(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071833
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】印刷装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240520BHJP
B65H 31/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B41J29/00 T
B65H31/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182275
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡
(72)【発明者】
【氏名】鹿沼 大資
【テーマコード(参考)】
2C061
3F054
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061BB10
2C061BB35
2C061CQ07
2C061CQ24
3F054AA01
3F054AC05
3F054BA02
3F054BC02
3F054BC09
3F054BD03
3F054BE12
3F054CA23
(57)【要約】
【課題】ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる印刷装置を提供すること。
【解決手段】印刷装置であって、印刷部と、第1操作位置と、第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能な操作部と、前後方向に移動可能な排紙トレイと、排紙トレイを移動させる移動部と、排紙トレイの移動に応じて操作部を第1操作位置から第2操作位置へ回動させる回動機構と、制御部と、を備え、排紙トレイは、収納位置と、積載位置と、待機位置とに移動可能であり、回動機構は、操作部の位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイが収納位置と待機位置との間を移動した場合、操作部を第1操作位置から第2操作位置へ回動させ、制御部は、排紙トレイの位置が収納位置であり、且つ、第1条件が満たされた場合、排紙トレイを待機位置へ移動させる第1制御を行う、印刷装置。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、
前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、
前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、
前記排紙トレイを移動させる移動部と、
前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、
前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、
を備え、
前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、
前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、
前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御を行う、
印刷装置。
【請求項2】
前記第1操作位置から前記第2操作位置への前記操作部の回動を規制する規制部を備え、
前記規制部は、前記待機位置、又は、前記待機位置と前記収納位置との間の位置を規制解除位置とし、前記第1操作位置における前記操作部の回動を規制している場合において、前記排紙トレイの位置が前記規制解除位置と一致した場合、前記第1操作位置から前記第2操作位置への前記操作部の回動の規制を解除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1制御は、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させた後、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させる制御である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1条件が満たされておらず、且つ、前記印刷部による印刷指示を受け付けた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させる第2制御を行う、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1条件は、前記印刷装置の電源が投入されたことである、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記操作部は、タッチパネルを含み、
前記第1条件は、前記タッチパネルに表示された角度調整ボタンへの選択操作を前記操作部が受け付けることである、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部を備え、
前記制御部は、前記第1条件が満たされた場合、前記第1制御において、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記第1方向に向かって移動させ始め、その後、前記操作部の位置が前記第2操作位置であることを前記第1検出部が検出した場合、前記排紙トレイの移動を停止させ、
前記待機位置は、前記第1制御において、前記排紙トレイが移動し始めた後に前記排紙トレイの移動が停止する位置として予め決められた位置である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記待機位置に位置する前記排紙トレイが有する端部のうち前記第1方向側の端部は、前記第2操作位置における前記操作部が有する端部のうち前記第1方向側の端部よりも前記第1方向と逆の方向側に位置する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1方向に向かって前後方向に移動可能であり、且つ、前記印刷媒体を収納する収納部を備え、
前記待機位置に位置する前記排紙トレイが有する端部のうち前記第1方向側の端部は、前記収納部が有する端部のうち前記第1方向側の端部よりも前記第1方向と逆の方向側に位置する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部と、
前記排紙トレイの位置が前記待機位置であるか否かを検出する第2検出部と、
前記排紙トレイの位置が前記積載位置であるか否かを検出する第3検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1検出部による検出結果に応じて前記操作部の位置が前記第2操作位置であると判定し、且つ、前記第2検出部又は前記第3検出部による検出結果に応じて前記排紙トレイの位置が前記収納位置ではないと判定した場合において、前記第1条件が満たされると、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させてから前記待機位置へ移動させる第3制御を行う、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部と、
前記排紙トレイの位置が前記収納位置であるか否かを検出する第4検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1検出部による検出結果に応じて前記操作部の位置が前記第1操作位置であると判定し、且つ、前記第4検出部による検出結果に応じて前記排紙トレイの位置が前記収納位置ではないと判定した場合において、前記第1条件が満たされると、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させてから前記待機位置へ移動させる第4制御を行う、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1制御において、前記排紙トレイを前記収納位置から前記待機位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させる、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記第1条件は、ADF(Auto Document Feeder)の載置台に載置された原稿が媒体検出部で検出されることである、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項14】
読み取られる原稿が載置される原稿台と、
前記原稿台に原稿が載置されたか否かを検出し、且つ、前記原稿台に載置された原稿上の画像を示す画像情報を読み取る読取部と、
を備え、
前記第1条件は、前記読取部が前記原稿台に原稿が載置されたことを検出することである、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記操作部は、タッチパネルを含み、
前記制御部は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイの位置が前記収納位置である場合、前記操作部が操作を受け付けると、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させるか否かを問う情報を前記タッチパネルに表示し、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させることを示す操作を前記操作部が受け付けると、前記第1制御を行う、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記第1操作位置に位置する前記操作部は、前記第1方向において、前記待機位置に位置する前記排紙トレイと重なっている、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記回動機構は、
前記排紙トレイに設けられたラック歯車と、
前記ラック歯車と係合するカム付歯車と、
前記カム付歯車のカム部と係合するレバー部材と、
を備え、
前記レバー部材の押圧部は、前記排紙トレイの移動に応じて前記ラック歯車により回転する前記カム付歯車の回転により、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ移動させる、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記操作部は、タッチパネルを含み、
前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、前記第1条件が満たされた場合、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させるか否かを問う情報を含む角度調整画像を前記タッチパネルに表示し、
前記角度調整画像を介して前記操作部が受け付けた操作に応じて、前記第1制御を行う、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項19】
印刷装置であって、
印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、
前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、
前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、
前記排紙トレイを移動させる移動部と、
前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、
前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、
を備え、
前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置とのそれぞれに移動可能であり、
前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記積載位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、
前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させ、その後、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させる第3制御を行う、
印刷装置。
【請求項20】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、
印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、
