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特開2024-71854ニオイ検出通知装置、ニオイ検出通知処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071854
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】ニオイ検出通知装置、ニオイ検出通知処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240520BHJP
   G08B 21/12 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G08B25/04 Z
G08B21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182316
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】堀口 彰
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐樹
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086CB12
5C086FA11
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA19
5C087DD07
5C087EE18
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】発生しているニオイが異常ニオイであるか否かを監視員が判断することを補助する。
【解決手段】ニオイ検出通知装置は、監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理する通知処理部と、前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理する出力処理部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理する通知処理部と、
前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理する出力処理部と、
を備えるニオイ検出通知装置。
【請求項2】
前記第1のニオイを前記リストに記憶する指示があった場合に、前記第1のニオイを前記リストに記録する記録処理部を更に備える請求項1に記載のニオイ検出通知装置。
【請求項3】
過去に監視対象領域において検出されたニオイと、該ニオイが発生した発生態様と、を対応付けて記憶するニオイ発生態様記憶部を更に備え、
前記出力処理部は、前記第1のニオイと同一又は類似するニオイが前記ニオイ発生態様記憶部に記憶されている場合、該ニオイに対応する発生態様を出力する、
請求項1又は請求項2に記載のニオイ検出通知装置。
【請求項4】
前記発生態様には、前記ニオイ発生態様記憶部に記憶されている前記ニオイの発生した日時、発生場所、発生頻度、及び発生原因の少なくとも1つが含まれる、請求項3に記載のニオイ検出通知装置。
【請求項5】
通知処理部が、監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理すること、及び、
出力処理部が、前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理することを含む
ニオイ検出通知処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理すること、及び、
前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理することを含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニオイ検出通知装置、ニオイ検出通知処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異常ニオイ検知の方法には、特定ニオイ検出と逸脱ニオイ検出とがある。特定ニオイ検出では、ガソリン等の特定物質のニオイ(異常ニオイ)を予め登録しておき、そのニオイと同一又は類似するニオイが検出された場合、該予め登録した異常ニオイが検出されたものとする。
逸脱ニオイ検出では、異常ニオイが発生していない一定期間のニオイを登録しておき、登録したニオイ以外のニオイが検出された場合、逸脱ニオイが検出されたものとする。そして、逸脱ニオイが検出された場合、異常ニオイが発生している可能性があることを監視員に通報する。
【0003】
特に、逸脱ニオイ検出において、登録した普段のニオイ以外のニオイが検出された場合でも、検出されたニオイが異常ニオイでないことがある。例えば、飲食物の調理を伴う一時的なイベントが催される会場では、飲食物がない当該会場のニオイが普段のニオイとして登録される。よって、イベントが行われる当該会場を監視する場合、飲食物のニオイが逸脱ニオイとして検出されるが、飲食物のニオイは、監視員が対応すべきガソリン等の異常ニオイではないからである。
