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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072020
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】計量機能付き特装車
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/04 20060101AFI20240520BHJP
   B62D 21/02 20060101ALI20240520BHJP
   G01G 19/12 20060101ALI20240520BHJP
   B60P 5/00 20060101ALN20240520BHJP
【FI】
B60P1/04 G
B62D21/02 Z
G01G19/12 Z
B60P5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182592
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208204
【氏名又は名称】大林道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518199849
【氏名又は名称】大煌工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】福本 勝司
(72)【発明者】
【氏名】山下 将弘
(72)【発明者】
【氏名】足立 大志
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】上野 嘉和
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA16
3D203BA03
3D203BA06
3D203BA07
3D203BA12
3D203DB02
3D203DB12
(57)【要約】
【課題】重量測定器を設置する位置の自由度が高い計量機能付き特装車を提供することを課題とする
【解決手段】シャシフレーム10を有する車両部2と、特装装置3を有し、前記シャシフレーム10に前記特装装置3が搭載された計量機能付き特装車1であって、前記特装装置3は、物品収容部材31と、前記物品収容部材31を傾斜させる傾斜手段と、重量測定器60を有し、前記重量測定器60によって物品収容部材31の重量が測定される計量機能付き特装車1において、前記特装装置3は、前記シャシフレーム10よりも幅が広いデッキフレーム30を有し、当該デッキフレーム30に前記物品収容部材31が載置されており、前記デッキフレーム30が前記傾斜手段によって傾斜されて前記物品収容部材31が傾斜するものであり、前記デッキフレーム30に前記重量測定器60が設けられており、前記物品収容部材31の荷重が前記重量測定器60に掛けられて物品収容部材31の重量が測定されることを特徴とする計量機能付き特装車1。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシフレームを有する車両部と、特装装置を有し、前記シャシフレームに前記特装装置が搭載された計量機能付き特装車であって、前記特装装置は、物品収容部材と、前記物品収容部材を傾斜させる傾斜手段と、重量測定器を有し、前記重量測定器によって積載物の重量が測定される計量機能付き特装車において、
前記特装装置は、前記シャシフレームの全体の幅よりも幅が広いデッキフレームを有し、当該デッキフレームに前記物品収容部材が載置されており、前記デッキフレームが前記傾斜手段によって傾斜されて前記物品収容部材が傾斜するものであり、
前記デッキフレームに前記重量測定器が設けられており、前記物品収容部材の荷重が前記重量測定器に掛けられて積載物の重量が測定されることを特徴とする計量機能付き特装車。
【請求項2】
前記シャシフレームは、平行に配された一対の第1縦部材を有し、当該第1縦部材は、それぞれ車両部の前後方向にのびており、
前記デッキフレームは、少なくとも2本の第2縦部材と、複数の横部材を有し、いずれか一組の第2縦部材の間隔が前記シャシフレームの一対の第1縦部材の間隔と略等しく、
前記横部材のいずれかは前記一対のシャシフレームの全体の幅よりも長く且つ前記シャシフレームから幅方向に突出し、
前記重量測定器は前記横部材の突出部分に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の計量機能付き特装車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプカー、コンテナ運搬車、塵芥収集車その他の特装車であって、荷台や荷箱、タンク等の物品収容部材を傾斜させる機能と、計量機能を備えた特装車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積載物を排出するための方策として、荷台や荷箱を傾斜させる方法が広く知られている。また積載物の重量を測定する機能を備えた貨物自動車が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された貨物自動車は、ダンプトラックであり、荷箱を傾斜させて内部の物を排出するものである。
