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  • 特開-産卵床及び卵保護方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071837
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】産卵床及び卵保護方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/17 20170101AFI20240520BHJP
   A01K 63/00 20170101ALI20240520BHJP
【FI】
A01K61/17
A01K63/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182287
(22)【出願日】2022-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】520210996
【氏名又は名称】岩山 直敏
(72)【発明者】
【氏名】岩山 直敏
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA03
2B104BA02
2B104BA03
2B104CB41
(57)【要約】
【課題】稚魚が生まれるまで間、同じ水槽内で卵を保護することにより採卵の手間を軽減することを可能とする産卵床及び卵保護方法を提供する。
【解決手段】 水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、複数の棒状の部材からなり、上部が孔部に着脱可能に取り付けられる脚部と、開口部を備えた袋状を呈し、開口部が基部の周囲を囲んだ状態で基部の下側に内部空間を形成するように基部に着脱可能に取り付けられる網部材と、を有する産卵床とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、
複数の棒状の部材からなり、上部が前記孔部に着脱可能に取り付けられる脚部と、
開口部を備えた袋状を呈し、前記開口部が前記基部の周囲を囲んだ状態で前記基部の下側に内部空間を形成するように前記基部に着脱可能に取り付けられる網部材と、を有する産卵床。
【請求項2】
前記基部の側部に前記開口部が嵌り込む溝部が形成されている請求項1に記載の産卵床。
【請求項3】
前記孔部を塞ぐ蓋部材を更に有する請求項1に記載の産卵床。
【請求項4】
卵からふ化した小魚を前記網部材から外に出すための解放穴が前記網部に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の産卵床。
【請求項5】
水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、複数の棒状の部材からなり、上部が前記孔部に着脱可能に取り付けられた脚部とを有する産卵床に卵が産み付けられた後に、
開口部を備えた袋状を呈した網部材を、前記開口部が前記基部の周囲を囲んだ状態で前記基部の下側に内部空間を形成するように前記基部に着脱可能に取り付けることにより前記卵を親魚から保護するステップを含む卵保護方法。
【請求項6】
前記脚部を水よりも密度の高い素材から形成するステップと、
前記産卵床に卵が産み付けられた後、前記網部材を前記基部に着脱可能に取り付ける際に、前記脚部を前記基部から取り外し、前記網部材の内側に配置するステップと、を更に含む請求項5に記載の卵保護方法。
【請求項7】
前記孔部を蓋部材により塞ぐステップを更に含む請求項5に記載の卵保護方法。
【請求項8】
前記網部材に解放穴を形成するステップと、
前記卵からふ化した小魚を前記解放穴から前記網部材の外に出すステップと、を更に含む請求項5から7のいずれか一項に記載の卵保護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダカ等の魚に使用される産卵床に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダカ等の産卵床として、水面近くに浮かせて使用するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-42490
【特許文献2】特開2019-129753
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の産卵床は、魚が産卵した際に親魚が卵や稚魚を食べてしまう為に、採卵の手間や別の容器に移すなど保管場所の問題があった。
【0005】
そこで、本発明においては、稚魚が生まれるまで間、同じ水槽内で卵を保護することにより採卵の手間を軽減することを可能とする産卵床及び卵保護方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、
複数の棒状の部材からなり、上部が前記孔部に着脱可能に取り付けられる脚部と、
