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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071888
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】カートリッジ保護体
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/50 20060101AFI20240520BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20240520BHJP
   B65D 5/04 20060101ALI20240520BHJP
   B43L 19/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B65D5/50 D
B65D5/54 Z
B65D5/04
B43L19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182380
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000134589
【氏名又は名称】株式会社トンボ鉛筆
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 将也
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB02
3E060CC02
3E060CC18
3E060CC44
3E060CE05
3E060CE18
3E060CE19
3E060CF05
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】リールの回転の防止と、カートリッジの外側の保護とを一つの部材で行うことが可能なカートリッジ保護体を提供する。
【解決手段】供給リール103K及び巻取リール103Mと、前記供給リール103K及び前記巻取リール103Mを回転可能に支持する支持板101と、を有し、塗膜転写具の本体ケースに対して着脱可能なカートリッジ100を、本体ケースに保持されていない状態のときに保護するカートリッジ保護体1であって、切れ込み部3が設けられ、前記支持板のうち前記供給リール又は前記巻取リールのフランジ部を覆う部分の一部、または、前記フランジ部の一部とのうちの、少なくとも、切れ込み部3に差し込まれた一部の側のリールを、切れ込み部3に差し込んで切れ込み部3からカートリッジ保護体1の外側に出すことにより、前記供給リール103K及び前記巻取リール103Mの回転を防止可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写テープを保持する供給リール及び巻取リールと、前記供給リール及び前記巻取リールを回転可能に支持する支持板と、を有し、塗膜転写具の本体ケースに対して着脱可能なカートリッジを、前記本体ケースに保持されていない状態のときに保護するカートリッジ保護体であって、
切れ込み部が設けられ、
前記支持板のうち前記供給リール又は前記巻取リールが有するフランジ部を覆う部分の一部、及び、前記フランジ部の一部のうちの少なくとも一方を、前記切れ込み部に差し込んで前記切れ込み部から前記カートリッジ保護体の外側に出すことにより、
前記供給リール又は前記巻取リールのうちの、少なくとも、前記切れ込み部に差し込まれた前記一部の側のリールの回転を防止可能な、
カートリッジ保護体。
【請求項2】
前記カートリッジの外周の全体を覆っている、
請求項1に記載のカートリッジ保護体。
【請求項3】
前記カートリッジ保護体は、前記切れ込み部を含む一端部を、前記カートリッジ保護体における他部から分離可能で、
前記一端部を前記他部から分離することで、前記支持板の前記一部及び前記フランジ部の前記一部を、前記切れ込み部から引き抜くことが可能な、
請求項1に記載のカートリッジ保護体。
【請求項4】
前記一端部と前記他部との間にミシン目が設けられており、前記一端部と前記他部とを前記ミシン目から分離可能な、
請求項3に記載のカートリッジ保護体。
【請求項5】
カートリッジ保護体は、紙製である、
請求項1に記載のカートリッジ保護体。
【請求項6】
前記支持板は、互いに対向し、前記供給リール及び前記巻取リールを間に挟む第1支持板と第2支持板とを備え、
前記切れ込み部は、第1切れ込み部と第2切れ込み部とを備え、
