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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072038
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/133 20060101AFI20240520BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240520BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G02F1/133 550
G02F1/1368
G02F1/1343
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182624
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】冨永 真克
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
2H193
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA26
2H092GA29
2H092GA50
2H092GA59
2H092GA60
2H092GA62
2H092HA03
2H092JA26
2H092JA38
2H092JA42
2H092JA46
2H092JB05
2H092JB42
2H092JB43
2H092KA08
2H092PA09
2H092QA06
2H192AA24
2H192BB13
2H192BB53
2H192CB05
2H192CB13
2H192CB14
2H192CB37
2H192CC02
2H192CC22
2H192CC33
2H192CC42
2H192CC73
2H192DA24
2H192DA65
2H192EA22
2H192FB02
2H192FB22
2H192JA32
2H193ZA04
2H193ZC26
2H193ZJ02
2H193ZQ16
(57)【要約】
【課題】低周波数で駆動した場合でもフリッカを抑制することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、第1および第2ゲートバスラインGL1、GL2、ソースバスラインSLおよび画素を備えたTFT基板と、液晶層とを備える。画素は、画素電極14と、共通電極15と、補助電極16と、第1から第3TFT21、22、23を含む。第1TFTおよび第2TFTのゲートは、第1および第2ゲートバスラインの一方に接続され、ドレインは画素電極および補助電極にそれぞれ接続されている。第3TFTのゲートは、第1および第2ゲートバスラインの他方に接続され、ソースおよびドレインは、画素電極および補助電極に接続されている。第1および第2ゲートバスラインには異なるタイミングで第1および第2ゲートバスラインのそれぞれに接続された各TFTをオン状態にするゲート信号が印加される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に配置された複数のゲートバスラインであって、第1方向に伸び、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数のゲートバスラインと、
前記第1基板に配置され、前記第2方向に伸びる複数のソースバスラインと、
前記第1基板に配置された複数の画素と、
を備えたTFT基板、および
液晶層、
を備えた液晶表示装置であって、
各画素は、
前記複数のゲートバスラインのうち互いに隣接する第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの間に配置され、前記液晶層に対向して位置している画素電極と、
前記第1基板と前記画素電極との間に位置し、平面視において前記画素電極と重なっている共通電極と、
補助電極と、
前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの一方にゲートが接続され、ドレインが前記画素電極に接続された第1TFTと、
前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの前記一方にゲートが接続され、ドレインが前記補助電極に接続された第2TFTと、
前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの他方にゲートが接続され、ソースが前記画素電極および前記補助電極の一方と接続され、ドレインが前記画素電極および前記補助電極の他方と接続された第3TFTと、
を含み、
前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインには、異なるタイミングで前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインのそれぞれに接続された各TFTをオン状態にするゲート信号が印加される、液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1TFTおよび前記第2TFTのソースがそれぞれ前記複数のソースバスラインの1つに接続されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1TFTのソースが前記複数のソースバスラインの1つに接続され、