【0003】
特許文献1に開示されたダンプトラックは、シャシフレーム、サブフレーム、メインフレーム(本願発明のデッキフレームに相当する)及び荷箱を有している。また特許文献1に開示されたダンプトラックは、ロードセルを4個備えている。
特許文献1に開示されたダンプトラックでは、車両のシャーシ部分に、シャシフレームがあり、その上部にサブフレームが固着されている。シャシフレームは、二列に配された桁である。サブフレームは、シャシフレームと同じ間隔で二列に配された桁であり、シャシフレームの上に固定されている。サブフレームは、シャシフレームに一体的に固定されており、揺動しない。
荷箱は、メインフレームに一体的に固定されている。荷箱の幅はシャシフレームの全体の幅よりも広い。即ち荷箱の幅は、二列に配された桁の全体の外寸法よりも広い。
特許文献1に開示されたダンプトラックでは、サブフレームとメインフレームがヒンジを介して取り付けられており、メインフレーム及びその上の荷箱が揺動する。
【0004】
特許文献1のダンプトラックでは、サブフレームにロードセルが設けられており、当該ロードセルによって荷箱の重量が測定される。
4個のロードセルの配置は、車両の前方に2基設けられ、後方のヒンジ部に2基設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2-90023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたダンプトラックは、前方に設けられた2基のロードセルの間隔が短いという問題がある。特許文献1に開示されたダンプトラックは、後方の2基のロードセルの間隔も短いという問題がある。
即ち特許文献1に開示されたダンプトラックでは、サブフレームにロードセルが取り付けられている。サブフレームは二本の桁であり、二本の桁を合わせた状態の外寸法たるサブフレームの全体の幅は、シャシフレームの全体の幅と同じである。
特許文献1に開示されたダンプトラックは、サブフレームにロードセルが取り付けられているので、ロードセルの間隔は、シャシフレームの全体の幅による制約がある。
【0007】
これに対して荷箱の幅は、サブフレーム及びシャシフレームの全体の幅よりも広い。
そのため、特許文献1の構成によると、ロードセルが荷箱のねじれの影響を受けやすく、各ロードセルの測定値が安定しないという問題がある。
サブフレームから幅方向に部材を張出してその張出部分にロードセルを取り付けることが考えられるが、サブフレームの側面にはタイヤや蓄電器等の車両の付属品があり、ロードセルを取り付ける位置が制約される。
【0008】
本発明は、従来の上記した問題点に注目し、重量測定器を設置する位置の自由度が高い計量機能付き特装車を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための態様は、シャシフレームを有する車両部と、特装装置を有し、前記シャシフレームに前記特装装置が搭載された計量機能付き特装車であって、前記特装装置は、物品収容部材と、前記物品収容部材を傾斜させる傾斜手段と、重量測定器を有し、前記重量測定器によって積載物の重量が測定される計量機能付き特装車において、前記特装装置は、前記シャシフレームの全体の幅よりも幅が広いデッキフレームを有し、当該デッキフレームに前記物品収容部材が載置されており、前記デッキフレームが前記傾斜手段によって傾斜されて前記物品収容部材が傾斜するものであり、前記デッキフレームに前記重量測定器が設けられており、前記物品収容部材の荷重が前記重量測定器に掛けられて積載物の重量が測定されることを特徴とする計量機能付き特装車である。
【0010】
本態様の特装車は、少なくともシャシフレームと、デッキフレームと、物品収容部材を有している。本態様の特装車は、デッキフレームが傾斜手段によって傾斜されて荷台や荷箱等の物品収容部材が傾斜するものである。
本態様の特装車では、デッキフレームに重量測定器が設けられており、荷台等の荷重が重量測定器に掛けられて荷台等の重量が測定される。
デッキフレームは、荷台等の物品収容部材を支えるものであり、シャシフレームよりも幅が広い。またデッキフレームの高さ方向の位置は、シャシフレームよりも十分に高く、車両部の付属品の多くはデッキフレームよりも下の位置にある。そのため本態様の特装車は、重量測定器を設置する位置の自由度が高い。
【0011】
