(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071934
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】受信装置、通信システム、通信装置、受信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/11 20130101AFI20240520BHJP
H04B 10/073 20130101ALI20240520BHJP
G01S 5/16 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
H04B10/11
H04B10/073
G01S5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182455
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 聡太
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA11
5K102AA15
5K102AA22
5K102AB07
5K102AL23
5K102AL28
5K102LA03
5K102LA21
5K102LA31
5K102LA53
5K102MA02
5K102MB08
5K102MD03
5K102PB01
5K102PH31
5K102RB02
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】 軽量化及び低コスト化を実現する光通信のための装置を提供する。
【解決手段】 本開示の一態様に係る受信装置10は、方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部110と、前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部120と、前記信号を受信したことを検出する検出部130と、前記信号を受信した方向を特定する特定部140と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部と、
前記信号を受信したことを検出する検出部と、
前記信号を受信した方向を特定する特定部と、
を備える受信装置。
【請求項2】
前期駆動部は、前記探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させる
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前期駆動部は、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、
前記検出範囲を変化させる
請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前期駆動部は、前記検出方向の変化の大きさが一定になるように、前記検出方向を変化させる
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前期駆動部は、前記探索範囲の一部である第1探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させ、前記探索範囲に含まれ前記第1探索範囲に含まれない第2探索範囲において、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
請求項1に記載の受信装置。
【請求項6】
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて前記信号を送信する送信部と、
前記送信範囲よりも広い走査範囲に含まれる方向が、少なくとも所定第2時間以上の間、前記送信範囲に含まれるように、前記送信範囲を変化させる第2駆動部と、
を備える送信装置と、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置と、
を含む通信システム。
【請求項7】
前記所定第2時間は、前記所定時間よりも長い
請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部と、
前記信号を受信した方向を特定する特定部と、
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて第2信号を送信する送信部と、
前記送信範囲よりも広い操作範囲に含まれる方向が少なくとも所定第2時間以上前記送信範囲に含まれるように前記送信範囲を変化させる第2駆動部と、
を備える通信装置。
【請求項9】
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信し、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させ、
前記信号を受信したことを検出し、
前記信号を受信した方向を特定する、
受信方法。
【請求項10】
センサ部が方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信したことを検出する検出処理と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動処理と、
前記信号を受信した方向を特定する特定処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号を受信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星間で光通信を行う場合、宇宙空間を飛行する人工衛星間で広がり角の狭いビームを相互に当て続ける必要がある。そのためには、高精度な捕捉追尾系が求められる。そのため、一般に、光通信を行う人工衛星には、通信の相手の人工衛星から送信された信号を広い範囲で捕捉するための視野は広いが精度が低い光学センサと、信号が送信された方向を高精度で特定するための視野が狭いが精度が高い光学センサとの組み合わせが使用される。
【0003】
特許文献1には、2つの異なる操作パターンでビームを伝達する通信装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、伝達した広がり角の狭いビームを通信の相手によって捕捉されやすくすることができる。しかし、特許文献1の通信装置から伝達されるビームを受信し検出する装置に、視野は広いが精度が低い光学センサと視野が狭いが精度が高い光学センサとの組み合わせを搭載する必要がある。特許文献1の技術では、ビームを受信する装置の軽量化及び低コスト化を実現することはできない。