前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、
前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、
前記排紙トレイを移動させる移動部と、
前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、
を備え、
前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、
前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、
前記制御方法は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御ステップを有する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、印刷装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体に画像を印刷する印刷装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、設置面に対して第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、予め決められた回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、排出された印刷媒体を受け付ける排紙トレイと、排紙トレイを前後に移動させる移動部と、移動部による排紙トレイの移動に応じて操作部を第1操作位置から第2操作位置へ回動させるモーター等の回動部とを備える印刷装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の印刷装置は、印刷を行う場合、紙送りモーターの駆動力を用いて、排紙トレイを移動させる。これにより、当該印刷装置は、操作部の位置を第1操作位置から第2操作位置へ移動させ、印刷装置の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させる。しかしながら、印刷装置の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させたいタイミングは、印刷を行う場合のみではない。このため、当該印刷装置は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の一態様は、印刷装置であって、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御を行う、印刷装置である。
【0007】
また、本開示の一態様は、印刷装置であって、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記積載位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させ、その後、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させる第3制御を行う、印刷装置である。
【0008】
また、本開示の一態様は、印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置は、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御方法は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御ステップを有する、制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】印刷装置1が設置される設置面に対して略45°で傾斜する位置へ回動させた操作部CPの様子の一例を示す斜視図である。
【
図3】印刷装置1が設置される設置面に対して略平行となる位置へ回動させた操作部CPの様子の一例を示す斜視図である。
【
図4】操作部CPが第1操作位置に位置している場合において、第1操作位置から第2操作位置への操作部CPの回動が規制部LMにより規制されている様子の一例を示す図である。
【
図5】
図4に示した規制部LMによる規制が解除されている様子の一例を示す図である。
【
図6】印刷装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】印刷装置1の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】
図8に示した排紙トレイTRが待機位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。
【
図10】
図9に示した排紙トレイTRが待機位置と積載位置との間の位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。
【
図11】
図10に示した排紙トレイTRが積載位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。
【
図12】収納部STの前面は、第1操作位置に位置する操作部CPの前面との位置関係の他の例を示す図である。
【
図13】ADF2が取り付けられた印刷装置1の様子の一例を示す図である。
【
図14】
図13に示したADF2の載置台21が開いている様子の一例を示す図である。
【
図15】制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第1状態へ遷移させる処理の流れの一例を示す図である。
【
図16】ステップS130の第1処理の流れの一例を示す図である。
【
図17】ステップS150の第2処理の流れの一例を示す図である。
【
図18】角度調整ボタンB1を含む画像P1の一例を示す図である。
【
図19】情報D1を含む角度調整画像P2の一例を示す図である。
【
図20】制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第2状態へ遷移させる処理の流れの一例を示す図である。
【
図21】ステップS310の第3処理の流れの一例を示す図である。
【
図23】印刷指示を受け付けた場合において制御部16が排紙トレイTRを移動させる処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<印刷装置の概要>
まず、実施形態に係る印刷装置の概要について説明する。
【0012】
実施形態に係る印刷装置は、印刷部と、操作部と、排紙トレイと、移動部と、回動機構と、制御部を備える。印刷部は、印刷媒体上への画像の印刷を行う。操作部は、第1操作位置と第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける。第1操作位置は、操作部が位置することが可能な位置のうち、印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する位置のことである。第2操作位置は、操作部が位置することが可能な位置のうち、設置面に対して第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する位置のことである。排紙トレイは、設置面と直交する方向のうち設置面から印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、高さ方向において、回動軸よりも下方に設けられる。また、排紙トレイは、高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能なトレイである。移動部は、排紙トレイを移動させる。回動機構は、排紙トレイの移動に応じて操作部を第1操作位置から第2操作位置へ回動させる機構である。制御部は、印刷部と操作部と移動部とを制御する。ここで、排紙トレイは、排紙トレイが印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された印刷媒体を受け付ける積載位置と、積載位置より収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能である。また、回動機構は、操作部の位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイが収納位置と待機位置との間を移動した場合、操作部を第1操作位置から第2操作位置へ回動させる。そして、制御部は、排紙トレイの位置が収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、移動部を制御し、排紙トレイを待機位置へ移動させる第1制御を行う。これにより、当該印刷装置は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる。
【0013】
以下では、実施形態に係る印刷装置の構成と、当該印刷装置が行う処理とについて詳しく説明する。
【0014】
<印刷装置の構成>
以下、実施形態に係る印刷装置の構成について、印刷装置1を例に挙げて説明する。
【0015】
【0016】
ここで、三次元座標系TCは、三次元座標系TCが描かれた図における方向を示す三次元直交座標系である。以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。また、以下では、一例として、Z軸の負方向が重力方向と一致している場合について説明する。このため、以下では、説明の便宜上、Z軸の正方向を上方向又は単に上と称し、Z軸の負方向を下方向又は単に下と称して説明する。
【0017】
また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちX軸の正方向側の面を印刷装置1の前面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちX軸の負方向側の面を印刷装置1の後面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちY軸の正方向側の面を印刷装置1の右面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちY軸の負方向側の面を印刷装置1の左面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちZ軸の正方向側の面を印刷装置1の上面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちZ軸の負方向側の面を印刷装置1の下面と称して説明する。
【0018】
印刷装置1は、印刷媒体上へ画像を印刷する。印刷装置1は、例えば、インクジェット式のプリンターである。この場合、印刷装置1は、
図1において図示しない紙送りモーター、紙送りモーターにより駆動される複数の紙送りローラー、印刷媒体上へインク等の液体を吐出する印刷ヘッド、印刷ヘッドを走査方向に移動させるキャリッジ等を備え、印刷媒体上へ画像を印刷する印刷部PRを内部に備える。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、印刷部PRを直方体形状の物体として示している。また、印刷装置1は、インクジェット式のプリンターに代えて、レーザープリンター、複合機等の他の方式のプリンターであってもよい。
【0019】
ここで、印刷媒体は、例えば、印刷用紙、シール台紙等のシート状の媒体であれば、如何なる媒体であってもよい。以下では、一例として、印刷媒体が印刷用紙である場合について説明する。印刷装置1は、後述する第1方向に向かって前後方向に移動可能であり、且つ、このような印刷媒体を1枚以上収納することが可能な収納部STを備える。収納部STは、給紙カセットであり、第1方向に沿って印刷装置1の前面から後面に向かって印刷装置1に収納される。そして、収納部STは、印刷装置1に収納されている状態において、印刷装置1の前面の一部を構成する。
図1に示した例では、収納部STは、印刷装置1の前面のうちの下方の面を構成している。収納部STに収納された1枚以上の印刷媒体は、図示しない給紙ローラーによって印刷部PRへ1枚ずつ供給される。これにより、印刷部PRは、キャリッジにより移動する印刷ヘッドによって、収納部STから供給された印刷媒体上へ画像を印刷することができる。
【0020】
また、印刷装置1は、印刷装置1が備えるディスプレイに画像を表示し、表示した画像を見ながら行われるユーザーからの操作を受け付ける操作部CPを備える。
【0021】
操作部CPは、ハードウェアキー、タッチパッド等を含み、印刷装置1の前面の一部を構成する部材である。
図1に示した例では、操作部CPは、印刷装置1の前面のうち、収納部STにより構成されている面よりも上方の面を構成している。以下では、一例として、
