(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071910
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】作業支援システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182414
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】594057842
【氏名又は名称】株式会社アイオイ・システム
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 克己
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB22
3F522GG04
3F522GG18
3F522GG32
3F522GG44
3F522GG45
3F522HH02
3F522HH04
3F522HH13
3F522HH17
3F522HH19
3F522HH33
3F522LL57
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】作業者への指示を効率よく投影する作業支援システムを提供する。
【解決手段】作業支援システム(1)は、物品棚(2)と、投影装置(3)と、反射装置(5)とを備える。物品棚(2)は、第1スクリーン(211A)と、第1スクリーン(211A)から離れた位置に配置された第2スクリーン(211B)とを有する。投影装置(3)は、第1スクリーン(211A)に投影する第1部分映像(I1)と、第2スクリーン(211B)に投影する第2部分映像(I2)とを含む映像(I)を投影する。反射装置(5)は、第1部分映像(I1)を第1スクリーン(211A)に向けて反射する第1反射板(51A)と、第2部分映像(I2)を第2スクリーン(211B)に向けて反射する第2反射板(51B)とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スクリーンと、前記第1スクリーンから離れた位置に配置された第2スクリーンとを有する物品棚と、
前記第1スクリーンに投影する第1部分映像と、前記第2スクリーンに投影する第2部分映像とを含む映像を投影する投影装置と、
前記第1部分映像を前記第1スクリーンに向けて反射する第1反射板と、前記第2部分映像を前記第2スクリーンに向けて反射する第2反射板とを有する反射装置と
を備える
作業支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業支援システムにおいて、
前記物品棚と、前記投影装置と、前記反射装置との位置関係を固定する固定装置
をさらに備え、
前記固定装置は、
前記第1反射板の前記投影装置に対する第1角度を調節する第1調節装置と、
前記第2反射板の前記投影装置に対する第2角度を調節する第2調節装置と
を備え、
前記第1角度と、前記第2角度とは、互いに独立に調節可能である
作業支援システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業支援システムにおいて、
前記映像における前記第1部分映像と前記第2部分映像との間の第1間隔の、前記第1部分映像の第1幅に対する第1比率が、前記第1スクリーンと前記第2スクリーンの間の第2間隔の、前記第1スクリーンの第2幅に対する第2比率より小さい
作業支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の作業支援システムにおいて、
前記第1反射板は、前記第1スクリーンのうちの、前記第1反射板が反射する光が届く範囲を、前記第1反射板が平面鏡である場合と比較して広げる凸面鏡を含む
作業支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の作業支援システムにおいて、
前記第1反射板は、前記第1スクリーンのうちの、前記第1反射板が反射する光が届く範囲を、前記第1反射板が平面鏡である場合と比較して狭める凹面鏡を含む
作業支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の作業支援システムにおいて、
前記第1スクリーンは、前記物品棚の第1棚の前面に配置されており、
前記第2スクリーンは、前記物品棚の、前記第1棚とは別の第2棚の前面に配置されており、
前記第1部分映像は、前記第1棚に配置された第1物品を対象とする作業の指示を表す第1情報を含み、
前記第2部分映像は、前記第2棚に配置された第2物品を対象とする作業の指示を表す第2情報を含む
作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業支援システムに関し、例えば、物品棚から物品を取り出す作業の支援に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
作業支援システムは、棚に並べられている部品や商品などの様々な物品のうちのいずれを取るべきかを作業者に指示するシステムであり、生産ラインや物流拠点において広く使用される。一例としては、作業支援システムは、生産ラインにおいて、部品棚などに蓄積されている様々な部品のうち、対象の製品に組み付けるべき部品およびその個数を作業者に指示するために用いられる。他の例としては、作業支援システムは、物流拠点において、商品棚などにストックされている様々な商品のうち、対象となるシッパーやコンテナなどの入れ物に収納すべき商品およびその個数を作業者に指示するために用いられる。