【0006】
本開示の目的の1つは、軽量化及び低コスト化を実現する光通信のための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る受信装置は、方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部と、前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部と、前記信号を受信したことを検出する検出部と、前記信号を受信した方向を特定する特定部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る受信方法は、方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信し、前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させ、前記信号を受信したことを検出し、前記信号を受信した方向を特定する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、センサ部が方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信したことを検出する検出処理と、前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動処理と、前記信号を受信した方向を特定する特定処理と、をコンピュータに実行させる。本開示の一態様は、上述のプログラムを記憶する記憶媒体によっても実現される。
【発明の効果】
【0010】
本開示には、光通信のための装置の軽量化及び低コスト化を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る受信装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る受信装置10の動作の例を表すブロック図である。
【
図3】
図3は、信号光が、センサ部の視野に入っていない場合の例を表す図である。
【
図4】
図4は、センサ部の視野を動かすことを模式的に表す図である。
【
図5】
図5は、複数の対象範囲の配置の例を表す図である。
【
図6】
図6は、複数の対象範囲の配置の例を表す図である。
【
図7】
図7は、複数の対象範囲の配置の例を表す図である。
【
図8】
図8は、複数の対象範囲の配置の例を表す図である。
【
図9】
図9は、駆動方法の第2の例を模式的に表す図である。
【
図10】
図10は、本開示の第2の実施形態に係る通信システムの構成の例を表すブロック図である。
【
図11】
図11は、本開示の第2の実施形態に係る受信装置の動作の例を表すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る通信装置の構成の例を表すブロック図である。
【
図13】
図13は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る通信システムの構成の例を表すブロック図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施形態に係る受信装置、送信装置及び通信装置を実現することができる、コンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示に実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
まず、本開示の第1の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0014】
<構成>
図1は、本開示の第1の実施形態に係る受信装置の構成の例を表すブロック図である。
図1に示す例では、本開示の第1の実施形態に係る受信装置10は、センサ部110と、駆動部120と、検出部130と、特定部140と、を備える。センサ部110は、方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信する。駆動部120は、前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる。検出部130は、前記信号を受信したことを検出する。特定部140は、前記信号を受信した方向を特定する。以下の説明において、信号は、光による信号、すなわち、信号光である。この信号光は、所定の波長の光である。以下、信号を、信号光とも表記する。信号光は、受信装置10と通信を行う送信装置から送信される。この信号光は、通信用の信号光とは別の、通信の相手の方向を特定するための信号光である。
【0015】
<センサ部110>
センサ部110は、検出範囲に含まれる方向から信号光が到達した場合に、例えば、信号光を受信したことを表す信号を出力する光センサである。
【0016】
センサ部110は、一般に、上述の視野、すなわち、一定の広がりを持った範囲(すなわち、方向の範囲)からの信号光を受信できる。検出範囲は、受信装置10に搭載されたセンサ部110が信号光を受信できる範囲である。検出範囲は、所定の大きさの立体角を持つ、方向の範囲である。例えば、センサ部110の検出範囲の中心方向(例えばセンサ部110が向いている方向)から所定角度(以下、検出角度とも表記)以内の範囲が、検出範囲である。センサ部110が向いている方向を、検出方向と表記する。この場合、センサ部110は、検出方向からの角度が検出角度以内である方向から到達した信号光を受信可能である。後で詳述する駆動部120は、検出範囲を変更できる。
【0017】
<駆動部120>
上述のように、駆動部120は、検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間、検出範囲に含まれるように、検出範囲を変化させる。探索範囲は、所定の大きさの立体角を持つ、方向の範囲である。探索範囲の立体角の大きさは、検出範囲の立体角の大きさよりも大きい。本実施形態では、探索範囲は予め駆動部120に与えられている。センサ部110に入射する信号光は、1つ以上のミラーを介してセンサ部110に入射するように構成される。そして、駆動部120は、例えば、ミラーの方向を制御することによって、センサ部110に入射する信号光の方向を変更する。駆動部120は、ミラーを用いてセンサ部110に入射する信号光の方向を変更することにより、検出範囲を変化させる。なお、駆動部120は、ミラーの方向ではなくセンサ部110の方向を変更するように構成されていてもよい。