図1に示したように、操作部CPが、当該ディスプレイ及びタッチパッドが一体に構成されたタッチパネルTPを含む場合について説明する。なお、操作部CPは、タッチパネルTPとともにハードウェアキーを含む構成であってもよく、ハードウェアキーを含まない構成であってもよい。
【0022】
また、操作部CPは、印刷装置1の筐体に対して、予め決められた回動軸AX1周りに回動可能である。
図1に示した例では、回動軸AX1は、印刷装置1の前面側の上方に位置し、Y軸と平行な軸である。操作部CPは、例えば、回動軸AX1周りに回転する2つの方向のうち、操作部CPが当該筐体から離れる開方向に向かってユーザーから手で力を加えられることにより、
図2に示したように、印刷装置1が設置される設置面に対して略45°で傾斜する位置へ回動することができる。
図2は、印刷装置1が設置される設置面に対して略45°で傾斜する位置へ回動させた操作部CPの様子の一例を示す斜視図である。なお、設置面は、例えば、床面、テーブルの上面、机の上面等であるが、これらに限られるわけではない。また、操作部CPは、例えば、開方向に向かってユーザーから手で力を加えられることにより、
図3に示したように、設置面に対して略平行となる位置へ回動することができる。
図3は、印刷装置1が設置される設置面に対して略平行となる位置へ回動させた操作部CPの様子の一例を示す斜視図である。
【0023】
このように、操作部CPは、回動軸AX1周りに回動可能であるため、設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、設置面に対して第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動することができる。ここで、第1角度は、例えば、90°である。この場合、第1操作位置は、
図1に示した操作部CPが位置する位置であり、操作部CPが印刷装置1の前面の一部を閉じる位置である。なお、第1角度は、90°に代えて、第2角度よりも大きな角度であれば、90°よりも小さい角度であってもよい。第2角度は、例えば、45°である。この場合、第2操作位置は、
図2に示した操作部CPが位置する位置である。操作部CPの位置が第2操作位置である場合、操作部CPのタッチパネルTPのユーザーによる視認性は、向上する。これは、立っている人の目の位置よりも下方に印刷装置1が設置されることが多いためである。すなわち、操作部CPの位置が第2操作位置に位置させることは、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることと等価である。なお、第2角度は、45°に代えて、第1角度よりも小さな角度であればよい。
【0024】
また、操作部CPは、図示しない加圧機構により、開方向に向かって力が加えられている。加圧機構は、操作部CPを開方向に向かって力を加えることが可能な機構であれば、ばね等の付勢部材を含む既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。また、操作部CPは、図示しない固定機構により、ユーザーにより回動させられた後の位置において固定される。固定機構は、操作部CPを当該位置において固定可能な既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。ただし、固定機構による操作部CPの固定は、ユーザーによりタッチパネルTPへの操作が行われたとしても解除されず、且つ、操作部CPを回動させるためにユーザーにより手で力を加えられることにより解除される程度の強さである。
【0025】
また、印刷装置1は、
図3に示したように、排紙トレイTRを備える。なお、
図1及び
図2では、排紙トレイTRは、操作部CPの背後に隠れていて見えていない。
【0026】
排紙トレイTRは、印刷部PRによって画像が印刷された後の印刷媒体が排出されるトレイである。排紙トレイTRは、設置面と直交する方向のうち設置面から印刷装置1に向かう方向を高さ方向とし、高さ方向において、回動軸AX1よりも下方に設けられる。以下では、一例として、
図1~
図3に示したように、高さ方向が上下方向である場合について説明する。
図1~
図3に示した例では、排紙トレイTRは、操作部CPの位置が第1操作位置ではない場合において、印刷装置1の外部から視認可能である。すなわち、排紙トレイTRは、印刷装置1の前面から印刷装置1の後面に向かって印刷装置1を見た場合、且つ、操作部CPの位置が第1操作位置である場合、操作部CPと重なっている。この場合、印刷装置1は、高さ方向の大きさが増大してしまうことを抑制することができ、小型化することができる。なお、排紙トレイTRの一部又は全部は、当該前面から当該後面に向かって印刷装置1を見た場合、且つ、操作部CPの位置が第1操作位置である場合、操作部CPと重なっていない構成であってもよい。
【0027】
また、排紙トレイTRは、高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能なトレイである。ここで、以下では、一例として、第1方向が、設置面と平行な方向のうち印刷装置1の後面から印刷装置1の前面に向かう方向、すなわち、X軸の正方向である場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、第1方向と逆の方向を、第2方向と称して説明する。また、以下では、一例として、排紙トレイTRの位置が、排紙トレイTRの重心の位置によって表される場合について説明する。なお、排紙トレイTRの位置は、当該重心の位置に代えて、排紙トレイTRに応じた他の位置によって表されてもよい。排紙トレイTRが第1方向に向かって前後方向に移動可能なトレイであるため、排紙トレイTRは、排紙トレイTRが印刷装置1の筐体内に収納される収納位置と、排出された印刷媒体を受け付ける積載位置と、積載位置より収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能である。収納位置は、本実施形態において、排紙トレイTRが第2方向に向かって移動可能な位置のうち最も第2方向側の位置である。なお、収納位置は、これに代えて、排紙トレイTRが第2方向に向かって移動可能な位置のうち、排紙トレイTRが当該筐体内に収納される他の位置であってもよい。積載位置は、本実施形態において、排紙トレイTRが第1方向に向かって移動可能な位置のうち最も第1方向側の位置である。なお、積載位置は、これに代えて、排紙トレイTRが第1方向に向かって移動可能な位置のうち、排出された印刷媒体を受け付けることが可能な他の位置であってもよい。待機位置については、後述する。
【0028】
印刷装置1は、このような排紙トレイTRを、前述の紙送りモーターの駆動力によって移動させることができる。以下では、一例として、紙送りモーターが順回転方向に回転すると、排紙トレイTRが第1方向へ移動し、紙送りモーターが逆回転方向に回転すると、排紙トレイTRが第2方向へ移動する場合について説明する。なお、印刷装置1は、紙送りモーターが順回転方向に回転すると、排紙トレイTRが第2方向へ移動し、紙送りモーターが逆回転方向に回転すると、排紙トレイTRが第1方向へ移動する構成であってもよい。例えば、印刷装置1は、キャリッジが予め決められた位置に位置している場合、紙送りモーターが排紙トレイTRを移動させることが可能なように紙送りモーターの駆動力を伝達する図示しない伝達機構を備える。伝達機構は、当該場合において、紙送りモーターが排紙トレイTRを移動させることが可能なように紙送りモーターの駆動力を伝達することが可能な既知の機構であってもよく、これから開発される機構であってもよい。
【0029】
以上のような構成の印刷装置1は、操作部CPが第1操作位置に位置している場合において、第1操作位置から第2操作位置への操作部CPの回動を規制する規制部LMを備える構成であってもよい。そこで、以下では、一例として、
図4及び
図5に示したように、印刷装置1が規制部LMを備える場合について説明する。
【0030】
図4は、操作部CPが第1操作位置に位置している場合において、第1操作位置から第2操作位置への操作部CPの回動が規制部LMにより規制されている様子の一例を示す図である。ここで、
図4は、上方向から下方向に向かって印刷装置1の前面付近を見た場合の上面図である。ただし、
図4では、規制部LMによる規制の様子を明確に示すため、操作部CPと、排紙トレイTRと、規制部LMとのそれぞれのみが示されており、これら3つの部材以外の他の部材については、省略されている。
【0031】
規制部LMは、例えば、
図4に示したように、第1操作位置に位置する操作部CPの回動を規制するレバーロックである。この場合、規制部LMは、Z軸と平行な回動軸AX2周りに回動可能なように印刷装置1の内部に設けられたレバー形状の部材である。
図4において、規制部LMは、回動軸AX2を中心として、時計回り方向に回動するように第1付勢部材SP1によって付勢されている。ここで、第1付勢部材SP1は、例えば、バネであるが、これに限られるわけではない。以下では、説明の便宜上、
図4における時計回り方向を、単に時計回り方向と称して説明する。
【0032】
また、規制部LMには、ロックピンLM1が設けられている。ロックピンLM1は、規制部LMからY軸の正方向に向かって突出するように第2付勢部材SP2によって付勢されたピンである。ここで、操作部CPには、規制部LMが第1方向と略平行である場合においてロックピンLM1と係合する係合部CL1が設けられている。これにより、第1操作位置に位置する操作部CPは、当該場合において、回動しないように規制部LMにより規制される。換言すると、規制部LMは、当該場合、操作部CPが回動しないように規制する。なお、第2付勢部材SP2は、例えば、バネであるが、これに限られるわけではない。
【0033】
このような規制部LMによる操作部CPの規制は、規制部LMが第1方向と略平行な状態から時計回り方向へ予め決められた角度以上回動した場合、
図5に示したように、ロックピンLM1が係合部CL1から外れ、その結果、解除される。
図5は、
図4に示した規制部LMによる規制が解除されている様子の一例を示す図である。
図5に示した矢印A1は、規制部LMが回動した方向である時計回り方向を示している。ここで、印刷装置1は、例えば、規制部LMが第1方向と略平行な状態から規制部LMが予め決められた角度を超えて回動しないように規制部LMの回動を規制する図示しない部材を備える。この部材は、規制部LMが第1方向と略平行な状態から規制部LMが予め決められた角度を超えて回動しないように規制部LMの回動を規制することが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。以下では、説明の便宜上、規制部LMの状態のうち規制部LMが第1方向と略平行である状態を規制状態と称し、規制部LMが第1方向と略平行な状態から予め決められた角度回動した後の状態を解除状態と称して説明する。
【0034】
また、規制部LMの状態は、排紙トレイTRの位置によって変化する。ただし、
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、
図4と同様に、排紙トレイTRの位置が収納位置である場合を示している。このため、
図4と
図5の違いは、規制部LMの状態の違いのみである。例えば、
図4に示した例では、規制部LMが有する端部のうちX軸の負方向側の端部には、排紙トレイTRの板状部材W1と接触する接触部CNが設けられている。板状部材W1は、排紙トレイTRが有する端部のうちY軸の負方向側の端部に設けられた板状の部材である。また、板状部材W1は、当該端部から上方向に突出し、且つ、排紙トレイTRが有する端部のうち第1方向側の端部から第2方向に向かって予め決められた長さぶん延伸する部材である。予め決められた長さは、規制部LMによる操作部CPの規制が解除される規制解除位置に応じて決まる長さである。具体的には、予め決められた長さは、排紙トレイTRが移動可能な区間のうち収納位置から規制解除位置までの第1区間内において接触部CNが板状部材W1と接触し、且つ、第1方向に向かう規制解除位置以降の区間のうち規制解除位置から積載位置までの第2区間内において接触部CNが板状部材W1と接触しないような長さとして決まる。このような板状部材W1が排紙トレイTRに設けられていることにより、規制部LMは、排紙トレイTRが第1区間内に位置している場合、
図4に示したように、板状部材W1により支持され、規制状態のまま保持される。一方、規制部LMは、排紙トレイTRが第2区間内に位置している場合、
図5に示したように、解除状態のまま保持される。このため、第1操作位置に位置する操作部CPを規制している規制部LMは、排紙トレイTRが収納位置から規制解除位置へ移動すると、規制状態から解除状態へ遷移し、その結果、操作部CPの規制を解除する。換言すると、規制部LMは、排紙トレイTRの位置が規制解除位置と一致した場合、規制状態から解除状態へ遷移し、その結果、操作部CPの規制を解除する。このような規制解除位置は、前述の積載位置と収納位置との間に位置する位置である。なお、規制解除位置は、前述の待機位置と一致していてもよく、待機位置と一致していなくてもよい。以下では、一例として、規制解除位置が、待機位置と収納位置との間に位置している場合について説明する。この場合、規制部LMは、排紙トレイTRが収納位置と待機位置との間を通過した場合、規制状態から解除状態へと遷移する。
