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特開2024-72053有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072053
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240520BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182643
(22)【出願日】2022-11-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】317012396
【氏名又は名称】AlpacaJapan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】榊原 一弥
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB51
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータシステムは、証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理する管理手段と、所有者を優待するための優待サービスを所有者に提供する第1の提供手段とを備え、優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、スポンサー企業は、特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理する管理手段と、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供する第1の提供手段と
を備え、
前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記コンピュータシステムは、
前記所有者に関する情報を取得する取得手段と、
前記所有者に関する情報に少なくとも基づいて、前記スポンサー企業に対する第1のアドバイスを特定する特定手段と、
前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供する第2の提供手段と
をさらに備える、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記所有者に関する情報は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数を含み、
前記特定手段は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記管理手段は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間でコミュニケーションを行うことが可能であるように前記コミュニティを管理し、
前記コンピュータシステムは、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションを示す情報を取得する手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記コミュニケーションを示す情報に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記コミュニケーションを示す情報は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で登場したキーワードを含む、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記コンピュータシステムは、前記有価証券発行企業に関する情報を取得する手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記有価証券発行企業に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記有価証券発行企業に関する情報は、前記有価証券発行企業の業績に関する情報、前記有価証券発行企業が提供する商品またはサービスに関する情報、および/または、前記有価証券発行企業が発行する有価証券の価値に関する情報を含む、請求項6に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムは、
前記第1のアドバイスを受けた前記スポンサー企業から、前記優待サービスとは別の優待サービスに関する情報を受信する手段と、
前記別の優待サービスのための処理を実行する手段と
をさらに備える、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記別の優待サービスのための処理は、前記複数の会員に前記優待サービスを周知させる処理を含む、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記特定手段は、前記所有者に関する情報に少なくとも基づいて、前記優待サービスの原資を負担することに対する関心を有するスポンサー候補企業に対する第2のアドバイスをさらに特定し、前記スポンサー候補企業は、前記優待サービスの原資を負担しておらず、
前記第2の提供手段は、前記第2のアドバイスを前記スポンサー候補企業にさらに提供する、請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、前記有価証券発行企業に関する情報を取得する手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記有価証券発行企業に関する情報に少なくとも基づいて、前記第2のアドバイスをさらに特定する、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することと、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせるように構成され、
前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、証券会社が組成する株主コミュニティが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】日本証券業協会、“株主コミュニティ”、[online]、[令和4年9月27日検索]、インターネット<URL:https://market.jsda.or.jp/shijyo/kabucommunity/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の株主コミュニティには、証券会社の利益を向上させる仕組みが存在しなかった。
【0005】
出願人は、コミュニティを利用した新しいビジネスモデルを創出することによって、有価証券の取引を取り扱う「証券会社」、有価証券を発行する「有価証券発行企業」、「有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者」、「スポンサー企業」の4者すべてに利益をもたらすことが可能であると考えた。
【0006】
