(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071947
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】物品検査装置及び物品選別装置
(51)【国際特許分類】
B07C 5/22 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
B07C5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182484
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 優理菜
【テーマコード(参考)】
3F079
【Fターム(参考)】
3F079CB13
3F079CC12
3F079DA12
3F079EA08
(57)【要約】
【課題】検査器に物理的に干渉することなく、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる物品検査装置及び物品選別装置を提供すること。
【解決手段】別個独立して搬送されてきた複数の物品を検査する複数の検査器12と、複数の検査器12を制御する制御ユニット21と、各検査器に対応して設けられた発光体16と、を備え、制御ユニット21は、検査器の検査結果を表す検査結果画像を検査器毎に表示装置22に表示させ、入力装置23によって選択された検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体16と、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体16との違いが視認できるように、各検査器に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別個独立して搬送されてきた複数の物品を検査する複数の検査器(12)と、
前記複数の検査器を制御する制御ユニット(21)と、
表示装置(22)と、
入力装置(23)と、
前記各検査器に対応して設けられた発光体(16)と、を備え、
前記制御ユニットは、
前記検査器の検査結果を表す検査結果画像(30)を前記検査器毎に前記表示装置に表示させ、
前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体と、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体との違いが視認できるように、前記各検査器に対応して設けられた前記発光体の発光態様を制御する
ことを特徴とする物品検査装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を発光させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を消灯させる
ことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を消灯させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を発光させる
ことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を第1発光色で発光させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を前記第1発光色と異なる第2発光色で発光させる
ことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項5】
前記検査器は、物品の重量を測定する計量装置によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物品検査装置を備え、
前記物品検査装置によって検査された物品を前記物品検査装置の検査結果に応じて選別する物品選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品検査装置及び物品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物品検査装置として、例えば、特許文献1には、供給された同一ロットに属する物品を搬送する複数の搬送手段と、各搬送手段に設けられて物品を検査する複数の検査手段と、各搬送手段に設けられ、物品を後段の工程に供給する通過位置と物品を待避させる待避位置と物品を排除する排除位置の何れかに選択的に設定される複数の選別手段と、各検査手段による物品の検査結果に基づき、全ての搬送手段が搬送する物品が合格であると判断される場合には全ての選別手段を通過位置に設定し、少なくとも一つの搬送手段が搬送する物品が不合格であると判断される場合には当該搬送手段の選別手段を排除位置に設定するとともに他の選別手段を待避位置に設定するように各選別手段を制御する制御手段と、を具備するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような物品検査装置は、検査手段(以下、「検査器」という)による検査結果の一覧を表示装置に表示させることによって、物品の検査状態を監視させることができる。複数の検査器による検査結果を一覧で表示装置に表示させると、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係が把握しにくいことがある。具体的には、このような物品検査装置においてはその多くが、表示装置の表示は1~6番目の番号順の並びで固定される一方(搬送レーンが6列の場合)、実際の搬送レーンの並び順はバラバラとなる。これは、各搬送レーンの各秤には不変の番号1~6があらかじめ付与されており、運用開始当初は番号順配置となっているものの、運用態様やメンテナンス等により搬送レーンの場所の入れ替えが発生してしまうためである。
【0005】
複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係は、例えば、特定の検査器に基準物体を検査させるなど、検査器に物理的に干渉すれば把握することができる。しかしながら、物品検査装置の設置場所や物品検査装置の稼働状況などによっては、検査器に物理的に干渉することが困難な場合がある。
