(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071812
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】データ蓄積装置、車両の制御装置、データ蓄積システム、データ蓄積方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B61L 25/04 20060101AFI20240520BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240520BHJP
B61K 9/08 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B61L25/04
B60L3/00 N
B61K9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182240
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】若狭 強志
(72)【発明者】
【氏名】丸山 真範
(72)【発明者】
【氏名】河野 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】湯下 篤
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA05
5H125BE01
5H125CC04
5H125DD16
5H125EE55
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】専用のセンサを設けずに、空転滑走の発生頻度の高い地点を特定可能な情報を蓄積することができるデータ蓄積装置を提供する。
【解決手段】データ蓄積装置は、軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を前記車両から取得する第1取得部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得する第1取得部
を備えるデータ蓄積装置。
【請求項2】
複数の前記車両から収集した前記検知情報に基づいて、軌道上の位置または車両について空転滑走を発生させる事象の有無を推測可能な評価情報を生成する評価部
をさらに備える請求項1に記載のデータ蓄積装置。
【請求項3】
空転滑走の発生時刻および発生位置における天候情報を取得する第2取得部をさらに備え、
前記評価部は、前記検知情報と前記天候情報とに基づいて、天候条件別の前記評価情報を生成する、
請求項2に記載のデータ蓄積装置。
【請求項4】
前記評価情報に基づいて、前記軌道の異常または前記車両の車輪の異常を検出する検出部
をさらに備える請求項3に記載のデータ蓄積装置。
【請求項5】
前記評価情報に基づいて、前記車両が前記軌道を走行する際の速度パターンを定めた運行計画を生成する計画部
をさらに備える請求項3に記載のデータ蓄積装置。
【請求項6】
前記天候情報は、降雨開始からの経過時間および前回降雨からの経過時間の少なくともいずれか一方を含む、
請求項3に記載のデータ蓄積装置。
【請求項7】
軌道を走行する車両の制御装置であって、
車輪の空転滑走を検知する検知部と、
空転滑走の発生位置を特定する特定部と、
空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両を特定可能な識別情報とを含む検知情報をデータ蓄積装置に送信する送信部と、
を備える車両の制御装置。
【請求項8】
前記データ蓄積装置から、前記車両が前記軌道を走行する際の速度パターンを定めた運行計画を受信する受信部と、
受信した前記運行計画に基づいて前記車両の加減速を制御する制御部と、
をさらに備える請求項7に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
請求項1から6の何れか一項に記載のデータ蓄積装置と、
請求項7に記載の車両の制御装置と、
を備えるデータ蓄積システム。
【請求項10】
軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得するステップ
を有するデータ蓄積方法。
【請求項11】
軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得するステップ
