壁に前記第1搬入出部が配置されるとともに、前記外殻体の前記一の側壁と対向する他の側壁に前記第2搬入出部が配置されるようにしても良い。
この場合、サービス提供者は、外殻体を挟んでユーザの利用する第1搬入出部から見えない部分で提供サービスの準備や、第2搬入出部での物品の受け取り受け渡し等を行うことができる。したがって、提供サービスの品質をより高めることができる。
【0010】
前記保管具は、内部に物品を収納可能で一端部と他端部に開口を有する箱本体部と、前記第1搬入出部で前記箱本体部の一端側の開口を開閉し得る第1扉と、前記第2搬入出部で前記箱本体部の他端側の開口を開閉し得る第2扉と、を備えるようにしても良い。
この場合、保管具は、箱本体部内に物品を収納して第1扉と第2扉を閉じることにより、収納した物品に汚れや埃が付着することや物品の脱落を防止することができる。また、第1扉と第2扉は箱本体部の一端側と他端側に設けられているため、第1搬入出部と第2搬入出部において、保管具の向きを変えることなく保管具の内部にアクセスすることができる。したがって、本形態の物品保管装置を採用した場合には、保管具の向きを変えるための機構を設ける必要がないため、内部構造を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サービス提供者の提供する物品を保管部に保管し、ユーザが保管部に保管されている物品を任意のタイミングで受け取ることができる。したがって、本発明を採用した場合には、ユーザとサービス提供者が夫々の都合の良いタイミングで物品の受け渡しと受け取りを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
参考例の
物品保管装置を斜め前方から見た概略構成図である。
【
図2】
参考例の
物品保管装置の天井壁部を省略した平面図である。
【
図6】
参考例の搬入出部に大型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【
図7】
参考例の搬入出部に小型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【
図8】
参考例の
物品保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図9】
参考例の
物品保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図10】
参考例の
物品保管装置において、緊急時に保管箱から荷物を取り出す様子を示す斜視図である。
【
図11】
実施形態の
物品保管装置の天井壁部を省略した平面図である。
【
図13】
実施形態の第2搬入出部に大型保管箱が配置された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る物品保管装置の実施形態を参考例とともに説明する。
【0014】
<
参考例>
最初に、
図1~
図12に示す
参考例について説明する。
図1は、
参考例の
物品保管装置1を前方側から見た斜視図である。
本参考例の
物品保管装置1は、駅、空港、店舗及び宿泊施設等に設置され、ユーザの荷物Nを一時的に保管する装置である。
本参考例の
物品保管装置1は、
図1に示すように、基台2と、保管棚3と、保管箱4と、移動装置5と、外殻体6と、搬入出部7とを備えている。
【0015】
物品保管装置1は、平面視が略長方形状とされている。以下の説明においては、平面視における物品保管装置1の長手方向を幅方向と称し、平面視における物品保管装置1の短手方向を奥行方向と称する。また、物品保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における右手側を右側と称し、物品保管装置1を利用しようとするユーザから見て幅方向における左手側を左側と称する。また、物品保管装置1から見て奥行方向におけるユーザ側を前側と称し、物品保管装置1から見て奥行方向におけるユーザと反対側を後側と称する。
【0016】
基台2は、保管棚3、移動装置5及び搬入出部7を下方から支持する平板状の台部であり、床面Xに対して設置されている。また、基台2は、保管箱4も間接的に支持する。なお、本参考例において外殻体6は、床面Xに対して立設されているが、基台2で支持されるようにしても良い。基台2は、平面視において、幅方向を長手方向とし、奥行方向を短手方向とする矩形形状に形成されており、複数の平板によって構成されている。
【0017】
保管棚3は、奥行方向にて移動装置5を間に挟むようにして2台設置されている。これらの保管棚3は、棒材が格子状に接続された構造を有している。棒材によって囲まれた複数の空間部は、保管箱4を収容するための保管部3aを構成している。各保管部3aには、保管箱4が出し入れ可能に収容される。保管箱4に荷物Nが収納されている場合には、保管箱4が保管部3aに保管されることで、荷物Nが保管部3aに保管される。
【0018】
図2は、
物品保管装置1の後述する天井壁部6eを省略した平面図である。
図2に示すように、前後の各保管棚3には、複数の保管部3aが幅方向に直線状に並んで配列されている。
本参考例では、各保管部3aの幅方向の寸法が同じに設定されている。
【0019】
図3は、
図2のA-A断面図である。保管棚3には、上下方向に3つの保管部3aが配列されている。上下に配列された3つの保管部3aのうち、中段位置及び上段位置の保管部3aの高さ寸法は同一とされ、下段位置の保管部3aの高さ寸法は中段位置と上段位置の保管部3aの高さ寸法よりも小さく設定されている。なお、以下の説明では、下段位置に収容される保管部3aを小型保管部3cと称し、中段位置と上段位置に収容される保管部3aを大型保管部3bと称する。
