(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007199
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】就労可否判定装置、就労可否判定システム、端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240111BHJP
G06Q 10/1053 20230101ALI20240111BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q10/10 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108508
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】513232107
【氏名又は名称】株式会社ウィルグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100120684
【弁理士】
【氏名又は名称】宮城 三次
(72)【発明者】
【氏名】細見 優太
(72)【発明者】
【氏名】石川 清和
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 真一
(72)【発明者】
【氏名】三澤 純也
(72)【発明者】
【氏名】金 亨秦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】外国人の就労可否の判定に係る事業者の作業を支援する就労可否判定装置、就労可否判定システム、端末及びプログラムを提供する。
【解決手段】就労可否判定装置1は、就労設問記憶部22に記憶された就労に関する質問及び選択式の回答からなる所定の設問情報を出力する設問出力部15aと、出力した設問情報に対する回答情報を受け付ける回答受付部15bと、パターン記憶部23及び就労設問記憶部22を参照して、受け付けた回答情報に基づく判定結果情報を取得するまで、設問出力部15a及び回答受付部15bによる処理を繰り返す設問処理部15と、取得した判定結果情報を出力する判定結果出力部16と、を備える。就労設問記憶部22に記憶される設問情報は、質問に在留カードのカード見本画像を有するものを含み、カード見本画像は、質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
在留カードを用いたカード所持者の就労可否を判定する就労可否判定装置であって、
就労に関する質問及び前記質問の対になる選択式の回答からなる複数の設問情報を記憶する就労設問記憶部と、
前記就労設問記憶部の前記設問情報に係る前記回答と、前記回答に基づく判定結果情報とからなる出力パターンを記憶するパターン記憶部と、
前記就労設問記憶部に記憶された所定の前記設問情報を出力する設問出力手段と、
前記設問出力手段が出力した前記設問情報に対する回答情報を受け付ける回答受付手段と、
前記パターン記憶部及び前記就労設問記憶部を参照して、前記回答受付手段が受け付けた前記回答情報に基づく前記判定結果情報を取得するまで、前記設問出力手段及び前記回答受付手段による処理を繰り返す自動設問処理手段と、
取得した前記判定結果情報を出力する判定結果出力手段と、
を備え、
前記就労設問記憶部に記憶される前記設問情報は、前記質問に在留カードのカード見本画像を有するものを含み、前記カード見本画像は、前記質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものである、就労可否判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の就労可否判定装置において、
前記就労設問記憶部に記憶される前記設問情報は、前記質問に特定活動の指定書の書類見本画像を有するものを含み、前記書類見本画像は、前記質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものであり、前記選択式の回答は、前記確認項目の記載の有無に係るものである、就労可否判定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の就労可否判定装置において、
指定書画像記憶部に記憶された複数の前記特定活動の指定書に係る画像を分類する指定書分類手段と、
前記指定書分類手段による分類結果を用いて前記特定活動の指定書に係る前記設問情報を作成する設問作成手段と、
を備え、
前記就労設問記憶部に記憶される前記前記設問情報の少なくとも一部は、前記設問作成手段により作成された前記設問情報である、就労可否判定装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の就労可否判定装置において、
前記在留カードに有するICチップを読み取る読取装置を介して、前記在留カードに有するカード情報を取得するカード情報取得手段と、
前記カード情報取得手段が取得した前記カード情報に含む表面の券面画像に対して文字認識処理を行うことで得られる各文字列を取得する文字列取得手段と、
前記文字列取得手段が取得した各文字列に対応する項目を特定する項目特定手段と、
前記文字列取得手段が取得した各文字列を、前記項目特定手段が特定した前記項目に基づいて前記在留カードの背景画像に合成し、前記カード情報に含む顔画像をさらに合成して、表面確認画像を生成する表面画像生成手段と、
前記表面画像生成手段が生成した前記表面確認画像を出力する確認画像出力手段と、