をデータ蓄積装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ蓄積装置、車両の制御装置、データ蓄積システム、データ蓄積方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両(列車)が軌道上を安全に走行するためには、軌道の検査が欠かせない。このため、車両には、軌道の不整や損傷などを検出するための検査装置が設けられている。例えば特許文献1には、軸箱振動加速度を検出する加速度センサなどの各種センサを備え、加速度の変化や、車両の走行情報(加減速やブレーキの操作情報、各種センサにより計測された加速・減速、車輪の空転・滑走、力行・ブレーキなどの走行状態)、運行制御情報(線路パターン、運転パターン、走行制限情報など)に基づいて、軌道損傷の可能性を推定する軌道検査装置が記載されている。また、特許文献1には、軌道検査装置に搭載されたカメラにより軌道を撮影し、画像から軌道損傷の有無を確認することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、軌道の損傷個所などを特定するために、加速度センサやカメラなど、軌道検査専用の各種センサを取り付ける必要がある。しかしながら、営業運転する全ての車両にこのようなセンサを取り付けると、車両の製造やメンテナンスに要するコストが増大する。
【0005】
本開示の目的は、専用のセンサを設けずに、空転滑走の発生頻度の高い地点を特定可能な情報を蓄積することができるデータ蓄積装置、車両の制御装置、データ蓄積システム、データ蓄積方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、データ蓄積装置は、軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得する検知情報取得部を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、軌道を走行する車両の制御装置は、車輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部と、空転滑走の発生位置を特定する位置特定部と、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両を特定可能な識別情報とを含む検知情報をデータ蓄積装置に送信する送信部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、データ蓄積システムは、上述のデータ蓄積装置と、車両の制御装置と、を備える。
【0009】
本開示の一態様によれば、データ蓄積方法は、軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得するステップを有する。
【0010】
本開示の一態様によれば、プログラムは、軌道を走行する車両が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報を取得するステップをデータ蓄積装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記態様によれば、専用のセンサを設けずに、空転滑走の発生頻度の高い地点を特定可能な情報を蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係るデータ蓄積システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】第1の実施形態に係るデータ蓄積装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態に係るデータ蓄積装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
【0014】
(データ蓄積システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係るデータ蓄積システムの全体構成を示す概略図である。
データ蓄積システム1は、軌道Rを走行する車両2から、空転滑走に関する情報を収集して蓄積する。車両2は、1台のみで走行してもよいし、複数の車両2を連結(編成)して走行してもよい。
【0015】
図1に示すように、データ蓄積システム1は、データ蓄積装置10と、車両2に搭載された制御装置20と、天候情報DB30とを備える。
【0016】
データ蓄積装置10は、車両2の制御装置20、および天候情報DB30と通信可能に接続される。データ蓄積装置10は、車両2(制御装置20)が車輪の空転滑走を検知したときに、この車両2から空転滑走の検知情報D1を取得して蓄積する。
【0017】
制御装置20は、予め設定された運行計画や、車両の走行状態(空転滑走状態など)に基づいて、車両2の加減速などの運転制御を行う。
【0018】
天候情報DB30は、軌道Rの各位置および各時刻の天候情報D2(晴れ、曇り、雨などの天候や気温などの実績データおよび予測データ)を蓄積するデータベースである。天候情報DB30は、例えば気象庁から取得したデータを蓄積するデータベースであってもよいし、軌道Rの各位置に設けられた気象センサ(不図示)の計測データを自動的に収集、蓄積するデータベースであってもよい。
【0019】
(データ蓄積装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係るデータ蓄積装置の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、データ蓄積装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14と、表示装置15とを備える。