【0020】
また、
図2に示すように、移動装置5の前側に配置された保管棚3には、1つの保管部3aの幅寸法分の保管部3aが設けられていない部位が設けられている。この保管部3aが設けられていない部位は、搬入出部7にて搬入出される荷物Nを搬入出部7と移動装置5との間で受け渡すための受渡通路3dとされている。
【0021】
図4は、
図2のB-B断面図である。この図に示すように、受渡通路3dは、移動装置5の前側に配置された保管棚3の幅方向の中央位置に配置されている。
本参考例の場合、この受渡通路3dは、上下方向にて保管棚3を貫通するように設けられている。つまり、受渡通路3dの上下には保管部3aが設けられていない。しかしながら、受渡通路3dの上方に保管部3aを設けることも可能である。また、受渡通路3dは保管棚3の幅方向の中央領域のみならず左右に偏った位置に配置されていても良い。
【0022】
図2及び
図3に示すように、受渡通路3dの下部には、搬入出部7が配置されている。搬入出部7は、
図2に示すように、平面視における保管部3aの配列方向にて、中央領域の保管部3aと保管部3aとの間に配置されている。
【0023】
保管箱4は、搬入出部7にて荷物Nが出し入れされる箱体である。保管箱4は、保管棚3上の特定の保管部3aに収納される。
図5(a)は、大型保管部3bに収容される大型の保管箱4の斜視図であり、
図5(b)は、小型保管部3cに収容される小型の保管箱4の斜視図である。
図5(a)と
図5(b)は、各保管箱4を後方側から見た斜視図である。
【0024】
本参考例の
物品保管装置1では、容積の異なる二種類の保管箱4を取り扱う。以下では、この種類の異なる保管箱4を区別する場合には、相対的に容積の大きいものを大型保管箱4aと称し、相対的に容積の小さいものを小型保管箱4bと称する。
図5(a)と
図5(b)を比較して分かるように、大型保管箱4aの高さ寸法は、小型保管箱4bの高さ寸法よりも大きい。大型保管箱4aは、保管棚3の大型保管部3bに収容可能な寸法とされている。また、小型保管箱4bは、保管棚3の小型保管部3cに収容可能な寸法とされている。
【0025】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、保管箱4は、内部に荷物Nが収容される直方体状の箱本体部4cを備えている。箱本体部4cは、前方側と後方側に荷物Nの出し入れが可能な開口を有する。箱本体部4cの前部側には、箱本体部4cの前方側の開口を開閉できる前扉60(第1扉)が取り付けられている。前扉60は、箱本体部4cの前部に昇降可能に設置されている。前扉60は、主に搬入出部7において、箱本体部4cに対して荷物Nの出し入れを行うための扉である。
なお、前扉60は、左右の側縁部が箱本体部4cの前部の図示しないガイド溝に案内されて上下方向に摺動可能とされている。前扉60は、箱本体部4cの前部の開口を閉じた状態からは上方側にのみ変位可能とされている。前扉60の下方変位は、図示しないストッパ金具によって規制されている。ストッパ金具は、箱本体部4cの前端部の下端にビス63(
図12参照)によって脱着可能に取り付けられている。
【0026】
前扉60の上端部には、前方に向けて突出する突起部60a(
図6,
図7参照。)が設けられている。突起部60aは、搬入出部7の後述する外扉7bに設けられた挿入部7b1に挿入される部位である。突起部60aは、外扉7bの挿入部7b1に後方側から挿入係合されることにより、前扉60を外扉7bに対して連動可能に連結する。また、突起部60aは、外扉7bの挿入部7b1との係合が解除されると、前扉60と外扉7bの連動を解除する。なお、突起部60aは、前扉60を外扉7bの開閉動作と連動させるための連動部(第1連動部)を構成している。
【0027】
また、箱本体部4cの後部側には、箱本体部4cの後方側の開口を閉塞する後扉61(第2扉)が取り付けられている。後扉61は、ビス62(固定手段)によって箱本体部4cの後端部に脱着可能に取り付けられている。つまり、後扉61は、ビス62による締結を解除することにより、箱本体部4cから取り外し可能とされている。後扉61は、通常使用時には開閉されず、緊急時やメンテナンス時にのみ取り外される。
【0028】
奥行方向に離間した前後の保管棚3の間には移動通路Tが確保されている。移動装置5は移動通路Tに配置されている。なお、物品保管装置1のメンテナンス時には、移動通路Tは、作業者がメンテナンス作業を行うための点検作業空間となる。
【0029】
移動装置5は、
図3に示すように、移動通路Tに沿って走行可能な台車5aと、台車5aに立設された一対のマスト5bと、マスト5bに沿って昇降される昇降台5cと、を備えている。昇降台5cには、不図示の移載装置が取り付けられている。移載装置は、昇降台5cと保管箱4の載置部の間で保管箱4の載せ移し作業を行うための装置である。
移動装置5は、台車5aによって幅方向に移動し、昇降台5cを昇降させることによって、移載装置を任意の保管部3aあるいは搬入出部7に対峙させ、移載装置によって保管箱4を保管部3aあるいは搬入出部7と昇降台5cとの間で移動させる。
なお、移動装置5の構成は、特に限定されない。例えば、移載装置を幅方向に移動させるリニアガイドと、このリニアガイドを上下方向に移動可能なリニアガイドとを備える構成を採用することも可能である。
【0030】