【0004】
よって、異常ニオイとして検出されるべきものではないニオイが逸脱ニオイとして検出された場合、異常ニオイが発生している可能性がある旨が監視員に通知されてしまう。
【0005】
異常ニオイとして検出されるべきものでない逸脱ニオイを検出しても監視員に通知されないようにするために、次の技術が考えられる。即ち、逸脱ニオイと検出されても異常ニオイでないニオイをリストに予め登録しておき、当該リストには無い逸脱ニオイが検出された場合に初めて、異常ニオイが発生している可能性があることを監視員に通知する技術である。このような技術に関連する特許文献1がある。上記技術では、上記リストに登録するためには、逸脱ニオイが検出された場合、逸脱ニオイが検出された現場に監視員が赴き、実際にニオイを確かめる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-64595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、逸脱ニオイが検出された時から監視員が現場に到着するまでに一定の時間が経過してしまうため、現場では逸脱ニオイとして検出されたニオイが、監視員が現場に到着するまでの間に変化する。このようにニオイが変化してしまうと、監視員は、発生したニオイが異常ニオイであるか否かを正しく判断することが困難である。
【0008】
本開示の技術は、発生したニオイが異常ニオイであるか否かを監視員が判断することを補助することができるニオイ検出通知装置、ニオイ検出通知処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本開示の技術の第1の態様のニオイ検出通知装置は、監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理する通知処理部と、前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理する出力処理部と、を備える。
【0010】
上記目的を達成するため本開示の技術の第2の態様のニオイ検出通知処理方法は、通知処理部が、監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理し、出力処理部が、前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理する。
【0011】
上記目的を達成するため本開示の技術の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、監視対象領域において検出された第1のニオイが、予め定められたニオイから逸脱したニオイであり且つ許容ニオイのリストに記憶されている該許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、通知処理すること、及び、前記通知処理の後に前記監視対象領域において検出された第2のニオイと前記第1のニオイとの相違を出力処理することを含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の技術は、発生したニオイが異常ニオイであるか否かを監視員が判断することを補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】異常ニオイ監視システムの一例を示す概念図である。
図2】ニオイ検出通知装置の電気系のハードウェア構成及び要部機能の一例を示すブロック図である。
図3】監視員端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】異常ニオイ検出通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第1のニオイと第2のニオイとの相違を表示する他の例を示すグラフである。
図6】第1のニオイと第2のニオイとの相違を表示する更に他の例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本開示の技術の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態に係る異常ニオイ監視システム100の一例を示す概念図である。図1に示したように、本実施形態に係る異常ニオイ監視システム100は、ニオイ検出装置(センサ)12A、12B、12C、12D、12E、監視員端末装置70、及びニオイ検出通知装置50を備えている。異常ニオイ監視システム100は、一例として、コンサート会場10等の監視対象領域における異常ニオイを検出する。なお、異常ニオイとは、詳細には後述するが、逸脱ニオイであり且つ許容ニオイではないニオイである。
【0015】
コンサート会場10の最奥中央にはステージ14が設けられ、ステージ14を扇状に取り囲むように観客席16が設けられている。コンサート会場10内には、事務所等の建物13があり、コンサート会場10が野外の場合は、樹木15等の自然物が存在する。
