(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072037
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】電力増幅装置
(51)【国際特許分類】
H03F 1/32 20060101AFI20240520BHJP
H03F 1/22 20060101ALI20240520BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20240520BHJP
H03F 3/21 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
H03F1/32
H03F1/22
H03F3/45 220
H03F3/21
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182623
(22)【出願日】2022-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】山口 佑一郎
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AA13
5J500AA41
5J500AC21
5J500AF17
5J500AH02
5J500AH25
5J500AH29
5J500AK06
5J500AM17
5J500DM04
5J500DN01
5J500DN23
5J500DP02
5J500NG06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回路面積の増大を避けつつ線形性を向上させることが可能な電力増幅装置を提供する。
【解決手段】電力増幅装置Aは、差動対を構成するトランジスタ対のそれぞれのコレクタに、ベース端子が対応するバイアス端子にそれぞれ接続されたトランジスタが多段にカスコード接続され、最終段のカスコード接続されたトランジスタのコレクタには抵抗が接続される差動増幅回路において、少なくとも1つの段の出力から同相側の初段入力のトランジスタのベースに各々帰還を施した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタが多段にカスコード接続された差動増幅回路の少なくとも1つの段の出力から同相側の初段入力に各々帰還を施した電力増幅装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの段は、初段である請求項1に記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの段は、全段である請求項1に記載の電力増幅装置。
【請求項4】
キャパシタを用いて前記帰還を施した請求項1~3のいずれか一項に記載の電力増幅装置。
【請求項5】
前記多段は2段であり、前記少なくとも1つの段は全段であり、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい請求項4に記載の電力増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、線形性の向上(歪の低減)を図るためのインダクタンス値を持った線路を配置する電力増幅回路が開示されている。また、特許文献2には、フィードバック回路をクロスさせる差動増幅回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-77939号公報
【特許文献2】特開2005-12770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術において、大きなインダクタンス値を得るためには、サイズの大きな線路を配置する必要があり、回路面積の増大が避けられないという問題がある。一方、特許文献2の技術ではフィードバック回路のアイソレーションが向上し、線形性も改善するが、改善幅が小さく所望の線形性を得ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、回路面積の増大を避けつつ線形性を向上させることが可能な電力増幅装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、電力増幅装置に係る第1の解決手段として、トランジスタが多段にカスコード接続された差動増幅回路の少なくとも1つの段の出力から同相側の初段入力に各々帰還を施した、という手段を採用する。
【0007】