【0003】
上記に関連して、特許文献1(特開2020-132375号公報)には、作業支援装置が開示されている。この作業支援装置は、カメラと、演算装置と、プロジェクタとを備える。カメラは、物品棚に置かれた物品箱に付されたマーカーを撮像する。演算装置は、撮像画像に写されたマーカーの位置に基づいて、物品箱の位置を特定する。プロジェクタは、物品棚の、物品箱の位置に対応する表示領域に、作業者への指示を表す映像を投影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の作業支援装置において、プロジェクタが映像を投影する範囲は、作業者から見える物品棚の表面のほぼ全域をカバーすることが好ましい。このとき、プロジェクタが映像を投影できる範囲のうち、作業者への指示を表す映像が投影される領域の割合が、比較的小さくなる場合がある。そうすると、プロジェクタが有する解像度のうち、比較的多くの部分が、作業者への指示を表す映像の投影に活用されない可能性がある。
【0006】
上記状況に鑑み、本開示は、作業者への指示を効率よく投影する作業支援システムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
一実施形態によれば、作業支援システム(1)は、物品棚(2)と、投影装置(3)と、反射装置(5)とを備える。物品棚(2)は、第1スクリーン(211A)と、第1スクリーン(211A)から離れた位置に配置された第2スクリーン(211B)とを有する。投影装置(3)は、第1スクリーン(211A)に投影する第1部分映像(I1)と、第2スクリーン(211B)に投影する第2部分映像(I2)とを含む映像(I)を投影する。反射装置(5)は、第1部分映像(I1)を第1スクリーン(211A)に向けて反射する第1反射板(51A)と、第2部分映像(I2)を第2スクリーン(211B)に向けて反射する第2反射板(51B)とを有する。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、作業者への指示を効率よく投影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態による作業支援システムの一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による作業支援システムの一構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による作業支援システムの一構成例を示す俯瞰図である。
【
図4】
図4は、一実施形態による投影装置、反射板およびスクリーンの位置関係の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による映像に含まれる部分映像の位置関係の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態によるスクリーンおよび部分映像の位置関係の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による反射板として凸面鏡を用いる場合の、映像がスクリーンに投影される範囲の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態による反射板として凹面鏡を用いる場合の、映像がスクリーンに投影される範囲の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本開示による作業支援システムを実施するための形態を以下に説明する。
【0012】
(実施形態)
図1、
図2、
図3に示すように、一実施形態による作業支援システム1は、物品棚2と、投影装置3と、固定装置4と、反射装置5とを備える。物品棚2は、床8の上に配置されていてもよい。床8には、使用者9が物品棚2に対向して作業を行うための領域がある。
【0013】
直交座標XYZについて説明する。床8から上に向かう方向をY方向とする。物品棚2から使用者9へ向かう方向をZ方向とする。Y方向とZ方向とに直交する方向のうち、物品棚2に向かい合う使用者9の左から右へ向かう方向をX方向とする。
【0014】
一例として、物品棚2は、複数の支柱と、複数の棚板21と、天板23とを備える。
図1、
図2、
図3の例において、複数の支柱のそれぞれは、Y方向に延在するが、この構成は一例にすぎず、本開示を限定しない。複数の棚板21のそれぞれと、天板23とは、その上面がXZ平面に平行となるように、複数の支柱によって支持されている。それぞれの棚板21には、1つまたは複数の物品箱22が載置されていてもよい。それぞれの物品箱22には、所定の物品が収容されていてもよい。
【0015】
投影装置3は、一例として、天板23の上に配置されている。固定装置4も、一例として、天板23の上に配置されている。固定装置4は、反射装置5を床8より上の空間に固定している。
【0016】
反射装置5は、複数の反射板51を備える。これら複数の反射板51は、一例として、鏡を含む。この鏡は、平面状の反射面を有する平面鏡であってもよい。反射装置5は、さらに、これら複数の反射板51の、投影装置3に対する角度を適宜に調節する角度調整装置52を備える。角度調整装置52は、それぞれの反射板51の、投影装置3に対する角度を、互いに独立して調節することができるように構成されている。
【0017】
反射板51は、投影装置3が投影する映像を、スクリーンとしての、棚板21の前面211に向けて反射する。
図1、
図2、
