IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープディスプレイテクノロジー株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072041
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20240520BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240520BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
H01L29/78 612B
G09F9/30 338
G09F9/30 349Z
G09F9/00 346Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182629
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】田中 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山本 薫
(72)【発明者】
【氏名】山本 圭一
(72)【発明者】
【氏名】米林 諒
【テーマコード(参考)】
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA25
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094FB14
5C094JA08
5F110BB02
5F110CC01
5F110DD01
5F110DD02
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG15
5F110NN78
5G435AA18
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE40
5G435EE47
5G435HH13
(57)【要約】
【課題】デマルチプレクサ回路またはデマルチプレクサ回路を備え、設計の自由度が高いアクティブマトリクス装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、複数の画素を含むアクティブマトリクス基板10と、ドライバユニット41とを含む。ドライバユニット41は、フレキシブル基板51と、フレキシブル基板に配置された第1配線パターン52と、フレキシブル基板に支持され、第1配線パターンに接続されたデマルチプレクサ回路56またはマルチプレクサ回路156と、フレキシブル基板に支持され、第1配線パターンに接続されたソースドライバIC55とを含む。ドライバユニットは表示パネルと接続されており、複数の画素のTFTおよびデマルチプレクサ回路56またはマルチプレクサ回路156のTFTは、互いに異なる半導体を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板に配置された複数の画素と、前記複数の画素に接続された複数のソースバスラインと、前記基板に配置され、複数のソースバスラインと接続された第1基板端子とを含むアクティブマトリクス基板、および
ドライバユニット
を備えたアクティブマトリクス装置であって、
前記ドライバユニットは、
フレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板に配置された第1配線パターンと、
前記フレキシブル基板に支持され、前記第1配線パターンに接続されたデマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路と、
前記フレキシブル基板に配置され、前記第1配線パターンに接続されたソースドライバICと、
前記フレキシブル基板に配置され、前記第1配線パターンと接続された第1出力端子と
を含み、
前記第1出力端子は、前記第1基板端子と接続されており、
前記複数の画素および前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路は、それぞれTFTを含み、
前記複数の画素のTFT、および、前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、互いに異なる半導体を有する、アクティブマトリクス装置。
【請求項2】
前記複数の画素のTFTは、酸化物半導体を有し、
前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、ポリシリコンを有する、
請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項3】
前記複数の画素のTFTは、アモルファスシリコンを有し、
前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、酸化物半導体またはポリシリコンを有する、
請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項4】
前記複数の画素のTFTは、アモルファス酸化物半導体を有し、
前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、結晶性酸化物半導体を有する、
請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項5】
前記ドライバユニットは、前記フレキシブル基板に配置され、前記第1配線パターンに接続された保護回路をさらに含み、前記保護回路は、保護素子を有し、静電気および/または過電圧から前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路を保護する、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項6】
前記アクティブマトリクス基板は、
前記複数の画素に接続された複数のゲートバスラインと、
前記複数のゲートバスラインに接続され、前記複数のソースバスラインと平行に伸びる複数の接続線と、
前記基板に位置し、前記複数の接続線に接続された第2基板端子と
をさらに含み、
前記ドライバユニットは、
前記フレキシブル基板に配置された第2配線パターンと、
前記フレキシブル基板に配置され、前記第2配線パターンに接続されたゲートドライバと、
前記フレキシブル基板に配置され、前記第2配線パターンに接続された第2出力端子と
を含み、
前記第2基板端子は、前記第2出力端子と接続されている、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項7】
前記アクティブマトリクス基板は、前記複数の画素と重畳して配置されたタッチパネルと、前記基板に配置され、前記タッチパネルに接続された第2基板端子とをさらに含み、
前記ドライバユニットは、
前記フレキシブル基板に配置された第2配線パターンと、
前記フレキシブル基板に支持され、前記第2配線パターンに接続されたタッチパネルコントローラICと、
前記フレキシブル基板に配置され、前記第2配線パターンに接続された第2出力端子と
を含み、
前記第2基板端子は、前記第2出力端子と接続されている、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項8】
前記ドライバユニットは、前記第2配線パターンに接続された他のデマルチプレクサ回路または他のマルチプレクサ回路をさらに含む、請求項6に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項9】