【0016】
コンサート会場10内には、ニオイ(匂い)を検出するニオイ検出装置(センサ)12A、12B、12C、12D、12Eが設けられている。例えば、ニオイ検出装置12Aはコンサート会場10の入り口であるゲート11に、ニオイ検出装置12Bは建物13の裏側に、ニオイ検出装置12Cは樹木15に、ニオイ検出装置12D、12Eの各々は、観客席16背後の領域に各々設けられている。
建物13の裏側及び樹木15の近くのように人が認識しにくい領域には、ニオイの原因となる物(例えば、吐瀉物)がある場合があるので、これらが監視領域となるように、ニオイ検出装置12B及びニオイ検出装置12Cが配置されている。
ニオイ検出装置12A~12Eの各々は、観客席16、及びステージ14に設けてもよい。
【0017】
ニオイ検出装置12A~12Eの各々の構成を説明する。ニオイ検出装置12A~12Eの各々は同じ構成であるので、ニオイ検出装置12Aの構成を説明し、他のニオイ検出装置12B~12Eの構成の説明を省略する。
【0018】
ニオイ検出装置12Aは、どのようなニオイに強く反応するかといった、ニオイに反応する特性が互いに異なる複数の半導体ガスセンサを備えている。各半導体ガスセンサは、検知を担当する対象のガス(即ち、主に反応する対象となるガス(「ニオイ成分」とも言う)と反応し、当該ガス(ニオイ成分)の濃度を電気量に変換する。ニオイ検出装置12Aは、大きさが各半導体ガスセンサからのニオイ成分の濃度に対応する信号を出力する。このようにニオイ検出装置12Aからの各出力値、即ち、各半導体ガスセンサからの信号の出力値は、複数のニオイ成分の各々の大きさ(レベル(濃度))に対応する。よって、ニオイ検出装置12Aからの各出力値により、ニオイ検出装置12Aの監視領域で、複数のニオイ成分の範囲内で、どのようなニオイ成分がどのくらいの濃度で発生しているのかを知ることができる。なお、以下の「ニオイ成分の大きさ」は、各半導体ガスセンサの出力値である。
【0019】
ところで、上記のように各半導体ガスセンサは、検知を担当する対象のガス(ニオイ成分)に主に反応するが、当該ニオイ成分のみに反応するのではなく、当該ニオイ成分以外のニオイ成分にも反応(誤検知)する。例えば、アルコール成分を検知対象ガスとする半導体ガスセンサは、一酸化炭素及びケトン体等にも反応(誤検知)する。しかし、本開示の技術は、監視員5が異常ニオイかどうか判断することを補助することが主目的であるため、誤検知があったとしても、監視員5が最終確認するので、本開示の技術では不問としている。
【0020】
半導体ガスセンサとしては、検知を担当する対象のガスの種類に応じて、例えば、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)検出用ガスセンサ、CO検出用ガスセンサ、水素検出用ガスセンサ、炭化水素検出用ガスセンサ、アルコール検出用ガスセンサ、タバコ検出用ガスセンサ等が用いられる。ニオイ成分とは、ニオイを構成する化学物質である。また、半導体ガスセンサは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプのセンサであってもよい。
【0021】
次に、ニオイ検出装置12A~12Eの各々の信号のニオイ検出通知装置50までの出力経路について説明する。ニオイ検出装置12A~12Eの各々の信号の出力経路は同じであるので、ニオイ検出装置12Aの信号の出力経路を説明し、他のニオイ検出装置12B~12Eの各々の信号の出力経路の説明を省略する。ニオイ検出装置12Aは、大きさが各半導体ガスセンサからのニオイ成分の濃度に対応する信号を、無線又は有線の通信により、ニオイ検出通知装置50に直接的に送信する。なお、ニオイ検出装置12Aは、上記信号を、監視員端末装置70及びインターネット等のネットワーク18等を介してニオイ検出通知装置50に間接的に送信してもよい。
【0022】
ニオイ検出通知装置50は、ニオイ検出装置12A~12Eの検出結果に基づいて、監視対象領域に異常ニオイが存在する可能性があると判定した場合に、ネットワーク18を介して監視員端末装置70に通知する。ニオイ検出通知装置50は、本開示の技術の「ニオイ検出通知装置」の一例である。ニオイ検出通知装置50は、現地(コンサート会場10)にあってもよいし、ネットワーク上(クラウド)にあってもよい。もしくは、ニオイ検出通知機能が監視員端末装置50に内蔵する形でもよい。
【0023】
監視員端末装置70は、監視員5が所持するものであり、ニオイ検出結果を表示する装置である。監視員5は複数でもよく、その場合、同様に監視員端末装置70も複数個となる。
【0024】
図2は、本実施形態に係るニオイ検出通知装置50の電気系のハードウェア構成及び要部機能の一例を示すブロック図である。ニオイ検出通知装置50は、コンピュータ52と、記憶装置62と、UI(User Interface)系装置64と、通信I/F66とを含む。
【0025】