【0035】
<印刷装置のハードウェア構成>
以下、
図6を参照し、印刷装置1のハードウェア構成について説明する。
図6は、印刷装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
印刷装置1は、プロセッサー11と、記憶部12と、入力受付部13と、通信部14と、表示部15と、印刷部PRと、第1検出部S1と、第2検出部S2と、第3検出部S3と、第4検出部S4を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、印刷装置1は、通信部14を介して他の装置と通信を行う。
【0037】
プロセッサー11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサー11は、CPUに代えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサーであってもよい。プロセッサー11は、記憶部12に格納された各種のプログラムを実行する。
【0038】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部12は、印刷装置1に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部12は、印刷装置1が処理する各種の情報、各種のプログラム等を格納する。
【0039】
入力受付部13は、表示部15に表示された画像を見ながら行われるユーザーからの操作を受け付ける。この一例において、入力受付部13は、表示部15とともにタッチパネルTPとして一体に構成されている。なお、入力受付部13は、ユーザーからの操作を受け付けるハードウェアキーを含む構成であってもよい。また、入力受付部13は、タッチパネルTPを含まず、当該ハードウェアキーを含む構成であってもよい。
【0040】
通信部14は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
【0041】
表示部15は、画像を表示する。表示部15は、印刷装置1が備えるディスプレイとして、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネル等を含む表示装置である。
【0042】
印刷部PRは、タッチパネルTPを介してユーザーから受け付けた操作に応じて、インクジェット方式により、印刷媒体へ画像を印刷する。印刷部PRは、前述した通り、紙送りモーター、紙送りモーターにより駆動される複数の紙送りローラー、印刷媒体上へインク等の液体を吐出する印刷ヘッド、印刷ヘッドを走査方向に移動させるキャリッジ等を備える。以下では、説明の便宜上、印刷部PRが備える紙送りモーターを、紙送りモーターMVと称して説明する。紙送りモーターMVは、移動部の一例である。
【0043】
第1検出部S1は、操作部CPの位置が第2操作位置である否かを検出する。第1検出部S1は、操作部CPの位置が第2操作位置である否かを検出することが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーであってもよく、例えば、メカニカルスイッチ、光学式センサー等である。
【0044】
第2検出部S2は、排紙トレイTRの位置が待機位置であるか否かを検出する。第2検出部S2は、排紙トレイTRの位置が待機位置であるか否かを検出すことが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーであってもよく、例えば、メカニカルスイッチ、光学式センサー等である。
【0045】
第3検出部S3は、排紙トレイTRの位置が積載位置であるか否かを検出する。第3検出部S3は、排紙トレイTRの位置が積載位置であるか否かを検出すことが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーであってもよく、例えば、メカニカルスイッチ、光学式センサー等である。
【0046】
第4検出部S4は、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを検出する。第4検出部S4は、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを検出すことが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーであってもよく、例えば、メカニカルスイッチ、光学式センサー等である。
【0047】
<印刷装置の機能構成>
以下、
図7を参照し、印刷装置1の機能構成について説明する。
図7は、印刷装置1の機能構成の一例を示す図である。
【0048】
印刷装置1は、記憶部12と、入力受付部13と、通信部14と、表示部15と、印刷部PRと、第1検出部S1と、第2検出部S2と、第3検出部S3と、第4検出部S4と、制御部16を備える。
【0049】
制御部16は、印刷装置1の全体を制御する。制御部16は、例えば、プロセッサー11が、記憶部12に記憶された各種のプログラムを実行することにより実現される。また、制御部16が有する機能のうちの一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部によって実現されてもよい。
【0050】
<排紙トレイの移動に応じて操作部を回動させる回動機構の構成>
印刷装置1は、更に、排紙トレイTRの移動に応じて、第1操作位置に位置する操作部CPを第2操作位置へ回動させる回動機構RTを備える。そこで、以下では、
図8を参照し、排紙トレイTRの移動に応じて、第1操作位置に位置する操作部CPを第2操作位置へ回動させる回動機構RTについて説明する。
図8は、回動機構RTの構成の一例を示す図である。また、
図8は、Y軸の負方向に向かって回動機構RTを見た場合の回動機構RTの側面図である。
図8に示した例では、操作部CPは、第1操作位置に位置している。また、当該例では、排紙トレイTRは、収納位置に位置している。なお、
図8において示した第1検出部S1~第4検出部S4それぞれの位置は、便宜上描かれたイメージに過ぎず、実際に第1検出部S1~第4検出部S4のそれぞれが位置する位置と異なる位置である。また、
図8に示した回動機構RTの構成は、一例に過ぎず、第1操作位置に位置する操作部CPを第2操作位置へ回動させることが可能な構成であれば、他の構成であってもよい。また、
図8では、図が煩雑になるのを防ぐため、紙送りモーターMVを、長方形状の物体として示している。また、
図8では、図が煩雑になるのを防ぐため、紙送りモーターMVが排紙トレイTRを移動させる機構を省略している。
【0051】
図8に示した例では、回動機構RTは、排紙トレイTRに設けられたラック歯車G1と、ラック歯車G1と係合するカム付歯車G2と、カム付歯車G2のカム部CMと係合するレバー部材LV1と、レバー部材LV1を支持するレバー部材LV2を備える。なお、回動機構RTは、レバー部材LV2を備えない構成であってもよい。
【0052】
ここで、レバー部材LV2が有する端部のうちの一方の端部は、予め決められた回動軸AX3により回動可能に支持されている。なお、回動軸AX3は、印刷装置1の図示しない筐体に設けられている軸である。また、レバー部材LV1の中央付近には、レバー部材LV2が有する端部のうちの他方の端部が回動可能に接続されている。また、レバー部材LV1が有する端部のうちの一方は、カム付歯車G2のカム部CMと接触している。
【0053】
カム付歯車G2のカム部CMは、排紙トレイTRの収納位置からの第1方向への移動に応じて回転し始める。そして、カム部CMは、排紙トレイTRが規制解除位置を超えると、規制部LMによる操作部CPの規制が解除された後に、レバー部材LV1を持ち上げ始める。また、レバー部材LV2は、レバー部材LV1が持ち上がり始めると、回動し始める。その結果、レバー部材LV1が有する端部のうちカム部CMと接触していない方の端部が操作部CPと接触して操作部CPを開方向へ押し始める。その結果、操作部CPは、第1操作位置から第2操作位置へ回動する。すなわち、操作部CPは、排紙トレイTRの第1方向への移動に応じて、第1操作位置から第2操作位置へ回動する。なお、当該端部は、レバー部材の押圧部の一例である。
【0054】
図9は、
図8に示した排紙トレイTRが待機位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。
図9に示したように、矢印A2が示す第1方向に向かって排紙トレイTRが収納位置から待機位置へ移動すると、前述した通り、カム付歯車G2のカム部CMは、矢印A3が示す方向に向かって回転する。その結果、レバー部材LV1は、カム部CMによって持ち上げられ、操作部CPと接触する。そして、レバー部材LV1は、レバー部材LV2とレバー部材LV1との接続部分を支点として、矢印A4が示す方向に回転しながら、操作部CPが開方向に向かって回動するように操作部CPを押し上げる。これにより、操作部CPは、第1操作位置から第2操作位置へ回動することができる。ここで、
図9に示した操作部CPが位置している位置は、第2操作位置の一例である。
【0055】
なお、
図9に示したように、この一例において、待機位置に位置する排紙トレイTRが有する端部のうち第1方向側の端部は、第2操作位置における操作部CPが有する端部のうち第1方向側の端部よりも第2方向側に位置する。これにより、印刷装置1は、排紙トレイTRが待機位置に位置している場合、排紙トレイTRを操作部CPの背後に隠すことができる。その結果、印刷装置1は、例えば、印刷装置1の筐体内へ排紙トレイTRをユーザーが移動させることによって、作業中のユーザーが混乱してしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、排紙トレイTRを操作部CPの背後に隠すことにより、印刷装置1の周囲に位置する物体、ユーザーの身体等と排紙トレイTRとが接触してしまうことを抑制することができる。
【0056】
また、
図9に示したように、この一例において、待機位置に位置する排紙トレイTRが有する端部のうち第1方向側の端部は、収納部STが有する端部のうち第1方向側の端部よりも第1方向側に位置する。なお、待機位置に位置する排紙トレイTRが有する端部のうち第1方向側の端部は、収納部STが有する端部のうち第1方向側の端部よりも第2方向側に位置する構成であってもよい。この場合、印刷装置1は、排紙トレイTRが待機位置に位置していたとしても、収納部STの取り出しをユーザーに行わせることができ、その結果、ユーザーの利便性が低下してしまうことを抑制することができる。
【0057】
また、
図10は、
図9に示した排紙トレイTRが待機位置と積載位置との間の位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。排紙トレイTRが、待機位置から、待機位置と積載位置との間の位置へ移動する過程において、レバー部材LV1は、カム付歯車G2のカム部CMによって最も高い位置まで持ち上げられた後、カム部CMの回転に応じて下降し始める。その結果、レバー部材LV1は、レバー部材LV2とレバー部材LV1との接続部分を支点として、矢印A5が示す方向に回転しながら、操作部CPから離間する。
【0058】
そして、
図11は、
図10に示した排紙トレイTRが積載位置へ移動した直後の様子の一例を示す図である。排紙トレイTRが積載位置へ移動すると、回動機構RTの状態は、
図8に示した状態、すなわち、排紙トレイTRが収納位置に位置している場合における回動機構RTの状態と、カム付歯車G2の状態を除いて、略同じ状態になる。
【0059】
以上のようにして、操作部CPは、紙送りモーターMVの駆動力による排紙トレイTRの第1方向への移動に応じて第1操作位置から第2操作位置へ回動する。すなわち、印刷装置1は、排紙トレイTRを収納位置から第1方向へ移動させることにより、操作部CPを第1操作位置から第2操作位置へ回動させることができる。なお、回動機構RTは、排紙トレイTRが積載位置に位置しており、且つ、操作部CPが第1操作位置に位置している場合、排紙トレイTRを第2方向に向かって移動させることにより、操作部CPを第1操作位置から第2操作位置へ回動させることができる。この際、回動機構RTは、
図8~
図11において説明した回動機構RTの動きの順と逆の順で動き、レバー部材LV1によって操作部CPを押し上げる。このため、本実施形態では、当該場合において排紙トレイTRが第2方向に向かって移動することによる回動機構RTの動きについての説明を省略する。
【0060】
なお、
図8~
図11では、収納部STの前面は、第1操作位置に位置する操作部CPの前面と面一になっている。しかしながら、収納部STの前面は、