前記ドライバユニットは、前記フレキシブル基板において前記ソースドライバICに近接して配置されたCR回路をさらに含み、
前記CR回路は、キャパシタおよび抵抗器を含み、
前記ソースドライバICは電源回路を含む、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項10】
前記フレキシブル基板は、前記第1出力端子が配列されている方向における幅が70mmより大きい、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項11】
前記ドライバユニットは、前記フレキシブル基板に支持されたセンサを更に含む、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項12】
前記ドライバユニットは、マトリクス状の検出部を有するセンサ回路を更に有する、請求項1に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項13】
前記アクティブマトリクス基板を含む表示パネルを更に備え、前記表示パネルは、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、マイクロLED表示パネル電気泳動表示パネルからなる群から選ばれる1つであり、前記ドライバユニットは、前記デマルチプレクサ回路を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス装置。
【請求項14】
前記アクティブマトリクス基板を含むセンサパネルを更に備え、前記ドライバユニットは、前記マルチプレクサ回路を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はアクティブマトリクス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より高精細な画像を表示することが可能な表示装置が求められている。このような表示装置では、画素が高密度に配置され、画素に表示データ信号を印加するための信号線が多数配置されている。信号線は、それぞれドライバICに接続されるため、画素数が増えるほど多くのパッケージ状のドライバICを表示装置のアクティブマトリクス基板に実装する必要がある。
【0003】
しかし、ドライバICの数が増えると、アクティブマトリクス基板上の額縁領域を広くとる必要があり、ドライバICの実装コストが増大するなどの課題が生じる場合がある。このため、ドライバICの機能の一部を、アクティブマトリクス基板に作りこむことが考えられる。例えば、特許文献1は、シリアルにRGBの情報を含む表示データ信号を受け取り、RGBの情報をパラレルに出力できるデマルチプレクサ回路を備えた表示装置を開示している。
【0004】
また、アクティブマトリクス基板が、指紋センサなど入力装置である場合には、検出の分解能が高まるにつれて、検出する信号の数が増える。このため、アクティブマトリクス基板が入力装置である場合には、検出した信号をマルチプレクサで多重化し、多重化した信号を検出ICで処理することが求められる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-372722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、デマルチプレクサまたはマルチプレクサを備え、設計の自由度が高いアクティブマトリクス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態に係るアクティブマトリクス装置は、基板と、前記基板に配置された複数の画素と、前記複数の画素に接続された複数のソースバスラインと、前記基板に配置され、複数のソースバスラインと接続された第1基板端子とを含むアクティブマトリクス基板、および、ドライバユニットを備えた表示装置であって、前記ドライバユニットは、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に配置された第1配線パターンと、前記フレキシブル基板に支持され、前記第1配線パターンに接続されたデマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路と、前記フレキシブル基板に配置され、前記第1配線パターンに接続されたソースドライバICと、前記フレキシブル基板に配置され、前記第1配線パターンと接続された第1出力端子とを含み、前記第1出力端子は、前記第1基板端子と接続されており、前記複数の画素および前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路は、それぞれTFTを含み、前記複数の画素のTFT、および、前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、互いに異なる半導体を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、デマルチプレクサを備えた低消費電力の表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図2図2は、第1実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的断面図である。
図3図3は、画素の構成を示す模式的な回路図である。
図4図4は、アクティブマトリクス基板の一部を示す模式的平面図である。
図5図5はドライバユニットの模式的な平面図である。
図6図6はデマルチプレクサ回路の構成例を示す回路図の一部である。
図7図7は、ドライバユニットの断面構造の一例を示す模式図である。
図8A図8Aは、ドライバユニットの第1出力端子近傍の平面図である。
図8B図8Bは、図8AのA-A線における第1出力端子の構造を示す模式的な断面図である。
図8C図8Cは、図8AのA-A線における第1出力端子の他の構造を示す模式的な断面図である。
図8D図8Dは、図8AのA-A線における第1出力端子の他の構造を示す模式的な断面図である。
図9図9は、ドライバユニットの第1出力端子の他の構造を示す平面図である。
図10図10は、第2実施形態の表示装置のドライバユニットの模式的平面図である。
図11図11は、第3実施形態の表示装置のドライバユニットの模式的平面図である。
図12図12は、第3実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図13図13は、第4実施形態の表示装置のドライバユニットの模式的平面図である。
図14図14は、第4実施形態の表示装置のアクティブマトリクス基板の模式的平面図である。
図15図15は、第4実施形態の表示装置の他の例のドライバユニットの模式的平面図である。
図16図16は、第5実施形態の表示装置のドライバユニットの模式的平面図である。
図17図17は、第6実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図18図18は、第6実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図19図19は、第7実施形態の表示装置のドライバユニットの模式的平面図である。
図20図20は、第8実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図21図21は、第8実施形態の表示装置の主要な構成を示す模式的断面図である。
