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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007187
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】作業ユニット制御システム
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/30 20060101AFI20240111BHJP
   B66D 1/40 20060101ALI20240111BHJP
   A47L 3/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
E04G3/30 301B
E04G3/30 ESW
B66D1/40 A
A47L3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108481
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】竹▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】井下田 吉男
【テーマコード(参考)】
2E003
【Fターム(参考)】
2E003EB01
2E003EB03
2E003EB05
2E003EB06
(57)【要約】
【課題】高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処することを課題とする。
【解決手段】作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置2、第2制御装置3及び清掃等の作業を行う作業ユニット5を有し、第1制御装置2のウィンチ21と作業ユニット5をワイヤ41で接続し、第2制御装置3のウィンチ31と作業ユニット5をワイヤ42で接続し、さらに第1制御装置2の補助ウィンチ22と第2制御装置3の固定部とを補助ワイヤ43で接続し、補助ワイヤ43に作業ユニット5を吊り下げている。そして、ワイヤ41が破断した場合は、補助ワイヤ43により作業ユニット5が第1制御装置2の補助ウィンチ22と第2制御装置3の補助ワイヤ43の固定部との中間の位置に停止させるように、作業ユニットの動きを制限する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設に対する高所作業に使用され、所定の位置にジョイント部及び懸架部が設けられた作業ユニットと、
前記所定の施設の第1の位置に設けられ、前記作業ユニットの前記ジョイント部に一端が固定された第1のワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う第1のウィンチと、
前記所定の施設の第2の位置に設けられ、前記作業ユニットの前記ジョイント部に一端が固定された第2のワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う第2のウィンチと、
前記所定の施設の前記第1の位置の周囲に設けられ、前記所定の施設の前記第2の位置の周囲に一端に固定されるとともに前記懸架部にかけられた補助ワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う補助ウィンチと
を備え、
前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤが破断したならば、前記補助ワイヤにより前記作業ユニットの動きを制限する
ことを特徴とする作業ユニット制御システム。
【請求項2】
前記作業ユニットを操作する操作者により所持された端末装置と、
前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第1のウィンチ及び前記補助ウィンチを制御する第1の制御装置と、
前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第2のウィンチを制御する第2の制御装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項3】
前記端末装置に対する操作内容に基づいて、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ及び前記補助ワイヤのワイヤ長、巻き取り量及び送り出し量を算出するワイヤ制御量算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項4】
前記ワイヤ制御量算出手段は、
前記補助ワイヤの張力が所定範囲内となるように前記補助ワイヤのワイヤ長を算出することを特徴とする請求項3に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
前記作業ユニットに配設された工具を制御する工具制御装置に対して所定の作業指示を行う作業指示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項6】
前記第1の制御装置は、
前記第1のワイヤの張力を検知する第1の張力センサと、
前記第1の張力センサにより検知された張力が所定値未満となった場合、又は、前記第1の張力センサにより検知された張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、前記第1のワイヤが破断したと判定する第1の破断判定手段と
を備え、
前記第2の制御装置は、
前記第2のワイヤの張力を検知する第2の張力センサと、
前記第2の張力センサにより検知された張力が所定値未満となった場合、又は、前記第2の張力センサにより検知された張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、前記第2のワイヤが破断したと判定する第2の破断判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項7】
前記端末装置は、
前記第1の制御装置又は前記第2の制御装置から前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤの破断の通知を受け付ける破断受付手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
前記破断受付手段により前記第1のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置及び前記第2の制御装置に対して前記作業ユニットの自動降下を指示し、前記破断受付手段により前記第2のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置に対して前記作業ユニットの自動降下を指示する自動降下指示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項9】
前記端末装置は、
前記破断受付手段により前記第1のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置及び前記第2の制御装置に対して前記作業ユニットの所定の高さへの移動を指示し、前記破断受付手段により前記第2のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置に対して前記作業ユニットの所定の高さへの移動を指示する移動指示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の作業ユニット制御システム。
【請求項10】