コンピュータ52は、プロセッサ54、NVM(Non-volatile memory)56、及びRAM(Random Access Memory)60を備えている。プロセッサ54、NVM56、及びRAM60は、バス68に接続されている。
【0026】
プロセッサ54は、DSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)、及びGPU(Graphics Processing Unit)を含む処理装置であり、DSP及びGPUは、CPUの制御下で動作し、後述する処理の実行を担う。ここでは、プロセッサ54の一例として、DSP、CPU、及びGPUを含む処理装置を挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎず、プロセッサ54は、GPU機能を統合した1つ以上のCPU及びDSPであってもよいし、GPU機能を統合していない1つ以上のCPU及びDSPであってもよいし、TPU(Tensor Processing Unit)が搭載されていてもよい。
【0027】
NVM56は、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。NVM56としては、例えば、フラッシュメモリ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory))が挙げられる。RAM60は、一時的に情報が記憶されるメモリであり、プロセッサ54によってワークメモリとして用いられる。RAM60としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等が挙げられる。
【0028】
本実施形態では、NVM56には、ニオイ検出通知プログラム58が格納されている。プロセッサ54は、ニオイ検出通知プログラム58をRAM60に展開して実行する。プロセッサ54がニオイ検出通知プログラム58を実行すると、プロセッサ54は、取込部54A、判定部54B、通知処理部54C、記録処理部54D、検索部54E、計算部54F、表示処理部54G、及び登録処理部54Hとして機能する。なお、ニオイ検出通知プログラム58は、記憶装置62に記憶するようにしてもよい。
通知処理部54Cは、本開示の技術の「通知処理部」の一例である。表示処理部54Gは、本開示の技術の「出力処理部」の一例である。
【0029】
ニオイ検出通知装置50には、バス68に接続されたUI系装置64が設けられている。UI系装置64は、ニオイ検出通知装置50に対する操作を受け付ける装置である。図1に示す例において、UI系装置64は、タッチパネル・ディスプレイ及び各種指示を受け付ける指示キーを有する。
【0030】
通信I/F66は、通信プロセッサ及びアンテナ等を含むインタフェースであり、バス68に接続されている。通信I/F66に対して適用される通信規格は、例えば、5G(5th Generation Mobile Communication System)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等を含む無線通信規格である。ニオイ検出通知装置50は、通信I/F66により、ネットワーク18を介して、監視員端末装置70と通信する。
【0031】
記憶装置62は、不揮発性の記憶装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)等である。
記憶装置62には、少なくとも1つの許容ニオイを記憶するホワイトリスト(記憶領域)62WLが格納されている。詳細には後述するが、本実施形態では、ニオイ検出装置12A、12B、12C、12D、12Eで検出されたニオイが逸脱ニオイであっても、異常ニオイでないニオイ(許容ニオイ)をホワイトリスト62WLに記憶しておく。ニオイ検出装置12A、12B、12C、12D、12Eで検出されたニオイが逸脱ニオイであって、ホワイトリスト62WLに記憶された許容ニオイの場合には、異常ニオイが発生している可能性のあることを監視員端末装置70に通知しないようにするためである。
【0032】
本実施形態のホワイトリスト62WLは、例えば、許容ニオイP~Rが記憶されている。許容ニオイPは、ニオイ成分a、b、c、・・・、nの各々の大きさ(レベル(濃度))を規定している。許容ニオイQは、ニオイ成分a、b、c、・・・、nの各々の大きさを規定している。許容ニオイRは、ニオイ成分a、b、c、・・・、nの各々の大きさを規定している。ホワイトリスト62WLに登録された各々のニオイ成分の大きさは、一定値ではなく、範囲を示すものでもよい。
ホワイトリスト62WLに登録されている許容ニオイは、本開示の技術の「許容ニオイ」の一例である。
【0033】