図22図22は、第9実施形態のセンサ装置の主要な構成を示す模式的平面図である。
図23図23は第9実施形態のドライバユニットの模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
デマルチプレクサ回路は、高速で動作する必要があるため、デマルチプレクサ回路を構成するTFTには高い駆動能力が求められる。このようなTFTは、例えば、ポリシリコン(多結晶シリコン)半導体を用いて構成することが好ましい。このため、デマルチプレクサ回路を含むアクティブマトリクス基板は、ポリシリコンを用いて構成することが好ましい。
【0011】
しかし、アクティブマトリクス基板が表示装置に用いられる場合、一般にポリシリコンは、大きなマザーガラス基板で形成することが難しいため、生産性の点では不利である。また、多結晶シリコンによって構成されるTFTは、一般にオフ時におけるリーク電流が大きい。このため、低消費電力のアクティブマトリクス基板を作製することが難しい。
【0012】
一方、酸化物半導体によって構成されるTFTは、オフ時のリーク電流が小さく、低消費電力の観点では、酸化物半導体は、ポリシリコンよりも優れる。また、大きなマザーガラス基板に酸化物半導体層を形成することが比較的容易である。
【0013】
しかし、酸化物半導体は、一般に駆動能力が低い。このため、デマルチプレクサを構成するためには、TFTの面積を大きくとる必要があり、デマルチプレクサ回路の面積が大きくなる。このため、アクティブマトリクス基板における非表示領域が大きくなってしまう。
【0014】
アクティブマトリクス基板の表示領域のTFTは酸化物半導体で構成し、デマルチプレクサ回路はポリシリコンで構成することが考えられる。しかし、この場合、半導体を形成する工程が増大し、製造コストが増大することになる。本願発明者はこのような課題に鑑み、新規なアクティブマトリクス装置を想到した。
【0015】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されていたり、一部の構成部材が省略されていたりする場合がある。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態のアクティブマトリクス装置は表示装置である。本実施形態の表示装置は、表示パネルと表示パネルを駆動するドライバユニットとを含む。表示パネルは、後述するように画素にTFTを有するアクティブマトリクス基板を備える種々の表示パネルであってよい。例えば、表示パネルは、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、マイクロLED表示パネル、電気泳動表示パネル等である。
【0017】
図1および図2は、本実施形態の表示装置101の主要な構成を示す模式的平面図および断面図である。表示装置101は、表示装置101は、表示パネルに含まれるアクティブマトリクス基板10と、ドライバユニット41と、制御基板20とを備える。本実施形態では、表示パネルは、例えば、液晶表示パネルである。
【0018】
アクティブマトリクス基板10は、基板11と、複数のゲートバスラインGLと、複数のソースバスラインSLと、複数の画素PXとを含む。基板11は、例えば、ガラスや樹脂などの透光性基板である。ただし、基板11は、表示パネルの特徴に応じた物性を備えていてもよい。例えば、表示パネルがマイクロLED表示パネルである場合には、基板11上にマイクロLEDが配置されるため、基板11は透光性を有していなくてもよい。
【0019】
基板11の表示領域DRに、例えば、x方向に伸びる複数のゲートバスラインGLが、y方向に配列されている。また、y方向に伸びる複数のソースバスラインSLがx方向に配列されている。隣接する一対のゲートバスラインGLおよび隣接する一対のソースバスラインSLに囲まれる領域に画素PXが配置されている。画素PXはx方向およびy方向の2次元に配列される。
【0020】
図3は、画素PXの構成を示す模式的な回路図である。画素PXは、画素電極PEとスイッチ素子SWとを含む。スイッチ素子SWは、本実施形態ではTFTである。TFTのゲートGがゲートバスラインGLに接続され、ソースSがソースバスラインSLに接続されている。ドレインDは、画素電極PEに接続されている。
【0021】
TFTは、In、GaおよびZnのうち少なくとも1種の金属元素を含む酸化物半導体を含むことが好ましい。例えば、TFTは、In-Ga-Zn-O系半導体、In-Sn-Zn-O系半導体等からなる半導体層を含んでいてもよい。また、酸化物半導体は、アモルファス酸化物半導体であってもよいし、結晶質部分を有する結晶質酸化物半導体であってもよい。
【0022】
また、低コストで表示装置101を製造し得るという観点では、TFTは、アモルファスシリコンを含んでいてもよい。
【0023】
図4に示すように、ソースバスラインSLの一端には、第1基板端子13が配置されている。第1基板端子13は、後述するようにドライバユニット41と電気的に接続される。
【0024】
基板11の表示領域DRの外側である非表示領域にはゲートドライバ12が配置され、ゲートバスラインGLと接続されている。ゲートドライバ12は、ベアチップ、パッケージ化されたIC等であってもよいし、アクティブマトリクス基板10にスイッチ素子SWと同様モノリシックに形成されていてもよい。
【0025】
図5はドライバユニット41の模式的な平面図である。ドライバユニット41は、フレキシブル基板51と、第1配線パターン52と、第1入力端子53と、第1出力端子54と、ソースドライバIC55と、デマルチプレクサ回路56とを含む。ドライバユニット41は、制御基板20とアクティブマトリクス基板10とを接続する配線として機能するともに、アクティブマトリクス基板10を駆動するドライバを支持する領域を提供する。本実施形態では、表示装置101は4つのドライバユニット41を備えており、各ドライバユニットは1つのソースドライバIC55と、1つのデマルチプレクサ回路56とを含んでいる。
【0026】
フレキシブル基板51は、可撓性および絶縁性を有する支持体である。例えば、フレキシブル基板51はポリイミドフィルムなど、フレキシブルプリント配線基板(FPC)に用いられる樹脂材料によって構成されている。例えばフレキシブル基板51は矩形形状を有している。フレキシブル基板51の幅は、例えば汎用のCOFテープの幅である70mmであってもよい。
【0027】
フレキシブル基板51には、第1配線パターン52が配置されている。また、第1入力端子53および第1出力端子54が、フレキシブル基板51は矩形を構成する一対の辺51c、51dにそれぞれ隣接して配置されている。また、第1入力端子53および第1出力端子54は第1配線パターン52に接続されている。第1入力端子53および第1出力端子54はドライバユニット41を外部の回路と接続するための端子である。第1出力端子54は、第1配線パターン52と第1入力端子53および第1出力端子54とは、同じ材料で構成されていてもよいし、また、同じ材料で一体的に形成されていてもよい。あるいは、第1配線パターン52と第1入力端子53および第1出力端子54とは、異なる材料で構成されていてもよい。
【0028】
ソースドライバIC55は、第1配線パターン52に接続されており、第1入力端子53から表示データ信号を受け取り、画素ごとのRGB信号を生成する。このRGB信号は1つの画素を構成する3つのサブ画素に印加されるR、G、B、のデータをシリアルに含む。ソースドライバIC55から出力される画素ごとのRGB信号の数は、例えば、960~1440である。