上記した態様において、前記シャシフレームは、平行に配された一対の第1縦部材を有し、当該第1縦部材は、それぞれ車両部の前後方向にのびており、前記デッキフレームは、少なくとも2本の第2縦部材と、複数の横部材を有し、いずれか一組の第2縦部材の間隔が前記シャシフレームの一対の第1縦部材の間隔と略等しく、前記横部材のいずれかは前記一対のシャシフレームの全体の幅よりも長く且つ前記シャシフレームから幅方向に突出し、前記重量測定器は前記横部材の突出部分に設置されていることが望ましい。
【0012】
本態様の特装車は、デッキフレームの第2縦部材の間隔がシャシフレームの一対の第1縦部材の間隔と略等しいので、上部の荷重が第2縦部材を介して第1縦部材で支持される。
また本態様の特装車では、デッキフレームの横部材が横方向に突出しており、当該突出部分に重量測定器のいずれかは、一対のシャシフレームの幅よりも長く且つ前記シャシフレームから幅方向に突出し、重量測定器が突出部分に設置されているから、重量測定器の間隔を広くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の計量機能付き特装車は、重量測定器を設置する位置の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の計量機能付き特装車の正面図であり、(a)は走行時の状態を示し、(b)は荷箱を傾斜させた状態を示す。
図2図1の計量機能付き特装車の特装装置の正面図である。
図3図1の計量機能付き特装車の各部材を概念的に表示した分解斜視図である。
図4図1の計量機能付き特装車の各部材を概念的に表示した分解正面図である。
図5図1の計量機能付き特装車の各部材の組合せを概念的に表示した断面図である。
図6】(a)は図1のA部の拡大斜視図であり、(b)は図1のB部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお以下の説明において、前後の関係は、車両の前後に合わせ、キャビン部5側が前であり、後ろあおり35側が後ろである。
本実施形態の計量機能付き特装車1は、計量機能付きのダンプトラックである。なお、以下の説明においては、計量機能付き特装車1を単に特装車1と略称する場合がある。
本実施形態の特装車1は、前記した様にダンプトラックであり、トラック車両(車両部)2に特装装置3が搭載されたものである。
【0016】
トラック車両2は、公知のそれと同様にキャビン部5と架台部6を有し、走行輪7を有していて走行輪7を回転して自走する。
トラック車両2はシャシフレーム10を備えている。シャシフレーム10は、図3図4図5の様に、平行に配された一対の第1縦部材11a、11bを有している。第1縦部材11a、11bは、それぞれトラック車両2の前後方向にのびている。
【0017】
次に特装装置3について説明する。最初に特装装置3の概略構成について説明する。
特装装置3は、図2乃至図5の様にメインフレーム20と、揺動部21と、傾斜手段22(図1参照)と、4個のヒンジ部材50a、50b、50c、50d(図3)によって構成されている。また4個のヒンジ部材50に重量測定器たるピン式ロードセル60が設けられている。
メインフレーム20は、トラック車両2のシャシフレーム10に固定される固定部として機能するものであり、鋼材で作られたフレーム枠である。
【0018】
揺動部21は、デッキフレーム30と、サブデッキフレーム28と、荷箱(物品収容部材)31によって構成されている。また揺動部21には、ヒンジ部材50が4個取り付けられている。
荷箱31は公知のダンプトラックの物品収容部材であり、上部が開放された箱であり、後端部には開閉可能な後ろあおり35が設けられている。
【0019】
傾斜手段22は、図1図2の様に、傾斜用シリンダ33と補助支持部材32によって構成されている。
【0020】
揺動部21のデッキフレーム30は、図2の様に、メインフレーム20の後端側の左右両側にヒンジ27を介して固定されている。従って揺動部21は、ヒンジ27を中心として揺動し、デッキフレーム30に搭載された荷箱31が水平姿勢と傾斜姿勢をとることができる。
【0021】
デッキフレーム30の裏面側と、メインフレーム20の間には傾斜手段22が取り付けられている。傾斜手段22の取り付け構造は公知のそれと同様であり、ロッド38側が図示しないピンを介して揺動部21に取り付けられている。また傾斜手段22のボトム側は図示しないピンを介してメインフレーム20に固定されている。
従って傾斜用シリンダ33のボトム側ポートに作動油を導入してロッド38が伸長すると、図1(b)の様に荷箱31の前側がヒンジ27を中心として持ち上がって傾斜姿勢となる。
【0022】
次に、本実施形態の計量機能付き特装車1における各部材の関係および特徴的構成について説明する。
本実施形態の特装装置3のメインフレーム20は、図3図4の様に平行に配された一対の第3縦部材40a、40bを有し、その間に複数の補強部材41が設けられたものである。