前記第2TFTのソースが前記第1TFTの前記ドレインに接続されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記画素電極、前記共通電極および前記補助電極は、それぞれ透明導電性材料によって構成されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記補助電極、前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインは、同じ金属材料によって構成される、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記画素電極は、金属材料によって構成される、請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記画素電極は、複数のスリット状の開口を有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1TFTおよび前記第2TFTのトランジスタ特性は等しい、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記共通電極および前記画素電極が形成する容量と、前記共通電極および前記補助電極が形成する容量とは等しい、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記補助電極は、表示に実質的に寄与しない位置に配置されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記補助電極は、前記共通電極と前記第1基板との間に位置し、平面視において、前記画素電極と重なっている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
第2基板と、
前記第2基板に配置され、開口を有するブラックマトリクスと、
を備えた対向基板と
をさらに備え、
前記液晶層は、前記対向基板と前記TFT基板との間に位置しており、
前記ブラックマトリクスの開口は、平面視において前記画素電極の少なくとも一部と重なっており、
前記補助電極は、平面視において、前記ブラックマトリクスと重なっている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記複数の画素は、前記第1方向および前記第2方向の2次元に配列されており、
前記第2方向に配列された複数の画素の前記第1TFTは、
前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインに交互に接続されている、請求項1から12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記TFT基板に配置され、前記複数のゲートバスラインにゲート信号を印加するゲートドライバをさらに備え、
前記ゲートドライバは、前記複数のゲートバスラインをインターレースで駆動する、請求項13に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、種々の分野で幅広く用いられており、用途に応じた機能が液晶表示装置に求められる。例えば、ノートパソコン、デジタルサイネージ、スマートフォン、電子ペーパなどに用いられる液晶表示装置には、低消費電力であることが求められる場合がある。
【0003】
液晶表示装置の消費電力を低減する方法の1つとして、リフレッシュレートを小さくすることが考えられる。しかし、リフレッシュレートを小さくすると、次の画像書き換えまでの期間が長くなるため、画素から漏洩する電荷の影響が大きくなる。例えば、液晶に印加される電圧が低下し、画素の透過率が変化することがある。これにより、表示画面にフリッカが生じ得る。特許文献1は、低リフレッシュレート時にフリッカを抑制し得る液晶表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-130345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、低リフレッシュレートで駆動した場合でもフリッカを抑制することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に配置された複数のゲートバスラインであって、第1方向に伸び、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数のゲートバスラインと、前記第1基板に配置され、前記第2方向に伸びる複数のソースバスラインと、前記第1基板に配置された複数の画素と、を備えたTFT基板、および液晶層、を備えた液晶表示装置であって、各画素は、前記複数のゲートバスラインのうち互いに隣接する第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの間に配置され、前記液晶層に対向して位置している画素電極と、前記第1基板と前記画素電極との間に位置し、平面視において前記画素電極と重なっている共通電極と、補助電極と、前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの一方にゲートが接続され、ドレインが前記画素電極に接続された第1TFTと、前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの前記一方にゲートが接続され、ドレインが前記補助電極に接続された第2TFTと、前記第1ゲートバスラインおよび前記第2ゲートバスラインの他方にゲートが接続され、ソースが前記画素電極および前記補助電極の一方と接続され、ドレインが前記画素電極および前記補助電極の他方と接続された第3TFTと、を含み、前記第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインには異なるタイミングでゲート信号が印加される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、低リフレッシュレートで駆動した場合でもフリッカを抑制することが可能な液晶表示装置が実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態による液晶表示装置の一構成例を示す模式的な断面図である。
図2図2は、第1実施形態による液晶表示装置におけるTFT基板の一構成例を示す模式的な平面である。
図3図3は、第1実施形態による液晶表示装置における液晶パネルの等価回路図である。
図4図4は、図2に示すTFT基板の平面図である。