前記作業ユニットを操作する操作者により所持された端末装置と、
前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第1のウィンチを制御する第1の制御装置と、
前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第2のウィンチを制御する第2の制御装置と、
前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記補助ウィンチを制御する第3の制御装置と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業ユニット制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業を行う作業員が作業するためのゴンドラ又は作業装置を搭載したワーク(以下、「作業ユニット」と言う)を支える複数のワイヤの一部が破断し、補助ワイヤで作業ユニットを支える場合に、安全かつ円滑に対処することができる作業ユニット制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルの壁面や窓の清掃をはじめとした高所作業を自動で行う場合には、例えばビルの屋上の2点にそれぞれウィンチAとウィンチBを設け、作業ユニットは、ウィンチAから伸びるワイヤA1とウィンチBから伸びるワイヤB1で吊り下げられる。そして、ウィンチAから伸びるワイヤA1とウィンチBから伸びるワイヤB1の巻き取り量と送り出し量を変化させることにより、作業ユニットの位置が移動制御される。
【0003】
ここで、ワイヤA1又はワイヤB1が破断したならば、作業ユニットが落下するおそれがあるため、作業ユニットの落下を防止するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、ワイヤA1及びワイヤB1により作業ユニットを横移動させるとともに、作業ユニットが横移動した後に作業ユニットの上部に補助用のウィンチCを移動させ、ウィンチCから伸びる補助ワイヤC1により作業ユニットの落下を防止する全域移動ゴンドラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-350718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものは、ワイヤA1及びワイヤB1により作業ユニットを横移動させる途中でワイヤA1が破断したならば、補助ワイヤC1が十分に機能せず、ワイヤB1のみによって作業ユニットが支えられることになる。このため、作業ユニットが大きく振り子運動をし、壁面や窓と衝突する可能性がある。
【0006】
また、上記特許文献1では、作業ユニットの落下を防ぐために補助ワイヤC1をロックしてしまうため、作業ユニットを人手で回収するしかない。さらに、ビルの屋上の状況によっては、貯水槽や塔屋(階段室やエレベータ室等で屋上を突き出した箇所)により移動可能な補助ウィンチを設置できない場合もある。
【0007】
これらのことから、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、いかに安全かつ円滑に対処するかが重要な課題となっている。
【0008】
本発明は、上記従来技術による問題点(課題)を解決するためになされたものであって、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処することができる作業ユニット制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、所定の施設に対する高所作業に使用され、所定の位置にジョイント部及び懸架部が設けられた作業ユニットと、前記所定の施設の第1の位置に設けられ、前記作業ユニットの前記ジョイント部に一端が固定された第1のワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う第1のウィンチと、前記所定の施設の第2の位置に設けられ、前記作業ユニットの前記ジョイント部に一端が固定された第2のワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う第2のウィンチと、前記所定の施設の前記第1の位置の周囲に設けられ、前記所定の施設の前記第2の位置の周囲に一端に固定されるとともに前記懸架部にかけられた補助ワイヤの巻き上げ又は送り出しを行う補助ウィンチとを備え、前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤが破断したならば、前記補助ワイヤにより前記作業ユニットの動きを制限することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記作業ユニットを操作する操作者により所持された端末装置と、前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第1のウィンチ及び前記補助ウィンチを制御する第1の制御装置と、前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第2のウィンチを制御する第2の制御装置とをさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記端末装置に対する操作内容に基づいて、前記第1のワイヤ、前記第2のワイヤ及び前記補助ワイヤのワイヤ長、巻き取り量及び送り出し量を算出するワイヤ制御量算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記ワイヤ制御量算出手段は、前記補助ワイヤの張力が所定範囲内となるように前記補助ワイヤのワイヤ長を算出することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記端末装置は、前記作業ユニットに配設された工具を制御する工具制御装置に対して所定の作業指示を行う作業指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記第1の制御装置は、前記第1のワイヤの張力を検知する第1の張力センサと、前記第1の張力センサにより検知された張力が所定値未満となった場合、又は、前記第1の張力センサにより検知された張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、前記第1のワイヤが破断したと判定する第1の破断判定手段とを備え、前記第2の制御装置は、前記第2のワイヤの張力を検知する第2の張力センサと、前記第2の張力センサにより検知された張力が所定値未満となった場合、又は、前記第2の張力センサにより検知された張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、前記第2のワイヤが破断したと判定する第2の破断判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、前記端末装置は、前記第1の制御装置又は前記第2の制御装置から前記第1のワイヤ又は前記第2のワイヤの破断の通知を受け付ける破断受付手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記端末装置は、前記破断受付手段により前記第1のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置及び前記第2の制御装置に対して前記作業ユニットの自動降下を指示し、前記破断受付手段により前記第2のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