記憶装置62には、ニオイの発生態様を記録した発生態様DB(データベース)62DBが格納されている。発生態様DB62DBは、過去に監視対象領域において検出されたニオイであるニオイA、B、C等の発生日時、発生場所、発生頻度、及び発生原因等の発生態様が記録されている。発生態様は、発生日時、発生場所、発生頻度、及び発生原因の内の一部でもよい。また、発生態様は、発生日時、発生場所、発生頻度、及び発生原因に限定されず、例えば、発生場所が監視領域となるように配置されたニオイ検出装置12A~12EのID及び発生場所の周辺画像を含めてもよい。これらの発生態様の情報は、監視員5がUI系装置64又は監視員端末装置70のUI系装置84を介してニオイ検出通知装置50に入力してもよい。また、発生日時はセンサ反応日時、発生場所はセンサIDなどを、ニオイ検出装置12A、12B、12C、12D、12Eからニオイ検出通知装置50が受信して自動入力してもよい。
発生態様DB62DBは、本開示の技術の「ニオイ発生態様記憶部」の一例である。
【0034】
図3は、監視員端末装置70の構成の一例を示すブロック図である。監視員端末装置70は、コンピュータ72、記憶装置82と、表示装置78、UI系装置84、通信I/F86を含む。
【0035】
コンピュータ72は、プロセッサ74、NVM76、及びRAM80を備えている。プロセッサ74、NVM76、及びRAM80は、バス88に接続されている。バス88には、記憶装置82、表示装置78、UI系装置84、及び通信I/F86も接続されている。監視員端末装置70は、通信I/F86により、ニオイ検出装置12A~12Eと、また、ネットワーク18を介してニオイ検出通知装置50と通信する。監視員端末装置70のUI系装置84には、登録ボタン及び確認ボタンがある。登録ボタン又は確認ボタンがオンされると、登録ボタン又は確認ボタンがオンされたことが監視員端末装置70からニオイ検出通知装置50に知らされ、ニオイ検出通知装置50は、登録ボタン又は確認ボタンがオンされたことを知ることができる。
【0036】
図4は、本実施形態に係るニオイ検出通知装置50のニオイ検出通知処理の一例を示したフローチャートである。ステップ102では、取込部54Aが、ニオイ検出装置(センサ)12A~12Eの各々から得られる第1のニオイの情報を取り込む。以下、一例として、ニオイ検出装置12Cから第1のニオイの情報を取り込む場合を例にとり、説明するが、他のニオイ検出装置12A、12B、12D、12Eから第1のニオイの情報を取り込む場合も同様であるので、省略する。
【0037】
ステップ104では、判定部54Bが、平常な範囲から外れた計測値が現れた際に異常発生とみなすアノマリー検知によって第1のニオイが予め定めたニオイから逸脱した逸脱ニオイであるか否かを判定する。
予め定めたニオイは、異常ニオイが発生していない一定期間のニオイに基づいて定めたニオイでも、随時更新したニオイでもよい。随時更新したニオイとは、例えば、時系列で監視対象領域における空気中のニオイを検出し、検出したニオイの成分の大きさの移動平均を算出することにより逐次更新されるニオイである。
【0038】
第1のニオイが逸脱ニオイか否かは、例えば、第1のニオイと予め定めたニオイとにおいて、各ニオイ成分の大きさの差の2乗和の平方根が、閾値以上か否かを判定することにより、行う。具体的には、第1のニオイにおける検出されたニオイ成分の大きさを(a,b,c,・・・n)とし、予め定めたニオイのニオイ成分の大きさを(a,b,c,・・・n)とすると、判定部54Bは、各ニオイ成分の大きさの差の2乗和の平方根V1Pを、以下の式から計算する。
1P=√[(a-a+(b-b+(c-c・・・(n-n
【0039】
判定部54Bは、平方根V1Pが閾値以上の場合、第1のニオイは逸脱ニオイであると判定し、平方根V1Pが閾値未満の場合、第1のニオイは逸脱ニオイではないと判定する。
【0040】
ステップ104で、第1のニオイが逸脱ニオイであると判定された場合、ニオイ検出通知処理はステップ106に移行し、第1のニオイが逸脱ニオイであると判定されなかった場合、ニオイ検出通知処理はステップ126に移行する。
【0041】
ステップ106では、判定部54Bが、第1のニオイが、ホワイトリスト62WL中の各許容ニオイと同一又は類似か否かを判定する。
【0042】
許容ニオイと同一のニオイとは、許容ニオイのニオイ成分と同じニオイ成分を含み、その各々のニオイ成分の大きさが許容ニオイのニオイ成分の大きさと同じであるニオイである。
【0043】
許容ニオイに類似するニオイとは、許容ニオイのニオイ成分の一部又は全部を含み、その各々のニオイ成分の大きさと許容ニオイの対応するニオイ成分の大きさとの差が所定値以内のニオイである。ニオイ成分が許容ニオイのニオイ成分の一部を含む場合とは、ニオイを構成するニオイ成分の種類が、許容ニオイを構成するニオイ成分の種類と、所定の割合(例えば、90%)で一致する場合である。
【0044】
このように、第1のニオイが、ホワイトリスト62WL中の各許容ニオイと同一又は類似か否かは、ニオイ成分の種類と各ニオイ成分の大きさとを用いて判定する。
本実施の形態では、便宜的に、第1のニオイと各許容ニオイとにおいて、各ニオイ成分の大きさの差の2乗和の平方根が、閾値以上か否かを判定することにより、行う。
【0045】
ステップ106で、第1のニオイが許容ニオイと同一又は類似と判定された場合、ニオイ検出通知処理はステップ126に移行し、第1のニオイが許容ニオイと同一でも類似でもないと判定された場合、ニオイ検出通知処理はステップ108に移行する。