外殻体6は、保管棚3や移動装置5を囲む壁部であり、
図1に示すように、前壁部6aと、後壁部6bと、右側壁部6cと、左側壁部6dと、天井壁部6eとを備えている。前壁部6aは、前側の保管棚3の前方に立設された壁部である。この前壁部6aの外壁面6a1は、搬入出部7を介して荷物Nの出し入れを行うユーザが対峙する面となっており、
本参考例においては模様や文字等が描かれた意匠面とされている。
【0031】
また、前壁部6aの幅方向の中央部の下部には、搬入出部7の開口7a1が設けられている。この開口7a1が設けられた前壁部6aの一部分は、搬入出部7の外壁部7aとして機能する部位となっている。つまり、本参考例においては、搬入出部7の外壁部7aが外殻体6の前壁部6aと一体化されている。
【0032】
後壁部6bは、後側の保管棚3の後方に立設された壁部である。右側壁部6cは、保管棚3の右側に立設された壁部である。左側壁部6dは、保管棚3の左側に立設された壁部である。天井壁部6eは、保管棚3の上方に水平に配置された壁部であり、前壁部6a、後壁部6b、右側壁部6c、及び左側壁部6dによって下方から支持されている。
【0033】
搬入出部7は、
物品保管装置1を利用するユーザが荷物Nの出し入れを行う箇所であり、ユーザによって搬入出が行われる荷物Nが配置される。
図6は、搬入出部7に大型保管箱4aが設置された状態を模式的に示す断面図である。
図6(a)は、外扉7bが閉じられた状態を示す図であり、
図6(b)は、外扉7bが開かれた状態を示す図である。
図7は、搬入出部7に小型保管箱4bが設置された状態を模式的に示す断面図である。
図7(a)は、外扉7bが閉じられた状態を示す図であり、
図7(b)は、外扉7bが開かれた状態を示す図である。
図6及び
図7に示すように、搬入出部7は、外壁部7aと、外扉7bと、扉駆動部7cと、載置台7dと、重量測定部7eと、ユーザインタフェース部7f(
図1参照。)と、を備えている。
【0034】
外壁部7aは、上述のように前壁部6aと一体的に設けられた壁部であり、載置台7dと外部とを隔離する壁部である。この外壁部7aには、奥行方向に貫通する開口7a1が設けられている。開口7a1は、荷物Nを通過させるための開口であり、大型保管箱4aの前扉60が開放された場合の開口面積と略同一の開口面積とされている。
【0035】
外扉7bは、開口7a1を開閉するための扉であり、扉駆動部7cによって昇降可能とされている。この外扉7bは、
図6(a)及び
図7(a)に示すように下降操作されることで開口7a1を閉鎖し、
図6(b)及び
図7(b)に示すように上昇操作されることで開口7a1を開放する。
【0036】
なお、外扉7bには、大型保管箱4aの突起部60aの高さに合わせた位置と、小型保管箱4bの突起部60aの高さに合わせた位置とに、溝部を有する挿入部7b1を有している。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、大型保管箱4aの突起部60aは大型保管箱4aが載置台7dに載置されることで上方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、外扉7bを昇降することによって、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、外扉7bに合わせて大型保管箱4aの前扉60が昇降される。また、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、小型保管箱4bの突起部60aは小型保管箱4bが載置台7dに載置されることで下方の挿入部7b1に挿入される。このような状態で、外扉7bを昇降することによって、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、外扉7bに合わせて小型保管箱4bの前扉60が昇降される。
【0037】
扉駆動部7cは、外殻体6の内部に配置されて外扉7bと接続されている。扉駆動部7cは図示しない制御装置によって制御される。扉駆動部7cは、制御装置からの制御指令を受けて外扉7bを昇降作動させる。
【0038】
載置台7dは、外殻体6の内側にて、保管棚3の受渡通路3dの下部に配置されている。載置台7dは、保管箱4が載置される台である。
【0039】
重量測定部7eは、載置台7dの下方に配置された重量センサであり、載置台7dに載置された保管箱4に収納された荷物Nの重量を測定する。このような重量測定部7eは、例えば保管箱4を含んで荷物Nの重量の測定を行う。重量測定部7eは、制御装置の信号入力部に接続されており、荷物Nの重量情報を含む信号を制御装置に出力する。制御装置は、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、保管箱4の重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。つまり、制御装置は、大型保管箱4aの重量と小型保管箱4bの重量を予め記憶しており、載置台7dに載置された保管箱4が大型保管箱4aである場合には、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、大型保管箱4aの重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。また、制御部装置は、載置台7dに載置された保管箱4が小型保管箱4bである場合には、重量測定部7eから入力される信号が示す値から、小型保管箱4bの重量を差し引いた値を荷物Nの重量として算出する。