本発明では、電力増幅装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記少なくとも1つの段は初段である、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、電力増幅装置に係る第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記少なくとも1つの段は全段である、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、電力増幅装置に係る第4の解決手段として、上記第1~第3のいずれかの解決手段において、キャパシタを用いて前記帰還を施した、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、電力増幅装置に係る第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記多段は2段であり、前記少なくとも1つの段は全段であり、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回路面積の増大を避けつつ線形性を向上させることが可能な電力増幅装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電力増幅装置の構成を示す回路図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る電力増幅装置の直線性を示す表である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る電力増幅装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
最初に
図1及び
図2を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る電力増幅装置Aは、
図1に示すように9つのトランジスタTr1~Tr9、5つの抵抗器R1~R5、8つのキャパシタC1~C8、一対の電源端子Vcc1、Vcc2、接地端子GND、一対の高周波入力端子RFin
p、RFin
n、一対の高周波出力端子RFout p、RFout n、5つのバイアス端子Vbias1、Vbias21、Vbias22、Vbias31、Vbias32を備えている。
【0014】
第1トランジスタTr1は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端、第3キャパシタC3の一端及び第4キャパシタC4の一端に接続されている。また、第1トランジスタTr1は、エミッタ端子が第2トランジスタTr2のエミッタ端子、第2キャパシタC2の一端、第3トランジスタTr3のコレクタ端子及び第4トランジスタTr4のコレクタ端子に接続されている。さらに、第1トランジスタTr1は、ベース端子が第4バイアス端子Vbias31に接続されている。
【0015】
第2トランジスタTr2は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端、第3キャパシタC3の一端及び第4キャパシタC4の一端に接続されている。また、第2トランジスタTr2は、エミッタ端子が第1トランジスタTr1のエミッタ端子、第2キャパシタC2の一端、第3トランジスタTr3のコレクタ端子及び第4トランジスタTr4のコレクタ端子に接続されている。さらに、第2トランジスタTr2は、ベース端子が第1トランジスタTr1のベース端子及び第4バイアス端子Vbias31に接続されている。
【0016】
第3トランジスタTr3は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第1トランジスタTr1のエミッタ端子、第2トランジスタTr2のエミッタ端子、第4トランジスタTr4のコレクタ端子及び第2キャパシタC2の一端に接続されている。また、第3トランジスタTr3は、エミッタ端子が第4トランジスタTr4のエミッタ端子、第5トランジスタTr5のドレイン端子、第8トランジスタTr8のエミッタ端子及び第9トランジスタTr9のエミッタ端子に接続されている。さらに、第3トランジスタTr3は、ベース端子が第4トランジスタTr4のベース端子、第2キャパシタC2の他端、第3キャパシタC3の他端及び第1抵抗器R1の一端に接続されている。
【0017】
第4トランジスタTr4は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第1トランジスタTr1のエミッタ端子、第2トランジスタTr2のエミッタ端子、第3トランジスタTr3のコレクタ端子及び第2キャパシタC2の一端に接続されている。また、第4トランジスタTr4は、エミッタ端子が第3トランジスタTr3のエミッタ端子、第5トランジスタTr5のドレイン端子、第8トランジスタTr8のエミッタ端子及び第9トランジスタTr9のエミッタ端子に接続されている。さらに、第4トランジスタTr4は、ベース端子が第3トランジスタTr3のベース端子、第2キャパシタC2の他端、第3キャパシタC3の他端及び第1抵抗器R1の一端に接続されている。
【0018】
第5トランジスタTr5は、図示するようにMOS型電界効果トランジスタであり、ドレイン端子が第3トランジスタTr3のエミッタ端子、第4トランジスタTr4のエミッタ端子、第8トランジスタTr8のエミッタ端子及び第9トランジスタTr9のエミッタ端子に接続されている。また、第5トランジスタTr5は、ソース端子が第3抵抗器R3の一端に接続されている。さらに、第5トランジスタTr5は、ゲート端子が第1バイアス端子Vbias1に接続されている。
【0019】
