(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071891
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240520BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240520BHJP
【FI】
G06Q30/0601
A63F13/79
A63F13/79 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182386
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御する出品制御部を有し、出品制御部は、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合、第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御する出品制御部を有し、
前記出品制御部は、
前記対象ユーザが前記第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を前記第1マーケットに出品した後に、前記対象ユーザが前記第2マーケットの利用が可能になった場合、前記第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
情報処理システム。
【請求項2】
前記出品制御部は、前記対象ユーザが前記第2マーケットの利用登録をした場合、前記第2マーケットの利用を可能とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出品制御部は、前記対象ユーザが前記第2マーケットの利用登録をし、且つ、ゲームの利用アカウントと前記第2マーケットの利用アカウントとを連携させた場合、前記第2マーケットの利用を可能とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2マーケットの利用が可能になった場合に、前記第1マーケットに出品中のゲーム媒体のうちから前記第2マーケットに出品するゲーム媒体を前記対象ユーザに選択させるための選択画面を表示する表示制御部を有し、
前記出品制御部は、前記選択画面で選択されたゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1マーケットへの出品時又は出品後に、前記対象ユーザが前記第2マーケットを利用可能でない場合、前記第2マーケットを利用可能とするための情報を前記対象ユーザに通知する通知部を有する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1以上のゲーム媒体ごとに前記第2マーケットへの出品に関する設定情報を設定する第1設定部を有し、
前記出品制御部は、前記設定情報に基づいて前記第2マーケットへの出品を制御する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々について、出品先となるマーケットを決定する際の優先順位を設定する第2設定部と、
前記複数のマーケットにおいてゲーム媒体の取引を制御する取引制御部と、を有し、
前記取引制御部は、前記設定情報に基づき、前記第1マーケットに出品されている1以上のゲーム媒体を前記第2マーケットに出品する場合において前記第1マーケットにおける出品を維持する場合に、前記第1マーケットと前記第2マーケットの優先順位に基づいて前記1以上のゲーム媒体の取引を制御する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2設定部は、前記第2マーケットの優先順位を前記第1マーケットの優先順位よりも高く設定する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1以上のゲーム媒体は、対象ゲーム媒体を含み、
前記出品制御部は、前記第2マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の取引価格が第1閾値以上である場合、前記対象ゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1以上のゲーム媒体は、対象ゲーム媒体を含み、
前記出品制御部は、前記第2マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の出品数が第2閾値以下である場合、前記対象ゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
プロセッサが、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御し、
プロセッサが、前記対象ユーザが前記第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を前記第1マーケットに出品した後に、前記対象ユーザが前記第2マーケットの利用が可能になった場合、前記第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
情報処理方法。
【請求項12】
プロセッサに、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御させ、
プロセッサに、前記対象ユーザが前記第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を前記第1マーケットに出品した後に、前記対象ユーザが前記第2マーケットの利用が可能になった場合、前記第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を前記第2マーケットに出品させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の一例として、ゲームをプレイするユーザが、ゲーム内で所有するゲーム媒体をオンラインでマーケットに出品して他のユーザに譲渡又は販売等することがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ユーザがゲームにおいて使用可能であって運営者が出品するゲーム媒体に対してユーザが入札するゲーム内オークションシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数のマーケットがある場合、既に出品中のゲーム媒体を他のマーケットに出品しようとした場合、非常に手間がかかってしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御する出品制御部を有し、出品制御部は、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合、第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態におけるマーケットへの出品の流れについて、第1の例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態におけるマーケットへの出品の流れについて、第2の例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第3の例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの機能についての説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理フローを示す図である。
【
図12】出品切替処理〈1〉の一例を示すフローチャートである。
【
図13】出品切替処理〈2〉の一例を示すフローチャートである。
【
図14】出品切替処理〈3〉の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の概要>
本発明は、オンラインでの取引(電子商取引)に係る情報処理技術、特に、ゲームにおいてユーザが所有するゲーム媒体の取引に係る情報処理技術に関する。
【0010】
ユーザは、ゲームにおいて所有するゲーム媒体を用いてゲームをプレイすることができる。ここで、ゲームは、ビデオゲームであり、例えば、オンラインゲームである。オンラインゲームには、ウェブブラウザを利用したブラウザゲーム、SNS(Social Networking Service)上で提供されるソーシャルゲーム等、モバイルゲーム等のように専用のアプリケーションプログラムをダウンロードしてプレイ可能なゲーム、及びプレイバイウェブ(PBW)等の定期更新型オンラインゲーム等が含まれる。
【0011】
ゲーム媒体は、ゲーム内で利用可能なデータ(デジタルデータ)であり、ゲームにおいて取得(入手)、所有、使用(消費)、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等の対象となる。なお、ゲームにおけるゲーム媒体の利用態様は、上記の内容に限られない。また、ゲーム媒体には、例えば、キャラクタ、アバター、アイテム、ゲーム内通貨等の価値、カード、チケット、及びその他の任意の媒体等が含まれ得る。なお、以下、特に「第1ゲーム媒体」という場合は、ユーザが所有するゲーム媒体を指すこととする。
【0012】
また、ユーザは、本発明の情報処理システムの機能を通じてマーケットを利用することができる。マーケットは、オンライン形式のマーケットであり、本発明では、ゲーム媒体を取り扱うマーケットである。ユーザは、ゲームにて所有するゲーム媒体の中から出品対象のゲーム媒体を選定し、そのゲーム媒体をマーケットに出品して譲渡を申し込むことができる。
以下、ゲーム媒体をマーケットに出品したユーザを「対象ユーザ」と呼び、対象ユーザが所有する第1ゲーム媒体のうち、対象ユーザによってマーケットに出品されたゲーム媒体を「対象ゲーム媒体」と呼ぶこととする。
【0013】
マーケットにおいて、対象ユーザを含むユーザは、そのマーケットに出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。以下、マーケットにおいてゲーム媒体に対する取得要求を行ったユーザを「要求ユーザ」と呼ぶこととする。マーケットにおいて要求ユーザが取得要求を行った場合には、その取得要求に基づく取引が実行される。取得要求に基づく取引は、取得要求に係るゲーム媒体を要求ユーザに取得させるための一連の情報処理であり、具体的には、そのゲーム媒体を要求ユーザに譲渡する処理、及びそれに付随する処理である。
そして、マーケットにてゲーム媒体を取得した要求ユーザは、そのゲーム媒体をゲームにて使用することができる。つまり、マーケットにおいてゲーム媒体を譲渡(取引)することは、そのゲーム媒体をゲーム内で使用する権限を移譲させることである。
【0014】
また、本発明において、対象ユーザは、同一のゲーム媒体を複数のマーケットに出品することができる。上記の複数のマーケットは、少なくとも第1マーケット及び第2マーケットを含む。第1マーケット及び第2マーケットは、それぞれ、独立したマーケットであり、互いに異なるプラットフォームによって提供される。ここで、第1マーケット及び第2マーケットは、相対的な概念を表している。例えば、上記の複数のマーケットが3つ以上のマーケットを含んでいて、その中の2つのマーケットを注目した場合に、そのうちの一方が第1マーケットに該当し、もう一方が第2マーケットに該当する。
なお、以下では、複数のマーケットが2つのマーケットを含む場合、すなわち、1つの第1マーケットと1つの第2マーケットを含む場合を例に挙げて説明する。
【0015】
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態(以下、本実施形態)を参照しながら詳細に説明する。