置に対して前記作業ユニットの自動降下を指示する自動降下指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記端末装置は、前記破断受付手段により前記第1のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置及び前記第2の制御装置に対して前記作業ユニットの所定の高さへの移動を指示し、前記破断受付手段により前記第2のワイヤの破断の通知を受け付けたならば、前記第1の制御装置に対して前記作業ユニットの所定の高さへの移動を指示する移動指示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記作業ユニットを操作する操作者により所持された端末装置と、前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第1のウィンチを制御する第1の制御装置と、前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記第2のウィンチを制御する第2の制御装置と、前記端末装置と無線通信可能であり、前記端末装置に対する操作内容に応じて前記補助ウィンチを制御する第3の制御装置とをさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態1に係る作業ユニット制御システムの概要を示す図である。
図2図2は、図1に示した作業ユニット5の構造の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態1に係る作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。
図4図4は、作業ユニット5の挙動を算出するための算出モデルを示す図である。
図5図5は、図4に示した算出モデルにより算出された作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。
図6図6は、図1に示した第1制御装置2の構成を説明する説明図である。
図7図7は、図1に示した第2制御装置3の構成を説明する説明図である。
図8図8は、図1に示した作業ユニット5の構成を示す機能ブロック図である。
図9図9は、端末装置10の構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、図9に示した端末装置10の処理手順を示すフローチャート(その1)である。
図11図11は、図9に示した端末装置10の処理手順を示すフローチャート(その2)である。
図12図12は、移動制御の処理手順を示すフローチャートである。
図13図13は、実施形態2に係る作業ユニット制御システムの概要を示す図である。
図14図14は、実施形態2に係る作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。
図15図15は、図13に示した第1制御装置7の構成を説明するための説明図である。
図16図16は、図13に示した第2制御装置8の構成を説明するための説明図である。
図17図17は、実施形態2に係る端末装置90の構成を示す機能ブロック図である。
図18図18は、図17に示した端末装置90の緊急処理部の処理手順を示すフローチャートである。
図19図19は、変形例3の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る作業ユニット制御システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ここでは、壁面の窓清掃作業を行うワークを作業ユニットとする場合を中心について説明することとする。
【0022】
[実施形態1]
<作業ユニット制御システムの概要>
まず、本実施形態1に係る作業ユニット制御システムの概要について説明する。図1は、実施形態1に係る作業ユニット制御システムの概要を示す図である。作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置2、第2制御装置3及び清掃等の作業を行う作業ユニット5を有する。また、第1制御装置2は、ウィンチ21及び補助ウィンチ22を有する。第2制御装置3は、ウィンチ31を有する。
【0023】
また、作業ユニット制御システムは、作業ユニット5をビル1の壁面に平行に上下左右に移動させるために、ワイヤ41、ワイヤ42及び補助ワイヤ43を有する。ワイヤ41は、第1制御装置2のウィンチ21に配設されたモータ21aに駆動されるドラム21bと作業ユニット5とを接続する。また、ワイヤ42は、第2制御装置3のウィンチ31に配設されたモータ31aに駆動されるドラム31bと作業ユニット5とを接続する。そして、補助ワイヤ43は、第1制御装置2の補助ウィンチ22に配設された補助モータ22aに駆動されるドラム22bと第2制御装置3の固定部とを接続する。
【0024】
図2に示すように、作業ユニット5に接続するワイヤ41及びワイヤ42は、作業ユニット5の上部に設置された固定金具51に固定リング53等を用いて固定する。また、補助ウィンチ22のドラム22bに接続する補助ワイヤ43は、作業ユニット5の上部に設置された滑車52を通して第2制御装置3の固定部に固定する。作業ユニット5は、操作者が図示しない端末装置10を操作して清掃等を行うために、カメラ54、カメラ55、スポンジ56、スクイジー57及びモータ58等を有する。なお、上記固定リング53は特許請求の範囲の「ジョイント部」に対応し、滑車52は特許請求の範囲の「懸架部」に対応する。
【0025】
作業ユニット制御システムは、操作者が図示しない端末装置10を操作することにより、ウィンチ21のワイヤ41の巻き取り又は送り出しを行うモータ21a、ウィンチ31のワイヤ42を巻き取り又は送り出しを行うモータ31a及び補助ワイヤ43の巻き取り又は送り出しを行う補助モータ22aを制御し、作業ユニット5をビル1の壁面に平行に上下左右に移動させる。
【0026】
次に、ワイヤ41が破断した場合の作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動について説明する。図3は、実施形態1に係る作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。図3に示すように、作業ユニット制御システムの作業ユニット5は、ワイヤ41が破断した場合に、ワイヤ41が破断するまえの作業ユニット5aの位置から、作業ユニット5の位置に移動する。この位置は、補助ワイヤ43の作業ユニット5から補助ウィンチ22の補助ワイヤ43が巻き取られるドラム22bまでの長さと、補助ワイヤ43の作業ユニット5から第2制御装置3の補助ワイヤ43を固定する固定部までの長さとが等しくなる位置である。また、作業ユニット制御システムは、ワイヤ41又はワイヤ42が破断した場合に、補助ワイヤ43により作業ユニット5の墜落を防止することができる。
【0027】
また、作業ユニット制御システムは、操作者からの操作に応じて補助ウィンチ22の補助モータ22a及びウィンチ31のモータ31aを制御することにより、作業ユニット5を安全に地上に降ろすことができる。
【0028】
<ワイヤが破断した場合の作業ユニット5の可動範囲について>
次に、ワイヤが破断した場合の作業ユニット5の可動範囲について説明する。図4は、作業ユニット5の挙動を算出するための算出モデルを示す図である。位置座標として、P1を原点、水平右向きをx軸、鉛直下向きをy軸とするxy座標を置く。図4に示すように、2本のワイヤで作業ユニット5を吊り下げて構成する吊下げモデルでは、ビル1の屋上等に設置した巻き取り用のウィンチを用いてワイヤ長l1、l2を変化させることにより作業ユニット5の壁面の位置x、yを制御する。