を備える、就労可否判定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の就労可否判定装置において、
前記設問出力手段による出力対象の前記設問情報に対する前記回答情報が、前記文字列取得手段が取得した各文字列の少なくともいずれかに含まれているか否かを確認する情報確認手段を備え、
前記自動設問処理手段は、前記設問出力手段による前記情報確認手段による確認ができた前記設問情報の出力を行わず、前記設問情報に対する前記回答情報を受け付けたものとして処理を継続する、就労可否判定装置。
【請求項6】
請求項4に記載の就労可否判定装置と、
前記就労可否判定装置に対して通信可能に接続された画像処理サーバと、
を備える就労可否判定システムであって、
前記就労可否判定装置は、前記カード情報取得手段が取得した前記カード情報に含む表面の券面画像を、前記画像処理サーバに対して送信し、
前記画像処理サーバは、
前記就労可否判定装置から受信した前記表面の券面画像に対して文字認識処理を行い、各文字列を取得する文字認識処理手段と、
前記文字認識処理手段が取得した各文字列を、前記就労可否判定装置に対して送信する文字列送信手段と、
を備え、
前記就労可否判定装置の前記文字列取得手段は、前記画像処理サーバから各文字列を取得する、就労可否判定システム。
【請求項7】
請求項4に記載の就労可否判定装置と、
前記ICチップを無線通信によって読み取る前記読取装置と、
を備える端末。
【請求項8】
在留カードを用いたカード所持者の就労可否を判定するコンピュータを、
就労に関する質問及び前記質問の対になる選択式の回答からなる複数の設問情報を記憶する就労設問記憶部に記憶された所定の前記設問情報を出力する設問出力手段と、
前記設問出力手段が出力した前記設問情報に対する回答情報を受け付ける回答受付手段と、
前記就労設問記憶部の前記設問情報に係る前記回答と、前記回答に基づく判定結果情報とからなる出力パターンを記憶するパターン記憶部、及び、前記就労設問記憶部を参照して、前記回答受付手段が受け付けた前記回答情報に基づく前記判定結果情報を取得するまで、前記設問出力手段及び前記回答受付手段による処理を繰り返す自動設問処理手段と、
取得した前記判定結果情報を出力する判定結果出力手段と、
して機能させ、
前記就労設問記憶部に記憶される前記設問情報は、在留カードのカード見本画像を前記質問に有するものを含み、前記カード見本画像は、前記質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものである、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就労可否判定装置、就労可否判定システム、端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本においては、急速に進む少子高齢化により、労働力人口の減少による労働力不足が懸念されている。労働力不足は、経済にとってマイナスであり、経済規模が縮小する方向に向かっていってしまう要素である。この経済規模の縮小は、国民の豊かさが低下するような事態を招きかねない。
このような労働力不足を解消するための方法の1つに、外国人労働者の受け入れを拡大して、企業が外国人を雇用する考え方がある。日本では、出入国管理及び難民認定法(「入管法」ともいう。)で定められている在留資格の範囲内において、外国人の就労活動を認めている。そのため、外国人を雇用する場合には、事業主は、外国人の「在留カード」等により、就労が可能か否かを確認する必要がある。
【0003】
在留カードの確認方法として、「近距離無線通信手段を備える情報処理装置において、在留カードに印刷された在留カード番号の入力を受付ける受付手段と、前記近距離無線通信手段によって前記在留カードと通信し、前記受付手段によって受付けた前記在留カード番号によって前記在留カードを認証するカード番号認証手段と、前記カード番号認証手段によって前記在留カードが認証された場合に、前記在留カードに記憶する券面表画像データと顔画像データと電子署名とを前記近距離無線通信手段によって読出すデータ読出手段と、前記電子署名を用いて前記券面表画像データと前記顔画像データを検証するデータ検証手段と、前記データ検証手段によって前記券面表画像データと前記顔画像データを検証した場合に、前記券面表画像データと前記顔画像データが改ざんされていない旨と前記券面表画像データと前記顔画像データとを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。」が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものは、在留カードの正当性を確認するためのものである。他方、就労可否の判断には、在留カードが正当なものであることのみならず、在留カードの記載内容やパスポート等を確認しながら行わなければならない。しかも、在留資格には様々な形態がある。そのため、事業者がそれらの書類を確認しながら就労可否を判断する作業は、多大な労力を伴う煩雑なものであり、事業者にとって負担であった。
【0006】