開口部を備えた袋状を呈し、前記開口部が前記基部の周囲を囲んだ状態で前記基部の下側に内部空間を形成するように前記基部に着脱可能に取り付けられる網部材と、を有する産卵床とする。
【0007】
水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、複数の棒状の部材からなり、上部が前記孔部に着脱可能に取り付けられた脚部とを有する産卵床に卵が産み付けられた後に、
開口部を備えた袋状を呈した網部材を、前記開口部が前記基部の周囲を囲んだ状態で前記基部の下側に内部空間を形成するように前記基部に着脱可能に取り付けることにより前記卵を親魚から保護するステップを含む卵保護方法とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、採卵の手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の実施形態に係る産卵床の分解図である。
図2】本願の実施形態に係る産卵床を示す側面図である。
図3】本願の実施形態に係る産卵床の脚部を基部から取り外して網部材内に配置した状態を示す側面図である。
図4】本願の実施形態に係る産卵床の基部の側部に形成された溝部を示す側面図である。
図5】本願の実施形態に係る産卵床の基部の孔部を蓋部材により塞いだ状態を示す平面図である。
図6】本願の変形例に係る産卵床を示す側面図である。
図7】本願の変形例に係る産卵床の孔部を閉じた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の第1実施形態に係る産卵床について説明する。本実施形態に係る産卵床は、水よ りも密度の低い素材から形成され、 中央に孔部が形成された基部と、複数の棒状の部材か らなり、上部が孔部に着脱可能に取り付けられる脚部と、開口部を備えた袋状を呈し、開口部が基部の周囲を囲んだ状態で基部の下側に内部空間を形成するように基部に着脱可能に取り付けられる網部材とを有する。なお、本願において上下を言うときは、産卵床を水に入れて使用している状態における上下を意味するものとする。
【0011】
産卵床は、図4に示すように、基部の側部に開口部が嵌り込む溝部が形成されていることが好ましい。これにより、親魚が網部材内に侵入することを確実に防ぎながら、基部と網部材との結合を強固なものとすることができる。
【0012】
産卵床は、図5に示すように、孔部を塞ぐ蓋部材を更に有することが好ましい。これにより、脚部を基部から取り外して網部材の内側に配置した場合であっても、水面を跳ねた親魚が基部の孔部から網部材の内側に侵入することを防ぐことができる。蓋部材としては、例えば、テープ若しくはコーキング等の接着物、石油製の蓋、コルクを用いることができる。孔部を通して中が見えやすいように透明なテープ若しくはドーム状の透明物で塞いでも良い。
【0013】
次に、本実施形態に係る産卵床を使用した卵保護方法について説明する。卵保護方法は、水よりも密度の低い素材から形成され、中央に孔部が形成された基部と、複数の棒状の部材からなり、上部が孔部に着脱可能に取り付けられた脚部とを有する産卵床に、卵が産み付けられた後に、図2に示すように、開口部を備えた袋状を呈した網部材を、開口部が基部の周囲を囲んだ状態で基部の下側に内部空間を形成するように基部に着脱可能に取り付けることにより卵を親魚から保護するステップを含む。網部材は、例えば、紐若しくは結束バンド、金具、押しピン、ゴムひも等で基部に取り付けることができる。網をはる事により、親魚が稚魚や卵を食べるのを防ぐと共に採卵の手間を軽減することができる。
【0014】
卵保護方法は、脚部を水よりも密度の高い素材から形成するステップと、産卵床に卵が産み付けられた後、網部材を基部に着脱可能に取り付ける際に、図3に示すように脚部を基部から取り外し、網部材の内側に配置するステップと、を更に含むことが好ましい。これにより、脚部が重りとなり、網部材の内部空間を安定して確保することができる。
【0015】
卵保護方法は、図5に示すように、孔部を蓋部材により塞ぐステップを更に含むことが好ましい。これにより、脚部を基部から取り外して網部材の内側に配置した場合であっても、水面を跳ねた親魚が基部の孔部から網部材の内側に侵入することを防ぐことができる。蓋部材としては、例えば、テープ若しくはコーキング等の接着物、石油製の蓋、コルクを用いることができる。孔部を通して中が見えやすいように透明なテープ若しくはドーム状の透明物で塞いでも良い。
【0016】
次に、図6及び図7を参照して本願の変形例に係る産卵床について説明する。本変形例に係る産卵床は、網部材の一部(図6の右下部分)に解放穴が形成されている点において上記実施形態とは異なる。
【0017】
この解放穴は、卵からふ化した小魚を網部材から外に出すために使用することができる。図7に示すように、解放穴を使用しないときはクリップ、ピン、ファスナー、面ファスナー等の係合手段によって閉じておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7