【0020】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、検知情報取得部110(第1取得部)、天候情報取得部111(第2取得部)、評価部112、異常検出部113、運行計画生成部114(計画部)としての機能を発揮する。
【0021】
検知情報取得部110(第1取得部)は、車両2が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2の識別情報とを含む検知情報D1を取得する。
【0022】
天候情報取得部111(第2取得部)は、空転滑走の発生時刻および発生位置における天候情報D2を天候情報DB30から取得する。天候情報D2は、例えば、場所および時刻毎の晴れ、曇り、雨などの天候や気温などを表す情報である。
【0023】
評価部112は、複数の車両2から収集した検知情報D1に基づいて、軌道R上の位置または車両2について空転滑走の発生させる事象の有無を推測可能な評価情報D3,D4を生成する。
【0024】
異常検出部113は、評価情報D3,D4に基づいて、軌道Rの異常または車両2の車輪の異常を検出する。
【0025】
運行計画生成部114(計画部)は、評価情報D3,D4に基づいて、車両2が軌道Rを走行する際の速度パターンを定めた運行計画D5を生成する。また、運行計画生成部114は、生成した運行計画D5を車両2の制御装置20に送信する。
【0026】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0027】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0028】
通信インタフェース14は、外部機器(車両2の制御装置20、天候情報DB30など)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0029】
表示装置15は、データ蓄積装置10のユーザに対し、取得および生成した各種情報D1~D5を表示する。データ蓄積装置10のユーザは、例えば、軌道Rや車両2の保守作業員である。
【0030】
(制御装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とを備える。
【0031】
プロセッサ21は、所定のプログラムに従って動作することにより、空転滑走検知部210(検知部)、位置特定部211(特定部)、送信部212、受信部213、運転制御部214(制御部)としての機能を発揮する。
【0032】
空転滑走検知部210(検知部)は、車輪の空転滑走を検知する。空転滑走検知部210は、従来より車両に設けられている空転滑走検知手段である。例えば、空転滑走検知部210は、車両2の力行運転時に、トルク指令値が一定であるにもかかわらず、車輪の回転速度や車輪を駆動するモータ(不図示)の電流値が増加した場合には、空転の発生を検知する。
【0033】
位置特定部211(特定部)は、空転滑走の発生位置を特定する。空転滑走の発生位置は、空転滑走検知部210が空転滑走を検知した時刻(空転滑走の発生時刻)における車両2の走行位置である。位置特定部211は、従来より車両に設けられている、車両2の各時刻の走行位置を特定する位置特定手段である。例えば、位置特定部211は、車輪の回転速度から移動距離計測して、車両2の始発駅からの走行位置を特定してもよい。この場合、走行位置は、例えば「上り(または下り)の**km地点」で表される。また、位置特定部211は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の技術を利用して、車両2の各時刻の走行位置を特定してもよい。この場合、走行位置は緯度および経度で表される。
【0034】
送信部212は、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2を特定可能な識別情報(例えば、車両ID)とを含む検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信する。
【0035】
受信部213は、データ蓄積装置10から運行計画D5を受信する。
【0036】
運転制御部214(制御部)は、受信部213が取得した運行計画D5に基づいて、車両2の加減速などを制御する。運転制御部214は、従来より車両2に設けられている制御手段であって、例えば、車輪を回転させるモータ(不図示)へ出力するトルク指令値を調整して、加減速の制御を行う。また、運転制御部214は、運転士の操作を受け付けて、車両2の加減速などを制御してもよい。
【0037】
メモリ22は、プロセッサ21の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0038】
ストレージ23は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0039】
通信インタフェース24は、外部機器(データ蓄積装置10など)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0040】