図5図5は、図4に示すTFT基板の1つの画素を拡大して示す平面図である。
図6図6は、1つの画素の中央付近における液晶パネルの断面図である。
図7図7は、図4に示すTFT基板における構成要素の高さ方向の位置を示す模式図である。
図8図8は、図4に示すTFT基板に印加される信号および画素の輝度のタイミングチャートである。
図9図9は、第2実施形態による液晶表示装置における液晶パネルの等価回路図である。
図10図10は、図9に示すTFT基板の平面図である。
図11図11は、図9に示すTFT基板の1つの画素を拡大して示す平面図である。
図12図12は第3実施形態の液晶表示装置の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。また、2つの値が互いに等しいとは、一方の値が他方の値の85%~115%の範囲にあることをいう。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の液晶表示装置101の構成を示す模式図である。本実施形態の液晶表示装置101は、液晶パネル50と、液晶パネルコントローラ70とを備える。液晶パネル50は、TFT基板10と、対向基板40と、TFT基板10と対向基板40との間に位置する液晶層45とを備える。TFT基板10と対向基板40とは、シール46によって、所定の間隔を空けて貼り合わせられており、TFT基板10と対向基板40との間であって、シール46に囲まれる領域内に液晶層45が配置されている。
【0011】
液晶パネルコントローラ(制御回路)70は、信号処理回路71と駆動回路72とを含む。液晶パネルコントローラ70は、液晶表示装置101の外部から画像信号を受けとり、液晶パネル50に駆動信号を出力する。
【0012】
図2は、TFT基板10の構成を示す模式的平面図である。TFT基板10は、第1基板11と、複数の第1ゲートバスラインGL1と、複数の第2ゲートバスラインGL2と、複数のソースバスラインSLと、複数の画素PXとを備える。
【0013】
第1基板11は、画像の表示を行う表示領域DRと、表示領域DRの外側に位置し、画像表示を行わない非表示領域NRとを含む主面11aを有する。第1基板11は、ガラス、樹脂などの透光性材料によって構成されている。
【0014】
複数の第1ゲートバスラインGL1、複数の第2ゲートバスラインGL2、複数のソースバスラインSLおよび複数の画素は、第1主面の表示領域DRに配置されている。具体的には、表示領域DRにおいて、複数の第1ゲートバスラインGL1および複数の第2ゲートバスラインGL2は、第1方向であるx軸と平行な方向に伸びており、第1方向と交差する第2方向であるy軸と平行な方向に1本ずつ交互に配列されている。複数のソースバスラインSLは、y軸と平行な方向に伸びており、x軸と平行な方向に配列されている。以下において、詳細に説明するように、y軸方向に隣接する第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2と、x軸方向に隣接する一対のソースバスラインSLとに囲まれた領域に各画素PXの主要な構成要素が配置されている。複数の画素PXは表示領域DRにおいてx軸方向およびy軸方向の2次元に配置されている。
【0015】
第1ゲートバスラインGL1、第2ゲートバスラインGL2、ソースバスラインSLのそれぞれの一端は、非表示領域NRに伸びており、非表示領域NRに配置された駆動回路72と接続されている。本実施形態では、駆動回路72は、第1ゲートドライバ73Aと、第2ゲートドライバ73Bと、ソースドライバ74とを含む。
【0016】
第1ゲートドライバ73Aおよび第2ゲートドライバ73Bは、x軸方向において、第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2を挟むように配置されている。本実施形態では、第1ゲートドライバ73Aは、第1ゲートバスラインGL1に接続され、第2ゲートドライバ73Bは、第2ゲートバスラインGL2に接続されている。
【0017】
以下において詳述するように、液晶表示装置101が低リフレッシュレートで駆動される場合、駆動回路72は、インターレース方式で画素PXを駆動する。例えば、第1ゲートドライバ73Aは、偶数フィールドで第1ゲートバスラインGL1を駆動し、第2ゲートドライバ73Bは、奇数フィールドで第2ゲートバスラインGL2を駆動する。このような構成によって、駆動回路72のレイアウト、および、駆動回路72と、第1ゲートバスラインGL1、第2ゲートバスラインGL2およびソースバスラインSLとの接続をシンプルにすることができる。
【0018】
しかし、例えば、ゲートドライバは分割されておらず1つのゲートドライバが第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2の一端に配置されていてもよい。この場合、ゲートドライバがインターレース方式で駆動するように構成されていてもよい。第1ゲートドライバ73Aおよび第2ゲートドライバ73Bは、例えば、第1基板11上に配置されたTFTによって一体的に構成されている。第1ゲートドライバ73Aおよび第2ゲートドライバ73Bは、ベアチップやパッケージ化されたチップで構成され、第1基板11の額縁領域に実装されていてもよい。あるいは第1ゲートドライバ73Aおよび第2ゲートドライバ73Bを構成する回路素子の少なくとも一部が、表示領域DR内に分散配置されていてもよい。
【0019】
ソースドライバ74は、複数のソースバスラインSLの一端に配置され、複数のソースバスラインSLと接続されている。ソースドライバ74は、例えば、ベアチップで構成されており、第1基板11に実装されている。ソースドライバ74は、パッケージ化されたチップで構成されていてもよいし、第1基板11上に配置されたTFTによって一体的に構成されていてもよい。
【0020】
第1基板11には、さらに共通電極に接続される共通配線CLが配置されている。共通配線CLは、表示領域DRを囲むように配置されている。また、第1基板11には、外部接続端子75が配置されており、第1ゲートバスラインGL1、第2ゲートバスラインGL2、ソースバスラインSL、および共通配線CLが外部接続端子75に接続されている。