【0029】
ソースドライバIC55は、回路規模が大きいという観点から、単結晶シリコン半導体を用いて構成されていることが好ましく、ベアチップ、パッケージ化されたIC等であることが好ましい。ソースドライバIC55は、フリップチップボンディング、半田などによって第1配線パターン52に接続されている。
【0030】
デマルチプレクサ回路56は、フレキシブル基板51にモノリシックに形成され、第1配線パターン52に接続されている。デマルチプレクサ回路56は、ソースドライバIC55から出力された画素ごとのRGB信号を受け取り、RGBの3つのサブ画素に印加する表示信号を生成する。図6はデマルチプレクサ回路56の構成例を示す回路図の一部を示す。デマルチプレクサ回路56は、白色を構成する1つの画素に対してTFT56A、TFT56BおよびTFT56Cを含み、例えば、TFT56A、56B、56CのソースにRGB信号が印加される。TFT56A、56B、56Cのゲートには駆動線DL1、DL2、DL3が接続されており、駆動線にDL1、DL2、DL3が印加されるタイミングで、TFT56A、56B、56Cがオンになり、各TFTのドレインからR、G、Bの表示信号がパラレルに出力される。
【0031】
デマルチプレクサ回路56は、フレキシブル基板51にモノリシックに形成され、第1配線パターン52に接続されている。デマルチプレクサ回路56を構成しているTFT56A、56B、56Cを含むTFTはポリシリコンを有することが好ましい。ポリシリコンは電子移動度が高いという特徴を備えているため、ポリシリコン半導体層を有するTFTは高速動作が可能であり、また、駆動能力も高い。したがって、デマルチプレクサ回路56は、R、G、Bの表示信号を高速に生成することができる。また、画素電極PEを充電する十分な電流を流すことが可能である。画素PXのTFTがアモルファスシリコンを有している場合には、TFT56A、56B、56Cを含むTFTは、ポリシリコンまたは酸化物半導体を有していることが好ましい。
【0032】
また、デマルチプレクサ回路56を構成しているTFTは、画素PXのTFTと、組成および/または結晶性が異なる酸化物半導体で構成されていてもよい。例えば、画素PXのTFTを低移動度の酸化物半導体で構成し、デマルチプレクサ回路56を構成しているTFTを高移動度の酸化物半導体で構成してもよい。より具体的には、画素PXのTFTをアモルファス酸化物半導体で構成し、デマルチプレクサ回路56を構成しているTFTを結晶性の酸化物半導体で構成してもよい。アモルファス酸化物半導体は低コストで形成することができるため、形成領域が広い画素PXのTFTをアモルファス酸化物半導体で構成することによって、デマルチプレクサ回路56に求められる処理速度を落とさずに表示装置の製造コストを低減することができる。
【0033】
制御基板20は、例えば、基板21と、基板21に配置されたタイミングコントローラIC22および制御基板端子23とを含む。タイミングコントローラIC22は、表示装置101が搭載される機器のCPUなどを含む演算装置から映像信号を受け取り、表示データ信号を生成し、制御基板端子23から出力する。ドライバユニット41の第1入力端子53が制御基板端子23と接続されることによって、表示データ信号が、ドライバユニット41に入力される。
【0034】
図7は、ドライバユニット41の断面構造の一例を示す模式図である。ドライバユニット41は、フレキシブル基板51上に半導体製造技術を用いて作製することができる。ドライバユニット41は、例えば、ベースコート層61、半導体層62、ゲート絶縁膜63、ゲート電極64、層間絶縁膜65、金属層66および保護膜67を有する。
【0035】
ベースコート層61は絶縁性を有しており、フレキシブル基板51上に配置されている。ベースコート層61上に半導体層62が配置される。
【0036】
半導体層62は前述したようにポリシリコンで構成されていることが好ましい。半導体層62がポリシリコンで構成されている限り、半導体層62は種々の形成方法によって形成することができる。フレキシブル基板51に半導体層62を直接形成する場合には、アモルファスシリコンをベースコート層61上に形成し、レーザアニールを用いてアモルファスシリコンを多結晶化させることができる。このようにして形成されたポリシリコンは、低温ポリシリコン(LTPS)と呼ばれことがある。あるいは、別の基板上に高温で形成したポリシリコン薄膜をベースコート層61上に貼り付けてもよい。
【0037】
ゲート絶縁膜63は、半導体層62を覆ってベースコート層61上に配置されている。ゲート電極64は、半導体層62の上方であってゲート絶縁膜63上に配置されている。さらに層間絶縁膜65が、ゲート電極64を覆ってゲート絶縁膜63上に配置されている。層間絶縁膜65上には金属層66が配置されている。金属層66を覆って層間絶縁膜65上に保護膜67が配置される。保護膜67には、開口67e、67f、67gが設けられており、開口から金属層66が露出している。開口67eはフレキシブル基板51の辺51dに近接し、開口67gは辺51cに近接している。
【0038】
金属層66はパターニングされており、層間絶縁膜65およびゲート絶縁膜63に設けられたコンタクトホールを介して半導体層62に接続されている。また、図7に示す形態では、金属層66は、第1配線パターン52、第1入力端子53および第1出力端子54を一体的に構成している。具体的には、金属層66のうち、保護膜67の開口67eから露出した部分が、第1出力端子54を構成し、保護膜67の開口67gから露出した部分が第1入力端子53を構成している。また、金属層66のうち、開口67eおよび開口67gから露出した部分の間に、第1配線パターン52を構成している。金属層66のうち開口67fから露出した部分、第1配線パターン52の一部にソースドライバIC55が接続されている。
【0039】
ゲート電極64、ゲート絶縁膜63および半導体層62は、TFT56A、56B、56CなどのTFTを構成し、複数のTFTでデマルチプレクサ回路56を構成している。
ドライバユニット41がこのような構造を有することによって、ドライバユニット41は、モノリシックなデマルチプレクサ回路56と、ディスクリートなソースドライバIC55を含むことができる。
【0040】
図8Aは、第1出力端子54近傍の平面図であり、図8Bは、図8AのA-A線における模式的な断面図である。上述したように、金属層66がストライプ状にパターニングされることによって第1出力端子54を構成している。第1出力端子54の間には、保護膜67が配置されている。第1出力端子54と第1基板端子13とを圧着によって接合可能なように、第1出力端子54と、第1出力端子54間の保護膜67の高さは、概ね一致していることが好ましい。例えば、金属層66の厚さよりも大きい厚さの保護膜67を、金属層66を覆って層間絶縁膜65上に形成し、さらにレジスト層を保護膜67の段差を埋めるように形成した後、エッチバックによってレジスト層および保護膜67の一部を除去してもよい。
【0041】
図8Cに示すように、第1出力端子54と、第1出力端子54間の保護膜67との間に空隙が設けられていてもよい。また、図8Dに示すように、第1出力端子54と、第1出力端子54間の保護膜67の高さをできるだけ等しくするために、第1出力端子54間にゲート電極64と同じ材料からなり、同じ工程で形成可能なスペーサ層69を配置してもよい。第1入力端子53も同様の構造で構成してもよい。
【0042】