本発明は、有価証券の取引を活性化することによって証券会社の利益を向上させることが可能な、証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの局面において、本発明にコンピュータシステムは、有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理する管理手段と、前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供する第1の提供手段とを備え、前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記所有者に関する情報を取得する取得手段と、前記所有者に関する情報に少なくとも基づいて、前記スポンサー企業に対する第1のアドバイスを特定する特定手段と、前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供する第2の提供手段とをさらに備えていてもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記所有者に関する情報は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数を含み、前記特定手段は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定してもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記管理手段は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間でコミュニケーションを行うことが可能であるように前記コミュニティを管理し、前記コンピュータシステムは、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションを示す情報を取得する手段をさらに備え、前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記コミュニケーションを示す情報に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定してもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記コミュニケーションを示す情報は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で登場したキーワードを含んでいてもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記有価証券発行企業に関する情報を取得する手段をさらに備え、前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記有価証券発行企業に関する情報に少なくとも基づいて、前記第1のアドバイスを特定してもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記有価証券発行企業に関する情報は、前記有価証券発行企業の業績に関する情報、前記有価証券発行企業が提供する商品またはサービスに関する情報、および/または、前記有価証券発行企業が発行する有価証券の価値に関する情報を含んでいてもよい。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記第1のアドバイスを受けた前記スポンサー企業から、前記優待サービスとは別の優待サービスに関する情報を受信する手段と、前記別の優待サービスのための処理を実行する手段とをさらに備えていてもよい。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記別の優待サービスのための処理は、前記複数の会員に前記優待サービスを周知させる処理を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、前記特定手段は、前記所有者に関する情報に少なくとも基づいて、前記優待サービスの原資を負担することに対する関心を有するスポンサー候補企業に対する第2のアドバイスをさらに特定し、前記スポンサー候補企業は、前記優待サービスの原資を負担しておらず、前記第2の提供手段は、前記第2のアドバイスを前記スポンサー候補企業にさらに提供してもよい。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記有価証券発行企業に関する情報を取得する手段をさらに備え、前記特定手段は、前記所有者に関する情報および前記有価証券発行企業に関する情報に少なくとも基づいて、前記第2のアドバイスをさらに特定してもよい。
【0018】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することと、前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせるように構成され、前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、有価証券の取引を活性化することによって証券会社の利益を向上させることが可能な、証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデルの仕組みを示す図
図2】有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデルを実現するためのシステム200の構成の一例を示す図
図3A】会員データベース部261に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3B】有価証券発行企業データベース部262に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3C】コミュニティデータベース部263に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3D】スポンサー企業データベース部264に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3E】アドバイスデータベース部265に格納されている情報の構成の一例を示す図
図4】コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す図
図5】コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す図
図6】コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0022】
「有価証券」とは、財産的価値のある権利を表す証券および/または証書をいう。「有価証券」は、例えば、株式、債券、手形、小切手などを含むが、これらに限定されない。
【0023】
「有価証券発行企業」とは、有価証券を発行している企業をいう。
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
1.有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデル
図1は、有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデルの仕組みを示す。証券会社は、有価証券発行企業が発行している有価証券(例えば、有価証券発行企業Xが発行している有価証券、有価証券発行企業Yが発行している有価証券など)の取引を取り扱っている。また、証券会社は、有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者から少なくとも構成されるコミュニティを管理している。図1に示される例では、証券会社は、有価証券発行企業Xが発行している有価証券を所有する所有者から構成されるコミュニティ1、および、有価証券発行企業Yが発行している有価証券を所有する所有者から構成されるコミュニティ2などを管理している。図1に示される例では、コミュニティ1には、有価証券発行企業Xが発行している有価証券を所有する所有者A、所有者B、所有者Cが所属しており、コミュニティ2には、有価証券発行企業Yが発行している有価証券を所有する所有者A、所有者D、所有者Eが所属している。1人の所有者が複数の有価証券発行企業のそれぞれが発行している有価証券を所有している場合には、その所有者は、複数のコミュニティに所属することが可能である(例えば、図1に示される所有者Aは、コミュニティ1、2の両方に所属している)。なお、所有者A、B、C、D、Eのそれぞれは、1つの有価証券発行企業が発行している単一の種類の有価証券(例えば、株式のみ)を所有していてもよいし、複数の種類の有価証券(例えば、株式および債券)を所有していてもよい。