図3の例では、前面211はXY平面に含まれるが、この構成は一例にすぎず、本開示を限定しない。
【0018】
図4に示すように、複数の反射板51のうち、異なる2枚の反射板51A、51Bは、それぞれ、異なる2枚の前面211A、211Bに向けて、投影装置3からの出射光30を反射する。複数の反射板51は、反射板51A、51B以外の反射板51をさらに含んでもよい。
【0019】
より詳細には、投影装置3が出射する出射光30のうちの一部である出射光30Aは、第1の反射板51Aによって反射された第1の反射光50Aとして、第1の前面211Aに投影される。このとき、第1の反射板51Aの、投影装置3に対する角度は、角度調整装置52によって、第1の回転方向RAにおいて適宜に調節されている。なお、第1の反射光50Aが投影される第1の投影範囲D0Aは、第1の前面211Aがスクリーンとして機能する第1のスクリーン範囲D1Aより広くてもよい。
【0020】
同様に、投影装置3が出射する出射光30のうちの別の一部である出射光30Bは、第2の反射板51Bによって反射された第2の反射光50Bとして、第2の前面211Bに投影される。このとき、第2の反射板51Bの、投影装置3に対する角度は、角度調整装置52によって、第2の回転方向RBにおいて適宜に調節されている。また、第2の反射光50Bが投影される第2の投影範囲D0Bは、第2の前面211Bがスクリーンとして機能する第2のスクリーン範囲D1Bより広くてもよい。
【0021】
ここで、投影装置3が出射する出射光30のうち、第1の出射光30Aと、第2の出射光30Bとの間の間隔の、第1の出射光30A(または第2の出射光30B)に対する割合より、第1の投影範囲D0Aと、第2の投影範囲D0Bとの間の投影範囲間隔D12の、第1の投影範囲D0A(または第2の投影範囲D0B)に対する割合が、有意に大きいことに注目されたい。このことは、特許文献1(特開2020-132375号公報)などのように投影装置3が出射する出射光30を物品棚2の全体の前面に一体的に投影する場合と比較して、本開示においては投影装置3の解像度の大部分が有効に活用されることを意味する。このことを、
図5、
図6を参照して説明する。
【0022】
図5に示すように、投影装置3が出射する出射光30が表す映像Iには、第1の部分映像I1と、第2の部分映像I2とが含まれる。映像Iは、さらに別の部分映像を含んでもよい。
【0023】
第1の部分映像I1は、第1の棚板21の上に配置された物品箱22に収容された物品を対象とする、作業者としての使用者9に対する指示を表す情報を含む。第1の部分映像I1は、投影装置3が出射する出射光30のうち、第1の出射光30Aとして出射され、第1の反射板51Aによって反射され、第1の前面211Aに投影される。使用者9は、第1の前面211Aに投影された第1の部分映像I1を目視により認識することで、第1の部分映像I1に対応する位置に配置された物品箱22から、指示された物品を、指示された数だけ取り出して所定の容器に移す、指示された物品を棚の指示された場所に指示された数だけ入れる、などの作業を行う。
【0024】
同様に、第2の部分映像I2は、第2の棚板21の上に配置された物品箱22に収容された物品を対象とする、作業者としての使用者9に対する指示を表す情報を含む。第2の部分映像I2は、投影装置3が出射する出射光30のうち、第2の出射光30Bとして出射され、第2の反射板51Bによって反射され、第2の前面211Bに投影される。使用者9は、第2の前面211Bに投影された第2の部分映像I2を目視により認識することで、第2の部分映像I2に対応する位置に配置された物品箱22から、指示された物品を、指示された数だけ取り出して所定の容器に移す、指示された物品を棚の指示された場所に指示された数だけ入れる、などの作業を行う。
【0025】
図6に示すように、投影装置3から第1の出射光30Aとして出射された第1の部分映像I1は、第1の反射板51Aの角度を適宜に調節することで、第1の前面211Aに第1の部分投影映像PAとして投影される。同様に、投影装置3から第2の出射光30Bとして出射された第2の部分映像I2は、第2の反射板51Bの角度を適宜に調節することで、第2の前面211Bに第2の部分投影映像PBとして投影される。
【0026】
ここで、
図5と
図6とを比較すると、
図6において第1の部分投影映像PAの幅D1Aと、第2の部分投影映像PBの幅D1Bとが同じ長さになるとき、
図5において第1の部分映像I1の幅である第1の部分映像幅W1は、第2の部分映像I2の幅である第2の部分映像幅W2より長くなる。その理由は、第1の部分映像I1を投影する第1の出射光30Aと、第2の部分映像I2を投影する第2の出射光30Bとでは、光路長が異なるからである。
【0027】
その一方で、
図5における、第1の部分映像I1と第2の部分映像I2との間の部分映像間隔W12の、第1の部分映像幅W1(または第2の部分映像幅W2)に対する割合が、
図6における、第1の前面211Aと第2の前面211Bの間のスクリーン間隔D1ABの、第1の部分投影映像PA(または第2の部分投影映像PB)の幅に対する割合より大幅に小さい。その理由は、第1の反射板51Aの投影装置3に対する角度と、第2の反射板51Bの投影装置3に対する角度とを、独立に調節可能であるからである。
【0028】
このように、本実施形態による作業支援装置では、映像Iのうち、部分映像I1、I2を投影しない範囲の幅をなるべく短くすることによって、投影装置3が有する解像度を有効に活用することができる。
【0029】
