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特開2024-71931ステーション装置及び自動倉庫システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071931
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】ステーション装置及び自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182451
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】前田 昌亮
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022CC01
3F022CC05
3F022EE02
3F022JJ07
3F022LL07
3F022MM61
3F022NN12
(57)【要約】
【課題】パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能なステーション装置及び自動倉庫システムを提供する。
【解決手段】ステーション装置80は、ロール10の芯材10aの受け部材22を有するパレット20が移載されるステーション装置80であって、パレット支持部82で支持するパレット20の位置が位置決めされるように当該パレット20を案内するパレットガイド部83と、芯材支持部84で支持する芯材10aの位置が位置決めされるように当該芯材10aを案内する芯材ガイド部85と、を備え、Z方向において、パレット支持部82の上面82aから芯材支持部84の芯材10aとの接触箇所Pまでの距離L1は、パレット20の下面21bから受け部材22の芯材10aとの接触箇所Qまでの距離L2よりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールの芯材の受け部材を有するパレットが移載されるステーション装置であって、
前記パレットの下面を支持するパレット支持部と、
前記パレット支持部よりも上方に配置され、前記芯材を下方側から支持する芯材支持部と、
前記パレット支持部で支持する前記パレットの位置が位置決めされるように当該パレットを案内するパレットガイド部と、
前記芯材支持部で支持する前記芯材の位置が位置決めされるように当該芯材を案内する芯材ガイド部と、を備え、
鉛直方向において、前記パレット支持部の上面から前記芯材支持部の前記芯材との接触箇所までの距離は、前記パレットの下面から前記受け部材の前記芯材との接触箇所までの距離よりも大きい、ステーション装置。
【請求項2】
前記パレットガイド部は、前記パレット支持部の上方に近接して設けられ、
前記芯材ガイド部は、前記芯材支持部の上方に近接して設けられている、請求項1に記載のステーション装置。
【請求項3】
前記パレット支持部よりも下方側には、搬送車が走行可能な走行空間が設けられている、請求項1又は2に記載のステーション装置。
【請求項4】
前記パレットガイド部及び前記芯材ガイド部は、前記芯材が延在する第1方向における前記芯材の中心位置と前記第1方向における前記パレットの中心位置とが一致するように、前記パレット及び前記芯材をそれぞれ案内する、請求項1又は2に記載のステーション装置。
【請求項5】
前記パレットガイド部の表面及び前記芯材ガイド部の表面は、樹脂で形成されている、請求項1又は2に記載のステーション装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のステーション装置と、
前記パレットが収容されるラックと、
軌道に沿って走行し、前記パレットを移載するスタッカクレーンと、
前記スタッカクレーンを制御する制御部と、を備える、自動倉庫システム。
【請求項7】
前記ステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを出庫する場合、当該パレットを前記ステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、請求項6に記載の自動倉庫システム。
【請求項8】
前記パレットが移載され、前記芯材を支持せずに前記パレットの下面を支持する、前記ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、
前記他のステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを出庫する場合、当該パレットが前記ステーション装置に少なくとも1回移載されているときには、当該パレットを前記他のステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、請求項6に記載の自動倉庫システム。
【請求項9】
前記パレットが移載され、前記芯材を支持せずに前記パレットの下面を支持する、前記ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、
前記他のステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを入庫する場合、当該パレットを前記ステーション装置へ移載する制御を実行し、前記パレットを出庫する場合、当該パレットを前記他のステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、請求項6に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステーション装置及び自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステーション装置に関する技術として、例えば特許文献1には、物品が載置されたパレットをスタッカクレーンに移載するための位置決め装置が記載されている。特許文献1に記載された位置決め装置では、物品及びパレットが載置機構に移載され、これら物品及びパレットがセンタリング装置により一体で位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011―111273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、ロールを載せたパレットがステーション装置に移載される場合、ロール及びパレットは一体で位置決めされることから、ロールがパレットに対してずれていたとしても、当該ずれは解消されない。そのため、例えばロール及びパレットをステーション装置から製造装置に供給する際、ロールが製造装置に干渉するおそれがある。
【0005】
本発明は、パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能なステーション装置及び自動倉庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るステーション装置は、ロールの芯材の受け部材を有するパレットが移載されるステーション装置であって、パレットの下面を支持するパレット支持部と、パレット支持部よりも上方に配置され、芯材を下方側から支持する芯材支持部と、パレット支持部で支持するパレットの位置が位置決めされるように当該パレットを案内するパレットガイド部と、芯材支持部で支持する芯材の位置が位置決めされるように当該芯材を案内する芯材ガイド部と、を備え、鉛直方向において、パレット支持部の上面から芯材支持部の芯材との接触箇所までの距離は、パレットの下面から受け部材の芯材との接触箇所までの距離よりも大きい。
【0007】
このステーション装置では、ロールを載せたパレットを移載した場合に、ロールの芯材とパレットとを分離した状態で支持することができると共に、支持するパレット及び芯材のそれぞれを、パレットガイド部及び芯材ガイド部のそれぞれによって位置決めすることができる。これにより、パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能となる。
【0008】
本発明に係るステーション装置では、パレットガイド部は、パレット支持部の上方に近接して設けられ、芯材ガイド部は、芯材支持部の上方に近接して設けられていてもよい。この場合、パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能となるという上記作用を具体的に実現することができる。また、スタッカクレーン又は搬送車等によってパレットをステーション装置に移載する際に、上下方向におけるパレットの移動量を減らすことができる。