【0026】
なお、各コミュニティに所属するためには、証券会社の「会員」であることが必要である。証券会社の「会員」の定義は任意であるが、例えば、証券会社が管理している証券口座を有する者を証券会社の「会員」というと定義してもよい。例えば、証券会社のホームページを訪れたユーザが自分の個人情報(例えば、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレスなど)を証券会社のホームページに入力し、証券会社が管理している証券口座を開設することによって、そのユーザが証券会社の「会員」として登録されることが可能である。証券会社は、「会員」の個人情報および証券口座を管理する。
【0027】
各コミュニティに所属する「会員」は、有価証券発行企業が発行している特定の有価証券を所有する所有者であってもよいし、有価証券発行企業が発行している特定の有価証券を所有していない者であってもよい。有価証券発行企業が発行している特定の有価証券を所有していない者の一例は、有価証券発行企業が発行している特定の有価証券を所有したことがない者、有価証券発行企業が発行している特定の有価証券を過去に所有していたが現在は所有していない者などであるが、これらに限定されない。
【0028】
有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者には、その所有者を優待するための優待サービスが提供される。その所有者に提供される優待サービスの原資は、1つ以上のスポンサー企業によって負担される。図1に示される例では、有価証券発行企業Xが発行している有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスの原資が、スポンサー企業Pによって負担され、有価証券発行企業Yが発行している有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスの原資が、スポンサー企業Qおよびスポンサー企業Rによって負担される。優待サービスは、例えば、スポンサー企業において使用することが可能なクーポンの発行、スポンサー企業において使用することが可能なポイントの発行、スポンサー企業において使用することが可能な金券の発行、スポンサー企業において使用することが可能なプランの選択などであるが、これらに限定されない。
【0029】
なお、単一のコミュニティにおいて提供される優待サービスの数は、1以上の任意の整数であり得る。例えば、単一のコミュニティにおいて、有価証券発行企業が発行している有価証券の所有量に応じて異なる優待サービスが各所有者に提供されるようにしてもよい。
【0030】
証券会社は、有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスの原資をスポンサー企業が負担する見返りとして、そのスポンサー企業にアドバイスを提供することが可能である。スポンサー企業にどのようなアドバイスを提供するのかは、様々な情報に基づいて決定され得る。様々な情報は、少なくとも、(1)特定の有価証券を所有する所有者に関する情報と、(2)特定の有価証券を発行している有価証券発行企業に関する情報と、(3)特定の有価証券を所有する所有者が所属するコミュニティに関する情報とを含む。これらの(1)~(3)の情報のうちの少なくとも2つの組み合わせに基づいて、スポンサー企業に提供されるアドバイスを決定するようにしてもよい。例えば、有価証券発行企業が新商品を発表するという情報(この情報は(2)の情報に該当する)が取得された場合において、その有価証券発行企業が発行する有価証券を所有している所有者の有価証券の所有数がどのように変動したかという情報(この情報は(1)の情報に該当する)を取得することによって、これらの情報に基づいて(すなわち、(1)の情報および(2)の情報の組み合わせに基づいて)、有価証券発行企業による新商品の発表が、その有価証券発行企業が発行する有価証券を所有している所有者の行動にどのようなインパクトを与えたのかを推定することが可能である。また、有価証券発行企業が新商品を発表するという情報(この情報は(2)の情報に該当する)が取得された場合において、その有価証券発行企業が発行する有価証券を所有する所有者が所属するコミュニティにおいてそのコミュニティに所属する会員がその新商品についてどのような評価をしているかという情報(この情報は(3)の情報に該当する)を取得することによって、これらの情報に基づいて(すなわち、(2)の情報および(3)の情報の組み合わせに基づいて)、そのコミュニティに所属する会員の行動にどのようなインパクトを与えたのかを推定することが可能である。このようにして推定された情報は、そのコミュニティに所属する会員の行動(ひいては、消費者全般の購買行動)の「先行指標」として利用することが可能である。従って、これらの(1)~(3)の情報のうちの少なくとも2つの組み合わせに基づいて決定される、スポンサー企業へのアドバイスは、そのコミュニティに所属する会員の動向(ひいては、消費者全般の動向)を知りたいスポンサー企業にとって価値が高いものであるといえる。
【0031】
特に、(1)特定の有価証券を所有する所有者に関する情報、および、(3)特定の有価証券を所有する所有者が所属するコミュニティに関する情報は、証券会社が取得することが可能な証券会社に特有の情報であるため、スポンサー企業は、特定の有価証券を所有する所有者の実際の動向および/またはそのコミュニティに所属する会員の実際の動向を反映した確度の高いアドバイスを受けることが可能であり、受けたアドバイスに基づいて、スポンサー企業の仕入れ、陳列、セールスプロモーションなどを見直すことが可能である。
【0032】
このように、有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者から少なくとも構成されるコミュニティを管理するプラットフォームを証券会社が提供することによって、有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者に提供される優待サービスをインセンティブとして特定の有価証券を所有したいという動機付けを生じさせることが可能であり、これにより、その特定の有価証券を購買する取引の数を増加させることが可能であり、これにより、証券会社が取り扱う有価証券の取引の手数料収入を増加させることが可能であり、これにより、証券会社の利益を向上させることが可能であるという好循環を実現することが可能である。
【0033】
また、このようなプラットフォームを証券会社が提供することによって、証券会社から提供されるアドバイスをインセンティブとしてスポンサー企業の数を増加させることが可能であり、これにより、スポンサー企業が原資を負担する優待サービスをより充実させることが可能であり、これにより、より充実した優待サービスに関連する特定の有価証券を所有したいという動機付けをさらに生じさせることが可能であり、これにより、証券会社が取り扱う有価証券の取引の手数料収入をさらに増加させることが可能であり、これにより、証券会社の利益をさらに向上させることが可能であるという好循環を実現することが可能である。
【0034】
「スポンサー企業」は、コミュニティに所属する会員の行動(ひいては、消費者全般の購買行動)の「先行指標」として利用可能な情報に基づくアドバイスを証券会社から受けることが可能であり、「有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者」は、より充実した優待サービスを受けることが可能であり、「有価証券発行企業」は、その有価証券発行企業が発行している有価証券を購買する取引の数が増加することによってより高額な資金を調達することが可能であり、「証券会社」は、取り扱う有価証券の取引の数が増加することによって利益を向上させることが可能である。このように、本発明は、「証券会社」、「有価証券発行企業」、「有価証券発行企業が発行している有価証券を所有する所有者」、「スポンサー企業」の4者のすべてに利益をもたらすことが可能である。
【0035】