(制御装置の処理について)
図4は、第1の実施形態に係る制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、
図4を参照しながら、車両2の制御装置20の処理の流れについて説明する。
【0041】
位置特定部211は、所定の周期で車両2の走行位置を特定する処理を繰り返し実行する(ステップS10)。
【0042】
また、空転滑走検知部210は、位置特定部211の処理と並行して、車両2の空転滑走を監視する処理を行う(ステップS11)。
【0043】
空転滑走検知部210は、車両2の空転滑走を検知していない場合(ステップS12;NO)、ステップS11の処理を繰り返し実行する。
【0044】
一方、空転滑走検知部210は、車両2の空転滑走を検知した場合(ステップS12;YES)、検知情報D1を生成する(ステップS13)。
【0045】
図5は、検知情報の一例を示す図である。
図5に示すように、検知情報D1は、例えば車両2を特定可能な識別情報(車両ID)と、空転滑走の発生時刻(検知時刻)と、発生位置とを含む。発生位置は、空転滑走の検知時刻から最も近い時刻に位置特定部211が特定した車両2の走行位置である。また、車両2は、他の車両と連結(編成)されて走行する場合がある。このため、検知情報D1は、車両2が属する編成の識別番号(編成ID)や、この編成の何両目の車両であるかを示す情報をさらに含んでいてもよい。
【0046】
また、空転滑走が検知されると、運転制御部214は、車輪を軌道Rに再粘着させるための運転制御を行う(ステップS13)。例えば、運転制御部214は、空転が検知された場合には、トルク指令値を下げるなどの制御を行う。
【0047】
また、送信部212は、空転滑走の検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信する(ステップS13)。
【0048】
各車両2の制御装置20は、車両2の走行中、
図4の一連の処理を繰り返し実行する。なお、
図4には、空転滑走を検知する度に、送信部212が検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信する例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、送信部212は、営業終了後(車両基地に入ったとき)にストレージ23に蓄積した検知情報D1をまとめてデータ蓄積装置10に送信してもよい。
【0049】
(データ蓄積装置の処理について)
図6は、第1の実施形態に係るデータ蓄積装置の処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、
図6を参照しながら、データ蓄積装置10の処理の流れについて説明する。
【0050】
検知情報取得部110は、各車両2の制御装置20から、検知情報D1を取得してストレージ13に蓄積する(ステップS20)。
【0051】
また、天候情報取得部111は、検知情報D1に含まれる空転滑走の発生時刻および発生位置に対応する天候情報D2を、天候情報DB30から取得する(ステップS21)。
【0052】
次に、評価部112は、蓄積された検知情報D1に基づいて、軌道Rの評価情報D3を作成する(ステップS22)。
【0053】
図7は、軌道評価情報の一例を示す図である。
図7に示すように、軌道評価情報D3は、複数の評価データD31,D32,D33のうち少なくとも1つを含む。
【0054】
例えば、評価部112は、複数の車両2の検知情報D1から、軌道R上の位置(上り/下り**km地点)と、空転滑走の発生頻度とを対応付けた評価データD31を生成する。例えば、軌道Rの保守担当者は、評価データD31の発生頻度が高い位置では、空転滑走を発生させる事象(軌道Rの異常)が存在することを推測することができる。したがって、保守担当者は、評価データD31を参照し、空転滑走の発生頻度が高い位置を点検することにより、軌道Rの異常(軌道Rの不良や、落ち葉や雨水がかかりやすいなどの空転滑走の原因となる事象)の発見および除去を効率的に行うことができる。これにより、各車両2を安定して運行させることが可能となる。
【0055】
また、評価部112は、複数の車両2の検知情報D1から、軌道R上の各位置について空転滑走の発生しやすさを表すスコアを算出し、位置とスコアとを対応付けた評価データD32を生成してもよい。このとき、評価部112は、異なる車両2が同じ位置で空転滑走を検知した場合には、スコアが高くなるように重みを付けてもよい。これにより、車両2側の異常で生じた空転滑走によりスコアが高くなることを抑制し、軌道R側の異常の有無をより正確に評価することが可能となる。
【0056】
なお、評価部112は、上記した重みに代えて、または加えて、天候情報D2に応じた重みを付けてもよい。例えば、評価部112は、空転滑走が発生しにくい天候(例えば、晴天時)については、空転滑走が発生しやすい天候(例えば、雨天時)よりも重みを大きくする。空転滑走が発生しにくい天候であったにも関わらず、空転滑走が発生した場合には、軌道R側に異常がある可能性が高い。したがって、このように検知情報D1と天候情報D2とを合わせて評価を行うことにより、空転滑走が発生しやすい位置、すなわち、軌道Rの異常があると推測される位置をより正確に評価することができる。