前記カートリッジ保護体は、
前記第1支持板の外側を覆うとともに前記第1切れ込み部が設けられた第1シート部と、
前記第2支持板の外側を覆うとともに前記第2切れ込み部が設けられた第2シート部とを有する、請求項1に記載のカートリッジ保護体。
【請求項7】
前記第1シート部と前記第2シート部との間に配置された第1側面シート部及び第2側面シート部を有し、前記カートリッジの外周を覆っている、
請求項6に記載のカートリッジ保護体。
【請求項8】
前記カートリッジ保護体は、1枚のシート材を折り曲げて形成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載のカートリッジ保護体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ保護体に関する。
【背景技術】
【0002】
塗膜転写具において、本体ケースに対して、転写テープを保持する供給リール及び巻取リール等のリールと、これらのリールを回転可能に支持する支持板とを有するカートリッジが交換可能なものがある。このようなカートリッジは、本体ケースに対する詰め替え用として単独で流通される。流通の際、リールの不要な回転等を防ぐ必要がある。このため、従来、リールのリール軸部に、回り止め部材が挿入されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-29054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、流通の際には、回り止め部材だけでなくカートリッジの外側を保護する部材が別途必要である。このため、従来、回り止め部材が装着されたカートリッジは、さらにブリスター等のプラスチックの包装容器に収納されている。近年、SDGsの観点から、包装容器の脱プラスチック及び簡素化が望まれている。
【0005】
本発明は、リールの回転の防止と、カートリッジの外側の保護とを一つの部材で行うことが可能なカートリッジ保護体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、転写テープを保持する供給リール及び巻取リールと、前記供給リール及び前記巻取リールを回転可能に支持する支持板と、を有し、塗膜転写具の本体ケースに対して着脱可能なカートリッジを、前記本体ケースに保持されていない状態のときに保護するカートリッジ保護体であって、切れ込み部が設けられ、前記支持板のうち前記供給リール又は前記巻取リールが有するフランジ部を覆う部分の一部、及び、前記フランジ部の一部のうちの少なくとも一方を、前記切れ込み部に差し込んで前記切れ込み部から前記カートリッジ保護体の外側に出すことにより、前記供給リール及び前記巻取リールのうちの、少なくとも、前記切れ込み部に差し込まれた前記一部の側のリールの回転を防止可能なカートリッジ保護体を提供する。
【0007】
(2) (1)に記載のカートリッジ保護体は、前記カートリッジの外周の全体を覆っていてもよい。
【0008】
(3) (1)または(2)に記載のカートリッジ保護体は、前記切れ込み部を含む一端部を、前記カートリッジ保護体における他部から分離可能で、前記一端部を前記他部から分離することで、前記支持板の前記一部及び前記フランジ部の前記一部を、前記切れ込み部から引き抜くことが可能であってもよい。
【0009】
(4) (3)に記載のカートリッジ保護体は、前記一端部と前記他部との間にミシン目が設けられており、前記一端部と前記他部とをミシン目から分離可能であってもよい。
【0010】
(5) (1)から(4)に記載のカートリッジ保護体は、紙製であってもよい。
【0011】
(6) (1)から(5)に記載のカートリッジ保護体において、前記支持板は、互いに対向し、前記供給リール及び前記巻取リールを間に挟む第1支持板と第2支持板とを備え、前記切れ込み部は、第1切れ込み部と第2切れ込み部とを備え、前記カートリッジ保護体は、前記第1支持板の外側を覆うとともに前記第1切れ込み部が設けられた第1シート部と、前記第2支持板の外側を覆うとともに前記第2切れ込み部が設けられた第2シート部とを有していてもよい。
【0012】
(7) (6)に記載のカートリッジ保護体において、前記第1シート部と前記第2シート部との間に配置された第1側面シート部及び第2側面シート部を有し、前記カートリッジの外周を覆っていてもよい。
【0013】