第6トランジスタTr6は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端、第7キャパシタC7の一端及び第8キャパシタC8の一端に接続されている。また、第6トランジスタTr6は、エミッタ端子が第7トランジスタTr7のエミッタ端子、第6キャパシタC6の一端、第8トランジスタTr8のコレクタ端子及び第9トランジスタTr9のコレクタ端子に接続されている。さらに、第6トランジスタTr6は、ベース端子が第7トランジスタTr7のベース端子及び第5バイアス端子Vbias32に接続されている。
【0020】
第7トランジスタTr7は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端、第7キャパシタC7の一端及び第8キャパシタC8の一端に接続されている。また、第7トランジスタTr7は、エミッタ端子が第6トランジスタTr6のエミッタ端子、第6キャパシタC6の一端、第8トランジスタTr8のコレクタ端子及び第9トランジスタTr9のコレクタ端子に接続されている。さらに、第7トランジスタTr7は、ベース端子が第6トランジスタTr6のベース端子及び第5バイアス端子Vbias32に接続されている。
【0021】
第8トランジスタTr8は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第6トランジスタTr6のエミッタ端子、第7トランジスタTr7のエミッタ端子、第9トランジスタTr9のコレクタ端子及び第6キャパシタC6の一端に接続されている。また、第8トランジスタTr8は、エミッタ端子が第9トランジスタTr9のエミッタ端子、第5トランジスタTr5のドレイン端子、第3トランジスタTr3のエミッタ端子及び第4トランジスタTr4のエミッタ端子に接続されている。さらに、第8トランジスタTr8は、ベース端子が第9トランジスタTr9のベース端子、第6キャパシタC6の他端、第7キャパシタC7の他端及び第4抵抗器R4の一端に接続されている。
【0022】
第9トランジスタTr9は、図示するようにNPN型バイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が第6トランジスタTr6のエミッタ端子、第7トランジスタTr7のエミッタ端子、第8トランジスタTr8のコレクタ端子及び第6キャパシタC6の一端に接続されている。また、第9トランジスタTr9は、エミッタ端子が第8トランジスタTr8のエミッタ端子、第5トランジスタTr5のドレイン端子、第3トランジスタTr3のエミッタ端子及び第4トランジスタTr4のエミッタ端子に接続されている。さらに、第9トランジスタTr9は、ベース端子が第8トランジスタTr8のベース端子、第6キャパシタC6の他端、第7キャパシタC7の他端及び第4抵抗器R4の一端に接続されている。
【0023】
第1抵抗器R1は、所定の抵抗値(第1抵抗値)を有しており、一端が第3トランジスタTr3のベース端子、第4トランジスタTr4のベース端子、第2キャパシタC2の他端及び第3キャパシタC3の他端に接続されている。また、第1抵抗器R1は、他端が第1キャパシタC1の一端及び第2バイアス端子Vbias21に接続されている。
【0024】
第2抵抗器R2は、所定の抵抗値(第2抵抗値)を有しており、一端が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第3キャパシタC3の一端及び第4キャパシタC4の一端に接続されている。また、第2抵抗器R2は、他端が第1電源端子Vcc1に接続されている。
【0025】
第3抵抗器R3は、所定の抵抗値(第3抵抗値)を有しており、一端が第5トランジスタTr5のソース端子に接続されている。また、第3抵抗器R3は、他端が接地端子GNDに接続されている。
【0026】
第4抵抗器R4は、所定の抵抗値(第4抵抗値)を有しており、一端が第8トランジスタTr8のベース端子、第9トランジスタTr9のベース端子、第6キャパシタC6の他端及び第7キャパシタC7の他端に接続されている。また、第4抵抗器R4は、他端が第3バイアス端子Vbias22及び第5キャパシタC5の一端に接続されている。
【0027】
第5抵抗器R5は、所定の抵抗値(第5抵抗値)を有しており、一端が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第7キャパシタC7の一端及び第8キャパシタC8の一端に接続されている。また、第5抵抗器R5は、他端が第2電源端子Vcc2に接続されている。
【0028】
第1キャパシタC1は、所定の静電容量(第1静電容量)を有しており、一端が第1抵抗器R1の他端及び第2バイアス端子Vbias21に接続されている。また、第1キャパシタC1は、他端が第1高周波入力端子RFin pに接続されている。
【0029】
第2キャパシタC2は、所定の静電容量(第2静電容量)を有しており、一端が第1トランジスタTr1のエミッタ端子、第2トランジスタTr2のエミッタ端子、第3トランジスタTr3のコレクタ端子及び第4トランジスタTr4のコレクタ端子に接続されている。また、第2キャパシタC2は、他端が第3トランジスタTr3のベース端子及び第4トランジスタTr4のベース端子、第1抵抗器R1の一端及び第3キャパシタC3の他端に接続されている。