【0018】
駆動部120が検出範囲を変化させる方法(以下、駆動方法と表記)、言い換えると、検出範囲を変化させるパターンについては、後で詳細に説明する。
【0019】
<検出部130>
具体的には、検出部130は、センサ部110からの信号を受信する。そして、検出部130は、センサ部110からの信号から、センサ部110が信号光を受信しているか否かを検出する。検出部130は、例えば、センサ部110が信号光を受信したことを示す信号を出力している場合に、センサ部110が信号光を受信していることを検出する。検出部130は、例えば、センサ部110が信号光を受信したことを示す信号を出力していない場合に、センサ部110が信号光を受信していないことを検出する。
【0020】
検出部130は、信号光を受信していることを検出すると、信号光を検出していることを示す情報を特定部140に送出してよい。検出部130は、信号光を受信していることが検出されていない間、信号光を検出していないことを示す情報を特定部140に送出してよい。
【0021】
<特定部140>
特定部140は、センサ部110が信号光を検出した場合に、検出した信号光の方向を特定する。具体的には、特定部140は、検出部130から、信号光を検出していることを示す情報を受信する。特定部140は、検出部130から、信号光を検出していることを示す情報を受信すると、駆動部120によってセンサ部110の検出範囲が向けられていた方向を表す情報を、駆動部120から受け取る。特定部140は、受け取った情報を、センサ部110が信号光を検出した際の、信号光を受信した方向表す情報とする。検出範囲が向けられていた方向は、例えば、上述の検出方向である。
【0022】
例えば、センサ部110と通信用光センサとが、センサ部110の方向と、光通信を行う通信用光センサの方向とが同じになるように、受信装置10に搭載されており、通信用光センサの視野の大きさがセンサ部110の視野の大きさ以上であるとする。その場合、センサ部110が信号光を受信できる方向に向いていれば、通信用光センサも、光通信用信号光を受信できる。従って、特定部140は、信号光の方向が検出範囲に含まれていれば、検出方向が、検出した信号光の方向であるとしてよい。
【0023】
<動作>
図2は、本開示の第1の実施形態に係る受信装置10の動作の例を表すブロック図である。
図2に示す例では、検出部130が、信号を検出する(ステップS11)。具体的には、検出部130は、センサ部110が、検出範囲からの信号光、すなわち、検出範囲に含まれる方向から到達した信号光を受信しているか否かを検出する。
【0024】
信号が検出されない場合(ステップS12においてNO)、駆動部120は、検出範囲を変化させる(ステップS13)。そして、受信装置10は、ステップS11以降の動作を繰り返す。
【0025】
信号が検出された場合(ステップS12においてYES)、特定部140が、信号を検出した方向を特定する(ステップS14)。特定部140は、例えば、信号が検出された際の、検出範囲が向いている方向、すなわち、検出方向を特定する。
【0026】
<効果>
本実施形態には、光通信のための装置の軽量化及び低コスト化を実現できるという効果がある。
【0027】
図3は、信号光(すなわち、ビーム)が、センサ部110の視野に入っていない場合の例を表す図である。送信装置の捕捉(言い換えると、送信装置からの信号光の捕捉)の初期段階では、
図3に示す例のように、送信側の送信部の方向が、受信側のセンサ部110の視野に入っていないことがある。この場合、センサ部110は信号光のビームを受光できない。
【0028】
図4は、センサ部110の視野を動かすことを模式的に表す図である。このように、センサ部110の視野を動かす(すなわち、変化させる)ことによって、視野が狭いセンサ部110の視野を、仮想的に広くすることができる。そして、センサ部110が信号光(すなわち、ビーム)を受光する可能性を高めることができる。
【0029】
このように、駆動部120が検出範囲を変化させ、検出部130が信号光を受信したことを検出し、特定部140が信号光を受信した際の検出方向の向きを特定することによって、送信装置の方向を特定することができる。これにより、送信装置の方向を特定するために、センサ部110の他に、センサ部110の視野よりも広い視野を持つ他のセンサを、受信装置10に搭載する必要がなくなる。従って、本実施形態には、光通信のための装置の軽量化及び低コスト化を実現できるという効果が生じる。
【0030】
<駆動方法の第1の例>
駆動部120は、探索範囲に重なるように設定された複数の対象範囲の各々に、検出範囲が一致するように、検出範囲を移動させてよい。この場合、対象範囲の各々を所定の半径の球体の表面に投影した場合の形状は、検出範囲を同じ球体の表面に投影した場合の形状と同一である。複数の対象範囲は、探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように設定される。言い換えると、複数の対象範囲は、探索範囲のいずれの部分も、複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように設定される。さらに言い換えると、複数の対象範囲は、複数の対象範囲を包含する最小の範囲が、探索範囲を含むように設定される。
【0031】
駆動部120は、検出範囲が、例えばあらかじめ定められた順番に従って複数の対象範囲の各々に向くように、対象範囲を変化させてよい。この場合、検出範囲が向けられる順番は、例えば、探索範囲の中心に近い検出範囲の順番ほど早くなるように定められていてよい。検出範囲が向けられる順番は、検出範囲を複数の対象範囲の各々に向くように動かした場合に、検出範囲が動く角度の和が最も少なくなるように定められていてもよい。検出範囲が向けられる順番は、他のルールに従って定められていてもよい。検出範囲が向けられる順番は、ランダムに定められていてもよい。
【0032】