なお、本実施形態の内容を実現するための基礎的なデータ処理技術(通信/伝送技術、データ取得技術、データ記録技術、データ加工/解析技術、画像処理技術、及び可視化技術等)は、公知の技術であるため、それに関する説明については省略することとする。
【0016】
本実施形態では、ユーザが、対象ゲーム媒体を、第1マーケット及び第2マーケットのいずれか一方を任意に選択して出品することができてもよいし、出品先のマーケットが自動的に決定されてもよい。また、同一の対象ゲーム媒体を、第1マーケット及び第2マーケットの双方に同時に出品することができてもよい。同時に出品するとは、厳密に同じ時期に出品する場合に限られず、第1マーケットでの出品時期と第2マーケットでの出品時期とが少なくとも一部の期間において重複するケースが含まれることとする。対象ゲーム媒体を出品する具体的な方法については、既存のマーケットにおいてゲーム媒体を出品する公知の方法と同様であるか、又は、それに準じた方法である。なお、出品の際には、少なくとも、出品するゲーム媒体(対象ゲーム媒体)の選択を含む。
【0017】
本実施形態において、対象ゲーム媒体を取得する場合、ユーザ(要求ユーザ)は、第1マーケット又は第2マーケットにおいて取得要求を行う。取得要求は、対象ゲーム媒体の取得を求める意思表示の行為であり、後述するユーザ端末16を通じて行われる。取得要求を行う具体的方法は、特に限定されないが、既存のマーケットにおいてゲーム媒体に対する取得要求を行う公知の方法と同様であるか、又は、それに準じた方法である。なお、取得要求は、少なくとも、取得を希望するゲーム媒体(対象ゲーム媒体)の選択を含む。
【0018】
また、本実施形態では、マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得する際に所定の価値との交換が必要となる。価値としては、例えば、現金及び電子マネー等の金銭、仮想通貨等の暗号資産、ゲーム内で利用可能なゲーム内通貨、SNS(Social Networking Service)におけるフォロワー数/応援数、感情を価値化した感情的指標の数(例えば、SNS又はゲーム等における「いいね」のようなリアクションの数)、並びに、価値として交換可能なゲーム媒体等が該当する。
【0019】
ユーザは、第1マーケットで利用可能な価値、及び第2マーケットで利用可能な価値のうち、少なくとも一方を所持する。各ユーザが所持する価値の数量(所持数)は、マーケットごとに管理され、取引の実行に伴って更新される。例えば、第1マーケット又は第2マーケットにおいて要求ユーザが対象ゲーム媒体に対する取得要求を行い、当該対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引が実行されたとする。この場合、要求ユーザの価値の所持数(詳しくは、上記の取得要求が行われたマーケットと対応する価値の所持数)が、対象ゲーム媒体の譲渡対価(取引価格)に応じて減算される。他方、対象ユーザの価値の所持数(詳しくは、上記の取得要求が行われたマーケットと対応する価値の所持数)は、対象ゲーム媒体の譲渡対価(取引価格)に応じて加算される。ここで、対象ゲーム媒体の譲渡対価(取引価格)とは、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得するのに必要な価値のことである。
【0020】
第1マーケット及び第2マーケットについて、詳細に説明する。第1マーケットは、ゲーム媒体を用いてプレイ可能なゲーム内で利用可能なマーケット、すなわち、ゲームの一機能として提供されるゲーム内マーケットである。つまり、ユーザは、ゲームのプレイ中に、第1マーケットにおいてゲーム媒体を出品することができ、また、出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。
【0021】
第1マーケットにてゲーム媒体を取得する際には、第1マーケットで利用可能な価値として、ゲームにおいて利用可能な価値、例えば、メダルやコイン等のようなゲーム内通貨を消費する必要がある。以降の説明では、第1マーケットで利用可能な価値を「第1価値」と呼ぶこととする。
なお、ゲーム媒体の取得に必要な第1価値、すなわち第1マーケットに出品されたゲーム媒体の譲渡対価(取引価格)は、そのゲーム媒体の種類、能力値等のパラメータ、希少度、及びマーケットでの人気(取得要求の数)等に応じて変わってもよい。
【0022】
第2マーケットは、ゲームの外で利用可能なマーケットであり、ゲーム媒体を取引対象とする電子商取引のWebサイト(ECサイト)を通じて利用することができる。すなわち、ユーザは、上記のWebサイトにアクセスしている間に、第2マーケットにおいてゲーム媒体を出品することができ、出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。なお、第2マーケットを構成するECサイトの種類は、特に限定されず、例えば、モール型のサイトでもよく、マーケット運営会社が自社管理するサイトでもよい。
【0023】
第2マーケットにてゲーム媒体を取得する際には、第2マーケットで利用可能な価値、具体的には、現金及び電子マネー等の金銭、あるいは仮想通貨等の暗号資産を消費する必要がある。つまり、第2マーケットにおいてゲーム媒体を取得するとは、第2マーケットで利用可能な価値を支払って、当該ゲーム媒体を購入することである。以降の説明では、第2マーケットで利用可能な価値を「第2価値」と呼ぶこととする。
なお、ゲーム媒体の取得に必要な第2価値、すなわち、第2マーケットに出品されたゲーム媒体の譲渡対価(取引価格)は、ゲーム媒体の種類、能力値等のパラメータ、希少度、マーケットでの人気(取得要求の数)等に応じて変わってもよい。
【0024】
第1価値と第2価値とは互いに異なる種類の価値であり、本実施形態では、第1価値と第2価値との直接的な変換が不可能である。つまり、本実施形態では、第1価値を第2価値に変換して第2マーケットで利用することはできず、また、第2価値を第1価値に変換して第1マーケットで利用することはできない。ただし、これに限定されず、第1価値と第2価値との直接的な変換(価値の交換)が可能であってもよい。
また、第1価値は、ゲームをプレイする等して、ユーザがゲーム内で取得することができる価値である。一方、第2価値は、第1価値とは異なり、ゲームをプレイ等しても、ユーザはゲーム内で取得することができない価値である。
【0025】
また、本実施形態において、対象ゲーム媒体を含むゲーム媒体は、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方においてNFT(Non-fungible Token:非代替性トークン)として流通してもよい。この場合、ゲーム媒体のデータ、詳しくは、ゲームにおけるゲーム媒体の現状に関するデータは、ブロックチェーン技術により改竄されないように管理される。
ただし、各マーケットにおいてゲーム媒体がNFTとして流通する場合には限定されず、ゲーム媒体がFT(Fungible Token:代替性トークン)として流通してもよい。
【0026】
なお、一般的なNFTについては、NFTの所有権を譲渡する一方で、版権やコピーライト等が当初の権利者に留保される。これに対して、本実施形態では、NFTの譲渡に伴って版権やコピーライト等の権利が所有権とともに譲渡先(具体的には、NFTの購入者)に移譲されてもよい。また、版権やコピーライト等の権利についても、NFTとしてブロックチェーン技術によって管理するようにしてよい。
【0027】
また、第1マーケット及び第2マーケットを利用する場合、ユーザは、それぞれのマーケットの利用アカウントを取得して利用登録を行う必要がある。ゲーム媒体を第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品することができるユーザは、第1マーケットの利用アカウント及び第2マーケットの利用アカウントを取得している。一方、例えば、第2マーケットの利用アカウントを取得していないユーザは、その時点においては、第2マーケットにゲーム媒体を出品することができない。
【0028】
また、本実施形態において、第1マーケット及び第2マーケットのうちの少なくとも一方を利用するユーザは、取得を希望する(所望する)ゲーム媒体(以下、「第2ゲーム媒体」)を事前に申告し、例えば、欲しいものリストに登録しておくことができる。この場合、第1マーケット又は第2マーケットにゲーム媒体が出品された際に、そのゲーム媒体を欲しいものリストに登録しているユーザに対して、当該ゲーム媒体、すなわち、第2ゲーム媒体が出品されたことが通知される。なお、欲しいものリストには、複数のゲーム媒体を第2ゲーム媒体として登録することができる。
【0029】
また本実施形態において、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品される対象ゲーム媒体は、1体であってもよいし、2体以上であってもよい。また、対象ゲーム媒体は、同じマーケット又は異なるマーケットにおいて、同時期に複数存在していてもよい。
ただし、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体は、唯一の存在であって代替性が無い。そのため、一方のマーケットで対象ゲーム媒体が取得された後、その対象ゲーム媒体を他方のマーケットにおいて取得することはできない。つまり、同一の対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々において行われて複数の取得要求が重複した場合、一方のマーケットにおいて取得要求を行った要求ユーザのみが当該対象ゲーム媒体を取得することができる。具体的には、対象ゲーム媒体について、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位が設定されており、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方において対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、その取得要求に基づく処理が各マーケットの優先順位に応じて実行される。すなわち、第1マーケット及び第2マーケットのうち、優先順位がより高いマーケットにおいて行われた対象ゲーム媒体に対する取得要求が優先的に処理される。
【0030】
また、本実施形態では、第1マーケット及び第2マーケットのいずれか一方に出品している対象ゲーム媒体について、所定条件を満たした場合、出品中であっても出品先のマーケットを変更(出品切替)することができる。すなわち、対象ユーザは、第1マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品を切り替えることができ、また、第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品を切り替えることができる。ここで、出品切替について、下記3つのケースを例に挙げて、より詳しく説明することとする。
【0031】
(ケース1)
ケース1では、
図1に示すように、対象ユーザは、自身が所有する第1ゲーム媒体(ゲーム媒体A~C)の出品先となるマーケット(第1マーケット又は第2マーケット)を選択することができ、選択したどちらか一方のマーケットに第1ゲーム媒体(例えば、ゲーム媒体A)を出品する。そして、出品中の対象ゲーム媒体(ゲーム媒体A)が所定条件を満たせば、自動的又は対象ユーザの指示に基づいて、他のマーケットへの出品切替が行われる。このとき、出品切替後のマーケットにおける取引価格(第1価値又は第2価値の量)も、自動的又は対象ユーザの指示に基づいて設定され、対象ゲーム媒体(ゲーム媒体A)は、その設定された取引価格によって新たなマーケットで取引可能な状態となる。なお、ここでの所定条件とは、例えば、対象ユーザに選択された対象ゲーム媒体が、マーケットに出品されてから取引されないまま所定の期間(例えば、48時間等)が経過している場合等が含まれる。
【0032】
(ケース2)