【0029】
ワイヤ駆動系において移動の自由度nを実現させるためのワイヤの本数mはm>nを満たす必要がある。ここでは、重力を3本目のワイヤと見なすことでx、yの自由度2の移動が実現できる。
【0030】
図4(a)の吊下げモデルでは、一方のワイヤが破断する場合に、残りのワイヤのウィンチの位置を支点とした単振り子として動作する。この場合、作業ユニット5は、上下左右へ大きく移動し得るため、地面、壁面及び窓への衝突等の危険性がある。これらの衝突の危険性をなくすためには、ワイヤが破断した場合に、作業ユニット5の位置が残されたワイヤによって大きく移動せずに静止する必要がある。
【0031】
一方、図4(b)に示すように、1本のワイヤを補助ウィンチ22の位置P1と第2制御装置3の固定部の位置P2との間に配設し、作業ユニット5を吊り下げる補助ワイヤを追加した吊下げモデルについて説明する。ここで、該吊下げモデルは、補助ウィンチ22と第2の固定部の位置の中間位置(x=L/2)を基準として左右対称な系であるため、作業ユニット5の位置(x<L/2)において、位置P1に接続されているワイヤが破断した場合の作業ユニット5の可動範囲について説明する。
【0032】
補助ワイヤ43なしの図4(a)の吊下げモデルの場合は、作業ユニット5の位置の変化の軌道は、位置P2を中心に円弧を描き、次の関係を満たす。
【0033】
【数1】
ただし、ワイヤ破断時の作業ユニット5の位置を(xc、yc)としており、エネルギ減衰の影響は考慮していない。
【0034】
補助ワイヤ43を追加した図4(b)の吊下げモデルの場合は、作業ユニット5の吊下げ滑車の半径が十分小さく、直角に近似しても問題ないと仮定する。また、補助ワイヤ43の固定点は位置P1及び位置P2と一致していると仮定したならば、補助ワイヤ長l3は、式(2)で表わされる。
【0035】
【数2】
そして、補助ワイヤを追加した吊下げモデルの作業ユニット5の位置の変化の軌道は、次の関係式を満たす。
【0036】
【数3】
【数4】
ここで、l3=l1+l2として式(3)及び式(4)を整理すると、式(5)の関係式が導ける。
【0037】
【数5】
【0038】
次に、ワイヤが破断した場合の作業ユニット5の挙動について説明する。図5は、図4に示した算出モデルにより算出された作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。ここで、位置P1は、補助ウィンチ22が設置されている位置を、位置P2は、第2制御装置3の固定部が設置されている位置を示す。また、補助ウィンチ22と第2制御装置3の固定部との距離L=10m、破断が発生した時の作業ユニット5の位置を(x、y)=(0.0、5.0)としている。
【0039】
図5に示すように、補助ワイヤ43なしの場合は、作業ユニット5は、左右方向(x軸方向)の可動域が第2制御装置3の固定部の位置P2を通り越した領域まで到達する。壁面作業において、作業ユニット5が作業領域(補助ウィンチ22と第2制御装置3の固定部との間)を越えた場所まで移動してしまうのは、安全確保を行う上でも好ましくない。
【0040】
一方、補助ワイヤ43を追加した(補助ワイヤ43あり)場合は、x軸方向の可動域が補助ウィンチ22と第2制御装置3の固定部との間に収まっている。また、高さ方向についても、補助ワイヤ43がない場合よりも補助ワイヤ43がある場合の方が、位置変動が抑えられていることが分かる。
【0041】
<第1制御装置2の構成>
次に、図1に示した第1制御装置2の構成について説明する。図6は、図1に示した第1制御装置2の構成を説明する説明図である。図6に示すように、第1制御装置2は、ウィンチ21、補助ウィンチ22、制御部23及び送受信部24を有する。また、ウィンチ21は、モータ21a及びドラム21bを、補助ウィンチ22は、補助モータ22a及びドラム22bを有する。
【0042】
ウィンチ21のモータ21aとモータ21aに駆動されるドラム21bとは、作業ユニット5を移動させるためのワイヤ41の巻き取り又は送り出しを行う。補助ウィンチ22の補助モータ22aと補助モータ22aに駆動されるドラム22bとは、補助ワイヤ43の巻き取り又は送り出しを行う。
【0043】
制御部23は、端末装置10から送受信部24を介してワイヤ41の巻き取り量又は送り出し量と、補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量とを受信し、モータ21a及び補助モータ22aにより巻き取り又は送り出し制御を行う。
【0044】
送受信部24は、端末装置10と無線通信で接続し、操作者の操作に基づくワイヤ41及び補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量等のデータを受信する。なお、無線通信の方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等である。
【0045】
<第2制御装置3の構成>
次に、図1に示した第2制御装置3の構成について説明する。図7は、図1に示した第2制御装置3の構成を説明する説明図である。図7に示すように、第2制御装置3は、ウィンチ31、制御部32及び送受信部33を有する。また、ウィンチ31は、モータ31a及びドラム31bを有する。
【0046】
ウィンチ31のモータ31aとモータ31aに駆動されるドラム31bとは、作業ユニット5を移動させるためのワイヤ42の巻き取り又は送り出しを行う。制御部32は、端末装置10から送受信部33を介してワイヤ42の巻き取り量又は送り出し量を受信し、モータ31aにより巻き取り又は送り出し制御を行う。
【0047】
送受信部33は、端末装置10と無線通信で接続し、操作者の操作に基づくワイヤ42の巻き取り量又は送り出し量のデータを受信する。なお、無線通信方式は、例えば、Wi-Fi等である。また、第2制御装置3には、図示しない補助ワイヤ43を固定する固定部を有する。
【0048】
<作業ユニット5の構成>
次に、作業ユニット5の構成について説明する。図8は、図1に示した作業ユニット5の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、作業ユニット5は、カメラ54、カメラ55、スポンジ56、スクイジー57、モータ58、モータ59、通信I/F部60、記憶部61及び制御部62を有する。
【0049】
カメラ54及びカメラ55は、作業ユニット5の窓清掃の作業状況を撮像する撮像装置である。スポンジ56は、水拭き又は洗剤を塗布し、窓の汚れを落とす工具である。スクイジー57は、窓についた洗剤や水滴を拭う工具である。
【0050】
モータ58は、スポンジ56に接続されており、例えばパンタグラフ型の治具を用いることにより、モータ58を正回転させるとスポンジ56を押し出し、逆回転させるとスポンジ56を収納することができる。また、モータ58は、スポンジ56の向きを変える制御も行う。
【0051】
モータ59は、スクイジー57に接続されており、例えばパンタグラフ型の治具を用いることにより、モータ59を正回転させるとスクイジー57を押し出し、逆回転させるとスクイジー57を収納することができる。また、モータ59は、スクイジー57の向きを変える制御も行う。
【0052】
通信I/F部60は、端末装置10と通信をするためのインターフェース部である。記憶部61は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0053】