【0040】
ユーザインタフェース部7fは、
図1に示すように外壁部7aに設置され、外壁部7aの外側に露出している。このユーザインタフェース部7fは、ユーザが情報入力したりユーザに対して情報を表示したりするタッチパネル、荷物Nに関する情報を印刷した荷物保管票を作成する印刷部、保管費用の清算を行う清算部等を備えている。
【0041】
(物品保管装置1の動作)
ユーザが実際に物品保管装置1に荷物Nを預ける場合には、例えばユーザがユーザインタフェース部7fを操作することによって、荷物Nの大きさを選択する。荷物Nの大きさが選択されると、制御装置は、選択された荷物Nが収納可能な保管箱4の空き状態を判定し、移動装置5を制御して空いている保管箱4を搬入出部7の載置台7dまで搬送する。
【0042】
保管箱4が載置台7dまで搬送されると、制御装置は、扉駆動部7cを制御して外扉7bを上昇させる。このとき、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、制御装置は、外扉7bを最も上昇させて開口7a1を全開放する。一方で、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、制御装置は、外扉7bを半分程度上昇させて開口7a1を半開放する。このようにして、外扉7bが上昇操作されると、外扉7bと共に保管箱4の前扉60が上昇し、保管箱4の前方側が開放される。
【0043】
保管箱4の前方側が開放された状態で、ユーザは荷物Nを保管箱4の内部に入れる。その後、制御装置は、荷物Nが保管箱4に収納されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cを制御して外扉7bを下降させる。これにより、搬入出部7の開口7a1が外扉7bによって閉じられるとともに、保管箱4の前部が前扉60によって閉じられる。この後、制御装置は、移動装置5を制御して、荷物Nを収納した保管箱4を、当該保管箱4が収容されていた保管部3aに戻す。また、制御装置は、必要に応じて荷物保管票を印刷部に出力させる。
【0044】
一方、ユーザが物品保管装置1から荷物Nを取り出す場合には、例えば荷物保管票に印刷された情報をユーザインタフェース部7fに入力する。制御装置は、入力された情報に基づいて、取り出し対象の荷物Nを特定し、移動装置5を制御して、特定した荷物Nが収納された保管箱4を搬入出部7の載置台7dまで搬送させる。
【0045】
保管箱4が載置台7dまで搬送されると、制御装置は、扉駆動部7cを制御して外扉7bを上昇させる。このとき、制御装置は、上述と同様にして保管箱4のサイズに応じて外扉7bの上昇量を制御し、保管箱4が大型保管箱4aである場合には、搬入出部7の開口7a1を全開放にし、保管箱4が小型保管箱4bである場合には、搬入出部7の開口7a1を半開放にする。これにより、外扉7bと共に保管箱4の前扉60が上昇し、保管箱4の前部が開放される。
【0046】
ユーザは、こうして搬入出部7の開口7a1と保管箱4の前部が開放された状態において、保管箱4の内部から荷物Nを取り出す。制御装置は、荷物Nが保管箱4から取り出されたことをユーザのユーザインタフェース部7fの操作等によって検知すると、扉駆動部7cを制御して外扉7bを下降させる。これにより、搬入出部7の開口7a1が閉じられるとともに、保管箱4の前扉60が閉じられる。この後、制御装置は、移動装置5を制御して、保管箱4が今まで収容されていた保管部3aに戻す。
【0047】
(緊急時等における荷物Nの取り出し)
例えば、電源系統の故障等によって荷物Nの入った保管箱4を搬入出部7に移動させることができなくなった場合には、保管部3a内の保管箱4を以下のようにして開き、保管箱4内の荷物Nを取り出すことができる。以下では、保管箱4が前部側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合と、保管箱4が後部側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合とに分けて、保管箱4の開き方について説明する。
【0048】
(1)保管箱4が前側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合
図8は、前側の保管棚3の保管部3a(大型保管部3b)に収容された保管箱4(大型保管箱4a)を後側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で前側の保管棚3に向かってに立ち、
図8(a)に示すように、ドライバー等の工具74によって後扉61を固定している複数のビス62を取り外す。
【0049】
この後、作業者は、
図8(b)に示すように、吸盤工具75の吸盤を後扉61の後面に吸着し、その状態で吸盤工具75を適宜の方向に操作する。これにより、後扉61は、箱本体部4cの後面に突設された係止爪から外れ、箱本体部4cの後部から取り外される。
【0050】
この後、作業者は、
図8(c)に示すように、箱本体部4cの一部を保管部3aから移動通路T側に引き出し、箱本体部4cの後方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0051】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、箱本体部4cを保管部3a内に元の状態に戻し、吸盤工具75を用いて後扉61を箱本体部4cの後面に再配置する。
【0052】