ケース2は、対象ユーザが、第2マーケットの利用アカウントを取得しておらず、第2マーケットを利用することができない場合のケースである。
図2に示すように、対象ユーザは、第2マーケットを利用することができないため、自身が所有する第1ゲーム媒体(例えば、ゲーム媒体A、B、Cの3つ)を第1マーケットに出品する。対象ユーザが第1マーケットにゲーム媒体A~Cを出品すると、第2マーケットの登録案内が通知される。対象ユーザがその通知に従って第2マーケットの利用アカウントを登録すると、第2マーケットの利用が可能になる。なお、このとき、さらに第1マーケットの利用アカウントと第2マーケットのアカウントとを連携させた場合に、第2マーケットが利用可能になることとしてもよい。
対象ユーザは、第1マーケットに出品中のゲーム媒体A~Cを第2マーケットに出品切替する場合、
図3に示すようなゲーム媒体選択画面において、出品中のゲーム媒体A~Cうち所定条件を満たすゲーム媒体の中から第2マーケットに出品切替を行うゲーム媒体(例えば、ゲーム媒体A)を選択する。そして、選択されたゲーム媒体Aの第2マーケットにおける取引価格(第2価値の量)が自動的又は対象ユーザの指示に基づいて設定されると、第2マーケットへの出品切替が行われ、その設定された取引価格によってゲーム媒体Aが第2マーケットで取引可能な状態となる。なお、ゲーム媒体選択画面において、対象ユーザが選択できるゲーム媒体は1つに限らない。
【0033】
ここで、ケース2における所定条件(以下、第1条件)を満たすゲーム媒体には、以下に例示するゲーム媒体を含む。なお、(a)~(g)のうち1つを満たすことを第1条件としてもよいし、(a)~(g)のうち複数を満たすことを第1条件としてもよい。
(a)対象ユーザにゲーム媒体選択画面で選択されたゲーム媒体
(b)ゲーム媒体ごとに設定された設定情報(例えば、第1属性のゲーム媒体は出品切替可、及び第2属性のゲーム媒体は出品切替不可等の情報)に基づいて自動的に選択されたゲーム媒体
(c)第1マーケットに出品されてから所定の期間(例えば、24時間)が経過したゲーム媒体
(d)第2マーケットにおける取引価格が閾値(第1閾値に相当)以上のゲーム媒体に関連する対象ゲーム媒体
すなわち、第1マーケットよりも第2マーケットの方が、高く売れる可能性があるゲーム媒体が該当する。
(e)第1マーケットにおける取引価格が閾値以下のゲーム媒体に関連する対象ゲーム媒体
すなわち、第1マーケットよりも第2マーケットの方が、高く売れる可能性があるゲーム媒体が該当する。
(f)第2マーケットにおける出品数が閾値(第2閾値に相当)以下であるゲーム媒体に関連する対象ゲーム媒体
すなわち、第1マーケットよりも第2マーケットの方が、競合が少なく売れる可能性があるゲーム媒体が該当する。
(g)第1マーケットにおける出品数が閾値以上であるゲーム媒体に関連する対象ゲーム媒体
すなわち、第1マーケットよりも第2マーケットの方が、競合が少なく売れる可能性があるゲーム媒体が該当する。
【0034】
(ケース3)
ケース3は、対象ユーザが欲しいものリストに第2ゲーム媒体を登録している場合であって、第2マーケットにゲーム媒体を出品しているケースである。
図4に示すように、対象ユーザは、欲しいものリストに所望の第2ゲーム媒体として、ゲーム媒体Zを登録し、自身が所有する第1ゲーム媒体(例えば、ゲーム媒体A)を第2マーケットに出品する。その後、欲しいものリストに登録しているゲーム媒体Zが他のユーザにより第1マーケットに出品されると、その旨、すなわち、第1マーケットにゲーム媒体Zが出品されたことが、対象ユーザに通知される。
そして、その通知によってゲーム媒体Zが第1マーケットに出品されたことを知った対象ユーザが、第2マーケットに出品中のゲーム媒体Aを第1マーケットに出品し、ゲーム媒体Zを取得するために必要となる第1価値を得ようとした場合、対象ユーザ又は出品中のゲーム媒体Aが所定条件を満たしているか否か判定される。対象ユーザ又は出品中のゲーム媒体Aが所定条件を満たし、ゲーム媒体Aの第1マーケットにおける取引価格(第1価値の量)が自動的又は対象ユーザの指示に基づいて設定されると、第1マーケットへの出品切替が行われ、その設定された取引価格によってゲーム媒体Aが第1マーケットで取引可能な状態となる。
なお、ケース3では、第1マーケットに出品切替を行った対象ユーザは、第1マーケットで対象ゲーム媒体の取引が成立した場合に、第2ゲーム媒体の取引を自動的に成立させることとしてもよい(自動購入)。また、このとき、対象ユーザが事前に第2ゲーム媒体の購入予約していることを自動購入の要件としてもよい。
【0035】
ここで、ケース3における所定条件(以下、第2条件)を満たす場合には、以下に例示する場合を含む。なお、(a)~(g)のうち1つを満たすことを第2条件としてもよいし、(a)~(g)のうち複数を満たすことを第2条件としてもよい。
(a)第2ゲーム媒体が第2マーケットに出品されていない場合
(b)対象ユーザの所有する第1価値の量が第2ゲーム媒体の取引価格に満たない場合
すなわち、対象ユーザが所有する第1価値だけでは、第1マーケットにおいて第2ゲーム媒体(ここではゲーム媒体Z)を取得できない場合が該当する。
(c)対象ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)が第2マーケットに出品されてから所定の期間(例えば、24時間)が経過した場合
(d)対象ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)に関連するゲーム媒体の第1マーケットにおける取引価格が閾値以上の場合
すなわち、第2マーケットよりも第1マーケットの方が、対象ゲーム媒体が高く売れる可能性がある場合が該当する。
(e)対象ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)に関連するゲーム媒体の第2マーケットにおける取引価格が閾値以下の場合
すなわち、第2マーケットよりも第1マーケットの方が、対象ゲーム媒体が高く売れる可能性がある場合が該当する。
(f)対象ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)に関連するゲーム媒体の第1マーケットにおける出品数が閾値以下である場合
すなわち、第2マーケットよりも第1マーケットの方が、競合が少なく対象ゲーム媒体が売れる可能性がある場合が該当する。
(g)対象ゲーム媒体(第1ゲーム媒体)に関連するゲーム媒体の第2マーケットにおける出品数が閾値以上であるゲーム媒体
すなわち、第2マーケットよりも第1マーケットの方が、競合が少なく対象ゲーム媒体が売れる可能性がある場合が該当する。
【0036】
<本実施形態に係る情報処理システム及び周辺機器の構成>
次に、本実施形態に係る情報処理システム及び周辺機器について、
図5を参照しながら説明する。なお、
図5では、図示の便宜上、後述するユーザ端末16の台数が3台となっているが、実際には、情報処理システムの機能を利用するユーザの人数に応じた台数のユーザ端末16が存在する。
【0037】
本実施形態の情報処理システム(以下、情報処理システム10)は、1又は2以上のサーバコンピュータによって構成され、以下では、
図5に示すように、2つのサーバである第1サーバ12及び第2サーバ14によって構成されることとする。第1サーバ12は、第1マーケットを管理し、第1マーケットにおけるゲーム媒体の取引を実行する。第2サーバ14は、第2マーケットを管理し、第2マーケットにおけるゲーム媒体の取引を実行する。なお、第1サーバ12と及び第2サーバ14のそれぞれが、複数台のコンピュータを含むシステムとして構成されてもよい。
【0038】
なお、各マーケットにおける取引は、例えば、取引されたゲーム媒体の譲渡処理、及びそれに伴う決済処理、譲渡後のゲーム媒体をゲームにて使用可能な状態にするための処理、並びに、取引に伴う各種データの記録及び更新等を含む。これらの処理の内容については、ゲーム媒体を対象とする公知の取引と同様であるため、説明を省略することとする。
【0039】
各マーケットの取引は、
図5に示すマーケット用の通信システム(マーケット用システムS)におけるデータ通信を通じて行われる。マーケット用システムSにおいて、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、
図5に示すように、ネットワークNを介して、ユーザ端末16と通信可能である。第1マーケット又は第2マーケットの利用ユーザは、マーケットでゲーム媒体を出品したり、出品されたゲーム媒体を取得したりする際にユーザ端末16を操作する。ユーザの操作内容を示すデータは、ユーザ端末16から第1サーバ12又は第2サーバ14に向けて送信される。第1サーバ12及び第2サーバ14のうち、ユーザ端末16からデータを受信したサーバは、当該データに応じた処理を実行する。
【0040】
第1サーバ12及び第2サーバ14は、
図5に示すように、ネットワークNを通じて相互に通信可能である。例えば、第1マーケット又は第2マーケットの一方において対象ゲーム媒体が出品されたり、対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたりした場合、そのマーケットを管理するサーバが、当該対象ゲーム媒体が出品された旨、又は当該ゲーム媒体に対して取得要求が行われた旨を、もう一方のサーバに通知する。
【0041】
また、第1サーバ12及び第2サーバ14は、各ユーザによる第1マーケット及び第2マーケットの各々の利用実績を共有する。マーケットの利用実績は、各ユーザがこれまでにマーケットを利用した度合いを示す情報であり、具体的には、マーケットの利用頻度、これまでにマーケットを利用した回数、マーケットでの取引に用いた価値の総数等が挙げられる。
【0042】
第1サーバ12及び第2サーバ14の各々のハードウェア構成について説明すると、各サーバは、例えば、SNSサーバ、若しくはクラウドサービス用のサーバコンピュータである。クラウドサービス用のサーバコンピュータには、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータ等が含まれる。また、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、1台のコンピュータでもよく、並列分散された複数台のコンピュータでもよい。例えば、第1サーバ12が複数のコンピュータによって構成される場合、ゲーム進行に関する処理を実行するコンピュータと、ゲーム媒体の取引を実行するコンピュータと、が互いに別機器であってもよい。
【0043】
第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、ハードウェア機器として、
図5に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらがバス25を介して電気的に接続されている。
【0044】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0045】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0046】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0047】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。ストレージ24は、サーバ本体内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよいし、又はNAS(Network Attached Storage)等であってもよい。
なお、ストレージ24は、第1サーバ12及び第2サーバ14と通信可能に接続された第3のコンピュータ、例えば、データベースサーバやオンラインストレージ等によって構成されてもよい。この場合、第1サーバ12及び第2サーバ14は、ストレージ24を構成する第3のコンピュータとともに本発明の情報処理システムを構成することになる。