【0006】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、検査器に物理的に干渉することなく、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる物品検査装置及び物品選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の物品検査装置は、別個独立して搬送されてきた複数の物品を検査する複数の検査器(12)と、前記複数の検査器を制御する制御ユニット(21)と、表示装置(22)と、入力装置(23)と、前記各検査器に対応して設けられた発光体(16)と、を備え、前記制御ユニットは、前記検査器の検査結果を表す検査結果画像(30)を前記検査器毎に前記表示装置に表示させ、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体と、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体との違いが視認できるように、前記各検査器に対応して設けられた前記発光体の発光態様を制御するように構成されている。
【0008】
この構成により、本発明の物品検査装置は、複数の検査器の検査結果を表す検査結果画像のなかで、入力装置によって選択された検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体と、入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体との違いが視認できるように、各検査器に対応して設けられた発光体の発光態様を制御するため、検査器に物理的に干渉することなく、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる。
【0009】
なお、本発明の物品検査装置において、前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を発光させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を消灯させるように構成してもよい。
【0010】
この構成により、本発明の物品検査装置は、入力装置によって選択された検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体と、入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体との違いが視認できるように、各検査器に対応して設けられた発光体の発光態様を制御することができる。
【0011】
また、本発明の物品検査装置において、前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を消灯させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を発光させるように構成してもよい。
【0012】
この構成により、本発明の物品検査装置は、入力装置によって選択された検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体と、入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体との違いが視認できるように、各検査器に対応して設けられた発光体の発光態様を制御することができる。
【0013】
また、本発明の物品検査装置において、前記制御ユニットは、前記入力装置によって選択された検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を第1発光色で発光させ、前記入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する前記検査器に対応して設けられた前記発光体を前記第1発光色と異なる第2発光色で発光させるように構成してもよい。
【0014】
この構成により、本発明の物品検査装置は、入力装置によって選択された検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体と、入力装置によって選択されなかった検査結果画像に対応する検査器に対応して設けられた発光体との違いが視認できるように、各検査器に対応して設けられた発光体の発光態様を制御することができる。
【0015】
また、本発明の物品検査装置において、前記検査器は、物品の重量を測定する計量装置によって構成されていてもよい。
【0016】
この構成により、本発明の物品検査装置は、計量装置に物理的に干渉することなく、複数の計量装置と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる。
【0017】
本発明の物品選別装置は、上記物品検査装置を備え、前記物品検査装置によって検査された物品を前記物品検査装置の検査結果に応じて選別するように構成されている。
【0018】
この構成により、本発明の物品選別装置は、検査器に物理的に干渉することなく、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、検査器に物理的に干渉することなく、複数の検査器と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる物品検査装置及び物品選別装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の制御ブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示される監視画面の表示例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示される封印設定画面の表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示される全ライン封印設定画面の表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示される個別ライン封印設定画面の表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示されるライン選択画面の表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態に係る物品選別装置の表示装置に表示される本体コンベア速度上限値登録画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、本発明に係る物品検査装置を物品選別装置に適用した例について説明する。
