(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072059
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】特許管理装置、特許管理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240520BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182656
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【弁理士】
【氏名又は名称】木本 大介
(72)【発明者】
【氏名】始平堂 優子
(72)【発明者】
【氏名】木村 友彦
(72)【発明者】
【氏名】境 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小沢 洋明
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC33
5L050CC33
(57)【要約】
【課題】 企業価値の向上に資する活動に役立つ特許評価の環境を提供する。
【解決手段】 特許保有者が保有する特許を管理する特許管理装置は、特許保有者の競合に対する評価対象特許の優位性の程度に関する競合優位度を計算する手段を備え、特許保有者の事業に対する評価対象特許の活用の程度に関する事業活用度を計算する手段を備え、競合優位度及び事業活用度に基づいて、評価対象特許を評価する手段を備える、特許管理装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特許保有者が保有する特許を管理する特許管理装置であって、
前記特許保有者の競合に対する評価対象特許の優位性の程度に関する競合優位度を計算する手段を備え、
前記特許保有者の事業に対する前記評価対象特許の活用の程度に関する事業活用度を計算する手段を備え、
前記競合優位度及び前記事業活用度に基づいて、前記評価対象特許を評価する手段を備える、
特許管理装置。
【請求項2】
前記競合優位度を計算する手段は、前記評価対象特許の被引用回数に基づいて、前記競合優位度を計算する、
請求項1に記載の特許管理装置。
【請求項3】
前記事業活用度を計算する手段は、前記特許保有者の事業毎に、前記評価対象特許の活用回数、前記評価対象特許の活用期間、前記評価対象特許の活用方法、前記事業の売上高、及び、前記評価対象特許の売上貢献度の少なくとも1つに基づいて、前記事業活用度を計算する、
請求項1又は請求項2に記載の特許管理装置。
【請求項4】
前記評価する手段は、
前記競合優位度が所定の第1閾値以上であり、且つ、前記事業活用度が所定の第2閾値以上である対象特許を第1カテゴリに分類し、
前記競合優位度が前記第1閾値以上であり、且つ、前記事業活用度が前記第2閾値未満である対象特許を第2カテゴリに分類し、
前記競合優位度が前記第1閾値未満であり、且つ、前記事業活用度が前記第2閾値以上である対象特許を第3カテゴリに分類し、
前記競合優位度が前記第1閾値未満であり、且つ、前記事業活用度が前記第2閾値未満である対象特許を第4カテゴリに分類する、
請求項1又は請求項2に記載の特許管理装置。
【請求項5】
前記評価する手段によって分類されたカテゴリに応じて、提案対象特許の方針案を生成する手段を備え、
前記提示する手段は、前記方針案を提示する、
請求項4に記載の特許管理装置。
【請求項6】
前記生成する手段は、前記第1カテゴリに分類された提案対象特許の権利満了日までの残存期間、及び、前記提案対象特許に関連する関連特許の数に応じて、前記方針案を生成する、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項7】
前記生成する手段は、前記提案対象特許の残存期間が所定期間より短く、且つ、前記関連特許が所定件数以上である場合、前記関連特許を前記提案対象特許の跡継ぎ特許として登録することを前記方針案として生成する、
請求項6に記載の特許管理装置。
【請求項8】
前記生成する手段は、前記関連特許が所定件数未満である場合、前記提案対象特許に関連する発明を特許出願することを前記方針案として生成する、
請求項6に記載の特許管理装置。
【請求項9】
マーケット情報に基づいて、前記第2カテゴリに分類された提案対象特許の前記事業への活用の可能性を判定する手段を備える、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項10】
前記生成する手段は、前記可能性があると判定された場合、前記提案対象特許の前記事業への活用を前記方針案として生成する、
請求項9に記載の特許管理装置。
【請求項11】
前記生成する手段は、前記可能性がないと判定された場合であって、且つ、前記特許保有者の重要な技術領域に関連する特許でない場合、前記提案対象特許のライセンスアウト又は放棄を前記方針案として生成する、
請求項9に記載の特許管理装置。
【請求項12】
前記生成する手段は、前記第3カテゴリに分類された提案対象特許の不活用期間が所定期間以上であり、前記事業への活用の可能性がなく、前記特許保有者の重要な技術領域に関連する特許でなく、且つ、第三者の事業に関連する特許でない場合、前記提案対象特許の放棄を前記方針案として生成する、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項13】
前記生成する手段は、前記第4カテゴリに分類された提案対象特許の事業への活用の可能性がなく、前記特許保有者の重要領域に関連する特許でなく、且つ、第三者の事業に関連する特許でない場合、前記提案対象特許の放棄を前記方針案として生成する、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項14】
前記生成する手段は、前記提案対象特許の残存期間より長い残存期間を有し、且つ、所定の活用条件を満たす特許を跡継ぎ特許候補として抽出し、且つ、当該跡継ぎ特許候補を前記提案対象特許の跡継ぎ特許として登録することを前記方針案として生成する、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項15】