第3縦部材40a、40bは、いずれもトラック車両2の前後方向にのびている。
2本の第3縦部材40a、40bを合わせた全体の幅WB(以下、単に全幅WBと称する場合がある)は、シャシフレーム10の一対の第1縦部材11a、11bを合わせたシャシフレーム10全体の幅WA(以下、単に全幅WAと称する場合がある)と略等しい。即ち第1縦部材11aの上に第3縦部材40aが載り、第1縦部材11bの上に第3縦部材40bが載り得る程度にメインフレーム20の全幅WBと、シャシフレーム10の全幅WAが等しい。
【0023】
次に揺動部21の具体的な構成について説明する。前記した様に、揺動部21は、デッキフレーム30と、サブデッキフレーム28と、荷箱31によって構成されている。
デッキフレーム30は、図3の様に、2本の第2縦部材45a、45bと、2本の横部材46a、46bを有している。
デッキフレーム30の第2縦部材45a、45bは、それぞれトラック車両2の前後方向にのびている。
2本の第2縦部材45a、45bを合わせたデッキフレーム30の桁間の幅WC(以下、単に桁間の全幅WCと称する)は、図3図5の様に、メインフレーム20の第3縦部材40a、40bを合わせた全幅WBと略等しい。また2本の第2縦部材45a、45bを合わせた桁間の全幅WCは、図3図5の様に、シャシフレーム10の一対の第1縦部材11a、11bの全幅WAとも略等しい。
【0024】
デッキフレーム30の横部材46a、46bは、第1縦部材11a、11bの前後方向の両端近傍ににあって、第1縦部材11a、11bと直交する方向に設置されている。
横部材46a、46bの全長は、シャシフレーム10の第1縦部材11a、11bの全幅WAよりも長く、横部材46a、46bの両端は、第1縦部材11a、11bから外側に向かって片持ち状に突出している。
【0025】
サブデッキフレーム28は、荷箱31を補強するものであり、荷箱31の底壁に溶接されている。即ちサブデッキフレーム28は、荷箱31と一体である。サブデッキフレーム28は、二本の縦部材25が平行に配され、縦部材25の間に横部材26が3本設けられたものである。
【0026】
本実施形態の特装車1では、図3図4図5の様に、サブデッキフレーム28が4か所のヒンジ部材50a、50b、50c、50dを介してデッキフレーム30に取り付けられている。本実施形態では、前記した様に、荷箱31の底にサブデッキフレーム28が設けられているので、ヒンジ部材50a、50b、50c、50dは、サブデッキフレーム28とデッキフレーム30を結合することによって、荷箱31がデッキフレーム30に固定されている。
【0027】
本実施形態では、図3の様に、ヒンジ部材50a、50b、50c、50dは、デッキフレーム30の横部材46a、46bであって、第1縦部材11a、11bから外側に向かって突出した部分に取り付けられている。
【0028】
ヒンジ部材50の構造は、図3図6の様である。
本実施形態では、前側に設置されたヒンジ部材50a、50bと、後方に設置されたヒンジ部材50c、50dは、構造が異なっている。
前側に設置されたヒンジ部材50a、50bは、上部側軸受け部材51と、下部側軸受け部材52と、ピン式ロードセル(重量測定器)60によって構成されている。
上部側軸受け部材51は、枠状であり、貫通孔60aが設けられている。下部側軸受け部材52は、一対の下側ブラケット片53a、53bを有している。下側ブラケット片53a、53bには貫通孔60bが設けられている。
【0029】
ヒンジ部材50a、50bは、下側ブラケット片53a、53bの間に上部側軸受け部材51が配置され、各貫通孔60a、60bを貫通するように、ピン式ロードセル(重量測定器)60が設置されている。
ここでピン式ロードセル60は、中空ピンの内側中央部に複数のひずみゲージを装着したものであり、上部側軸受け部材51と下部側軸受け部材52にかかる荷重によって中空ピンがたわみ、ひずみゲージが出力信号を発生するものである。
【0030】
後方に設置されたヒンジ部材50c、50dは、上部側軸受け部材55と、下部側軸受け部材56と、ピン式ロードセル(重量測定器)60によって構成されている。
上部側軸受け部材55は、サブデッキフレーム28の縦部材25に補器板57が溶接され、サブデッキフレーム28の縦部材25と補器板57を貫通する貫通孔60cが設けられたものである。
下部側軸受け部材56は、下側ブラケット片58a、58bを有している。下側ブラケット片58a、58bには貫通孔60dが設けられている。
ヒンジ部材50c、50dは、下側ブラケット片58a、58bの間に上部側軸受け部材55が配置され、各貫通孔60c、60dを貫通するように、ピン式ロードセル(重量測定器)60が設置されている。
【0031】
本実施形態では、各ヒンジ部材50a、50b、50c、50dの上部側軸受け部材51、55がいずれもサブデッキフレーム28に固定されている。また各ヒンジ部材50a、50b、50c、50dの下部側軸受け部材52、56がいずれもデッキフレーム30に取り付けられている。