また、第1出力端子54の配置は図5に示す例に限られない。図9に示すように、例えば、第1出力端子54のピッチを狭くするために、第1出力端子54Aと第1出力端子54Bとを、平面視において、千鳥状に配置してもよい。第1出力端子54Aおよび第1出力端子54Bは例えば金属層66で形成することができる。
【0043】
この場合、第1出力端子54Aと接続される第1配線パターン52A、および、第1出力端子54Bと接続される第1配線パターン52Bを、金属層66以外の材料によって形成してもよい。例えば、第1配線パターン52Aを、ゲート電極64と同じ材料および同じ工程で形成してもよく、第1配線パターン52Bを、金属層66およびゲート電極64とは異なる材料および異なる工程で形成してもよい。あるいは、第1配線パターン52Bを金属層66およびゲート電極64とは異なる材料および異なる工程で形成してもよい。
【0044】
第1出力端子54Aと第1配線パターン52A、ならびに、第1出力端子54Bと第1配線パターン52Bとは、介在する層間絶縁膜65などにそれぞれコンタクトホールを形成して接続することができる。このような構造によって、第1配線パターン52Aおよび第1配線パターン52Bを異なる高さに配置することができ、配線の密度を高めることが可能である。
【0045】
ドライバユニット41は、支持基板としてフレキシブル基板51を含むため、図2に示すように、ドライバユニット41は曲げた状態で表示装置101に配置され得る。具体的には、制御基板20がアクティブマトリクス基板10の裏側に位置するようにドライバユニット41を曲げてもよい。この場合、断面視において、ドライバユニット41の曲率半径が小さく部分には大きなストレスがかかり得る。このため、図7に示すように、使用状態において、曲率半径が小さくなる領域において、例えば、ベースコート層61、ゲート絶縁膜63および層間絶縁膜65の一部を除去し、有機絶縁膜68で充填してもよい。これにより、柔軟性に乏しい無機絶縁材料からなる構成要素に亀裂が入るのを抑制することが可能となる。
【0046】
表示装置101によれば、デマルチプレクサ回路56は、ドライバユニット41のフレキシブル基板51に配置されている。このため、画素PXのTFTと、デマルチプレクサ回路のTFTとを、それぞれ求められる性能に応じて異なる半導体で構成でき、設計の自由度を確保することができる。具体的には、表示装置101によれば、画素PXをスイッチングするTFTが酸化物半導体によって構成されており、TFTがオフ状態であるときのリーク電流が小さい。このため、1フレーム期間中に画素の駆動を休止させても画素容量がリークによって低下することが抑制される。よって駆動周波数を低くしも、画素容量の低下によるフリッカが生じにくく、低消費電力の表示装置が実現し得る。画素PXのTFTがアモルファスシリコンで構成されている場合には、低コストの表示装置が実現し得る。
【0047】
一方、ドライバユニット41のデマルチプレクサ回路56を構成するTFTは、電子移動度の高いポリシリコンによって構成されている。このため、高速かつ高い駆動能力でTFTをオン/オフすることが可能である。このデマルチプレクサ回路56は、フレキシブル基板上に形成されており、アクティブマトリクス基板とは独立して製造することができる。このため、アクティブマトリクス基板の製造時に異なる2つの半導体層を形成する必要がなく、製造工程の短縮や製造コストの低減し、2種類の半導体特性を生かした表示装置を実現することができる。
【0048】
また、ドライバユニット41は、フレキシブル基板51上に形成されたソースドライバIC55とデマルチプレクサ回路56とを含む。このため、ドライバをアクティブマトリクス基板10に配置するスペースを省略することができ、アクティブマトリクス基板の非表示領域および表示パネルの額縁領域を小さくすることができる。
【0049】
さらに、デマルチプレクサ回路56をモノリシックにフレキシブル基板51に形成することによって、デマルチプレクサ回路56とフレキシブル基板51の第1配線パターン52とを半田やフリップチップボンディングで接続する必要がなくなる。また、ソースドライバIC55から出力すべき信号の数を減らせるため、ソースドライバIC55の端子を減らし、ソースドライバIC55と第1配線パターン52とを半田やフリップチップボンディングで接続する箇所を少なくすることができる。
【0050】
さらにドライバユニット41が、1つのソースドライバIC55と1つのデマルチプレクサ回路56とを含むことによって、ドライバユニット41をソースドライバIC55に対応したモジュールとして扱うことができる。このため、ドライバユニット41は、種々の画素数の表示装置に対応した汎用部品としてとても有効である。
【0051】
(第2実施形態)
図10は、本実施形態の表示装置のドライバユニット42の模式的平面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニットに保護回路が設けられている点で第1の実施形態の表示装置101と異なる。
【0052】
ドライバユニット42は、例えば、第1配線パターン52に接続された保護回路70を備えている。保護回路70は、第1配線パターン52によって形成される回路において、デマルチプレクサ回路56とソースドライバIC55との間に接続されている。しかし、保護回路70は、第1配線パターン52によって形成される回路において、第1入力端子53とソースドライバIC55との間に接続されていてもよいし、デマルチプレクサ回路56と第1出力端子54との間に接続されていてもよい。
【0053】
保護回路70は、デマルチプレクサ回路56を静電気および/または過電圧から保護する。このために保護回路70は保護素子を含む。保護素子は、例えば、TVSダイオードなどのツェナーダイオードであり、ポリシリコンを含む。保護回路70は、デマルチプレクサ回路56と同様、フレキシブル基板51の上にモノリシックに作製されていることが好ましい。
【0054】
本実施形態の表示装置によれば、ドライバユニット42は保護回路70を含む。したがって、ソースドライバIC55をフレキシブル基板51に実装する際などに静電気や過電圧によってデマルチプレクサ回路56が破壊することが抑制される。
【0055】
(第3実施形態)
図11は、本実施形態の表示装置のドライバユニット43の模式的平面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニット43がゲートドライバを更に備えている点で第1の実施形態の表示装置101のドライバユニット41と異なる。
【0056】
ドライバユニット43は、第1実施形態のドライバユニット41の構成に加えて、第2配線パターン72と、第2入力端子73と、第2出力端子74と、ゲートドライバ75とをさらに含む。
【0057】
第2配線パターン72がフレキシブル基板51に配置されている。また、第2入力端子73および第2出力端子74が、フレキシブル基板51の辺51c、51dにそれぞれ配置されている。第2入力端子73および第2出力端子74は第2配線パターン72に接続されている。
【0058】
ゲートドライバ75は、第2配線パターン72に接続されている。ゲートドライバ75は、ベアチップ、パッケージ化されたIC等であってもよいし、デマルチプレクサ回路56と同様、フレキシブル基板51にモノリシックに形成されていてもよい。
図12に示すように、本実施形態の表示装置のアクティブマトリクス基板10’は、複数の接続ラインCLと第2基板端子14とをさらに備えており、非表示領域にゲートドライバを備えていない。複数の接続ラインCLは、ソースバスラインSLと平行に伸びており、各接続ラインCLは、ゲートバスラインGLの1つの接続されている。