【0022】
図1に示すように、物品選別装置1は、支持台2と、支持台2の上部に設けられた搬送装置3と、搬送装置3の搬送方向に開口し、搬送装置3の上面及び側方を覆うカバー5とを有する。
図1において、物品選別装置1は、カバー5の図中前面側の側面が除かれた状態で示されている。
【0023】
図2に示すように、搬送装置3は、搬送方向に並列に設けられた複数連の搬送ユニット4a~4fを有する。
図2において、物品選別装置1は、カバー5が除かれた状態で示されている。
【0024】
本実施の形態では、物品選別装置1に6基の搬送ユニットが設けられているものとして説明するが、本発明における物品選別装置は、2基以上の搬送ユニットが設けられていればよい。以下、各搬送ユニット4a~4fを総称して「搬送ユニット4」ともいう。
【0025】
搬送ユニット4は、物品選別装置1の外部に設置された図示しない充填機から供給された物品を受け入れて挙動を安定させる助走部10aと、助走部10aから搬送された物品の重量が測定される測定部10bと、測定部10bから搬送された物品を選別する選別部10cとを有する。助走部10a、測定部10b及び選別部10cは、物品をベルトに載せて搬送するベルトコンベアによってそれぞれ構成されている。
【0026】
図1において、搬送ユニット4は、助走部10a、測定部10b及び選別部10cを構成するベルトコンベアをそれぞれ駆動させるモータ11a~11cを有する。搬送ユニット4には、測定部10bによって搬送されている物品の重量を測定する計量装置12と、計量装置12に対応して発光体16とが設けられている。
【0027】
本実施の形態において、計量装置12は、本発明における検査器を構成し、電磁力平衡方式の秤によって構成されている。計量装置12は、測定結果に応じた重量測定信号を出力する。なお、計量装置12は、電気抵抗線式の秤によって構成してもよい。
【0028】
発光体16は、物品選別装置1の外部から視認できる位置に設けられている(
図2及び
図3参照)。本実施の形態において、発光体16は、LED(Light Emitting Diode)によって構成されている。
【0029】
選別部10cは、測定部10b側の端部を中心に、水平状態(図中、符号13aで示す位置)から下方に傾斜した下方傾斜状態(図中、符号13bで示す位置)との間で揺動可能に設けられている。
【0030】
図3に示すように、選別部10cには、選別部10cを揺動させるアクチュエータ14が設けられている。アクチュエータ14は、選別部10cを水平状態と下方傾斜状態との間で選別部10cの状態を切り替える。
【0031】
図1及び
図3において、助走部10aと測定部10bとの間の上方に当たるカバー5の内面には、助走部10aから測定部10bに搬送される物品を検出するセンサ15が設けられている。
【0032】
図4に示すように、物品選別装置1は、各搬送ユニット4a~4fに設けられた制御用基板20a~20fと、制御用基板20a~20fを制御する制御ユニット21とを有する。以下、各制御用基板20a~20fを総称して「制御用基板20」ともいう。
【0033】
制御用基板20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、登録商標)と、入出力ポートと、通信ポートとを有する。制御用基板20のCPUは、ROM又はEEPROMに格納されたプログラムを実行することにより機能する。
【0034】
制御用基板20の入出力ポートには、モータ11a~11c、計量装置12、アクチュエータ14及びセンサ15が接続されている。なお、
図4においては、制御用基板20aの入出力ポートにモータ11a~11c、計量装置12、アクチュエータ14及びセンサ15が接続されていることが示されているが、制御用基板20b~20fの入出力ポートにも、それぞれ対応するモータ11a~11c、計量装置12、アクチュエータ14及びセンサ15が制御用基板20aの入出力ポートと同様に接続されている。
【0035】
制御用基板20は、測定部10bによって搬送されている物品の重量が規定範囲内であるか否かに応じて、物品の搬送先を切り替えるようにアクチュエータ14を制御する。具体的には、制御用基板20は、センサ15によって物品が検出されてから設定時間が経過したときに、計量装置12から出力されている重量測定信号に応じた重量データに基づいて、測定部10bによって搬送されている物品の重量が規定範囲内であるか否かを判定する。
【0036】
制御用基板20のEEPROMには、測定部10bの搬送速度に対する秤量部速度係数及び計量装置12の感度校正データなど計量装置12に関するラインパラメータが格納されている。制御用基板20は、EEPROMに格納されたラインパラメータに基づいて設定時間を決定する。
【0037】
制御用基板20は、測定部10bによって搬送されている物品の重量が規定範囲内であると判定した場合には、アクチュエータ14を制御することにより、該当する搬送ユニット4の選別部10cを水平状態にする。
【0038】
制御用基板20は、測定部10bによって搬送されている物品の重量が規定範囲内でないと判定した場合には、アクチュエータ14を制御することにより、該当する搬送ユニット4の選別部10cを下方傾斜状態にする。
【0039】
これにより、重量が規定範囲内の物品は、選別部10cから水平方向に搬送され、重量が規定範囲外の物品は、選別部10cから下方向に搬送される。なお、制御用基板20は、重量が規定範囲内の物品を選別部10cから下方向に搬送し、重量が規定範囲外の物品を選別部10cから水平方向に搬送するようにアクチュエータ14を制御するようにしてもよい。