制御部62は、作業ユニット5の全体を制御する制御部であり、工具制御受付部62a、モータ制御部62b及びカメラ画像送信部62cを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、工具制御受付部62a、モータ制御部62b及びカメラ画像送信部62cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0054】
工具制御受付部62aは、端末装置10から送信された工具制御のデータを通信I/F部60を介して受信し、モータ58及びモータ59の制御を行うモータ制御部62bにデータを送信する。
【0055】
モータ制御部62bは、工具制御受付部62aからのデータに従って、モータ58の正回転/逆回転及びモータ59の正回転/逆回転を制御する。また、モータ制御部62bは、モータ58及びモータ59を制御しスポンジ56及びスクイジー57の向きも制御する。カメラ画像送信部62cは、カメラ54及びカメラ55で撮像された画像を端末装置10に送信する処理を行う。
【0056】
<端末装置10の構成>
次に、端末装置10の構成について説明する。図9は、端末装置10の構成を示す機能ブロック図である。図9に示すように、端末装置10は、入力部11、表示部12、通信I/F部13、記憶部14及び制御部15を有する。
【0057】
入力部11は、キーボード、マウスや操作ボタン等の入力デバイスであり、表示部12は、液晶パネル又はディスプレイ装置などの表示デバイスである。通信I/F部13は、第1制御装置2、第2制御装置3及び作業ユニット5などの他の装置と無線通信を行うためのインターフェース部である。記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0058】
制御部15は、端末装置10の全体を制御する制御部であり、移動動作受付部15aと、ワイヤ制御量算出部15bと、ワイヤ制御量送信部15cと、工具制御処理部15dと、表示処理部15eとを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、移動動作受付部15aと、ワイヤ制御量算出部15bと、ワイヤ制御量送信部15cと、工具制御処理部15dと、表示処理部15eとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0059】
移動動作受付部15aは、操作者が作業ユニット5を移動するために操作指示を与えた場合に、その操作指示を受け付ける処理を行う。なお、ここで操作指示は、例えば、移動方向ボタンを押下やスティックを用いて移動方向を指示することである。
【0060】
ワイヤ制御量算出部15bは、操作者の操作指示に基づいて、第1制御装置2のウィンチ21のモータ21a及び補助ウィンチ22の補助モータ22aと、第2制御装置3のウィンチ31のモータ31aとのワイヤ巻き取り量又は送り出し量を算出する処理部である。例えば、作業ユニット5を右に平行に移動させる場合には、ワイヤ制御量算出部15bは、第1制御装置2のモータ21a及び補助モータ22aに送信するワイヤ41及び補助ワイヤ43の送り出し量を算出し、第2制御装置3のモータ31aに送信するワイヤ42の巻き取り量を算出する。また、補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量を算出する場合には、補助ワイヤ43がたるまないように、張力が所定範囲内となるように補助ワイヤ43のワイヤ長を算出する。
【0061】
ここで、ワイヤの巻き取り量又は送り出し量は、操作者の操作指示(例えば作業ユニットを現在の位置から1m左へ移動する)に基づいて算出する。具体的には、現在の作業ユニット5の位置座標があらかじめ分かっていたならば、操作指示から作業ユニット5が移動する位置座標を特定する。そして、それぞれの位置座標からピタゴラスの定理を用いてそれぞれのワイヤ長を求め、そのワイヤ長の差分から巻き取り量又は送り出し量を算出する。
【0062】
ワイヤ制御量送信部15cは、ワイヤ制御量算出部15bで算出されたワイヤ41、ワイヤ42及び補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量を、通信I/F部13を介して第1制御装置2及び第2制御装置3に送信する処理を行う。
【0063】
工具制御処理部15dは、操作者が選択した作業ユニット5の窓を清掃するための工具ボタンを押下した場合に、その選択された工具を押し出し、他の工具を収納するデータを通信I/F部13を介して送信する処理を行う。
【0064】
表示処理部15eは、作業ユニット5に配設されたカメラ54及びカメラ55の画像を通信I/F部13を介して受信して所定の表示部12に表示制御する。
【0065】
<端末装置10の処理手順>
次に、端末装置10の処理手順について説明する。図10及び図11は、図9に示した端末装置10の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、端末装置10は、作業ユニット5から送信されたカメラ画像を受信する(ステップS101)。そして、端末装置10は、受信したカメラ画像を所定の表示部12に表示制御する(ステップS102)。
【0066】
その後、端末装置10は、操作者の操作により作業ユニット5の移動制御を行う(ステップS103)。そして、端末装置10は、清掃ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS104)。清掃ボタンが押されていない場合は、ステップS103に移行する(ステップS104;No)。これに対して、清掃ボタンが押されたならば(ステップS104;Yes)、端末装置10は、窓ガラスに洗剤を塗布するためにスポンジ56を押し出すデータを作業ユニット5に送信する(ステップS105)。
【0067】
その後、端末装置10は、操作者の操作により作業ユニット5の移動制御を行う(ステップS106)。そして、端末装置10は、拭取りボタンが押されたか否かを判定する(ステップS107)。拭取りボタンが押されていない場合は、ステップS106に移行する(ステップS107;No)。これに対して、拭取りボタンが押されたならば(ステップS107;Yes)、スポンジ56を格納するデータを送信し、その後、拭取りを行うためにスクイジー57を押し出すデータを作業ユニット5に送信する(ステップS108)。
【0068】
そして、端末装置10は、操作者の操作により作業ユニット5の移動制御を行う(ステップS109)。その後、端末装置10は、拭取りが完了したか否かを判定する(ステップS110)。拭取りが完了していない場合は、ステップS109に移行する(ステップS110;No)。これに対して、拭取りが完了した場合は(ステップS110;Yes)、端末装置10は、スクイジー57を格納するデータを作業ユニット5に送信する(ステップS111)。
【0069】
そして、端末装置10は、清掃が完了したか否かを判定する(ステップS112)。清掃が完了していない場合は、ステップS103に移行し(ステップS112;No)、清掃を継続する。これに対して、清掃が完了した場合は(ステップS112;Yes)、一連の処理を終了する。
【0070】
次に、図10及び図11の移動制御の処理手順について説明する。図12は、移動制御の処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、端末装置10は、操作指示が与えられたか否かを判定する(ステップS201)。操作指示が与えられていない場合は、図10及び図11のメインフローに戻る(ステップS201;No)。
【0071】
これに対して、操作指示が与えられたならば(ステップS201;Yes)、端末装置10は、移動方向に基づいてウィンチ21のワイヤ41と、ウィンチ31のワイヤ42と、補助ウィンチ22の補助ワイヤ43との巻き取り量又は送り出し量等の制御量を算出する(ステップS202)。