【0030】
第3キャパシタC3は、所定の静電容量(第3静電容量)を有しており、一端が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端及び第4キャパシタC4の一端に接続されている。また、第3キャパシタC3は、他端が第3トランジスタTr3のベース端子、第4トランジスタTr4のベース端子、第1抵抗器R1の一端及び第2キャパシタC2の他端に接続されている。
【0031】
第4キャパシタC4は、所定の静電容量(第4静電容量)を有しており、一端が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端及び第3キャパシタC3の一端に接続されている。また、第4キャパシタC4は、他端が第1高周波出力端子RFout pに接続されている。
【0032】
第5キャパシタC5は、所定の静電容量(第5静電容量)を有しており、一端が第4抵抗器R4の他端及び第3バイアス端子Vbias22に接続されている。また、第5キャパシタC5は、他端が第2高周波入力端子RFin nに接続されている。
【0033】
第6キャパシタC6は、所定の静電容量(第6静電容量)を有しており、一端が第6トランジスタTr6のエミッタ端子、第7トランジスタTr7のエミッタ端子、第8トランジスタTr8のコレクタ端子及び第9トランジスタTr9のコレクタ端子に接続されている。また、第6キャパシタC6は、他端が第8トランジスタTr8のベース端子及び第9トランジスタTr9のベース端子、第4抵抗器R4の一端及び第7キャパシタC7の他端に接続されている。
【0034】
第7キャパシタC7は、所定の静電容量(第7静電容量)を有しており、一端が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端及び第8キャパシタC8の一端に接続されている。また、第7キャパシタC7は、他端が第8トランジスタTr8のベース端子、第9トランジスタTr9のベース端子、第4抵抗器R4の一端及び第6キャパシタC6の他端に接続されている。
【0035】
第8キャパシタC8は、所定の静電容量(第8静電容量)を有しており、一端が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端及び第7キャパシタC7の一端に接続されている。また、第8キャパシタC8は、他端が第2高周波出力端子RFout nに接続されている。
【0036】
第1電源端子Vcc1は、第2抵抗器R2の他端に接続されている。この第1電源端子Vcc1は、外部において所定電源電圧の直流電圧電源に接続される。第2電源端子Vcc2は、第5抵抗器R5の他端に接続されている。この第2電源端子Vcc2は、外部において直流電圧電源に接続される。また、接地端子GNDは、第3抵抗器R3の他端に接続されている。この接地端子GNDは、外部において接地される。
【0037】
第1高周波入力端子RFin pは、第1キャパシタC1の他端に接続されている。この第1高周波入力端子RFin pには、外部から第1の高周波信号が入力される。第2高周波入力端子RFin nは、第5キャパシタC5の他端に接続されている。この第2高周波入力端子RFin nには、外部から第2の高周波信号が入力される。
【0038】
第1高周波出力端子RFout pは、第4キャパシタC4の他端に接続されている。この第1高周波出力端子RFout pは、電力増幅装置Aにおける一対の出力端の一方であり、第1の高周波信号を所定倍に電力増幅した第1の高周波増幅信号を外部に出力する。
【0039】
第2高周波出力端子RFout nは、第8キャパシタC8の他端に接続されている。この第2高周波出力端子RFout nは、電力増幅装置Aにおける一対の出力端の他方であり、第2の高周波信号を所定倍に電力増幅した第2の高周波増幅信号を外部に出力する。
【0040】
第1バイアス端子Vbias1は、第5トランジスタTr5のゲート端子に接続されている。この第1バイアス端子Vbias1には、外部のバイアス回路から所定の第1バイアス電圧が印加される。この第1バイアス電圧は、第5トランジスタTr5のソース電流を設定する直流電圧である。
【0041】
第2バイアス端子Vbias21は、第1抵抗器R1の他端及び第1キャパシタC1の一端に接続されている。この第2バイアス端子Vbias21には、外部のバイアス回路から少なくとも第1バイアス電圧よりも数ボルト程度高い第2バイアス電圧が印加される。この第2バイアス電圧は、第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4のベースバイアス電圧(増幅動作点)を設定する直流電圧である。
【0042】
第3バイアス端子Vbias22は、第4抵抗器R4の他端及び第5キャパシタC5の一端に接続されている。この第3バイアス端子Vbias22には、外部のバイアス回路から上記第2バイアス電圧が印加される。この第2バイアス電圧は、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9のベースバイアス電圧(増幅動作点)を第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4のベースバイアス電圧(増幅動作点)と同等に設定する直流電圧である。
