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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071849
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】ハンドガード
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/06 20060101AFI20240520BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B62B5/06 Z
B62B5/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182304
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】398075851
【氏名又は名称】株式会社ホシプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104581
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 伊章
(72)【発明者】
【氏名】星川 和胤
(72)【発明者】
【氏名】藤川 久瑠美
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050GG06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】手押し台車において手を防護し、台車のハンドルのパイプ径が異なっていても簡単に着脱ができるハンドガードを提供する。
【解決手段】手押し台車のハンドルに取り付けるハンドガードであって、ハンドガードは、ハンドルを構成するパイプ体を挟むように取り付けられる第一鍔部材100と第二鍔部材101からなり、各鍔部材は、鍔部材の奥行き方向にスライドすると互いに篏合する凹凸状接合部200a,200b,201a,201b,202a,202b,203a,203bを有し、第一鍔部材はパイプ体への接触を調節する調節ねじ部102を有し、第二鍔部材は、第二鍔部材の内周面に滑り止めシート110が貼られていることを特徴とするハンドガード。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手押し台車のハンドルに取り付けるハンドガードであって、
前記ハンドガードは、前記ハンドルを構成するパイプ体を挟むように取り付けられる第一鍔部材と第二鍔部材からなり、
前記各鍔部材は、鍔部材の奥行き方向にスライドすると互いに篏合する凹凸状接合部を有し、
前記第一鍔部材はパイプ体への接触を調節する調節ねじ部を有し、
前記第二鍔部材は、前記第二鍔部材の内周面に滑り止めシートが貼られている
ことを特徴とするハンドガード。
【請求項2】
前記第一鍔部材の前記調節ねじ部は、ねじ、ダイヤル及び押さえ板を有し、
前記ダイヤルは前記第一鍔部材の第一穴部の位置にあり、
ダイヤルと噛み合う前記ねじは第二穴部を貫通しており、内周面にある押さえ板と一体化しており、
前記ダイヤルを締め方向に回すと前記ねじと前記押さえ板が下方向に降りてきて前記パイプ体を押さえる
ことを特徴とする請求項1記載のハンドガード。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押し台車において手を防護し、台車のハンドルのパイプ径が異なっていても簡単に着脱ができるハンドガードに関する。
【背景技術】
【0002】
手押し台車で荷物を運ぶ際、台車のハンドルの水平部分を握って運ぶが、その際に台車の角の部分に手が移動すると、壁にぶつかり手に怪我をすることがある。そこで、台車のハンドルの水平部分のみで持てるように、手が台車のハンドルの角に行かないようにするための手の防護具が必要となる。従来の手の防護具としては、ハンドルを構成するパイプ体を挟むように取り付けられる一対の鍔部材のもの、一対でなく一体型でありパイプ材に鍔部材を通して嵌合するものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―104705
【特許文献2】特開2022―022535
