(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071798
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】エクステンション用人工まつ毛の装着方法
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182221
(22)【出願日】2022-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】522446557
【氏名又は名称】川畑 彩乃
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】川畑 彩乃
(57)【要約】
【課題】より顔を美しく整えることのできるエクステンション用人工まつ毛の装着方法を提供する。
【解決手段】本発明は、接着剤30が塗布されたエクステンション用人工まつ毛20を、自まつ毛10の側面部に当接して、自まつ毛10の長さ方向や軸線回りに沿って摺動して装着し、これにより前記エクステンション用人工まつ毛20を自まつ毛10の並列方向に沿って横並びとしてまつ毛の密度を向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛を装着するエクステンション用人工まつ毛の装着方法であって、
前記エクステンション用人工まつ毛に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤が塗布された1本の前記エクステンション用人工まつ毛を、前記自まつ毛のうち1本の自まつ毛の上面部及び下面部を除く側面部に前記接着剤を介して当接する当接工程と、
前記自まつ毛に当接された前記エクステンション用人工まつ毛を、前記接着剤が硬化する前に、当該自まつ毛の前記側面部と当該エクステンション用人工まつ毛とが離開しない範囲で当該自まつ毛の長さ方向に沿って摺動させる長さ方向摺動工程と、
前記自まつ毛に当接された前記エクステンション用人工まつ毛を、前記接着剤が硬化する前に、当該自まつ毛の前記側面部と当該エクステンション用人工まつ毛とが離開しない範囲で当該自まつ毛の軸線回りに沿って摺動させる円周方向摺動工程と、
前記接着剤が硬化することによって前記エクステンション用人工まつ毛が前記自まつ毛の側面部に固定される固定工程と、
を含み、
前記長さ方向摺動工程と前記円周方向摺動工程とを同時又は順次実行させて前記固定工程を実行することにより自まつ毛に前記エクステンション用人工まつ毛を装着するものであることを特徴とするエクステンション用人工まつ毛の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛を装着するエクステンション用人工まつ毛の装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、顔を美しく整える美容の一手法として、自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛(以下、人工まつ毛ともいう)を装着してまつ毛を長く見せるものが知られている。
【0003】
例えば特許文献1では、自まつ毛の下側に下方から人工まつ毛を接着して装着するまつ毛エクステンション用人工まつ毛の装着方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された装着方法のように、人工まつ毛を自まつ毛の下側又は上側から装着した場合、まつ毛が長く見える効果は期待できるものの、正面から顔を見た際のまつ毛の密度に乏しく、改良の余地が見られる。
【0006】
本発明は、より顔を美しく整えることのできるエクステンション用人工まつ毛の装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛を装着するエクステンション用人工まつ毛の装着方法であって、前記エクステンション用人工まつ毛に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤が塗布された1本の前記エクステンション用人工まつ毛を、前記自まつ毛のうち1本の自まつ毛の上面部及び下面部を除く側面部に前記接着剤を介して当接する当接工程と、前記自まつ毛に当接された前記エクステンション用人工まつ毛を、前記接着剤が硬化する前に、当該自まつ毛の前記側面部と当該エクステンション用人工まつ毛とが離開しない範囲で当該自まつ毛の長さ方向に沿って摺動させる長さ方向摺動工程と、前記自まつ毛に当接された前記エクステンション用人工まつ毛を、前記接着剤が硬化する前に、当該自まつ毛の前記側面部と当該エクステンション用人工まつ毛とが離開しない範囲で当該自まつ毛の軸線回りに沿って摺動させる円周方向摺動工程と、前記接着剤が硬化することによって前記エクステンション用人工まつ毛が前記自まつ毛の側面部に固定される固定工程と、を含み、前記長さ方向摺動工程と前記円周方向摺動工程とを同時又は順次実行させて前記固定工程を実行することにより自まつ毛に前記エクステンション用人工まつ毛を装着するものであることを特徴とするエクステンション用人工まつ毛の装着方法である。
【0008】
かかる構成にあっては、前記自まつ毛の上面部および下面部ではなく、側面部に前記エクステンション用人工まつ毛を装着するため、前記エクステンション用人工まつ毛が自まつ毛の並列方向に沿って横並びとなり、自まつ毛間の隙間が縮小されて顔を正面から見た場合のまつ毛の密度が高くなり、目元をよりはっきりと強調することができる。
【0009】
ここで、一般的にエクステンション用人工まつ毛は、見栄えを向上させるべく、自まつ毛よりもカールを強調した湾曲形状であるところ、自まつ毛の上面部又は下面部にエクステンション用人工まつ毛を装着するような従来の構成にあっては、自まつ毛の基端部とエクステンション用人工まつ毛の基端部との接触面積が小さく、自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛を固定した際の安定性に劣るという問題がある。これ対して本発明の構成にあっては、自まつ毛の側面部にエクステンション用人工まつ毛を固定するものであるため、従来に比して相対的に自まつ毛とエクステンション用人工まつ毛との接触面積を十分に確保することができ、装着時の安定性が格段に向上する。