なお、図1に示される例では、1つの有価証券発行企業に対するコミュニティの数が1つである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。コミュニティは、1つの有価証券発行企業に対して複数個存在してもよい。例えば、1つの有価証券発行企業に対して、所定の閾値以上の数の特定の有価証券を所有している所有者から構成されるコミュニティと、所定の閾値未満の数の特定の有価証券を所有している所有者から構成されるコミュニティとが存在してもよい。
【0036】
2.有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデルを実現するためのシステムの構成
図2は、有価証券の取引を取り扱う証券会社の新しいビジネスモデルを実現するためのシステム200の構成の一例を示す。
【0037】
システム200は、有価証券の取引を取り扱う証券会社のための処理を実行するコンピュータシステム210と、有価証券を発行している有価証券発行企業の装置220~220と、有価証券を所有している所有者の装置230~230と、有価証券を所有している所有者を優待するための優待サービスの原資を負担しているスポンサー企業の装置240~240とを備える。コンピュータシステム210は、インターネット250を介して、有価証券発行企業の装置220~220のそれぞれと通信することが可能なように構成されており、かつ、所有者の装置230~230のそれぞれと通信することが可能なように構成されており、かつ、スポンサー企業の装置240~240のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、N、M、Lは、1以上の整数である。
【0038】
コンピュータシステム210は、有価証券の取引を管理および実行する情報処理システムである。図2に示される例では、コンピュータシステム210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを含む。コンピュータシステム210のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0039】
コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部212)は、後述されたデータベース部260と連携して、証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理している。コミュニティを管理する処理は、例えば、各コミュニティに所属している会員を会員IDで管理すること、各コミュニティに所属している会員がどのような有価証券を所有しているかをチェックすること、各コミュニティに所属している会員の過去の取引履歴をチェックすること、および/または各コミュニティにおける複数の会員間で行われたコミュニケーションをモニタリングすることなどを含むが、これらに限定されない。また、コンピュータシステム210は、コミュニティを構成する複数の会員の間でコミュニケーションを行うことが可能であるように各コミュニティを管理し得る。
【0040】
インターフェース部211は、有価証券発行企業の装置220~220のそれぞれとの通信、および、所有者の装置230~230のそれぞれとの通信、および、スポンサー企業の装置240~240のそれぞれとの通信を制御する。
【0041】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータなどが格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット250などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0042】
プロセッサ部212は、コンピュータシステム210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム210は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0043】
図2に示される例では、コンピュータシステム210は、データベース部260に接続されている。データベース部260は、会員データベース部261と、有価証券発行企業データベース部262と、コミュニティデータベース部263と、スポンサー企業データベース部264と、アドバイスデータベース部265とを含む。
【0044】
有価証券発行企業の装置220は、有価証券発行企業のための処理を実行する情報処理装置である。有価証券発行企業の装置220は、例えば、有価証券の発行要求を受信したことに応答して、有価証券を発行することが可能なように構成されている。有価証券発行企業の装置220は、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。有価証券発行企業の装置220は、インターフェース部とプロセッサ部とメモリ部とを備え得る。有価証券発行企業の装置220のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。有価証券発行企業の装置220~220についても同様である。
【0045】
所有者の装置230は、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。所有者の装置230は、インターフェース部とプロセッサ部とメモリ部と表示部と入力部とを備え得る。例えば、所有者の装置230は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などの携帯無線端末であってもよいし、ラップトップPC、ノートPCなどのパーソナルコンピュータであってもよい。所有者の装置230~230についても同様である。
【0046】
スポンサー企業の装置240は、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。所有者の装置230は、インターフェース部とプロセッサ部とメモリ部とを備え得る。スポンサー企業の装置240のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。スポンサー企業の装置240~240についても同様である。
【0047】
なお、図2に示される例では、有価証券発行企業の装置220~220のそれぞれおよび所有者の装置230~230のそれぞれおよびスポンサー企業の装置240~240のそれぞれがインターネット250を介してコンピュータシステム210と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット250の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0048】
また、図2に示される例では、データベース部260は、コンピュータシステム210の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部260をコンピュータシステム210の内部に設けることも可能である。データベース部260の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部260は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部260は、コンピュータシステム210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。
【0049】
図3Aは、会員データベース部261に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0050】
会員データベース部261には、証券会社の会員に関する情報が格納されている。証券会社の会員に関する情報は、会員を識別するための情報(会員ID)によって識別されることが可能である。証券会社の会員に関する情報は、会員の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレス、口座番号(例えば、銀行口座の番号または証券口座の番号)、有価証券に関する情報(例えば、所有している有価証券の種類、所有している有価証券の数、有価証券を所有している期間、有価証券の取引履歴)などを含む。
