(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071869
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/468 20060101AFI20240520BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B65D5/468 100
B65D5/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182346
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】今川 明日香
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA12
3E060CA24
3E060CA42
3E060DA09
3E060DA30
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】手掛け穴に手を掛けて引き上げたときに手指が痛くなり難い包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1Aであって、壁部10に形成された手掛け穴50内に折り返し板60が配置されている。折り返し板60は、折れ線L10,L20を介して手掛け穴50の上縁部51に連設されている。手掛け穴50の上縁部51には、横方向に延びている中間縁部51aと、中間縁部51aの両端部からそれぞれ斜め上向きに延びている二つの傾斜縁部51b,51bと、が形成されている。折り返し板60には、中間縁部51aに連設された中間板61と、両傾斜縁部51b,51bにそれぞれ連設された二つの側板62,62と、が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱であって、
底板と、
前記底板の縁部に連設された筒状の壁部と、を備え、
前記壁部に手掛け穴が形成されるとともに、
前記手掛け穴内に折り返し板が配置され、
前記折り返し板は、折れ線を介して前記手掛け穴の上縁部に連設されており、
前記手掛け穴の上縁部には、
横方向に延びている中間縁部と、
前記中間縁部の両端部からそれぞれ斜め上向きに延びている二つの傾斜縁部と、が形成され、
前記折り返し板には、
前記中間縁部に連設された中間板と、
前記両傾斜縁部にそれぞれ連設された二つの側板と、が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱であって、
段ボール製であり、
前記壁部の段ボールの段目は、横方向に延びていることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1に記載の包装箱であって、
前記壁部において、前記両傾斜縁部の上端部の間には、横方向に延びている補助折れ線が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項4】
請求項1に記載の包装箱であって、
前記壁部の上縁部に連設された頂板を備え、
前記折り返し板を前記壁部に対して上向き且つ内側に折り返したときに、前記折り返し板が前記頂板の内面に当接するように構成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製の包装箱としては、底板と、底板の縁部に連設された筒状の壁部と、壁部の上縁部に連設された頂板と、を備え、壁部に形成された手掛け穴が折り返し板によって閉塞されているものがある(例えば、特許文献1参照)。このような包装箱を持ち上げるときには、折り返し板を内側に押し込んで、手掛け穴を開口させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の包装箱では、折り返し板を壁部に対して上向き且つ内側に折り返したときに、手掛け穴の上縁部に一本の折り目が形成される。この構成では、手掛け穴の上縁部に手を掛けて引き上げたときに、手指が痛くなり易いという問題がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、手掛け穴に手を掛けて引き上げたときに、手指が痛くなり難い包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、包装箱であって、底板と、前記底板の縁部に連設された筒状の壁部と、を備えている。前記壁部に手掛け穴が形成されるとともに、前記手掛け穴内に折り返し板が配置され、前記折り返し板は、折れ線を介して前記手掛け穴の上縁部に連設されている。前記手掛け穴の上縁部には、横方向に延びている中間縁部と、前記中間縁部の両端部からそれぞれ斜め上向きに延びている二つの傾斜縁部と、が形成されている。前記折り返し板には、前記中間縁部に連設された中間板と、前記両傾斜縁部にそれぞれ連設された二つの側板と、が形成されている。