【0059】
第2基板端子14は、第1基板端子13に隣接して配置されており、接続ラインCLと接続されている。また、第2基板端子14は、ドライバユニット43の第2出力端子74と接続される。
【0060】
本実施形態の表示装置によれば、ゲートドライバがドライバユニット43に形成されている。これによって、アクティブマトリクス基板10’の非表示領域をより小さくして、表示装置の額縁領域を小さくすることができる。
【0061】
(第4実施形態)
図13は、本実施形態の表示装置のドライバユニット44の模式的平面図である。本実施形態の表示装置は、インセルタッチパネル型表示装置である。本実施形態の表示装置は、アクティブマトリクス基板がインセルタッチパネルを含み、ドライバユニット44がタッチパネルドライバを更に備えている点で第1の実施形態の表示装置101のドライバユニット41と異なる。
【0062】
ドライバユニット44は、第1実施形態のドライバユニット41の構成に加えて、第2配線パターン72’と、第2入力端子73’と、第2出力端子74’と、タッチパネルコントローラIC85とをさらに含む。
【0063】
第2配線パターン72’はフレキシブル基板51に配置されている。また、第2入力端子73’および第2出力端子74’が、フレキシブル基板51の辺51c、51dにそれぞれ配置されている。第2入力端子73’および第2出力端子74’は第2配線パターン72’に接続されている。
【0064】
タッチパネルコントローラIC85は、第2配線パターン72’に接続されている。タッチパネルコントローラIC85は、ベアチップ、パッケージ化されたIC等であり、フリップチップボンディング、半田などによって第2配線パターン72’に接続されている。タッチパネルコントローラIC85は、インセルタッチパネルに適合している。第2出力端子74’は、図示しないアクティブマトリクス基板がインセルタッチパネルの配線に接続された端子と、接続されている。
図14は、本実施形態のアクティブマトリクス基板10’’は、基板11にそれぞれ配置された、複数の画素PXと重畳して配置されたタッチパネルTPと、タッチパネルTPに接続された第2基板端子14’とをさらに含む。
タッチパネルTPは、例えば、自己容量型であり、複数のタッチセンサ電極TXと、複数のタッチ配線TLとを含む。各タッチセンサ電極TXは、例えば複数の画素PXにまたがって配置され、複数のタッチセンサ電極TXは、x方向およびy方向の2次元に配列されている。タッチセンサ電極TXは表示装置の共通電極を兼ねていてもよい。
タッチ配線TLは、y方向に伸びており、一端がタッチセンサ電極TXに接続され、他端が、第2基板端子14’に接続されている。第2基板端子14’は、第1基板端子13に隣接して配置されている。また、第2基板端子14は、ドライバユニット43の第2出力端子74’と接続される。
【0065】
本実施形態の表示装置によれば、タッチパネルコントローラIC85がドライバユニット43に形成されている。これによって、タッチパネルコントローラIC85をアクティブマトリクス基板10’に接続するフレキシブル基板を必要としてないため、部品点数の削減および製造工程の短縮を図ることができる。
【0066】
図15に示すように、本実施形態の表示装置において、ドライバユニット44は、タッチパネル用のデマルチプレクサ回路86をさらに含んでいてもよい。例えば、デマルチプレクサ回路86は1つの駆動信号を受け取り、複数の駆動電極に逐次駆動信号を印加する。デマルチプレクサ回路86は、フレキシブル基板51にモノリシックに形成されていることが好ましい。また、デマルチプレクサ回路86はポリシリコンを含むTFTによって構成されていることが好ましい。
【0067】
デマルチプレクサ回路86を備えることによって、タッチパネルコントローラIC85から信号を出力するための端子の数を減らすことができる。
【0068】
(第5実施形態)
図16は、本実施形態の表示装置のドライバユニット45の模式的平面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニット45がCR回路77を更に備え、ソースドライバICが電源回路を含んでいる点で第1実施形態の表示装置101のドライバユニット41と異なる。
【0069】
ソースドライバIC55’は、例えば、ソースバスラインSL、ゲートバスラインGL、対向電極等、アクティブマトリクス基板10に印加する信号を生成するため電源回路を含んでいる。CR回路77は、第1配線パターン52に接続され、第1配線パターン52を介してソースドライバIC55’の電源回路と接続される。CR回路77は、抵抗器およびキャパシタ等の受動素子を含んでおり、ソースドライバIC55’に近接して配置されている。
【0070】
ソースドライバIC55’が電源回路を含み、CR回路77がソースドライバIC55’に近接して配置されることによって、CR回路77とソースドライバIC55’の電源回路との間に生じ得る寄生容量を小さくすることができ、電源回路の動作を安定させることができる。
【0071】
(第6実施形態)
図17は、本実施形態の表示装置106の主要な構成を示す模式的平面図および断面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニット46において、1つのフレキシブル基板51’に複数のソースドライバICおよび複数のデマルチプレクサ回路56が配置されている点で第1実施形態の表示装置101と異なる。図17に示す例では、ドライバユニット46では、4つのソースドライバIC55が1つのフレキシブル基板51’に実装されている。しかし実装されるソースドライバICの数は2以上であれば、いくつであってもよい。フレキシブル基板51’、例えば、アクティブマトリクス基板10の表示領域DRの横幅とほぼ等しい幅を有している。
【0072】
本実施形態では、ドライバユニット46は、ソースドライバIC55の数に対応した4つの独立したデマルチプレクサ回路56を備えている。しかし、ドライバユニット46は、ソースドライバIC55の数よりも少ないデマルチプレクサ回路を備えていてもよい。
【0073】
本実施形態の表示装置によれば、接続すべきドライバユニット46の数が減少するため、部品点数の削減および実装工程の削減を図ることができる。
【0074】
また、フレキシブル基板51’の幅が広くなることによって表示パネルを駆動するための他の配線や部品を実装するスペースも増え、表示装置の設計の自由度をより高めることができる。例えば、表示装置が有機ELパネルを備えている場合、発光層に電圧を印加するための配線の配置が重要となる。図18に示すように表示装置106’によれば、発光層に電圧を印加するための配線78は、幅の広いフレキシブル基板51’に比較的自由に配置できる。このため、例えば、配線78の長さができるだけ短くなるように配線78の位置を設計することによって、配線78の抵抗を小さくすることが可能である。
【0075】
(第7実施形態)
図19は、本実施形態の表示装置のドライバユニット47の模式的平面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニット47が、入出力端子79と、センサ回路80とを更に備えている点で第1実施形態の表示装置101のドライバユニット41と異なる。
【0076】
入出力端子79は例えばフレキシブル基板51の辺51cに近接して配置される。センサ回路80は、少なくとも1つのセンサ素子を含み、フレキシブル基板51に配置され、入出力端子79と接続されている。
【0077】