駆動部120は、検出範囲が、1つの対象範囲に向いてから所定時間(又は、所定時間以上)が経過してから、次の対象範囲に向けるように構成されていてもよい。後述の実施形態の説明においても説明されるように、駆動部120は、信号光が検出された場合は、検出範囲がまだ複数の対象範囲の全てに向けられていなくても、検出範囲を複数の対象範囲に向ける動作を一旦終了してよい。この場合、駆動部120は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、例えば特定部140から受け取る。特定部140は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、駆動部120に送出するように構成される。そして、駆動部120は、例えば、信号光が検出された際に検出範囲が向けられていた対象範囲の中心方向(すなわち、対象方向)を、次の探索範囲の中心方向(探索方向とも表記)としてよい。そして、駆動部120は、検出範囲を、新たな探索範囲に対して定まる複数の対象範囲の各々に向ける動作を開始してよい。
【0033】
検出範囲を複数の対象範囲の全てに向けても信号光が検出されなかった場合、駆動部120は、検出範囲を、順番が最初である対象範囲に再び向けてもよい。そして、駆動部120は、検出範囲を複数の対象範囲の各々に向ける動作を、再び最初から繰り返してよい。
【0034】
対象範囲の各々の中心(対象範囲が円形でない場合は対象範囲の重心)の方向である対象方向が定められていてもよい。そして、駆動部120は、検出範囲の中心(検出範囲が円形でない場合は対象範囲の重心)の方向である検出方向が、複数の対象方向の各々に向くよう、検出範囲を移動させるように、構成されていてもよい。
【0035】
図5~
図8は、複数の対象範囲の配置の例を表す図である。これらの図において、太い線で描かれた円が、探索範囲を表す。また、細い線で描かれた円が、対象範囲を表す。これらの例のように、複数の検出範囲の配置は、探索範囲と対象範囲の大きさの差に応じて定められていてよい。
【0036】
駆動部120は、前回信号光が検出された際の検出範囲の方向と、直近の信号光が検出された際の検出範囲の方向と、の角度が大きいほど、次の探索範囲の大きさが大きくなるように、次の探索範囲の大きさを決定してもよい。
【0037】
駆動部120は、例えば、前回信号光が検出された際の検出範囲の方向が次の探索範囲の中心である場合に、次の探索範囲が、直近の信号光が検出された際の検出範囲の方向を含むように、次の探索範囲を決定してよい。この場合、駆動部120は、決定した次の探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように、例えばあらかじめ定められたルールに従って、複数の対象範囲を決定してよい。駆動部120は、例えば、
図5~
図8のような複数の検出範囲の配置から、決定した次の探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれる配置を選択してよい。駆動部120は、例えば、予め定められた複数の探索範囲から、前回信号光が検出された際の検出範囲の方向が探索範囲の中心である場合に、直近の信号光が検出された際の検出範囲の方向を含む探索範囲を、次の探索範囲として選択してもよい。
【0038】
駆動部120は、検出範囲を1つの検出範囲に向ける時間よりも短い時間で、検出範囲を2つの検出範囲間で移動させる。検出範囲を1つの検出範囲に向ける時間は、例えば、10秒から数十秒程度であってよい。検出範囲を2つの検出範囲間で移動させる時間は、例えば、0.01秒程度の時間であってよい。検出範囲を2つの検出範囲間で移動させる時間は、例えば、0.01秒に満たない時間であってよい。検出範囲を2つの検出範囲間で移動させる時間、及び、検出範囲を2つの検出範囲間で移動させる時間は、これらの例に限られない。
【0039】
以下の説明では、駆動方法の第1の例の、検出範囲を変化させる方法を、ポイントパターン駆動とも表記する。
【0040】
ポイントパターン駆動において、複数の対象範囲の配置は、ランダムに設定されていてもよい。
【0041】
<駆動方法の第2の例>
駆動部120は、検出範囲が、探索範囲の中心の方向かららせん状の動きで探索範囲の外側に移動するように、検出範囲を変化させてもよい。この場合、駆動部120は、検出範囲の中心の方向(すなわち、検出方向)を、探索範囲内の所定方向(以下、起点方向とも表記)に向ける。起点方向は、探索範囲の中心の方向でなくてよい。起点方向は、探索範囲の中心の方向であってもよい。そして、駆動部120は、起点方向と検出方向とがなす角の角度を増加させながら、起点方向の直線と検出方向の直線とを含む平面が起点方向の直線を軸に一定の方向に回転するように、検出範囲を変化させる(すなわち、検出方向を変化させる)。その際、駆動部120は、検出方向の変化の大きさが一定になるように、検出範囲を変化させてよい(すなわち、検出方向を変化させてよい)。検出方向の変化の大きさは、必ずしも一定でなくてもよい。
【0042】
検出方向の動きは、探索範囲に含まれる方向が、少なくとも所定時間(例えば、10秒~数十秒)の間、検出範囲に含まれるように、あらかじめ定められる。この所定時間は、上述の例に限られない。検出方向の動きは、例えば、三次元空間に設定された座標系において、検出方向を表す三次元ベクトルの、時間を変数とする関数として定められていてよい。探索方向と検出方向とがなす角度の時間を変数とする関数、及び、探索方向と垂直な平面と、起点方向の直線と検出方向の直線とを含む平面との交線を、探索方向と垂直な平面上に設定された座標系において表す、時間を変数とする関数として定められていてもよい。
【0043】
図9は、駆動方法の第2の例を模式的に表す図である。
図9において、太い線によって描かれている円が、探索範囲を表す。細い線によって描かれている複数の円が、検出範囲の変化の過程における、複数の時点における検出範囲を表す。なお、
図9に描かれている検出範囲の位置は、同一の時間間隔の複数の時点における検出範囲であるとは限られない。
図9におけるらせん状の線が、検出方向が向いている方向の時間の経過に伴う変化を表す。
【0044】
以下の説明では、駆動方法の第2の例の、検出範囲を変化させる方法を、スパイラル駆動とも表記する。
【0045】
駆動部120は、信号光が検出された場合、信号光が検出された時点でスパイラル駆動による検出範囲の変化を一旦終了し、信号光が検出された際の検出範囲の方向(すなわち検出方向)を、次の探索範囲の中心の方向(すなわち探索方向)としてよい。この場合、駆動部120は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、例えば特定部140から受け取る。特定部140は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、駆動部120に送出するように構成される。そして、駆動部120は、次の探索範囲に対する、スパイラル駆動による検出範囲の変化を開始してよい。