外部接続端子75は、例えば、フレキシブルプリント基板などの配線によって信号処理回路71と接続される。
【0021】
次に画素PXの構造を詳細に説明する。図3は、液晶パネル50の等価回路図であり、図4は、TFT基板10の平面図である。図5は、TFT基板の1つの画素PXを拡大して示す平面図である。図6は、1つの画素の中央付近における液晶パネル50の断面図である。図4および図5において、絶縁層や一部の構成要素は図示されていない。また、図5において、画素の中央部分は省略している。
【0022】
画素PXは、第1TFT21と、第2TFT22と、第3TFT23と、画素電極14と、共通電極15と、補助電極16とを含む。また、画素PXは第1絶縁層81と、第2絶縁層82とを更に含む。これらの構成要素は、第1基板11に支持されている。本実施形態では、液晶パネル50は、FFS(Fringe Field Switching)方式で液晶層45の液晶層を配向させる。
【0023】
画素電極14は、互いに隣接する一対の第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2の間に配置され、液晶層45に対向して位置している。画素電極14は、例えば、それぞれがy軸方向に沿って伸びるスリット形状を有し、x軸方向に配列された複数の開口14sを有する。画素電極14は、ITO等の透明導電性材料によって構成されている。
【0024】
共通電極15は、液晶層45とは対向しておらず、前記第1基板11と画素電極14との間に位置している。共通電極15と画素電極14との間には第2絶縁層82が位置しており、共通電極15と画素電極14とを電気的に絶縁している。各画素の共通電極15は、隣接する画素PXの共通電極15と接続され、一体的に1つの電極を構成している。共通電極15は、ITO等の透明導電性材料によって構成されている。
【0025】
補助電極16は、本実施形態では、共通電極15と第1基板11との間に位置している。共通電極15と補助電極16との間には第1絶縁層81が位置している。補助電極16は、第1基板11に位置している。補助電極16は、ITO等の透明導電性材料によって構成されている。
【0026】
図3および図6に示すように、画素電極14および共通電極15と、液晶層45とによって、キャパシタCclが形成され、画素電極14および共通電極15と第2絶縁層82等とによってキャパシタCcom1が形成される。また、共通電極15および補助電極16と、第1絶縁層81等とによってキャパシタCcom2が形成される。
【0027】
本実施形態の液晶表示装置101は、画素電極14と共通電極15との間に電圧を印加することによって、キャパシタCclおよびCcom1を充電し、充電されたキャパシタによる電界によって、液晶層45における液晶の配向を制御する。また、液晶表示装置101は、補助電極16と共通電極15との間に電圧を印加し、キャパシタCcom2に電荷を蓄積する。キャパシタCclおよびCcom1の充電期間が終了すると、キャパシタCclである液晶層45から徐々に電荷がリークし、液晶層45に印加される電圧が低下する。このため、画像を書き換えるまでに、キャパシタCcom2に蓄積された電荷を、キャパシタCclおよびCcom1へ移動させることによって、減少した電荷を補い、低下した電圧を再び上昇させる。このような動作を行うため、各画素PXは、第1TFT21、第2TFT22および第3TFT23を含む。
【0028】
第1TFT21および第2TFT22は、画素電極14を挟む一対の第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2のうちの一方に接続され、接続された一方のゲートバスラインに印加されるゲート信号に基づき、画素電極14および補助電極16に電圧を印加する。例えば、第1TFT21において、ゲートが第1ゲートバスラインGL1に接続され、ドレインが画素電極14に接続されている。また、第2TFT22において、ゲートが第1ゲートバスラインGL1に接続され、ドレインが補助電極16に接続されている。
【0029】
一方、第3TFT23は、第1TFT21および第2TFT22とは異なるタイミングで画素電極14と補助電極16とを接続する。このため、第3TFT23は、画素電極14を挟む一対の第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2のうちの他方に接続され、接続された他方のゲートバスラインGに印加されるゲート信号に基づき、画素電極14と補助電極16とを電気的に接続する。第1ゲートバスラインGL1と第2ゲートバスラインGL2とには、異なるタイミングでゲート信号が印加される。例えば、第3TFT23において、ゲートが第2ゲートバスラインGL2に接続され、ソースが画素電極14および補助電極16の一方と接続され、ドレインが画素電極14および補助電極16の他方と接続されている。
【0030】
インターレース方式で画素PXを駆動するため、上述した画素とy軸方向において隣接した画素PXでは、第1TFT21および第2TFT22のゲートは、第2ゲートバスラインGL2に接続され、第3TFT23のゲートは第1ゲートバスラインGL1に接続される。つまり、y軸方向に配列された画素PXの第1TFT21および第2TFT22は、第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2に交互に接続されている。
【0031】
例えば、図5に示すように、第1TFT21は、第1ゲートバスラインGL1からy軸方向に引き出された第1ゲート電極部GLcと、第1ゲート電極部GLc上に配置された半導体層18Cとを有する。半導体層18Cの一端はソースバスラインSLからx軸方向に引き出されたソース電極部SLcと重なり、オーミック接続されている。また、半導体層18Cの他端はドレイン電極17Cとオーミック接続されている。ドレイン電極17Cは、画素電極14からy軸方向に引き出された接続部14cと重なっており、コンタクトホールを介して電気的に接続されている。