図12に示したように、第1操作位置に位置する操作部CPの前面よりも第1方向側に位置する構成であってもよい。
図12は、収納部STの前面は、第1操作位置に位置する操作部CPの前面との位置関係の他の例を示す図である。なお、収納部STの前面は、収納部STが有する面のうちX軸の正方向側の面のことである。また、第1操作位置に位置する操作部CPの前面は、第1操作位置に位置する操作部CPが有する面のうちX軸の正方向側に位置する面のことである。また、第1操作位置に位置する操作部CPの前面よりも手前側の位置は、当該前面よりもX軸の正方向側の位置のことである。
【0061】
<制御部が印刷装置の状態を予め決められた第1状態へ遷移させる処理>
以下、
図15を参照し、制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第1状態へ遷移させる処理について説明する。ここで、第1状態は、印刷装置1の状態のうちユーザーが操作を行い易いと推定される状態の一例のことである。以下では、一例として、操作部CPが第2操作位置に位置しており、且つ、排紙トレイTRが待機位置に位置している場合の印刷装置1の状態が第1状態である場合について説明する。印刷装置1の状態が第1状態である場合、ユーザーは、操作部CPを視認し易く、排紙トレイTRが収納位置に位置している場合と比較して排紙トレイTRを積載位置へ移動させるのに要する時間を短くでき、排紙トレイTRが積載位置に位置している場合と比較して排紙トレイTRを収納位置へ移動させるのに要する時間を短くでき、排紙トレイTRと他の物体とが接触してしまうことを抑制することができる。このため、第1状態は、前述した通り、印刷装置1の状態のうちユーザーが操作を行い易いと推定される状態である。
【0062】
制御部16は、予め決められた第1条件が満たされた場合、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させる。第1条件は、印刷装置1の状態をユーザーが第1状態に遷移させたいと推定されるタイミングにおいて満たされる条件であれば、如何なる条件であってもよい。例えば、第1条件は、印刷装置1の電源が投入されたことである。この場合、制御部16は、印刷装置1の電源が投入された場合、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させる。その結果、ユーザーは、印刷装置1の電源の投入直後に、印刷装置1の状態を、ユーザーが操作を行い易いと推定される状態である第1状態へ遷移させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。なお、第1条件は、これに代えて、又は、これに加えて、節電モードから復帰すること、タッチパネルTPへのタッチ操作が行われたこと、収納部STの取り付け又は取り外しが光学式センサーで検出されたこと、手差しトレイへの印刷媒体の差し込みが光学式センサーで検出されたこと、印刷装置1に取り付けられたADF(Auto Document Feeder)2の載置台への原稿の載置が光学センサーで検出されたこと、印刷装置1のスキャナーの原稿台に原稿が載置されたこと等のうちの一部又は全部であってもよい。ここで、
図13は、ADF2が取り付けられた印刷装置1の様子の一例を示す図である。ADF2は、例えば、
図13に示したように、印刷装置1の上部に取り付けられる。
図13では、ADFの載置台は、閉じられている。
図14は、
図13に示したADF2の載置台21が開いている様子の一例を示す図である。なお、印刷装置1は、このようなADF2を取り付けることが可能な構成であってもよく、ADF2を取り付けることが不可能な構成であってもよい。また、スキャナーの原稿台は、スキャナーにより取られる原稿を載置する台のことである。スキャナーは、このような原稿台に原稿が載置されたか否かを検出し、且つ、原稿台に載置された原稿上の画像を示す画像情報を読み取る読取部の一例である。読取部は、例えば、原稿台に載置された原稿をプレスキャンすることにより、原稿台に原稿が載置されたか否かを検出する。なお、印刷装置1は、このようなスキャナーを備える構成であってもよく、スキャナーを備えない構成であってもよい。また、印刷装置1は、ユーザーからの操作に応じて、これらの複数の条件の中から1つ以上の条件を第1条件として選択可能な構成であってもよい。ここで、第1条件に複数の条件が含まれている場合、印刷装置1は、例えば、それら複数の条件のすべてが満たされることにより、第1条件が満たされたと判定してもよく、それら複数の条件のうちの少なくとも1つが満たされることにより、第1条件が満たされたと判定してもよい。また、第1条件が節電モードから復帰することである場合も、印刷装置1は、節電モードからの復帰直後に、印刷装置1の状態を、ユーザーが操作を行い易いと推定される状態である第1状態へ遷移させることができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0063】
図15は、制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第1状態へ遷移させる処理の流れの一例を示す図である。以下では、一例として、
図15に示したステップS110の処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、第1条件が満たされた場合について説明する。また、以下では、説明を簡略化するため、一例として、操作部CPの位置が第2操作位置ではない場合、操作部CPの位置が第1操作位置と一致している場合について説明する。
【0064】
第1条件が満たされた後、制御部16は、第1検出部S1による検出結果に応じて、操作部CPの位置が第2操作位置であるか否かを判定する(ステップS110)。
【0065】
制御部16は、操作部CPの位置が第1操作位置であると判定した場合(ステップS110-NO)、第4検出部S4による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを判定する(ステップS120)。
【0066】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であると判定した場合(ステップS120-YES)、予め決められた第1処理を行う(ステップS130)。
【0067】
ここで、
図16は、ステップS130の第1処理の流れの一例を示す図である。
【0068】
制御部16は、後述するステップS132の処理を行った回数を示すリトライ回数を格納するリトライ回数変数を記憶部12の記憶領域内に生成する。そして、制御部16は、生成したリトライ回数変数に格納された値を0に初期化する(ステップS131)。
図16では、ステップS131の処理を「リトライ回数初期化」によって示している。なお、制御部16は、ステップS131において、記憶部12にリトライ回数変数が記憶されている場合、リトライ回数変数の生成を省略する構成であってもよい。
【0069】
次に、制御部16は、図示しないキャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって待機位置へ移動させる(ステップS132)。これにより、印刷装置1は、規制部LMによる操作部CPの規制を解除し、且つ、操作部CPの位置を第1操作位置から第2操作位置へ回動させることができる。なお、制御部16は、ステップS132において、既にキャリッジが予め決められた位置に位置している場合、キャリッジの移動を省略する。
【0070】
次に、制御部16は、第2検出部S2による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が待機位置であるか否かを判定する(ステップS133)。
【0071】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が待機位置であると判定した場合(ステップS133-YES)、
図16に示したフローチャートの処理、すなわち、
図15に示したステップS130の処理を終了する。
【0072】
一方、制御部16は、排紙トレイTRの位置が待機位置ではないと判定した場合(ステップS133-NO)、前述のリトライ回数変数に格納されたリトライ回数の値を1増加させる(ステップS134)。
【0073】
次に、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えているか否かを判定する(ステップS135)。ここで、予め決められた閾値は、例えば、3であるが、1であってもよく、2であってもよく、4以上の整数であってもよい。
【0074】
制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えると判定した場合(ステップS135-YES)、異常が発生し、排紙トレイTRの位置を待機位置へ移動できないと判定し、排紙トレイTRの位置を待機位置へ移動できないことを示すエラーを通知する画像を生成し、生成した画像をタッチパネルTPに表示させる(ステップS136)。
図16では、ステップS136の処理を「エラー通知」によって示している。ステップS136の処理が行われた後、制御部16は、
図16に示したフローチャートの処理、すなわち、
図15に示したステップS130の第1処理を終了する。
【0075】
一方、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えていないと判定した場合(ステップS135-NO)、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ移動させる(ステップS137)。その後、制御部16は、ステップS132に遷移し、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって待機位置へ再び移動させる。
【0076】
以上のようなステップS130の処理が行われた後、制御部16は、
図15に示したフローチャートの処理を終了する。このように、印刷装置1は、操作部CPの位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置である場合に第1条件が満たされると、第1処理を行うことにより、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させることができる。
【0077】
一方、制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置ではないと判定した場合(ステップS120-NO)、予め決められた第2処理を行う(ステップS150)。
【0078】
ここで、
図17は、ステップS150の第2処理の流れの一例を示す図である。
【0079】
制御部16は、後述するステップS152~ステップS153の処理を行った回数を示すリトライ回数を格納するリトライ回数変数を記憶部12の記憶領域内に生成する。そして、制御部16は、生成したリトライ回数変数に格納された値を0に初期化する(ステップS151)。
図17では、ステップS151の処理を「リトライ回数初期化」によって示している。なお、制御部16は、ステップS151において、記憶部12にリトライ回数変数が記憶されている場合、リトライ回数変数の生成を省略する構成であってもよい。
【0080】
次に、制御部16は、キャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ移動させる(ステップS152)。これにより、印刷装置1は、規制部LMによる操作部CPの規制を解除し、且つ、操作部CPの位置を第1操作位置から第2操作位置へ回動させることができる。なお、制御部16は、ステップS152において、既にキャリッジが予め決められた位置に位置している場合、キャリッジの移動を省略する。
【0081】
次に、制御部16は、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって待機位置へ移動させる(ステップS153)。
【0082】
次に、制御部16は、第2検出部S2による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が待機位置であるか否かを判定する(ステップS154)。
【0083】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が待機位置であると判定した場合(ステップS154-YES)、
図17に示したフローチャートの処理、すなわち、
図15に示したステップS150の処理を終了する。
【0084】
一方、制御部16は、排紙トレイTRの位置が待機位置ではないと判定した場合(ステップS154-NO)、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数の値を1増加させる(ステップS155)。
【0085】