【0046】
<駆動方法の第3の例>
駆動部120は、探索範囲の中心の方向と同じ中心の方向を持ち、探索範囲よりも狭い、第1探索範囲において、上述のポイントパターン駆動によって、検出範囲を変化させてもよい。そして、探索範囲に含まれ第1探索範囲に含まれない範囲である第2探索範囲において、上述のスパイラル駆動によって、検出範囲を変化させてもよい。本例でのスパイラル駆動の起点の方向(すなわち、駆動部120がスパイラル駆動による検出範囲の変化を開始する方向)は、探索範囲の中心とは異なる、予め定められた方向である。
【0047】
以下の説明では、駆動方法の第3の例の、検出範囲を変化させる方法を、ハイブリッド駆動とも表記する。
【0048】
駆動部120は、信号光が検出された場合、信号光が検出された時点でハイブリッド駆動による検出範囲の変化を一旦終了し、信号光が検出された際の検出範囲の方向(すなわち検出方向)を、次の探索範囲の中心の方向(すなわち探索方向)としてよい。この場合、駆動部120は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、例えば特定部140から受け取る。特定部140は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、駆動部120に送出するように構成される。そして、駆動部120は、次の探索範囲に対する、ハイブリッド駆動による検出範囲の変化を開始してよい。
【0049】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
【0050】
<構成>
図10は、本開示の第2の実施形態に係る通信システムの構成の例を表すブロック図である。
図10に示す例では、本実施形態に係る通信システム1は、受信装置100と送信装置200とを含む。本実施形態の送信装置200は、第1の実施形態の送信装置に対応する。
【0051】
<受信装置100>
受信装置100は、センサ部110と、駆動部120と、検出部130と、特定部140と、通信部150と、通信制御部160とを含む。本実施形態のセンサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140は、それぞれ、以下で説明する相違点を除いて、第1の実施形態のセンサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140と同じである。本実施形態のセンサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140は、それぞれ、以下で説明する相違点を除いて、第1の実施形態のセンサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140と同様に動作する。
【0052】
<駆動部120>
本実施形態の駆動部120は、上述の駆動方法の第1の例の説明のように、信号光が検出された場合は、検出範囲がまだ複数の対象範囲の全てに向けられていなくても、検出範囲を複数の対象範囲に向ける動作を一旦終了する。この場合、駆動部120は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、例えば特定部140から受け取る。後述のように、特定部140は、信号光が検出されているか否かを表す情報を、駆動部120に送出するように構成される。そして、駆動部120は、例えば、信号光が検出された際に検出範囲が向けられていた対象範囲の中心方向(すなわち、対象方向)を、次の探索範囲の中心方向(探索方向とも表記)とする。そして、駆動部120は、検出範囲を、新たな探索範囲に対して定まる複数の対象範囲の各々に向ける動作を開始する。検出領域を変化させる方法、すなわち、駆動方法は、上述のポイントパターン駆動、スパイラル駆動、及び、ハイブリッド駆動のいずれであってもよい。
【0053】
<検出部130>
検出部130は、さらに、センサ部110が信号光を受信しているか否かを表す情報を、通信制御部160に送出する。具体的には、検出部130は、センサ部110が信号光を受信していることが検出されている間、信号光が検出されていることを表す情報を、通信制御部160に送出する。検出部130は、センサ部110が信号光を受信していることが検出されていない間、信号光が検出されていないことを表す情報を、通信制御部160に送出する。
【0054】
<特定部140>
本実施形態では、特定部140は、さらに、信号光が検出されているか否かを表す情報を、駆動部120に送出する。
【0055】
<通信部150>
通信部150は、後で詳述する通信制御部160の制御によって、信号光を送信する送信装置200と光通信を行う。光通信のための信号光は、センサ部110が受信する信号光とは異なる。なお、本発明においてでは、光通信のための信号光は、光通信用信号光とも表記される。
【0056】
通信部150は、光通信によって送信装置200に送信する情報を、通信制御部160から受け取る。通信部150は、光通信によって送信装置200から受信した情報を、通信制御部160に送出する。
【0057】
<通信制御部160>
通信制御部160は、センサ部110が信号光を受信しているか否かを表す情報を、検出部130から受け取る。通信制御部160は、受け取った情報が、センサ部110が信号光を受信していることを示している間、通信部150が信号光を送信した送信装置200と通信を行うように制御する。
【0058】
通信制御部160は、通信部150が光通信によって送信する情報を、受信装置100が含む他の通信部、又は、受信装置100に搭載される観測装置等から受け取ってよい。通信制御部160は、通信部150が通信によって送信する情報を通信部150に送出する。
【0059】
また、通信制御部160は、通信部150が光通信によって受信した情報を、通信部150から受け取る。通信制御部160は、通信部150から受け取った情報を、例えば、他の通信部を介して、他の通信装置に送信するように、他の通信部を制御してもよい。
【0060】
なお、本実施形態の受信装置100は、このように、通信制御部160及び通信部150によって、光通信のための信号光の受信及び送信を行う。
【0061】
<送信装置200>
送信装置200は、送信部210と、第2駆動部220と、通信部250と、通信制御部260とを含む。
【0062】
<送信部210>