(8) (1)から(7)に記載のカートリッジ保護体において、前記カートリッジ保護体は、1枚のシート材を折り曲げて形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、リールの回転の防止と、カートリッジの外側の保護とを一つの部材で行うことが可能なカートリッジ保護体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】展開された状態のカートリッジ保護体1の斜視図である。
図2図1に示す状態から、リール軸押さえ部6及び支持板前側押さえ部7を図中上側に向かって折り曲げた状態を示す図である。
図3図2の状態において、カートリッジ100をシート状のカートリッジ保護体1の第2シート部2B上に載置した状態を示す図である。
図4図3と同じ状態を下側から見た図である。
図5】カートリッジ保護体1が組み立てられてカートリッジ100の外周を覆った状態を示す図である。
図6】ミシン目5によりカートリッジ保護体1を前側部分1Aと後側部分1Bとに分離した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態のカートリッジ保護体1について説明する。実施形態においてカートリッジ保護体1は、塗膜転写具(図示せず)における交換可能なカートリッジ100の外側の全周を覆う包装体である(図5参照)。
本明細書において、カートリッジの全周とは、カートリッジ100の上面、下面及び2つの側面を示す。つまり、実施形態のカートリッジ保護体1は、カートリッジ100の前面及び後面は覆っていない。ただし、カートリッジ保護体1は、カートリッジ100の外側の全周を覆うものに限定されず、カートリッジ100の一方の側(上面又は下面)のみを覆うものであってもよい。
【0017】
カートリッジ保護体1は展開された状態においては1枚のシート材である。図1は、展開された状態のカートリッジ保護体1の斜視図である。図2から図5は、図1に示すカートリッジ保護体1が、展開された状態から折り曲げられて、カートリッジ100の外側の全周を覆うまでの工程を説明する図である。
【0018】
(カートリッジ100)
カートリッジ保護体1によって保護されるカートリッジ100は、塗膜転写具の本体ケース(図示せず)に対して着脱可能である。カートリッジ100は、図3に示すように、それぞれが略楕円形の一対の支持板101を備える。支持板101は、互いに対向する第1支持板101Aと第2支持板101Bとを有する。第1支持板101Aと第2支持板101Bとの間には、転写テープ102が巻かれた供給リール103Kと、供給リール103Kから引き出される転写テープ102を被転写部に転写する転写ヘッド104と、転写後の転写テープ102を巻き取る巻取リール103Mとが配置されている。供給リール103Kと巻取リール103Mとは、支持板101に設けられた支軸(図示せず)に、それぞれの軸部103Ka及び軸部103Maが挿入され、支持板101に対して回転可能に支持されている。
【0019】
なお、以下において、第1支持板101Aと第2支持板101Bとを区別して説明する必要のない場合、合わせて支持板101、供給リール103Kと巻取リール103Mとを区別して説明する必要のない場合、合わせてリール体103として説明する。
【0020】
また、以下において、カートリッジ保護体1及びカートリッジ100における、転写ヘッド104が配置される側を前、逆側を後とし、第1支持板101Aが配置されている側を上、第2支持板101Bが配置されている側を下とし、前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向又は幅方向とし、カートリッジ100を保護した状態のカートリッジ保護体1における、カートリッジ100側を内側、逆側を外側として説明する。
【0021】
カートリッジ100において、前側から後側に向かって、転写ヘッド104、供給リール103K、巻取リール103Mの順で配置されている。カートリッジ100を転写具本体に装着して使用したときに、転写テープ102は、供給リール103Kから引き出され、転写ヘッド104において被転写物に転写され、転写後の転写テープ102は、供給リール103Kの回転に連動して回転する巻取リール103Mに巻き取られる。
【0022】
(リール体103)
供給リール103Kは、軸部103Kaと、軸部103Kaの両側に配置された2つのフランジ部103Kfとを有する。巻取リール103Mは、軸部103Maと、軸部103Maの両側に配置された2つのフランジ部103Mfとを有する。以下において、軸部103Kaと軸部103Maとを区別して説明する必要のない場合、合わせて軸部103aとし、フランジ部103Kfとフランジ部103Mfとを区別して説明する必要のない場合、合わせてフランジ部103fとして説明する。