【0051】
図3Bは、有価証券発行企業データベース部262に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0052】
有価証券発行企業データベース部262には、有価証券発行企業に関する情報が格納されている。有価証券発行企業に関する情報は、有価証券発行企業を識別するための情報(有価証券発行企業ID)によって識別されることが可能である。有価証券発行企業に関する情報は、有価証券発行企業の名称、所在地、発行している有価証券、業績、提供している商品またはサービス、発行している有価証券の価値に関する情報などを含む。
【0053】
図3Cは、コミュニティデータベース部263に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0054】
コミュニティデータベース部263には、証券会社が管理するコミュニティに関する情報が格納されている。コミュニティに関する情報は、コミュニティを識別するための情報(コミュニティID)によって識別されることが可能である。コミュニティに関する情報は、そのコミュニティに所属している会員を識別するための情報(会員ID)と関連付けられている。コミュニティに関する情報は、そのコミュニティに所属している会員が所有している有価証券を発行している有価証券発行企業を識別するための情報(有価証券発行企業ID)と関連付けられている。コミュニティに関する情報は、そのコミュニティを構成する複数の会員間で行われたコミュニケーションを示す情報などを含む。
【0055】
図3Dは、スポンサー企業データベース部264に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0056】
スポンサー企業データベース部264には、スポンサー企業に関する情報が格納されている。スポンサー企業に関する情報は、スポンサー企業を識別するための情報(スポンサー企業ID)によって識別されることが可能である。スポンサー企業に関する情報は、スポンサー企業の名称、所在地、原資を負担している優待サービスに関する情報(例えば、優待サービスの名称、サービス内容)などを含む。
【0057】
図3Eは、アドバイスデータベース部265に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0058】
アドバイスデータベース部265には、アドバイスに関する情報が格納されている。アドバイスに関する情報は、アドバイスを識別するための情報(アドバイスID)によって識別されることが可能である。アドバイスに関する情報は、アドバイス内容と満たすべき条件との間の対応関係などを含む。例えば、満たすべき条件は、(1)特定の有価証券を所有する所有者に関する情報と、(2)特定の有価証券を発行している有価証券発行企業に関する情報と、(3)特定の有価証券を所有する所有者が所属するコミュニティに関する情報とのうちの少なくとも1つに関連するものであり得る。例えば、アドバイスデータベース部265において、「コミュニティを構成する複数の会員間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内閾値以上の頻度で特定のキーワードが登場する」という条件(この条件は(3)の情報に関連する条件に該当する)と、「特定のキーワードに関連する有価証券発行企業の有価証券が人気を博している」というアドバイスとが対応付けられ得る。これにより、コミュニティを構成する複数の会員間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内閾値以上の頻度で特定のキーワードが登場したとき、コンピュータシステム210は、「特定のキーワードに関連する有価証券発行企業の有価証券が人気を博している」というアドバイスをスポンサー企業に提供することが可能である。
【0059】
3.コンピュータシステムにおいて実行される処理
コンピュータシステム210(特に、コンピュータシステム210のプロセッサ部211)は、証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスを所有者に提供することが可能なように構成されている。これは、例えば、優待サービスを利用可能にするための物(例えば、クーポン)を所有者に提供することによって、または、優待サービスを利用可能にするためのデータ(例えば、クーポンの電子的データ、または、クーポンを表示するためのリンクまたはコード)を所有者の装置230に送信することによって、達成され得る。
【0060】
図4は、コンピュータシステム210において実行される処理の一例を示す。図4に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。以下、図4に示される各ステップを説明する。
【0061】
ステップS401:証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者に関する情報が取得される。この処理は、例えば、会員データベース部261およびコミュニティデータベース部263を参照して実行され得る。所有者に関する情報は、例えば、コンピュータシステム210がコミュニティをリアルタイムに監視することによってコミュニティからリアルタイムに取得されるものであってもよいし、コンピュータシステム210がコミュニティを定期的に監視することによってコミュニティから定期的に取得されるものであってもよいし、コンピュータシステム210がスポンサー企業からアドバイスを要求された(すなわち、スポンサー企業の装置240からアドバイスリクエストを受信した)ことに応答してコミュニティから取得されるものであってもよい。
【0062】
所有者に関する情報は、例えば、所有者が特定の有価証券を所有している期間、および/または、所有者が所有する特定の有価証券の数を含むが、これらに限定されない。所有者に関する情報は、例えば、そのコミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有している特定の所有者の特定の有価証券の数の増減数および/または増減率、そのコミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の数の増減数および/または増減率を含むが、これらに限定されない。
【0063】
ステップS402:スポンサー企業に対する第1のアドバイスが特定される。この処理は、ステップS401において取得された所有者に関する情報に少なくとも基づいて実行される。この処理は、例えば、アドバイスデータベース部265を参照して実行され得る。
【0064】
例えば、ステップS401において取得された所有者に関する情報が、コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきていることを示している場合、コンピュータシステム210は、アドバイスデータベース部265を参照して、「コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきている」という条件に対応する第1のアドバイスを特定することが可能である。あるいは、ステップS401において取得された所有者に関する情報が、コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が所定の閾値量を越えたことを示している場合、コンピュータシステム210は、「コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が所定の閾値量を越えた」という条件に対応する第1のアドバイスを特定することが可能である。それぞれの条件とそれぞれの第1のアドバイスとの対応関係は、所定のテーブルを用いて予め対応付けられているようにしてもよい。あるいは、このような対応関係は、機械学習によって予め学習されているようにしてもよい(既知の任意の人工知能(AI)による学習の手法を適用することが可能である)。