【0032】
第2TFT22は、第1ゲートバスラインGL1からy軸方向に引き出された第2ゲート電極部GLdと、第2ゲート電極部GLd上に配置された半導体層18Dとを有する。
第2ゲート電極部GLdは、図5に示す形態では、第1ゲート電極部GLcとy軸方向において第1ゲートバスラインGL1に対して反対側に位置している。半導体層18Dの一端はソースバスラインSLからx軸方向に伸びるソース電極部SLdと重なり、オーミック接続されている。また、半導体層18Dの他端はドレイン電極17Dとオーミック接続されている。ドレイン電極17Dは、補助電極16からy軸方向に引き出された接続部16dと重なっており、コンタクトホールを介して電気的に接続されている。第1TFT21および第2TFT22はソースバスラインSLに対して並列に接続されている。
【0033】
第3TFT23は、第2ゲートバスラインGL2からy軸方向に引き出された第3ゲート電極部GLeと、第3ゲート電極部GLe上に配置された半導体層18Eとを有する。半導体層18Eの一端はソース電極17E1と重なり、オーミック接続されている。また、半導体層18Eの他端はドレイン電極17E2とオーミック接続されている。ソース電極17E1は、補助電極16からy軸方向に引き出された接続部16eと重なっており、コンタクトホールを介して電気的に接続されている。ドレイン電極17E2は、画素電極14からy軸方向に引き出された接続部14eと重なっており、コンタクトホールを介して電気的に接続されている。
【0034】
上述したようにy軸方向に隣接する画素PXでは、第1TFT21および第2TFT22のゲートは、第2ゲートバスラインGL2に接続され、第3TFT23のゲートは第1ゲートバスラインGL1に接続される。
【0035】
第1TFT21および第2TFT22のトランジスタ特性は互いに等しいことが好ましい。具体的には、第1TFT21および第2TFT22のサイズ、形状等は等しいことが好ましい。また、画素電極14と共通電極15とによって形成されるキャパシタ(Ccl+Ccom1)の容量と、補助電極16と共通電極15とによって形成されるキャパシタ(Ccom2)の容量とは互いに等しいことが好ましい。これによって、後述するフィードスルー電圧の値をソース信号がプラスである場合とマイナスである場合とで同じすることができ、共通電極15に印加される電圧Vcomに対するプラスとマイナスの書き込み電圧を同じにすることができる。第3TFT23のトランジスタ特性は、第1TFT21および第2TFT22のトランジスタ特性と同じでなくてよい。
【0036】
半導体層18C、18D、18Eは、TFTを構成した場合に、OFF時のリーク電流が小さいことが好ましい。例えば、半導体層18C、18D、18Eは、In、GaおよびZnのうち少なくとも1種の金属元素を含む酸化物半導体材料によって構成されていることが好ましい。例えば、半導体層18C、18D、18Eは、In-Ga-Zn-O系半導体、In-Sn-Zn-O系半導体等によって構成されていてもよい。また、酸化物半導体材料は、アモルファス酸化物半導体であってもよいし、結晶質部分を有する結晶質酸化物半導体であってもよい。ドレイン電極17C、ドレイン電極17D、ソース電極17E1およびドレイン電極17E2は、金属または高濃度に不純物が導入された半導体層などによって構成されている。
【0037】
図7は、画素電極14、共通電極15および補助電極16のTFT基板10の第1基板11上における高さ方向の位置を示す模式図である。補助電極16は、例えば、第1ゲートバスラインGL1、第2ゲートバスラインGL2、第1ゲート電極部GLc、第2ゲート電極部GLdおよび第3ゲート電極部GLeと同様、ゲート絶縁層を含む第1絶縁層81の下方に配置することができる。共通電極15は、第1絶縁層81と第2絶縁層82との間に配置することができる。また、画素電極14は、第2絶縁層82上に配置されている。
【0038】
補助電極16は、共通電極15よりも第1基板11側に位置しており、液晶層45とは接していない。このため、補助電極16は、液晶層45に直接電界を発生させる画素電極ではない。
【0039】
図6に示すように、対向基板40は、第2基板41と、ブラックマトリクス42とオーバーコート層43とを備える。第2基板41は、ガラス、樹脂等の透明材料によって構成されている。
【0040】
ブラックマトリクス42は、第2基板41に位置しており、複数の開口42cを有する。複数の開口42cは、平面視において、複数の画素PXのうち、光を透過する領域を規定している。平面視において、ブラックマトリクス42は、第1ゲートバスラインGL1、第2ゲートバスラインGL2、ソースバスラインSL、第1TFT21、第2TFT22および第3TFT23を覆っている。
【0041】
また、平面視において、開口42cは、画素電極14の少なくとも一部、共通電極15の少なくとも一部および補助電極16の少なくとも一部と重なっている。本実施形態では、平面視において、開口42c内全体に画素電極14が位置している。ここで、画素電極14と共通電極15と補助電極16とは、いずれも透明導電性材料によって構成されており、表示に実質的に寄与する領域の面積を低下させることなく、補助電極16によって形成されるキャパシタCcom2の容量を大きくすることができる。
【0042】
図5などには示していないが、対向基板40には、カラーフィルタが設けられる。また、TFT基板10および対向基板40の液晶層45と接する面には配向膜が配置されている。
【0043】
次に液晶表示装置101の動作を説明する。図8は、TFT基板10に印加される信号および画素の輝度のタイミングチャートである。ここで、Sg1は第1ゲートバスラインGL1に印加されるゲート信号がハイレベル(Vgh)になる期間を示しており、Sg2は第2ゲートバスラインGL2に印加されるゲート信号がハイレベル(Vgh)になる期間を示している。
【0044】
