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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024071955
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】駐車支援装置及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240520BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240520BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182497
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 彩乃
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241DC25Z
3D241DC35Z
3D241DD11Z
(57)【要約】
【課題】駐車スペースの探索時間を短縮し、自車両から近い場所に駐車することで駐車完了までの所要時間を短縮する駐車支援装置及び駐車支援方法を提供する。
【解決手段】駐車支援装置100は、自車両1の周囲の状況を画像により取得する状況取得部131と、状況取得部131が取得した画像に基づいて自車両1の周囲にすでに駐車している他車両2を検出する他車両検出部132と、他車両検出部132が検出した他車両2が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定部136と、移動判定部136が移動すると判定した他車両2が駐車している場所を、自車両1が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定部138と、自車両1が、駐車スペース設定部138が設定した駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成部140と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲の状況を画像により取得する状況取得部と、
前記状況取得部が取得した前記画像に基づいて、前記自車両の周囲に、すでに駐車している他車両を検出する他車両検出部と、
前記他車両検出部が検出した前記他車両が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定部と、
前記移動判定部が移動すると判定した前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定部と、
前記自車両が、前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成部と、
を備える駐車支援装置。
【請求項2】
前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースを表示部に表示する表示制御部と、
前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースに、前記自車両を駐車するか否かの指示を入力する入力部と、を備え、
前記制御情報生成部は、前記駐車スペースに前記自車両を駐車するとの指示を前記入力部が入力すると、前記制御情報を生成する、請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記状況取得部が取得した前記画像に基づいて前記自車両の前方に駐車スペースがあるか否かを判定する駐車スペース判定部を備え、
前記駐車スペース設定部は、前記駐車スペース判定部が、前記自車両の前方に駐車スペースがないと判定した場合に、前記移動判定部が移動すると判定した前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する、請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記移動判定部は、前記他車両の移動量と、前記自車両の進行方向に対する前記他車両の向きと、前記他車両のウィンカーの動作状況と、の少なくとも1つに基づいて、前記他車両が駐車スペースから移動するか否かを判定する、請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項5】
自車両の周囲の状況を画像により取得する状況取得ステップと、
取得された前記画像に基づいて前記自車両の周囲に、すでに駐車している他車両を検出する他車両検出ステップと、
検出された前記他車両が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定ステップと、
移動すると判定された前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定ステップと、
前記自車両が設定された前記駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
を含む駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の駐車支援に関する技術が開示されている。
特許文献1は、少なくとも2つの車輪と、前記少なくとも2つの車輪に結合され、前記少なくとも2つの車輪によって所定の方向に移動可能な車体と、を備え、他車両の位置情報を含む他車両情報を、路車間通信または車々間通信によって受信し、前記他車両情報および駐車場の位置情報に基づいて、前記駐車場に駐車中の前記他車両の出庫可能性を予測し、出庫可能性有と予測した場合、出庫予定の前記他車両有りおよび該他車両の駐車区画を含む出力情報を出力する、車両を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-131768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駐車スペースから移動しようとする他車両を出力したとしても、この移動しようとする他車両と、自車両と、が離れている場合、自車両が移動しようとしている他車両が駐車していた駐車スペースに到着したときには、自車両と同様に情報を取得した自車両ではない第3者の車両が先に駐車されてしまう可能性があり、せっかく空くと予測された駐車スペースに行っても駐車することができないことがあった。このため、再度駐車スペースを探索するという手間が生じ、駐車完了までに時間がかかるという課題があった。