【0065】
コンピュータシステム210は、コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションを示す情報を取得することが可能なようにさらに構成されている。これは、コンピュータシステム210が各コミュニティを管理していることによって実現可能である。ステップS402において、コンピュータシステム210は、ステップS401において取得された所有者に関する情報と、コミュニケーションを示す情報とに少なくとも基づいて、スポンサー企業に対する第1のアドバイスを特定してもよい。コミュニケーションを示す情報は、例えば、コミュニケーション内のキーワードおよび/または音声に関連するものであり得る。コミュニケーションを示す情報は、例えば、コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で登場したキーワード、コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内に閾値未満の頻度で登場したキーワード、コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションにおいて所有者の口調が強くなったキーワードなどを含むが、これらに限定されない。例えば、ステップS401において取得された所有者に関する情報が、コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきていることを示しており、かつ、コミュニケーションを示す情報が、コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で特定の有価証券の名称が登場した場合、コンピュータシステム210は、アドバイスデータベース部265を参照して、「コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきている」という条件と、「コミュニティを構成する複数の会員の間で行われたコミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で特定の有価証券の名称が登場した」という条件との両方に対応する第1のアドバイスを特定することが可能である。
【0066】
コンピュータシステム210は、有価証券発行企業に関する情報を取得することが可能なようにさらに構成されている。ステップS402において、コンピュータシステム210は、ステップS401において取得された所有者に関する情報と、有価証券発行企業に関する情報とに少なくとも基づいて、スポンサー企業に対する第1のアドバイスを特定してもよい。有価証券発行企業に関する情報は、データベース部260(特に、有価証券発行企業データベース部262)から取得される情報であってもよいし、一般に公開されているソース(例えば、インターネット上)から取得される情報(例えば、有価証券発行企業自体が公表した情報)であってもよい。有価証券発行企業に関する情報は、例えば、有価証券発行企業の業績に関する情報、有価証券発行企業が提供する商品またはサービスに関する情報、有価証券発行企業が発行する有価証券の価値に関する情報などを含むが、これらに限定されない。例えば、ステップS401において取得された所有者に関する情報が、コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきていることを示しており、かつ、有価証券発行企業に関する情報が、新商品を発表したことを示している場合、コンピュータシステム210は、アドバイスデータベース部265を参照して、「コミュニティに所属しておりかつ特定の有価証券を所有しているすべての所有者の特定の有価証券の総所有量が徐々に増えてきている」という条件と、「有価証券発行企業が新商品を発表した」という条件との両方に対応する第1のアドバイスを特定することが可能である。
【0067】
あるいは、コンピュータシステム210は、ステップS401において取得された所有者に関する情報に少なくとも基づいて、人工知能(AI)を利用して、スポンサー企業に対する第1のアドバイスを特定してもよい。
【0068】
ステップS403:ステップS402において特定された第1のアドバイスが、スポンサー企業に提供される。この処理は、ステップS402において特定された第1のアドバイスをスポンサー企業の装置240に送信することによって、達成され得る。
【0069】
また、コンピュータシステム210は、スポンサー企業への第1のアドバイスに対するフィードバックをスポンサー企業(すなわち、スポンサー企業の装置240)から受信したことに応答して、フィードバックを分析し、スポンサー企業に提供された第1のアドバイスの妥当性を評価し、その評価結果を次回以降のアドバイスの提供に役立ててもよい。このとき、コンピュータシステム210は、フィードバックの分析、および、第1のアドバイスの妥当性の評価のために、人工知能(AI)を利用してもよい。
【0070】
このように、証券会社のコンピュータシステム210は、証券会社特有の情報を利用して、アドバイスをスポンサー企業の装置240に提供することが可能である。
【0071】
図5は、コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す。図5に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。なお、コンピュータシステム210は、証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスを所有者に提供しているものとする。また、所有者に提供されている優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担されている。以下、図5に示される各ステップを説明する。
【0072】
ステップS501:ステップS403において第1のアドバイスを受けたスポンサー企業から、新規の優待サービスに関する情報が取得される。この処理は、例えば、ステップS403において第1のアドバイスを受けたスポンサー企業の装置240から新規の優待サービスに関する情報を受信することによって、達成され得る。新規の優待サービスは、所有者に提供されている優待サービスとは別の優待サービスである。
【0073】
ステップS502:新規の優待サービスのための処理が実行される。新規の優待サービスのための処理は、例えば、証券会社の複数の会員に新規の優待サービスを周知させる処理を実行する(例えば、新規の優待サービスに関する情報を複数の会員の装置に送信する)こと、および/または、新規の優待サービスを利用可能にするためのデータを生成することを含む。
【0074】
このように、証券会社からのアドバイスを受けたスポンサー企業は、新規の優待サービスを作り上げることが可能であり、証券会社のコンピュータシステム210は、スポンサー企業からの新規の優待サービスを周知させ、新規の優待サービスを受けるために有価証券の所有を拡充させることを希望する会員を募ることが可能である。
【0075】
図6は、コンピュータシステム210において実行される処理の他の一例を示す。図6に示される各ステップは、例えば、コンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行される。なお、コンピュータシステム210は、証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を優待するための優待サービスを所有者に提供しているものとする。また、所有者に提供されている優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担されている。以下、図6に示される各ステップを説明する。
【0076】