【0010】
ところで本発明では、自まつ毛とエクステンション用人工まつ毛との間に形成される軸線方向(長さ方向)に沿った溝状の段差部が、まぶたに対向する位置に配される。ここで、一般的にまぶたは皮膚が非常に薄く敏感であるため、当該段差部がまぶたに接すると痛みやかゆみを誘発してしまうおそれがある。そこで、かかる事情の下、前記長さ方向摺動工程と前記円周方向摺動工程とを実行することにより、自まつ毛とエクステンション用人工まつ毛との間に形成される段差部に接着剤が隙間なく入り込んでなじむため、まぶたに違和感を生じさせることを好適に防止することができる。加えて、自まつ毛の表面はキューティクル構造となっており、長さ方向にも円周方向にも複雑な凹凸が形成されているところ、前記長さ方向摺動工程と前記円周方向摺動工程とを実行することにより、自まつ毛のキューティクル構造に基づく凹部に合わせて好適に凹部内に接着剤をなじませることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエクステンション用人工まつ毛の装着方法は、より顔を美しく整えることのできる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】エクステンション用人工まつ毛に接着剤を塗布した状態を示し、(a)は斜視図であり、(b)はエクステンション用人工まつ毛の根端部における横断面図である。
【
図2】顔を正面から視た際のまぶたを拡大して示す図であって、自まつ毛にエクステンション用人工まつ毛を側方から当接した状態を示す説明図である。
【
図3】長さ方向摺動工程と円周方向摺動工程とを説明する説明図である。
【
図5】(a)は固定工程によりエクステンション用人工まつ毛が自まつ毛に固定された状態を示す説明図であり、(b)はエクステンション用人工まつ毛と自まつ毛の根端部を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜、設計変更が可能である。
【0014】
上まぶた5の端縁から上向きに生えている自まつ毛(上側のまつ毛)10にエクステンション用人工まつ毛20(以下、単に人工まつ毛20ともいう)を装着する手順を
図1~
図5に従って説明する。
【0015】
(接着剤塗布工程)
人工まつ毛20は、
図1に示すように、根端から先端に向かって先細りの形状を有している。そして、このような人工まつ毛20の根端部を中心に接着剤30を塗布する。接着剤は公知の速乾性のものであり、数秒~数十秒で乾燥固化するものが適用される。
【0016】
(当接工程)
接着剤30が塗布された1本の人工まつ毛20を、1本の自まつ毛10に当接する。この際、
図2に示すように、上まぶた5と下まぶた6とを閉じた状態で、人工まつ毛20を、自まつ毛10の上面部及び下面部を除く側面部に向かって近づけるようにして、自まつ毛10の側面部に人工まつ毛20を当接させる。なお、人工まつ毛20を当接する際には、自まつ毛10の根端になるべく近い部位に人工まつ毛20の根端が位置するように配置する。
【0017】
(長さ方向摺動工程)
自まつ毛10に人工まつ毛20を当接した後、
図3に示すように、人工まつ毛20を、接着剤30が硬化する前に、自まつ毛10の長さ方向に沿って繰り返し摺動させる。ここで、摺動させる範囲は、自まつ毛10の側面部と人工まつ毛20とが離開しない程度とする。これにより、接着剤30を自まつ毛10の表面になじませ、自まつ毛10と人工まつ毛20との密着性を向上させてより自然な仕上がりとすることができる。
【0018】
(円周方向摺動工程)
上述の長さ方向摺動工程に併せて、
図4に示すように、人工まつ毛20を、接着剤30が硬化する前に、自まつ毛10の軸線回りに沿って摺動させる。ここで、横断面視ほぼ円形状の自まつ毛10に対して人工まつ毛20を摺動させる範囲は、人工まつ毛20が自まつ毛10の側面部から離開しない程度とする。これにより、自まつ毛10と人工まつ毛20との間で軸方向に形成された凹溝としての段差部40に接着剤30が堆積して段差部40の段差が可及的に小さくなる。
【0019】
上述の長さ方向摺動工程と円周方向摺動工程とは、接着剤30が硬化するまでに同時に行なったり交互に行なったりして繰り返し実行することができる。ここで、自まつ毛の表面はキューティクル構造となっており、長さ方向にも円周方向にも複雑な凹凸が形成されていることが知られている。このため、前記長さ方向摺動工程と前記円周方向摺動工程とを繰り返すことにより、自まつ毛の複雑な凹部内にまで接着剤30が隙間なく入り込んでなじみ、接着強度をより一層高めることができる。
【0020】
(固定工程)
その後、接着剤30が硬化することにより、自まつ毛10の側面部に人工まつ毛20が固定される。
【0021】
かかる固定工程が実行されると、
図5(a)に示すように、自まつ毛10の側面部に人工まつ毛20が固定されることとなるため、自まつ毛10と人工まつ毛20との接触領域Aが十分に確保されることになり、人工まつ毛を安定して固定することができる。ここで、従来のように自まつ毛の上面部や下面部に人工まつ毛を固定する方式であると、人工まつ毛の根端のみしか自まつ毛と接触することができず、容易に外れてしまう問題が生じる。また、本発明にかかる構成では、自まつ毛10と人工まつ毛20との間で長さ方向に沿って形成された凹溝状の段差部40の段差が接着剤30によって小さくなるため、段差部40とまぶたとの接触による痛みやかゆみ等の発生を防止することができる。さらに、
図5(b)に示すように、自まつ毛10の根端部と人工まつ毛20の根端との間に生じる段差部40にも接着剤30が付着して段差が小さくなるため、上記と同様に、段差部40とまぶたとの接触による痛みやかゆみ等の発生を防止することができる。
【0022】
そして、上述の手順を、対象となるすべての自まつ毛10に対して順番に実行していく。
【0023】
上述の実施例においては、本発明の主旨の範囲内で適宜設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0024】
5 上まぶた
6 下まぶた
10 自まつ毛
20 エクステンション用人工まつ毛
30 接着剤
40 段差部