【0009】
本発明に係るステーション装置では、パレット支持部よりも下方側には、搬送車が走行可能な走行空間が設けられていてもよい。この場合、走行空間を利用して搬送車がステーション装置に進入することが可能となる。
【0010】
本発明に係るステーション装置では、パレットガイド部及び芯材ガイド部は、芯材が延在する第1方向における芯材の中心位置と第1方向におけるパレットの中心位置とが一致するように、パレット及び芯材をそれぞれ案内してもよい。この場合、パレットと芯材とを第1方向においてセンタリングすることが可能となる。
【0011】
本発明に係るステーション装置では、パレットガイド部の表面及び芯材ガイド部の表面は、樹脂で形成されてもよい。この場合、パレットガイド部及び芯材ガイド部の摩耗により金属粉が発生することを抑制することが可能となる。
【0012】
本発明に係る自動倉庫システムは、上述したステーション装置と、パレットが収容されるラックと、軌道に沿って走行し、パレットを移載するスタッカクレーンと、スタッカクレーンを制御する制御部と、を備えてもよい。この自動倉庫システムは、上述したステーション装置を備えることから、パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能となるという上記効果を実現することができる。
【0013】
本発明に係る自動倉庫システムでは、ステーション装置は、軌道に隣接しており、制御部は、パレットを出庫する場合、当該パレットをステーション装置へ移載するようにスタッカクレーンを制御する制御を実行してもよい。この場合、パレットを出庫する際に、当該パレットをステーション装置へ移載し、それぞれを位置決めすることができる。
【0014】
本発明に係る自動倉庫システムは、パレットが移載され、芯材を支持せずにパレットの下面を支持する、ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、他のステーション装置は、軌道に隣接しており、制御部は、パレットを出庫する場合、当該パレットがステーション装置に少なくとも1回移載されているときには、当該パレットを他のステーション装置へ移載するようにスタッカクレーンを制御する制御を実行してもよい。この場合、パレットを出庫する際に、当該パレットがステーション装置に少なくとも1回移載されている場合には、それぞれの位置決め済みであることから、当該パレットを他のステーション装置へ移載し、それぞれの位置決めを再度は行わずに出庫することが可能となる。
【0015】
本発明に係る自動倉庫システムは、パレットが移載され、芯材を支持せずにパレットの下面を支持する、ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、他のステーション装置は、軌道に隣接しており、制御部は、パレットを入庫する場合、当該パレットをステーション装置へ移載する制御を実行し、パレットを出庫する場合、当該パレットを他のステーション装置へ移載するようにスタッカクレーンを制御する制御を実行してもよい。この場合、パレットを入庫する際に、当該パレットをステーション装置へ移載し、それぞれを位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、パレット及びロールのそれぞれの位置決めが可能なステーション装置及び自動倉庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態に係る自動倉庫システムを示す概略平面図である。
図2図2は、図1の自動倉庫システムのステーション装置を示す正面図である。
図3図3は、図1の自動倉庫システムのステーション装置を示す側面図である。
図4図4は、図2のIV―IV線に沿った断面図である。
図5図5は、図1の自動倉庫システムのステーション装置を示す平面図である。
図6図6(a)は、図1の自動倉庫システムのスタッカクレーンによるステーション装置へのパレットの移動を説明するための図である。図6(b)は、ステーション装置へのパレットの移載時におけるパレット及びロールのそれぞれの位置決めを説明するための図である。
図7図7(a)は、図1の自動倉庫システムのステーション装置に対する搬送車の進入を説明するための図である。図7(b)は、ステーション装置における搬送車のパレットの持ち上げを説明するための図である。
図8図8は、第2実施形態に係る自動倉庫システムを示す概略平面図である。
図9図9は、第3実施形態に係る自動倉庫システムを示す概略平面図である。
図10図10は、第3実施形態の変形例に係る自動倉庫システムを示す概略平面図である。
図11図11は、第4実施形態に係る自動倉庫システムを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。各図の説明において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0019】
図1に示されるように、自動倉庫システム1は、例えば外部(外部サプライヤ等)から入荷したロール10を載せたパレット20を保管すると共に、ロール10を工場内の製造装置に無人搬送車で供給するシステムである。自動倉庫システム1は、パレット20を格納する自動倉庫30と、パレット20を搬送する無人搬送車40と、パレット20を搬送するコンベア60と、自動倉庫システム1を管理する制御装置であるコントローラ(制御部)100と、を備える。自動倉庫30は、ラック50、スタッカクレーン70、及びステーション装置80を備える。
【0020】
以下において、「上」、「下」の語は、鉛直方向の上方及び下方に対応する。「Z方向」は、鉛直方向であって、ラック50の段方向である。「X方向」は、水平方向であって、ラック50の長手方向である。「Y方向」は、X方向及びZ方向に垂直な水平方向であって、ラック50が並置された方向である。
【0021】
自動倉庫30は、例えば建屋内に設けられている。自動倉庫30は、コンベア60によって搬送されてきたパレット20をスタッカクレーン70によってラック50に収容する。自動倉庫30は、ラック50に収容されているパレット20をスタッカクレーン70によってステーション装置80に移載する。無人搬送車40は、ステーション装置80に移載されたパレット20を持ち上げると共に工場内の製造装置に搬送する。
【0022】
自動倉庫30において、ラック50は、X方向を長手方向とし、Y方向に間隔をあけて対向するように一対配置されている。ラック50は、パレット20が一個ずつ載置される複数の載置部を有する。載置部は、X方向及びZ方向に配列されている。ラック50は、パレット20をX方向及びZ方向にマトリクス状に収容している。隣接する一対のラック50のうちの一方のラック50である第1ラック50Aと、他方のラック50である第2ラック50Bとは、例えば、隣接して互いに対向するように配置されている。なお、ラック50は、その他の材料等を載せたパレットを収容してもよい。
【0023】
コンベア60は、パレット20を搬送する装置である。コンベア60の搬送先において、コンベア60は、スタッカクレーン70の走行レール71(後述する)に隣接している。本実施形態では、コンベア60は、自動倉庫30における入庫ステーションを構成する。コンベア60には、例えば、無人搬送車40から直接、又は、不図示の天井クレーンないしロボットアーム等を介してパレット20が移載される(以下、同様)。パレット20は、コンベア60によって搬送された後にスタッカクレーン70によってラック50に収容される。
【0024】
スタッカクレーン70は、各自動倉庫30においてY方向に対向するラック50の間にX方向に沿って延設された走行レール(軌道)71に沿って走行する。スタッカクレーン70は、走行レール71に沿って走行可能な走行台車と、この走行台車上のマストに沿って昇降自在で且つ移載装置が設けられた昇降台とを含む。スタッカクレーン70は、ラック50の載置部と、ラック50の外部に設置されたコンベア60及びラック50の内部に設置されたステーション装置80との間で、パレット20を搬送する。スタッカクレーン70は、ラック50の載置部、コンベア60及びステーション装置80に対して、パレット20の移載(荷積み及び荷下ろし)を行う。スタッカクレーン70の動作は、コントローラ100によって制御される。
【0025】