送信部210は、信号光を送信する。送信部210は、所定の波長の信号光を発生させるレーザー等の光源によって実現される。送信部210は、信号光を、方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて送信する。
【0063】
<第2駆動部220>
第2駆動部220は、送信部210が送信する信号光の方向を変化させる。第2駆動部220は、例えば、送信範囲よりも広い走査範囲に含まれる方向が少なくとも所定第2時間以上の間、送信範囲に含まれるように、送信範囲を変化させる。
【0064】
第2駆動部220が送信範囲を変化させる方法は、上述の、ポイントパターン駆動と同様の方法であってもよい。第2駆動部220が送信範囲を変化させる方法は、上述の、スパイラル駆動と同様の方法であってもよい。第2駆動部220が送信範囲を変化させる方法は、上述の、ハイブリッド駆動と同様の方法であってもよい。なお、これらの場合、第2駆動部220は、上述のポイントパターン駆動、スパイラル駆動及びハイブリッド駆動の説明において、検出範囲を送信範囲と読み替え、探索範囲を走査範囲と読み替えた場合の送信範囲の変化と同様に送信範囲が変化するように、送信範囲を変化させる。ただし、本実施形態では、第2駆動部220は、送信範囲を変化させる動作を、中断する(上述の、一旦終了することに該当する)ことなく、繰り返し行う。
【0065】
なお、本実施形態では、第2駆動部220は、受信装置100の方向を、予め取得している。なお、送信装置200と受信装置100との間の位置関係は、常に変化し得るとする。そのため、予め取得している受信装置100の方向は、必ずしも正確であるわけではない。第2駆動部220は、予め取得した受信装置100の方向を、走査範囲の中心の方向とする。
【0066】
また、所定第2時間は、検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が検出範囲に含まれる、上述の所定時間よりも短い時間である。
【0067】
<通信部250>
通信部250は、後で詳述する通信制御部260の制御によって、信号光を送信する受信装置100と光通信を行う。光通信のための信号光は、送信部210が送信する信号光とは異なる。光通信のための信号光は、上述の光通信用信号光である。
【0068】
通信部250は、光通信によって受信装置100に送信する情報を、通信制御部260から受け取る。通信部150は、光通信によって受信装置100から受信した情報を、通信制御部260に送出する。
【0069】
<通信制御部260>
通信制御部260は、通信部250が受信装置100と通信を行うように制御する。
【0070】
通信制御部260は、通信部250が光通信によって送信する情報を、送信装置200が含む他の通信部、又は、送信装置200に搭載される観測装置等から受け取ってよい。通信制御部260は、通信部250が通信によって送信する情報を通信部250に送出する。
【0071】
また、通信制御部260は、通信部250が光通信によって受信した情報を、通信部250から受け取る。通信制御部260は、通信部250から受け取った情報を、例えば、他の通信部を介して、他の通信装置に送信するように、他の通信部を制御してもよい。
【0072】
なお、本実施形態の送信装置200は、このように、通信制御部260及び通信部250によって、光通信のための信号光の受信及び送信を行う。
【0073】
<動作>
次に、本開示の第2の実施形態に係る受信装置100の動作について、図面を使用して詳細に説明する。
【0074】
図11は、本開示の第2の実施形態に係る受信装置100の動作の例を表すフローチャートである。
図11に示す例では、検出部130が、信号を検出する(ステップS11)。具体的には、検出部130は、センサ部110が、検出範囲からの信号光、すなわち、検出範囲に含まれる方向から到達した信号光を受信しているか否かを検出する。
【0075】
信号が検出されない場合(ステップS12においてNO)、駆動部120は、検出範囲を変化させる(ステップS13)。そして、受信装置10は、ステップS11以降の動作を繰り返す。
【0076】
信号が検出された場合(ステップS12においてYES)、特定部140が、信号を検出した方向を特定する(ステップS14)。特定部140は、例えば、信号が検出された際の、検出範囲が向いている方向、すなわち、検出方向を特定する。そして、駆動部120が、特定した方向を、次の探索範囲の中心方向に設定する(ステップS15)。
【0077】
そして、受信装置100は、
図11に示す動作を繰り返す。
【0078】
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態の効果と同じ効果がある。本実施形態の効果が生じる理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同様である。
【0079】
<第2の実施形態の第1の変形例>
本開示の第2の実施形態の第1の変形例では、受信装置100は、第2の実施形態の受信装置100と同じである。送信装置200の構成は、第2の実施形態の送信装置200の構成と同じである。本実施形態の送信装置200は、以下の相違点を除いて、第2の実施形態の送信装置200と同じである。
【0080】
本変形例の第2駆動部220は、送信範囲の中心を、予め受け取った受信装置100の方向に向ける。ただし、本変形例では、第2駆動部220は、ポイントパターン駆動、スパイラル駆動、及び、ハイブリッド駆動等の方法を使用した、送信範囲の変化を行わない。
【0081】
<第2の実施形態の第2の変形例>
上述の第2の実施形態の説明では、受信装置100が、送信部210及び第2駆動部を含まず、送信装置200が、センサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140を含まない構成について説明した。しかし、受信装置100が、送信部210及び第2駆動部をさらに含んでいてよい。そして、送信装置200が、センサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140をさらに含んでいてよい。送信部210及び第2駆動部をさらに含む受信装置100、及び、センサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140をさらに含む送信装置200は、同様の構成を持つ。本変形例では、送信部210及び第2駆動部をさらに含む受信装置100、及び、センサ部110、駆動部120、検出部130及び特定部140をさらに含む送信装置200を、まとめて、通信装置300と表記する。