【0048】
ストレージ24には、各種の情報が記憶されて蓄積されている。具体的に説明すると、ストレージ24には、
図6に示すユーザ情報、
図7に示す第1マーケット情報、
図8に示す第2マーケット情報、及び
図9に示す出品情報等が記憶されている。
【0049】
ユーザ情報は、マーケットの利用ユーザに関する情報であり、ユーザごとに記憶されている。ユーザ情報は、例えば、
図6に示すように、ユーザのIDや名前等の個人情報、アカウント情報、マーケット利用実績、価値情報、ゲーム媒体情報、及びフレンド情報等を含む。
アカウント情報は、第1マーケット及び第2マーケットの利用アカウントを保有する場合には、それぞれのアカウントID及びパスワード等を示す情報を含む。また、第1マーケット及び第2マーケット双方の利用アカウントを保有する場合には、それらの利用アカウントが互いに連携されているか否かを示す情報を含む。
マーケット利用実績は、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれについて、出品回数等の出品履歴、及び購入回数等の購入履歴を含む。なお、出品又は購入の際に用いた価値の合計数(総数)等を示す情報が含まれていてもよい。
価値情報は、ユーザが各マーケットでの取引に使用する価値、すなわち、第1価値及び第2価値のそれぞれの所持数を示す情報を含む。
ゲーム媒体情報は、ユーザが所有するゲーム媒体、すなわち、第1ゲーム媒体を特定するための情報(例えば、第1ゲーム媒体の名称)を含む。また、ユーザが所望するゲーム媒体、すなわち、「欲しいものリスト」に登録されている第2ゲーム媒体を特定するための情報(例えば、第2ゲーム媒体の名称)を含む。
フレンド情報は、ユーザとフレンド関係にある他のユーザ(フレンド)に関する情報であり、例えば、フレンドのユーザIDや名前等である。なお、フレンド関係は、ユーザが他のユーザに申し出て、当該他のフレンドがその申し出を承諾することで成立する。
【0050】
第1マーケット情報は、第1マーケットの現状に関する情報であり、
図7に示すように、第1マーケットにおける、利用者数(第1マーケットの利用アカウントを保有するユーザ数)、利用可能な価値の種類(第1マーケットでは第1価値)、ゲーム媒体の種類ごとの出品数、ゲーム媒体の種類ごとの平均価格、及び、現時点で出品されているゲーム媒体(出品中のゲーム媒体)に関する情報等を含む。なお、第1マーケット情報には、ゲーム媒体ごとに設定されるマーケットの優先順位が含まれていてもよい。
出品数は、ゲーム媒体の種類ごとに記憶されており、現時点における第1マーケットでの出品数、及びこれまでに第1マーケットに出品された総数を含む。
平均価格は、ゲーム媒体の種類ごとに記憶されており、現時点で第1マーケットに出品されている同じ種類のゲーム媒体の平均価格、及びこれまでに第1マーケットに出品された同じ種類のゲーム媒体の平均価格を含む。
出品中のゲーム媒体は、第1マーケットに出品されているゲーム媒体ごとに割り当てられた出品ID等、出品されているゲーム媒体を識別するための情報を含む。
【0051】
第2マーケット情報は、第2マーケットの現状に関する情報であり、
図8に示すように、第2マーケットにおける、利用者数(第2マーケットの利用アカウントを保有するユーザ数)、利用可能な価値の種類(第2マーケットでは第2価値)、ゲーム媒体の種類ごとの出品数、ゲーム媒体の種類ごとの平均価格、及び、現時点で出品されているゲーム媒体(出品中のゲーム媒体)に関する情報等を含む。なお、第2マーケット情報には、ゲーム媒体ごとに設定されるマーケットの優先順位が含まれていてもよい。
出品数は、ゲーム媒体の種類ごとに記憶されており、現時点における第2マーケットでの出品数、及びこれまでに第2マーケットに出品された総数を含む。
平均価格は、ゲーム媒体の種類ごとに記憶されており、現時点で第2マーケットに出品されている同じ種類のゲーム媒体の平均価格、及びこれまでに第2マーケットに出品された同じ種類のゲーム媒体の平均価格を含む。
出品中のゲーム媒体は、第2マーケットに出品されているゲーム媒体ごとに割り当てられた出品ID等、出品されているゲーム媒体を識別するための情報を含む。
【0052】
出品情報は、マーケットに出品されたゲーム媒体に関する情報であり、出品されたゲーム媒体ごとに記憶されている。出品情報は、例えば、
図9に示すように、出品ID、現時点で出品先となっているマーケット(第1マーケット又は第2マーケット)、出品されたゲーム媒体の種類、出品者であるユーザのID又はアカウントID、設定された譲渡対価(取引価格)、出品切替履歴、取得要求の有無、取得要求を行ったユーザのID又はアカウントID、取得要求が行われた日時、及び、現時点の状態等を含む。
出品切替履歴には、出品先となるマーケットを変更している場合は、その有無又は回数等の履歴を含む。
状態には、出品中、出品取下、取引中、又は取引完了等、その出品情報に関連付けられているゲーム媒体の状態を含む。
【0053】
ストレージ24に記憶される情報には、
図6~9に示す情報に限定されず、それ以外の情報がさらに含まれてもよい。また、
図6~9のそれぞれに示す情報に含まれる項目についても、特に限定されず、上記の説明で列挙した項目以外の項目を含んでもよい。
【0054】
第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれには、オペレーティングシステム(OS)用のプログラムと、マーケットでのゲーム媒体の取引に関する情報処理用のプログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当し、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々を制御するプログラムである。つまり、上記のプロセッサ21によって実行されることにより、第1サーバ12及び第2サーバ14が情報処理システム10としての機能を発揮する。
なお、マーケットでのゲーム媒体の取引に関する情報処理用のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得できてもよい。あるいは、上記のプログラムがインターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)できてもよい。
【0055】
ユーザ端末16は、ユーザがゲームをプレイする場合、又はマーケットを利用する場合に操作される端末であり、情報処理システム10と連携してマーケット用システムSを構築する。ユーザ端末16は、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、又はウェアラブル端末等によって構成される。また、ユーザ端末16は、ユーザの操作を受け付ける入力機器と、ディスプレイ等の表示画面を構成する表示機器とを有する。
なお、ユーザ端末16は、ユーザが所有する機器でもよいし、店舗等に設置された機器であって、ユーザが所有しないが店舗等に来店した際に暗証番号やパスワード等を入力したり、あるいは入金等したりすることで利用可能な端末やコンピュータでもよい。
【0056】
ユーザ端末16には、ゲーム用のアプリケーションプログラム、及び、Webブラウザ等のプログラムがインストールされている。ユーザは、ユーザ端末16にてゲーム用のアプリケーションプログラムを起動することで、ゲームをプレイし、また、ゲーム内でのゲーム媒体の取引、すなわち、第1マーケットでの取引を行うことができる。また、ユーザは、ユーザ端末16にてWebブラウザを起動することで、例えばNFT売買用のWebサイトにアクセスし、そのサイトにてゲーム媒体の取引、すなわち、第2マーケットでの取引を行うことができる。
【0057】
また、第1マーケット又は第2マーケットにゲーム媒体を出品する場合、対象ユーザのユーザ端末16の画面には、対象ユーザが所有する第1ゲーム媒体の中から対象ゲーム媒体を選択するための情報が表示される。また、対象ゲーム媒体について出品先のマーケットを変更する場合、すなわち、第1マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品切替する場合、又は第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品切替する場合、対象ユーザのユーザ端末16の画面には、出品切替を行う対象ゲーム媒体を選択するための情報が表示される。さらに、ユーザが取得を希望するゲーム媒体を欲しいものリストに登録する場合には、ユーザのユーザ端末16の画面には、ユーザが所望するゲーム媒体を選択するための情報が表示される。
【0058】
<本実施形態に係る情報処理システムの機能>
次に、
図10を参照しながら、情報処理システム10の構成について機能面から改めて説明する。なお、以下では、情報処理システム10の機能のうち、マーケットにおけるゲーム媒体の取引に関連する機能に限定して説明することとする。
【0059】
情報処理システム10は、
図10に示すように、記憶部30、表示制御部31、出品制御部32、取引制御部33、設定部34、及び通知部35を有する。これらの機能部は、情報処理システム10を構成するサーバコンピュータ、より詳しくは第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれが備えるハードウェア機器と、各サーバにインストールされたソフトウェアとしてのプログラムとの協働によって実現される。また、本実施形態において、上記の機能部のうちの一部は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられている。その他の機能部は、第1サーバ12及び第2サーバ14の一方にのみ備えられており、あるいは第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成される。
以下、上記の機能部の各々について説明する。
【0060】
(記憶部)
記憶部30は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、各サーバのストレージ24によって構成されている。記憶部30は、マーケットにおけるゲーム媒体の取引に関連する情報、具体的には、前述したユーザ情報、第1マーケット情報、第2マーケット情報、及び出品情報等を記憶している。例えば、第1マーケットにおいてゲーム媒体が出品された場合には、第1サーバ12により出品情報が生成され、生成された出品情報が第1サーバ12の記憶部30に記憶される。また、第2マーケットにおいてゲーム媒体が出品された場合には、第2サーバ14により出品情報が生成され、生成された出品情報が第2サーバ14の記憶部30に記憶される。
【0061】
(表示制御部)
表示制御部31は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられており、対象ゲーム媒体に関連した情報を、各マーケットの利用ユーザが使用するユーザ端末16の画面に表示させる。
【0062】
例えば、第1サーバ12の表示制御部31は、対象ユーザのユーザ端末16を制御してユーザ端末16の画面に、第1マーケットに出品する対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品画面)、及び第1マーケットから第2マーケットに出品切替を行う対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品切替画面)を表示させる。具体的には、出品切替画面として、第2マーケットの利用が可能になった対象ユーザに対して、第1マーケットに出品中の対象ゲーム媒体のうちから第2マーケットに出品する対象ゲーム媒体を対象ユーザに選択させるための選択画面を表示させる。同様に、第2サーバ14の表示制御部31は、対象ユーザのユーザ端末16を制御してユーザ端末16の画面に、第2マーケットに出品する対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品画面)、及び第2マーケットから第1マーケットに出品切替を行う対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品切替画面)を表示させる。