この後、作業者は、ドライバー等の工具74を用いて後扉61を箱本体部4cの後面にビス62によって固定する。
なお、
図8では、前側の保管棚3の大型保管部3bに収容された大型保管箱4aから荷物Nが取り出される様子が示されているが、小型保管箱4bの場合も同様にして荷物Nを取り出し、後扉61を元の状態に戻すことができる。
【0053】
(2)保管箱4が後側の保管棚3の保管部3aに保管されている場合
図9は、後側の保管棚3の小型保管部3cに収容された小型保管箱4bを前側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c),(d)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で後側の保管棚3に向かって立ち、
図9(a)に示すように、小型保管箱4bの箱本体部4cの一部を小型保管部3cから移動通路T側(前方側)に引き出す。
【0054】
次に、作業者は、
図9(b)及び
図9(c)に示すように、吸盤工具75の吸盤を前扉60の前面に吸着し、その状態で吸盤工具75を上方側に変位させる。これにより、前扉60は、箱本体部4cの前部のガイド溝に案内されつつ上昇し、ある高さに達するとガイド溝から外れる。こうして、前扉60が箱本体部4cの前部から取り外されると、箱本体部4cの前方が開口する。
【0055】
この後、作業者は、箱本体部4cの前方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0056】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、吸盤工具75を用いて前扉60を箱本体部4cの前面に再配置する。この後、作業者は、小型保管箱4bを後側の保管棚3の小型保管部3c内に押し込み、小型保管箱4bを元の状態に戻す。
【0057】
図10は、後側の保管棚3の大型保管部3bに収容された大型保管箱4aを前側から開いて、荷物Nを取り出すときの様子を(a),(b),(c),(d)で順次示した図である。
作業者は、最初に移動通路T(点検作業空間)側で後側の保管棚3に向かって立ち、
図10(a)に示すように、大型保管箱4aの箱本体部4cの一部を大型保管部3bから移動通路T側(前方側)に引き出す。
【0058】
次に、作業者は、
図10(b)に示すように、箱本体部4cの前部側の下端のビス63を外すことによって、図示しないストッパ金具を箱本体部4cから取り外す。これにより、ストッパ金具による前扉60の下方変位規制が解除される。
【0059】
この後、作業者は、
図10(c)に示すように、吸盤工具75の吸盤を前扉60の前面に吸着し、その状態で吸盤工具75を下方側に変位させる。これにより、前扉60は、箱本体部4cの前部のガイド溝に案内されつつ下降し、ある高さまで下降するとガイド溝から外れる。こうして、前扉60が箱本体部4cの前部から取り外されると、箱本体部4cの前方が開口する。
【0060】
この後、作業者は、箱本体部4cの前方側の開口を通して箱本体部4c内の荷物Nを取り出す。
【0061】
上述のようにして荷物Nを取り出した後には、作業者は、吸盤工具75を用いて前扉60を箱本体部4cの前面に再配置する。
【0062】
この後、作業者は、箱本体部4cの前部側の下端に図示しないストッパ金具を再配置し、ビス63を締め込むことによってストッパ金具を箱本体部4cの下端に固定する。これにより、前扉60の下降変位はストッパ金具によって規制されることになる。
【0063】
最後に、作業者は、大型保管箱4aを後側の保管棚3の大型保管部3b内に押し込み、大型保管箱4aを元の状態に戻す。
【0064】
(参考例の効果)
以上のように、本参考例の物品保管装置1では、保管箱4の箱本体部4cのうちの、前扉60(第1扉)の配置される面と異なる面に、第2扉としての後扉61が配置されている。このため、電源系統の故障等によって保管箱4を搬入出部7に移動させることができない緊急時等には、外殻体6の内部において、後扉61と前扉60のうちのいずれかを開くことによって、箱本体部4cの向きを変えることなく箱本体部4cの内部に容易にアクセスすることができる。
したがって、本参考例の保管箱4を採用した場合には、物品保管装置1に箱本体部4cの向きを変えるための複雑な機構を設けることなく、緊急時等に箱本体部4c内の荷物Nを確実に取り出すことができる。
なお、本参考例では、箱本体部4cの後端部に配置した後扉61が第2扉を構成しているが、第2扉は、箱本体部4cの左右の側面や上下の面に配置するようにしても良い。この場合も上記と同様の効果を得ることができる。
【0065】
また、本参考例の物品保管装置1は、保管箱4の箱本体部4cのうちの、保管時に物品保管装置1内の点検作業空間(移動通路T)に臨む面に第2扉である後扉61が配置されている。このため、保管箱4を搬入出部7に移動させることができない緊急時等には、比較的広いスペースが確保されている点検作業空間において、後扉61を開く作業を行うことができる。
【0066】
さらに、本参考例の物品保管装置1では、保管箱4の第2扉である後扉61が箱本体部4cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、第1扉である前扉60を開くことができない万が一のときには、後扉61を箱本体部4cから取り外すことによって箱本体部4cの後側の開口を最大限に広く開口することができる。したがって、本構成を採用した場合には、箱本体部4c内に収納されている荷物Nを比較的容易に取り出すことができる。