スタッカクレーン70としては、特に限定されず、種々の公知のスタッカクレーンを用いることができる。本実施形態では、スタッカクレーン70は、スライドフォークでパレット20をすくい上げて移載するフォーク式である。スタッカクレーン70は、例えば、パレット20の両側を挟んで保持し移載するクランプ式であってもよい。
【0026】
ステーション装置80は、パレット20を移載される装置である。本実施形態では、ステーション装置80は、ラック50の内部に設けられており、走行レール71に隣接している。ステーション装置80は、例えば、ラック50の下層に配列された複数の載置部に代えて設けられている。ステーション装置80には、無人搬送車40が走行可能な走行空間が設けられている。ステーション装置80は、自動倉庫30における出庫ステーションを構成する。すなわち、本実施形態では、出庫ステーションは、1種類のみである。ステーション装置80は、自動倉庫30からパレット20が出庫される場合、スタッカクレーン70によって、ラック50からパレット20を移載される。ステーション装置80に移載されたパレット20は、無人搬送車40によって工場内の製造装置に搬送される。
【0027】
無人搬送車40は、床面F上を無人走行する搬送用台車である。無人搬送車40としては、AGV(Automatic Guided Vehicle)が用いられる。以下、「無人搬送車40」を単に「搬送車40」と称する。搬送車40は、ステーション装置80からパレット20を移載可能である。搬送車40は、昇降可能(Z方向において移動可能)な載置台41を有する。搬送車40は、例えばリフタ式のAGVである。載置台41は、上面41aを有している。搬送車40は、上昇させた載置台41の上面41aによってパレット20を持ち上げて、パレット20の下面21b(後述する)を上面41aで支持しつつ、パレット20を搬送する。
【0028】
搬送車40は、Y方向に沿って走行してラック50に接近し、ステーション装置80に設けられた走行空間に進入する。搬送車40は、例えば、ラック50に対して予め設定されたルートに沿って走行する。搬送車40は、床面Fに設置されたデータマトリックスコード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードに基づいて走行することができる。搬送車40で採用される誘導方式は特に限定されず、例えば磁気誘導式又はレーザ誘導式等の何れであってもよい。搬送車40の走行ルートは、例えば、磁気テープ(磁気マーカ)、レーザ反射板又はレール等により構成される。搬送車40の動作は、コントローラ100により制御される。
【0029】
コントローラ100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットである。コントローラ100は、スタッカクレーン70及び搬送車40等の各種動作を制御する。コントローラ100は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行されるソフトウェアとして構成することができる。コントローラ100は、電子回路等によるハードウェアとして構成されてもよい。コントローラ100では、CPU、RAM及びROM等のハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとが協働することによって、各種制御を実行する。
【0030】
コントローラ100は、スタッカクレーン70の動作を制御する。コントローラ100は、コンベア60によって搬送されたパレット20がスタッカクレーン70によってラック50に収容されるように、スタッカクレーン70を制御する。コントローラ100は、パレット20をラック50から出庫する場合、当該パレット20をステーション装置80に常に移載するように、例えばスタッカクレーン70を制御する。また。コントローラ100は、ステーション装置80から工場内の製造装置にパレット20を搬送するように搬送車40を制御する。
【0031】
図2から図5を参照して、ロール10、パレット20及びステーション装置80について詳細に説明する。
【0032】
ロール10は、図2に示されるように、X方向(第1方向)に沿って延在している。ロール10は、例えば、芯材に薄板等を巻き付けたもの(芯体)である。ロール10は、例えば2次電池極板製造工程において用いられるアルミ薄板及び銅薄板等の基材ロールである。ロール10は、芯材10aと、ロール体10bとを有する。ロール10は、作業者等によって木箱等から取り出され、その芯材10aがパレット20の受け部材22(後述する)に載せられて当該パレット20に載置される。芯材10aは、例えばシート状又は繊維状の物品を巻き付けられることによって該物品を保持する部材であり、例えば棒状の部材である。芯材10aは、例えば樹脂製又は金属製の軸体である。芯材10aは、X方向における一端側においてロール体10bの外部に突出している第1突出部11と、X方向における他端側においてロール体10bの外部に突出している第2突出部12とを有する。ロール10は、芯材10aの第1突出部11及び第2突出部12がパレット20上で支持されることによって、パレット20に載置される。
【0033】
パレット20は、図2及び図3に示されるように、X方向及びY方向に沿って延在する板部21と、2つの受け部材22とを有する。板部21は、Z方向を厚さ方向とする矩形板状である。板部21は、平面状の上面21a及び下面21bを含む。板部21は、スタッカクレーン70のスライドフォーク及び搬送車40の載置台41が持ち上げ可能な基台を構成する。パレット20は、例えば樹脂製又は金属製である。例えば、パレット20は、ロール10を載置されるための専用パレットである。
【0034】
受け部材22は、パレット20に載置されるロール10の芯材10aを受ける部材である。受け部材22は、板部21の上面21aに立設されている。受け部材22は、Z方向に沿って延在する。受け部材22は、上方側に設けられた端部23を含む。端部23は、芯材10aを下方側から支持可能な形状であり、例えばX方向から見て、上方に開口するV字状の溝を構成する。受け部材22は、X方向において間隔をあけて並ぶように設けられている。2つの受け部材22が設けられる間隔は、例えば、芯材10aの長さに対応している。
【0035】
2つの受け部材22のうちのX方向における一方側に位置する第1受け部材22Aは、端部23において芯材10aの第1突出部11を受ける。2つの受け部材22のうちのX方向における他方側に位置する第2受け部材22Bは、端部23において芯材10aの第2突出部12を受ける。すなわち、芯材10aは、第1受け部材22A及び第2受け部材22Bによって両持ちされて支持される。このとき、各端部23の内側面は、第1突出部11及び第2突出部12に当接する。
【0036】
ステーション装置80は、ロール10を載せたパレット20が載置される。ステーション装置80は、Z方向に延在する複数の支柱81と、パレット20を下方側から支持する一対のパレット支持部82と、パレット支持部82の上方に近接して設けられているパレットガイド部83と、芯材10aを下方側から支持する一対の芯材支持部84と、芯材支持部84の上方に近接して設けられている一対の芯材ガイド部85と、を有する。
【0037】
一対のパレット支持部82は、図2図3及び図4に示されるように、複数(例えば4本)の支柱81に固定されて支持されている。複数の支柱81は、図1のラック50から独立した支柱であってもよいし、ラック50の支柱であってもよい。一対のパレット支持部82は、X方向に対向するように配置されている。一対のパレット支持部82は、例えば、Y方向に延在する矩形枠状であり、4つの角形鋼管(角パイプ材)によって構成されている。一対のパレット支持部82は、上面82a及び下面82bを含む。各上面82aは、例えば平面状であり、パレット20の下面21bを支持する。各上面82aは、Z方向において互いに同じ高さとなるように設けられており、同一の水平面上に位置する。一対のパレット支持部82におけるX方向の間隔(一対のパレット支持部82間の隙間)は、パレット20のX方向の横幅よりも狭い。一対のパレット支持部82におけるX方向の間隔は、搬送車40の載置台41におけるX方向の横幅よりも広い。一対のパレット支持部82におけるY方向の横幅は、Y方向におけるパレット20の横幅よりもそれぞれ大きい。
【0038】