【0040】
制御ユニット21は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、ハードディスク装置と、入出力ポートと、通信ポートとを有するコンピュータユニットによって構成されている。このコンピュータユニットのROM及びハードディスク装置には、コンピュータユニットを制御ユニット21として機能させるためのプログラムが格納されている。
【0041】
すなわち、CPUがROM及びハードディスク装置に格納されたプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込んだプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御ユニット21として機能する。
【0042】
制御ユニット21の入出力ポートには、表示装置22と入力装置23とが接続されている。本実施の形態において、表示装置22と入力装置23とは、タッチパネルユニット24によって一体に構成されている。本実施の形態において、タッチパネルユニット24は、カバー5の上面に設けられている(
図1参照)。
【0043】
制御ユニット21と各制御用基板20とは、通信ポートを介して接続されている。制御ユニット21は、通信ポートを介して各制御用基板20を制御する。例えば、制御ユニット21は、各制御用基板20に接続された計量装置12の感度を一括又は個別に校正することができる。
【0044】
制御ユニット21のハードディスク装置には、使用計量範囲上下限値及び本体コンベア速度上限値など使用範囲に関する使用範囲パラメータと、目量、小数点位置など質量表示に関わる表示パラメータと、オートゼロセット範囲などゼロセットに関わるゼロセットパラメータと、測定部10bのコンベア長など計量装置12に関する各搬送ユニット4共通の計量パラメータとを含む装置パラメータが格納されている。
【0045】
また、制御ユニット21のハードディスク装置には、各制御用基板20のEEPROMに格納されたラインパラメータも格納されている。制御ユニット21は、物品選別装置1の電源投入時に各制御用基板20のEEPROMに格納されたラインパラメータを読み出し、制御用基板20毎(すなわち、計量装置12毎)にラインパラメータをハードディスク装置に格納する。
【0046】
制御ユニット21は、ラインパラメータを制御用基板20単位で変更することができる。ラインパラメータを変更した場合には、制御ユニット21は、制御ユニット21のハードディスク装置に格納されたラインパラメータと、該当する制御用基板20のEEPROMに格納されたラインパラメータとを更新する。
【0047】
各制御用基板20から制御ユニット21には、計量装置12による物品の測定結果、及び、物品の重量が規定範囲内であるか否かの判定結果などを表す情報が送信される。制御ユニット21は、各制御用基板20から受信した情報に基づいて、監視画面を表示装置22に表示させる。
【0048】
図5に示すように、制御ユニット21は、計量装置12による物品の測定結果、及び、物品の重量が規定範囲内であるか否かの判定結果を表す検査結果画像30を計量装置12毎に監視画面に表示させる。
【0049】
入力装置23によって検査結果画像30が選択(例えば、タップ)されると、制御ユニット21は、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16と、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16との違いが視認できるように、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御する。
【0050】
各計量装置12に対応して設けられた発光体16は、制御ユニット21によって制御されていない状態では、消灯していてもよいし、発光していてもよい。制御ユニット21は、入力装置23によって検査結果画像30が選択されている期間にわたって、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御する。
【0051】
なお、制御ユニット21は、入力装置23によって検査結果画像30が選択されてから一定時間(例えば、30秒)にわたって、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御するようにしてもよい。
【0052】
また、制御ユニット21は、入力装置23によって検査結果画像30が選択されてから、入力装置23によって選択された検査結果画像30が再度選択されるまで、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御するようにしてもよい。
【0053】
本実施の形態において、制御ユニット21は、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を発光又は点滅させ、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を消灯させる。
【0054】
なお、制御ユニット21は、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を消灯又は点滅させ、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を発光させるようにしてもよい。
【0055】
また、各発光体16をフルカラーLEDによって構成し、制御ユニット21は、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を第1発光色(例えば、赤色)で発光又は点滅させ、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を第1発光色とは異なる第2発光色(例えば、青色)で発光させるようにしてもよい。
【0056】
物品選別装置1は、測定した質量を取引又は証明に用いる場合、特定計量器として計量法に規定される構造または器差の技術基準に適合しているかを判断するための検定に合格する必要がある。また、物品選別装置1は、複数の計量装置12を有するため、各計量装置12に対して検定が行われる。