【0072】
その後、端末装置10は、算出したワイヤ41、ワイヤ42及び補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量等の制御量を第1制御装置2及び第2制御装置3に送信する(ステップS203)。そして、ステップS201へ移行する。
【0073】
上述してきたように、本実施形態1では、作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置2、第2制御装置3及び清掃等の作業を行う作業ユニット5を有し、第1制御装置2のウィンチ21と作業ユニット5をワイヤ41で接続し、第2制御装置3のウィンチ31と作業ユニット5をワイヤ42で接続し、さらに第1制御装置2の補助ウィンチ22と第2制御装置3の固定部とを補助ワイヤ43で接続し、補助ワイヤ43に作業ユニット5を吊り下げている。そして、ワイヤ41が破断した場合は、補助ワイヤ43により作業ユニット5が第1制御装置2の補助ウィンチ22と第2制御装置3の補助ワイヤ43の固定部との中間の位置に停止させるように、作業ユニットの動きを制限するようにしたため、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処することができる。
【0074】
なお、上記実施形態1では、ワイヤ41が破断した場合について説明したが、ワイヤ42が破断した場合も作業ユニット5は同様な挙動を示し、端末装置10から第1制御装置2のウィンチ21のモータ21a及び補助ウィンチ22の補助モータ22aを制御し、ワイヤ41及び補助ワイヤ43を送り出すことにより、作業ユニット5を安全に地上に降ろすことができる。
【0075】
<変形例1>
上記実施形態1では、端末装置10においてワイヤ制御量を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。このため、変形例1では、第1制御装置2においてワイヤ制御量を算出する場合について説明する。
【0076】
変形例1に係る作業ユニット制御システムは、端末装置10が操作量(例えば現在の位置から1m左)を受け付けた場合に、この操作量が端末装置10の通信I/F部13を介して第1制御装置2に送信される。そして、第1制御装置2は、現在の作業ユニット5の座標及び受信した操作量に従って、作業ユニット5の移動先の座標を算出する。そして、算出した作業ユニット5の移動先の座標から、作業ユニット5の移動先でのワイヤ41のワイヤ長を算出する。
【0077】
その後、現時点でのワイヤ41のワイヤ長と、作業ユニット5の移動先でのワイヤ41のワイヤ長との差分を算出し、この差分に応じてワイヤ41の制御量(巻き取り量又は送り出し量)を算出する。
【0078】
同様に、第2制御装置3は、作業ユニット5の移動先でのワイヤ42のワイヤ長を算出した後、現時点でのワイヤ42のワイヤ長と、作業ユニット5の移動先でのワイヤ42のワイヤ長との差分に応じてワイヤ42の制御量(巻き取り量又は送り出し量)を算出する。
【0079】
なお、上記変形例1では、第1制御装置2及び第2制御装置3のそれぞれでワイヤ制御量を算出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1制御装置2又は第2制御装置3でワイヤ41及びワイヤ42の制御量を算出することもできる。
【0080】
なお、上記実施形態1では、作業ユニット5の位置情報を利用してワイヤ長を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ウィンチ21及びウィンチ31に角度センサを配設し、ウィンチ21とウィンチ31のそれぞれの角度情報からワイヤ41及びワイヤ42のワイヤ長を三角関数により算出することもできる。また、ワイヤ長の算出は、ウィンチに配設したモータの回転量から算出することもできる。
【0081】
また、上記実施形態1では、第1制御装置2に補助ウィンチ22を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1制御装置2とは別の独立した制御装置に補助ウィンチ22を設けることもできる。
【0082】
[実施形態2]
<作業ユニット制御システムの概要>
ところで、上記実施形態1では、ワイヤ41又はワイヤ42が破断した場合に、操作者が手動で作業ユニット5を回収する場合について説明したが、実施形態2では、ワイヤ41又はワイヤ42が破断した事を検知し、作業ユニット5を自動的に回収する場合について説明する。
【0083】
本実施形態2に係る作業ユニット制御システムの概要を説明する。図13は、実施形態2に係る作業ユニット制御システムの概要を示す図である。なお、実施形態1と同様の箇所には、同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図13に示すように、作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置7、第2制御装置8及び清掃等の作業を行う作業ユニット5を有する。また、第1制御装置7は、ウィンチ75及び補助ウィンチ22を有する。第2制御装置8は、ウィンチ85を有する。
【0085】
また、作業ユニット制御システムは、作業ユニット5をビル1の壁面に平行に上下左右に移動させるために、ワイヤ41、ワイヤ42及び補助ワイヤ43を有する。ワイヤ41は、第1制御装置7のウィンチ75に配設された張力センサ71が接続されたモータ21aに駆動されるドラム21bと作業ユニット5とを接続する。また、ワイヤ42は、第2制御装置8のウィンチ85に配設された張力センサ81が接続されたモータ31aに駆動されるドラム31bと作業ユニット5とを接続する。そして、補助ワイヤ43は、第1制御装置7の補助ウィンチ22に配設された補助モータ22aに駆動されるドラム22bと第2制御装置8の固定部に固定されている。
【0086】
次に、ワイヤ41が破断した場合の作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動について説明する。図14は、実施形態2に係る作業ユニット制御システムの作業ユニット5の挙動を説明するための説明図である。図14に示すように、作業ユニット制御システムは、ワイヤ41が破断すると第1制御装置7のウィンチ75のワイヤ41の巻き取り又は送り出しを行うモータ21aに接続された張力センサ71が破断を検知し、図示しない端末装置90に通知する。具体的には、張力センサ71の張力が所定値未満となった場合、又は、張力センサ71の張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、図示しない制御部73の破断判定部73aによりワイヤ41が破断したと判定し、図示しない送受信部24を介して、図示しない端末装置90に通知する。
【0087】
作業ユニット制御システムの作業ユニット5は、ワイヤ41が破断すると、ワイヤ41が破断するまえの作業ユニット5aの位置から、作業ユニット5bの位置に移動する。この位置は、補助ワイヤ43の作業ユニット5から補助ウィンチ22の補助ワイヤ43が巻き取られるドラム22bまでの長さと、補助ワイヤ43の作業ユニット5から第2制御装置8の補助ワイヤ43を固定する固定部までの長さとが等しくなる位置である。
【0088】
その後、作業ユニット制御システムは、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aのワイヤ送り出し量を図示しない端末装置90から受信し、作業ユニット5を自動的に地上に降ろすことができる。
【0089】