【0082】
図12は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る通信装置300の構成の例を表すブロック図である。
図12に示す例では、通信装置300は、センサ部110、駆動部120、検出部130、特定部140、通信部150、通信制御部160,送信部210及び第2駆動部220を含む。本変形例のセンサ部110、駆動部120、検出部130、特定部140、通信部150、通信制御部160、送信部210及び第2駆動部220は、以下の相違点を除いて、第2の実施形態のセンサ部110、駆動部120、検出部130、特定部140、通信部150、通信制御部160,送信部210及び第2駆動部220と同様である。
【0083】
なお、本変形例の通信装置300の、第2の実施形態の受信装置100に含まれる要素についての説明は、第2の実施形態の説明において、受信装置100を通信装置300に置き換え、送信装置200を他の通信装置300に置き換えた説明に相当する。本変形例の通信装置300の、第2の実施形態の送信装置200に含まれる要素についての説明は、第2の実施形態の説明において、送信装置200を、それらの要素を含む通信装置300と置き換え、受信装置100を他の通信装置300に置き換えた説明に相当する。
送信装置200は、他の通信装置300に対応する。
【0084】
<特定部140>
特定部140は、信号光を受信した方向、すなわち、信号光を受信したことが検出された際の検出用光を表す情報を、第2駆動部220に送出する。
【0085】
<第2駆動部220>
本変形例では、第2駆動部220は、特定部140から、信号光を受信した方向を表す情報を受け取る。そして、第2駆動部220は、受け取った情報が表す、信号光を受信した方向が、次の走査範囲の中心の方向になるように、次の走査範囲を設定する。
【0086】
図13は、本開示の第2の実施形態の第2の変形例に係る通信システム2の構成の例を表すブロック図である。
図13に示す通信システム2の構成は、
図10に示す通信システム1の受信装置100及び送信装置200を、2台の通信装置300に置き換えた構成に対応する。
【0087】
<他の実施形態>
上述の受信装置10、受信装置100、送信装置200及び通信装置300は、メモリと、そのメモリにロードされたプログラムを実行するプロセッサとを含むコンピュータによって実現することができる。上述の受信装置10、受信装置100、送信装置200及び通信装置300は、専用のハードウェアによって実現することもできる。上述の受信装置10、受信装置100、送信装置200及び通信装置300は、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによって実現することもできる。
【0088】
図14は、本開示の実施形態に係る受信装置10、受信装置100、送信装置200及び通信装置300を実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。
図14に示す例では、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、他の装置にアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る装置(すなわち、受信装置10、受信装置100、送信装置200又は通信装置300)として動作させるプログラムが格納されている。
【0089】
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、本開示の実施形態に係る装置として動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、本開示の実施形態に係る装置として動作する。
【0090】
駆動部120、検出部130、特定部140、通信部150、通信制御部160は、例えば、メモリ1002にロードされたプログラムを実行するプロセッサ1001を用いて実現できる。第2駆動部220、通信部250、通信制御部260は、例えば、メモリ1002にロードされたプログラムを実行するプロセッサ1001を用いて実現できる。
センサ部110、駆動部120、検出部130、特定部140、通信部150及び通信制御部160の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現できる。送信部210、第2駆動部220、通信部250、通信制御部260の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現できる。
【0091】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0092】
(付記1)
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部と、
前記信号を受信したことを検出する検出部と、
前記信号を受信した方向を特定する特定部と、
を備える受信装置。
【0093】
(付記2)
前期駆動部は、前記探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させる
付記1に記載の受信装置。
【0094】
(付記3)
前期駆動部は、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、
前記検出範囲を変化させる
付記1に記載の受信装置。
【0095】
(付記4)
前期駆動部は、前記検出方向の変化の大きさが一定になるように、前記検出方向を変化させる
付記3に記載の受信装置。
【0096】
(付記5)
前期駆動部は、前記探索範囲の一部である第1探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させ、前記探索範囲に含まれ前記第1探索範囲に含まれない第2探索範囲において、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
付記1に記載の受信装置。
【0097】
(付記6)
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて前記信号を送信する送信部と、
前記送信範囲よりも広い走査範囲に含まれる方向が、少なくとも所定第2時間以上の間、前記送信範囲に含まれるように、前記送信範囲を変化させる第2駆動部と、