【0057】
複数の計量装置12のうち一部の計量装置12に不具合が生じた場合には、不具合が生じた計量装置12の調整や交換が行われて、検定に合格するまで、物品選別装置1が使用できなくなってしまう。
【0058】
このため、物品選別装置1は、各計量装置12に対して、検定を個別に独立して行うことが可能に構成されている。具体的には、制御ユニット21は、各計量装置12に対して、検定に合格していない未検定状態と、検定に合格している検定済状態とのいずれかの検定状態を個別に独立して設定することができるように構成されている。
【0059】
制御ユニット21は、物品選別装置1の検定状態と、各計量装置12の検定状態とをハードディスク装置に格納する。また、各制御用基板20は、該当する計量装置12の検定状態をEEPROMに格納する。
【0060】
例えば、搬送ユニット4aに設けられた計量装置12に不具合が生じた場合、搬送ユニット4aに設けられた計量装置12の検定状態が未検定状態に設定され、物品選別装置1の検定状態と、搬送ユニット4b~4fに設けられた各計量装置12の検定状態は、検定済状態に維持される。したがって、搬送ユニット4aに設けられた計量装置12を使用しない限り、物品選別装置1は、使用することができる。
【0061】
物品選別装置1の電源投入時には、制御ユニット21は、物品選別装置1の電源投入時に各制御用基板20のEEPROMに格納された検定状態を読み出し、制御用基板20毎(すなわち、計量装置12毎)にハードディスク装置に格納された検定状態を更新する。
【0062】
物品選別装置1が検定済状態の場合、装置パラメータの変更、各制御用基板20に接続された計量装置12の感度を一括又は個別に校正する機能の実行、検定状態のログを表す来歴のクリア、及び、全ての制御用基板20のラインパラメータの変更が禁止される。
【0063】
一方、物品選別装置1が未検定状態の場合、装置パラメータの変更、各制御用基板20に接続された計量装置12の感度を一括又は個別に校正する機能の実行、検定状態のログを表す来歴のクリア、及び、全ての制御用基板20のラインパラメータの変更が許可される。
【0064】
計量装置12が検定済状態の場合、計量装置12の感度を校正する機能の実行、及び、該当する制御用基板20のラインパラメータの変更が禁止される。一方、計量装置12が未検定状態の場合、計量装置12の感度を校正する機能の実行、及び、該当する制御用基板20のラインパラメータの変更が許可される。
【0065】
このように、物品選別装置1又は計量装置12が検定済状態の場合、すなわち、物品選別装置1が通常に使用されている状態では、検定済状態に設定されている物品選別装置1又は計量装置12の調整に関する処理が禁止される。このため、以下の説明において、「検定済状態」にすることを「封印」ともいう。
【0066】
一方、物品選別装置1又は計量装置12が未検定状態の場合、すなわち、物品選別装置1又は計量装置12の一部が使用できない状態では、物品選別装置1又は使用できない計量装置12の調整に関する処理が許可される。このため、以下の説明において、「非検定済状態」にすることを「封印」の「解除」ともいう。
【0067】
図5において、制御ユニット21は、複数の搬送ユニット4a~4fにそれぞれ設けられた計量装置12のなかで未検定状態に設定された、すなわち、封印が解除された計量装置12がある場合には、警告画像を監視画面の少なくとも一部に表示させる。本実施の形態において、制御ユニット21は、監視画面に常に表示されている「?」マークのアイコン31を点滅させて警告画像として表示させる。
【0068】
このように、警告画像を監視画面の少なくとも一部に表示させることにより、封印が解除された計量装置12が使用されている可能性があることを報知することができる。また、警告画像を監視画面の少なくとも一部に表示させることにより、物品選別装置1を保守する保守員が計量装置12を調整又は交換した後に、計量装置12を調整又は交換した計量装置12を封印することを忘れている場合に、封印することを忘れていることを報知することができる。
【0069】
以下、物品選別装置1又は計量装置12の封印及び封印の解除について、制御ユニット21によって表示装置22に表示される画面の表示例を参照しながら説明する。
【0070】
例えば、搬送ユニット4に設けられた計量装置12に不具合が生じた場合、保守員によって物品選別装置1又は計量装置12の封印の解除が行われる。制御ユニット21は、監視画面から移行可能な認証画面を表示装置22に表示させることにより、保守員を認証する。
【0071】
本実施の形態において、認証は、パスワード認証によって行われる。なお、認証は、ICタグ、二次元バーコード認証、指紋認証、顔認証、虹彩認証、又は、これらの組み合せによって行うようにしてもよい。
【0072】
認証が完了すると、制御ユニット21は、
図6に示すような封印設定画面を表示装置22に表示させる。封印設定画面では、物品選別装置1(以下、「全ライン」ともいう)の封印/解除と、計量装置12(以下、「ライン」ともいう)を選択して封印/解除との何れかを選択することができる。
【0073】
封印設定画面において、全ラインの封印/解除が選択されると、制御ユニット21は、
図7に示すような全ライン封印設定画面を表示装置22に表示させる。全ライン封印設定画面は、全ラインを封印するか、全ラインの封印を解除するかを選択することができる。
【0074】
全ライン封印設定画面において、全ラインの封印の解除が選択されると、制御ユニット21は、全ラインの封印を解除する。すなわち、制御ユニット21は、物品選別装置1及び全ての計量装置12の封印が解除される。
【0075】
全ライン封印設定画面において、全ラインの封印が選択されると、制御ユニット21は、全ラインを封印する。すなわち、制御ユニット21は、物品選別装置1及び全ての計量装置12が封印される。
【0076】
図6に示した封印設定画面において、ラインを選択して封印/解除が選択されると、制御ユニット21は、
図8に示すような個別ライン封印設定画面を表示装置22に表示させる。個別ライン封印設定画面は、ラインを選択して封印するか、ラインを選択して封印を解除するかを選択することができる。
【0077】