本発明は、外国人の就労可否の判定に係る事業者の作業を支援する就労可否判定装置、就労可否判定システム、端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、在留カードを用いたカード所持者の就労可否を判定する就労可否判定装置であって、就労に関する質問及び前記質問の対になる選択式の回答からなる複数の設問情報を記憶する就労設問記憶部と、前記就労設問記憶部の前記設問情報に係る前記回答と、前記回答に基づく判定結果情報とからなる出力パターンを記憶するパターン記憶部と、前記就労設問記憶部に記憶された所定の前記設問情報を出力する設問出力手段と、前記設問出力手段が出力した前記設問情報に対する回答情報を受け付ける回答受付手段と、前記パターン記憶部及び前記就労設問記憶部を参照して、前記回答受付手段が受け付けた前記回答情報に基づく前記判定結果情報を取得するまで、前記設問出力手段及び前記回答受付手段による処理を繰り返す自動設問処理手段と、取得した前記判定結果情報を出力する判定結果出力手段と、を備え、前記就労設問記憶部に記憶される前記設問情報は、前記質問に在留カードのカード見本画像を有するものを含み、前記カード見本画像は、前記質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものである、就労可否判定装置に関する。
【0008】
また、就労可否判定装置において、前記就労設問記憶部に記憶される前記設問情報は、前記質問に特定活動の指定書の書類見本画像を有するものを含み、前記書類見本画像は、前記質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものであり、前記選択式の回答は、前記確認項目の記載の有無に係るものであってもよい。
【0009】
また、就労可否判定装置において、指定書画像記憶部に記憶された複数の前記特定活動の指定書に係る画像を分類する指定書分類手段と、前記指定書分類手段による分類結果を用いて前記特定活動の指定書に係る前記設問情報を作成する設問作成手段と、を備え、前記就労設問記憶部に記憶される前記前記設問情報の少なくとも一部は、前記設問作成手段により作成された前記設問情報であってもよい。
【0010】
また、就労可否判定装置において、前記在留カードに有するICチップを読み取る読取装置を介して、前記在留カードに有するカード情報を取得するカード情報取得手段と、前記カード情報取得手段が取得した前記カード情報に含む表面の券面画像に対して文字認識処理を行うことで得られる各文字列を取得する文字列取得手段と、前記文字列取得手段が取得した各文字列に対応する項目を特定する項目特定手段と、前記文字列取得手段が取得した各文字列を、前記項目特定手段が特定した前記項目に基づいて前記在留カードの背景画像に合成し、前記カード情報に含む顔画像をさらに合成して、表面確認画像を生成する表面画像生成手段と、前記表面画像生成手段が生成した前記表面確認画像を出力する確認画像出力手段と、を備えてもよい。
【0011】
また、就労可否判定装置において、前記設問出力手段による出力対象の前記設問情報に対する前記回答情報が、前記文字列取得手段が取得した各文字列の少なくともいずれかに含まれているか否かを確認する情報確認手段を備え、前記自動設問処理手段は、前記設問出力手段による前記情報確認手段による確認ができた前記設問情報の出力を行わず、前記設問情報に対する前記回答情報を受け付けたものとして処理を継続してもよい。
【0012】
また、本発明は、上記の就労可否判定装置と、前記就労可否判定装置に対して通信可能に接続された画像処理サーバと、を備える就労可否判定システムであって、前記就労可否判定装置は、前記カード情報取得手段が取得した前記カード情報に含む表面の券面画像を、前記画像処理サーバに対して送信し、前記画像処理サーバは、前記就労可否判定装置から受信した前記表面の券面画像に対して文字認識処理を行い、各文字列を取得する文字認識処理手段と、前記文字認識処理手段が取得した各文字列を、前記就労可否判定装置に対して送信する文字列送信手段と、を備え、前記就労可否判定装置の前記文字列取得手段は、前記画像処理サーバから各文字列を取得する、就労可否判定システムに関する。
【0013】
また、本発明は、上記の就労可否判定装置と、前記ICチップを無線通信によって読み取る前記読取装置と、を備える端末に関する。
【0014】
また、本発明は、上記の就労可否判定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外国人の就労可否の判定に係る事業者の作業を支援する就労可否判定装置、就労可否判定システム、端末及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係る就労可否判定システムの全体構成及び就労可否判定装置の機能ブロックを示す図である。
【
図2】本実施形態に係る就労可否判定装置のパターン記憶部の例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る就労可否判定装置の在留カード処理を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係る就労可否判定装置での表示例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る就労可否判定装置での券面画像生成に係る処理を説明するための図である。
【
図6】本実施形態に係る就労可否判定装置での表示例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る就労可否判定装置の就労可否判定処理を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る就労可否判定装置での表示例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る就労可否判定装置での表示例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る就労可否判定装置に出力される指定書に関する設問の内容と判定結果との具体例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る就労可否判定装置での判定結果に係る表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