本発明は、駐車スペースの探索時間を短縮し、自車両から近い場所に駐車することで駐車完了までの所要時間を短縮する駐車支援装置及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、自車両の周囲の状況を画像により取得する状況取得部と、前記状況取得部が取得した前記画像に基づいて、前記自車両の周囲にすでに駐車している他車両を検出する他車両検出部と、前記他車両検出部が検出した前記他車両が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定部と、前記移動判定部が移動すると判定した前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定部と、前記自車両が、前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成部と、を備える駐車支援装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、駐車スペースの探索時間を短縮し、自車両から近い場所に駐車することで駐車完了までの所要時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】駐車支援装置を含む車載装置の構成の一例を示す図である。
図2】複数の他車両が縦列駐車した状態を示す図である。
図3】複数の他車両が並列駐車した状態を示す図である。
図4】複数の他車両が斜め駐車した状態を示す図である。
図5】移動判定について説明するための図である。
図6】表示パネルに表示される案内表示の一例を示す図である。
図7】サイズ取得部、距離検出部及びスペース判定部の処理の一例を示す平面図である。
図8】経路生成部の処理の一例を示す平面図である。
図9】スペース判定部の処理の他の一例を示す平面図である。
図10】駐車支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図11】駐車スペース検索処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.駐車支援装置の構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、駐車支援装置100を含む車載装置10の構成の一例を示す図である。
以下では、駐車支援装置100を搭載した車両を自車両1と表記する。また、自車両1以外の車両を他車両2と表記する。
車載装置10は、検出部30、表示部40、操作部50、スピーカ60、車両制御装置70、駆動装置80及び駐車支援装置100を備える。
【0009】
検出部30は、自車両1の周囲の他車両2を検出する1個又は複数個のセンサを備える。本実施形態の検出部30は、センサとして、カメラユニット30A及びLiDAR(Light Detection And Ranging)35を備える。検出部30は、カメラユニット30Aの撮像画像や、LiDAR35のセンサ値を検出情報として駐車支援装置100に出力する。
本実施形態では、検出部30がカメラユニット30A及びLiDAR35を備える場合について説明するが、検出部30が備えるセンサは、カメラユニット30A及びLiDAR35に限定されない。例えば、電波や光等を利用して他車両2との間の距離を測定可能なレーダーやソナーセンサを検出部30が備えてもよい。
【0010】
カメラユニット30Aは、自車両1の前方を撮像するフロントカメラ31、自車両1の後方を撮像するリアカメラ32、自車両1の左側方を撮像する左サイドカメラ33、及び自車両1の右側方を撮像する右サイドカメラ34を備える。これらのカメラの各々は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサから撮像画像を生成するデータ処理回路とを備える。
【0011】
フロントカメラ31は、自車両1の周囲に駐車された複数の他車両2の撮像画像を生成する。そして、駐車支援装置100が撮像画像から複数の他車両2を検出し、自車両1から複数の他車両2の各々までの距離Lを検出する。
また、右サイドカメラ34は、駐車支援装置100が検出した自車両1を駐車可能なスペースに配置された障害物の撮像画像を生成する。
【0012】
本実施形態では、フロントカメラ31が、自車両1の周囲に駐車された複数の他車両2の撮像画像を生成し、駐車支援装置100が撮像画像から複数の他車両2を検出し、自車両1から複数の他車両2の各々までの距離を検出する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、LiDAR35が、複数の他車両2の各々までの距離を検出してもよい。
【0013】
LiDAR35は、自車両1の前方、後方、左側方及び右側方等の複数箇所にLiDARを備え、電磁波を用いて複数の他車両2、障害物等までの距離を検出する。
【0014】
表示部40は、表示パネル41と、タッチセンサ43と、を備える。
表示パネル41には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。表示部40は、駐車支援装置100から入力される表示データに基づく表示画像を表示パネル41に表示する。
タッチセンサ43は、抵抗膜方式や静電容量方式等のセンサが用いられる。表示部40は、表示パネル41に対するユーザの指でのタッチ操作を、タッチセンサ43によって検出し、検出したタッチ操作の操作位置を示す位置信号を生成する。表示部40は、生成した位置信号を駐車支援装置100に出力する。
【0015】
操作部50は、自車両1に乗車したユーザの操作を受け付ける。ユーザは、例えば、運転者である。操作部50は、受け付けた操作に対応した操作信号を駐車支援装置100に出力する。操作部50が受け付ける操作には、例えば、駐車支援処理の開始を指示する操作や、駐車支援処理を終了する操作等が含まれる。
操作部50は、例えば、図略の駐車支援オンスイッチ、及び図略の駐車支援オフスイッチを備え、駐車支援オンスイッチが押下された場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理の開始を指示する操作を受け付ける。また、駐車支援処理を実行中に、駐車支援オフスイッチが押下された場合には、駐車支援装置100は、駐車支援処理を終了する操作を受け付ける。
なお、「駐車支援処理」とは、駐車支援装置100が、複数の他車両2の間に自車両1を駐車可能なスペースSPを検出し、駐車可能なスペースSPに向けて自車両1が走行し、駐車可能なスペースSPに自車両1が停止する処理を示す。
【0016】
スピーカ60は、駐車支援装置100から入力される音声を外部に出力する。
【0017】
車両制御装置70は、自車両1に搭載された駆動装置80を制御する。駆動装置80には、操舵装置81、動力装置83、制動装置85及び変速装置87が含まれる。
車両制御装置70は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータを備える。また、車両制御装置70は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して、操舵装置81、動力装置83、制動装置85及び変速装置87と通信可能に接続される。
また、車両制御装置70は、駐車支援装置100から入力される制御情報に従って、操舵装置81、動力装置83、制動装置85及び変速装置87を制御する。その結果、例えば、自車両1が駐車可能なスペースSPに向けて走行する。
駐車可能なスペースSPは、複数の他車両2の間の駐車可能なスペースSPであって、駐車支援装置100によって検出される。
【0018】
操舵装置81は、自車両1の操舵輪の操舵角を調整するアクチュエータを含み、自車両1を操舵する装置である。