個別ライン封印設定画面において、ラインを選択して封印及びラインを選択して封印の解除のいずれか選択されると、制御ユニット21は、
図9に示すようなライン選択画面を表示装置22に表示させる。
【0078】
ライン選択画面において、制御ユニット21は、ラインの選択肢を表す画像に対応させて、計量装置12の測定結果を表す画像をライン選択画面に表示させる。このように、ラインの選択肢を表す画像に対応させて、計量装置12の測定結果を表す画像をライン選択画面に表示させることによって、未検定状態又は検定済状態に設定する対象として選択しようとしているラインの計量装置12に、重量が既知の分銅などの基準物体の重量を計測させることで、選択しようとしているラインが誤っていないかを保守員に確認させることができる。
【0079】
なお、ライン選択画面において、計量装置12の測定結果を表す画像が入力装置23によって選択されると、監視画面(
図5参照)の検査結果画像30が入力装置23によって選択されたときと同様に、制御ユニット21は、入力装置23によって選択された画像に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16と、入力装置23によって選択されなかった画像に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16との違いが視認できるように、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御するようにしてもよい。
【0080】
このように構成することにより、計量装置12に物理的に干渉することなく、未検定状態又は検定済状態に設定する対象として選択しようとしているラインが誤っていないかを保守員に確認させることができる。
【0081】
ライン選択画面において、制御ユニット21は、ラインの選択肢を表す画像に対応させて、計量装置12の測定結果を表す画像をライン選択画面に表示させる。このように、ラインの選択肢を表す画像に対応させて、計量装置12の測定結果を表す画像をライン選択画面に表示させることによって、未検定状態又は検定済状態に設定する対象として選択しようとしているラインの計量装置12に、重量が既知の分銅などの基準物体の重量を計測させることで、選択しようとしているラインが誤っていないかを保守員に確認させることができる。
【0082】
ライン選択画面において、ラインが選択されると、制御ユニット21は、
図8に示した個別ライン封印設定画面における選択結果に応じて、
図9に示したライン選択画面で選択されたラインを封印、又は、選択されたラインの封印を解除する。すなわち、制御ユニット21は、選択された計量装置12を封印、又は、選択されたラインの封印を解除する。
【0083】
物品選別装置1又は計量装置12の封印が解除されている期間に、封印が解除されている計量装置12の調整や交換が行われる。例えば、物品選別装置1の封印が解除されている期間には、装置パラメータの変更、各制御用基板20に接続された計量装置12の感度を一括又は個別に校正する機能の実行、検定状態のログを表す来歴のクリア、及び、全ての制御用基板20のラインパラメータの変更が許可される。また、計量装置12の封印が解除されている期間には、計量装置12の感度を校正する機能の実行、及び、該当する制御用基板20のラインパラメータの変更が許可される。
【0084】
例えば、物品選別装置1の封印が解除されている期間には、制御ユニット21は、
図10に示すような本体コンベア速度上限値を設定する本体コンベア速度上限値登録画面などのように、装置パラメータを変更する画面を表示装置22に表示させることを許可する。
【0085】
物品選別装置1又は計量装置12が封印された後、検定員によって封印が解除されていた計量装置12の検定が行われ、検定に合格しなかった計量装置12があった場合には、保守員によって、検定に合格しなかった計量装置12の封印が解除され、封印が解除されている計量装置12の調整や交換が行われて再度封印される。
【0086】
なお、物品選別装置1は、物品選別装置1を含む複数の検査装置を一元管理するホストコンピュータに接続可能である。物品選別装置1は、ホストコンピュータからの指示に応じて、物品選別装置1又は計量装置12の封印、物品選別装置1又は計量装置12の封印の解除、装置パラメータの変更、及び、ラインパラメータの変更などを実行するようにしてもよい。
【0087】
以上に説明したように、本実施の形態は、複数の計量装置12の測定結果を表す検査結果画像30のなかで、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16と、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16との違いが視認できるように、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御するため、計量装置12に物理的に干渉することなく、複数の計量装置12と表示装置に一覧で表示された検査結果との対応関係を把握させることができる。
【0088】
また、本実施の形態は、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を発光させ、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16を消灯させるため、入力装置23によって選択された検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16と、入力装置23によって選択されなかった検査結果画像30に対応する計量装置12に対応して設けられた発光体16との違いが視認できるように、各計量装置12に対応して設けられた発光体16の発光態様を制御することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が特許請求の範囲に記載された請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0090】
1 物品選別装置
12 計量装置(検査器)
16 発光体
21 制御ユニット
22 表示装置
23 入力装置
30 検査結果画像