<第1制御装置7の構成>
次に、図13に示した第1制御装置7の構成について説明する。図15は、図13に示した第1制御装置7の構成を説明するための説明図である。図15に示すように、第1制御装置7は、補助ウィンチ22、送受信部24、制御部73及びウィンチ75を有する。また、ウィンチ75は、張力センサ71,モータ21a及びドラム21bを有する。
【0090】
ウィンチ75の張力センサ71は、モータ21aに接続されワイヤ41の張力を計測するデバイスである。制御部73は、端末装置90から送受信部24を介してワイヤ41の巻き取り量又は送り出し量と、補助ワイヤ43の巻き取り量又は送り出し量とを受信し、モータ21a及び補助モータ22aにより巻き取り又は送り出し制御を行う。
【0091】
また、制御部73は、破断判定部73aを有する。破断判定部73aは、ワイヤ41の破断を判定し、ワイヤ41が破断した場合は、送受信部24を介して端末装置90にワイヤ41の破断を通知する。具体的には、張力センサ71からの張力が所定値未満になった場合、又は、張力センサ71からの張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、ワイヤ41が破断したと判定し、破断判定部73aは、端末装置90にワイヤ41の破断を通知する。
【0092】
<第2制御装置8の構成>
次に、図13に示した第2制御装置8の構成について説明する。図16は、図13に示した第2制御装置8の構成を説明するための説明図である。図16に示すように、第2制御装置8は、送受信部33、制御部82及びウィンチ85を有する。ウィンチ85は、張力センサ81、モータ31a及びドラム31bを有する。
【0093】
ウィンチ85の張力センサ81は、モータ31aに接続されワイヤ42の張力を計測するデバイスである。制御部82は、ワイヤ42の巻き取り量又は送り出し量を、送受信部33を介して端末装置90から受信し、モータ31aにより巻き取り又は送り出し制御を行う。
【0094】
また、制御部82は、破断判定部82aを有する。破断判定部82aは、ワイヤ42の破断を判定し、ワイヤ42が破断した場合は、送受信部33を介して端末装置90にワイヤ42の破断を通知する。具体的には、張力センサ81からの張力が所定値未満になった場合、又は、張力センサ81からの張力の所定時間あたりの変化量が所定値以上となった場合に、ワイヤ42が破断したと判定し、破断判定部82aは、端末装置90にワイヤ42の破断を通知する。
【0095】
<端末装置90の構成>
次に、端末装置90の構成について説明する。図17は、実施形態2に係る端末装置90の構成を示す機能ブロック図である。図17に示すように、端末装置90は、入力部11、表示部12、通信I/F部13、記憶部14及び制御部95を有する。
【0096】
制御部95は、端末装置90の全体を制御する制御部であり、移動動作受付部15aと、ワイヤ制御量算出部15bと、ワイヤ制御量送信部15cと、工具制御処理部15dと、表示処理部15eと、破断通知受付部95aと緊急処理部95bとを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、移動動作受付部15aと、ワイヤ制御量算出部15bと、ワイヤ制御量送信部15cと、工具制御処理部15dと、表示処理部15eと、破断通知受付部95aと、緊急処理部95bとにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0097】
破断通知受付部95aは、第1制御装置7又は第2制御装置8から通信I/F部13を介してワイヤの破断通知を受け付ける処理を行う。緊急処理部95bは、第1制御装置7から破断通知を受信した場合は、ワイヤ41が破断したと判定し、作業ユニット5を自動的に地上に降ろすために、第1制御装置7の補助ワイヤ43の送り出し量及び第2制御装置8のワイヤ42の送り出し量を、それぞれ通信I/F部13を介して第1制御装置7及び第2制御装置8へ送信する。
【0098】
また、緊急処理部95bは、第2制御装置8から通信I/F部13を介して破断通知を受信した場合は、ワイヤ42が破断したと判定し、作業ユニット5を自動的に地上に降ろすために、第1制御装置7のワイヤ41及び補助ワイヤ43の送り出し量を通信I/F部13を介して第1制御装置7へ送信する。
【0099】
<緊急処理部95bの処理手順>
次に、緊急処理部95bの処理手順について説明する。図18は、図17に示した端末装置90の緊急処理部95bの処理手順を示すフローチャートである。図18に示すように、緊急処理部95bは、ワイヤの破断通知の受信を待機する(ステップS301;No)。
【0100】
そして、緊急処理部95bは、ワイヤの破断通知を受信したならば(ステップS301;Yes)、破断したワイヤがワイヤ41か否かを判定する(ステップS302)。破断したワイヤがワイヤ41であった場合は(ステップS302;Yes)、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して制御データを送信する(ステップS303)。具体的には、ワイヤ42の送り出し量を第2制御装置8のモータ31aに、補助ワイヤ43の送り出し量を第1制御装置7の補助モータ22aにそれぞれ送信する。
【0101】
その後、緊急処理部95bは、作業ユニット5が地上に到達したか否かを判定する(ステップS304)。作業ユニット5が地上に到達していない場合は(ステップS304;No)、ステップS303に移行し、作業ユニット5の降下を継続する。これに対して、作業ユニット5が地上に到達した場合は(ステップS304;Yes)、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して、停止(送り出し量0)の制御データを送信し(ステップS305)、一連の処理を終了する。
【0102】
これに対して、破断したワイヤがワイヤ41でない場合は(ステップS302;No)、破断したワイヤがワイヤ42であるか否かを判定する(ステップS306)。破断したワイヤがワイヤ42であった場合は(ステップS306;Yes)、第1制御装置7のモータ21a及び補助モータ22aに対して制御データを送信する(ステップ307)。具体的には、ワイヤ41の送り出し量のデータを第1制御装置7のモータ21aに、補助ワイヤ43の送り出し量のデータを補助モータ22aに対して送信する。
【0103】
その後、緊急処理部95bは、作業ユニット5が地上に到達したか否かを判定する(ステップS308)。作業ユニット5が地上に到達していない場合は(ステップS308;No)、ステップS307に移行し、作業ユニット5の降下を継続する。これに対して、作業ユニット5が地上に到達した場合は(ステップS308;Yes)、第1制御装置7のモータ21a及び補助モータ22aに対して、停止(送り出し量0)の制御データを送信し(ステップS309)、一連の処理を終了する。
【0104】
これに対して、破断したワイヤがワイヤ42でない場合は(ステップS306;No)、破断通知が誤送信である可能性が高いので、エラー処理を行い(ステップS310)、一連の処理を終了する。なお、エラー処理は、例えば端末装置90の所定の表示部12に「破断通知エラー」等の文字を表示制御する。
【0105】
上述してきたように、本実施形態2では、作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置7、第2制御装置8、清掃等の作業を行う作業ユニット5及び操作者が操作を行う端末装置90を有し、ワイヤ41の長さを調整するモータ21aに張力センサ71を接続し、ワイヤ42の長さを調整するモータ31aに張力センサ81を接続し、これら張力センサ71及び張力センサ81からの破断通知を受信することにより、端末装置90が、第1制御装置7又は第1制御装置7及び第2制御装置8にワイヤを送り出す制御データを送り、作業ユニット5を自動的に地上に降ろすことができるようにしたため、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処することができる。