次に、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えているか否かを判定する(ステップS156)。なお、ステップS156における予め決められた閾値は、ステップS135における予め決められた閾値と異なる値であってもよく、ステップS135における予め決められた閾値と同じ値であってもよい。
【0086】
制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えると判定した場合(ステップS156-YES)、異常が発生し、排紙トレイTRの位置を待機位置へ移動できないと判定し、排紙トレイTRの位置を待機位置へ移動できないことを示すエラーを通知する画像を生成し、生成した画像をタッチパネルTPに表示させる(ステップS157)。
図17では、ステップS157の処理を「エラー通知」によって示している。ステップS157の処理が行われた後、制御部16は、
図17に示したフローチャートの処理、すなわち、
図15に示したステップS150の第2処理を終了する。
【0087】
一方、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えていないと判定した場合(ステップS156-NO)、ステップS152に遷移し、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ再び移動させる。
【0088】
以上のようなステップS150の処理が行われた後、制御部16は、
図15に示したフローチャートの処理を終了する。このように、印刷装置1は、操作部CPの位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置ではない場合に第1条件が満たされると、第2処理を行うことにより、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させることができる。
【0089】
一方、制御部16は、操作部CPの位置が第2操作位置であると判定した場合(ステップS110-YES)、第4検出部S4による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを判定する(ステップS140)。
【0090】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置ではないと判定した場合(ステップS140-NO)、ステップS150に遷移し、第2処理を行う。これにより、印刷装置1は、操作部CPの位置が第2操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置ではない場合に第1条件が満たされると、第2処理を行うことにより、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させることができる。
【0091】
一方、制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であると判定した場合(ステップS140-YES)、ステップS130に遷移し、第1処理を行う。これにより、印刷装置1は、操作部CPの位置が第2操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置である場合に第1条件が満たされると、第1処理を行うことにより、印刷装置1の状態を第1状態へ遷移させることができる。
【0092】
以上のように、印刷装置1は、排紙トレイTRの位置が収納位置であり、且つ、第1条件が満たされた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを待機位置へ移動させる。これにより、印刷装置1は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い第1状態へと遷移させることができる。
【0093】
なお、上記において説明した第1条件は、例えば、タッチパネルTPに表示された角度調整ボタンB1への選択操作を操作部CPが受け付けることであってもよい。
図18は、角度調整ボタンB1を含む画像P1の一例を示す図である。制御部16は、ユーザーから受け付けた操作に応じて画像P1を生成し、生成した画像P1をタッチパネルTPに表示させる。角度調整ボタンB1は、ステップS110の処理を開始させるボタンである。制御部16は、角度調整ボタンB1への選択操作を受け付けた場合、第1条件が満たされたと判定し、ステップS110の処理を開始する。これにより、ユーザーは、所望のタイミングで印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる。すなわち、この場合も、印刷装置1は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる。ここで、選択操作は、例えば、クリック、タップ等であるが、これらに限られるわけではない。また、制御部16は、角度調整ボタンB1と異なる他のボタンへ選択操作が行われた場合、第1条件が満たされたと判定してもよい。
【0094】
また、上記において説明した制御部16は、ステップS132の処理、及び、ステップS153の処理において、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって移動させ始め、その後、操作部CPの位置が第2操作位置であることを第1検出部S1が検出した場合、排紙トレイTRの移動を停止させ、停止した排紙トレイTRの位置を待機位置とする構成であってもよい。換言すると、この場合、待機位置は、ステップS132の処理、及び、ステップS153の処理において、排紙トレイTRが移動し始めた後に排紙トレイTRの移動が停止する位置として予め決められた位置である。これにより、印刷装置1は、ステップS132の処理、及び、ステップS153の処理において、操作部CPの位置を、より確実に第2操作位置へ回動させることができ、その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0095】
また、上記において説明した制御部16は、操作部CPの位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置である場合、操作部CPが所定の操作を受け付けると、操作部CPを第2操作位置へ回動させるか否かを問う情報D1を含む角度調整画像P2をタッチパネルTPに表示し、操作部CPを第2操作位置へ回動させることを示す操作を操作部CPが受け付けると、
図15に示したフローチャートの処理を開始する構成であってもよい。所定の操作は、如何なる操作であってもよく、例えば、タッチパネルTP上の任意の位置をタップする操作等であるが、これに限られるわけではない。
図19は、情報D1を含む角度調整画像P2の一例を示す図である。制御部16は、当該場合において操作部CPが所定の操作を受け付けると、角度調整画像P2を生成し、生成した角度調整画像P2をタッチパネルTPに表示させる。角度調整画像P2は、例えば、情報D1と、ボタンB2と、ボタンB3を含む画像である。なお、
図19では、情報D1は、「タッチパネルの角度を調整しますか?」によって示されている。ボタンB2は、操作部CPを第2操作位置へ回動させることを制御部16が受け付けるボタンである。制御部16は、ボタンB2への選択操作を受け付けた場合、操作部CPを第2操作位置へ回動させることを受け付け、
図15に示したフローチャートの処理を開始する。一方、ボタンB3は、操作部CPを第2操作位置へ回動させないことを制御部16が受け付けるボタンである。制御部16は、ボタンB3への選択操作を受け付けた場合、操作部CPを第2操作位置へ回動させないことを受け付け、
図15に示したフローチャートの処理を開始させず、角度調整画像P2の表示をタッチパネルTPから削除する。これにより、印刷装置1は、より確実に、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる。なお、制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であり、且つ、第1条件が満たされた場合、角度調整画像P2を表示し、角度調整画像P2を介して操作部CPが受け付けた操作に応じて、
図15に示したフローチャートの処理を開始する構成であってもよい。この場合、印刷装置1は、ユーザーが印刷装置1の状態を第1状態に遷移させたくないにもかかわらず、印刷装置1の状態を第1状態に遷移させてしまうことを抑制することができる。
【0096】
<制御部が印刷装置の状態を予め決められた第1状態へ遷移させる処理の変形例>
制御部16は、
図15に示したフローチャートの処理によって印刷装置1の状態を第1状態に遷移させる構成に代えて、
図20に示したフローチャートの処理によって印刷装置1の状態を第2状態に遷移させる構成であってもよい。ここで、第2状態は、印刷装置1の状態のうちユーザーが操作を行い易いと推定される状態の他の例のことである。以下では、一例として、操作部CPが第2操作位置に位置しており、且つ、排紙トレイTRが収納位置に位置している場合の印刷装置1の状態が第2状態である場合について説明する。印刷装置1の状態が第2状態である場合、ユーザーは、操作部CPを視認し易く、排紙トレイTRと他の物体とが接触してしまうことを抑制することができる。このため、第2状態は、前述した通り、印刷装置1の状態のうちユーザーが操作を行い易いと推定される状態である。そこで、以下では、
図20を参照し、制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第2状態へ遷移させる処理について説明する。なお、この場合も、制御部16は、前述の第1条件が満たされた場合、印刷装置1の状態を第2状態へ遷移させる。
【0097】
図20は、制御部16が印刷装置1の状態を予め決められた第2状態へ遷移させる処理の流れの一例を示す図である。以下では、一例として、
図20に示したステップS110の処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、第1条件が満たされた場合について説明する。また、以下では、説明を簡略化するため、一例として、操作部CPの位置が第2操作位置ではない場合、操作部CPの位置が第1操作位置と一致している場合について説明する。なお、
図20に示したステップS110の処理は、
図15に示したステップS110の処理と同様の処理である。また、
図20に示したステップS120の処理は、
図15に示したステップS120の処理と同様の処理である。また、
図20に示したステップS140の処理は、
図15に示したステップS140の処理と同様の処理である。これらのため、以下では、
図20に示したステップS110、ステップS120、ステップS140それぞれの処理についての説明を省略する。
【0098】
制御部16は、
図20に示したステップS120において排紙トレイTRの位置が収納位置であると判定した場合(ステップS120-YES)、予め決められた第3処理を行う(ステップS310)。
【0099】
ここで、
図21は、ステップS310の第3処理の流れの一例を示す図である。
【0100】
制御部16は、後述するステップS312~ステップS313の処理を行った回数を示すリトライ回数を格納するリトライ回数変数を記憶部12の記憶領域内に生成する。そして、制御部16は、生成したリトライ回数変数に格納された値を0に初期化する(ステップS311)。
図21では、ステップS311の処理を「リトライ回数初期化」によって示している。なお、制御部16は、ステップS311において、記憶部12にリトライ回数変数が記憶されている場合、リトライ回数変数の生成を省略する構成であってもよい。
【0101】
次に、制御部16は、図示しないキャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって積載位置へ移動させる(ステップS312)。これにより、印刷装置1は、規制部LMによる操作部CPの規制を解除し、且つ、操作部CPの位置を第1操作位置から第2操作位置へ回動させることができる。なお、制御部16は、ステップS312において、既にキャリッジが予め決められた位置に位置している場合、キャリッジの移動を省略する。
【0102】
次に、制御部16は、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ移動させる(ステップS313)。
【0103】
次に、制御部16は、第4検出部S4による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを判定する(ステップS314)。
【0104】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であると判定した場合(ステップS314-YES)、
図21に示したフローチャートの処理、すなわち、
図20に示したステップS310の処理を終了する。
【0105】