【0063】
また、第1サーバ12の表示制御部31は、ユーザ(要求ユーザを含む)のユーザ端末16を制御してユーザ端末16の画面に、第1マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品されている対象ゲーム媒体の一覧画面、及び対象ゲーム媒体に対する取得申込画面)を表示させる。同様に、また、第2サーバ14の表示制御部31は、ユーザ(要求ユーザを含む)のユーザ端末16を制御してユーザ端末16の画面に、第2マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報(例えば、出品されている対象ゲーム媒体の一覧画面、及び対象ゲーム媒体に対する取得申込画面)を表示させる。
なお、表示制御部31によって表示される対象ゲーム媒体の一覧画面には、例えば、対象ゲーム媒体の種類、その出品者である対象ユーザの名前又はユーザID、及び、対象ゲーム媒体の取引価格等が含まれる。
【0064】
(出品制御部)
出品制御部32は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、ゲームにおいて対象ユーザが所有する第1ゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御する。
具体的に説明すると、対象ユーザは、ユーザ端末16を操作して、自分がゲーム内において所有する第1ゲーム媒体の中から出品対象のゲーム媒体を選定し、出品先であるマーケットを指定する。この操作の内容を示すデータがユーザ端末16から送信されると、出品制御部32は、ユーザ端末16から送信される上記のデータを受信することでゲーム媒体の出品を受け付け、その選定されたゲーム媒体を指定されたマーケットに出品する処理を行う。
なお、対象ユーザが第1マーケット及び第2マーケットの双方に同じゲーム媒体(すなわち、対象ゲーム媒体)を出品すると、各サーバの出品制御部32が、各マーケットにおける対象ゲーム媒体の出品をマーケットごとに受け付け、その選定されたゲーム媒体をそれぞれのマーケットに出品することになる。
【0065】
また、出品制御部32は、ユーザに対して、第2マーケットの利用を可能とする。具体的に説明すると、対象ユーザが第2マーケットの利用登録をした場合、又は、対象ユーザが第2マーケットの利用登録をし、且つ、第1マーケットの利用アカウントと第2マーケットの利用アカウントとを連携させた場合に、対象ユーザに対し、第2マーケットにおける出品を含む取引を可能とする。
【0066】
また、出品制御部32は、対象ユーザがマーケットに出品した第1ゲーム媒体(対象ゲーム媒体)が、上記の所定条件を満たした場合、出品先のマーケットを他のマーケットに変更可能、すなわち、出品切替可能に制御する。このとき、先に出品中のマーケットにおいて出品されている対象ゲーム媒体の出品を維持したまま、その対象ゲーム媒体を他のマーケットに出品することとしてもよいし、先に出品中のマーケットにおいて出品されている対象ゲーム媒体の出品を取り下げたうえで、その対象ゲーム媒体を他のマーケットに出品することとしてもよい。
【0067】
また、出品制御部32は、出品切替の一例として、第1マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。具体的には、上記のケース2で例示したように、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合であって、第1マーケットに出品中の1以上の対象ゲーム媒体のうち、上記の第1条件を満たすゲーム媒体について、第2マーケットに出品切替を行う。
なお、このとき、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引価格(購入に必要となる第2価値の量)が設定されるが、その取引価格は対象ユーザが任意に設定してもよいし、第2マーケットにおける同種のゲーム媒体の取引価格及び出品数等から自動的に設定されてもよい。
【0068】
また、出品制御部32は、出品切替の一例として、第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品させる。具体的には、上記のケース3で例示したように、対象ゲーム媒体が第2マーケットに出品されており、且つ、第1マーケットに出品されていない場合であって、第1マーケットに対象ユーザが所望する第2ゲーム媒体が出品されている場合、対象ユーザ又は対象ゲーム媒体が上記の第2条件を満たしていることを条件に、第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品切替を行う。
このとき、第1マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引価格(購入に必要となる第1価値の量)が設定されるが、その取引価格は対象ユーザが任意に設定してもよいし、第2マーケットにおける同種のゲーム媒体の取引価格及び出品数等から自動的に設定されてもよい。特に、取引価格が自動的に設定される場合は、第1マーケットにおける第2ゲーム媒体の取引価格と対象ユーザがその時点で所有する第1価値の量との差以上に設定してもよい。
また、対象ゲーム媒体の取引価格は変動可能としてもよく、対象ユーザが任意に変動させてもよいし、第1マーケットにおける第2ゲーム媒体の取引価格の変動に応じて自動的に変動させてもよい。例えば、第2ゲーム媒体の取引価格が上がった場合には、対象ゲーム媒体の取引価格を上げ、第2ゲーム媒体の取引価格が下がった場合には、対象ゲーム媒体の取引価格を下げるようにしてもよい。なお、第2ゲーム媒体の取引価格が下がった場合には、対象ゲーム媒体の取引価格が、第1マーケットにおける第2ゲーム媒体の取引価格と対象ユーザがその時点で所有する第1価値の量との差以上である範囲で下げるようにしてもよい。
また、第2マーケットにおいて出品されている対象ゲーム媒体の出品を取り下げたうえで、その対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品する場合、例えば、第2ゲーム媒体が他のユーザに譲渡されたり、出品が取り下げられたりする等して、対象ユーザが対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品させた後で状況が変わり、上記の第2条件が満たされなくなった場合は、第2マーケットにおいて一旦取り下げた第1ゲーム媒体を第2マーケットに再度出品可能としてもよい。
【0069】
(取引制御部)
取引制御部33は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、各マーケットにおけるゲーム媒体に対する取得要求をユーザ(要求ユーザ)から受け付け、第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットにおいて対象ゲーム媒体の取引を制御する。
具体的に説明すると、第1マーケットの利用ユーザ(以下、第1利用ユーザ)は、第1マーケットに出品されているゲーム媒体に関する情報をユーザ端末16にて確認する。また、第1利用ユーザは、取得を希望するゲーム媒体が出品されていれば、第1マーケットにおいて当該ゲーム媒体に対する取得要求を行う。同様に、第2マーケットの利用ユーザ(以下、第2利用ユーザ)は、第2マーケットに出品されているゲーム媒体に関する情報をユーザ端末16にて確認する。また、第2利用ユーザは、取得を希望するゲーム媒体が出品されていれば、第2マーケットにおいて当該ゲーム媒体に対する取得要求を行う。取得要求を行ったユーザのユーザ端末16は、その取得要求の内容を示すデータを生成して送信する。そして、取得要求が行われたマーケットと対応する取引制御部33は、ユーザ端末16から送信される上記のデータを受信することで、当該取得要求を受け付ける。
【0070】
取引制御部33は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。取引制御部33は、対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合に、その取得要求に基づく処理を実行し、具体的には、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行する。
より詳しく説明すると、取引制御部33は、対象ゲーム媒体の取引として、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行った要求ユーザに対象ゲーム媒体を譲渡する処理と、要求ユーザが所持する価値の数量を対象ゲーム媒体(厳密には、対象ゲーム媒体の取引価格)に応じて減算する処理とを実行する。また、取引制御部33は、取引の実行に付随して、対象ユーザが所有する価値の数量を対象ゲーム媒体(厳密には、対象ゲーム媒体の取引対価)に応じて加算する処理を実行する。
【0071】
本実施形態では、取引制御部33は、第1マーケットでは第1価値と引き換えに、また、第2マーケットでは第1価値とは異なる第2価値と引き換えに、ゲーム媒体を取引可能としているが、取引制御部33では、第1価値と第2価値との直接交換を制限する。制限には、それらの直接交換を一切不可とする他、1日〇〇円まで等の限度額を設定して直接交換を制限する場合も含む。
【0072】
また、上記のケース3で例示したように、第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品切替を行った対象ユーザは、第1マーケットで対象ゲーム媒体の取引が成立した場合に、第2ゲーム媒体の取引を自動的に成立させてもよい。具体的には、第1マーケットにおいて第1ゲーム媒体の取引が成立した場合に更新(加算)された対象ユーザが所有する第1価値を用いて、第1マーケットに第2ゲーム媒体を出品しているユーザから当該対象ユーザに第2ゲーム媒体を譲渡する処理を実行する。なお、このとき、対象ユーザが事前に第2ゲーム媒体の購入予約していることを要件として、第2ゲーム媒体の取引を自動的に成立させることとしてもよい。
【0073】
なお、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対して、第1マーケットにおいて取得要求が行われた場合には、第1サーバ12の取引制御部33が取得要求を受け付ける。また、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、第2サーバ14の取引制御部33が取得要求を受け付ける。また、この場合、取引制御部33は、第1マーケット及び第2マーケットのうち、対象ゲーム媒体の取引が実行されなかった非取引マーケットにおける対象ゲーム媒体の出品を取り下げる処理と、非取引マーケットにおいて行われた対象ゲーム媒体に対する取得要求を無効にする処理とを、さらに実行してもよい。
このとき、取引制御部33は、対象ゲーム媒体の取引を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行してもよい。具体的に説明すると、例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高い状況で、対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々で行われたとする。この場合、取引制御部33は、第1マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先し、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を見送る。