【0007】
本発明の包装箱では、折り返し板を内側に押し込むと、手掛け穴の両傾斜縁部の上端部の間に、横方向の折り目が形成され、この折り目において壁部の一部および折り返し板が内側に折り曲げられる。さらに、折れ線において折り返し板を上向きに折り曲げることで、折り返し板を壁部の内面側に折り返すことができる。
このように、本発明の包装箱では、折り返し板が二本の稜線(折り目)を介して壁部の内面側に折り返される。これにより、本発明の包装箱では、手掛け穴の上縁部に手を掛けて引き上げるときに、二本の稜線の間の帯状の面に手指が接触するため、手指が痛くなり難い。
【0008】
本発明の包装箱では、折り返し板が中間板と側板とに分割されているため、折り返し板を内側に折り曲げる過程で、中間板と側板とがそれぞれ独立して折り曲げられる。これにより、手掛け穴の上縁部が屈曲していても、折り返し板を壁部の内面側に折り返すことができる。また、折り返し板の側板が内容物に接触したときに、側板が内容物に強く擦れるのを防ぐことができる。
【0009】
本発明の包装箱が段ボール製である場合には、前記壁部の段ボールの段目が、横方向に延びているように構成することが好ましい。
この構成では、折り返し板を内側に押し込んだときに、横方向の折り目を壁部に小さい力で形成できる。
【0010】
前記した包装箱の前記壁部において、前記両傾斜縁部の上端部の間に、横方向に延びている補助折れ線を形成してもよい。
この構成では、折り返し板を内側に押し込んだときに、横方向の折り目を補助折れ線によって壁部に小さい力で綺麗に形成できる。例えば、壁部の段ボールの段目が上下方向に延びていて、壁部を上下方向に折り難い場合でも、壁部に横方向の折り目を形成し易くなる。
【0011】
前記した包装箱が前記壁部の上縁部に連設された頂板を備えている場合には、前記折り返し板を前記壁部に対して上向き且つ内側に折り返したときに、前記折り返し板が前記頂板の内面に当接するように構成することが好ましい。
この構成では、手掛け穴に手を掛けて引き上げたときに、手掛け穴の上縁部に作用した上向きの力の一部を、折り返し板によって支持できるため、包装箱を持ち上げたときに、手掛け穴が変形して壁部が裂けるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱では、折り返し板が二本の稜線を介して壁部の内面側に折り返され、手掛け穴の上縁部に手を掛けて引き上げるときに、二本の稜線の間の帯状の面に手指が接触するため、手指が痛くなり難い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る包装箱を前方左上から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る包装箱の手掛け穴および折り返し板を示した正面図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る包装箱において、折り返し板を端壁に対して折り返す途中の状態を示した正面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る包装箱において、折り返し板を端壁に対して折り返した状態を示した側断面図である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係る包装箱の手掛け穴および折り返し板を示した正面図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の包装箱の構成や使用状態を限定するものではない。
【0015】
[第一実施形態]
第一実施形態の包装箱1Aは、
図1に示すように、底板20と、底板20の縁部に連設された筒状の壁部10と、壁部10の上側の縁部に連設された頂板30と、を備えている。第一実施形態の包装箱1Aは、ラップアラウンド方式の段ボール箱である。
第一実施形態の壁部10は、前後一対の端壁11,11および左右一対の側壁12,12の四つの壁体によって四角形の筒状に形成されている。
【0016】
第一実施形態の包装箱1Aに収容する内容物は限定されるものではないが、第一実施形態では、
図4に示すように、ペットボトルを内容物Pとして収容する場合を例として説明する。第一実施形態の包装箱1Aには、複数の内容物Pが左右四列に並べて収容される。