一方、制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置ではないと判定した場合(ステップS314-NO)、前述のリトライ回数変数に格納されたリトライ回数の値を1増加させる(ステップS315)。
【0106】
次に、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えているか否かを判定する(ステップS316)。なお、ステップS316における予め決められた閾値は、ステップS135における予め決められた閾値と、ステップS156における予め決められた閾値とのうちの少なくとも一方と異なる値であってもよく、ステップS135における予め決められた閾値と、ステップS156における予め決められた閾値とのうちの少なくとも一方と同じ値であってもよい。
【0107】
制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えると判定した場合(ステップS316-YES)、異常が発生し、排紙トレイTRの位置を待機位置へ移動できないと判定し、排紙トレイTRの位置を収納位置へ移動できないことを示すエラーを通知する画像を生成し、生成した画像をタッチパネルTPに表示させる(ステップS317)。
図21では、ステップS317の処理を「エラー通知」によって示している。ステップS317の処理が行われた後、制御部16は、
図21に示したフローチャートの処理、すなわち、
図20に示したステップS310の第3処理を終了する。
【0108】
一方、制御部16は、リトライ回数変数に格納されたリトライ回数が予め決められた閾値を超えていないと判定した場合(ステップS316-NO)、ステップS312に遷移し、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって積載位置へ再び移動させる。
【0109】
以上のようなステップS310の処理が行われた後、制御部16は、
図20に示したフローチャートの処理を終了する。このように、印刷装置1は、操作部CPの位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイTRの位置が収納位置である場合に第1条件が満たされると、第3処理を行うことにより、印刷装置1の状態を第2状態へ遷移させることができる。
【0110】
一方、制御部16は、
図20に示したステップS120において排紙トレイTRの位置が収納位置ではないと判定した場合(ステップS120-NO)、図示しないキャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ移動させる(ステップS320)。
【0111】
次に、制御部16は、第4検出部S4による検出結果に応じて、排紙トレイTRの位置が収納位置であるか否かを判定する(ステップS330)。
【0112】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であると判定した場合(ステップS330-YES)、
図20に示したフローチャートの処理を終了する。
【0113】
制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置ではないと判定した場合(ステップS330-NO)、ステップS310に遷移し、前述の第3処理を行う。
【0114】
以上のように、印刷装置1は、排紙トレイTRの位置が収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを積載位置へ移動させ、その後、排紙トレイTRを収納位置へ移動させる。これにより、印刷装置1は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い第2状態へと遷移させることができる。
【0115】
なお、制御部16は、
図21に示したフローチャートの処理に代えて、
図22に示したフローチャートの処理をステップS310の第3処理として行う構成であってもよい。
図22は、第3処理の流れの他の例を示す図である。なお、
図22に示したステップS311の処理は、
図21に示したステップS311の処理と同様の処理である。また、
図22に示したステップS313~ステップS317の処理は、
図21に示したステップS313~ステップS317の処理と同様の処理である。これらのため、以下では、
図21に示したステップS311、ステップS313~ステップS317それぞれの処理についての説明を省略する。
【0116】
図22に示したステップS311の処理が行われた後、制御部16は、図示しないキャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって待機位置へ移動させる(ステップS318)。これにより、印刷装置1は、第3処理において、排紙トレイTRを移動させる距離を短くすることができ、その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【0117】
<印刷指示を受け付けた場合において制御部が排紙トレイを移動させる処理>
ここで、制御部16は、印刷指示を受け付けた場合、排紙トレイTRを積載位置へ移動させる。具体的には、制御部16は、例えば、第1条件が満たされておらず、且つ、印刷部PRによる印刷指示を受け付けた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを積載位置へ移動させる。また、制御部16は、例えば、
図15に示したフローチャートの処理において排紙トレイTRを収納位置から待機位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、又は、
図20に示したフローチャートの処理において排紙トレイTRを収納位置から積載位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを積載位置へ移動させる。そこで、以下では、
図23を参照し、印刷指示を受け付けた場合において制御部16が排紙トレイTRを移動させる処理について説明する。
図23は、印刷指示を受け付けた場合において制御部16が排紙トレイTRを移動させる処理の流れの一例を示す図である。
【0118】
制御部16は、印刷指示を受け付けるまで待機する(ステップS410)。
【0119】
制御部16は、印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS410-YES)、現在実行されている他の処理が終了するまで待機するか否かを判定する(ステップS420)。例えば、制御部16は、予め決められた1以上の処理のうちの少なくとも1つが現在実行中であった場合、ステップS420において、現在実行されている他の処理が終了するまで待機すると判定する。一方、例えば、制御部16は、当該1以上の処理の全部が現在実行中ではなかった場合、ステップS420において、現在実行されている他の処理が終了するまで待機しないと判定する。ここで、当該1以上の処理は、例えば、
図15に示したフローチャートの処理のうち、排紙トレイTRを収納位置から待機位置まで移動させ始める前までの処理、
図20に示したフローチャートの処理のうち、排紙トレイTRを収納位置から積載位置まで移動させ始める前までの処理等であるが、これら限られるわけではない。
【0120】
制御部16は、現在実行されている他の処理が終了するまで待機すると判定した場合(ステップS420-YES)、当該他の処理が終了するまで待機し、その後、ステップS430に遷移する。
【0121】
一方、制御部16は、現在実行されている他の処理が終了するまで待機しないと判定した場合(ステップS420-NO)、図示しないキャリッジを予め決められた位置へ移動させてから紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第1方向に向かって積載位置へ移動させる(ステップS430)。これにより、印刷装置1は、印刷のスループットを向上させることができ、その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。なお、制御部16は、当該場合、且つ、第3検出部S3による検出結果に応じて、排紙トレイTRが積載位置に位置していると判定した場合、ステップS430の処理を省略する。また、制御部16は、ステップS312において、既にキャリッジが予め決められた位置に位置している場合、キャリッジの移動を省略する。ステップS430の処理が行われた後、制御部16は、ステップ
図23に示したフローチャートの処理を終了する。
【0122】
以上のように、印刷装置1は、第1条件が満たされておらず、且つ、印刷部PRによる印刷指示を受け付けた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを積載位置へ移動させる。また、印刷装置1は、
図15に示したフローチャートの処理において排紙トレイTRを収納位置から待機位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、又は、
図20に示したフローチャートの処理において排紙トレイTRを収納位置から積載位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを積載位置へ移動させる。これにより、印刷装置1は、印刷のスループットを向上させることができ、その結果、ユーザーの利便性を向上させることができる。また、印刷装置1が
図23に示したフローチャートの処理を行うため、印刷装置1は、排紙トレイTRが収納位置に位置している場合において印刷指示を受け付けると、印刷後においてユーザーが操作を行い易くすることができる。
【0123】
なお、
図23に示したステップS410の処理は、印刷指示を受け付けたか否かを判定する処理に代えて、他の条件が満たされたか否かを判定する処理であってもよい。ここで、当該他の条件は、例えば、スキャナーの原稿台が開かれたこと等であるが、これに限られるわけではない。
【0124】
また、上記において説明した印刷装置1は、第1条件が満たされた場合において
図15又は
図20に示したフローチャートの処理を行うか否かをユーザーが選択可能な構成であってもよい。
【0125】
また、上記において説明した印刷装置1は、第1検出部S1を備えない構成であってもよい。この場合、印刷装置1は、例えば、排紙トレイTRの位置によって操作部CPの位置が第1操作位置であるか否かを判定する。
【0126】
また、上記において説明した印刷装置1は、印刷装置1の電源をオフにする操作を受け付けた場合、且つ、排紙トレイTRが収納位置に位置していない場合、排紙トレイTRを収納するか否かを示す操作を受け付ける画像をタッチパネルTPに表示させる構成であってもよい。この場合、印刷装置1は、排紙トレイTRを収納することを示す操作を、当該画像を介して受け付けると、キャリッジを予め決められた位置へ移動させた後に紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを第2方向に向かって収納位置へ移動させる。その後、印刷装置1は、印刷装置1の電源をオフにする。なお、印刷装置1は、排紙トレイTRが収納位置に位置している場合において印刷装置1の電源をオフにする操作を受け付けると、排紙トレイTRを移動させずに印刷装置1の電源をオフにする。
【0127】
また、印刷装置1は、第1条件が満たされた場合において、操作部CPの位置を、第1操作位置から第2操作位置へ回動させる構成に代えて、2以上の位置のうちユーザーにより指定された位置へ操作部CPを第1操作位置から回動させることが可能な構成であってもよい。
【0128】
また、印刷装置1は、排紙トレイTRが収納位置に位置しているか否かを、第2検出部S2~第4検出部S4のうちの2つ以上の組み合わせの検出結果に応じて判定する構成であってもよい。
【0129】
また、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
【0130】
以上説明したように、実施形態に係る印刷装置1は、印刷装置であって、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部PRと、印刷装置1が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、設置面に対して第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部CPと、設置面と直交する方向のうち設置面から印刷装置1に向かう方向を高さ方向とし、高さ方向において、回動軸AX1よりも下方に設けられ、高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイTRと、排紙トレイTRを移動させる紙送りモーターMVと、排紙トレイTRの移動に応じて操作部CPを第1操作位置から第2操作位置へ回動させる回動機構RTと、印刷部PRと操作部CPと紙送りモーターMVとを制御する制御部16と、を備え、排紙トレイTRは、排紙トレイTRが印刷装置1の筐体内に収納される収納位置と、排出された印刷媒体を受け付ける積載位置と、積載位置より収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、回動機構RTは、操作部CPの位置が第1操作位置であり、且つ、排紙トレイTRが収納位置と待機位置との間を移動した場合、操作部CPを第1操作位置から第2操作位置へ回動させ、制御部16は、排紙トレイTRの位置が収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、紙送りモーターMVを制御し、排紙トレイTRを待機位置へ移動させる。これにより、印刷装置1は、ユーザーが所望するタイミングで、印刷装置1の状態をユーザーが操作を行い易い状態へと遷移させることができる。