【0043】
第4バイアス端子Vbias31は、第1トランジスタTr1のベース端子及び第2トランジスタTr2のベース端子に共通接続されている。この第4バイアス端子Vbias31には、外部のバイアス回路から少なくとも第2バイアス電圧よりも数ボルト程度高い第3バイアス電圧が印加される。この第3バイアス電圧は、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2のベースバイアス電圧を設定する直流電圧である。
【0044】
第5バイアス端子Vbias32は、第6トランジスタTr6のベース端子及び第7トランジスタTr7のベース端子に共通接続されている。この第5バイアス端子Vbias32には、外部のバイアス回路から上記第3バイアス電圧が印加される。この第3バイアス電圧は、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7のベースバイアス電圧を第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2のベースバイアス電圧と同等に設定する直流電圧である。
【0045】
このような電力増幅装置Aにおいて、第2キャパシタC2、第3キャパシタC3、第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7以外の構成要素は、本発明の基本増幅回路を構成している。すなわち、第1実施形態に係る電力増幅装置Aは、基本増幅回路の出力から入力に第2キャパシタC2、第3キャパシタC3、第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7を用いて帰還(フィードバック)を施した電力増幅装置である。
【0046】
また、第1実施形態に係る電力増幅装置Aでは、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2、第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9は、各々に並列接続されている。
【0047】
第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2と、第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4とは、周知のカスコード接続関係にある。また、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7と、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9と、は同じくカスコード接続関係にある。
【0048】
第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4はカスコード接続における一方の第1段目(初段)を構成し、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2はカスコード接続における一方の第2段目を構成している。また、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9はカスコード接続における他方の第1段目(初段)を構成し、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7はカスコード接続における他方の第2段目を構成している。
【0049】
一方の第1段目及び他方の第1段目において、第3トランジスタTr3のエミッタ端子及び第4トランジスタTr4のエミッタ端子並びに第8トランジスタTr8のエミッタ端子及び第9トランジスタTr9のエミッタ端子は、第5トランジスタTr5のドレイン端子に共通接続されている。
【0050】
すなわち、電力増幅装置Aにおける基本増幅回路は、第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2と第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4とが2段にカスコード接続されるとともに、第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7と第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9とが2段にカスコード接続された差動増幅回路である。
【0051】
すなわち、第1実施形態に係る電力増幅装置Aは、基本増幅回路におけるカスコード接続の全段(第1段及び第2段)の出力から初段入力(第1段入力)に第2キャパシタC2、第3キャパシタC3、第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7を用いて帰還(フィードバック)を個別に施したものである。
【0052】