センサ素子は、例えば、温度センサ、フォトダイオードなどである。センサ回路80は、フレキシブル基板51にモノリシックに形成されていてもよいし、ベアチップ、パッケージ化されたICであり、フレキシブル基板51に半田やフリップチップボンディングなどで実装されていてもよい。
【0078】
本実施形態の表示装置によれば、ドライバユニット47がセンサ回路80を含んでいるため、別途センサ回路を実装する必要がなく、部品点数の削減および実装工程の削減を図ることができる。
【0079】
(第8実施形態)
図20および図21は、本実施形態の表示装置108の主要な構成を示す模式的平面図および断面図である。本実施形態の表示装置は、ドライバユニット48がマトリクス状のセンサ回路81を備えている点で第1実施形態の表示装置101と異なる。
【0080】
マトリクス状のセンサ回路81は、例えば、タッチパネル回路、指紋センサ回路や、圧力センサ回路である。例えば、センサ回路81は、フレキシブル基板82に配置されたx方向に伸びる複数の配線とy方向に伸びる複数の配線とを備え、容量の変化によりxy座標を検出する静電容量式のタッチパネルであってもよい。また、センサ回路81は、圧力検出素子などがx方向およびy方向の2次元に配置された構造を備えていてもよい。
ドライバユニット48は、例えば、デマルチプレクサ回路56とソースドライバIC55との間に空間が設けられたフレキシブル基板51’’を備えている。センサ回路81は、フレキシブル基板51’’において、デマルチプレクサ回路56とソースドライバIC55との間に配置されている。
【0081】
図20に示すように、フレキシブル基板51’’を折り曲げて配置することによって、平面視において、センサ回路81がアクティブマトリクス基板10の表示領域DRと重なるように配置することができる。これにより、表示パネルに手指を押しつけることによって指紋のパターンを検出したり、手指の接触圧力を検出することができる。
【0082】
本実施形態の表示装置によれば、ドライバユニット48がセンサ回路81を含んでいるため、別途センサ回路を実装する必要がなく、部品点数の削減および実装工程の削減を図ることができる。
【0083】
(第9実施形態)
本実施形態のアクティブマトリクス装置は、指紋センサなどのセンサ装置である。上述したように、アクティブマトリクス装置が入力装置である場合、センサの分解能が高くなるほど、センサであるアクティブマトリクス基板には多数の検出用配線が配置される。このため、複数の検出用配線から出力される検出信号を、マルチプレクサ回路によって多重化し、アクティブマトリクス基板に接続される検出ICの端子の数を検出用配線の数よりも減らす。
図22は、本実施形態のセンサ装置109の主要な構成を示す模式的平面図である。センサ装置109は、アクティブマトリクス基板110と、ドライバユニット49と、制御基板120とを備える。アクティブマトリクス基板110は対向基板とでセンサパネルを構成している。
【0084】
アクティブマトリクス基板110は、基板11と、複数のゲートバスラインGLと、複数のソースバスラインSLと、複数の画素PXとを含む。各画素PXは、図3を参照して第1実施形態で説明したように、画素電極PEとスイッチ素子SWとを含む。スイッチ素子SWは、TFTである。TFTのゲートGがゲートバスラインGLに接続され、ソースSがソースバスラインSLに接続されている。ドレインDは、画素電極PEに接続されている。
【0085】
TFTは、例えば、低コストでアクティブマトリクス基板110を製造することが可能であるという観点から、アモルファスシリコンを有することが好ましい。第1実施形態で説明したように、他の観点から画素PXのTFTの半導体材料を選択してもよい。
【0086】
画素電極PEは、本実施形態では、自己容量方式で静電容量を検出するセンサ電極である。手指をセンサ装置109に接触させた場合、画素電極PEは、接触した手指の指紋の凹凸による静電容量の変化を検出する。ソースバスラインSLの一端には、図4と同様、第1基板端子13が配置されている。第1基板端子13は、後述するようにドライバユニット49と電気的に接続される。
図23はドライバユニット49の模式的な平面図である。ドライバユニット49は、フレキシブル基板151と、第1配線パターン152と、第1入力端子153と、第1出力端子154と、検出IC155と、マルチプレクサ回路156とを含む。
【0087】
フレキシブル基板151には、第1配線パターン152が配置されている。また、第1入力端子153および第1出力端子154が、フレキシブル基板151に配置されている。第1入力端子153および第1出力端子154は第1配線パターン152に接続されている。検出IC155は、第1配線パターン152に接続されている。
【0088】
第1実施形態と同様、マルチプレクサ回路156は、フレキシブル基板151にモノリシックに形成されている。第1配線パターン152に接続されているマルチプレクサ回路156を構成しているTFTは、例えば、酸化物半導体またはポリシリコンを有することが好ましい。第1実施形態で説明したように、他の観点からマルチプレクサ回路156を構成しているTFTの半導体材料を選択してもよい。
【0089】
制御基板120は、センサコントローラIC122を含み、フレキシブル基板151の第1入力端子153に接続されている。
【0090】
本実施形態によれば、画素PXのTFTをアモルファスシリコンで構成し、マルチプレクサ回路156のTFTをポリシリコンまたは酸化物半導体で構成することによって、製造コストを抑制し、高速検出が可能なセンサ装置109を実現することが可能である。また、第1実施形態と同様、マルチプレクサ回路156をモノリシックにフレキシブル基板151に形成することによって、マルチプレクサ回路156とフレキシブル基板151の第1配線パターン152とを半田やフリップチップボンディングで接続する必要がなくなる。また、マルチプレクサ回路156によって検出信号が多重化されるため、検出IC155の端子を減らし、検出IC155と第1配線パターン152とを半田やフリップチップボンディングで接続する箇所を少なくすることができる。
【0091】
(他の形態)
本開示のアクティブマトリクス装置は、上記実施形態に限られない。上記各実施形態で説明した表示装置に種々の改変がなされてもよい。また、本開示の障子装置は上記各実施形態を組み合わせて実施してもよい。
【0092】
本開示のアクティブマトリクス装置は、以下のようにも説明することができる。
【0093】
第1の構成に係るアクティブマトリクス装置は、基板と、基板に配置された複数の画素と、複数の画素に接続された複数のソースバスラインと、基板に配置され、複数のソースバスラインと接続された第1基板端子とを含むアクティブマトリクス基板、およびドライバユニットを備えたアクティブマトリクス装置であって、
ドライバユニットは、
フレキシブル基板と、
フレキシブル基板に配置された第1配線パターンと、
フレキシブル基板に支持され、第1配線パターンに接続されたデマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路と、
フレキシブル基板に配置され、第1配線パターンに接続されたソースドライバICと、
フレキシブル基板に配置され、第1配線パターンと接続された第1出力端子と
を含み、
第1出力端子は、第1基板端子と接続されており、
複数の画素および前記デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路は、それぞれTFTを含み、