<就労可否判定システム100の全体構成>
図1は、本実施形態に係る就労可否判定システム100の全体構成及び就労可否判定装置1の機能ブロックを示す図である。
図2は、本実施形態に係る就労可否判定装置1のパターン記憶部23の例を示す図である。
【0018】
図1に示す就労可否判定システム100は、外国人の就労可否の判定に係る事業者の作業を支援するためのシステムである。
就労可否判定システム100は、就労可否判定装置1と、画像処理サーバ4と、データ保存サーバ5とを備える。就労可否判定システム100は、データ通信網Nを介して、就労可否判定装置1と、画像処理サーバ4と、データ保存サーバ5との間で通信可能に接続されている。そして、就労可否判定システム100は、就労可否判定装置1と画像処理サーバ4との間及び就労可否判定装置1とデータ保存サーバ5との間でデータ通信を行う。
【0019】
<就労可否判定装置1>
就労可否判定装置1は、例えば、外国人(在留カードのカード所持者)(以下、就労希望者ともいう。)を雇用しようとする事業者が、就労希望者との面接時等の雇用について判断する際に用いる装置である。就労可否判定装置1は、例えば、スマートフォンに代表される携帯情報端末である。
就労可否判定装置1は、制御部10と、記憶部20と、タッチパネルディスプレイ26と、近距離無線通信部28(読取装置)と、データ通信IF(インタフェース)29とを備える。
【0020】
制御部10は、就労可否判定装置1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
制御部10は、ガイダンス出力部11と、カード情報取得部12(カード情報取得手段)と、文字列取得部13(文字列取得手段)と、券面画像生成処理部14(項目特定手段、表面画像生成手段、確認画像出力手段)と、設問処理部15(自動設問処理手段)と、判定結果出力部16(判定結果出力手段)とを備える。
【0021】
ガイダンス出力部11は、就労可否判定装置1を操作する事業者の担当者(以下、ユーザともいう。)に対する操作に係るガイダンスを、タッチパネルディスプレイ26に出力する。ユーザは、出力されたガイダンスにしたがって、就労可否判定装置1の操作を行う。
カード情報取得部12は、近距離無線通信部28を介して在留カードに有するIC(Integrated Circuit)チップからカード情報を取得する。カード情報は、在留カードの表面の券面文字画像(券面画像)と、顔写真と、裏面の券面情報とを含む。ここで、表面の券面文字画像とは、氏名や生年月日等のパーソナル情報についての文字画像をいい、券面にプリ印刷されている固定情報を除いたイメージデータである。また、裏面の券面情報は、在留カードの裏面に追記された住居地や、裏面資格外活動包括許可欄、裏面資格外活動個別許可欄、裏面在留期間等更新申請欄に関する情報であり、テキストデータである。
【0022】
文字列取得部13は、カード情報取得部12が取得したカード情報に含まれる表面の券面文字画像を、画像処理サーバ4に送信することで、画像処理サーバ4から券面文字画像に含まれる各文字列を取得する。
券面画像生成処理部14は、文字列取得部13が取得した各文字列と、カード情報取得部12が取得したカード情報に含まれる顔画像とを用いて、表面確認画像を生成する。その際、券面画像生成処理部14は、各文字列に対応する項目を特定し、特定した項目に基づいて各文字列を在留カードの背景画像に配置し、さらに顔画像もあわせて配置する。在留カードの背景画像は、券面にプリ印刷されている画像であり、固定情報及び枠線等を含む。そうすることで、券面画像生成処理部14は、在留カードのICチップに記憶されているカード情報を用いて、在留カードの画像を生成(再現)することができる。
そして、券面画像生成処理部14は、生成した表面確認画像を出力する。
【0023】
設問処理部15は、就労に関する質問と、質問に対する選択式の回答とからなる設問情報を順番に出力して、ユーザに回答を選択させる処理を、就労に係る判定結果情報を取得するまで繰り返して行う。
設問処理部15は、設問出力部15a(設問出力手段)と、回答受付部15b(回答受付手段)と、情報確認部15c(情報確認手段)とを備える。
設問出力部15aは、後述する就労設問記憶部22に記憶されている所定の設問情報を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。
回答受付部15bは、設問出力部15aが出力した設問情報に対する回答情報を、タッチパネルディスプレイ26から受け付ける。
情報確認部15cは、出力対象の設問情報に対する回答情報が、文字列取得部13が取得した文字列に含まれるか否かを確認する。
【0024】
また、設問処理部15は、情報確認部15cにより確認ができた場合には、確認ができた設問情報の出力を行わず、出力しない設問情報の回答情報が情報確認部15cにより得られたとして処理を継続する。
判定結果出力部16は、設問処理部15が取得した判定結果情報を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。
【0025】
記憶部20は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム記憶部21と、就労設問記憶部22と、パターン記憶部23とを備える。