第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2には、異なるタイミングで、第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2のそれぞれに接続された各TFTをオン状態にするゲート信号が印加される。偶数フィールドの期間Sg1で第1ゲートバスラインGL1に印加されたゲート信号がハイレベル(Vgh)になると、第1TFT21および第2TFT22がオンになり、ソースバスラインSLに印加されたソース信号Ssの振幅に対応する電圧が、画素電極14および補助電極16に印加され、キャパシタCcl、Ccom1、Ccom2が充電される。これに伴って、画素電極の電圧Vpxが急激に上昇し、飽和する。また、画素の輝度Lpxも上昇する。
【0045】
ゲート信号がハイレベル(Vgh)からローレベル(Vgl)に変化すると、第1TFT21および第2TFT22がオフになる。このタイミングで画素電極の電圧Vpxは低下する(フィードスルー電圧)。その後、液晶層45から電荷がリークすることによって、キャパシタCclに充電されていた電荷が減少する。これに伴い、キャパシタCcom1の電荷も減少する。また、画素電極14の電圧Vpxが徐々に低下する。画素の輝度Lpxも徐々に低下する。一方、補助電極16によって形成されるキャパシタCcom2は、キャパシタCcl、Ccom1に並列に接続されておらず、独立している。このため、キャパシタCcom2の電荷は維持される。
【0046】
続いて、奇数フィールド中の期間Sg2で、第2ゲートバスラインGL2に印加されたゲート信号がハイレベル(Vgh)になり、第3TFT23がオンになる。これにより、補助電極16と画素電極14とが電気的に接続される。補助電極16により形成されるキャパシタCcom2の電荷は維持されているため、補助電極16の電位は画素電極14も高く維持されている。このため、キャパシタCcom2からキャパシタCcl、Ccom1へ電荷が移動する。
【0047】
キャパシタCcl、Ccom1が再び充電され、画素電極14の電圧Vpxが再び上昇し、飽和する。これに伴い、画素の輝度Lpxも再度上昇する。偶数フィールドで画素電極14および補助電極16に印加された電圧が等しいので、画素電極14の電圧Vpは偶数フィールドの充電時の最高電圧を超えることはない。
【0048】
ゲート信号がハイレベル(Vgh)からローレベル(Vgl)に変化すると、第3TFT23がオフになり、画素電極14の電圧Vpxは低下する(フィードスルー電圧)。その後、再び液晶層45から電荷がリークすることによって、キャパシタCclおよびキャパシタCcom1の電荷が減少し、画素電極の電圧Vpxが徐々に低下する。画素の輝度Lpxも徐々に低下する。しかし、再充電によって輝度が高められているので、再充電無し(破線)の場合に比べて、輝度の低下が抑制される。
【0049】
y軸方向に隣接した画素では、第1TFT21および第2TFT22のゲートが第2ゲートバスラインGL2に接続されている。このため、奇数フィールド中の期間Sg2で、第2ゲートバスラインGL2に印加されたゲート信号がハイレベル(Vgh)になり、第1TFT21および第2TFT22がオンになる。また、偶数フィールド中の期間Sg1で、第1ゲートバスラインGL1に印加されたゲート信号がハイレベル(Vgh)になり、第3TFT23がオンになる。
【0050】
以上で1フレームの動作が終了する。次のフレームでは、ソース信号の振幅の符号を反転させて同様の動作を行う。液晶表示装置101の消費電力を低減するという観点からは、リフレッシュレートは20Hz以下であることが好ましく、10Hz以下であることがより好ましい。
【0051】
このように本実施形態の液晶表示装置101によれば、リフレッシュレートを低くして画像の書き換えの間隔(1フレーム期間)を長くした場合でも、各画素PXにおいて、液晶層45からリークする電荷を次の画像書き換えまでの期間中に補助電極16によって蓄積しておいた電荷で補うことができる。このため、画素電極14の電圧低下を抑制して、フリッカを低減することができる。
【0052】
また、第1TFT21および第2TFT22が並列に接続されているため、これらTFTの内部抵抗の影響を抑制して画素電極14および補助電極16を同じ電圧で充電することができる。
【0053】
また、液晶層45に電圧を印加するための共通電極15を、補助電極16の対向電極として用い、補助電極16を共通電極15に対して画素電極14と反対側に配置している。このため、画素電極14に制限されず補助電極16の面積を大きくとり、補助電極16によって形成されるキャパシタCcom2の容量を大きくすること、つまり、リークした電荷を補うための電荷量を大きくとることができる。また、補助電極16を透明導電性材料で構成することによって、画素の開口率を低下させることがない。
【0054】
また、画素電極14が複数のスリット状の開口を有し、FFS方式で液晶層の液晶を配向させるため、共通電極15をTFT基板10に配置することができ、上述したように共通電極15を補助電極の対極として利用しやすくなる。
【0055】
(第2実施形態)
図9は、本実施形態の液晶表示装置の液晶パネル50’の等価回路図であり、図10は、TFT基板10’の平面図である。図11は、TFT基板10’の1つの画素PXを拡大して示す平面図である。
【0056】
本実施形態の液晶表示装置は、第2TFT22’のソースがソースバスラインSLではなく、第1TFT21のドレインに接続されている点で第1実施形態の液晶表示装置101と異なる。つまり、第1TFT21と第2TFT22’とは、直列に接続されている。
【0057】
図11に示すように、第1ゲート電極部GLcと、第2ゲート電極部GLdとは、第1ゲートバスラインGL1に対してy軸方向において同じ側に位置している。画素電極14の接続部14cは、平面視において、第1ゲート電極部GLcと、第2ゲート電極部GLdとの間に位置している。また、導電層17C’が半導体層18Cおよび半導体層18Dとオーミック接続されており、コンタクトホールを介して接続部14cと電気的に接続されている。
【0058】