パレット支持部82よりも下方側には、搬送車40が走行可能な走行空間Sが設けられている。走行空間Sは、4本の支柱81とパレット支持部82の下面82bとによって画定されている。走行空間Sは、搬送車40がY方向に沿って通行可能に構成されている。走行空間Sを画定する下面82bは、最も降下させた状態の載置台41よりも上方に位置する(図2及び図3参照)。走行空間Sは、上方のパレット支持部82と芯材支持部84との間の空間に対して、一対のパレット支持部82の間の吹抜け部分を介して連通する。走行空間Sに進入した搬送車40は、載置台41を当該吹抜け部分を介して一対のパレット支持部82よりも上昇させることが可能である(図7(b)参照)。X方向に並ぶ2つの支柱81の間隔は、X方向における搬送車40の幅よりも広い(図2及び図4参照)。これにより、搬送車40は、当該2つの支柱81の間を通行して走行空間Sに出入りすることが可能である。
【0039】
パレットガイド部83は、パレット支持部82の上方に近接して配置されている。パレットガイド部83は、パレット支持部82で支持するパレット20が位置決めされるようにパレット20を案内する。パレットガイド部83は、例えばパレット20を案内する誘い込みガイドである。パレットガイド部83は、パレット支持部82の上面82aに設けられている。パレットガイド部83は、X方向においてパレット20が位置決めされるようにパレット20を案内する4つの第1パレットガイド部86と、Y方向においてパレット20が位置決めされるようにパレット20を案内する4つの第2パレットガイド部87とを含む。
【0040】
4つの第1パレットガイド部86は、図2及び図4に示されるように、傾斜面(表面)86aを有するテーパ状部材である。傾斜面86aは、Y方向から見てZ方向に対して傾斜している。傾斜面86aは、Y方向に沿って延在し、且つ、Y方向から見て下方に行くに連れて内側(パレット20の中心位置C3側,支柱81から離れる側)に傾く平面である。第1パレットガイド部86の傾斜面86aは、例えばナイロン等の樹脂で形成されている。
【0041】
図4に示されるように、4つの第1パレットガイド部86のうち2つの第1パレットガイド部86は、一対のパレット支持部82それぞれのY方向における中心位置C1よりも一方側の領域に配置されている。当該2つの第1パレットガイド部86のうちの一方は、一方のパレット支持部82の上面82aに設けられている。当該2つの第1パレットガイド部86のうち他方は、他方のパレット支持部82の上面82aに設けられている。当該2つの第1パレットガイド部86は、X方向に互いに対向するように設けられている。当該2つの第1パレットガイド部86の各傾斜面86aにおける下端のX方向における間隔は、X方向におけるパレット20の横幅に対応する。
【0042】
4つの第1パレットガイド部86のうち他の2つの第1パレットガイド部86は、一対のパレット支持部82それぞれのY方向における中心位置C1よりも他方側の領域に配置されている。当該他の2つの第1パレットガイド部86のうちの一方は、一方のパレット支持部82の上面82aに設けられている。当該他の2つの第1パレットガイド部86のうち他方は、他方のパレット支持部82の上面82aに設けられている。当該他の2つの第1パレットガイド部86は、X方向に互いに対向するように設けられている。当該他2つの第1パレットガイド部86の各傾斜面86aにおける下端のX方向における間隔は、X方向におけるパレット20の横幅に対応する。
【0043】
4つの第2パレットガイド部87は、図3及び図4に示されるように、傾斜面(表面)87aを有するテーパ状部材である。傾斜面87aは、X方向から見てZ方向に対して傾斜している。傾斜面87aは、X方向に沿って延在し、且つ、X方向から見て下方に行くに連れて内側(パレット支持部82の中心位置C1側)に傾く平面である。第2パレットガイド部87の傾斜面87aは、例えばナイロン等の樹脂で形成されている。
【0044】
図4に示されるように、4つの第2パレットガイド部87のうち2つの第2パレットガイド部87は、一方のパレット支持部82の上面82aに配置されている。当該2つの第2パレットガイド部87は、Y方向に互いに対向するように設けられている。当該2つの第2パレットガイド部87の各傾斜面87aにおける下端のY方向における間隔は、Y方向におけるパレット20の横幅に対応する。
【0045】
4つの第2パレットガイド部87のうち他の2つの第2パレットガイド部87は、他方のパレット支持部82の上面82aに配置されている。当該他の2つの第2パレットガイド部87は、Y方向に互いに対向するように設けられている。当該他の2つの第2パレットガイド部87の各傾斜面87aにおける下端のY方向における間隔は、Y方向におけるパレット20の横幅に対応する。
【0046】
以上のように、4つの第1パレットガイド部86及び4つの第2パレットガイド部87は、パレット支持部82に載置されたパレット20の四隅に対応するように配置されている。4つの第1パレットガイド部86及び4つの第2パレットガイド部87は、パレット20をX方向及びY方向において位置決めする。例えばパレット20は、パレット支持部82に上方側から載置される際に、上記4つの第1パレットガイド部86の各傾斜面86aによって案内されることにより、X方向において位置決めされると共に、上記4つの第2パレットガイド部87の各傾斜面87aによって案内されることにより、Y方向において位置決めされる。
【0047】
一対の芯材支持部84は、図2図3及び図5に示されるように、4本の支柱81に支持されている。一対の芯材支持部84は、パレット支持部82よりも上方に配置されている。一対の芯材支持部84は、X方向に対向するように配置されている。一対の芯材支持部84のそれぞれは、Y方向に延在する枠状部材88と、枠状部材88の上面88aに設けられた支持部材90と、を有する。枠状部材88は、支柱81に固定されている。枠状部材88は、Z方向を厚さ方向とする2つの枠体が結合することにより構成されている。各枠体は、例えば、矩形枠状であり、4つの角形鋼管(角パイプ材)によって構成されている。枠状部材88は、1つの枠体であってもよいし、矩形板状であってもよい。枠状部材88は、平面状の上面88a及び下面88bを含む。各上面88aは、Z方向において互いに同じ高さとなるように設けられており、同一の水平面上に位置する。一対の枠状部材88におけるX方向の間隔(一対の枠状部材88間の隙間)は、芯材10aのX方向の横幅よりも狭い。一対の枠状部材88におけるX方向の間隔は、ロール体10bのX方向の横幅よりも広い。一対の枠状部材88におけるX方向の間隔は、第1受け部材22A及び第2受け部材22BにおけるX方向の間隔よりも広い。
【0048】
一対の支持部材90は、各上面88aのY方向における中心位置にそれぞれ設けられている。支持部材90は、上方に開口する溝を有している。支持部材90の溝は、傾斜面(表面)91を内側面に含んでいる。傾斜面91は、X方向から見てZ方向に対して傾斜している。傾斜面91は、X方向に沿って延在し、且つ、X方向から見て下方に行くに連れて内側(芯材支持部84の中心位置側)に傾く平面である。支持部材90の傾斜面91は、例えばナイロン等の樹脂で形成されている。一対の支持部材90は、芯材10aが上方から載置された場合、それぞれ傾斜面91で芯材10aを下方側から支持する。一対の支持部材90の各傾斜面91は、ロール10の芯材10aが芯材支持部84に載置された際に、Y方向において芯材10aを位置決めするように案内する。
【0049】
一対の芯材ガイド部85は、芯材支持部84の上方に近接して配置されている。一対の芯材ガイド部85は、芯材支持部84で支持する芯材10aの位置が位置決めされるように芯材10aを案内する。芯材ガイド部85は、例えば芯材10aを案内する誘い込みガイドである。一対の芯材ガイド部85は、一対の芯材支持部84の上面84aにそれぞれ設けられている。一対の芯材ガイド部85は、X方向において支持部材90の外側に隣接する位置に設けられている。
【0050】
芯材ガイド部85は、傾斜面(表面)85aを有するテーパ状部材である。傾斜面85aは、Y方向から見てZ方向に対して傾斜している。傾斜面85aは、Y方向に沿って延在し、且つ、Y方向から見て下方に行くに連れて内側(芯材10aの中心位置C2側,支柱81から離れる側)に傾く平面である。芯材ガイド部85の傾斜面85aは、例えばナイロン等の樹脂で形成されている。
【0051】