【0046】
ステップ108では、通知処理部54Cが、ニオイ検出装置12Cの監視領域での逸脱ニオイの発生(即ち、異常ニオイが発生している可能性のあること)を、通信I/F66(図2も参照)により、ネットワーク18を介して、監視員端末装置70に通知する。逸脱ニオイの発生を、通信I/F86(図3も参照)を介して受信した監視員端末装置70は、表示装置78に、ニオイ検出装置12Cの監視領域での逸脱ニオイの発生を表示する。この表示を見た監視員5は、ニオイ検出装置12Cの監視領域の現場に赴いて状況を確認する。
【0047】
ニオイ検出装置12A~12Eの各々に対応して、ニオイ検出装置12A~12Eの各々の監視領域を撮影する通信機能を備えるカメラを備えるようにしてもよい。上記のようにニオイ検出装置12Cの監視領域での逸脱ニオイの発生を監視員端末装置70に通知する場合、ニオイ検出装置12Cに対応して備えられたカメラにより撮影されたニオイ検出装置12Cの監視領域の画像(動画でも静止画でもよい)も監視員端末装置70に送信する。監視員端末装置70は、表示装置78に、ニオイ検出装置12Cの監視領域での逸脱ニオイの発生と、ニオイ検出装置12Cの監視領域の画像(動画でも静止画でもよい)と、を表示する。この表示を見た監視員5は、ニオイ検出装置12Cの逸脱ニオイが発生している監視領域で現在何が起こっているのかを知ることができる。
【0048】
ステップ110では、記録処理部54Dが、検出された第1のニオイAを記憶装置62又はRAM60に記録する。具体的には、記録処理部54Dが、検出された第1のニオイAの各ニオイ成分の大きさを記憶装置62又はRAM60に記録する。
なお、ステップ110の処理は、ステップ102の処理の直後(ステップ104の処理の開始前)に実行し、ステップ104が否定判定となった場合、又は、ステップ106が肯定判定となった場合、記憶された第1のニオイAを削除する、ようにしてもよい。
【0049】
ステップ112では、検索部54Eが、発生態様DB62DBから、第1のニオイAと同一又は類似のニオイを検索し、検索されたニオイに対応する発生態様を発生態様DB62DBから取得する。ステップ112での検索結果は、後述するステップ118で監視員端末装置70の表示装置78に表示される。
【0050】
第1のニオイAと同一又は類似のニオイを検索するためにはまず、検索部54Eは、第1のニオイAと発生態様DB62DBに記憶されている各ニオイとが同一又は類似か否かを判定する。第1のニオイAと発生態様DB62DBに記憶されている各ニオイとが同一又は類似か否かは、例えば、上記のように、各ニオイ成分の大きさの差の2乗和の平方根が、閾値以上か否かを判定することにより、行う。
【0051】
ステップ114では、取込部54Aが、センサ(上記例では、ニオイ検出装置12C)から第2のニオイBを取り込む。
【0052】
ステップ116では、計算部54Fが、第1のニオイAの大きさと第2のニオイBの大きさとの差G(=A-B)を算出する。具体的には、計算部54Fは、第1のニオイAと第2のニオイBとにおいて、各ニオイ成分の大きさの差の2乗和の平方根を計算する。
【0053】
ステップ118では、表示処理部54Gが、差Gの値及びステップ112での検索結果(発生態様)が、監視員端末装置70の表示装置78に表示されるように、処理する。具体的には、表示処理部54Gは、差Gの値及び発生態様を、通信I/F66(図2参照)を介して、監視員端末装置70に送信する。監視員端末装置70は、通信I/F86(図3参照)を介して、差Gの値及び発生態様を受信した場合、差Gの値及び発生態様を表示装置78に表示する。
【0054】
このように差Gの値及び発生態様を表示装置78に表示するのは次の理由からである。
監視員5は、表示装置78に表示された情報(差G及び発生態様)を確認して、第1のニオイAが異常ニオイか否かを推測し判断する。第1のニオイAが異常ニオイではないと判断した場合、即ち、逸脱ニオイではあっても異常ニオイではないと判断した場合には、以後、第1のニオイが逸脱ニオイと判定されても、異常ニオイが発生している可能性があることが監視員5に通知されないように、第1のニオイAをホワイトリスト62WLへ記憶する。第1のニオイAが異常ニオイであると判断した場合、即ち、逸脱ニオイであり且つ異常ニオイと判断した場合には、異常ニオイが発生している可能性があることが以後も監視員5に通知されるように、第1のニオイAがホワイトリスト62WLへ登録しない。
【0055】
ところで、上記(ステップ108)のように、表示装置78に、ニオイ検出装置12Cの監視領域での逸脱ニオイの発生の表示を見た監視員5は、ニオイ検出装置12Cの監視領域の現場に赴き、現場のニオイを実際に嗅いで、異常ニオイが発生しているか否かを判断する。しかし、逸脱ニオイが検出された時から監視員5が現場に到着するまでに一定の時間が経過してしまうため、現場では逸脱ニオイとして検出されたニオイが、監視員5が現場に到着するまでの間に変化する。このようにニオイが変化してしまうと、監視員5は、発生したニオイが異常ニオイであるか否かを正しく判断することが困難である。