本実施形態の液晶表示装置も第1実施形態の液晶表示装置101と同様、インターレース方式によって第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2を駆動することによって、第1実施形態と同様、各画素PXにおいて、液晶層45からリークする電荷を1フレーム期間中に補助電極16によって蓄積しておいた電荷で補うことができる。このため、画素電極14の電圧低下を抑制して、フリッカを低減することができる。特に本実施形態では、第2TFT22’のソースは、電位の変動が大きいソースバスラインSLではなく、画素電極14に接続された第1TFT21のドレインに接続されている。このため、第2TFT22’のオフ時にソースとドレインとの電位差が小さくなり、キャパシタCcom2に蓄積された電荷がより漏れにくくなる。
【0059】
なお、第1TFT21と第2TFT22’とが直列に接続されていることによって、ソースバスラインSLと補助電極16との間でトランジスタの抵抗が大きくなり、第1TFT21および第2TFT22’がオンの時、キャパシタCcom2の充電が十分に行えない可能性がある。この場合には、半導体層18Cおよび半導体層18Dを移動度の高い低温ポリシリコン等の材料によって構成してもよい。
【0060】
(第3実施形態)
本開示の液晶表示装置は好適にタッチパネルを組むこむことができる。図12は本実施形態の液晶表示装置103の模式的断面図を示す。液晶表示装置103において、第1基板11上には、第1実施形態の液晶表示装置101と同様、図示しない第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2が位置している。第1基板11上には、第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2を覆って、ゲート絶縁層80が位置している。
【0061】
ゲート絶縁層80上には、ソースバスラインSLおよび半導体層18C~18E(図示していない)などが位置している。これらを覆って、ゲート絶縁層80上に第1絶縁層81が位置している。
【0062】
第1絶縁層81上には、第2絶縁層82が位置しており、第2絶縁層82上に、タッチパネルの検出電極を含む配線86などが配置される。補助電極16も第2絶縁層82上に配置することができる。
第2絶縁層82上に検出電極を含むタッチパネルの配線86および補助電極16を覆って第3絶縁層83が位置している。第3絶縁層83上には共通電極15が位置している。共通電極15上に第4絶縁層84が位置しており、第4絶縁層84上に画素電極14が位置している。ゲート絶縁層80、第1絶縁層81、第3絶縁層83および第4絶縁層84は、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機絶縁材料によって構成することができ、第2絶縁層82は、樹脂などの有機材料によって構成することができる。
【0063】
液晶表示装置103の上記以外の構造については、第1実施形態または第2実施形態の液晶表示装置と同様に構成されている。
【0064】
液晶表示装置103によれば、第1または第2実施形態と同様、低周波数で駆動した場合でもフリッカを抑制することが可能である。また、補助電極16をタッチパネルの配線86と同じレイヤーに配置することができるため、フルインセルパネルディスプレイを構成する場合でも、製造工程が大幅に増大することが抑制できる。
【0065】
(他の形態)
本開示の液晶表示装置には種々の改変が可能である。第1から第3実施形態は、適宜組み合わせることができる。また、例えば、補助電極16の位置や構成は上記実施形態に限られない。第1から第3実施形態の液晶表示装置は一般的な透過型液晶表示装置であったが、本開示の液晶表示装置は、反射型液晶表示装置であってもよい。この場合、第1実施形態の液晶表示装置101において、補助電極16を金属によって構成すればよい。この場合、補助電極16と、第1ゲートバスラインGL1および第2ゲートバスラインGL2とを同じ製造工程において同じ金属材料によって構成してもよい。このようにすることで製造工程を簡略化できる。ここで、補助電極16を銀(Ag)やアルミニウム(Al)等の反射率の高い金属によって構成することで、補助電極16を反射電極として利用する場合は、第1から第3実施形態と同様に画素電極14と共通電極15とを透明導電性材料によって構成すればよい。また、画素電極14の少なくとも一部を反射率の高い金属によって構成することで、画素電極14を反射電極として利用してもよい。
【0066】
また、補助電極16は、平面視において画素電極14と重ならない位置に配置してもよい。例えば、平面視においてブラックマトリクス42と重なる位置に配置されていてもよい。この場合、補助電極16は、例えば画素電極14と同じ材料によって同時に形成してもよい。
【0067】
また、本開示の液晶表示装置は、低リフレッシュレートで駆動される場合に上述したようにインターレース方式を採用している。本開示の液晶表示装置は、2以上のリフレッシュレートに対応していてもよく、例えば、高フレームレートの画像を表示するため、高リフレッシュレートにも対応していてもよい。この場合には、液晶表示装置は、低リフレッシュレートで駆動される場合にのみインターレース方式を採用し、高リフレッシュレートで駆動される場合にはプログレッシブ方式で駆動されてもよい。また、高リフレッシュレートで動作される場合にも液晶表示装置はインターレース方式で駆動されてもよい。
【0068】
本開示の液晶表示装置は、以下のようにも説明することができる。
第1の構成に係る液晶表示装置は、
第1基板と、
第1基板に配置された複数のゲートバスラインであって、第1方向に伸び、第1方向と交差する第2方向に配列された複数のゲートバスラインと、
第1基板に配置され、第2方向に伸びる複数のソースバスラインと、
第1基板に配置された複数の画素と、
を備えたTFT基板、および
液晶層、
を備える。
各画素は、
複数のゲートバスラインのうち互いに隣接する第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの間に配置され、液晶層に対向して位置している画素電極と、