【0057】
さらに、評価部112は、地図上の位置と、空転滑走の発生頻度またはスコアの大きさとを対応付けた評価データD33を生成してもよい。発生頻度またはスコアの大きさは、
図7の例のように、地図上に描画したドットの大きさで表してもよいし、色や濃淡(ヒートマップ)で表してもよい。
【0058】
また、評価部112は、検知情報D1および天候情報D2に基づいて、天候条件別の評価データD31~D33を生成してもよい。天候条件は、例えば、晴れ、雨、曇りなどの天候や気温などを表す情報である。例えば、晴天時よりも、雨天時の方が空転滑走が発生しやすい。したがって、このように天候条件別の評価データD31~D33を生成することにより、後述する運行計画生成部114において、運行当日の天候に応じて、空転滑走が発生しやすい位置では速度を抑えるなどの運行計画を適切に生成することが可能となる。
【0059】
次に、評価部112は、蓄積された検知情報D1に基づいて、車両2の評価情報D4を作成する(ステップS23)。
【0060】
図8は、車両評価情報の一例を示す図である。
図8に示すように、車両評価情報D4は、複数の評価データD41,D42のうち少なくとも1つを含む。
【0061】
例えば、評価部112は、検知情報D1から、各車両2の空転滑走の発生頻度を評価した評価データD41を生成する。空転滑走の発生頻度が高い車両2については、車輪に何らかの異常が発生していることが推測される。したがって、車両2の保守担当者は、評価データD41を確認し、空転滑走の発生頻度が高い車両2(他の車両よりも発生頻度が有意に高い位置、もしくは、発生頻度が所定の閾値以上である車両)の点検することにより、車輪の異常の発見および修復を効率的に行うことができる。これにより、車両2をより安全に運行させることができる。
【0062】
また、評価部112は、天候情報D2に応じた重みを付けて、各車両2の空転滑走の発生しやすさを表すスコアを算出し、車両2とスコアとを対応付けた評価データD42を生成してもよい。例えば、評価部112は、空転滑走が発生しにくい天候(例えば、晴天時)については、空転滑走が発生しやすい天候(例えば、雨天時)よりも重みを大きくする。空転滑走が発生しにくい天候であったにも関わらず、他の車両よりも空転滑走の発生頻度が高い車両2は、車輪に異常があることが推測される。したがって、このように検知情報D1と天候情報D2とを合わせて評価を行うことにより、車両2の車輪の異常の有無をより精度よく評価することができる。
【0063】
また、評価部112は、車両2がどの編成に属していたかを考慮してスコアを算出してもよい。例えば、ある編成の先頭車両で空転滑走が発生した場合には、後続車両でも空転滑走が発生する場合がある。このため、評価部112は、編成毎の検知情報D1から、複数車両の編成で走行する場合の空転滑走の発生パターンを予め生成しておき、この発生パターンにマッチしない空転滑走が発生した場合にスコアが高くなるように重みを付けてもよい。このようにすることで、編成で走行する場合であっても、車両2の車輪の異常の有無をより精度よく評価することができる。
【0064】
次に、異常検出部113は、軌道評価情報D3および車両評価情報D4に基づいて、軌道Rおよび車両2の車輪の異常を検出する(ステップS24)。
【0065】
例えば、異常検出部113は、軌道評価情報D3から発生頻度(またはスコア)が高い位置を検出する。例えば、異常検出部113は、発生頻度が所定の閾値以上である位置、または、発生頻度が高い順に所定数の位置を、異常があると推測される位置として検出する。軌道Rの保守担当者は、軌道評価情報D3に代えて、異常検出部113の検出結果に基づいて、軌道Rの点検、メンテナンスを行うようにしてもよい。
【0066】
また、異常検出部113は、車両評価情報D4から発生頻度(またはスコア)が高い車両2を検出する。例えば、異常検出部113は、発生頻度が所定の閾値以上である車両2、または、発生頻度が高い順に所定数の車両2を、異常があると推測される車両2として検出する。車両2の保守担当者は、車両評価情報D4に代えて、異常検出部113の検出結果に基づいて、車両2の点検、メンテナンスを行うようにしてもよい。
【0067】
次に、運行計画生成部114は、評価部112が生成した軌道評価情報D3に基づいて、各車両2(編成)の運行計画を生成する(ステップS25)。運行計画D5は、車両2が軌道Rを走行する際の速度、加速度、加減速を行う位置、加減速時間、惰行運転の継続時間などの速度パターンを定めたものである。運行計画生成部114は、各編成の経路上の各駅の発着時間が予め定められた運行ダイヤのとおりとなるように、且つ、空転滑走の発生を抑制可能となるように、各駅間の速度パターンを決定する。例えば、運行計画生成部114は、軌道評価情報D3に基づいて、空転滑走が発生しやすい位置では速度を抑え、空転滑走が発生しにくい位置で加速を行うように速度パターンを決定する。このようにすることで、空転滑走の発生を抑制しつつ、各編成を運行ダイヤどおりに運行させることができる。