プログラム記憶部21は、各種のプログラムを記憶する記憶領域である。プログラム記憶部21は、例えば、上述した制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム(以下、アプリともいう。)である就労可否判定プログラム21aを記憶する。
【0026】
就労設問記憶部22は、複数の設問情報を記憶する記憶領域である。各設問情報は、書類の画像データと質問を含む。書類の画像データは、例えば、在留カードの表面の画像や裏面の画像、特定活動の指定書(以下、単に指定書ともいう。)の画像等を含む。ここで、指定書とは、パスポートの添付書類であり、特定活動の活動内容の詳細が記載されているものである。
【0027】
パターン記憶部23は、設問情報に係る回答と、回答情報に基づく判定結果情報からなる出力パターンを記憶する記憶領域である。
図2にパターン記憶部23の項目例を示す。
図2に示すパターン記憶部23は、在留カードから取得する情報を用いる読取情報と、設問に回答する形で用いる選択情報と、判定結果との各項目を有する。また、パターン記憶部23の内容(回答)には、読取情報の読取内容や設問の回答によって、設問がスキップ(SKIP)されることを示す。実際のパターン記憶部23は、項目と内容(回答)とがマトリックス状になったものである。
【0028】
図1のタッチパネルディスプレイ26は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示部としての機能と、ユーザからの指等によるタッチ入力を検出する入力部としての機能とを有する。
近距離無線通信部28は、例えば、NFC(Near Field Communication)規格に対応したICチップである。近距離無線通信部28は、在留カードのICチップとの間で無線通信が可能である。
データ通信IF29は、データ通信網Nとの間のインタフェースである。
【0029】
<画像処理サーバ4>
画像処理サーバ4は、画像に対して、例えば、OCR(Optical Character Recognition/Reader)による文字認識処理を行って、画像のテキスト部分の文字列を画像から取得するサーバである。画像処理サーバ4は、就労可否判定装置1から画像を受信し、取得した文字列を就労可否判定装置1に送信する。
画像処理サーバ4は、図示しないが、制御部、記憶部、データ通信IF等を備える。
【0030】
<データ保存サーバ5>
データ保存サーバ5は、就労可否判定に用いた種々のデータを保存するサーバである。データ保存サーバ5は、就労可否判定装置1から種々のデータを受信して保存する。
データ保存サーバ5は、図示しないが、制御部、記憶部、データ通信IF等を備える。
【0031】
なお、画像処理サーバ4やデータ保存サーバ5は、例えばクラウド上に設けられる仮想サーバ(仮想マシン)として構成してもよい。
また、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、就労可否判定装置1、画像処理サーバ4及びデータ保存サーバ5は、各々制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
【0032】
<就労可否判定装置1の処理>
次に、ユーザが行う就労可否判定装置1での処理について説明する。
図3は、本実施形態に係る就労可否判定装置1の在留カード処理を示すフローチャートである。
図4及び
図6は、本実施形態に係る就労可否判定装置での表示例を示す図である。
図5は、本実施形態に係る就労可否判定装置での券面画像生成に係る処理を説明するための図である。
【0033】
まず、ユーザ(事業者)は、就労可否判定装置1を、データ通信網Nを介して予めアプリ配信サーバ(図示せず)に接続して、アプリ配信サーバから本サービスを受けるためのアプリである就労可否判定プログラム21aを、就労可否判定装置1のプログラム記憶部21にダウンロードしておく。ここで、アプリ配信サーバは、就労可否判定装置1にダウンロードして使用するアプリを複数記憶したサーバである。この処理により、就労可否判定装置1のプログラム記憶部21には、就労可否判定プログラム21aが記憶された状態になっている。
【0034】
また、ユーザは、例えば、就労可否の判定をする就労希望者が所持する在留カードやパスポート等を、就労希望者から借りることができる位置で、就労可否判定プログラム21aを実行する。
そうすると、
図3のステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)11において、就労可否判定装置1の制御部10(ガイダンス出力部11)は、ガイダンスをタッチパネルディスプレイ26に出力する。開始直後のガイダンスは、例えば、在留カード3やパスポートを準備することや、就労希望者がいるところで行うこと、といった内容が含まれていてもよい。また、制御部10(ガイダンス出力部11)は、例えば、
図4(A)に示す画面40を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。
【0035】
図4(A)に示す画面40は、就労希望者の在留カード3の在留カード番号の入力をユーザに促す画面である。画面40では、在留カード番号が記載されている在留カードの画像の部分40aが太枠で囲われている。ユーザは、部分40aに対応する実際の在留カード3の位置に記載されている在留カード番号を、入力領域40bに入力をする。そうすると、ボタン40cが選択可能な態様に変更される。ユーザがボタン40cに対応するタッチパネルディスプレイ26の位置をタッチ操作する(以下、単にタッチ操作という。)ことで、制御部10(ガイダンス出力部11)は、