また、全段(第1段及び第2段)の出力から初段入力(第1段入力)への帰還(フィードバック)は、同相側の初段入力に施されている。すなわち、この電力増幅装置Aでは、一方の第1段の出力と一方の第1段の入力が第2キャパシタC2を介して接続され、一方の第2段の出力と一方の第1段の入力が第3キャパシタC3を介して接続されている。また、この電力増幅装置Aでは、他方の第1段の出力と他方の第1段の入力が第6キャパシタC6を介して接続され、他方の第2段の出力と他方の第1段の入力が第7キャパシタC7を介して接続されている。
【0053】
次に、このように構成された第1実施形態に係る電力増幅装置Aの動作及び性能について詳しく説明する。
【0054】
電力増幅装置Aにおいて、第2キャパシタC2は、第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4におけるベース端子(入力端)とコレクタ端子(出力端)との間に設けられているので、第1のフィードバックコンデンサとして機能する。第3キャパシタC3は、第3トランジスタTr3及び第4トランジスタTr4におけるベース端子(入力端)と第1トランジスタTr1及び第2トランジスタTr2におけるコレクタ端子(出力端)との間に設けられているので、第2のフィードバックコンデンサとして機能する。
【0055】
また、第6キャパシタC6は、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9におけるベース端子(入力端)とコレクタ端子(出力端)との間に設けられているので、第3のフィードバックコンデンサとして機能する。第7キャパシタC7は、第8トランジスタTr8及び第9トランジスタTr9におけるベース端子(入力端)と第6トランジスタTr6及び第7トランジスタTr7におけるコレクタ端子(出力端)との間に設けられているので、第4のフィードバックコンデンサとして機能する。
【0056】
すなわち、第1実施形態に係る電力増幅装置Aは、第2キャパシタC2及び第3キャパシタC3並びに第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7とによって二重に帰還(フィードバック)が施されたフィードバック電力増幅回路である。このような電力増幅装置Aでは、二重の帰還によって第1の高周波増幅信号及び第2の高周波増幅信号の直線性が帰還が施されていない場合に比較して低減される。
【0057】
図2は、電力増幅装置AのOP1dB(線形な関係から1dB低くなった時の出力信号レベル)を示す特性表である。この
図2に示すように、電力増幅装置AのOP1dBは、第2キャパシタC2及び第3キャパシタC3並びに第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7を設けなかった場合(フィードバック無)よりも改善している。また、電力増幅装置AのOP1dBは、第3キャパシタC3の静電容量を第2キャパシタC2の静電容量よりも大きくすることによって、電力増幅装置AのOP1dBはさらに改善している。
【0058】
なお、
図2は、第2キャパシタC2の静電容量を第6キャパシタC6の静電容量と同一に設定し、また第3キャパシタC3の静電容量を第7キャパシタC7の静電容量と同一に設定した場合におけるOP1dBを示している。
【0059】
ここで、線形性を低下させる主因は、トランジスタの増幅により3次歪の出力が増大することにある。第1実施形態に係る電力増幅装置Aでは、第2キャパシタC2及び第3キャパシタC3並びに第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7による全段の出力からの二重のフィードバック回路を設けることにより、回路全体として小信号から大信号まで高い線形性を実現することができるとともに、第1の高周波増幅信号及び第2の高周波増幅信号の歪みを改善することができる。
【0060】
したがって、本実施形態によれば、第2キャパシタC2及び第3キャパシタC3並びに第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7という比較的小型の回路素子によるフィードバック回路を設けることにより、回路面積の増大を避けつつ線形性を向上させることが可能な電力増幅装置Aを提供することが可能である。
【0061】
〔第2実施形態〕
最後に
図3を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る電力増幅装置A1は、
図3に示すように、第1実施形態に係る電力増幅装置Aにおけるカスコード接続の段数を2段から3段に変更するとともに帰還を三重化したものである。
【0062】
すなわち、この電力増幅装置A1は、第1実施形態に係る電力増幅装置Aに、第10トランジスタTr10、第11トランジスタTr11、第12トランジスタTr12、第13トランジスタTr13、第9キャパシタC9、第10キャパシタC10、第6バイアス端子Vbias41及び第7バイアス端子Vbias42を追加したフィードバック電力増幅回路である。
【0063】