【0017】
第一実施形態の包装箱1Aは、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。
第一実施形態のブランクシートS1では、段ボールの段目(フルートの波目)が
図2の左右方向(横方向)に延びている。
【0018】
ブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成した罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続して線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0019】
ブランクシートS1の切断誘導線は、連続した一本のスリットまたは複数のスリットを断続的に形成した線によって形成されている。なお、切断誘導線をハーフカット線によって形成してもよい。
【0020】
底板20は、
図1に示すように、四角形の平板である(
図2参照)。底板20の左縁部には、折れ線を介して左側の側壁12が連設され、底板20の右縁部には、折れ線を介して右側の側壁12が連設されている。左右の側壁12,12は、同じ四角形の壁体であり、底板20に対して垂直に形成されている。
【0021】
左側の側壁12の上縁部には、折れ線を介して頂板30が連設されている。頂板30は、底板20と同じ四角形の平板であり、左側の側壁12に対して垂直に形成されている。
ブランクシートS1(
図2参照)を各折れ線で折り曲げつつ、右側の側壁12の上縁部に連設された接合片13を、頂板30の内面に接合することで、右側の側壁12、底板20、左側の側壁12および頂板30が四角形の筒状に形成されている。
【0022】
前側の端壁11は、頂板30および底板20の前縁部にそれぞれ連設された上下一対の外フラップ14,14と、左右の側壁12,12の前縁部にそれぞれ連設された左右一対の内フラップ15,15と、を備えている。両内フラップ15,15の外面に両外フラップ14,14が重ねられて接合されている。本実施形態では、両外フラップ14,14が上下方向に間隔を空けて配置されるとともに、両内フラップ15,15が左右方向に間隔を空けて配置されている。
第一実施形態では、
図3に示すように、外フラップ14の段ボールの段目が左右方向(横方向)に延びている。
【0023】
図1に示すように、包装箱1Aの後側の端壁11は、前側の端壁11と前後対称な構成であり、上下の外フラップ14,14と、左右の内フラップ15,15とによって構成されている。
【0024】
前側の端壁11の上側の外フラップ14には、
図3に示すように、手掛け穴50が形成されている。
手掛け穴50は、左右の内フラップ15,15の間に配置されており、外フラップ14の中央部を貫通している。手掛け穴50は、包装箱1Aを持ち運ぶときに、手を掛ける部位である。
手掛け穴50は、上下方向よりも左右方向が大きく形成されている。つまり、手掛け穴50は、左右方向に幅広な形状である。
【0025】
手掛け穴50の上縁部51には、中間縁部51aと、中間縁部51aの左右両側に形成された左右の傾斜縁部51b,51bと、が形成されている。
中間縁部51aは、外フラップ14の段ボールの段目に沿って左右方向(横方向)に直線状に延びている。
左側の傾斜縁部51bは、中間縁部51aの左端部から左方に向けて斜め上向きに延びている。また、右側の傾斜縁部51bは、中間縁部51aの、右端部から右方に向けて斜め上向きに延びている。
このように、手掛け穴50の上縁部51は、中間部に対して左右の部位が上向きに屈曲している。
【0026】
手掛け穴50の下縁部52の中間部は、上縁部51の中間部に平行して直線状に延びている。また、下縁部52の左右の部位は、中間部に対して上向きに屈曲している。
【0027】
手掛け穴50の開口形状は、中間部に対して左右の側部が上向きに屈曲した形状となっている。また、手掛け穴50の左右の側縁部53,53は、左右方向の外側に向けて突出するように、半円形状に湾曲している。
【0028】
手掛け穴50内には、折り返し板60が配置されている。折り返し板60は、手掛け穴50の開口形状と同じ形状に形成されている。つまり、手掛け穴50は、折り返し板60によって閉塞されている。
図4に示すように、包装箱1Aを持ち運ぶときには、折り返し板60を内側に押し込んで、手掛け穴50を開口させる。
【0029】
折り返し板60には、
図3に示すように、手掛け穴50の上縁部51の中間縁部51aに連設された中間板61と、手掛け穴50の上縁部51の左右の傾斜縁部51b,51bに連設された二つの側板62,62と、が形成されている。