図4(B)に示す画面41を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。以降の処理において、タッチパネルディスプレイ26には、様々な画面が出力されるが、これらの処理は、制御部10(ガイダンス出力部11)によるガイダンスを介して行われる。
また、
図3のS11において、制御部10(カード情報取得部12)は、在留カード3のICチップからカード情報を取得する。
【0036】
図4(B)に示す画面41は、就労希望者の在留カード3との通信を促す画面である。制御部10は、近距離無線通信部28を介して在留カード3のICチップとの間で通信を確立し、在留カード3からカード情報を取得できた場合には、画面41のボタン41aを選択可能な態様に変更する。ユーザがボタン41aに対応するタッチ操作をすることで、制御部10は、偽造チェック処理を行う。
【0037】
偽造チェック処理として、
図3のS13において、制御部10(文字列取得部13)は、在留カード3から取得したカード情報が含まれる表面の券面文字画像を、画像処理サーバ4に送信する。画像処理サーバ4の制御部(文字認識処理手段)は、券面文字画像を受信すると、券面文字画像に対して文字認識処理を行って各文字列を取得する。そして、画像処理サーバ4の制御部(文字列送信手段)は、取得した各文字列を、就労可否判定装置1に送信する。就労可否判定装置1の制御部10(文字列取得部13)は、画像処理サーバ4が送信した各文字列を受信することで、各文字列を取得する。
【0038】
また、偽造チェック処理として、
図3のS14において、制御部10(券面画像生成処理部14)は、券面画像生成処理を行う。より具体的には、制御部10は、S13の処理で取得した各文字列に対応する項目を特定する。制御部10は、例えば、各文字列の並び順に基づいて各文字列の項目を特定できる。そして、制御部10は、各文字列及び項目と、カード情報に含まれる顔画像と、在留カードの背景画像とを用いて、表面確認画像を生成する。
【0039】
図5に基づき、表面確認画像の生成方法を説明する。
まず、制御部10は、画像処理サーバ4から取得した文字列を、項目にしたがって項目の位置に並べたパーソナル情報31を生成する。また、顔画像32は、在留カード3から取得したカード情報に含まれているので、制御部10は、パーソナル情報31と、顔画像32とを、図示しない背景画像に配置して、表面確認画像33を生成する。
【0040】
このように生成した在留カードの表面確認画像33は、在留カードに記載されたパーソナル情報が文字列として認識できるものである。そのため、パーソナル情報を、就労可否判定やその後のデータ登録処理等の様々な処理で用いることができて便利である。また、在留カード3のICチップに記憶されたカード情報を用いるので、在留カード3を撮影して得られた画像を用いるよりも、改ざん等の不正に対応できる。
なお、S13の処理ができなかったり、S14の処理で埋め込まれるべき文字列や顔画像がなかったりする場合には、制御部10は、偽造チェック処理によるエラーが発生したとして、タッチパネルディスプレイ26に、図示しないエラー画面を出力し、処理を終了してもよい。
【0041】
図3のS15において、制御部10は、生成した表面確認画像を含む確認画面を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。
図6に、生成した表面確認画像を含む、在留カード3の読取結果を出力する確認画面42を例示する。
確認画面42は、券面画像領域42aと、読取情報領域42bと、ボタン42cとを含む。
券面画像領域42aは、
図3のS14の処理で生成した表面確認画像を出力する領域である。
読取情報領域42bは、在留カード3のICチップから読み取ったカード情報のうち裏面の券面情報の一部の情報を出力する領域である。
ボタン42cは、就労判定を行う際にユーザによりタッチ操作がされる部材である。
【0042】
図3のS16において、制御部10は、就労可否を判定するか否かを判断する。
図6の確認画面42において、ユーザがボタン42cに対応するタッチ操作をすることで、制御部10は、就労可否を判定すると判断する。就労可否を判定する場合(S16:YES)には、制御部10は、処理をS17に移す。他方、就労可否を判定しない場合(S16:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
S17において、制御部10(設問処理部15)は、設問情報を出力し、回答を得ることで就労可否を判定する、後述する就労可否判定処理を行う。
【0043】
S18において、制御部10(判定結果出力部16)は、就労可否判定結果を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。就労可否判定結果に関しては、後述する。
S19において、制御部10は、当該処理で取得したデータを、データ保存サーバ5に対して送信する。データ保存サーバ5に送信するデータは、例えば、カード情報や、券面文字画像に対して文字認識処理を行って得た各文字列である。データ保存サーバ5では、受信したデータを記憶部に登録する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0044】
次に、就労可否判定処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る就労可否判定装置1の就労可否判定処理を示すフローチャートである。
図8及び
図9は、本実施形態に係る就労可否判定装置1での表示例を示す図である。
図10は、本実施形態に係る就労可否判定装置1に出力される指定書に関する設問の内容と判定結果との具体例を示す図である。
【0045】