【0068】
なお、運行計画生成部114は、天候条件別の軌道評価情報D3が生成されている場合、天候条件別の運行計画D5を生成してもよい。これにより、天候毎に最適な運行計画で各編成を運行させることができる。例えば、運行計画生成部114は、晴天時については、高い粘着力を有効に利用して加減速度を高くして惰行時間を延長することで、消費電力を低減可能な運行計画D5を生成する。また、運行計画生成部114は、雨天時については、空転滑走が発生しやすい位置での加減速度を低下させて加減速時間を長くすることで、安定した粘着を確保可能な運行計画D5を生成する。このようにすることで、省エネルギーと安定運行とを両立することができる。
【0069】
運行計画生成部114は、生成した運行計画D5を各車両2の制御装置20に送信する。また、運行計画生成部114は、天候条件別の運行計画D5を生成した場合、当日の天候(天気予報)に応じた運行計画D5を各車両2の制御装置20に送信する。各車両2の制御装置20(運転制御部214)は、データ蓄積装置10から受信した運行計画D5に基づいて、車両2の加減速などの制御を行う。これにより、各車両2は空転滑走の発生を抑制して、安全に走行することができる。
【0070】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係るデータ蓄積装置10は、車両2が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2の識別情報とを含む検知情報D1を取得する検知情報取得部110を備える。
【0071】
従来の技術では、軌道Rの異常を検出するために、各車両に専用のセンサおよび検出装置を取り付ける必要があった。これに対し、本実施形態に係るデータ蓄積装置10は、車両2が従来より備えている空転滑走検知部210の検知情報D1を取得して蓄積するので、軌道Rの検査用の装置を各車両に別途設ける必要がない。このため、データ蓄積装置10は、安価且つ簡易な構成で軌道Rの検査に用いる検知情報D1を蓄積することができる。軌道Rの保守担当者は、複数の車両2から収集した検知情報D1に基づいて、空転滑走が発生しやすい位置を特定することができる。また、保守担当者は、空転滑走が発生しやすい位置を点検、補修することにより、車両2を安全に運行させることが可能となる。
【0072】
また、データ蓄積装置10は、複数の車両2から収集した検知情報D1に基づいて、軌道R上の位置または車両2について空転滑走を発生させる事象の有無を推測可能な軌道評価情報D3または車両評価情報D4を生成する評価部112をさらに備える。
【0073】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、軌道評価情報D3や車両評価情報D4を保守担当者に提示して、点検が必要な軌道Rや車両2の検出を容易にする。
【0074】
また、データ蓄積装置10は、空転滑走の発生時刻および発生位置における天候情報D2を取得する天候情報取得部111をさらに備える。評価部112は、検知情報D1と天候情報D2とに基づいて、天候条件別の軌道評価情報D3および車両評価情報D4を生成する。
【0075】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、空転滑走の発生が天候に影響されたものであるのか、軌道Rまたは車両2に異常があるためであるのかをより正確に評価することができる。
【0076】
また、データ蓄積装置10は、軌道評価情報D3または車両評価情報D4に基づいて、軌道Rの異常または車両2の車輪の異常を検出する異常検出部113をさらに備える。
【0077】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、軌道Rまたは車両2の車輪の異常の有無を検出することができる。これにより、保守担当者自身が軌道評価情報D3や車両評価情報D4の確認する手間を低減することができる。
【0078】
また、データ蓄積装置10は、軌道評価情報D3に基づいて、車両2が軌道Rを走行する際の速度パターンを定めた運行計画D5を生成する運行計画生成部114をさらに備える。
【0079】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、空転滑走の発生を抑制して、各車両2を安全に、また省エネルギーで運行させることができる。
【0080】
また、本実施形態に係る車両2の制御装置20は、車輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部210と、空転滑走の発生位置を特定する位置特定部211と、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2を特定可能な識別情報とを含む検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信する送信部212と、を備える。