【0023】
(支持板101)
第1支持板101Aと第2支持板101Bとは、外形が略同形の略楕円形で、転写ヘッド104の後部から後方に延びて、供給リール103Kのフランジ部103Kf及び巻取リール103Mのフランジ部103Mfの外側を覆っている。ただし、巻取リール103Mのフランジ部103Mfの外縁部は、第1支持板101Aと第2支持板101Bの外縁部からわずかに露出している。
【0024】
(カートリッジ保護体1)
カートリッジ100は、塗膜転写具の本体ケース(図示せず)に対する詰め替え用として単独で流通可能である。実施形態のカートリッジ保護体1は、本体ケースに保持されていない状態のカートリッジ100を保護するとともに、例えば流通時における供給リール103K及び巻取リール103Mの不要な回転を防止するものである。
【0025】
カートリッジ保護体1は、これに限定されないが、紙製であり、図1に示すような1枚の平面状のシート材を折り曲げて組み立てることで形成される。
【0026】
(シート部2)
カートリッジ保護体1は、前後方向に延びる折り曲げ可能な折曲線Lにより、複数のシート部に区切られている。複数のシート部は、カートリッジ100の第1支持板101Aの外側を覆う第1シート部2Aと、カートリッジ100の第2支持板101Bの外側を覆う第2シート部2Bと、カートリッジ100の側面を覆う第1側面シート部4Aと、第2側面シート部4Bとを含む。
【0027】
カートリッジ保護体1が組み立てられる前の図1に示す平面状態で、第2側面シート部4Bは、第2シート部2Bの左側にある左重畳部4Baと、第1シート部2Aの右側にある右重畳部4Bbとを有する。以下において、第1シート部2Aと第2シート部2Bとを区別して説明する必要のない場合、合わせてシート部2とし、第1側面シート部4Aと、第2側面シート部4Bとを区別して説明する必要のない場合、合わせて側面シート部4として説明する。
【0028】
カートリッジ保護体1は、平面状態で、幅方向左側から、第2側面シート部4Bの左重畳部4Ba、第2シート部2B、第1側面シート部4A、第1シート部2A、第2側面シート部4Bの右重畳部4Bbの順に並んでいる。
【0029】
折曲線Lは、第2側面シート部4Bの左重畳部4Baと第2シート部2Bとの間の折曲線L4と、第2シート部2Bと第1側面シート部4Aとの間の折曲線L3と、第1側面シート部4Aと第1シート部2Aとの間の折曲線L2と、第1シート部2Aと第2側面シート部4Bの右重畳部4Bbとの間の折曲線L1とを含む。
【0030】
第1シート部2Aと右重畳部4Bbとの間の折曲線L1には、折曲線L1に沿って切れ込まれた差込口10が設けられている。第2側面シート部4Bの、左側の側辺には、組み立てられたときに差込口10に挿入される、差込部8が突出して形成されている。
【0031】
それぞれの折曲線Lが折り曲げられて、差込口10に差込部8が挿入されると、左重畳部4Baと右重畳部4Bbとが重なって角筒状になり、カートリッジ保護体1が組み立てられる。
【0032】
(切れ込み部3)
カートリッジ保護体1の第1シート部2Aの後部には、第1切れ込み部3Aが設けられ、第2シート部2Bの後部には、第2切れ込み部3Bが設けられている。以下において、第1切れ込み部3Aと第2切れ込み部3Bとを区別して説明する必要のない場合、合わせて切れ込み部3として説明する。
【0033】
(第1切れ込み部3A)
第1切れ込み部3Aは、第1シート部2Aの後方の幅方向中央部において所定長さ幅方向に延び、その両端から第1シート部2Aの幅方向の両側に向かうにつれて前側に向かい、再度、所定長さ幅方向に延び、第1シート部2Aの幅方向両端に近い位置で折れ曲がって前側に向かって第1シート部2Aの幅方向両端側まで延びている。
【0034】
すなわち、第1切れ込み部3Aは、第1シート部2Aの幅方向の中央部が後側に向かって凸になった形状を有している。第1シート部2Aの後部は、第1切れ込み部3Aによって、前側部分2Aaと後側部分2Abとに分離されている。前側部分2Aaとしてみると、第1切れ込み部3Aによって、後端が凸状になっている。後側部分2Abとしてみると、第1切れ込み部3Aによって、前端が凹状になっている。
【0035】
(第2切れ込み部3B)
第2切れ込み部3Bは、第2シート部2Bの後方の幅方向の中央部において所定長さ幅方向に延び、その両端から第1シート部2Aの幅方向の両側に向かうにつれて前側に向かい、幅方向両端に近い位置まで延びている。