【0056】
しかし、ステップ118で、表示処理部54Gが、差G及び発生態様を監視員端末装置70の表示装置78に表示することで、監視員5が第1のニオイAをホワイトリスト62WLへ登録すべきか否かの判断の助けになる。差Gにより、監視員5は、現在のニオイ(第2のニオイ)が、第1のニオイAとどのくらい相違しているのか(相違の程度)を理解することができる。また、発生態様により、監視員5は、第1のニオイAと同一又は類似する過去のニオイが以前いつ発生したのか、どこで発生したのか、どのくらいの頻度で発生したのか、及び発生原因を知ることができる。これらの差Gと発生態様により、監視員5が第1のニオイAをホワイトリスト62WLへ登録すべきか否かを判断することを補助することができる。
【0057】
ステップ120では、登録処理部54Hが、監視員端末装置70のUI系装置84の登録ボタンがオンになったか否かを判定する。ステップ120で、登録ボタンがオンになった場合、ニオイ検出通知処理はステップ124に移行し、登録ボタンがオンにならない場合、ニオイ検出通知処理はステップ122に移行する。ステップ122では、登録処理部54Hが、監視員端末装置70のUI系装置84の確認ボタンがオンになったか否かを判定する。ステップ122で、確認ボタンがオンになった場合、ニオイ検出通知処理はステップ126に移行し、確認ボタンがオンにならない場合、ニオイ検出通知処理はステップ114に移行する。
【0058】
逸脱ニオイの発生場所でニオイを確認した警備員5は、今回のニオイは許容ニオイであり、以後通知の必要がないと判断した場合、監視員端末装置70の登録ボタンを押下し、一方、同様のニオイの通知が以後必要と判断した場合、監視員端末装置70の確認ボタンを押下することで、ニオイ検出通知処理が次のステップに進む。いずれかのボタンが押下されるまでは、このようにステップ114~122が繰り返され、現場のニオイ(第2のニオイ)の取得が繰り返され、監視員端末装置70の差Gの表示が更新され続くことになる。
【0059】
ステップ124では、登録処理部54Hが、第1のニオイAをホワイトリスト62WLに登録(記録)する。ニオイ検出通知処理は、ステップ126に移行する。
【0060】
ステップ126では、判定部54Bが、ニオイ検出通知装置50のUI系装置64により終了が指示されたか否かを判定する。ステップ126で、終了が指示された場合は処理を終了し、終了が指示されなかった場合、ニオイ検出通知処理はステップ102に移行する。
【0061】
以上説明したように本実施形態は、監視対象領域において検出された第1のニオイが逸脱ニオイであり且つホワイトリストに記憶されている許容ニオイと同一でも類似でもない場合に、監視員5に通知し、監視対象領域において検出された第2のニオイと第1のニオイとの相違を出力し、発生したニオイが異常ニオイであるか否かを監視員5が判断することを補助することができる。
【0062】
前述した実施の形態では、第2のニオイと第1のニオイとの相違を表示装置に出力しているが、本開示の技術はこれに限定されず、相違を音声出力してもよい。
【0063】
前述した実施の形態では、第2のニオイと第1のニオイとの相違として差Gの値を出力(表示)しているが、本開示の技術はこれに限定されず、差Gの程度を「類似/微差/大差」等のように表示して、監視員5のホワイトリスト登録の参考に更に資するようにしてもよい。具体的には、差Gが0より大きく予め定めた第1の値以下の場合、「類似」を表示する。差Gが第1の値より大きく予め定めた第2の値(>第1の値)より小さい場合、「微差」を表示する。差Gが第2の値より大きい場合、「大差」を表示する。なお、差Gが0の場合には、「同一」を表示する。
【0064】
前述した実施の形態では、第2のニオイと第1のニオイとの相違として差を出力(表示)しているが、本開示の技術はこれに限定されず、第1のニオイの大きさと第2のニオイの大きさとの比でも商でもよい。なお、商の場合には、四捨五入処理後の値を出力してもよい。
【0065】
前述した実施の形態では、第2のニオイと第1のニオイとの相違を、差の値として、表示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、図5に示したような棒グラフでも表示したり図6に示したような折れ線グラフで表示したりしてもよい。
【0066】
図5は、第1のニオイの大きさと第2のニオイの大きさの相違の一例を示したグラフである。図5に示したように、第1のニオイの大きさVは、以下のように、ニオイ成分a1、b1、・・・、n1 の各々の大きさの2乗和の平方根である。
=√[a +b +c ・・・n
図5に示した第2のニオイの大きさV21は、以下のように、第1のニオイが検出された時から所定時間経過した時に検出された第2のニオイのニオイ成分a21、b21、・・・、n21 の各々の大きさの2乗和の平方根である。上記のようにステップ114~122が繰り返され、現場のニオイ(第2のニオイ)の取得が繰り返され、第2のニオイの大きさV21が更新される。