動力装置83は、自車両1の駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含み、自車両1を駆動する装置である。このアクチュエータには、自車両1の動力源がエンジンである場合にはスロットルアクチュエータが対応し、自車両1の動力源がモータである場合には当該モータが対応する。
制動装置85は、自車両1の車輪へ付与する制動力を調整するアクチュエータを含み、自車両1を制動する装置である。このアクチュエータは、駐車支援装置100からの制御情報に基づいて、自車両1に設けられたブレーキシステムを制御する。
変速装置87は、変速機及びアクチュエータを含み、変速機の変速比等を切り換える装置である。変速装置87は、アクチュエータが駆動して変速機のシフト位置を調整することによって、変速機の変速比や、自車両1の前進及び後進を切り換える。
【0019】
駐車支援装置100は、入出力I/F110、記憶部120、プロセッサ130を備えるECU等のコンピュータである。
【0020】
入出力I/F110は、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路である。入出力I/F110は、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路としても機能する。入出力I/F110は、入力部に相当する。
【0021】
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを備える。また、記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置を備える。
記憶部120は、制御プログラム121、学習済モデル123及び車両データベース125を記憶する。以下、データベースをDBと略記する。学習済モデル123及び車両DB125の詳細については後述する。
【0022】
プロセッサ130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)等の演算処理装置である。プロセッサ130は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサ130は、記憶部120の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System on a chip)により構成してもよい。また、プロセッサ130は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサ130の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0023】
駐車支援装置100は、状況取得部131、他車両検出部132、サイズ取得部133、距離検出部134、駐車スペース判定部135、移動判定部136、表示制御部137、駐車スペース設定部138、経路生成部139及び制御情報生成部140を備える。
具体的には、プロセッサ130が、記憶部120が記憶する制御プログラム121を実行することによって、状況取得部131、他車両検出部132、サイズ取得部133、距離検出部134、駐車スペース判定部135、移動判定部136、表示制御部137、駐車スペース設定部138、経路生成部139及び制御情報生成部140として機能する。
【0024】
状況取得部131は、検出部30からの情報を取得する。カメラユニット30Aは、撮像画像を生成し、生成した撮像画像を駐車支援装置100に出力する。記憶部120は、カメラユニット30Aから入力される撮像画像を一時的に記憶する。
【0025】
他車両検出部132は、記憶部120からフロントカメラ31の撮像画像を取得し、撮像画像を解析して自車両1の周囲にすでに駐車している複数の他車両2を検出する。
【0026】
サイズ取得部133は、撮像画像から複数の他車両2の各々のサイズ125Bを求める。具体的には、サイズ取得部133は、撮像画像から複数の他車両2の各々の車種125Aを求め、複数の他車両2の各々の車種125Aから複数の他車両2の各々のサイズ125Bを求める。
【0027】
例えば、記憶部120は、複数の他車両2の各々の撮像画像が入力され、複数の他車両2の各々の車種125Aが出力される学習済モデル123を記憶する。サイズ取得部133は、撮像画像から複数の他車両2の各々の撮像画像を抽出し、複数の他車両2の各々の撮像画像を、学習済モデル123に入力することによって、複数の他車両2の各々の車種125Aを求める。また、サイズ取得部133は、複数の他車両2の各々の車種125Aから複数の他車両2の各々のサイズ125Bを求める。
【0028】
学習済モデル123は、例えば、Deep Learning等の機械学習によって、学習されたモデルである。学習済モデル123は、いわゆる、ニューラルネットワークで構成される。学習済モデル123は、車両2の種々の画像と、車両2の車種125Aとを対応付けた入力データセットを用いて、教師あり学習される。車両2の車種125Aは、教師あり学習におけるラベルに対応する。
【0029】
例えば、記憶部120は、車種125Aとサイズ125Bとを対応付けて記憶する車両DBを備える。サイズ取得部133は、学習済モデル123から出力された車種125Aに対応する車両2のサイズ125Bを、車両DBから読み出すことによって求める。
【0030】
本実施形態では、記憶部120が車両DBを備える場合について説明するが、これに限定されない。例えば、駐車支援装置100と通信可能に接続されるサーバ装置が車両DBを備えてもよい。この場合には、サイズ取得部133は、サーバ装置に車種125Aを送信する。そして、サーバ装置は、車両DBから、車種125Aに対応する車両2のサイズ125Bを読み出す。サイズ取得部133は、サーバ装置からサイズ125Bを取得する。
【0031】
距離検出部134は、撮像画像に基づき、自車両1から複数の他車両2の各々までの距離Lを検出する。
距離検出部134については、図7を参照して更に説明する。
【0032】
駐車スペース判定部135は、複数の他車両2の各々までの距離Lと、複数の他車両2の各々のサイズ125Bと、を用いて、複数の他車両2の間に、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを判定する。
例えば、駐車スペース判定部135は、自車両1から複数の他車両2の各々の後端まで距離と、複数の他車両2の各々のサイズと、を用いて、自車両1から複数の他車両2の各々の前端までの距離を求める。そして、駐車スペース判定部135は、自車両1から複数の他車両2の各々の後端までの距離と、自車両1から複数の他車両2の各々の前端までの距離と、を用いて、複数の他車両2の間に、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを判定する。
駐車スペース判定部135については、図7を参照して更に説明する。
【0033】
次に、移動判定部136の処理について説明する。
移動判定部136は、他車両検出部132が検出した他車両2が、駐車スペースから移動するか否かを判定する。
まず、移動判定部136は、駐車スペースに駐車した複数の他車両2を検出すると、これら複数の他車両2の駐車種別を判定する。