【0030】
中間板61は、手掛け穴50の左右方向の中央部を塞いでいる部位であり、四角形に形成されている。中間板61の上縁部は、手掛け穴50の上縁部51の中間縁部51aに第一折れ線L10を介して連設されている。また、中間板61の下縁部は、手掛け穴50の下縁部52に切断誘導線L30を介して連設されている。
【0031】
左側の側板62は、手掛け穴50の左側部を塞いでいる部位である。左側の側板62の上縁部は、手掛け穴50の上縁部51の左側の傾斜縁部51bに第二折れ線L20を介して連設されている。また、左側の側板62の右縁部は、中間板61の左縁部にスリットL40を介して連設されている。
また、左側の側板62の縁部のうち、上縁部および右縁部以外の縁部は、手掛け穴50の左側の側縁部53に切断誘導線L30を介して連設されている。切断誘導線L30の左側の上部は、第二折れ線L20の左端部(傾斜縁部51bの左端部)から上方に切り込まれている。
【0032】
右側の側板62は、手掛け穴50の右側部を塞いでいる部位である。右側の側板62の上縁部は、手掛け穴50の上縁部51の右側の傾斜縁部51bに第二折れ線L20を介して連設されている。また、右側の側板62の左縁部は、中間板61の右縁部にスリットL40を介して連設されている。
また、右側の側板62の縁部のうち、上縁部および左縁部以外の縁部は、手掛け穴50の右側の側縁部53に切断誘導線L30を介して連設されている。切断誘導線L30の右側の上部は、第二折れ線L20の右端部(傾斜縁部51bの右端部)から上方に切り込まれている。
【0033】
左右二本のスリットL40,L40は、左右方向(横方向)に間隔を空けて形成されている。第一実施形態では、左右のスリットL40,L40が平行している。
【0034】
包装箱1Aでは、
図1に示すように、後側の端壁11の上側の外フラップ14にも、前側の端壁11と同様に、手掛け穴50および折り返し板60が形成されている。
【0035】
図4に示すように、包装箱1Aに内容物Pを収容した状態で、手掛け穴50を開口させるときには、折り返し板60を内側に押し込む。これにより、切断誘導線L30が切り開かれ、折り返し板60の上縁部以外の縁部が手掛け穴50の開口縁部から切り離される。
また、折り返し板60を端壁11の内側に押し込むと、折り返し板60の両スリットL40,L40が切り開かれ、中間板61と両側板62,62とが切り離される。
【0036】
折り返し板60を内側に押し込むと、手掛け穴50の両傾斜縁部51b,51bの上端部の間に、横方向に延びている折り目L50が形成される。この折り目L50において端壁11の一部および折り返し板60が内側に折り曲げられる。
なお、折り目L50の端部から切断誘導線L30が上向きに切り込まれているため、折り目L50の端部から端壁11が裂けるのを防ぐことができる。
【0037】
さらに、
図5に示すように、第一折れ線L10において端壁11に対して中間板61を上向き且つ内側に折り曲げるとともに、第二折れ線L20において端壁11に対して側板62を上向き且つ内側に折り曲げて、折り返し板60を端壁11の内面側に折り返す。
【0038】
このようにして、折り目L50と、第一折れ線L10および第二折れ線L20とにおいて、折り返し板60を端壁11の内面側に折り返すことで、端壁11の手掛け穴50を開口させることができる。
【0039】
第一実施形態の包装箱1Aでは、
図3に示すように、端壁11の上縁部と手掛け穴50の上縁部51との上下方向の間隔L1よりも、折り返し板60の中間板61の上下方向の長さL2が大きく形成されている。
したがって、
図5に示すように、折り返し板60を端壁11の内面側に折り返すと、中間板61の先端部が、頂板30の内面(下面)に当接する。これにより、端壁11の上部、頂板30および折り返し板60によってトラス構造が形成される。
【0040】
以上のような第一実施形態の包装箱1Aでは、
図5に示すように、二本の稜線(折り目)を介して端壁11の内面側に折り返される。これにより、包装箱1Aでは、手掛け穴50の上縁部51に手を掛けて引き上げるときに、二本の稜線の間の帯状の面に手指が接触するため、手指が痛くなり難い。
【0041】
第一実施形態の包装箱1Aでは、
図3に示すように、端壁11の外フラップ14における段ボールの段目が、左右方向(横方向)に延びている。そのため、
図4に示すように、折り返し板を内側に押し込んだときに、横方向の折り目L50を小さい力で端壁11に形成できる。
【0042】