ステップS601:優待サービスの原資を負担することに対する関心を有するスポンサー候補企業に対する第2のアドバイスが特定される。この処理は、例えば、ステップS401において取得された所有者に関する情報に少なくとも基づいて実行される。この処理は、例えば、アドバイスデータベース部265を参照して実行され得る。この処理は、例えば、コンピュータシステム210がスポンサー候補企業からアドバイスを要求された(すなわち、スポンサー候補企業の装置からアドバイスリクエストを受信した)ことに応答して実行されてもよい。この処理は、ステップS402における処理と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。なお、スポンサー候補企業は、所有者を優待するための優待サービスの原資を負担していない。
【0077】
ステップS602:ステップS601において特定された第2のアドバイスがスポンサー候補企業に提供される。この処理は、ステップS403における処理と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0078】
このように、証券会社のコンピュータシステム210が、将来的にスポンサー企業となり得るスポンサー候補企業にアドバイスを提供することによって、スポンサー候補企業は、優待サービスの原資を負担したときにどのようなアドバイスを受けることができるのかを知ることが可能であり、これは、スポンサー企業の数を増大させることに寄与する。
【0079】
なお、図4図6に示される例では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4図6に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4図6に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0080】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、有価証券の取引を活性化することによって証券会社の利益を向上させることが可能な、証券会社のためのコンピュータシステムおよびプログラム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0082】
200 システム
210 コンピュータシステム
220~220 有価証券発行企業の装置
230~230 所有者の装置
240~240 スポンサー企業の装置
250 インターネット
260 データベース部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、複数の条件と前記複数の条件に対応する複数のアドバイスとの間の対応関係を示す情報が格納されており、
前記プロセッサ部は、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することであって、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニティに所属する前記所有者に関する情報を少なくともチェックすることによって行われる、ことと、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供すること
前記所有者に関する情報を取得することと、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記スポンサー企業に対する第1のアドバイスとして特定することと、
前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供することと
少なくとも行うように構成されており、
前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記取得された所有者に関する情報は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数を含み、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間および/または前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
記コミュニティを構成する前記複数の会員の間でコミュニケーションを行うことが可能であり、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニケーションをモニタリングすることによってさらに行われ、
前記プロセッサ部は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションを示す情報を取得するようにさらに構成されており、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得されたコミュニケーションを示す情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記コミュニケーションを示す情報は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で登場したキーワードを含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ部は、前記有価証券発行企業に関する情報を取得するようにさらに構成されており、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得された有価証券発行企業に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記有価証券発行企業に関する情報は、前記有価証券発行企業の業績に関する情報、前記有価証券発行企業が提供する商品またはサービスに関する情報、および/または、前記有価証券発行企業が発行する有価証券の価値に関する情報を含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記プロセッサ部は、
前記第1のアドバイスを受けた前記スポンサー企業から、前記優待サービスとは別の優待サービスに関する情報を受信することと、
前記別の優待サービスのための処理を実行することであって、前記別の優待サービスのための処理は、前記複数の会員に前記優待サービスを周知させる処理を含む、こと
をさらに行うように構成されている、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記プロセッサ部は、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記優待サービスの原資を負担することに対する関心を有するスポンサー候補企業に対する第2のアドバイスとして特定することであって、前記スポンサー候補企業は、前記優待サービスの原資を負担していない、ことと、
記第2のアドバイスを前記スポンサー候補企業提供することと
をさらに行うように構成されている、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記プロセッサ部は、前記有価証券発行企業に関する情報を取得することをさらに行うように構成されており、
前記アドバイスを前記第2のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得された有価証券発行企業に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第2のアドバイスとして特定することを含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、複数の条件と前記複数の条件に対応する複数のアドバイスとの間の対応関係を示す情報が格納されており、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することであって、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニティに所属する前記所有者に関する情報を少なくともチェックすることによって行われ、前記複数の条件は、前記所有者に関する情報に関連する少なくとも1つの条件を含む、ことと、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供することと