21=√[a21 +b21 +c21 ・・・n21
【0067】
図6に示すように、第1のニオイAの大きさと第2のニオイBの大きさの相違を、第1のニオイAの大きさをN1で示し、第2のニオイBが検出される毎に、検出された第2のニオイBの大きさをプロットして、折れ線グラフN2にして表示する。具体的には、第1のニオイが検出された時から登録ボタン又は確認ボタンがオンされるまで、上記のように図4のステップ114の処理を繰り返し実行し、第2のニオイBが検出される毎に、検出された第2のニオイBの大きさをプロットして、第2のニオイの大きさを経時的に、折れ線グラフN2で表示する。このような折れ線グラフにより、ニオイ検出装置12Cの監視領域でのニオイがどのように変化したのか、第1のニオイの大きさとの違いを監視員5は理解することができる。
【0068】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、ニオイ検出通知装置50に含まれるコンピュータ52のプロセッサ54によってニオイ検出通知処理が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、ニオイ検出通知処理を行う装置は、監視員端末装置70でも各ニオイ検出装置12A~12Eでも、更に設けた少なくとも1台のサーバ及び/又は少なくとも1台のパーソナル・コンピュータ等でもよい。更に、ニオイ検出通知処理は、ニオイ検出通知装置50、監視員端末装置70、各ニオイ検出装置12A~12E、更に設けた少なくとも1台のサーバ及び/又は少なくとも1台のパーソナル・コンピュータ等で分散して行われるようにしてもよい。
【0069】
上記実施の形態では、NVM56にニオイ検出通知処理プログラム58が記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、ニオイ検出通知処理プログラム58がSSD又はUSBメモリなどの可搬型の非一時的記憶媒体に記憶されていてもよい。非一時的記憶媒体に記憶されているニオイ検出通知処理プログラム58は、ニオイ検出通知装置50に含まれるコンピュータ52にインストールされる。プロセッサ54は、ニオイ検出通知処理プログラム58に従ってニオイ検出通知処理を実行する。
【0070】
また、ネットワークを介して各ニオイ検出装置12A~12Eに接続される他のコンピュータ又はサーバ等の記憶装置にニオイ検出通知処理プログラム58を記憶させておき、ニオイ検出通知処理プログラム58が他のコンピュータ又はサーバ等の記憶装置からダウンロードされ、コンピュータ52にインストールされるようにしてもよい。
【0071】
ニオイ検出通知処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、ニオイ検出通知処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することでニオイ検出通知処理を実行する。
【0072】
ニオイ検出通知処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0073】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、ニオイ検出通知処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、ニオイ検出通知処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、ニオイ検出通知処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0074】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記のニオイ検出通知処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0075】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0076】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0077】
5 監視員
10 コンサート会場
12A~12E ニオイ検出装置
18 ネットワーク
50 ニオイ検出通知装置
52 コンピュータ
54 プロセッサ
54A 取込部
54B 判定部
54C 通知処理部
54D 記録処理部
54E 検索部
54F 計算部
54G 表示処理部
54H 登録処理部
56 NVM
58 ニオイ検出通知プログラム
60 RAM
62 記憶装置
62DB 発生態様DB
62WL ホワイトリスト
68 バス
70 監視員端末装置
72 コンピュータ
74 プロセッサ
76 NVM
78 表示装置
82 記憶装置
84 UI系装置
86 通信I/F
88 バス
100 異常ニオイ監視システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6