【0074】
(設定部)
設定部34は、第1設定部341及び第2設定部342を有し、それらの第1設定部341及び第2設定部342は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。
【0075】
第1設定部341は、対象ユーザの入力情報に基づいて、1以上のゲーム媒体ごとに第1マーケット又は第2マーケットへの出品に関する設定情報を設定する。具体的に説明すると、対象ユーザは、自分のユーザ端末16を操作し、所有する第1ゲーム媒体の中から、各マーケットに出品又は出品切替させるゲーム媒体を指定し、設定情報を入力する。対象ユーザのユーザ端末16は、指定されたゲーム媒体に関するデータを生成して送信し、第1設定部341は、ユーザ端末16から受信したデータ、換言すると対象ユーザの入力情報に基づいて、各マーケットに出品又は出品切替するゲーム媒体と特定して、設定情報を設定する。このように本実施形態では、第1設定部341が対象ユーザの入力を受け付けて対象ゲーム媒体の出品に関する設定情報を設定し、換言すると、それらの設定情報が手動設定される。なお、第1設定部341によって設定される設定情報としては、出品要否、出品先マーケット、出品日時、出品期間、取引価格、及びその他取引に必要となる情報が含まれる。
【0076】
第2設定部342は、対象ゲーム媒体について、出品先のマーケットを選定する際における第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する。また、第2設定部342は、例えば、各マーケットの優先順位が設定された後にマーケットの状況が変化した場合等、既に設定された第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更する。なお、複数の対象ゲーム媒体が存在する場合、第2設定部342は、対象ゲーム媒体ごとに、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定又は変更する。
【0077】
本実施形態では、第2設定部342は、自動的に各マーケットの優先順位を設定してもよいし、対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザの入力情報に基づいて各マーケットの優先順位を設定(手動設定)してもよい。
第2設定部342がマーケットの優先順位を自動的に設定する場合、例えば、現金等の第2価値が利用可能な第2マーケットの優先順位を、ゲーム内通貨等の第1価値を利用する第1マーケットの優先順位よりも高く設定する。また、第1マーケットに対象ユーザが所望する第2ゲーム媒体が出品されている間は、第1マーケットの優先順位を第2マーケットの優先順位よりも高く設定し、第1マーケットに2ゲーム媒体が出品されていない間(出品終了後も含む)は、第1マーケットの優先順位を第2マーケットの優先順位よりも低く設定する。
一方、第2設定部342が対象ユーザの入力情報に基づいて優先順位を設定する場合、対象ユーザは、自分のユーザ端末16を操作し、各マーケットの優先順位を指定した優先順位のデータを生成して送信し、第2設定部342は、ユーザ端末16から受信したデータ、換言すると対象ユーザの入力情報に基づいて、各マーケットの優先順位を設定する。
【0078】
(通知部)
通知部35は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれ又はいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。
【0079】
第1サーバ12の出品制御部32が対象ゲーム媒体の出品を受け付けた場合、第1サーバ12の通知部35は、第1利用ユーザに対象ゲーム媒体の出品を通知する。同様に、第2サーバ14の出品制御部32が対象ゲーム媒体の出品を受け付けた場合、第2サーバ14の通知部35は、第2利用ユーザに対象ゲーム媒体の出品を通知する。この際、通知先のユーザは、対象ゲーム媒体を所望の第2ゲーム媒体として「欲しいものリスト」に登録しているユーザに限定してもよい。
【0080】
また、第1サーバ12の取引制御部33が対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合、第1サーバ12の通知部35は、第1マーケットに当該対象ゲーム媒体を出品している対象ユーザに、第1マーケットにおいて当該対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを通知する。同様に、第2サーバ14の取引制御部33が対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合、第2サーバ14の通知部35は、第2マーケットに当該対象ゲーム媒体を出品している対象ユーザに、第2マーケットにおいて当該対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを通知する。
なお、このとき、第1サーバ12と第2サーバ14との間で互いに通知し合い、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合に、その取得要求が行われたことをサーバ間で共有することもできる。
【0081】
また、第1サーバ12の出品制御部32が対象ゲーム媒体の出品を受け付けた場合であって、当該対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザが第2マーケットの利用アカウントを取得しておらず、第2マーケットを利用することができない場合、第1サーバ12の通知部35は、第1マーケットに当該対象ユーザに、第2マーケットを利用可能とするための情報を通知する。ここで、第2マーケットを利用可能とするための情報とは、第2マーケットの利用アカウントの登録案内であり、第2マーケットの利用アカウントを取得することができる画面へのリンクを含むとよい。
なお、第1マーケットの利用アカウントと第2マーケットのアカウントとを連携させることも、第2マーケットの利用可能条件としている場合は、第2マーケットを利用可能とするための情報には、それらの利用アカウントの連携案内を含み、両利用アカウントの連携設定をすることができる画面へのリンクを含むとよい。
【0082】
また、通知部35は、対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、第1マーケット又は第2マーケットの利用ユーザに通知する。
なお、対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことが通知されるユーザは、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方を利用するユーザのうち、対象ゲーム媒体を所望のゲーム媒体として「欲しいものリスト」に登録しているユーザに限定してもよい。
【0083】
また、通知部35は、第2設定部342が第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更した場合に、優先順位の変更に関する情報を、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方の利用ユーザに通知する。ここで、優先順位の変更に関する情報とは、変更後の各マーケットの優先順位でもよく、あるいは、優先順位が変更された旨の情報でもよい。
なお、優先順位の変更に関する情報が通知されるユーザは、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方を利用するユーザのうち、対象ゲーム媒体を所望のゲーム媒体として「欲しいものリスト」に登録しているユーザに限定してもよい。
【0084】
以上、第1サーバ12及び第2サーバ14を含む情報処理システム10、並びにユーザ端末16のそれぞれの構成及び機能について説明した。なお、一般的に、第1サーバ12、第2サーバ14、及びユーザ端末16は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明におけるマーケット用システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0085】
<本実施形態に係る情報処理方法>
本実施形態に係る情報処理システム10を用いた情報処理フローとして、ゲーム媒体の出品から取引までの基本的な処理の流れに関する情報処理フローについて説明する。本実施形態に係る情報処理フローは、本発明の一実施形態に係る情報処理方法を採用しており、コンピュータシステムとして機能するマーケット用システムSを用いることで実現される。換言すると、情報処理フロー中の各ステップ(具体的には、
図11~14に示す各ステップ)は、本発明の一実施形態に係る情報処理方法の構成要素に該当する。
なお、以下に説明する情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0086】
(情報処理フロー)
この情報処理フローは、出品切替処理を含む本発明の根幹を為すゲーム媒体の取引を行うための情報処理であり、情報処理システム10において実行される情報処理である。例えば、
図11に示す流れに従って進行する。
なお、以下では、対象ゲーム媒体をマーケットに出品する対象ユーザを「ユーザX」とし、マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対して取得要求を行う要求ユーザを「ユーザY」として説明する。また、特に言及する場合を除き、出品先となるマーケットは第1マーケット及び第2マーケットのいずれでもよく、出品切替では、対象ゲーム媒体が第1マーケットに出品されている場合は第2マーケットに出品切替され、対象ゲーム媒体が第2マーケットに出品されている場合は第1マーケットに出品切替されるものとする。
【0087】
図11に示すように、先ず、プロセッサ21は、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザXからゲーム媒体を出品するために行う操作に基づく情報(出品先となるマーケットを示す情報、出品する対象ゲーム媒体を示す情報、及び当該対象ゲーム媒体の取引価格等を含む情報)を取得して出品を受け付けると(S101)、ユーザXにより指定された対象ゲーム媒体をユーザXにより指定されたマーケットに出品し(S102)、当該マーケットに出品された対象ゲーム媒体の情報をユーザX、及びユーザYを含む他のユーザのユーザ端末16に表示させる(S103)。
【0088】
次に、プロセッサ21は、対象ゲーム媒体の出品中に出品先のマーケットを変更するための出品切替処理を必要に応じて実行し(S104)、出品切替処理を通じて、対象ゲーム媒体の出品先のマーケットが変更された場合、すなわち、出品切替が行われたと判断した場合(S105:YES)、出品切替後のマーケットに出品された対象ゲーム媒体の情報を表示させる(S106)。一方、出品切替処理を通じて、対象ゲーム媒体の出品先のマーケットが変更されなかった場合、すなわち、出品切替が行われなかったと判断した場合(S105:NO)、そのまま次の処理に移行する。なお、出品切替処理の詳細については、後述する。
【0089】
そして、ユーザYは、ユーザ端末16の画面に表示された情報を確認しながら、対象ゲーム媒体を取得するかどうかを検討し、対象ゲーム媒体の取得を希望する場合には、ユーザ端末16を通じて対象ゲーム媒体に対する取得要求を行う。プロセッサ21は、ユーザYのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザYから対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けると(S107)、ユーザYの取得要求に基づく取引を実行して(S108)、処理を終了する。