【0034】
図2は、複数の他車両2が縦列駐車した状態を示す図である。図3は、複数の他車両2が並列駐車した状態を示す図である。図4は、複数の他車両2が斜め駐車した状態を示す図である。
移動判定部136は、フロントカメラ31の撮像画像から他車両2の駐車種別を判定する。駐車種別には、縦列駐車、並列駐車、及び斜め駐車が含まれる。
縦列駐車は、複数の他車両2が、複数の他車両2の車長方向に沿って駐車する駐車態様である。
並列駐車は、複数の他車両2が他車両2の車幅方向に並ぶ駐車形態である。
斜め駐車とは、自車両1が走行する通路に対して斜めに設けられた駐車スペースに駐車する駐車態様である。
【0035】
移動判定部136は、図2に示すように、自車両1の進行方向又は車長方向と、駐車スペースに駐車した他車両2の車長方向とのなす角度が、平行又は略並行である場合、他車両2の駐車種別は縦列駐車であると判定する。
【0036】
また、移動判定部136は、図3に示すように、自車両1の進行方向又は車長方向と、駐車スペースに駐車した他車両2の車長方向とのなす角度が、90度又は略90度である場合、他車両2の駐車種別は並列駐車であると判定する。この他に、移動判定部136は、フロントカメラ31の撮像画像から、路面に形成された白線200を検出し、検出した白線200の延伸方向に基づいて駐車種別を判定してもよい。移動判定部136は、白線200の延伸方向と、自車両1の進行方向又は車長方向とのなす角度が90度又は略90度である場合、駐車種別は並列駐車であると判定してもよい。
【0037】
また、移動判定部136は、図4に示すように、自車両1の進行方向又は車長方向と、駐車スペースに駐車した他車両2の車長方向とのなす角度が、例えば、30度以上、60度以下等の予め設定された範囲内の角度である場合、他車両2の駐車種別は斜め駐車であると判定する。また、移動判定部136は、駐車種別が斜め駐車の場合も、フロントカメラ31の撮像画像から検出する白線200の延伸方向と、自車両1の車長方向とに基づいて駐車種別を判定してもよい。
【0038】
次に、移動判定部136は、駐車している他車両2が駐車スペースから移動するか否かを判定する。
移動判定部136は、自車両1及び他車両2の進行方向のなす角度と、他車両2の移動量と、ウィンカーの動作状況と、に基づき、他車両2が駐車スペースから移動するか否かを判定する。
移動判定部136は、自車両1及び他車両2の進行方向のなす角度を方位スコアとして算出する。
移動判定部136は、他車両2の移動量を移動量スコアとして算出する。
移動判定部136は、ウィンカーの動作状況を、ウィンカースコアとして算出する。
【0039】
駐車種別が縦列駐車の場合の方位スコアの算出方法について図2を参照しながら説明する。
他車両2が縦列駐車する場合、自車両1の進行方向又は車長方向と、他車両2の車長方向とは、平行又は略並行の状態となる。
この縦列駐車した他車両2が駐車スペースから移動する場合に、他車両2の進行方向をU2と仮定する。また、自車両1の進行方向又は車長方向をU1と仮定する。
他車両2が駐車状態から移動を開始すると、自車両1の進行方向又は車長方向U1と、他車両2の進行方向U2とのなす角度は、平行ではなくなり、自車両1の進行方向に対する他車両2の車長方向に角度θ1が生じる。
【0040】
移動判定部136は、まず、フロントカメラ31により撮像される複数の撮像画像から他車両2の進行方向U2を判定する。
次に、移動判定部136は、自車両1の進行方向U1と、他車両2の進行方向U2とのなす角度θ1を算出し、算出した角度θ1に、予め設定された重み係数W1を乗算した値を方位スコアとして算出する。
【0041】
次に、駐車種別が並列駐車の場合の方位スコアの算出方法について図3を参照しながら説明する。
他車両2が並列駐車する場合の他車両2の車長方向をU3と仮定する。また、並列駐車した他車両2が駐車スペースから移動する場合の他車両2の進行方向をU4と仮定する。
他車両2が駐車状態から移動を開始すると、並列駐車の状態での他車両2の車長方向U3と、他車両2の進行方向U4とのなす角度θ2は、他車両2が移動するにつれて大きくなる。
【0042】
移動判定部136は、まず、判定した駐車種別に基づき、駐車状態での他車両2の車長方向U3を設定する。駐車種別が並列駐車の場合、他車両2の車長方向U3は、自車両1の進行方向又は車長方向に対して90度又は略90度の方向に設定される。
次に、移動判定部136は、フロントカメラ31により撮像される複数の撮像画像から他車両2の進行方向U4を判定する。移動判定部136は、駐車状態での他車両2の車長方向U3と、判定した他車両2の進行方向U4とのなす角度θ2を算出し、算出した角度θ2に、予め設定された重み係数W1を乗算した値を方位スコアとして算出する。
【0043】
次に、駐車種別が斜め駐車の場合の方位スコアの算出方法について図4を参照しながら説明する。
他車両2が斜め駐車する場合の他車両2の車長方向をU5と仮定する。また、斜め駐車した他車両2が駐車スペースから移動する場合の他車両2の進行方向をU6と仮定する。
他車両2が駐車状態から移動を開始すると、斜め駐車の状態での他車両2の車長方向U5と、他車両2の進行方向U6とのなす角度θ3は、他車両2が移動するにつれて大きくなる。
【0044】
移動判定部136は、まず、判定した駐車種別に基づき、駐車状態での他車両2の車長方向U5を設定する。駐車種別が並列駐車の場合、他車両2の車長方向U5は、自車両1の進行方向又は車長方向に対して、例えば、30度以上、60度以下の所定角度に設定される。
次に、移動判定部136は、フロントカメラ31により撮像される複数の撮像画像から他車両2の進行方向U6を判定する。移動判定部136は、駐車状態での他車両2の車長方向U5と、判定した他車両2の進行方向U6とのなす角度θ3を算出し、算出した角度θ3に、予め設定された重み係数W1を乗算した値を方位スコアとして算出する。
【0045】
次に、移動量スコアについて説明する。
移動判定部136は、フロントカメラ31により撮像される複数の撮像画像から他車両2の移動量を算出する。
移動判定部136は、算出した移動量に、重み計数W2を乗算した値を移動量スコアとして算出する。
【0046】
次に、ウィンカースコアの算出方法について説明する。
移動判定部136は、フロントカメラ31により撮像される撮像画像から、他車両2のウィンカーが点滅しているか否かを判定する。
移動判定部136は、ウィンカーが点滅している場合、予め設定された点数R1に重み係数W3を乗算した値をウィンカースコアとして算出する。
また、移動判定部136は、ウィンカーが点滅していない場合、予め設定された点数R2に重み係数W3を乗算した値をウィンカースコアとして算出する。
【0047】
図5は、方位スコア、移動量スコア及びウィンカースコアを対象の他車両2ごとにまとめた表を示す。
移動判定部136は、図5に示すように、他車両2ごとに方位スコア、移動量スコア及びウィンカースコアを加算して合計値を算出する。図5には、対象の他車両2として他車両A、他車両B、他車両C、他車両D及び他車両Eの5台を示す。