図7のS31において、制御部10(設問出力部15a)は、単純労働か否かに関する設問情報を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。この設問情報は、単純労働か否かを回答させるためのものであるため、選択肢としては、「YES」又は「NO」の2択である。
S32において、制御部10(回答受付部15b)は、ユーザの操作によって選択された回答情報を受け付ける。
【0046】
S33において、制御部10は(設問処理部15)は、パターン記憶部23を参照し、判定結果を得られたか否かを判断する。受け付けた回答情報と、カード情報に含まれる読取情報とを用いて、パターン記憶部23を参照することで、制御部10は、判定結果を得られたか否かを判断できる。判定結果を得られた場合(S33:YES)には、制御部10は、処理を
図3のS18に移す。他方、判定結果を得られていない場合(S33:NO)には、制御部10は、処理をS34に移す。
【0047】
S34において、制御部10(情報確認部15c)は、次の設問情報を抽出し、その回答情報を既に有しているか否かを判断する。ここで、次の設問情報は、パターン記憶部23及び就労設問記憶部22から取得可能である。また、例えば、カード情報に含まれる情報から次の設問情報の回答情報を有している場合には、当該処理がYESになる。次の設問情報の回答情報を有している場合(S34:YES)には、制御部10は、処理をS33に移し、次の設問情報の回答情報から判定結果を得られたか否かを判断する。他方、次の設問情報の回答情報を有していない場合(S34:NO)には、制御部10は、処理をS35に移す。
S35において、制御部10(設問出力部15a)は、パターン記憶部23及び就労設問記憶部22から取得した次の設問情報を、タッチパネルディスプレイ26に出力する。その後、制御部10は、処理をS32に移し、判定結果を得られるまで、本処理を繰り返す。
【0048】
ここで、設問情報の画面例を、
図8及び
図9を用いて説明する。
図8(A)の画面51は、在留期間更新許可スタンプの確認に関する設問である。
画面51は、カード裏面見本画像51a(カード見本画像)と、選択肢51bとを含む。
カード裏面見本画像51aは、確認に用いる在留カードの裏面の見本画像である。カード裏面見本画像51aには、スタンプ位置Aが示されており、スタンプ位置Aは、当該設問において確認するべき箇所である。そこで、画面51では、スタンプ位置Aを強調して示すために、例えば、目立つ色で色付けがされている。
選択肢51bは、当該設問に対する回答である。ユーザは、手元にある在留カード3の裏面と当該画面51とを見比べて、スタンプ位置Aのスタンプの有無を確認し、選択肢51bの選択肢のうちの1つについてタッチ操作をする。
【0049】
また、
図8(B)の画面52は、資格外活動許可スタンプの確認に関する設問である。
画面52は、カード裏面見本画像52aと、選択肢52bとを含む。
ユーザは、手元にある在留カード3の裏面と当該画面52とを見比べて、スタンプ位置Bのスタンプの有無を確認し、選択肢52bの選択肢のうちの1つについてタッチ操作をする。
このように、確認に用いる在留カードの裏面の見本画像を含む設問情報を出力し、ユーザが実際の在留カード3と見比べながら1つについてタッチ操作を行うので、ユーザは、簡単に回答を行うことができる。
【0050】
図9(A)の画面53は、指定書の確認に関する設問である。
画面53は、書類見本画像53aと、選択肢とを含む。
書類見本画像53aは、確認する指定書の見本画像である。ユーザは、手元にある指定書があるか否かを確認し、選択肢のうちの1つについてタッチ操作をする。
【0051】
また、
図9(B)の画面54は、指定書が手元にある場合に出力される設問である。
画面54は、書類見本画像54aと、選択肢とを含む。
書類見本画像54aには、記載箇所Cが示されており、記載箇所Cは、当該設問において確認するべき箇所である。そこで、画面54では、記載箇所Cを強調して示すために、例えば、目立つ色で色付けがされている。
選択肢は、当該設問に対する回答である。選択肢の回答は、記載内容の有無に係るものである。ユーザは、手元にある指定書と当該画面54とを見比べて、記載箇所Cの記載内容を確認し、選択肢のうちの1つについてタッチ操作をする。
【0052】
図10は、指定書の記載箇所Cにおける記載内容の例である。制御部10は、例えば、選択aから順番に設問を出力する。そして、制御部10は、記載内容を有する旨の回答情報を受け付けた場合に、指定書の記載に関する設問情報の出力を終了する。
【0053】
次に、就労可否の判定結果の画面例を説明する。
図11は、本実施形態に係る就労可否判定装置1での判定結果に係る表示例を示す図である。
図11(A)は、判定結果として、総合判定が「○」の場合の結果画面71を示す。
結果画面71は、総合評価71aと、個別評価71bとを含む。
総合評価71aは、総合判定の結果であり、総合判定の理由が示されている。また、総合評価71aは、就労に問題ないものであるとして、例えば、緑色で色付けがされている。
個別評価71bは、期限判定と、就労判定と、注意点との各項目に係る内容が示されている。期限判定と、就労判定とは、「○」、「△」、「×」といった記号で示される。制御部10は、これらの記号を、記号が示す内容に応じた色付けをして出力してもよい。
【0054】
図11(B)は、判定結果として、総合判定が「△」の場合の結果画面72を示す。結果画面72では、総合評価に該当する部分が、例えば、黄色で色付けがされている。
図11(C)は、判定結果として、総合判定が「×」の場合の結果画面73を示す。結果画面73では、総合評価に該当する部分が、例えば、赤色で色付けがされている。