【0036】
すなわち、第2切れ込み部3Bは、第2シート部2Bの幅方向の中央部が後側に向かって凸になった形状を有している。第2シート部2Bの後部は、第2切れ込み部3Bによって、前側部分2Baと後側部分2Bbとに略分離されている。前側部分2Baとしてみると、第2切れ込み部3Bによって、後端が凸状になっている。後側部分2Bbとしてみると、第2切れ込み部3Bによって、前端が凹状になっている。
【0037】
実施形態において、第2シート部2Bに設けられている第2切れ込み部3Bの凸状部分は、第1シート部2Aに設けられている第1切れ込み部3Aの凸状部分よりも、前後方向に長い大きな凸となっている。
【0038】
(ミシン目5)
第1シート部2Aの後部における、第1切れ込み部3Aが設けられている部分よりも前側には、ジッパー加工部5Aが形成され、ジッパー加工部5Aは、互いに略平行で左右に延びる2本の前側ミシン目5Aaと後側ミシン目5Abとにより形成されている。
【0039】
第1側面シート部4Aの後部には、鎖線状の切れ目であるミシン目5Cが形成されている。ミシン目5Cは、互いに平行で左右に延びる2本の前側ミシン目5Caと後側ミシン目5Cbとを含む。前側ミシン目5Caは、第1シート部2Aの前側ミシン目5Aaと繋がっており、後側ミシン目5Cbは、第1シート部2Aの後側ミシン目5Abと繋がっている。
【0040】
第2シート部2Bの後部における、第2切れ込み部3Bが設けられている部分よりも前側には、鎖線状の切れ目であるミシン目5Bが形成されている。ミシン目5Bは、第1側面シート部4Aの前側ミシン目5Caと繋がっている。
【0041】
第2側面シート部4Bの右重畳部4Bb及び左重畳部4Baには、鎖線状のミシン目5Dが形成されている。左重畳部4Baのミシン目5Dは、第2シート部2Bのミシン目5Bと繋がっている。右重畳部4Bbのミシン目5Dは、第1シート部2Aの前側ミシン目5Aaと繋がっている。
【0042】
第1シート部2Aにおけるジッパー加工部5Aの前側ミシン目5Aaと後側ミシン目5Abと、第1側面シート部4Aにおけるミシン目5Cの前側ミシン目5Caと後側ミシン目5Cbと、第2シート部2Bにおけるミシン目5Bと、第2側面シート部4Bにおけるミシン目5Dとを区別して説明する必要のない場合、合わせてミシン目5として説明する。
【0043】
(リール軸押さえ部6)
第2シート部2Bのミシン目5Bよりも前側における、カートリッジ100が配置されたときに供給リール103Kの軸部103Kaが位置する部分に、リール軸押さえ部6が形成されている。リール軸押さえ部6は内側に折り曲げられ、カートリッジ100が配置されたときに、供給リール103Kの軸部103Kaに挿入されて供給リール103Kを
保持する。また、本実施形態のリール軸押さえ部6は、供給リール103Kの軸部103Kaの内側に設けられたリブ103Kbに係止して回転止めとしても機能する。
【0044】
(支持板前側押さえ部7)
第2シート部2Bにおける、リール軸押さえ部6よりも前側における、カートリッジ100が配置されたときに、カートリッジ100の左側となる部分(図3参照)に、支持板前側押さえ部7が形成されている。支持板前側押さえ部7は、内側に折り曲げられて、図3に示すように、カートリッジ100が配置されたときに、カートリッジ100の前側左側の縁部を押さえる。
【0045】
第2側面シート部4Bの左重畳部4Baにおける、ミシン目5Dの左後側部には、U字凹部9が設けられている。
【0046】
(組立時)
図1に示す状態から、図2に示すようにリール軸押さえ部6及び支持板前側押さえ部7を図中上側に向かって折り曲げる。また、必ずしも必要ではないが、第2シート部2Bにおける、切れ込み部3Bよりも後側の後側部分2Bbを、他の部分より若干浮き上がるように湾曲させる。
【0047】
図3は、図2の状態において、カートリッジ100を、シート状のカートリッジ保護体1の第2シート部2Bに載置した状態を示す。図4は、図3と同じ状態を下側から見た図である。
【0048】
図4に示すように、上方に折り曲げられているリール軸押さえ部6が、供給リール103Kの軸部103Kaに挿入される。これにより、供給リール103Kが保持されてカートリッジ100の移動が防止される。図3に示すように、上方に折り曲げられている支持板前側押さえ部7が、支持板101の前側の縁部を押える。これにより、カートリッジ100の移動が防止される。
【0049】
そして、巻取リール103Mの下側のフランジ部103Mfの一部である後部、及び、その外側を覆う支持板101Bの一部である後部を、第2切れ込み部3Bから外側に出す。