移動判定部136は、算出した合計値が、予め設定された点数以上である場合、対象の他車両2は駐車スペースから移動すると判定する。また、移動判定部136は、算出した合計値が、予め設定された点数よりも小さい場合、対象の他車両2は駐車スペースから移動しないと判定する。例えば、予め設定された点数が70点である場合、図5に示す例では、移動判定部136は、他車両Cが駐車スペースから移動すると判定する。
【0048】
図6は、表示パネル41に表示される案内表示の一例を示す図である。
表示制御部137は、移動判定部136が、他車両2が移動すると判定した場所を検出すると、図6に示す案内表示を表示パネル41に表示する。
この案内表示には、他車両2の移動が完了するまで待機するか否かを運転者に問合せる案内と、YESボタン45及びNOボタン47とが表示される。
【0049】
駐車スペース設定部138は、駐車スペース判定部135が自車両1を駐車可能であると判定したスペースSPがある場合、このスペースSPを、駐車スペースに設定する。また、駐車スペース設定部138は、駐車スペース判定部135が自車両1を駐車可能であると判定したスペースSPがなく、移動判定部136が、他車両2が移動すると判定した場合、この他車両2が駐車するスペースを駐車スペースに設定する。
【0050】
経路生成部139は、第1経路RT1と、第2経路RT2とを生成する。第1経路RT1は、自車両1の位置から、駐車スペース設定部138が設定した駐車スペースの手前までの経路である。第2経路RT2は、駐車スペースの手前から駐車スペースに駐車が完了するまでの経路である。
経路生成部139、第1経路RT1、及び第2経路RT2については、図8を参照して更に説明する。
【0051】
制御情報生成部140は、第1経路RT1、及び第2経路RT2に基づいて自車両1の走行を制御する制御情報を生成する。この制御情報は、第1経路RTび第2経路RT2に沿って自車両1が走行するための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。制御情報生成部140は、生成した制御情報を車両制御装置70に出力する。
【0052】
車両制御装置70は、駐車支援装置100から入力される制御譲情報に基づいて、自車両1の走行を制御する。例えば、制御情報生成部140は、第1経路RT1、及び第2経路RT2に沿って、駐車スペースまで自車両1の走行を制御する。
【0053】
次に、図7を参照して、サイズ取得部133、距離検出部134、及び駐車スペース判定部135の処理の一例について説明する。図7は、サイズ取得部133、距離検出部134、及び駐車スペース判定部135の処理の一例を示す平面図である。
図7には、方角を示している。図7の上方向が北を示し、図7の右方向が東を示す。図7に示すように、自車両1は、東西方向に延びる道路RDを東に向けて走行している。換言すれば、自車両1の走行方向D1は、東向きである。
【0054】
道路RDは、一方通行の道路である。道路RDの南側には、駐車スペースPAが道路RDに沿って配置されている。駐車スペースPAは、駐車スペースPA1、駐車スペースPA2、駐車スペースPA3、駐車スペースPA4、及び駐車スペースPA5で構成される。図7には、駐車スペースPA1~駐車スペースPA5の各々を、矩形のマークで記載している。
図7に示すように、駐車スペースPA1には、車両21が駐車し、駐車スペースPA2には、車両22が駐車し、駐車スペースPA3には、車両23が駐車し、駐車スペースPA5には、車両25が駐車している。
車両21、車両22、車両23、及び車両25は、複数の他車両2の一例に対応する。
【0055】
撮像領域ARは、フロントカメラ31の撮像領域である。
距離検出部134は、自車両1と車両21との距離L11を検出する。距離L11は、例えば、自車両1の前端と、車両21の後端との東西方向の距離である。距離検出部134は、撮像画像から距離L11を検出する。
距離検出部134は、自車両1と車両22との距離L21を検出する。距離L21は、例えば、自車両1の前端と、車両22の後端との東西方向の距離である。
距離検出部134は、自車両1と車両23との距離L31を検出する。距離L31は、例えば、自車両1の前端と、車両23の後端との東西方向の距離である。
距離検出部134は、自車両1と車両25との距離L51を検出する。距離L51は、例えば、自車両1の前端と、車両25の後端との東西方向の距離である。
距離L11、距離L21、距離L31、及び距離L51の各々は、距離Lの一例に対応する。
【0056】
サイズ取得部133は、車両長LV1、車両長LV2、車両長LV3、及び車両長LV5を求める。車両長LV1は、車両21の長手方向のサイズ125Bである。車両長LV2は、車両22の長手方向のサイズ125Bである。車両長LV3は、車両23の長手方向のサイズ125Bである。車両長LV5は、車両25の長手方向のサイズ125Bである。
車両長LV1、車両長LV2、車両長LV3、及び車両長LV5の各々は、車両長LVの一例に対応する。車両長LVは、サイズ125Bの一例に対応する。
【0057】
駐車スペース判定部135は、距離L11と車両長LV1とを用いて、自車両1の前端と車両21の前端との距離L12を算出する。距離L12は、例えば、次の式(1)で求められる。
L12=L11+LV1 (1)
駐車スペース判定部135は、距離L21と車両長LV2とを用いて、自車両1の前端と車両22の前端との距離L22を算出する。距離L22は、例えば、次の式(2)で求められる。
L22=L21+LV2 (2)
同様にして、駐車スペース判定部135は、距離L31と車両長LV3とを用いて、自車両1の前端と車両23の前端との距離L32を算出する。駐車スペース判定部135は、距離L51と車両長LV5とを用いて、自車両1の前端と車両25の前端との距離L52を算出する。
【0058】
駐車スペース判定部135は、車両21の前端と車両22の後端との距離(=L21-L12)が、閾値LS以上であるか否かを判定する。閾値LSは、次の式(3)で求められる。
LS=LVA+ΔL (3)
ここで、車両長LVAは、自車両1の長手方向のサイズ125Bである。余裕長ΔLは、自車両1が駐車する際の自車両1の長手方向の余裕を示す。例えば、余裕長ΔLは、1.0mである。余裕長ΔLは、例えば、自車両1の車種125A(又は車両長LVA)に基づいて決定される。また、例えば、余裕長ΔLは、自車両1の最小回転半径に基づいて決定される。
図7に示す例では、駐車スペース判定部135は、車両21の前端と車両22の後端との距離(=L21-L12)が、閾値LS以上ではないと判定する。
【0059】
また、駐車スペース判定部135は、車両22の前端と車両23の後端との距離(=L31-L22)が、閾値LS以上であるか否かを判定する。
図7に示す例では、駐車スペース判定部135は、車両22の前端と車両23の後端との距離(=L31-L22)が、閾値LS以上ではないと判定する。
【0060】
また、駐車スペース判定部135は、車両23の前端と車両25の後端との距離(=L51-L32)が、閾値LS以上であるか否かを判定する。
図7に示す例では、駐車スペース判定部135は、車両23の前端と車両25の後端との距離LPA(=L51-L32)が、閾値LS以上であると判定する。換言すれば、駐車スペースPA4には、車両が駐車していないため、駐車スペース判定部135は、車両23と車両25との間に自車両1を駐車可能なスペースSPがあると判定する。