を備える送信装置と、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の受信装置と、
を含む通信システム。
【0098】
(付記7)
前記所定第2時間は、前記所定時間よりも長い
付記6に記載の通信システム。
【0099】
(付記8)
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信するセンサ部と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動部と、
前記信号を受信した方向を特定する特定部と、
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて第2信号を送信する送信部と、
前記送信範囲よりも広い操作範囲に含まれる方向が少なくとも所定第2時間以上前記送信範囲に含まれるように前記送信範囲を変化させる第2駆動部と、
を備える通信装置。
【0100】
(付記9)
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信しと、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させ、
前記信号を受信したことを検出し、
前記信号を受信した方向を特定する、
受信方法。
【0101】
(付記10)
前記探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させる
付記9に記載の受信方法。
【0102】
(付記11)
前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
付記9に記載の受信方法。
【0103】
(付記12)
前記検出方向の変化の大きさが一定になるように、前記検出方向を変化させる
付記11に記載の受信方法。
【0104】
(付記13)
前記探索範囲の一部である第1探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させ、前記探索範囲に含まれ前記第1探索範囲に含まれない第2探索範囲において、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
付記9に記載の受信方法。
【0105】
(付記14)
送信装置が、
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて前記信号を送信し、
前記送信範囲よりも広い走査範囲に含まれる方向が、少なくとも所定第2時間以上の間、前記送信範囲に含まれるように、前記送信範囲を変化させ、
受信装置が、
付記9乃至11のいずれか1項に記載の受信方法を実行する、
通信方法。
【0106】
(付記15)
前記所定第2時間は、前記所定時間よりも長い
付記14に記載の通信方法。
【0107】
(付記16)
方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信し、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させ、
前記信号を受信した方向を特定し、
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて第2信号を送信し、
前記送信範囲よりも広い操作範囲に含まれる方向が少なくとも所定第2時間以上前記送信範囲に含まれるように前記送信範囲を変化させる、
通信方法。
【0108】
(付記17)
センサ部が方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信したことを検出する検出処理と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動処理と、
前記信号を受信した方向を特定する特定処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0109】
(付記18)
前期駆動処理は、前記探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させる
付記17に記載のプログラム。
【0110】
(付記19)
前期駆動処理は、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
付記17に記載のプログラム。
【0111】
(付記20)
前期駆動処理は、前記検出方向の変化の大きさが一定になるように、前記検出方向を変化させる
付記19に記載のプログラム。
【0112】
(付記21)
前期駆動処理は、前記探索範囲の一部である第1探索範囲に含まれる方向が複数の対象範囲の少なくともいずれかに含まれるように定められており、前記検出範囲と同じ大きさである前記複数の対象範囲の各々が、少なくとも前記所定時間の間、前記検出範囲になるように前記検出範囲を変化させ、前記探索範囲に含まれ前記第1探索範囲に含まれない第2探索範囲において、前記探索範囲に対して定められた起点方向と前記検出範囲に対して定められた検出方向とがなす角の角度を増加させながら、前記起点方向の直線と前記検出方向の直線とを含む平面が前記起点方向を軸に一定の方向に回転するように、前記検出範囲を変化させる
付記17に記載のプログラム。
【0113】
(付記22)
センサ部が方向の範囲によって表される検出範囲からの信号を受信した方向を特定する特定処理と、
前記検出範囲よりも広い探索範囲に含まれる方向が少なくとも所定時間の間前記検出範囲に含まれるように前記検出範囲を変化させる駆動処理と、
方向の範囲によって表される所定の大きさの送信範囲に向けて第2信号を送信する送信処理と、
前記送信範囲よりも広い操作範囲に含まれる方向が少なくとも所定第2時間以上前記送信範囲に含まれるように前記送信範囲を変化させる第2駆動処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0114】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 通信システム
2 通信システム
10 受信装置
100 受信装置
110 センサ部
120 駆動部
130 検出部
140 特定部
150 通信部
160 通信制御部
200 送信装置
210 送信部
220 第2駆動部
250 通信部
260 通信制御部
300 通信装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記憶媒体