第一実施形態の包装箱1Aでは、折り返し板60が中間板61と両側板62,62とに分割されているため、折り返し板60を内側に折り曲げる過程で、中間板61と両側板62,62とがそれぞれ独立して折り曲げられる。これにより、手掛け穴50の上縁部51が屈曲していても、折り返し板60を端壁11の内面側に折り返すことができる。
また、第一実施形態の包装箱1Aでは、折り返し板60の側板62が内容物Pに接触したときに、側板62が内容物Pに強く擦れるのを防ぐことができる。
【0043】
第一実施形態の包装箱1Aでは、
図5に示すように、折り返し板60を端壁11に対して上向き且つ内側に折り返したときに、折り返し板60が頂板30の内面に当接する。
この構成では、手掛け穴50に手を掛けて引き上げたときに、手掛け穴50の上縁部51に作用した上向きの力の一部を、折り返し板60によって支持できるため、包装箱1Aを持ち上げたときに、手掛け穴50が変形して端壁11が裂けるのを防ぐことができる。
【0044】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態の包装箱1Aでは、
図3に示すように、左右のスリットL40,L40が平行しているが、左右のスリットL40,L40の横方向の間隔を、下方に向かうに連れて狭くなるように形成してもよい。
【0045】
第一実施形態の包装箱1Aでは、手掛け穴50が折り返し板60によって閉塞されているが、折り返し板60によって手掛け穴50の一部を塞ぐように構成してもよい。
【0046】
第一実施形態の包装箱1Aは、
図1に示すように、壁部10が四角形の筒状に形成されているが、壁部10の形状は限定されるものではなく、例えば、壁部10を六角形や八角形などの多角形の筒状に形成してもよい。
【0047】
第一実施形態の包装箱1Aは、ラップアラウンド方式の段ボール箱であるが、箱体の形式は限定されるものではなく、例えば、A式の段ボール箱や上面が開口しているトレイ形状の箱体でもよい。
【0048】
第一実施形態の包装箱1Aは段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱を形成してもよい。
【0049】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態の包装箱1Bについて説明する。
図6に示す第二実施形態の包装箱1Bは、A式の段ボール箱である(
図7参照)。
第二実施形態の包装箱1Bの手掛け穴50は、第一実施形態の包装箱1Aの手掛け穴50と略同様な構成であり、端壁11に補助折れ線L60が形成されている点が異なる。
【0050】
第二実施形態の包装箱1Bは、
図7に示すブランクシートS2を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図7に示すブランクシートS2は内面側が見えるように配置されている。
第二実施形態のブランクシートS2では、段ボールの段目(フルートの波目)が
図7の上下方向(縦方向)に延びている。
【0051】
第二実施形態の包装箱1Bでは、手掛け穴50の両傾斜縁部51b,51bの上端部の間に、横方向に延びている補助折れ線L60が形成されている。
この構成では、折り返し板60を内側に押し込むと、手掛け穴50の両傾斜縁部51b,51bの上端部の間に、補助折れ線L60によって折り目が形成される。
【0052】
これにより、端壁11の外フラップ14における段ボールの段目が上下方向に延びており、外フラップ14を上下方向に折り曲げ難い場合でも、折り返し板60を内側に押し込んだときに、補助折れ線L60によって外フラップ14(端壁11)に横方向の折り目を形成し易い。
【0053】
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、本発明は前記第二実施形態に限定されることなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、第二実施形態の包装箱1Bは、A式の段ボール箱であるが、箱体の形式は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1A 包装箱(第一実施形態)
1B 包装箱(第二実施形態)
10 壁部
11 端壁
12 側壁
13 接合片
14 外フラップ
15 内フラップ
20 底板
30 頂板
50 手掛け穴
51 上縁部
51a 中間縁部
51b 傾斜縁部
52 下縁部
53 側縁部
60 折り返し板
61 中間板
62 側板
L10 第一折れ線
L20 第二折れ線
L30 切断誘導線
L40 スリット
L50 折り目
L60 補助折れ線
P 内容物
S1 ブランクシート(第一実施形態)
S2 ブランクシート(第二実施形態)