【0106】
<変形例2>
上記の実施形態2では、ウィンチ75に配設された張力センサ71の計測値に基づいてワイヤ41が破断したと判定する場合について説明したが、変形例2では、ワイヤ41の破断を、ワイヤ41の角度を計測する角度センサを第1制御装置に設け、計測されるワイヤ41の角度に基づいてワイヤ41の破断を判定する場合について説明する。
【0107】
変形例2に係る作業ユニット制御システムは、第1制御装置7のウィンチ75にワイヤ41の角度を計測する角度センサが設けられる。そして、第1制御装置7の制御部73において、計測された角度センサからの角度情報から張力センサ71で計測されるべき張力値を推定する。その後、制御部73は、推定された張力値と張力センサ71で計測された張力値を比較し、その差分が所定値範囲外であるならば、ワイヤ41が破断したと判定する。
【0108】
なお、上記変形例2では、ワイヤ41が破断した場合を説明したが、ワイヤ42が破断した場合も、第2制御装置8のウィンチ85にワイヤ42の角度を計測する角度センサを設け、第2制御装置8の制御部82においてワイヤ41が破断した場合と同様に処理することにより、ワイヤ42の破断を判定することができる。
【0109】
<変形例3>
上記の実施形態1及び実施形態2では、作業ユニット制御システムは、ワイヤ41が破断した場合に、作業ユニット5が補助ワイヤ43に吊り下げられ、補助ワイヤ43の作業ユニット5から第1制御装置7の補助ワイヤ43が巻き取られるドラム22bの長さと、補助ワイヤ43の作業ユニット5と第2制御装置8の補助ワイヤ43を固定する固定部までの長さとが等しくなる位置に静止する場合について説明したが、作業ユニット5が静止する位置がビル1の窓部である場合は、ビル1の内側から窓越しにワイヤが破断した作業ユニット5が見えることとなる。そこで、変形例3では、作業ユニット制御システムがワイヤの破断を検知したならば、第1制御装置7又は第1制御装置7及び第2制御装置8のワイヤ長を調整するようにモータを制御し、一次的に作業ユニット5が窓と窓の間の壁面部に停止する場合について説明する。
【0110】
変形例3に係る作業ユニット制御システムのワイヤ41が破断した場合について説明する。図19は、変形例3の概要を示す図である。なお、実施形態1及び実施形態2と同様の箇所には、同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0111】
図19に示すように、作業ユニット制御システムは、ビル1の屋上に設置された第1制御装置7、第2制御装置8及び清掃等の作業を行う作業ユニット5を有する。
【0112】
ワイヤ41が破断すると、ワイヤ41の巻き取り又は送り出しを行っているモータ21aに接続されている張力センサ71の張力に基づいて第1制御装置7が、ワイヤ41の破断を検知し、破断通知を図示しない端末装置90に送信する。破断通知を受信した端末装置90は、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して、作業ユニット5が破断前の作業ユニット5aの位置からビル1の窓と窓の間の作業ユニット5cの位置になるように、ワイヤ42及び補助ワイヤ43の送り出し量を算出し、その送り出し量を第1制御装置7及び第2制御装置8に送信する。その後、端末装置90は、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して、作業ユニット5が地上に降りるようにワイヤの送り出し量を送信する。
【0113】
この結果、作業ユニット制御システムは、ワイヤ41が破断しても、ビル1の内側から不安定な作業ユニット5の挙動を見られることなく、安全に作業ユニット5を回収することができる。
【0114】
なお、上記変形例3では、ワイヤ41が破断した場合を説明したが、ワイヤ42が破断しても端末装置90から、第1制御装置7のモータ21a及び補助モータ22aを制御することにより、ビル1の内側から不安定な作業ユニット5の挙動を見られることなく、安全に作業ユニット5を回収することができる。
【0115】
<変形例4>
上記変形例3では、作業ユニット5が窓と窓の間の壁面に停止する場合について説明したが、変形例4では、ワイヤ41が破断した場合に、作業ユニット5を一定時間上昇させて落下のリスクを低減する場合について説明する。
【0116】
変形例4に係る作業ユニット制御システムは、ワイヤ41の破断を検知すると、端末装置90は、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して、作業ユニット5を上昇させるように、ワイヤ42及び補助ワイヤ43の巻き取り量を算出し、その巻き取り量を第1制御装置7及び第2制御装置8に送信する。その後、端末装置90は、第1制御装置7の補助モータ22a及び第2制御装置8のモータ31aに対して、作業ユニット5が地上に降りるようにワイヤの送り出し量を送信する。
【0117】
なお、上記変形例4では、ワイヤ41が破断した場合を説明したが、ワイヤ42が破断しても端末装置90から、第1制御装置7のモータ21a及び補助モータ22aを制御することにより、同様の挙動を示し、作業ユニット制御システムは、安全に作業ユニット5を回収することができる。
【0118】
なお、上記実施形態2では、張力センサを用いてワイヤ41又はワイヤ42の破断を検知する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、ワイヤ41の角度を計測する角度センサを第1制御装置7に設け、ワイヤ42の角度を計測する角度センサを第2制御装置8に設けることもできる。この場合は、これらの角度センサにより検知された角度が急激に変化した場合にワイヤ41又はワイヤ42が破断したと判定することになる。
【0119】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明に係る作業ユニット制御システムは、高所作業を行う作業ユニットを支える複数のワイヤの一部が破断した場合に、安全かつ円滑に対処する場合に適している。
【符号の説明】
【0121】
1 ビル
2 第1制御装置
3 第2制御装置
5、5a、5b、5c 作業ユニット
7 第1制御装置
8 第2制御装置
10 端末装置
11 入力部
12 表示部
13 通信I/F部
14 記憶部
15 制御部
15a 移動動作受付部
15b ワイヤ制御量算出部
15c ワイヤ制御量送信部
15d 工具制御処理部
15e 表示処理部
21 ウィンチ
21a モータ
21b ドラム
22 補助ウィンチ
22a 補助モータ
22b ドラム
23 制御部
24 送受信部
31 ウィンチ
31a モータ
31b ドラム
32 制御部
33 送受信部
41 ワイヤ
42 ワイヤ
43 補助ワイヤ
51 固定金具
52 滑車
53 固定リング
54、55 カメラ
56 スポンジ
57 スクイジー
58 59 モータ
60 通信I/F部
61 記憶部
62 制御部
62a 工具制御受付部
62b モータ制御部
62c カメラ画像送信部
71、81 張力センサ
73、82 制御部
73a、82a 破断判定部
75、85 ウィンチ
90 端末装置
95 制御部
95a 破断通知受付部
95b 緊急処理部
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