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、手の防護具として、手押し台車のハンドルを構成するパイプ体を挟むように取り付けられる一対の鍔部材と、これら鍔部材を連結する連結部材とからなると共に、各鍔部材のパイプ体に接する内周面に、円弧状の小径面と、この小径面よりも径が大きい大径面とを形成する。これによってハンドルのパイプ径が異なっていてもその表面に面接触してしっかりと取り付けることができる。しかし、一対の鍔部材を挟むように取り付けており、鍔部材を連結するボルトとナットの連結部材が必要となる。部材を連結する操作に手間がかかるため、連結部材が不要な構造が望まれるものである。
【0005】
特許文献2は、パイプ材に容易に嵌合・離脱でき、パイプ材に嵌合してハンドガードとなるものである。パイプ材に嵌合される鍔部材において、パイプ材Bに嵌合する内周部と、この内周部の外側を取り巻く外周部と、内周部と外周部とを連結する架橋部とが弾性材料で一体成形されており、前記内周部には、パイプ材Bの外径より大径の嵌合穴と、この嵌合穴から径内方向に突出していてパイプ材の外周面に圧接される圧接部とが形成されている。
特許文献2は特許文献1と違い、鍔部材が一対でなく一体型であり、連結部材は不要である。しかし、パイプ材を台車から抜く必要があるので、それほど容易に嵌合・離脱可能ではない。また、幅広いパイプ径に対応していない。よって、パイプ材を台車から抜く必要がなく、幅広いパイプ径に対応する構造であることが望まれるものである。
【0006】
したがって、ハンドガードとしては、連結部材が不要な構造で、台車のハンドルのパイプ径が異なっていても使用でき、パイプ材を台車から抜く必要がないハンドガードであることが求められる。
【0007】
この発明の目的は、手押し台車において手を防護し、台車のハンドルのパイプ径が異なっていても簡単に着脱ができるハンドガードを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するため、本発明は、手押し台車のハンドルに取り付けるハンドガードであって、 前記ハンドガードは、前記ハンドルを構成するパイプ体を挟むように取り付けられる第一鍔部材と第二鍔部材からなり、前記各鍔部材は、鍔部材の奥行き方向にスライドすると互いに嵌合する凹凸状接合部を有し、前記第一鍔部材はパイプ体への接触を調節する調節ねじ部を有し、前記第二鍔部材は前記第二鍔部材の内周面に滑り止めシートが貼られていることを特徴とするハンドガードを採用した。
【0009】
また、前記第一鍔部材の前記調節ねじ部は、ねじ、ダイヤル及び押さえ板を有し、前記ダイヤルは前記第一鍔部材の第一穴部の位置にあり、ダイヤルと噛み合う前記ねじは第二穴部を貫通しており、内周面にある押さえ板と一体化しており、前記ダイヤルを締め方向に回すと前記ねじと前記押さえ板が下方向に降りてきて前記パイプ体を押さえることを特徴とするハンドガードである。
【発明の効果】
【0010】
ハンドガードを取り付ける際には、台車のハンドルのパイプ体に上方から第一鍔部材をあて、パイプ体を挟み込むようにしながら、第二鍔部材を鍔部材の奥行き方向にスライドし、第一鍔部材の凹凸状接合部に第二鍔部材の凹凸状接合部を篏合させる。パイプ径にあわせる最終の調節は、第一鍔部材の調節ねじ部により行う。また、前記第二鍔部材の内周面に滑り止めシートが貼られていることにより、パイプ体にしっかり固定できる。
【0011】
特許文献1では、鍔部材を連結するボルトとナットの連結部材が必要となる。しかし、本発明は、第一鍔部材の接合部に第二鍔部材の凹凸状接合部を互いにスライドして篏合させ、調節ねじ部で締める。すなわち、ボルトとナットの連結材が不要で、取り付けが簡単である。また特許文献1では表面に面接触してしっかりと取り付けるために、鍔部材のパイプ体に接する内周面に円弧状の小径面とこの小径面よりも径が大きい大径面とを形成する。しかし、本発明は、前記第二鍔部材は内周面に滑り止めシートを貼ることで、表面に面接触してしっかりと取り付けることをより容易に解決した。
【0012】
特許文献2は、パイプ体を台車から抜く必要があるが、本発明は第一鍔部材にパイプ体を挟み込むようにしながら第二鍔部材を取り付けるので、パイプ体を台車から抜く必要がない。また、前記記第一鍔部材はパイプへの接触を調節する調節ねじ部を有しており、前記第二鍔部材の内周面に滑り止めシートを貼るので、幅広いパイプ径に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のハンドガードを取り付けた台車2のハンドルの一実施形態を示す斜視図である。
図2】ハンドガードの正面図である。
図3】ハンドガードの平面図である。
図4】ハンドガードの底面図である。