一対の芯材ガイド部85のうちの一方は、一方の芯材支持部84の上面84aに配置されている。一対の芯材ガイド部85のうちの他方は、他方の芯材支持部84の上面84aに配置されている。一対の芯材ガイド部85は、X方向に互いに対向するように設けられている。一対の芯材ガイド部85の各傾斜面85aにおける下端のX方向における間隔は、X方向における芯材10aの横幅に対応する。一対の芯材ガイド部85の各傾斜面85aは、ロール10の芯材10aが芯材支持部84に載置された際に、X方向において芯材10aを位置決めするように案内する。
【0052】
パレットガイド部83及び芯材ガイド部85は、芯材10aのX方向における中心位置C2とパレット20のX方向における中心位置C3とが一致するように、パレット20及び芯材10aをそれぞれ案内(矯正)する。例えば、X方向に対向する一対の第1パレットガイド部86における各傾斜面86aの各下端の間隔の中心と、X方向に対向する一対の芯材ガイド部85における各傾斜面85aの各下端の間隔の中心と、が、互いに一致するように構成されている。
【0053】
図2及び図3に示されるように、Z方向において、パレット支持部82の上面82aから芯材支持部84の芯材10aとの接触箇所Pまでの距離L1は、パレット20の下面21bから受け部材22の芯材10aとの接触箇所Qまでの距離L2よりも大きい。これにより、パレット20がステーション装置80に移載されたとき、ステーション装置80は、芯材10aとパレット20とを分離した状態で支持する。
【0054】
加えて、Z方向において、パレット支持部82の上面82aから芯材支持部84の芯材10aとの接触箇所Pまでの距離L1は、距離L2と、搬送車40の載置台41をZ方向において稼働させた際の載置台41の上面41aの最大の高さH(後述の図7参照)との合計値よりも小さい。これにより、搬送車40が、載置台41を上方に移動させた際に芯材10aをパレット20に載置しつつ該パレット20を搬送することができる。
【0055】
なお、接触箇所Pは、パレット20がステーション装置80に移載された際に、芯材支持部84と芯材10aとの接触箇所のうち最も下方側に位置する箇所であればよい。第1実施形態では、接触箇所Pは、支持部材90における傾斜面91上に位置しており、例えば、上端と下端との間に位置してもよいし、上端又は下端に位置してもよい。また、傾斜面91と芯材10aとが連続的に接触している場合、接触箇所Pは、傾斜面91と芯材10aとの接触領域のうち、Z方向における位置が最も下方側に位置する箇所であればよい。
【0056】
また、接触箇所Qは、パレット20に芯材10aが載置された際に、受け部材22と芯材10aとの接触箇所のうちZ方向において最も下方側に位置する箇所であればよい。第1実施形態では、接触箇所Qは、受け部材22の端部23と芯材10aとの接触箇所である。例えば、接触箇所Qは、V字状の溝を構成する端部23の内側面と芯材10aとの接触箇所であってもよい。また、例えば、受け部材22と芯材10aとが連続的に接触している場合、接触箇所Pは、受け部材22と芯材10aとの接触領域のうち、Z方向において最も下方側に位置する箇所であればよい。
【0057】
なお、ステーション装置80では、図2に示されるように、パレット支持部82と芯材支持部84との間の空間は、Y方向において開口している。これにより、パレット支持部82と芯材支持部84との間の該空間にY方向からパレット20を搬入することが可能となっている。
【0058】
次に、図6及び図7を参照して、ロール10を載せたパレット20をラック50からステーション装置80を介して出庫する一例について説明する。
【0059】
まず、ロール10を載せたパレット20を、ラック50からスタッカクレーン70のスライドフォーク上に移載する。ここでのロール10は、図6(a)に示されるように、芯材10aのX方向における中心位置C2が、パレット20のX方向における中心位置C3に対してX方向における一方側にずれた状態でパレット20に載置されている。
【0060】
続いて、パレット20を載せたスタッカクレーン70のスライドフォークを、ステーション装置80におけるパレット支持部82と芯材支持部84との間の空間にY方向から進入させる。これにより、ロール10の芯材10aを芯材支持部84の上方に位置させると共に、ロール10のロール体10bを、X方向において一対の芯材支持部84の間に位置させる。
【0061】
続いて、図6(b)に示されるように、スタッカクレーン70の載せたスライドフォークを下降させてパレット20をステーション装置80へ荷降ろしする。具体的には、スライドフォークを下降させ、ロール10をパレット20から分離させて芯材支持部84に支持させた後、引き続きスライドフォークを下降させ、パレット20をパレット支持部82に支持させる。つまり、スタッカクレーン70による荷降ろし時、芯材10aが上部のロール受けに先に載り、パレット20から芯材10aが分離した後にパレット20をパレット支持部82に載せる。そして、スタッカクレーン70のスライドフォークを、ステーション装置80におけるパレット支持部82と芯材支持部84との間の空間から退出させる。
【0062】
このとき、ロール10の芯材10aは、一対の芯材ガイド部85の何れかの傾斜面85aに適宜に当接すると共に、当該傾斜面85aに沿って摺動する。これにより、芯材10aは、当該傾斜面85aによりX方向において適宜に押し出されて移動し、X方向の位置が一対の芯材ガイド部85間に対応する位置へ位置決めされる(図2及び図5参照)。また、パレット20は、4つの第1パレットガイド部86の何れかの傾斜面86aに適宜に当接すると共に、当該傾斜面86aに沿って摺動する。これにより、パレット20は、当該傾斜面86aによりX方向において適宜に押し出されて移動し、X方向の位置が4つの第1パレットガイド部86間に対応する位置へ位置決めされる(図2及び図4参照)。パレット20は、4つの第2パレットガイド部87の何れかの傾斜面87aに適宜に当接すると共に、当該傾斜面87aに沿って摺動する。これにより、パレット20は、当該傾斜面87aによりY方向において適宜に押し出されて移動し、Y方向の位置が4つの第2パレットガイド部87間に対応する位置へ位置決めされる(図3及び図4参照)。これにより、芯材10aのX方向における中心位置C2とパレット20のX方向及びY方向における中心位置C3とが、X方向において一致するように矯正される(センタリングされる)。
【0063】
図7(a)に示されるように、走行空間Sに搬送車40をY方向から進入させ、載置台41がパレット20の下方に位置するように走行空間S内において搬送車40を停止させる。このとき、搬送車40の載置台41のX方向における中心位置が、パレット20のX方向における中心位置C2に対応するように、搬送車40を停止させる。
【0064】
最後に、図7(b)に示されるように、搬送車40の載置台41を、一対のパレット支持部82の間を介して当該一対のパレット支持部82よりも上昇させ、パレット20を持ち上げる(下から積載する)。これにより、ロール10の芯材10aをパレット20の受け部材22で再び支持させ、芯材10aを芯材支持部84から離しつつ、当該パレット20を載置台41で持ち上げる。その結果、搬送車40は、芯材10aのX方向における中心位置C2とパレット20のX方向における中心位置C3とがX方向において一致された状態で、ロール10を載せたパレット20を持ち上げる。すなわち、搬送車40は、パレット20に対して芯材10aを位置決めした状態(互いの中心位置(センター)を基準としてロール10がパレット20上に載った状態で)でパレット20を積載する。以上のことから、搬送車40によるパレット20の積載時は、パレット20及びロール10をこの順番で下方側から掬うことによってパレット20と芯材10aがセンタリングされた状態となる。搬送車40は、パレット20を載せた載置台41を、ステーション装置80におけるパレット支持部82と芯材支持部84との間の位置まで上昇させる。その後、搬送車40は、製造装置へ走行し、ロール10を載せたパレット20を製造装置に供給する。
【0065】
以下、第1実施形態に係る自動倉庫システム1及びステーション装置80の作用効果を説明する。一般的に、ロール10を載せたパレット20が移載される場合、ロール10がパレット20に対してずれていることがある。例えば、工場内の作業者等によって、工場に搬入されたロール10がパレット20に載置される際に、ロール10がパレット20に対してずれてしまい、パレット20及び芯材10aが正確にセンタリングできない場合がある。この場合、従来技術に係るステーション装置では、ロール10及びパレット20は一体で位置決めされることから、ロール10がパレット20に対してずれていたとしても、当該ずれは解消されない。したがって、搬送車40で製造装置へロール10を供給する際、取り合いがシビアであることから、該ロール10が製造装置に干渉するおそれがある。