【0050】
そうすると、図4に示すように、第2シート部2Bの凸形状の前側部分2Baは、フランジ部103Mfの後部以外の部分及びその外側を覆う支持板101B部分の外側に残したままで、第2シート部2Bの凹形状の後側部分2Bbは、フランジ部103Mfの後部及びその外側を覆う支持板101Bの後部の内側に配置される。
【0051】
そして、第2シート部2Bの後側部分2Bbは、前端の凹状部分で軸部103Maを囲んだ状態で、フランジ部103Mfの後部の内面と当接してフランジ部103Mfを内側から押さえる。
【0052】
一方、第2シート部2Bの凸状の前側部分2Baは、フランジ部103Mfの後部以外の外側を覆う第2支持板101Bの部分と当接して、この部分を外側から押さえる。これにより、第2支持板101Bを介してフランジ部103Mfの後部以外の部分は外側から押さえられる。
【0053】
図5は、図3の状態から、さらに、折曲線Lが折り曲げられ、カートリッジ保護体1が組み立てられてカートリッジ100の外周の全体を覆った状態を示す。第2側面シート部4Bの右重畳部4Bbは、第2側面シート部4Bの左重畳部4Baの内側に配置され、差込口10に差込部8が挿入される。
【0054】
このとき、巻取リール103Mの上側のフランジ部103Mfの一部である後部及び、その外側を覆う第1支持板101Aの一部である後部を、第1切れ込み部3Aから外側に出す。
【0055】
そうすると、図5に示すように、第1シート部2Aの凸形状の前側部分2Aaは、フランジ部103Mfの後部以外の部分及びその外側を覆う第1支持板101A部分の外側に残したままで、第1シート部2Aの凹形状の後側部分2Abは、フランジ部103Mfの後部及びその外側を覆う第1支持板101Aの後部の内側に配置される。
【0056】
第1シート部2Aの後側部分2Abは、前端の凹状部分での軸部103Maを囲んだ状態で、カートリッジ保護体1を構成するシート材が元の形に戻ろうとする弾性力により、フランジ部103Mfの後部の内面と当接して内側から押圧する。
【0057】
一方、第1シート部2Aの凸状の前側部分2Aaは、フランジ部103Mfの後部以外の外側を覆う第1支持板101Aの部分と当接して、この部分を外側から押さえる。これにより、第1支持板101Aを介してフランジ部103Mfの後部以外の部分が外側から押さえられる。
【0058】
本実施形態によると、このように、リール体103のフランジ部103fが外側から押さえられた状態で、内側からシート材が元の形に戻ろうとする弾性力により押圧されるので、リール体103の回転を防止することができる。
【0059】
また、実施形態のカートリッジ保護体1は、カートリッジ100の外周を覆っているので、カートリッジ100全体を保護することができる。
【0060】
カートリッジ保護体1は、単一部材であるにもかかわらずカートリッジ100の回転止めと保護部材として機能を達成可能である。
【0061】
さらに、カートリッジ保護体1は1枚のシート材を折り曲げて形成されるので、簡素な構成となり、実施形態のように1枚の紙で製造することもできる。また、紙で製造することにより脱プラスチックが可能である。
【0062】
(取り外し時)
図6は、ミシン目5によりカートリッジ保護体1を前側部分1Aと後側部分1Bとに分離した状態を示した図である。図5の状態から、第1シート部2Aに設けられたジッパー加工部5Aの、第2側面シート部4Bの側の端部を持ち上げて、ジッパー加工部5Aを第1シート部2Aから切り離していく。
【0063】
このとき、第2側面シート部4Bの左重畳部4Baには、U字凹部9が設けられている。ゆえに、折曲線L1上のジッパー加工部5Aの端部の位置を感覚的に把握しやすく、掴み易い。
【0064】
ジッパー加工部5Aを引っ張って第1シート部2Aから切り離していき、切れ目が折曲線L2を超えてもさらに引っ張り続け、第1側面シート部4Aのミシン目5Cも切り離す。さらに第2シート部2Bのミシン目5B、及び第2側面シート部4Bのミシン目5Dも切り離す。これにより、図6に示すように、カートリッジ保護体1は、前側部分1Aと後側部分1Bとに分離される。
【0065】
その後、後側部分1Bを後側に引き離すと、切れ込み部3において第2シート部2Bの後側部分2Bb及び第1シート部2Aの後側部分2Abによって挟み込まれていたフランジ部103Mf及びその外側に位置する支持板101の部分は、切れ込み部3による保持から解除されて露出する。
【0066】