図5】ハンドガードの側面図である。
図6】ハンドガードの、第一鍔部材と第二鍔部材の拡大斜視図である。
図7】パイプ体を取り付ける際の第一段階のハンドガードの正面断面図である。
図8】パイプ体を取り付ける際の第二段階のハンドガードの正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明のハンドガード1を取り付けた台車2のハンドル3の一実施形態を示す斜視図である。ハンドガード1は、台車のハンドルの水平部分であるパイプ体3aの両端側に一対で取り付けられている。ハンドガードを取り付けておけば、ハンドルの角部などで作業員が手を挟む事故を防止することができる。
【0015】
図2は、本発明のハンドガード1の正面図、図3は平面図、図4は底面図および図5は側面図である。
【0016】
図6は、ハンドガード1の、第一鍔部材100と第二鍔部材101の拡大斜視図である。図6でA方向を上方向、B方向を下方向とする。
第一鍔部材100と第二鍔部材101は、それぞれ互いに嵌合するための凹凸状接続部200~203を有する。
第二鍔部材101の凸状接続部202aは、第一鍔部材100の凹状接続部201aと嵌合する。同様に、第二鍔部材101の凸部202bは、第一鍔部材100の凹状接続部201bと嵌合する。また、第一鍔部材100の凸部200aは、第二鍔部材101の凹状接続部203aと嵌合し、同様に、第一鍔部材100の凸部200bは、第二鍔部材101の203bと嵌合する。
調節ねじ部102は、ねじ103、ダイヤル104及び押さえ板105を有している。前記ダイヤル104は第一鍔部材100の第一穴部106にあり、ダイヤル104と噛み合うねじ103は第二穴部107(図示せず)を貫通しており、内周面108にある押さえ板105と一体化している。
前記ダイヤル104を締め方向に回すとねじ103と押さえ板105がB方向に降りてきて、パイプ体3aを押さえる。
また第二鍔部材101の内周面109には、滑り止めシート110を備えている。
【0017】
図7は、パイプ体3aを取り付ける際の第一段階のハンドガード1の正面断面図である。
第一段階は、台車のハンドル3のパイプ体3a上の第一鍔部材100に、パイプ体3aを挟み込むようにしながら、第二鍔部材101を鍔部材の奥行き方向にスライドし、第一鍔部材の凹凸状接続部に第二鍔部材の凹凸状接続部を篏合させる。しかし、第一鍔部材100と第二鍔部材101の内周面は、スライドして嵌合しただけでは、パイプ体3aは内周面に密着せず、隙間111ができる。この隙間111を埋めるため、第二段階で調節ねじ部102で調節しなければならない。
【0018】
図8は、パイプ体3aを取り付ける際の第二段階の正面断面図である。第二段階は、上記でできた隙間を埋めるため、前記調節ねじ102で調節する。
前記調節ねじ部102は、ねじ103、ダイヤル104および押さえ板105を有しているが、前記ダイヤル104を締め方向に回すと前記ねじ103と前記押さえ板105がB方向に降りてきて、隙間111が埋まり、前記パイプ体3aを押さえる。
また、前記第二鍔部材101の内周面109に滑り止めシート110を有しているので、滑り止め効果があり、さらにしっかり固定し異なるパイプ径に対する微調整の効果がある。
【0019】
よって、従来の如く鍔部材を連結するボルトとナットの連結部材が必要ではない。本発明は、各鍔部材をスライドして嵌合し、調節ねじ部で締め付け、滑り止め及び異なるパイプ径の微調整の効果のある滑り止めシートを貼り付けることにより、台車のハンドルのパイプ径が異なっていても簡単に着脱ができるハンドガードを提供する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は手押し台車に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 ハンドガード
2 台車
3 ハンドル
3a パイプ体
100 第一鍔部材
101 第一鍔部材
102 調節ねじ部
103 ねじ
104 ダイヤル
105 押さえ板
106 第一穴部
107 第二穴部
108 内周面
109 内周面
110 滑り止めシート
111 隙間
200~203 凹凸状接合部
200a 200b 第一鍔部材の凸状接続部
201a 201b 第一鍔部材の凹状接続部
202a 202b 第二鍔部材の凸状接続部
203a 203b 第二鍔部材の凹状接続部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8