なお、部分映像I1、I2のそれぞれにおいて、出射光30の光路長と反射光50の光路長との合計が、部分映像I1、I2の部位によって異なる場合があり、一例として長方形の部分映像I1、I2が前面211において台形に変形して投影される場合がある。このような変形を相殺して、スクリーンとしての前面211において長方形を長方形のまま投影するために、投影装置3が備える光学系によっていわゆる台形補正を行う技術が知られている。しかし、本開示による作業支援システム1では、複数の反射板51の投影装置3に対する角度がそれぞれ異なるため、スクリーンとしての前面211ごとに変形の度合いが異なる。そこで、投影装置3が投影する映像Iを表す映像データに対する台形補正が適宜に行われてもよい。データ上の台形補正は、光学的な台形補正と併用して行われてもよい。このようなデータ上の台形補正は、図示しない演算装置が行ってもよい。この演算装置は、投影装置3に含まれていてもよいし、投影装置3に映像データを送信する外部のコンピュータなどに含まれていてもよい。この外部のコンピュータは、作業者としての使用者9に対する指示を表す映像Iを生成してもよい。
【0030】
以上に説明したように、一実施形態による作業支援システム1は、投影装置3が投影する映像Iに含まれる複数の部分映像I1、I2を、投影装置3に対する角度がそれぞれ異なる複数の反射板51A、51Bでそれぞれ異なる方向に反射し、互いに離れて配置されている複数のスクリーンとしての前面211A、211Bへ分割して投影する。こうすることによって、投影装置3が有する解像度の大部分を有効に活用しながら、作業者としての使用者9への指示を効率よく投影することができる。
【0031】
(変形例、その1)
上述した実施形態では、棚板21の前面211がXY平面に含まれる場合の構成例について説明した。この構成の変形例として、棚板21の前面211は、XY平面に対して所定の角度を有する平面に含まれてもよい。このような変形例においても、角度調整装置52によって反射板51の投影装置3に対する角度を適宜に調節することによって、投影装置3が投影する部分映像I1、I2を反射板51がスクリーンとしての前面211に向けて反射することができる。
【0032】
(変形例、その2)
上述した実施形態では、反射板51が平面鏡である場合の構成例について説明した。この構成の変形例として、反射板51の一部または全てが、
図7に示すような凸面鏡512であってもよい。
【0033】
投影装置3から出射された出射光30を凸面鏡512が反射した反射光502は、スクリーンとしての前面211のうち、同じ出射光30を平面鏡511が反射した反射光501が投影される範囲R1と比較して、より広い範囲R2に広げて投影される。範囲R2は、凸面鏡512の曲率と、投影装置3から凸面鏡512までの距離および凸面鏡512から前面211までの距離の合計とによって異なる。
【0034】
平面鏡511と凸面鏡512の組み合わせや、曲率が異なる複数の凸面鏡512の組み合わせなどを、複数の反射板51として用いることで、それぞれの前面211のうちの、映像Iが投影される範囲R1、R2の幅を調節することができる。一例として、投影装置3から複数の棚板21の前面211のそれぞれまでの距離に応じて異なる曲率を有する複数の凸面鏡512を複数の反射板51として用いることで、それぞれの前面211に部分映像I1、I2が投影される範囲のY方向における長さを均一化することができる。その結果、投影装置3が投影する映像Iが有する解像度を、より有効に活用することができる。
【0035】
(変形例、その3)
図7とは別の変形例として、反射板51の一部または全てが、
図8に示すような凹面鏡513であってもよい。
【0036】
投影装置3から出射された出射光30を凹面鏡513が反射した反射光503は、スクリーンとしての前面211のうち、同じ出射光30を平面鏡511が反射した反射光501が投影される範囲R1と比較して、より狭い範囲R3に狭めて投影される。範囲R3は、凹面鏡513の曲率と、投影装置3から凹面鏡513までの距離および凹面鏡513から前面211までの距離の合計とによって異なる。
【0037】
平面鏡511と、凸面鏡512と、凹面鏡513の組み合わせや、曲率が異なる複数の凸面鏡512の組み合わせや、曲率が異なる複数の凹面鏡513の組み合わせなどを、複数の反射板51として用いることで、それぞれの前面211のうちの、映像Iが投影される範囲R1、R2、R3の幅を調節することができる。一例として、投影装置3から複数の棚板21の前面211のそれぞれまでの距離に応じて異なる曲率を有する複数の凹面鏡513を複数の反射板51として用いることで、それぞれの前面211に部分映像I1、I3が投影される範囲のY方向における長さを均一化することができる。その結果、投影装置3が投影する映像Iが有する解像度を、より有効に活用することができる。
【0038】
以上、発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 作業支援システム
2 物品棚
21 棚板
211、211A、211B 前面(スクリーン)
22 物品箱
23 天板
3 投影装置
30、30A、30B 出射光
4 固定装置
5 反射装置
50、50A、50B、501、502、503 反射光
51、51A、51B 反射板
511 反射板(平面鏡)
512 反射板(凸面鏡)
513 反射板(凹面鏡)
52 角度調整装置
8 床
9 使用者
D0A、D0B 投影範囲
D1A、D1B スクリーン範囲
D1AB スクリーン間隔
D12 投影範囲間隔
I 映像
I1、I2 部分映像
PA、PB 部分投影映像
RA、RB 回転方向
R1、R2、R3 部分投影範囲
W1、W2 部分映像幅
W12 部分映像間隔