【0081】
このようにすることで、制御装置20は、従来は内部処理(運転制御処理)でのみ利用している検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信して蓄積することができる。これにより、車両2は軌道Rの検査用の装置を別途設ける必要がない。このため、車両2の製造やメンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0082】
また、車両2の制御装置20は、データ蓄積装置10から運行計画D5を受信する受信部213と、受信した運行計画D5に基づいて車両2の加減速を制御する運転制御部214と、をさらに備える。
【0083】
このようにすることで、制御装置20は、空転滑走の発生を抑制して、車両2を安全に、また省エネルギーで走行させることができる。
【0084】
<その他の実施形態>
その他の実施形態では、評価部112は、各車両2から多数の検知情報D1を収集してビッグデータ化し、空転滑走の発生頻度が高い車両(車両種別、編成内における位置)、時刻、場所(軌道R上の位置)などの特徴量を抽出して、基準データ(評価情報)を生成してもよい。また、この場合、異常検出部113は、車両2の種別や編成内における車両2の位置などの運行車両データが、基準データからどの程度乖離しているかを監視することにより、軌道Rの異常または車両2の車輪の異常を検出する。
【0085】
また、第1の実施形態では、天候情報D2に晴れ、曇り、雨などの天候を表す情報が含まれている例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、天候情報D2は、降雨開始からの経過時間、前回降雨からの経過時間をさらに含んでもよい。
【0086】
例えば、降雨開始直後は、軌道R上に積もったほこりなどがぬかるみとなり、滑りやすい状態となる。つまり、空転滑走が発生しやすくなる。しかしながら、降雨開始から時間が経つと、軌道R上のほこりが流されて、降雨開始直後よりも空転滑走が発生しにくくなる。また、前回降雨からの経過時間が長いほど、軌道R上に堆積するほこりの量が多くなり、その分、次回降雨時に滑りやすい状態となる。このように、降雨開始からの経過時間や、前回降雨からの経過時間に応じて、軌道Rの滑りやすさが変化する。このため、評価部112は、天候情報D2に含まれる降雨開始からの経過時間や、前回降雨からの経過時間に基づいて補正(重みの大きさを変更)して、軌道Rの位置毎のスコアを算出する。
【0087】
このようにすることで、評価部112は、軌道Rが空転滑走を生じやすい状態となっているか推測可能な軌道評価情報D3を生成することができる。また、運行計画生成部114は、この軌道評価情報D3と天候情報D2とに基づいて運行計画D5を生成する。これにより、例えば同じ雨天時であっても、降雨開始直後であるのか、前回降雨からの経過時間が長いか、などの天候条件によって運行計画D5を適切に調整することができるので、空転滑走をより効果的に抑制することが可能となる。
【0088】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0089】
<付記>
上述の実施形態に記載のデータ蓄積装置、車両の制御装置、データ蓄積システム、データ蓄積方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0090】
(1)第1の態様によれば、データ蓄積装置10は、軌道Rを走行する車両2が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2の識別情報とを含む検知情報D1を取得する第1取得部(検知情報取得部110)を備える。
【0091】
従来の技術では、軌道Rの異常を検出するために、各車両に専用のセンサおよび検出装置を取り付ける必要があった。これに対し、データ蓄積装置10は、車両2が従来より備えている検知部(空転滑走検知部210)の検知情報D1を取得して蓄積するので、軌道Rの検査用の装置を各車両に別途設ける必要がない。このため、データ蓄積装置10は、安価且つ簡易な構成で軌道Rの検査に用いる検知情報D1を蓄積することができる。軌道Rの保守担当者は、複数の車両2から収集した検知情報D1に基づいて、空転滑走が発生しやすい位置を特定することができる。また、保守担当者は、空転滑走が発生しやすい位置を点検、補修することにより、車両2を安全に運行させることが可能となる。
【0092】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係るデータ蓄積装置10は、複数の車両2から収集した検知情報D1に基づいて、軌道R上の位置または車両2について空転滑走を発生させる事象の有無を推測可能な評価情報D3,D4を生成する評価部112をさらに備える。
【0093】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、軌道評価情報D3や車両評価情報D4を保守担当者に提示して、点検が必要な軌道Rや車両2の検出を容易にする。