【0066】
これに対して、第1実施形態に係る自動倉庫システム1のステーション装置80は、自動倉庫30に対してパレット20が出庫される際に、ロール10とパレット20とのセンタリングを行う機構(センタリング機構)を備えている。よって、ステーション装置80は、ロール10を載せたパレット20を移載した場合に、ロール10の芯材10aとパレット20とを分離した状態で支持することができると共に、支持するパレット20及び芯材10aのそれぞれを、パレットガイド部83及び芯材ガイド部85のそれぞれで位置決めすることができる。その結果、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが可能となる。
【0067】
例えば、スタッカクレーン70及び搬送車40等によってZ方向において下方側からパレット20が持ち上げられる場合、パレット20に対して芯材10aをX方向及びY方向において位置決めし、芯材10aのX方向における中心位置C2とパレット20のX方向における中心位置C3とが位置合わせされた(センタリングされた)状態でパレット20を移載することができる。したがって、ロール10及びパレット20を工場内の製造装置に供給する際に、ロール10及びパレット20が装置に干渉することを抑制できる。その結果、製造装置と干渉なく取合うことができる。
【0068】
ステーション装置80では、パレットガイド部83は、パレット支持部82の上方に近接して設けられ、芯材ガイド部85は、芯材支持部84の上方に近接して設けられていてもよい。この場合、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが可能となるという上記作用を具体的に実現することができる。また、パレット20をステーション装置80に移載する際に、芯材10aが芯材ガイド部85によって位置決めされた直後に芯材支持部84によって支持される。そして、パレット20がパレットガイド部83によって位置決めされた直後にパレット支持部82によって支持される。これにより、パレット20をステーション装置80に移載する際に、上下方向におけるパレット20の移動量を減らすことができる。
【0069】
ステーション装置80では、パレット支持部82よりも下方側には、搬送車40が走行可能な走行空間Sが設けられている。この場合、走行空間Sを利用して搬送車40がステーション装置80に進入することが可能となる。具体的には、搬送車40が、パレット支持部82及び芯材支持部84より下方側に進入することが可能となる。これにより、搬送車40がZ方向においてパレット20及びロール10を下方側から持ち上げる際に、パレット20及びロール10の芯材10aのそれぞれの位置決めを実施しつつロール10をパレット20に載置することが可能となる。すなわち、自動倉庫30から搬送車40への受け渡し移載を利用して、パレット20及びロール10の芯材10aのそれぞれの位置決めすることができる。
【0070】
ステーション装置80では、パレットガイド部83における傾斜面86a,87aと芯材ガイド部85における傾斜面85aとは、ナイロン等の樹脂で形成されている。この場合、パレットガイド部83及び芯材ガイド部85の摩耗により金属粉が発生することを抑制することが可能となる。具体的には、パレット20がパレットガイド部83に擦れて金属粉が発生することが抑制されると共に、芯材10aが芯材ガイド部85に擦れて金属粉が発生することが抑制される。これにより、ロール10を供給される装置において、当該金属粉によって問題が発生することを抑制することができる。
【0071】
ステーション装置80では、パレットガイド部83及び芯材ガイド部85は、芯材10aのX方向における中心位置C2とパレット20のX方向における中心位置C3とが一致するように、パレット20及び芯材10aをそれぞれ案内する。この場合、パレット20と芯材10aとをX方向においてセンタリングすることが可能となる。その結果、ロール10を供給される装置において、ロール10及びパレット20が装置に干渉することをより確実に抑制することができる。
【0072】
自動倉庫システム1では、ステーション装置80と、パレット20が収容されるラック50と、走行レール71に沿って走行し、パレット20を移載するスタッカクレーン70と、スタッカクレーン70を制御するコントローラ100と、を備える。この自動倉庫システム1は、ステーション装置80を備えることから、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが可能となるという効果を実現することができる。具体的には、自動倉庫システム1では、スタッカクレーン70が該パレット20をステーション装置80に載置することが可能となる。これにより、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが可能となる。
【0073】
自動倉庫システム1では、ステーション装置80は、走行レール71に隣接しており、コントローラ100は、パレット20を出庫する場合、当該パレット20をステーション装置80へ移載するようにスタッカクレーン70を制御する制御を実行する。この場合、パレット20を出庫する際に、当該パレット20をステーション装置80へ移載し、それぞれを位置決めすることができる。具体的には、ロール10を載せたパレット20がラック50から出庫される際に、スタッカクレーン70によってパレット20がラック50からステーション装置80に移載される。これにより、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが可能となる。
【0074】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と同様な点は省略し、異なる点について説明する。
【0075】
図8に示されるように、第2実施形態に係る自動倉庫システム101が第1実施形態と異なる点は、コンベア60(図1参照)に代えてステーション装置80が、自動倉庫30における入庫ステーションを構成する点である。自動倉庫システム101が第1実施形態と異なる点は、ステーション装置80(図1参照)に代えて別の他のステーション装置180が、自動倉庫30における出庫ステーションを構成する点である。ステーション装置80は、ラック50の外部に設けられている。別の他のステーション装置180は、ラック50の内部に設けられている。
【0076】
第2実施形態に係る自動倉庫システム101では、自動倉庫30は、搬送車40によってステーション装置80に移載されたパレット20をスタッカクレーン70によってラック50に収容する。そして、自動倉庫30は、ラック50に収容されているパレット20をスタッカクレーン70によって他のステーション装置180に移載する。無人搬送車40は、他のステーション装置180に移載されたパレット20を持ち上げると共に工場内の製造装置に搬送する。このとき、ステーション装置80は、ラック50の外部において、走行レール71に隣接して設けられている。このように、第2実施形態では、ステーション装置80は、自動倉庫30に対してパレット20が入庫される際に、ロール10とパレット20とのX方向におけるセンタリングを行う機構である。
【0077】
他のステーション装置180は、ラック50の内部に設けられており、走行レール71に隣接している。他のステーション装置180は、パレット20を移載され、芯材10aを支持せずにパレット20の下面21bを支持する。他のステーション装置180は、パレット20を移載されることが可能な通常のステーション装置であればよく、例えば、ステーション装置80と比較して、芯材支持部84及び芯材ガイド部85を有さないステーション装置であってもよいし、上記以外のその他のステーション装置であってもよい。
【0078】