具体的には、取引の実行によって、プロセッサ21が、記憶部30に記憶されているユーザ情報のゲーム媒体情報を書き換えて更新することにより、対象ゲーム媒体は、ユーザXからユーザYに譲渡され、ユーザYは、マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得することができる。また、取引の実行に伴い、プロセッサ21は、記憶部30に記憶されているユーザ情報の価値情報を書き換えて更新する。すなわち、プロセッサ21は、ユーザYが所有する価値(第1マーケットでの取引であれば第1価値、第2マーケットでの取引であれば第2価値)の数を、対象ゲーム媒体に設定されている取引価格に応じて減算し、ユーザXが所有する価値(第1マーケットでの取引であれば第1価値、第2マーケットでの取引であれば第2価値)の数を、対象ゲーム媒体に設定された取引価格に応じて加算する。さらに、プロセッサ21は、記憶部30に記憶されている出品情報の状態を書き換えて更新することにより、マーケットにおける対象ゲーム媒体の出品を取り下げ、当該対象ゲーム媒体に対する以降の取引を不可とする。
以上が、本発明の情報処理フローの一例である。
【0090】
(出品切替処理〈1〉)
次に、
図12に基づいて、出品切替処理の一例について説明する。
出品切替処理とは、情報処理システム10において実行される処理であり、上記情報処理フローのステップS104において実行される処理である。具体的には、対象ゲーム媒体が第1マーケットに出品されている場合は第2マーケットに出品切替可能に制御し、対象ゲーム媒体が第2マーケットに出品されている場合は第1マーケットに出品切替可能に制御する処理である。
なお、以下では、第1マーケット(又は第2マーケット)に対象ゲーム媒体が出品中の状態であることを前提として説明する。
【0091】
図12に示すように、先ず、プロセッサ21は、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザXからゲーム媒体の出品切替をするために行う操作に基づく情報(出品先となるマーケットの切替を指示する情報、出品切替する対象ゲーム媒体を示す情報、及び当該対象ゲーム媒体の出品切替先のマーケットでの取引価格等を含む情報)を取得して出品切替を受け付け(S201:YES)、上記の所定条件を満たすと判断した場合(S202:YES)、第1マーケットに出品中の場合は出品切替後の第2マーケットでの取引価格、また、第2マーケットに出品中の場合は出品切替後の第1マーケットでの取引価格を設定し(S203)、その設定した取引価格において、第1マーケットに出品中の場合は第2マーケットに出品切替を実行し、第2マーケットに出品中の場合は第1マーケットに出品切替を実行して(S204)、処理を終了する。なお、ユーザXから出品切替を受け付けていない場合(S201:NO)、又は所定条件を満たしていない場合(S202:NO)、そのまま処理を終了する。
以上が、出品切替処理の一例である。
【0092】
(出品切替処理〈2〉)
次に、
図13に基づいて、出品切替処理の他の一例について説明する。
ここでの出品切替処理も、情報処理システム10において実行される処理であり、上記情報処理フローのステップS104において実行される処理である。具体的には、第1マーケットに出品中の1以上の対象ゲーム媒体のうち上記の第1条件を満たす対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる処理である。
なお、以下では、ユーザXが、第1マーケットに1以上の対象ゲーム媒体を出品中であり、その中から1以上の対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品切替したい場合であって、出品切替の対象ゲーム媒体をユーザXが手動で選択する場合を例に挙げて説明する。
【0093】
図13に示すように、先ず、プロセッサ21は、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザXから対象ゲーム媒体の出品切替をするために行う操作に基づく情報(第2マーケットへの出品切替を指示する情報を含む)を取得して出品切替を受け付けると(S301:YES)、ユーザXが第2マーケットの利用アカウントを取得して第2マーケットの利用登録が済んでいるか否かを判断する(S302)。ここで、プロセッサ21は、第2マーケットの利用登録が済んでいないと判断すると(S302:NO)、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、第2マーケットを利用可能とするための情報をユーザXに通知し(S303)、ユーザXに第2マーケットの利用アカウントを取得させ、第2マーケットの利用登録を行う(S304)。
続いて、プロセッサ21は、ユーザXが第2マーケットの利用登録が済んでいると判断した場合(S302:YES)、又は、ユーザXが第2マーケットの利用登録を行った場合(S304)、上記の第1条件を満たす対象ゲーム媒体を自動的に選出する(S305)。
そして、プロセッサ21は、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、それらの第1条件を満たす対象ゲーム媒体の中からユーザXが選択した対象ゲーム媒体を示す情報(当該対象ゲーム媒体の第2マーケットでの取引価格等を含む情報を含む)を取得してゲーム媒体の選択を受け付けると(S306)、ユーザの指示に基づいて1以上の対象ゲーム媒体を選択し(S307)、当該対象ゲーム媒体について第2マーケットにおける取引価格を設定し(S308)、その設定した取引価格において、第1マーケットから第2マーケットに出品切替を実行して(S309)、処理を終了する。なお、ユーザXから出品切替を受け付けていない場合(S301:NO)、そのまま処理を終了する。
以上が、出品切替処理の他の一例である。
【0094】
(出品切替処理〈3〉)
次に、
図14に基づいて、出品切替処理のさらに他の一例について説明する。
ここでの出品切替処理も、情報処理システム10において実行される処理であり、上記情報処理フローのステップS104において実行される処理である。具体的には、第2マーケットに出品中の対象ゲーム媒体が存在する場合であって、対象ユーザ又は対象ゲーム媒体が上記の第2条件を満たした場合、当該対象ゲーム媒体を第1マーケットに出品させる処理である。
なお、以下では、ユーザXが、所望の第2ゲーム媒体を欲しいものリストに登録済みであることを前提として、説明する。
【0095】
図14に示すように、先ず、プロセッサ21は、ユーザXが欲しい物リストに登録している所望の第2ゲーム媒体が第1マーケットに出品されたと判断すると(S401)、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザXが所望する第2ゲーム媒体が、他のユーザによって第1マーケットに出品されたことを示す情報をユーザXに通知する(S402)。
続いて、プロセッサ21は、ユーザXのユーザ端末16との通信を通じ、ユーザXから対象ゲーム媒体の出品切替をするために行う操作に基づく情報(第1マーケットへの出品切替を指示する情報、出品切替する対象ゲーム媒体を示す情報、及び当該対象ゲーム媒体の第1マーケットでの取引価格等を含む情報)を取得して出品切替を受け付けると(S403:YES)、ユーザX又は当該対象ゲーム媒体が上記の第2条件を満たしているか否かを判断する(S404)。
そして、プロセッサ21は、ユーザX又は当該対象ゲーム媒体が上記の第2条件を満たしていると判断した場合(S404:YES)、当該対象ゲーム媒体について第1マーケットにおける取引価格を設定し(S405)、その設定した取引価格において、第2マーケットから第1マーケットに出品切替を実行して(S406)、処理を終了する。なお、ユーザXから出品切替を受け付けていない場合(S403:NO)、及び第2条件を満たしていない場合(S404:NO)、そのまま処理を終了する。
なお、特に図示はしないが、取引終了等の理由により、第2ゲーム媒体が第1マーケットから消滅した場合であって、対象ゲーム媒体の第2マーケットでの出品が既に取り下げられている場合、対象ゲーム媒体を第2マーケットに再出品する処理を行ってもよい。
以上が、出品切替処理のさらに他の一例である。
【0096】
<その他の実施形態>
以上までに、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関して、一つの具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられ得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0097】
また、上記の実施形態の説明の中で参照された図面が示す画面例も一例に過ぎない。すなわち、上記の画面の構成例、画面に表示される情報の内容、及びGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また適宜変更し得るものである。
【0098】
また、上記の実施形態における各種情報の通知、連絡又は提示(以下、通知等)の具体的手段は、特に限定されない。例えば、メールによる通知等でもよく、ユーザ端末16の画面にメッセージを表示したり音/音声を再生したりすることで通知等を行ってもよい。また、SNS用アカウント(SNSのサイトに記事や画像等を投稿したり、SNS利用者同士でメッセージ等を交換したりするためのアカウント)を有するユーザに対して情報の通知等を行う場合には、SNSでの投稿やメッセージ交換等を活用してもよい。また、メッセージ等を表示させる画面は、ゲームのプレイ中の待機画面でもよく、あるいは、ユーザ端末16の初期画面(待ち受け画面)であってもよい。
【0099】
また、上記の実施形態における端末の表示画面は、端末自体に備わった表示機器によって構成される画面でもよく、あるいは、端末に有線又は無線形式で接続された表示機器によって構成される画面でもよい。端末に接続された表示機器には、一般的な据え置き型のディスプレイの他に、VRゴーグル等のHMD(Head Mounted Display)が含まれ得る。
【0100】
また、上記の実施形態では、サーバコンピュータ、厳密には複数のサーバが本発明の情報処理システムとしての機能を発揮しているが、本発明の情報処理システムの機能のうちの一部が、ユーザ端末16に備わっていてもよい。その場合には、複数のサーバとユーザ端末16との協働によって本発明の情報処理システムが構成されることになる。
【0101】
上記の実施形態では、情報処理システム10の機能である出品制御部32、取引制御部33、設定部34及び通知部35が、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、2つのサーバの協働によって構成されることとした。ただし、これに限定されず、上記の機能部が第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備わってもよい。
また、情報処理システム10が備える機能部の全てが、第1サーバ12及び第2サーバ14の一方にのみ備えられてもよいし、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されてもよい。
【0102】
上記の実施形態では、第1マーケットでの取引に用いられる価値(第1価値)が、ゲーム内通貨であり、第2マーケットでの取引に用いられる価値(第2価値)が、金銭又は暗号資産であることとした。ただし、これに限定されず、第1価値が、金銭又は暗号資産であり、第2価値が、ゲーム内通貨でもよい。また、第1価値が、金銭であり、第2価値が暗号資産であってもよく、あるいは、その逆でもよい。また、第1価値と第2価値が、同じ種類の価値、例えば、いずれの価値も金銭、暗号資産又はゲーム内通貨であってもよい。
【0103】