【0067】
また、本参考例の物品保管装置1は、保管箱4の第1扉である前扉60も箱本体部4cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、緊急時等に前扉60を開く場合にも、前扉60を箱本体部4cから取り外すことによって箱本体部4cの前側の開口を最大限に広く開口することができる。
【0068】
<
実施形態>
つづいて、
図11~
図13に示す
本発明の一実施形態について説明する。なお、
図11~
図13では、
参考例と共通部分に同一符号を付してある。以下では、
参考例と共通する部分については、詳細な説明を基本的に省略するが、詳細な説明が必要な部位については、
参考例の図面を一部流用して説明するものとする。
【0069】
図11は、
実施形態の
物品保管装置101の天井壁部を省略した平面図であり、
図12は、
図11のC-C断面図である。
図13は、
物品保管装置101の第2搬入出部107に大型保管箱104a(保管箱104)が配置された状態を示す断面図である。
図11は、
参考例の
図2に相当し、
図12は、
参考例の
図3に相当する。
本実施形態の
物品保管装置101は、
参考例と同様に、外殻体6の内側に前側の保管棚3と後側の保管棚3が移動通路Tを挟んで配列され、各保管棚3に複数の保管部3aが設けられている。移動通路Tには、
参考例と同様の移動装置5が配置されている。各保管棚3の中段位置に配置される保管部3aと上段位置に配置される保管部3aは大型保管部とされ、各保管棚3の下段位置に配置される保管部3aは小型保管部とされている。大型保管部には大型保管箱104aが収容され、小型保管部には小型保管箱(図示せず)が収容される。
【0070】
参考例では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域にのみ搬入出部7が配置されているが、本実施形態の物品保管装置101では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域だけでなく、後側の保管棚3の幅方向の中央領域にも同様の搬入出部107が配置されている。以下では、前側の保管棚3の幅方向の中央領域に配置される搬入出部を第1搬入出部7と称し、後側の保管棚3の幅方向の中央領域に配置される搬入出部を第2搬入出部107と称する。なお、第1搬入出部7及び第2搬入出部107は、保管棚3の幅方向の中央領域のみならず左右に偏った位置に配置されていても良い。
【0071】
第1搬入出部7は、
参考例の搬入出部7と同様の構成とされている。すなわち、第1搬入出部7は、
図6,
図7に示すように、外壁部7aと、外扉7bと、扉駆動部7cと、載置台7dと、重量測定部7eと、を備えている。外壁部7aには、奥行き方向に貫通する開口7a1が設けられ、開口7a1が外扉7bによって開閉されるようになっている。また、第1搬入出部7はユーザインタフェース部も備えている。外壁部7a、外扉7b、扉駆動部7c、載置台7d、重量測定部7e及びユーザインタフェース部は、
参考例のものと同様の構成されている。
なお、以下では、第1搬入出部7の外扉7bのことを第1外扉7bと称する。
【0072】
第2搬入出部107は、
図13に示すように、外殻体6の後壁部6bと一体の外壁部107aと、第2外扉107bと、扉駆動部7cと、載置台107dと、重量測定部107eと、を備えている。外壁部107aには、奥行き方向に貫通する開口107a1が設けられ、開口107a1が第2外扉107bによって開閉されるようになっている。第2搬入出部107における外壁部107a、第2外扉107b、載置台107d及び重量測定部107eは、それぞれ第1搬入出部7における外壁部7a、第1外扉7b、載置台7d及び重量測定部7eと同様の構成されている。また、第2搬入出部107は、第1搬入出部7と同様にユーザインタフェース部を備えている。
【0073】
保管箱104(大型保管箱4a及び小型保管箱)は、内部に荷物が収容される直方体状の箱本体部104cを備えている。箱本体部104cの前部と後部には開口が形成されている。箱本体部104cの前部側には、箱本体部104cの前部側の開口を開閉できる前扉60(第1扉)が取り付けられている。前扉60は、箱本体部104cの前部に昇降可能に取り付けられている。
また、箱本体部104cの後部側には、箱本体部104cの後部側の開口を開閉できる後扉160(第2扉)が取り付けられている。後扉160は、箱本体部104cの後部に昇降可能に取り付けられている。なお、前扉60と後扉160は、参考例の前扉60と同様に箱本体部104cに対して脱着可能に取り付けられている。
【0074】
前扉60の上端部には、前方に向けて突出する突起部60aが設けられている。突起部60aは、
図6,
図7に示すように、第1搬入出部7の第1外扉7bに設けられた挿入部7b1に対して係合可能とされている。突起部60aは、第1外扉7bの挿入部7b1に後方側から挿入係合されることにより、前扉60を第1外扉7bに対して連動可能に連結する。また、突起部60aは、第1外扉7bの挿入部7b1との係合が解除されると、前扉60と第1外扉7bの連動を解除する。突起部60aは、前扉60を第1外扉7bの開閉動作と連動させるための第1連動部を構成している。
【0075】
後扉160の上端部には、後方に向けて突出する突起部160aが設けられている。この突起部160aは、