第10トランジスタTr10は、エミッタ端子が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第3キャパシタC3の一端及び第11トランジスタTr11のエミッタ端子に接続される。また、第10トランジスタTr10は、コレクタ端子が第11トランジスタTr11のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端、第4キャパシタC4の一端及び第9キャパシタC9の一端に接続される。また、第10トランジスタTr10は、ベース端子が第11トランジスタTr11のベース端子及び第6バイアス端子Vbias41に接続される。
【0064】
第11トランジスタTr11は、エミッタ端子が第1トランジスタTr1のコレクタ端子、第2トランジスタTr2のコレクタ端子、第3キャパシタC3の一端及び第10トランジスタTr10のエミッタ端子に接続される。また、第11トランジスタTr11は、コレクタ端子が第10トランジスタTr10のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端、第4キャパシタC4の一端及び第9キャパシタC9の一端に接続される。また、第11トランジスタTr11は、ベース端子が第10トランジスタTr10のベース端子及び第6バイアス端子Vbias41に接続される。
【0065】
第12トランジスタTr12は、エミッタ端子が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第7キャパシタC7の一端及び第13トランジスタTr13のエミッタ端子に接続される。また、第12トランジスタTr12は、コレクタ端子が第13トランジスタTr13のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端、第8キャパシタC8の一端及び第10キャパシタC10の一端に接続される。さらに、第12トランジスタTr12は、ベース端子が第13トランジスタTr13のベース端子及び第7バイアス端子Vbias42に接続される。
【0066】
第13トランジスタTr13は、エミッタ端子が第6トランジスタTr6のコレクタ端子、第7トランジスタTr7のコレクタ端子、第7キャパシタC7の一端及び第12トランジスタTr12のエミッタ端子に接続される。また、第13トランジスタTr13は、コレクタ端子が第12トランジスタTr12のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端、第8キャパシタC8の一端及び第10キャパシタC10の一端に接続される。さらに、第13トランジスタTr13は、ベース端子が第12トランジスタTr12のベース端子及び第7バイアス端子Vbias42に接続される。
【0067】
第9キャパシタC9は、一端が第10トランジスタTr10のコレクタ端子、第11トランジスタTr11のコレクタ端子、第2抵抗器R2の一端及び第4キャパシタC4の一端に接続される。また、第9キャパシタC9は、他端が第3トランジスタTr3のベース端子、第4トランジスタTr4のベース端子、第1抵抗器R1の一端、第2キャパシタC2の他端及び第3キャパシタC3の他端に接続される。
【0068】
第10キャパシタC10は、一端が第12トランジスタTr12のコレクタ端子、第13トランジスタTr13のコレクタ端子、第5抵抗器R5の一端及び第8キャパシタC8の一端に接続される。また、第10キャパシタC10は、他端が第8トランジスタTr8のベース端子、第9トランジスタTr9のベース端子、第4抵抗器R4の一端、第6キャパシタC6の他端及び第7キャパシタC7の他端に接続される。
【0069】
第6バイアス端子Vbias41は、第10トランジスタTr10のベース端子及び第11トランジスタTr11のベース端子に接続される。第7バイアス端子Vbias42は、第12トランジスタTr12のベース端子及び第13トランジスタTr13のベース端子に接続される。これら第6バイアス端子Vbias41及び第7バイアス端子Vbias42には、外部のバイアス回路から少なくとも第3バイアス電圧よりも数ボルト程度高い第4バイアス電圧が印加される。この第4バイアス電圧は、第10トランジスタTr10及び第11トランジスタTr11並びに第12トランジスタTr12及び第13トランジスタTr13のベースバイアス電圧を設定する直流電圧である。
【0070】
このような電力増幅装置A1は、第2キャパシタC2、第3キャパシタC3及び第9キャパシタC9並びに第6キャパシタC6、第7キャパシタC7及び第10キャパシタC10とによって三重に帰還が施されたフィードバック電力増幅回路である。このような電力増幅装置A1では、全段の出力からの三重の帰還によって第1の高周波増幅信号及び第2の高周波増幅信号の直線性が帰還が施されていない場合に比較して低減される。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1実施形態では、全段の出力から同相側の初段入力に各々帰還を施す第2キャパシタC2及び第3キャパシタC3並びに第6キャパシタC6及び第7キャパシタC7をフィードバック回路として設けたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、多段にカスコード接続された差動増幅回路の少なくとも1つの段の出力から同相側の初段入力に各々帰還を施せば十分である。例えば、第1段(初段)のみから同相側の初段入力に帰還を施してもよい。