前記所有者に関する情報を取得することと、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記スポンサー企業に対する第1のアドバイスとして特定することと、
前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせるように構成されており
前記優待サービスの原資は、スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、複数の条件と前記複数の条件に対応する複数のアドバイスとの間の対応関係を示す情報が格納されており、
前記プロセッサ部は、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することであって、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニティに所属する前記所有者に関する情報を少なくともチェックすることによって行われる、ことと、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供することと、
前記所有者に関する情報を取得することと、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスをスポンサー企業に対する第1のアドバイスとして特定することと、
前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供することと
を少なくとも行うように構成されており、
前記優待サービスの原資は、前記スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記取得された所有者に関する情報は、前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間、および/または、前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数を含み、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記所有者が前記特定の有価証券を所有している期間および/または前記所有者が所有する前記特定の有価証券の数が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間でコミュニケーションを行うことが可能であり、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニケーションをモニタリングすることによってさらに行われ、
前記プロセッサ部は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションを示す情報を取得するようにさらに構成されており、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得されたコミュニケーションを示す情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記コミュニケーションを示す情報は、前記コミュニティを構成する前記複数の会員の間で行われた前記コミュニケーションにおいて所定期間内に閾値以上の頻度で登場したキーワードを含む、請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記プロセッサ部は、前記有価証券発行企業に関する情報を取得するようにさらに構成されており、
前記アドバイスを前記第1のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得された有価証券発行企業に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第1のアドバイスとして特定することを含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記有価証券発行企業に関する情報は、前記有価証券発行企業の業績に関する情報、前記有価証券発行企業が提供する商品またはサービスに関する情報、および/または、前記有価証券発行企業が発行する有価証券の価値に関する情報を含む、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記プロセッサ部は、
前記第1のアドバイスを受けた前記スポンサー企業から、前記優待サービスとは別の優待サービスに関する情報を受信することと、
前記別の優待サービスのための処理を実行することであって、前記別の優待サービスのための処理は、前記複数の会員に前記優待サービスを周知させる処理を含む、ことと
をさらに行うように構成されている、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記プロセッサ部は、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記優待サービスの原資を負担することに対する関心を有するスポンサー候補企業に対する第2のアドバイスとして特定することであって、前記スポンサー候補企業は、前記優待サービスの原資を負担していない、ことと、
前記第2のアドバイスを前記スポンサー候補企業に提供することと
をさらに行うように構成されている、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記プロセッサ部は、前記有価証券発行企業に関する情報を取得することをさらに行うように構成されており、
前記アドバイスを前記第2のアドバイスとして特定することは、前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報および前記取得された有価証券発行企業に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスを、前記第2のアドバイスとして特定することを含む、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
有価証券の取引を取り扱う証券会社のためのコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記コンピュータシステムは、データベース部に接続されており、前記データベース部には、複数の条件と前記複数の条件に対応する複数のアドバイスとの間の対応関係を示す情報が格納されており、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記証券会社によって取引される特定の有価証券を所有する所有者を少なくとも含む複数の会員から構成されるコミュニティを管理することであって、前記コミュニティを管理することは、前記コミュニティに所属する前記所有者に関する情報を少なくともチェックすることによって行われ、前記複数の条件は、前記所有者に関する情報に関連する少なくとも1つの条件を含む、ことと、
前記所有者を優待するための優待サービスを前記所有者に提供することと、
前記所有者に関する情報を取得することと、
前記データベース部に格納されている前記対応関係を示す情報を参照して、前記複数のアドバイスのうち、前記複数の条件のうち前記取得された所有者に関する情報が満たしている条件に対応するアドバイスをスポンサー企業に対する第1のアドバイスとして特定することと、
前記第1のアドバイスを前記スポンサー企業に提供することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせるように構成されており、
前記優待サービスの原資は、前記スポンサー企業によって負担され、前記スポンサー企業は、前記特定の有価証券を発行している有価証券発行企業とは異なる、プログラム。