上記の実施形態では、ユーザが所有するゲーム媒体をマーケットにおける取引対象とする例について説明したが、取引対象はゲーム媒体に限られず、各種のデジタルコンテンツや有体物であってもよい。また、上記の実施形態では、ゲーム媒体の譲渡(売買)を取引の例として説明したが、取引は、譲渡取引に限られず、貸与の取引であってもよい。
【0104】
なお、以上までに説明してきた具体的な実施形態(変形例を含む)については、それぞれの実施形態の要素及び特徴を適宜組み合わせてもよい。すなわち、本発明に関する複数の実施形態のうち、いずれかの実施形態における構成が、それ以外の実施形態でも適用可能であり、その構成がもたらす効果が同様に奏されてもよい。
【0105】
<まとめ>
[汎用課題]
本発明の目的の一つは、マーケットにおける取引を活性化することである。
本発明の目的の一つは、マーケットにおいてデジタルコンテンツの取引を活性化することである。
本発明の目的の一つは、マーケットにおいてゲーム媒体の取引を活性化することである。
【0106】
[付記1]に対する課題
本発明の目的の一つは、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることである。
[付記1]
本実施形態に係る情報処理システムは、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御する出品制御部を有し、出品制御部は、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合、第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。
上記の情報処理システムによれば、対象ユーザは、第2マーケットの利用ができずに所有するゲーム媒体を第1マーケットに出品した後であっても、第2マーケットが利用可能になったタイミングで、面倒な手続き等をする必要もなく、所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させることができる。このように既に利用可能となっているマーケットに出品したゲーム媒体を、新たに利用可能となったマーケットに簡単に出品可能とすることで、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる。
【0107】
[付記2]に対する課題
本発明の目的の一つは、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とすることである。
[付記2]
出品制御部は、対象ユーザが第2マーケットの利用登録をした場合、第2マーケットの利用を可能とする、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、対象ユーザは、所有するゲーム媒体を第1マーケットに出品した後であっても、第2マーケットの利用登録をすれば、第2マーケットの利用が可能になる。これにより、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とすることができる。
【0108】
[付記3]に対する課題
本発明の目的の一つは、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とすることである。
[付記3]
出品制御部は、対象ユーザが第2マーケットの利用登録をし、且つ、ゲームの利用アカウントと第2マーケットの利用アカウントとを連携させた場合、第2マーケットの利用を可能とする、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、対象ユーザは、所有するゲーム媒体を第1マーケットに出品した後であっても、第2マーケットの利用登録をし、第1マーケットと第2マーケットの利用アカウントを連携させれば、第2マーケットの利用が可能になる。これにより、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とすることができる。
【0109】
[付記4]に対する課題
本発明の目的の一つは、所望のゲーム媒体をマーケットへの出品させる際の手間を軽減させることである。
[付記4]
第2マーケットの利用が可能になった場合に、第1マーケットに出品中のゲーム媒体のうちから第2マーケットに出品するゲーム媒体を対象ユーザに選択させるための選択画面を表示する表示制御部を有し、出品制御部は、選択画面で選択されたゲーム媒体を第2マーケットに出品させる、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、第2マーケットに出品するゲーム媒体を、選択画面で対象ユーザに選択させる。これにより、所望のゲーム媒体をマーケットへの出品させる際の手間を軽減させることができる。
【0110】
[付記5]に対する課題
本発明の目的の一つは、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とする方法を知らせることである。
[付記5]
第1マーケットへの出品時又は出品後に、対象ユーザが第2マーケットを利用可能でない場合、第2マーケットを利用可能とするための情報を対象ユーザに通知する通知部を有する、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、第2マーケットが利用できない対象ユーザに対して、第2マーケットを利用可能とするための情報を通知する。これにより、簡単な手続きで第2マーケットの利用を可能とする方法を知らせることができる。
【0111】
[付記6]に対する課題
本発明の目的の一つは、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることである。
[付記6]
1以上のゲーム媒体ごとに第2マーケットへの出品に関する設定情報を設定する第1設定部を有し、出品制御部は、設定情報に基づいて第2マーケットへの出品を制御する、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、ゲーム媒体ごとに設定された属性等の設定情報に基づいて、第2マーケットへの出品可否を制御する。これにより、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる。
【0112】
[付記7]に対する課題
本発明の目的の一つは、ゲーム媒体の取引を円滑に実行し、優先順位が高いマーケットにおいてゲーム媒体が取引される可能性を向上させることである。
[付記7]
第1マーケット及び第2マーケットの各々について、出品先となるマーケットを決定する際の優先順位を設定する第2設定部と、複数のマーケットにおいてゲーム媒体の取引を制御する取引制御部と、を有し、取引制御部は、設定情報に基づき、第1マーケットに出品されている1以上のゲーム媒体を第2マーケットに出品する場合において第1マーケットにおける出品を維持する場合に、第1マーケットと第2マーケットの優先順位に基づいて1以上のゲーム媒体の取引を制御する、[付記6]に記載の情報処理システム。
このように、第1マーケットにおいて出品されているゲーム媒体の出品を維持したまま、ゲーム媒体を第2マーケットに出品する場合に、第1マーケットと第2マーケットの優先順位に基づいてゲーム媒体の取引を制御する。これにより、ゲーム媒体の取引を円滑に実行し、優先順位が高いマーケットにおいてゲーム媒体の取引の可能性を向上させることができる。
【0113】
[付記8]に対する課題
本発明の目的の一つは、対象ユーザにとって好ましいマーケットでゲーム媒体が取引される可能性を向上させることである。
[付記8]
第2設定部は、第2マーケットの優先順位を第1マーケットの優先順位よりも高く設定する、[付記7]に記載の情報処理システム。
このように、第2マーケットで取引された方が第1マーケットで取引されるよりも対象ユーザにとって好ましい場合、第2マーケットの優先順位を第1マーケットの優先順位よりも高く設定する。これにより、対象ユーザにとって好ましいマーケットでゲーム媒体が取引される可能性を向上させることができる。
【0114】
[付記9]に対する課題
本発明の目的の一つは、対象ユーザにとって好ましいマーケットにゲーム媒体を出品させることである。
[付記9]
1以上のゲーム媒体は、対象ゲーム媒体を含み、出品制御部は、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の取引価格が第1閾値以上である場合、対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、第2マーケットにおいて、対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の取引価格が第1閾値以上と相場が高い場合、その対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。これにより、対象ユーザにとって好ましいマーケットにゲーム媒体を出品させることができる。
【0115】
[付記10]に対する課題
本発明の目的の一つは、対象ユーザにとって好ましいマーケットにゲーム媒体を出品させることである。
[付記10]
1以上のゲーム媒体は、対象ゲーム媒体を含み、出品制御部は、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の出品数が第2閾値以下である場合、対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる、[付記1]に記載の情報処理システム。
このように、第2マーケットにおいて、対象ゲーム媒体に関連するゲーム媒体の出品数が第2閾値以下と供給数が少ない場合、その対象ゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。これにより、対象ユーザにとって好ましいマーケットにゲーム媒体を出品させることができる。
【0116】
[付記11]に対する課題
本発明の目的の一つは、ユーザに対し、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることである。
[付記11]
本実施形態に係る情報処理方法は、プロセッサが、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御し、プロセッサが、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合、第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。
上記の情報処理方法によれば、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる。
【0117】
[付記12]に対する課題
本発明の目的の一つは、ユーザに対し、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることである。
[付記12]
本実施形態に係るプログラムは、プロセッサに、ゲームにおいて対象ユーザが所有するゲーム媒体を第1マーケットと第2マーケットとを含む複数のマーケットに出品可能に制御させ、プロセッサに、対象ユーザが第2マーケットを利用できない場合において1以上のゲーム媒体を第1マーケットに出品した後に、対象ユーザが第2マーケットの利用が可能になった場合、第1マーケットに出品中の1以上のゲーム媒体のうち所定条件を満たすゲーム媒体を第2マーケットに出品させる。
上記のプログラムによれば、ゲーム媒体のマーケットへの出品の手間を軽減させることができる。
【符号の説明】
【0118】
10 情報処理システム
12 第1サーバ
14 第2サーバ
16 ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
30 記憶部
31 表示制御部
32 出品制御部
33 取引制御部
34 設定部
341 第1設定部
342 第2設定部
35 通知部
N ネットワーク
S マーケット用システム