なお本実施形態では、トラック車両2の前側に取り付けられたヒンジ部材50a、50bは、図3図4図6の様に、ピン式ロードセル60がトラック車両2の前後方向に向く姿勢で取り付けられている。一方、トラック車両2の後方側に取り付けられたヒンジ部材50c、50dは、図3図4図6の様に、ピン式ロードセル60がトラック車両2の幅方向に向く姿勢で取り付けられている。
本実施形態では、ピン式ロードセル60の向きを違えることにより、ピン式ロードセル60に掛かる力の方向による検知誤差を少なくしている。
【0032】
本実施形態の特装車1では、トラック車両2のシャシフレーム10の全幅WAと、特装装置3のメインフレーム20の第3縦部材40a、40bの全幅WBが同じであり、図5の様に、トラック車両2のシャシフレーム10の第1縦部材11a、11bの真上にメインフレーム20の第3縦部材40a、40bが乗る。
さらに特装装置3のデッキフレーム30の第2縦部材45a、45bの桁間の全幅WCがメインフレーム20の第3縦部材40a、40bの全幅WBと同じである。そのため図5の様に、メインフレーム20の第3縦部材40a、40bの上にデッキフレーム30の第2縦部材45a、45bが乗る。
そのため、デッキフレーム30の第2縦部材45a、45bと、メインフレーム20の第3縦部材40a、40bが、トラック車両2のシャシフレーム10の上に重なる。そのため荷箱31等の荷重が直接的にシャシフレーム10に負荷され、各部の荷重による変形が少ない。
【0033】
本実施形態の特装車1では、荷箱31を傾斜させると、ピン式ロードセル(重量測定器)60も共に傾斜する。
荷箱31の重量を測定する場合は、荷箱31の姿勢を水平姿勢に戻し、各ピン式ロードセル60からの信号を図示しない制御装置で検知し、各ピン式ロードセル60に掛かった重量を演算し、さらに各ピン式ロードセル60に掛かった重量を合算する。
実際には荷箱31自体の重量を引いて、荷箱31に収容されている積載物の重量を検知する。
【0034】
本実施形態の特装車1では、ピン式ロードセル60が、デッキフレーム30の横部材46a、46bであって、第1縦部材11a、11bから外側に向かって突出した部分に取り付けられている。そのため、幅方向に設置されたピン式ロードセル60の設置間隔が広く、荷箱31のねじれによる影響を受けにくい。そのため、ピン式ロードセル60の検出値が安定し、荷箱31の重量を正確に測定することができる。
【0035】
本実施形態の特装車1は、ピン式ロードセル60の取り付け位置の自由度が幅方向に広い。
【0036】
以上説明した実施形態の特装車1では、シャシフレーム10、メインフレーム20、デッキフレーム30、サブデッキフレーム28を有し、サブデッキフレーム28が荷箱31に一体的に固定されており、デッキフレーム30とサブデッキフレーム28との間に重量測定器が配されているが、サブデッキフレーム28を省略してデッキフレーム30と荷箱31の間に重量測定器を設けてもよい。
【0037】
以上説明した実施形態では、シャシフレーム10、メインフレーム20、デッキフレーム30、サブデッキフレーム28は、いずれも縦部材を2本有しているが、縦部材の数は3本以上であってもよい。ただし、シャシフレーム10のいずれかの縦部材の真上に、メインフレーム20のいずれかの縦部材があり、さらにメインフレーム20のいずれかの縦部材の真上にデッキフレーム30のいずれかの縦部材があることが望ましい。
シャシフレーム10とメインフレーム20の間や、メインフレーム20とデッキフレーム30の間に、受け木の様な中間物があってもよい。
シャシフレーム10に横部材があってもよい。メインフレーム20、デッキフレーム30、サブデッキフレーム28の横部材の数は任意である。
【0038】
以上、ダンプトラックを例に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、他の特装車についても適用可能である。例えば塵芥収集車に本発明を適用することもできる。また穀物配送者の様な、穀物収容タンクを備えた特装車に本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 計量機能付き特装車(特装車)
2 トラック車両(車両部)
3 特装装置
10 シャシフレーム
11a、11b 第1縦部材
20 メインフレーム
22 傾斜手段
25 縦部材
26 横部材
28 サブデッキフレーム
30 デッキフレーム
31 荷箱(物品収容部材)
40a、40b 第3縦部材
45a、45b 第2縦部材
46a、46b 横部材
50a、50b、50c、50d ヒンジ部材
60 ピン式ロードセル(重量測定器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6