【0072】
(2)上記各実施形態では、カスコード接続の段数が2段の場合と3段の場合とについて説明したが、カスコード接続の段数は2段又は3段に限定されない。すなわち、トランジスタを多段にカスコード接続して差動増幅回路を構成する場合の段数は2以上であればよい。
【0073】
(3)上記各実施形態では、カスコード接続の各段を2つのトランジスタの並列接続回路として構成したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、各段を単一のトランジスタで構成してもよく、また各段におけるトランジスタの並列接続数を3つ以上としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
A、A1 電力増幅装置、Tr1 第1トランジスタ、Tr2 第2トランジスタ、Tr3 第3トランジスタ、Tr4 第4トランジスタ、Tr5 第5トランジスタ、Tr6 第6トランジスタ、Tr7 第7トランジスタ、Tr8 第8トランジスタ、Tr9 第9トランジスタ、Tr10 第10トランジスタ、Tr11 第11トランジスタ、Tr12 第12トランジスタ、Tr13 第13トランジスタ、R1 第1抵抗器、R2 第2抵抗器、R3 第3抵抗器、R4 第4抵抗器、R5 第5抵抗器、C1 第1キャパシタ、C2 第2キャパシタ、C3 第3キャパシタ、C4 第4キャパシタ、C5 第5キャパシタ、C6 第6キャパシタ、C7 第7キャパシタ、C8 第8キャパシタ、C9 第9キャパシタ、C10 第10キャパシタ、Vcc1 第1電源端子、Vcc2 第2電源端子、GND 接地端子、RFin p 第1高周波入力端子、RFin n 第2高周波入力端子、RFout p 第1高周波出力端子、RFout n 第2高周波出力端子、Vbias1 第1バイアス端子、Vbias21 第2バイアス端子、Vbias22 第3バイアス端子、Vbias31 第4バイアス端子、Vbias32 第5バイアス端子、Vbias41 第6バイアス端子、Vbias42 第7バイアス端子
【手続補正書】
【提出日】2023-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタが多段にカスコード接続された第1回路と、トランジスタが多段にカスコード接続された第2回路とを備える差動増幅回路の、前記第1回路の全段の出力から前記第1回路の初段入力に各々帰還を施し、前記第2回路の全段の出力から前記第2回路の初段入力に各々帰還を施した電力増幅装置。
【請求項2】
キャパシタを用いて前記帰還を施した請求項1に記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記第1回路及び前記第2回路の各々において、前記多段は2段であり、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい請求項2に記載の電力増幅装置。
【請求項4】
トランジスタが2段にカスコード接続された第1回路と、トランジスタが2段にカスコード接続された第2回路とを備える差動増幅回路の、前記第1回路の全段の出力から前記第1回路の初段入力にキャパシタを用いて各々帰還を施し、前記第2回路の全段の出力から前記第2回路の初段入力にキャパシタを用いて各々帰還を施し、
前記第1回路及び前記第2回路の各々において、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい、
電力増幅装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタが多段にカスコード接続された第1回路と、トランジスタが多段にカスコード接続された第2回路とを備え、前記第1回路及び前記第2回路の初段入力が、差動入力信号が入力されるトランジスタの入力である差動増幅回路の、前記第1回路の全段の出力から前記第1回路の初段入力に各々帰還を施し、前記第2回路の全段の出力から前記第2回路の初段入力に各々帰還を施した電力増幅装置。
【請求項2】
キャパシタを用いて前記帰還を施した請求項1に記載の電力増幅装置。
【請求項3】
前記第1回路及び前記第2回路の各々において、前記多段は2段であり、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい請求項2に記載の電力増幅装置。
【請求項4】
トランジスタが2段にカスコード接続された第1回路と、トランジスタが2段にカスコード接続された第2回路とを備え、前記第1回路及び前記第2回路の初段入力が、差動入力信号が入力されるトランジスタの入力である差動増幅回路の、前記第1回路の全段の出力から前記第1回路の初段入力にキャパシタを用いて各々帰還を施し、前記第2回路の全段の出力から前記第2回路の初段入力にキャパシタを用いて各々帰還を施し、
前記第1回路及び前記第2回路の各々において、2段目の出力と1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量は、前記1段目の出力と当該1段目の入力とを接続する前記キャパシタの静電容量よりも大きい、
電力増幅装置。