コントローラ100は、パレット20を入庫する場合、当該パレット20をステーション装置80に移載するように搬送車40を制御する。コントローラ100は、ステーション装置80に移載されたパレット20をラック50に収容するようにスタッカクレーン70を制御する。コントローラ100は、パレット20を出庫する場合、当該パレット20がステーション装置80に少なくとも1回移載されている(移載された履歴がある)ときには、当該パレット20を他のステーション装置180へ移載させるようにスタッカクレーン70を制御する。コントローラ100は、他のステーション装置180から工場内の製造装置にパレット20を搬送するように搬送車40を制御する。
【0079】
コントローラ100は、パレット20の移載履歴を取得している。一例として、各パレット20を識別するバーコードがパレット20ごとに設けられている。ステーション装置80にパレット20が移載されると、ステーション装置80に設けられたバーコードリーダ等によって、該バーコードが読み込まれ、読み込まれた情報がコントローラ100に出力される。これにより、コントローラ100は、受信した情報に基づいて、各パレット20がステーション装置80に少なくとも1回移載されているか否かを判定することが可能である。なお、コントローラ100がパレット20の移載履歴を取得する手法は、特に限定されず、公知の種々の手法を用いることができる。
【0080】
自動倉庫システム101では、パレット20を出庫する際に、当該パレット20がステーション装置80に少なくとも1回移載されている場合には、それぞれの位置決め済みであることから、当該パレット20を他のステーション装置180へ移載し、それぞれの位置決めを再度は行わずに出庫することが可能となる。具体的には、パレット20がラック50から出庫される前にパレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが実施されているので、パレット20をラック50から出庫する際にステーション装置80を用いた位置決めを行う必要がない。その結果、パレット20をラック50から出庫するために必要な時間を短縮することができる。
【0081】
具体的には、自動倉庫システム101では、コントローラ100は、パレット20を入庫する場合、当該パレット20をステーション装置80へ移載する制御を実行し、パレット20を出庫する場合、当該パレット20を他のステーション装置180へ移載するようにスタッカクレーン70を制御する制御を実行してもよい。この場合、パレット20を入庫する際に、当該パレット20をステーション装置80へ移載し、それぞれを位置決めすることができる。これにより、パレット20をラック50から出庫する際にステーション装置80を用いた位置決めを行う必要がない。その結果、パレット20をラック50から出庫するために必要な時間を短縮することができる。
【0082】
第2実施形態に係る自動倉庫システム101においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0083】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と同様な点は省略し、異なる点について説明する。図9に示されるように、第3実施形態に係る自動倉庫システム201が第1実施形態と異なる点は、ステーション装置80とは別の他のステーション装置180がラック50の内部に設けられており、出庫ステーションを構成する点である。自動倉庫システム201では、ステーション装置80は、他のステーション装置180が設けられたラック50とは別のラック50に設けられている。
【0084】
第3実施形態に係る自動倉庫システム201では、自動倉庫30は、コンベア60からステーション装置80にパレット20を移載した後に、パレット20をラック50に収容する。そして、自動倉庫30は、第2実施形態と同様にして、パレット20をラック50から出庫する。このとき、コントローラ100は、当該パレット20がラック50に収容される際にステーション装置80に1回移載されているので、パレット20を出庫する場合に、当該パレット20を他のステーション装置180へ移載する制御を実行する。なお、コントローラ100は、第2実施形態と同様にしてパレット20の移載履歴を取得している。
【0085】
自動倉庫システム301では、パレット20が、コンベア60によって搬送された後からラック50から出庫されるまでに、ステーション装置80に少なくとも1回移載される。これにより、パレット20がコンベア60によって搬送された後からラック50から出庫されるまでの間に、パレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが任意のタイミングで可能となる。
【0086】
第3実施形態に係る自動倉庫システム201においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0087】
なお、第3実施形態におけるステーション装置80は、2つのラック50の少なくとも何れかに設けられていればよい。例えば図10に示されるように、第3実施形態の変形例に係る自動倉庫システム301では、ステーション装置80は、他のステーション装置180が設けられたラック50に設けられていてもよい。
【0088】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態の説明では、第1実施形態と同様な点は省略し、異なる点について説明する。図11に示されるように、第4実施形態に係る自動倉庫システム401が第1実施形態と異なる点は、他のステーション装置180が、自動倉庫30における出庫ステーションを構成する点及びステーション装置80がラック50の外部に設けられている点である。他のステーション装置180は、図1におけるステーション装置80に代えてラック50の内部に設けられている。第4実施形態では、パレット20は、コンベア60の搬送元に移載されるまでに、ラック50の外部に設けられたステーション装置80に少なくとも1回移載される。
【0089】
第4実施形態に係る自動倉庫システム401では、自動倉庫30は、搬送車40によってパレット20をステーション装置80に移載する。自動倉庫30は、無人搬送車40、ロボットアーム、又は天井クレーン等によってステーション装置80からコンベア60の搬送元にパレット20を移載する。自動倉庫30は、コンベア60によって搬送されたパレット20をスタッカクレーン70によってラック50に収容する。そして、自動倉庫30は、第2実施形態と同様にして、パレット20をラック50から出庫する。このとき、当該パレット20が過去にステーション装置80に移載された履歴があることから、コントローラ100は、パレット20を出庫する場合に、当該パレット20を他のステーション装置180へ移載させる制御を実行する。なお、コントローラ100は、第2実施形態と同様にしてパレット20の移載履歴を取得している。
【0090】
自動倉庫システム401では、パレット20が、工場に到着した後からラック50に収容されるまでの間に、ステーション装置80に少なくとも1回載置される。この場合、自動倉庫システム401では、パレット20がラック50から出庫される前にパレット20及びロール10のそれぞれの位置決めが実施されているので、パレット20をラック50から出庫するために必要な時間を短縮することができる。
【0091】
第4実施形態に係る自動倉庫システム401においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0092】
以上、第1実施形態から第4実施形態について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0093】
上記第1実施形態では、ステーション装置80は、ラック50の内部に設けられていたが、ラック50の外部において出庫ステーションを構成してもよい。この場合も、コントローラ100は、パレット20を出庫する場合、パレット20をラック50からステーション装置80に移載するようにスタッカクレーン70を制御する。
【0094】
上記第4実施形態では、ステーション装置80が、コンベア60の搬送元に配置されていたが、ラック50にパレット20が収容されるまでのパレット20の搬送経路に設けられていればよい。例えば、自動倉庫システム201では、ステーション装置80が、工場の搬入口等に設けられてもよく、ロール10がパレット20に載せられた直後に該パレット20が該ステーション装置80に移載されてもよい。
【0095】