露出した支持板101の部分を手で持って、カートリッジ保護体1の前側部分1Aを前側に引っ張ると、カートリッジ100からカートリッジ保護体1の前側部分1Aも取り外すことができる。
【0067】
なお、リール軸押さえ部6は、折り曲げたときに、後側に向けて上下方向の高さが高くなる形状であって、カートリッジ保護体1の前側部分1Aを引っ張るときに、カートリッジ100に引っ掛からない形状となっている。また、支持板前側押さえ部7もカートリッジ保護体1の前側部分1Aを引っ張るときに、カートリッジ100に引っ掛からない位置及び形状になっている。
【0068】
そして、フランジ部103Mfの外側の露出した支持板101を手に持った状態で、カートリッジ100を塗膜転写具の本体ケースに配置する。これにより、塗膜転写具の本体ケースにカートリッジ100を容易に配置することができる。
以上、上述した一連の動作は、転写テープ102の塗布面に触れないで行うことができるので、手が汚れることがない。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これに限定されず、種々の変形が可能である。
【0070】
例えば、実施形態では、巻取リール103Mを切れ込み部3で挟む形態について説明したがこれに限定されず、供給リールを切れ込み部で挟む形態であってもよい。
【0071】
また、実施形態では、リール体103のフランジ部103fの一部及び支持板101の一部を切れ込み部3に差し込む形態であったが、これに限定されない。例えば、フランジ部103fの一部は切れ込み部3に差し込まずに第1シート部2Aの後側部分2Abの内側に残したまま、支持板101の一部のみを切れ込み部3に差し込んで後側部分2Abの外側に出し、後側部分2Abをフランジ部103fと支持板101との間に配置するようにしてもよい。
【0072】
この場合、フランジ部103fと支持板101との間に切れ込み部3の後側部分2Abが介在して隙間がなくなって、切れ込み部3の後側部分2Abがフランジ部103fを外側から押さえることにより、リール体103の回転を防止して、輸送時・保管時の転写テープ102の弛みを防止することができる。
【0073】
また、フランジ部の一部のみを切れ込み部に差し込んでもよい。なお、フランジ部の一部のみを切れ込み部に差し込む形態は、例として以下のA,Bの2通りがある。
A)支持体が1枚だけのカートリッジにおいて、支持体がない側のフランジ部を切れ込み部に差し込む場合。
B)支持体がある側の、支持体に覆われていない部分のフランジ部を切れ込み部に差し込む場合。
【0074】
A),B)いずれの場合も、リール体のフランジ部が、実施形態と同様にシート材が元の形に戻ろうとする弾性力により、内側と外側とから押さえられるので、リール体の回転を防止することができる。
【0075】
実施形態でカートリッジ保護体1は、筒状(スリーブ状)であったが、これに限定されず、さらに前方後方も覆った箱状であってもよい。
さらに、カートリッジ保護体は、1枚のシート材で製造されていなくてもよい、ミシン目で分離するものでなくてもよい。例えば、本体と蓋体のように2パーツが始めから分離して組み合わされている構成でもよい。
実施形態は第1支持板101Aと第2支持板101Bとを有するカートリッジ100用であったが、本発明に含まれる範囲において適宜変形が可能で、支持板が1枚だけのカートリッジや、支持板が転写具本体のケースの一部を兼ねているようなカートリッジにも適用可能である。
また、実施形態において、カートリッジ100は供給リール103Kが前側、巻取リール103Mが後側に配置されていたが、巻取リールが前側、供給リールが後側に配置されていても良いし、巻取リールと供給リールとが同軸に配置されていても良い。
【符号の説明】
【0076】
L 折曲線
1 カートリッジ保護体
1A 前側部分
1B 後側部分
2 シート部
2A 第1シート部
2Aa 前側部分
2Ab 後側部分
2B 第2シート部
2Ba 前側部分
2Bb 後側部分
3 切れ込み部
3A 切れ込み部
3B 切れ込み部
4A 第1側面シート部
4B 第2側面シート部
4Ba 左重畳部
4Bb 右重畳部
5 ミシン目
6 リール軸押さえ部
7 支持板前側押さえ部
100 カートリッジ
101 支持板
101A 第1支持板
101B 第2支持板
102 転写テープ
103 リール体
103K 供給リール
103Ka 軸部
103M 巻取リール
103Ma 軸部
103Mf フランジ部
104 転写ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6