【0061】
図7を参照して説明したように、駐車スペース判定部135は、縦列駐車された複数の車両2のうちの、互いに隣接する2台の車両において、後方の車両の前端と前方の車両の後端との距離が閾値LS以上であるか否かによって、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを判定する。このようにして、駐車スペース判定部135は、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを容易に、且つ、正確に判定できる。
【0062】
次に、図8を参照して、経路生成部139の処理の一例について説明する。図8は、経路生成部139の処理の一例を示す平面図である。
経路生成部139は、駐車スペース設定部138が駐車スペースを設定すると、第1経路RT1と、第2経路RT2とを生成する。
第1経路RT1は、例えば、自車両1の位置から停車位置PTまでの経路である。第2経路RT2は、例えば、停車位置PTから駐車スペースに駐車が完了するまでの経路である。
停車位置PTは、自車両1の進行方向を、前進から後退に切り換える位置である。
【0063】
駐車スペース判定部135が、自車両1を駐車可能なスペースSPがあると判定した場合に、例えば、表示制御部137は、表示パネル61に駐車可能なスペースSPがあることを示す画像を表示する。また、表示制御部137は、表示パネル61に、第1経路RT1、及び第2経路RT2を表示する。
そして、図略の駐車支援オンスイッチが押下された場合には、制御情報生成部140は、第1経路RT1、及び第2経路RT2に沿って、駐車可能なスペースSPまで自車両1の走行を制御する制御情報を生成する。制御情報生成部140は、生成した制御情報を車両制御装置70に出力する。
【0064】
次に、図9を参照して、駐車スペース判定部135の処理の他の一例について説明する。図9は、駐車スペース判定部135の処理の他の一例を示す平面図である。
図9では、自車両1は、第1経路RT1に沿って走行し、駐車可能なスペースSPに対応する駐車スペースPA4に近接する確認位置PSに到達している。具体的には、確認位置PSは、駐車スペースPA4の北側に位置する。
【0065】
自車両1が確認位置PSに到達したときに、駐車スペース判定部135は、右サイドカメラ34から、自車両1を駐車可能なスペースSPに配置された障害物の撮像画像を取得する。そして、駐車スペース判定部135は、撮像画像から、駐車可能なスペースSPに障害物が配置されているか否かを判定する。障害物は、例えば、三角コーン、自動二輪車等である。
【0066】
駐車可能なスペースSPに障害物が配置されていると駐車スペース判定部135が判定した場合には、駐車スペース判定部135は、スペースSPに駐車できないと判定する。そして、駐車スペース判定部135は、他の駐車可能なスペースがあるか否かを判定する。他の駐車可能なスペースがある場合には、経路生成部139は、他の駐車可能なスペースに対応する第1経路RT1と、第2経路RT2とを求める。そして、図略の駐車支援オンスイッチが押下された場合には、制御情報生成部140は、第1経路RT1、及び第2経路RT2に沿って、他の駐車可能なスペースまで自車両1の走行を制御する。
【0067】
図9を参照して説明したように、駐車スペース判定部135は、自車両1が確認位置PSに到達したときに、右サイドカメラ34の撮像画像から駐車可能なスペースSPに障害物が配置されているか否かを判定する。また、駐車可能なスペースSPに障害物が配置されている場合には、駐車可能なスペースSPへの駐車動作(例えば、制御情報生成部140による第2経路RT2に沿った自車両1の走行)が中止され、駐車可能なスペースSPに障害物が配置されていない場合には、駐車可能なスペースSPへの駐車動作が実行される。したがって、駐車動作を実行するか否かを適正に判定できる。
【0068】
[2.駐車支援装置の動作]
次に、図10及び図11を参照して、駐車支援装置100の処理の一例について説明する。図10は、駐車支援装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、ステップS1において、駐車支援装置100は、「駐車スペース検索処理」を実行する。「駐車スペース検索処理」は、撮像画像から、自車両1の周囲に縦列駐車された複数の他車両2の間に、自車両1を駐車可能なスペースSPを検索する処理である。
「駐車スペース検索処理」については、図11を参照して更に説明する。
【0069】
次に、ステップS2において、駐車支援装置100は、複数の他車両2の間に、自車両1を駐車可能なスペースSPが有るか否かを判定する。
自車両1を駐車可能なスペースSPが有ると判定した場合(ステップS2;YES)には、処理がステップS8へ進む。そして、ステップS8において、駐車支援装置100は、自車両1を駐車可能なスペースSPが有ることをユーザに報知する。駐車支援装置100は、例えば、自車両1を駐車可能なスペースSPの地図上の位置を示す画像を表示パネル61に表示する。
【0070】
また、自車両1を駐車可能なスペースSPがないと判定した場合(ステップS2;NO)、処理がステップS3に進む。そして、ステップS3において、駐車支援装置100は、駐車スペースから移動する他車両2があるか否かを判定する。
【0071】
駐車スペースから移動する他車両2がないと判定した場合(ステップS3;NO)、ステップS1に戻る。また、駐車スペースから移動する他車両2があると判定した場合(ステップS3;YES)、処理がステップS4に進む。
駐車支援装置100は、自車両1の前方に駐車スペースがないと判定し、駐車スペースから移動する他車両2があると判定した場合に、この他車両2が駐車する駐車スペースを駐車スペースに設定する。そして、ステップS4において、駐車支援装置100は、駐車スペースから移動する他車両2がある旨の案内を表示パネル61に表示する。その後、駐車支援装置100は、ステップS5の判定に移行する。
【0072】
ステップS5において、駐車支援装置100は、他車両2が駐車スペースから移動するまで待機の指示を入力したか否かを判定する。待機しないとの指示を入力した場合(ステップS5;NO)、ステップS1の処理に戻る。また、待機するとの指示を入力した場合(ステップS5;YES)、ステップS6の処理に移行する。
【0073】
ステップS6において、駐車支援装置100は、他車両2が駐車スペースから移動するまで待機する。次に、駐車支援装置100は、他車両2の駐車スペースからの移動が完了したか否かを判定する(ステップS7)。他車両2の駐車スペースからの移動が完了していない場合(ステップS7;NO)、ステップS6に戻る。他車両2の駐車スペースからの移動が完了した場合(ステップS7;YES)、ステップS9の処理に移行する。
【0074】
次に、ステップS9において、駐車支援装置100は、駐車支援処理を起動する操作を受け付けたか否かを判定する。駐車支援装置100は、例えば、操作部50の駐車支援オンスイッチが押下された場合に、駐車支援処理を起動する操作を受け付けたと判定する。