上記第3実施形態では、コンベア60からステーション装置80にパレット20を移載した後に、パレット20をラック50に収容したが、パレット20がラック50から出庫されるまでにパレット20がステーション装置80に移載されていればよい。例えば、自動倉庫30は、パレット20を出庫する際に、ステーション装置80にパレット20を移載した後に、スタッカクレーン70によってパレット20を他のステーション装置180に移載して出庫してもよい。
【0096】
上記第1実施形態から第4実施形態では、パレット20がラック50から出庫されるまでに、パレット20がステーション装置80に少なくとも1回移載されていたが、これに限定されない。例えば、パレット20は、ラック50から出庫された後に、搬送車40によってラック50から工場内の製造装置に搬送される際にステーション装置80に少なくとも1回載置されてもよい。
【0097】
上記第1実施形態から第4実施形態では、4つの第1パレットガイド部86及び4つの第2パレットガイド部87は、パレット20をX方向及びY方向において位置決めすることができればよい。例えば、4つの第1パレットガイド部86は、パレット20を、X方向において位置決めすることができる複数のローラであってもよい。4つの第2パレットガイド部87は、パレット20を、Y方向において位置決めすることができる複数のローラであってもよい。ローラは、例えば、ベアリング等を利用して回転可能に構成され、その周面によりパレット20を案内して位置決めしてもよい。
【0098】
また、例えば、ステーション装置80では、パレット20を、X方向及びY方向において位置決めすることができればよいことから、4つの第1パレットガイド部86に代えて、パレット20をX方向において位置決めすることができるプッシャが設けられていてもよいし、4つの第2パレットガイド部87に代えて、パレット20をY方向において位置決めすることができるプッシャが設けられていてもよい。プッシャは、例えば、パレット20を内側(パレット20の中心位置C3側,支柱81から離れる側)に押し出すように構成されているシリンダー等である。
【0099】
上記第1実施形態から第4実施形態では、一対の芯材ガイド部85は、芯材10aを、X方向において位置決めすることができればよい。例えば、一対の芯材ガイド部85は、芯材10aを、X方向において位置決めすることができる複数のローラであってもよい。また、例えば、ステーション装置80では、芯材10aを、X方向において位置決めすることができればよいので、一対の芯材ガイド部85に代えて、芯材10aをX方向において位置決めすることができるプッシャが設けられていてもよい。
【0100】
上記第1実施形態から第4実施形態では、下面21bは、パレット20がパレット支持部82に支持される場合にパレット支持部82の上面82aに接触する箇所であればよい。例えば、パレット20が、Z方向において下方側にパレット20から突出する複数の突出部においてパレット支持部82に支持される場合、下面21bは、複数の突出部におけるパレット支持部82の上面82aとの各接触箇所であってもよい。
【0101】
上記第1実施形態から第4実施形態では、ステーション装置80にパレット20が移載される場合、スタッカクレーン70又は搬送車40が用いられていたが、これに限定されない。パレット20は、例えば、工場内の作業者の手によってステーション装置80に移載されてもよいし、上記以外のその他の手段によってステーション装置80に移載されてもよい。また、一対の支持部材90がパレット20のX方向における横幅よりも広い間隔で設けられている場合、パレット20は、例えば工場内の天井クレーンによってステーション装置80に対して上方側から移載されてもよい。
【0102】
上記実施形態では、説明の便宜上、X方向及びY方向を用いて説明したが、ステーション装置80の方向は特に限定されない。例えば、上記実施形態のステーション装置80を鉛直方向回りに90°回転させて配置した場合には、上記実施形態の説明におけるX方向はY方向に対応し、上記実施形態の説明におけるY方向はX方向に対応する。
【0103】
上記実施形態及び変形例における各構成には、上述した材料及び形状に限定されず、様々な材料及び形状を適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成は、他の実施形態又は変形例における各構成に任意に適用することができる。上記実施形態又は変形例における各構成の一部は、本発明の一態様の要旨を逸脱しない範囲で適宜に省略可能である。
【0104】
<発明1>
ロールの芯材の受け部材を有するパレットが移載されるステーション装置であって、
前記パレットの下面を支持するパレット支持部と、
前記パレット支持部よりも上方に配置され、前記芯材を下方側から支持する芯材支持部と、
前記パレット支持部で支持する前記パレットの位置が位置決めされるように当該パレットを案内するパレットガイド部と、
前記芯材支持部で支持する前記芯材の位置が位置決めされるように当該芯材を案内する芯材ガイド部と、を備え、
鉛直方向において、前記パレット支持部の上面から前記芯材支持部の前記芯材との接触箇所までの距離は、前記パレットの下面から前記受け部材の前記芯材との接触箇所までの距離よりも大きい、ステーション装置。
<発明2>
前記パレットガイド部は、前記パレット支持部の上方に近接して設けられ、
前記芯材ガイド部は、前記芯材支持部の上方に近接して設けられている、発明1に記載のステーション装置。
<発明3>
前記パレット支持部よりも下方側には、搬送車が走行可能な走行空間が設けられている、発明1又は2に記載のステーション装置。
<発明4>
前記パレットガイド部及び前記芯材ガイド部は、前記芯材が延在する第1方向における前記芯材の中心位置と前記第1方向における前記パレットの中心位置とが一致するように、前記パレット及び前記芯材をそれぞれ案内する、発明1~3のいずれか1項に記載のステーション装置。
<発明5>
前記パレットガイド部の表面及び前記芯材ガイド部の表面は、樹脂で形成されている、発明1~4のいずれか1項に記載のステーション装置。
<発明6>
発明1~5のいずれか1項に記載のステーション装置と、
前記パレットが収容されるラックと、
軌道に沿って走行し、前記パレットを移載するスタッカクレーンと、
前記スタッカクレーンを制御する制御部と、を備える、自動倉庫システム。
<発明7>
前記ステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを出庫する場合、当該パレットを前記ステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、発明6に記載の自動倉庫システム。
<発明8>
前記パレットが移載され、前記芯材を支持せずに前記パレットの下面を支持する、前記ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、
前記他のステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを出庫する場合、当該パレットが前記ステーション装置に少なくとも1回移載されているときには、当該パレットを前記他のステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、発明6に記載の自動倉庫システム。
<発明9>
前記パレットが移載され、前記芯材を支持せずに前記パレットの下面を支持する、前記ステーション装置とは別の他のステーション装置を備え、
前記他のステーション装置は、前記軌道に隣接しており、
前記制御部は、前記パレットを入庫する場合、当該パレットを前記ステーション装置へ移載する制御を実行し、前記パレットを出庫する場合、当該パレットを前記他のステーション装置へ移載するように前記スタッカクレーンを制御する制御を実行する、発明6~8のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【符号の説明】
【0105】
1,101,201,301,401…自動倉庫システム、10…ロール、10a…芯材、20…パレット、21a…上面、21b…下面、22…受け部材、40…搬送車、50…ラック、70…スタッカクレーン、71…走行レール(軌道)、80,180…ステーション装置、82…パレット支持部、82a…上面、83…パレットガイド部、84…芯材支持部、85…芯材ガイド部、100…コントローラ(制御部)、C2,C3…中心位置、L1,L2…距離、P,Q…接触箇所、S…走行空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11