図13に示すように、第2搬入出部107の第2外扉107bに設けられた挿入部107b1に対して係合可能とされている。突起部160aは、第2外扉107bの挿入部107b1に前方側から挿入係合されることにより、後扉160を第2外扉107bに対して連動可能に連結する。また、突起部160aは、第2外扉107bの挿入部107b1との係合が解除されると、後扉160と第2外扉107bの連動を解除する。後扉160の突起部160aは、後扉160を第2外扉107bの開閉動作と連動させるための第2連動部を構成している。
【0076】
本実施形態の物品保管装置101は、外殻体6の前面側の第1搬入出部7をユーザの利用窓口とし、外殻体6の後面側の第2搬入出部107をサービス提供者の窓口として利用することができる。以下、具体的な利用形態について説明する。
【0077】
(利用形態1)
利用形態1は、インターネット上のウェブサイト等で販売した商品を店頭でユーザ(消費者)に引き渡す際に用いる。物品保管装置101は、ユーザの利用窓口である前面側の第1搬入出部7が店頭の消費者通路側に位置され、サービス提供者の窓口である後面側の第2搬入出部107が利用窓口側から見えないように店頭側に設置される。
【0078】
インターネット上のウェブサイト等で購入した商品は、サービス提供者が第2搬入出部107において、所定の保管箱104内に収容し、移動装置5を利用して保管箱104とともに所定の保管部3aに保管する。一方、サービス提供者は商品を購入した消費者(ユーザ)に対して注文番号等の購入情報を電子メール等によって送信しておく。
【0079】
消費者(ユーザ)は、店頭の物品保管装置101の第1搬入出部7の前に立ち、本人認証等を行った後にタッチパネル等のユーザインタフェースによって商品番号等の購入情報を入力する。これにより、制御装置による制御によって移動装置5が対象の商品の保管されている保管部3aまで移動し、商品の入っている保管箱104を第1搬入出部7まで移動させる。
【0080】
目的の保管箱104が第1搬入出部7まで移動すると、保管箱104の前扉60が外扉7bとともに開く。消費者(ユーザ)は、保管箱104の内部から購入した商品を取り出す。消費者が商品を取り出したことが確認されると、制御装置による制御によって移動装置5が空になった保管箱104を元の保管部3aに戻す。
【0081】
(利用形態2)
利用形態2は、サービス対象の荷物(例えば、修理依頼品や清掃依頼品等)を店頭で預けるとともに、サービス提供者によるサービスが終了した後にその荷物を受け取る際に用いる。
【0082】
ユーザは、物品保管装置101の第1搬入出部7において、ユーザインタフェース部の操作を行い、移動装置5によって所定の保管箱104を第1搬入出部7まで移動させる。第1搬入出部7では、保管箱104の箱本体部104c内にサービス対象の荷物(例えば、修理依頼品や清掃依頼品等)を収納する。
【0083】
物品保管装置101は、サービス対象の荷物を収納した保管箱104を移動装置5によってサービス提供者の窓口である第2搬入出部107まで移動させる。第2搬入出部107では、サービス提供者が保管箱104の箱本体部104c内から荷物を取り出し、その荷物に対して修理や清掃等のサービスを施す。荷物にサービスを施した後には、第2搬入出部107において、サービス提供済みの荷物を保管箱104の箱本体部104c内に戻す。物品保管装置101は、この後に移動装置5によって保管箱104を規定の保管部3aまで移動させ、保管箱104を規定の保管部3aに保管する。
【0084】
サービスを依頼したユーザは、所定の時間の後に、第1搬入出部7でサービスを依頼した荷物を指定する操作をユーザインタフェース部で行う。これに対し、物品保管装置101は、移動装置5によってサービス提供済みの荷物の入った保管箱104を保管部3aから第1搬入出部7まで移動させる。ユーザは、第1搬入出部7に届いた保管箱104の箱本体部104cからサービス提供済みの荷物を取り出す。
【0085】
以上の物品保管装置101の利用形態の説明では、第1搬入出部7での第1外扉7bと保管箱104の前扉60の連動した開閉作動や、第2搬入出部107での第2外扉107bと保管箱104の後扉160の連動した開閉作動の詳細については省略している。これらの開閉作動は、参考例での外扉7bと保管箱4の前扉60の開閉作動と同様にして行われる。
【0086】
また、本実施形態の
物品保管装置101の場合も、電源系統の故障等によって第1搬入出部7や第2搬入出部107まで保管箱104を移動させることができない場合には、外殻体6の内部の移動通路T(点検作業空間)において、保管箱104の前扉60や後扉160を取り外して、箱本体部104c内の荷物を取り出すことができる。前扉60や後扉160の取り外しと復元は、
参考例の
図8~
図10で示した動作と同様にして行うことができる。
【0087】
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態の物品保管装置101は、保管箱104の箱本体部104cのうちの、前扉60(第1扉)の配置される面と異なる面に、第2扉としての後扉160が配置されている。このため、電源系統の故障等によって保管箱104を第1搬入出部7や第2搬入出部107に移動させることができない緊急時等には、外殻体6の内部において、後扉160と前扉60のうちのいずれかを開くことによって、箱本体部4cの向きを変えることなく、箱本体部4cの内部に容易にアクセスすることができる。
したがって、本実施形態の保管箱104を採用した場合にも、保管箱104の箱本体部104cの向きを変えるための複雑な機構を設けることなく、緊急時等に箱本体部104c内の荷物Nを確実に取り出すことができる。