駐車支援装置100は、駐車支援処理を起動する操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS9;NO)には、処理がステップS1に戻る。駐車支援装置100は、駐車支援処理を起動する操作を受け付けたと判定した場合(ステップS9;YES)には、処理がステップS10へ進む。
【0075】
ステップS10において、駐車支援装置100は、検出した駐車可能なスペースSPを、自車両1を駐車する駐車スペースに設定して第1経路RT1と、第2経路RT2とを生成する。また、駐車支援装置100は、第1経路RT1、及び第2経路RT2の地図上の位置を示す画像を表示パネル61に表示する。
次に、ステップS11において、駐車支援装置100は、生成した第1経路RT1及び第2経路RT2に沿って自車両1が走行する制御情報を生成し、生成した制御情報を車両制御装置70に出力する。これにより、自車両1は、第1経路RT1に沿って走行する。
【0076】
次に、ステップS12において、駐車支援装置100は、駐車スペースに対応する駐車スペースPA4に近接する確認位置PSに到達したか否かを判定する。
【0077】
駐車支援装置100は、駐車スペースPA4に近接する確認位置PSに到達していないと判定した場合(ステップS12;NO)には、処理がステップS11に戻る。駐車支援装置100は、駐車スペースPA4に近接する確認位置PSに到達したと判定した場合(ステップS12;YES)には、処理がステップS13へ進む。
【0078】
そして、ステップS13において、駐車支援装置100は、駐車スペースに自車両1を駐車可能であるか否かを判定する。駐車支援装置100は、例えば、右サイドカメラ34の撮像画像を用いて、駐車スペースに障害物が配置されているか否かを判定する。駐車スペースに障害物が配置されている場合には、駐車支援装置100は、駐車スペースに自車両1を駐車可能ではないと判定する。駐車スペースに障害物が配置されていない場合には、駐車支援装置100は、駐車可能なスペースに自車両1を駐車可能であると判定する。
【0079】
駐車支援装置100は、駐車スペースに自車両1を駐車可能ではないと判定した場合(ステップS13;NO)には、処理がステップS1に戻る。駐車支援装置100は、駐車スペースに自車両1を駐車可能であると判定した場合(ステップS13;YES)には、処理をステップS14へ進む。
そして、ステップS14において、駐車支援装置100は、停車位置PTに自車両1が停止する制御を行う。
次に、ステップS15において、駐車支援装置100は、自車両1の進行方向を前進から後退に切り換えて、第2経路RT2に沿って走行するように、自車両1の走行を制御する。
次に、ステップS16において、駐車支援装置100は、駐車スペースに自車両1の駐車が完了したか否かを判定する。
自車両1の駐車が完了していないと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS16;NO)には、処理がステップS15に戻る、自車両1の駐車が完了したと駐車支援装置100が判定した場合(ステップS16;YES)には、処理が終了する。
【0080】
次に、図11を参照して、「駐車スペース検索処理」について説明する。図11は、駐車スペース検索処理の一例を示すフローチャートである。駐車スペース検索処理は、図10のステップS1において実行される。
図11に示すように、ステップS101において、駐車支援装置100は、フロントカメラ31の撮像画像を取得する。
次に、ステップS102において、駐車支援装置100は、自車両1の周囲に駐車された複数の他車両2をフロントカメラ31の撮像画像から検出する。
次に、ステップS103において、駐車支援装置100は、撮像画像に基づき、自車両1から複数の他車両2の各々の後端までの距離Lを検出する。
【0081】
次に、ステップS104において、駐車支援装置100は、撮像画像から複数の他車両2の各々の車種125Aを求める。
次に、ステップS105において、駐車支援装置100は、複数の他車両2の各々の車種125Aから複数の他車両2の各々の車両長LVを求める。
次に、ステップS106において、駐車支援装置100は、自車両1の前端から複数の他車両2の各々の後端までの距離Lと車両長LVとを用いて、自車両1の前端から複数の他車両2の前端までの距離を算出する。
次に、ステップS107において、駐車支援装置100は、複数の他車両2の間に、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを判定する。駐車支援装置100は、例えば、複数の他車両2のうちの互いに隣接する車両において、後方の車両2の前端と、前方の車両2の後端との距離が、閾値LS以上であるか否かに応じて、自車両1を駐車可能なスペースSPがあるか否かを判定する。
【0082】
次に、ステップS108において、駐車支援装置100は、複数の他車両2の各々について、方位スコアと、移動量スコアと、ウィンカースコアとをそれぞれ算出する。そして、駐車支援装置100は、算出したスコアの合計値を算出する。その後、駐車支援装置100は、算出したスコアの合計値が、予め設定された点数以上であるか否かを判定して、駐車スペースから移動する他車両2があるか否かを判定する。その後、処理が、図10のステップS2へリターンされる。
【0083】
ステップS101は、「状況取得ステップ」に相当する。
ステップS102は、「他車両検出ステップ」に相当する。
ステップS108は、「移動ステップ」に相当する。
ステップS2、3及び4は、「駐車スペース設定ステップ」に相当する。
ステップS10は、「制御情報生成ステップ」に対応する。
【0084】
[3.本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを記載する。
(構成1)
自車両の周囲の状況を画像により取得する状況取得部と、
前記状況取得部が取得した前記画像に基づいて、前記自車両の周囲に、すでに駐車している他車両を検出する他車両検出部と、
前記他車両検出部が検出した前記他車両が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定部と、
前記移動判定部が移動すると判定した前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定部と、
前記自車両が、前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成部と、
を備える駐車支援装置。
【0085】
この構成によれば、自車両の周囲に存在する、駐車スペースから移動すると判定された他車両が駐車している場所を、自車両が駐車する駐車スペースに設定し、設定した駐車スペースまで走行する制御情報を生成する。従って、自車両ではない第3者の車両が駐車する前に駐車スペースに駐車することができ、運転者が駐車スペースを探す手間を軽減し、自車両の近くで駐車することができることによって駐車完了までの所要時間を短縮することができる。
【0086】
(構成2)
前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースを表示部に表示する表示制御部と、
前記駐車スペース設定部が設定した前記駐車スペースに、前記自車両を駐車するか否かの指示を入力する入力部と、を備え、