複数の画素のTFT、および、デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、互いに異なる半導体を有する。
【0094】
第1の構成によれば、デマルチプレクサ回路は、ドライバユニットのフレキシブル基板に配置されているため、画素のTFTと、デマルチプレクサ回路のTFTとを、それぞれ求められる性能に応じて異なる半導体で構成でき、設計の自由度を確保することができる。
【0095】
第2の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、複数の画素のTFTは、酸化物半導体を有し、デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、ポリシリコンを有していてもよい。
【0096】
第2の構成によれば、画素をスイッチングするTFTが、酸化物半導体によって構成されているため、低消費電力の表示装置が実現し得る。また、ドライバユニットのデマルチプレクサ回路を構成するTFTがポリシリコンによって構成されているため、高速かつ高い駆動能力で表示信号を処理できる。このため、アクティブマトリクス基板の製造時に異なる2つの半導体層を形成する必要がなく、製造工程の短縮や製造コストを低減し、2種類の半導体特性を生かしたアクティブマトリクス装置を実現することができる。
【0097】
第3の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、複数の画素のTFTは、アモルファスシリコンを有し、デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、酸化物半導体またはポリシリコンを有していてもよい。これにより、製造コストを低減しつつ高速で動作が可能なアクティブマトリクス装置が実現し得る。
【0098】
第4の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、複数の画素のTFTは、アモルファス酸化物半導体を有し、デマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路のTFTは、結晶性酸化物半導体を有していてもよい。これにより、製造コストを低減しつつ高速で動作が可能なアクティブマトリクス装置が実現し得る。
【0099】
第5の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、ドライバユニットは、フレキシブル基板に配置され、第1配線パターンに接続された保護回路をさらに含み、保護回路は、保護素子を有し、静電気および/または過電圧からデマルチプレクサ回路またはマルチプレクサ回路を保護してもよい。
【0100】
第6の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、アクティブマトリクス基板は、複数の画素に接続された複数のゲートバスラインと、複数のゲートバスラインとに接続され、複数のソースバスラインと平行に伸びる複数の接続線、および、基板に位置し、複数の接続線に接続された第2基板端子とをさらに含み、
ドライバユニットは、
フレキシブル基板に配置された第2配線パターンと、
フレキシブル基板に配置され、第2配線パターンに接続されたゲートドライバと、
フレキシブル基板に配置され、第2配線パターンに接続された第2出力端子と
を含み、
第2基板端子は、第2出力端子と接続されていてもよい。
【0101】
第7の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、アクティブマトリクス基板は、複数の画素と重畳して配置されたタッチパネルと、基板に配置され、タッチパネルに接続された第2基板端子とをさらに含み、
ドライバユニットは、
フレキシブル基板に配置された第2配線パターンと、
フレキシブル基板に支持され、第2配線パターンに接続されたタッチパネルコントローラICと、
フレキシブル基板に配置され、第2配線パターンに接続された第2出力端子と
を含み、
第2基板端子は、第2出力端子と接続されていてもよい。
【0102】
第8の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第6の構成において、ドライバユニットは、第2配線パターンに接続された他のデマルチプレクサ回路または他のマルチプレクサ回路をさらに含んでいてもよい。
【0103】
第9の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、ドライバユニットは、フレキシブル基板においてソースドライバICに近接して配置されたCR回路をさらに含み、CR回路は、キャパシタおよび抵抗器を含み、ソースドライバICは電源回路を含んでいてもよい。
【0104】
第10の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、フレキシブル基板は、第1出力端子が配列されている方向における幅が70mmより大きくてもよい。
【0105】
第11の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、ドライバユニットは、フレキシブル基板に支持されたセンサを更に含んでいてもよい。
【0106】
第12の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1の構成において、ドライバユニットは、マトリクス状の検出部を有するセンサ回路を更に有してもてよい。
【0107】
第13の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1~第12のいずれか1つの構成において、アクティブマトリクス基板を含む表示パネルをさらに備え、表示パネルは、液晶表示パネル、有機EL表示パネル、マイクロLED表示パネル電気泳動表示パネルからなる群から選ばれる1つであり、ドライバユニットは、デマルチプレクサ回路を含んでいてもよい。
【0108】
第14の構成に係るアクティブマトリクス装置は、第1~第4のいずれか1つの構成において、アクティブマトリクス基板を含むセンサパネルを更に備え、ドライバユニットは、マルチプレクサ回路を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10,10’,10’’,110…アクティブマトリクス基板、11,21…基板、12,75…ゲートドライバ、13…第1基板端子、14,14’…第2基板端子、20,120…制御基板、22…タイミングコントローラIC、23…制御基板端子、41~49…ドライバユニット、51,51’,51’’,82,151…フレキシブル基板、52,52A,52B,152…第1配線パターン、53,153…第1入力端子、54,54A,54B,154…第1出力端子、55,55’…ソースドライバIC、56,86…デマルチプレクサ回路、61…ベースコート層、62…半導体層、63…ゲート絶縁膜、64…ゲート電極、65…層間絶縁膜、66…金属層、67…保護膜、67e,67f,67g…開口、68…有機絶縁膜、69…スペーサ層、70…保護回路、72,72’…第2配線パターン、73,73’…第2入力端子、74,74’…第2出力端子、77…CR回路、78…配線、79…入出力端子、80,81…センサ回路、85…タッチパネルコントローラIC、101,106,106',108…表示装置、122…センサコントローラIC、155…検出IC、156…マルチプレクサ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23