【0094】
(3)第1の態様によれば、第2の態様に係るデータ蓄積装置10は、空転滑走の発生時刻および発生位置における天候情報D2を取得する第2取得部(天候情報取得部111)をさらに備え、評価部112は、検知情報D1と天候情報D2とに基づいて、天候条件別の評価情報D3,D4を生成する。
【0095】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、空転滑走の発生が天候に影響されたものであるのか、軌道Rまたは車両2に異常があるためであるのかをより正確に評価することができる。
【0096】
(4)第4の態様によれば、第3の態様に係るデータ蓄積装置10は、評価情報D3,D4に基づいて、軌道Rの異常または車両2の車輪の異常を検出する異常検出部113をさらに備える。
【0097】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、軌道Rまたは車両2の車輪の異常の有無を検出することができる。これにより、保守担当者自身が軌道評価情報D3や車両評価情報D4の確認する手間を低減することができる。
【0098】
(5)第5の態様によれば、第2から第4の何れか一の態様に係るデータ蓄積装置10は、評価情報D3に基づいて、車両2が軌道Rを走行する際の速度パターンを定めた運行計画D5を生成する計画部(運行計画生成部114)をさらに備える。
【0099】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、空転滑走の発生を抑制して、各車両2を安全に、また省エネルギーで運行させることができる。
【0100】
(6)第6の態様によれば、第3から第5の何れか一の態様に係るデータ蓄積装置10において、天候情報D2は、降雨開始からの経過時間および前回降雨からの経過時間を含む。
【0101】
このようにすることで、データ蓄積装置10は、軌道Rが空転滑走を生じやすい状態となっているか推測可能な評価情報D3を生成することができる。
【0102】
(7)第7の態様によれば、軌道Rを走行する車両2の制御装置20は、車輪の空転滑走を検知する検知部(空転滑走検知部210)と、空転滑走の発生位置を特定する特定部(位置特定部211)と、空転滑走の発生時刻および発生位置と、車両2を特定可能な識別情報とを含む検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信する送信部212と、を備える。
【0103】
このようにすることで、制御装置20は、従来は内部処理(運転制御処理)でのみ利用している検知情報D1をデータ蓄積装置10に送信して蓄積することができる。これにより、車両2は軌道Rの検査用の装置を別途設ける必要がない。このため、車両2の製造やメンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0104】
(8)第8の態様によれば、第7の態様に係る車両2の制御装置20は、データ蓄積装置10から、車両2が軌道Rを走行する際の速度パターンを定めた運行計画D5を受信する受信部213と、受信した運行計画D5に基づいて車両2の加減速を制御する制御部(運転制御部214)と、をさらに備える。
【0105】
このようにすることで、制御装置20は、空転滑走の発生を抑制して、車両2を安全に、また省エネルギーで走行させることができる。
【0106】
(9)第9の態様によれば、データ蓄積システム1は、第1から第6の何れか一の態様に係るデータ蓄積装置10と、第7または第8の態様に係る車両2の制御装置20と、を備える。
【0107】
(10)第10の態様によれば、データ蓄積方法は、軌道Rを走行する車両2が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報D1を取得するステップを有する。
【0108】
(11)第11の態様によれば、プログラムは、軌道Rを走行する車両2が車輪の空転滑走の発生を検知したときに、空転滑走の発生時刻および発生位置と、前記車両の識別情報とを含む検知情報D1を取得するステップをデータ蓄積装置10のコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0109】
1 データ蓄積システム
10 データ蓄積装置
11 プロセッサ
110 検知情報取得部(第1取得部)
111 天候情報取得部(第2取得部)
112 評価部
113 異常検出部
114 運行計画生成部(計画部)
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
15 表示装置
2 車両
20 制御装置
21 プロセッサ
210 空転滑走検知部(検知部)
211 位置特定部(特定部)
212 送信部
213 受信部
214 運転制御部(制御部)
22 メモリ
23 ストレージ
24 通信インタフェース
30 天候情報DB
D1 検知情報
D2 天候情報
D3 軌道評価情報(評価情報)
D4 車両評価情報(評価情報)
D5 運行計画