【0055】
このように、本実施形態の就労可否判定システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)就労可否判定装置1は、就労に関する質問及び質問の対になる選択式の回答からなる所定の設問情報を出力し、設問情報に対する回答情報を受け付け、受け付けた回答情報に基づく判定結果情報を取得するまで、設問情報の出力及び回答情報の受け付けを繰り返し、取得した判定結果情報を出力する。そして、設問情報は、質問に在留カードのカード見本画像を有するものを含み、カード見本画像は、質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものである。
よって、ユーザは、就労可否判定装置1に出力された設問情報に対して選択式の回答を入力するだけで、就労可否に係る判定結果を得ることができるので、簡単に就労可否の判定結果を得ることができる。また、出力される設問情報は、在留カードのカード見本画像を含み、確認項目が強調されているので、実際の在留カード3と見比べながら確認ができ、分かりやすいインタフェースをユーザに提供できる。
【0056】
(2)設問情報は、質問に特定活動の指定書の書類見本画像を有するものを含み、書類見本画像は、質問に含まれる確認項目に対応する部分を強調したものであり、選択式の回答は、確認項目の記載の有無に係るものである。
よって、実際の指定書と見比べながら確認ができ、強調表示された箇所に確認項目の記載の有無を回答すればよいため、回答を簡単に行うことができる。
【0057】
(3)就労可否判定装置1は、在留カード3に有するICチップを読み取る近距離無線通信部28を介して、在留カード3に有するカード情報を取得し、取得したカード情報に含む表面の券面文字画像に対して文字認識処理を行うことで得られる各文字列を取得し、取得した各文字列に対応する項目を特定して、取得した各文字列を、特定した項目に基づいて在留カードの背景画像に合成し、カード情報に含む顔画像をさらに合成して、表面確認画像を生成する。そして、生成した表面確認画像を出力する。
よって、在留カード3のICチップに有するカード情報から、当該在留カードの表面確認画像を生成して出力するので、ICチップに有するカード情報の内容を、在留カードの画像として出力でき、実際の在留カード3との比較を容易に行うことができる。その結果、在留カードのカード表面の偽造の有無を確認できる。また、券面文字画像から得られた文字列を出力するので、当該文字列を後の処理に用いることができる。
(4)就労可否判定装置1は、取得したカード情報に含む表面の券面文字画像を、画像処理サーバ4に対して送信すると、画像処理サーバ4では、受信した表面の券面文字画像に対して文字認識処理を行って各文字列を取得する。そして、画像処理サーバ4が、取得した各文字列を、就労可否判定装置1に対して送信すると、就労可否判定装置では、各文字列を取得する。
よって、画像から文字列を取得する処理を、画像処理サーバ4に行わせることができ、就労可否判定装置1の処理に係る負荷を低減できる。
(5)就労可否判定装置1を、近距離無線通信部28を有する端末として実現できるので、例えば、スマートフォン等の携帯端末で処理を行うことができ、ユーザの利便性に優れたものにできる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0059】
(変形形態)
(1)本実施形態では、就労可否判定装置1を、スマートフォンに代表される携帯端末で実現するものを例に説明したが、これに限定されない。就労可否判定装置は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。その場合、在留カードのICチップが読み取れるように、読取装置を就労可否判定装置に接続して用いればよい。
【0060】
(2)本実施形態では、就労可否判定装置1の記憶部20に、就労設問記憶部22やパターン記憶部23を記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、外部のサーバにこれらの記憶部を記憶させ、就労可否判定装置が、通信ネットワークを介してこれらの記憶部を記憶する外部のサーバ等に接続する構成であってもよい。
【0061】
(3)本実施形態では、指定書に関する設問情報が就労設問記憶部22に既に登録されているものを説明した。就労設問記憶部22に記憶されている設問情報は、就労可否判定装置が生成したものであってもよい。
その場合、就労可否判定装置の制御部(指定書分類手段)は、図示しない指定書画像記憶部に記憶された複数の指定書の画像を分類する。ここでの分類は、例えば、文字認識処理を行って得た文字列による分類でもよいし、画像の特徴量による分類でもよい。そして、就労可否判定装置の制御部(設問作成手段)は、分類結果を用いて指定書に係る設問情報を作成する。
このように、指定書の画像から設問情報を作成することで、作成された設問情報は、指定書のバリエーションに対応したものにできる。
【符号の説明】
【0062】
1 就労可否判定装置
3 在留カード
4 画像処理サーバ
10 制御部
11 ガイダンス出力部
12 カード情報取得部
13 文字列取得部
14 券面画像生成処理部
15 設問処理部
15a 設問出力部
15b 回答受付部
15c 情報確認部
16 判定結果出力部
20 記憶部
21a 就労可否判定プログラム
22 就労設問記憶部
23 パターン記憶部
26 タッチパネルディスプレイ
28 近距離無線通信部
29 データ通信IF
100 就労可否判定システム
N データ通信網