前記制御情報生成部は、前記駐車スペースに前記自車両を駐車するとの指示を前記入力部が入力すると、前記制御情報を生成する、構成1記載の駐車支援装置。
【0087】
この構成によれば、駐車スペースに車両を駐車する指示を入力部が入力する場合に、制御情報を生成する。このため、他車両が駐車している場所を駐車スペースとするか否かをユーザが選択することができる。
【0088】
(構成3)
前記状況取得部が取得した前記画像に基づいて前記自車両の前方に駐車スペースがあるか否かを判定する駐車スペース判定部を備え、
前記駐車スペース設定部は、前記駐車スペース判定部が、前記自車両の前方に駐車スペースがないと判定した場合に、前記移動判定部が移動すると判定した前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する、構成1又は2記載の駐車支援装置。
【0089】
この構成によれば、車両の前方に駐車スペースがない場合に、すでに他車両が駐車している場所を、自車両を駐車する駐車スペースに設定することができる。
【0090】
(構成4)
前記移動判定部は、前記他車両の移動量と、前記自車両の進行方向に対する前記他車両の向きと、前記他車両のウィンカーの動作状況と、の少なくとも1つに基づいて、前記他車両が駐車スペースから移動するか否かを判定する、構成1から3のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【0091】
この構成によれば、他車両の移動量、車両の進行方向に対する他車両の向き、及び、他車両のウィンカーの動作状況を、画像に基づいて判定し、他車両が出庫するか否かを判定する。このため、他車両が駐車スペースから移動するか否かを精度よく判定することができる。
【0092】
(構成5)
自車両の周囲の状況を画像により取得する状況取得ステップと、
取得された前記画像に基づいて前記自車両の周囲に、すでに駐車している他車両を検出する他車両検出ステップと、
検出された前記他車両が、駐車スペースから移動するか否かを判定する移動判定ステップと、
移動すると判定された前記他車両が駐車している場所を、前記自車両が駐車する駐車スペースに設定する駐車スペース設定ステップと、
前記自車両が設定された前記駐車スペースまで走行する制御情報を生成する制御情報生成ステップと、
を含む駐車支援方法。
【0093】
この構成によれば、出庫すると判定された他車両が駐車している場所を、自車両が駐車する駐車スペースに設定し、設定した駐車スペースまで走行する制御情報を生成する。従って、自車両ではない第3者の車両が駐車する前に駐車スペースに駐車することができ、運転者が駐車スペースの探索時間を短縮し、自車両から近い場所に駐車することで駐車完了までの所要時間を短縮することができる。
【0094】
上述した本実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、図1は、本発明の理解を容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した図であり、構成要素は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0095】
また、図1において、駐車支援装置100が、操作部50及び表示部40の少なくとも1つを一体に備えてもよい。
【0096】
また、上述したフローチャートの説明では、駐車支援装置100は、ステップS2で駐車スペースがあると判定した場合に、ステップS8において、駐車スペースがあることを、表示パネル61に表示して報知した。また、駐車支援装置100は、ステップS3で駐車スペースから移動する他車両2があると判定した場合に、ステップS4において、駐車スペースから移動する他車両2がある旨の案内表示を表示パネル61に表示して報知した。この他に、駐車支援装置100は、ステップS8において、駐車スペースがあることをスピーカ60により報知してもよいし、ステップS4において、駐車スペースから移動する他車両2があることをスピーカ60により報知してもよい。
【0097】
また、本実施形態では、駐車支援装置100が、他車両検出部132、サイズ取得部133、距離検出部134、駐車スペース判定部135、経路生成部139、制御情報生成部140、及び表示制御部137を備えるが、これに限定されない。駐車支援装置100とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置が、他車両検出部132、サイズ取得部133、距離検出部134、駐車スペース判定部135、経路生成部139、制御情報生成部140、及び表示制御部137の少なくとも1つを備えてもよい。サーバ装置が、例えば、他車両検出部132、サイズ取得部133、距離検出部134、駐車スペース判定部135、移動判定部136、駐車スペース設定部138、経路生成部139及び制御情報生成部140を備えてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、記憶部120が学習済モデル123を記憶する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、駐車支援装置100と通信可能に接続されるサーバ装置が学習済モデル123を記憶してもよい。この場合には、サイズ取得部133は、サーバ装置に対して複数の他車両2の各々の撮像画像を送信する。そして、サーバ装置は、学習済モデル123に撮像画像を入力することによって、車種125Aを出力する。サイズ取得部133は、サーバ装置から車種125Aを取得する。
【0099】
また、本発明の駐車支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合には、このコンピュータが実行する制御プログラム121を記録媒体、又はこの制御プログラム121を伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。
記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、駐車支援装置100が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
また、制御プログラム121を、駐車支援装置100とネットワークを介して通信可能に接続されたサーバ装置から駐車支援装置100がダウンロードしてもよい。
【0100】
また、例えば、図10及び図11に示すフローチャートの処理単位は、駐車支援装置100の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置100の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。また、駐車支援装置100の処理は、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0101】
131 状況取得部
132 他車両検出部
136 移動判定部
138 駐車スペース設定部
140 制御情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11