【0088】
また、本実施形態の物品保管装置101は、保管箱104の箱本体部104cのうちの、保管時に点検作業空間(移動通路T)に臨む面に前扉60と後扉160が配置されている。このため、緊急時には、点検作業空間(移動通路T)の比較的広いスペースにおいて、前扉60や後扉160を開く作業を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態の物品保管装置101では、保管箱104の前扉60と後扉160が箱本体部104cに対して脱着可能に取り付けられている。このため、緊急時等に前扉60や後扉160を開くときに、前扉60や後扉160を箱本体部104cから取り外すことによって箱本体部4cの開口を最大限に広く開口することができる。したがって、本構成を採用した場合には、箱本体部104c内に収納されている荷物を比較的容易に取り出すことができる。
【0090】
さらに、本実施形態の物品保管装置101は、保管箱104の第1扉である前扉60が、当該前扉60を第1外扉7bの開閉動作と連動させる突起部60a(第1連動部)を備え、保管箱104の第2扉である後扉160が、当該後扉160を第2外扉107bの開閉動作と連動させる突起部160a(第2連動部)を備えている。このため、保管箱104が第1搬入出部7に位置されているときに、前扉60が突起部60aを通して第1搬入出部7の第1外扉7bと連動可能とされていれば、第1外扉7bの開閉に応じて前扉60も開閉させることができる。さらに、保管箱104が第2搬入出部107に位置されているときに、後扉160が突起部160aを通して第2搬入出部107の第2外扉107bと連動可能とされていれば、第2外扉107bの開閉に応じて後扉160も開閉させることができる。
したがって、本実施形態の物品保管装置101を採用した場合には、簡単な構造でありながら、第1搬入出部7をユーザの利用窓口として利用し、第2搬入出部107をサービス提供者の窓口として利用するとき等に、各窓口の外扉7b,107bと保管箱104の対応する扉60,160を同タイミングで開閉することができる。
【0091】
また、本実施形態の物品保管装置101は、荷物N(物品)を載置する保管箱104(保管具)と、保管箱104に対してユーザが荷物Nの出し入れを行う第1搬入出部7と、保管箱104に対してサービス提供者が荷物Nの出し入れを行う第2搬入出部107と、荷物Nを保管箱104とともに保管する保管部3aと、保管箱104を、第1搬入出部7、保管部3a、第2搬入出部107の間で移動させる移動装置5と、を備えている。このため、第2搬入出部107で保管箱104に載置したサービス提供者の提供する荷物Nを保管部3aに保管し、ユーザが第1搬入出部7で所定の操作をすることにより、保管部3aに保管されている荷物Nを任意のタイミングで受け取ることができる。
したがって、本実施形態の物品保管装置を採用した場合には、ユーザとサービス提供者が夫々の都合の良いタイミングで物品の受け渡しと受け取りを行うことができる。
【0092】
また、本実施形態の物品保管装置101では、第1搬入出部7に、ユーザと物品を特定する操作を行うユーザインタフェース部が配置されている。このため、ユーザが第1搬入出部7のユーザインタフェース部でユーザと荷物N(物品)を特定する操作を行うことにより、保管部3aに一時保管されている物品を間違えなく受け取ることができる。
【0093】
また、本実施形態の物品保管装置101は、保管部3aと移動装置5が内部に設置される外殻体6を備え、外殻体6の一の側壁に第1搬入出部7が配置されるとともに、外殻体6の一の側壁と対向する他の側壁に第2搬入出部107が配置されている。このため、サービス提供者は、外殻体6を挟んでユーザの利用する第1搬入出部7から見えない部分で提供サービスの準備や、第2搬入出部107での荷物N(物品)の受け取り受け渡し等を行うことができる。したがって、提供サービスの品質をより高めることができる。
【0094】
さらに、本実施形態の物品保管装置101では、保管箱104は、内部に荷物N(物品)を収納可能で一端部と他端部に開口を有する箱本体部104cと、第1搬入出部7で箱本体部104cの一端側の開口を開閉し得る前扉60(第1扉)と、第2搬入出部107で箱本体部104cの他端側の開口を開閉し得る後扉160(第2扉)と、を備えている。このため、保管箱104は、箱本体部104c内に荷物N(物品)を収納して前扉60と後扉160を閉じることにより、収納した荷物Nに汚れや埃が付着することや荷物Nの脱落を防止することができる。また、前扉60と後扉160は箱本体部104cの一端側と他端側に設けられているため、第1搬入出部7と第2搬入出部107において、保管箱104の向きを変えることなく保管箱104の内部にアクセスすることができる。したがって、本実施形態の物品保管装置101を採用した場合には、保管箱104の向きを変えるための機構を設ける必要がないため、内部構造を簡素化することができる。
【0095】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、外殻体6の内部に設置する保管棚3の列は前後二列に限らず、一列であっても良い。また、保管箱4の大きさは大小二種類に限らず、一種類でも三種類以上であっても良い。
【符号の説明】
【0096】
3a…保管部
5…移動装置
6…外殻体
7…第1搬入出部
60…前扉(第1扉)
101…物品保管装置
104…保管箱(保管具)
160…後扉(第2扉)
107…第2搬入出部
N…荷物(物品)