第1基板と画素電極との間に位置し、平面視において画素電極と重なっている共通電極と、
補助電極と、
第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの一方にゲートが接続され、ドレインが画素電極に接続された第1TFTと、
第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの一方にゲートが接続され、ドレインが補助電極に接続された第2TFTと、
第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインの他方にゲートが接続され、ソースが画素電極および補助電極の一方と接続され、ドレインが画素電極および補助電極の他方と接続された第3TFTと、
を含み、
第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインには、異なるタイミングで第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインのそれぞれに接続された各TFTをオン状態にするゲート信号が印加される。
【0069】
第1の構成によれば、画素電極および補助電極が充電されるタイミングと異なるタイミングで画素電極と補助電極とが接続されるため、画像表示の期間の途中で補助電極に蓄積された電荷を、画素電極へ移動させることができる。このためリフレッシュレートを低くして画像の書き換えの間隔を長くした場合でも、各画素において、液晶層からリークする電荷を次の画像書き換えまでの期間中に補助電極によって蓄積しておいた電荷で補うことができる。よって、画素電極の電圧低下を抑制して、フリッカを低減することができる。
【0070】
第2の構成は、第1の構成において、第1TFTおよび第2TFTのソースがそれぞれ複数のソースバスラインの1つに接続されていてもよい。第1TFTおよび第2TFTがソースバスラインに対して並列に接続されているため、画素電極および補助電極を同じ電圧で充電することができる。
【0071】
第3の構成は、第1の構成において、第1TFTのソースが複数のソースバスラインの1つに接続され、第2TFTのソースが第1TFTのドレインに接続されていてもよい。第2TFTのオフ時にソースとドレインとの電位差が小さくなるため、補助電極に蓄積された電荷がより漏れにくくなる。
【0072】
第4の構成は、第1~第3の構成のいずれか1つにおいて、画素電極、共通電極および補助電極は、それぞれ透明導電性材料によって構成されていてもよい。
【0073】
第5の構成は、第1~第3の構成のいずれか1つにおいて、補助電極、第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインは、同じ金属材料によって構成されていてもよい。
に記載の液晶表示装置。
【0074】
第6の構成は、第5の構成において、画素電極は、金属材料によって構成されていてもよい。
【0075】
第7の構成は、第1~第6の構成のいずれか1つにおいて、画素電極は、複数のスリット状の開口を有していてもよい。
【0076】
第8の構成は、第1~第7の構成のいずれか1つにおいて、第1TFTおよび第2TFTのトランジスタ特性は等しくてもよい。
【0077】
第9の構成は、第1~第8の構成のいずれか1つにおいて、共通電極および画素電極が形成する容量と、共通電極および補助電極が形成する容量とは等しくてもよい。
第10の構成は、第1~第9の構成のいずれか1つにおいて、補助電極は、表示に実質的に寄与しない位置に配置されていてもよい。
【0078】
第11の構成は、第1~10の構成のいずれか1つにおいて、補助電極は、共通電極と第1基板との間に位置し、平面視において、画素電極と重なっていてもよい。
【0079】
第12の構成は、第11の構成において、
第2基板と、
第2基板に配置され、開口を有するブラックマトリクスと、
を備えた対向基板と
をさらに備え、
液晶層は、対向基板とTFT基板との間に位置しており、
ブラックマトリクスの開口は、平面視において画素電極の少なくとも一部と重なっており、
補助電極は、平面視において、ブラックマトリクスと重なっていてもよい。
【0080】
第13の構成は、第1~第12の構成のいずれか1つにおいて、
複数の画素は、第1方向および第2方向の2次元に配列されており、
第2方向に配列された複数の画素の第1TFTは、
第1ゲートバスラインおよび第2ゲートバスラインに交互に接続されていてもよい。
【0081】
第14の構成は、第13の構成において、
TFT基板に配置され、複数のゲートバスラインにゲート信号を印加するゲートドライバをさらに備え、
ゲートドライバは、複数のゲートバスラインをインターレースで駆動してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示の液晶表示装置は、種々の分野に用いられる液晶表示装置に好適に利用可能であり、特に、低消費電力が求められる用途に用いられる液晶表示装置に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0083】
10,10’…TFT基板、11…第1基板、11a…主面、14…画素電極、14c,14e,16d,16e…接続部、14s…開口、15…共通電極、16…補助電極、17C…ドレイン電極、17C’…導電層、17D…ドレイン電極、17E1…ソース電極、17E2…ドレイン電極、18C~18E…半導体層、40…対向基板、41…第2基板、42c…開口、42…ブラックマトリクス、43…オーバーコート層、45…液晶層、46…シール、50,50’…液晶パネル、70…液晶パネルコントローラ、71…信号処理回路、72…駆動回路、73A…第1ゲートドライバ、73B…第2ゲートドライバ、74…ソースドライバ、75…外部接続端子、80…ゲート絶縁層、81…第1絶縁層、82…第2絶縁層、83…第3絶縁層、84…第4絶縁層、86…配線、101,103…液晶表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12