【0131】
<付記>
[1]
印刷装置であって、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御を行う、印刷装置。
[2]
前記第1操作位置から前記第2操作位置への前記操作部の回動を規制する規制部を備え、前記規制部は、前記待機位置、又は、前記待機位置と前記収納位置との間の位置を規制解除位置とし、前記第1操作位置における前記操作部の回動を規制している場合において、前記排紙トレイの位置が前記規制解除位置と一致した場合、前記第1操作位置から前記第2操作位置への前記操作部の回動の規制を解除する、[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記第1制御は、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させた後、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させる制御である、[1]又は[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記制御部は、前記第1条件が満たされておらず、且つ、前記印刷部による印刷指示を受け付けた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させる第2制御を行う、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[5]
前記第1条件は、前記印刷装置の電源が投入されたことである、[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[6]
前記操作部は、タッチパネルを含み、前記第1条件は、前記タッチパネルに表示された角度調整ボタンへの選択操作を前記操作部が受け付けることである、[1]から[5]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[7]
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部を備え、前記制御部は、前記第1条件が満たされた場合、前記第1制御において、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記第1方向に向かって移動させ始め、その後、前記操作部の位置が前記第2操作位置であることを前記第1検出部が検出した場合、前記排紙トレイの移動を停止させ、前記待機位置は、前記第1制御において、前記排紙トレイが移動し始めた後に前記排紙トレイの移動が停止する位置として予め決められた位置である、[1]から[6]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[8]
前記待機位置に位置する前記排紙トレイが有する端部のうち前記第1方向側の端部は、前記第2操作位置における前記操作部が有する端部のうち前記第1方向側の端部よりも前記第1方向と逆の方向側に位置する、[1]から[7]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[9]
前記第1方向に向かって前後方向に移動可能であり、且つ、前記印刷媒体を収納する収納部を備え、前記待機位置に位置する前記排紙トレイが有する端部のうち前記第1方向側の端部は、前記収納部が有する端部のうち前記第1方向側の端部よりも前記第1方向と逆の方向側に位置する、[1]から[8]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[10]
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部と、前記排紙トレイの位置が前記待機位置であるか否かを検出する第2検出部と、前記排紙トレイの位置が前記積載位置であるか否かを検出する第3検出部と、を備え、前記制御部は、前記第1検出部による検出結果に応じて前記操作部の位置が前記第2操作位置であると判定し、且つ、前記第2検出部又は前記第3検出部による検出結果に応じて前記排紙トレイの位置が前記収納位置ではないと判定した場合において、前記第1条件が満たされると、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させてから前記待機位置へ移動させる第3制御を行う、[1]に記載の印刷装置。
[11]
前記操作部の位置が前記第2操作位置である否かを検出する第1検出部と、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であるか否かを検出する第4検出部と、を備え、前記制御部は、前記第1検出部による検出結果に応じて前記操作部の位置が前記第1操作位置であると判定し、且つ、前記第4検出部による検出結果に応じて前記排紙トレイの位置が前記収納位置ではないと判定した場合において、前記第1条件が満たされると、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させてから前記待機位置へ移動させる第4制御を行う、[1]から[10]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[12]
前記制御部は、前記第1制御において、前記排紙トレイを前記収納位置から前記待機位置まで移動させ始める前に印刷指示を受け付けた場合、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させる、[1]から[11]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[13]
前記第1条件は、ADF(Auto Document Feeder)の載置台に載置された原稿が媒体検出部で検出されることである、[1]から[12]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[14]
読み取られる原稿が載置される原稿台と、前記原稿台に原稿が載置されたか否かを検出し、且つ、前記原稿台に載置された原稿上の画像を示す画像情報を読み取る読取部と、を備え、前記第1条件は、前記読取部が前記原稿台に原稿が載置されたことを検出することである、[1]から[13]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[15]
前記操作部は、タッチパネルを含み、前記制御部は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイの位置が前記収納位置である場合、前記操作部が操作を受け付けると、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させるか否かを問う情報を前記タッチパネルに表示し、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させることを示す操作を前記操作部が受け付けると、前記第1制御を行う、[1]から[14]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[16]
前記第1操作位置に位置する前記操作部は、前記第1方向において、前記待機位置に位置する前記排紙トレイと重なっている、[1]から[15]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[17]
前記排紙トレイに設けられたラック歯車と、前記ラック歯車と係合するカム付歯車と、前記カム付歯車のカム部と係合するレバー部材と、を備え、前記レバー部材の押圧部は、前記排紙トレイの移動に応じて前記ラック歯車により回転する前記カム付歯車の回転により、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ移動させる、[1]から[16]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[18]
前記操作部は、タッチパネルを含み、前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、前記第1条件が満たされた場合、前記操作部を前記第2操作位置へ回動させるか否かを問う情報を含む角度調整画像を前記タッチパネルに表示し、前記角度調整画像を介して前記操作部が受け付けた操作に応じて、前記第1制御を行う、[1]から[17]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[19]
印刷装置であって、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、前記印刷部と前記操作部と前記移動部とを制御する制御部と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記積載位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御部は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記積載位置へ移動させ、その後、前記排紙トレイを前記収納位置へ移動させる第3制御を行う、印刷装置。
[20]
印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置は、印刷媒体上への画像の印刷を行う印刷部と、前記印刷装置が設置される設置面に対して予め決められた第1角度で傾斜する第1操作位置と、前記設置面に対して前記第1角度よりも小さな第2角度で傾斜する第2操作位置とのそれぞれへ、回動軸周りに回動可能であり、且つ、操作を受け付ける操作部と、前記設置面と直交する方向のうち前記設置面から前記印刷装置に向かう方向を高さ方向とし、前記高さ方向において、前記回動軸よりも下方に設けられ、前記高さ方向と交差する第1方向に向かって前後方向に移動可能な排紙トレイと、前記排紙トレイを移動させる移動部と、前記排紙トレイの移動に応じて前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させる回動機構と、を備え、前記排紙トレイは、前記排紙トレイが前記印刷装置の筐体内に収納される収納位置と、排出された前記印刷媒体を受け付ける積載位置と、前記積載位置より前記収納位置に近い位置のうち予め決められた待機位置とのそれぞれに移動可能であり、前記回動機構は、前記操作部の位置が前記第1操作位置であり、且つ、前記排紙トレイが前記収納位置と前記待機位置との間を移動した場合、前記操作部を前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動させ、前記制御方法は、前記排紙トレイの位置が前記収納位置であり、且つ、予め決められた第1条件が満たされた場合、前記移動部を制御し、前記排紙トレイを前記待機位置へ移動させる第1制御ステップを有する、制御方法。
【0132】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0133】
また、以上に説明した装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここで、当該装置は、例えば、印刷装置1等である。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0134】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…印刷装置、11…プロセッサー、12…記憶部、13…入力受付部、14…通信部、15…表示部、16…制御部、21…載置台、CL1…係合部、CM…カム部、CN…接触部、CP…操作部、G1…ラック歯車、G2…カム付歯車、LM…規制部、LM1…ロックピン、LV1…レバー部材、LV2…レバー部材、MV…モーター、PR…印刷部、RT…回動機構、S1…第1検出部、S2…第2検出部、S3…第3検出部、S4…第4検出部、SP1…第1付勢部材、SP2…第2付勢部材、ST…収納部、TC…三次元座標系、TP…タッチパネル、TR…排紙トレイ、W1…板状部材