前記跡継ぎ特許候補の中からユーザによって指定された跡継ぎ特許の特許識別情報を前記提案対象特許の特許識別情報と関連付けて記憶する手段を備える、
請求項14に記載の特許管理装置。
【請求項16】
前記跡継ぎ特許の評価スコアを補正する手段を備える、
請求項15に記載の特許管理装置。
【請求項17】
前記生成する手段は、前記特許保有者の予算及び前記評価対象特許の評価結果に基づいて、前記評価対象特許の維持又は放棄を前記方針案として提示する、
請求項5に記載の特許管理装置。
【請求項18】
前記評価する手段は、更に、前記特許保有者の特許のうち評価対象である対象特許を評価する場合、前記評価対象特許以外の特許である評価参照特許の評価を参照して、前記評価対象特許を評価する、
請求項1又は請求項2に記載の特許管理装置。
【請求項19】
前記評価する手段は、前記評価対象特許の偏差スコアを計算する、
請求項18に記載の特許管理装置。
【請求項20】
前記評価する手段は、前記評価対象特許の評価結果及び費用に基づいて、費用対効果を評価する、
請求項1又は請求項2に記載の特許管理装置。
【請求項21】
前記評価する手段は、前記特許保有者の事業毎に、前記費用対効果を評価する、
請求項20に記載の特許管理装置。
【請求項22】
コンピュータを用いて、特許保有者が保有する特許を管理する特許管理方法であって、
前記特許保有者の競合に対する評価対象特許の優位性の程度に関する競合優位度を計算するステップを備え、
前記特許保有者の事業に対する前記評価対象特許の活用の程度に関する事業活用度を計算するステップを備え、
前記競合優位度及び前記事業活用度に基づいて、前記評価対象特許を評価するステップを備える、
特許管理方法。
【請求項23】
特許保有者の競合に対する評価対象特許の優位性の程度に関する競合優位度を計算する手段、
前記特許保有者の事業に対する前記評価対象特許の活用の程度に関する事業活用度を計算する手段、
前記競合優位度及び前記事業活用度に基づいて、前記評価対象特許を評価する手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許管理装置、特許管理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2021年6月11日に公表された「改訂コーポレートガバナンスコード」の原則には、「知的財産への投資等についても、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ分かりやすく具体的に情報を開示・提供すべきである」、「知的財産への投資等の重要性に鑑み、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業ポートフォリオに関する戦略の実行が、企業の持続的な成長に資するよう、実効的に監督を行うべきである。」とある。換言すれば、投資配分を意識した知的財産の有効活用、有効活用を目的とした知財戦略の立案、及び、知財戦略の明確な開示の重要度が増している。さらに、これらの実現による企業価値の向上も期待される。
特許の評価は、その一助となるものであり、改訂コーポレートガバナンスコードの公表以前から、様々な方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の特許の経済的価値を評価する指標を流動的要素と固定的要素との2つに分類し、数値化して、評価するシステムが開示されている。特許文献1では、解析対象である特許群の各特許毎に、各要素の評価点数を計算し、それら各要素を2本の軸にとった仮想座標平面上で、各特許を、2つの要素の各評価点数に相当する座標に対応づけ、各軸を、数値の大小に応じて少なくとも2以上の区分に分けるとともに、上記仮想座標平面を、それら第1、第2軸の各区分によって規定される複数の解析領域に分割し、任意の一の解析領域に属する特許のうち、収入の実績があるものを選び出し、一の解析領域から選び出された特許の収入実績の平均値を計算し、この平均値を、当該一の解析領域に属する特許の個数で乗じて、この解析領域全体からの収益期待値を計算する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
知財活動による企業価値の向上を特許戦略の目的とする企業にとって、知的財産の有効活用、そのための知財戦略の立案、及び、知財戦略の明確な開示が望ましい。
【0006】
しかし、特許文献1では、価値の評価を収益期待値に集約しており、評価結果の活用先も年金維持判断のみにとどまっている。
そのため、特許文献1の観点で特許を評価したとしても、企業価値の向上に資する活動に役立てるには難しい。
【0007】
本発明の目的は、企業価値の向上に資する活動に役立つ特許評価の環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
特許保有者が保有する特許を管理する特許管理装置であって、
前記特許保有者の競合に対する評価対象特許の優位性の程度に関する競合優位度を計算する手段を備え、
前記特許保有者の事業に対する前記評価対象特許の活用の程度に関する事業活用度を計算する手段を備え、
前記競合優位度及び前記事業活用度に基づいて、前記評価対象特許を評価する手段を備える、
特許管理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態のユーザデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態の特許データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の事業データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態の技術タグデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態の特許情報登録処理のシーケンス図である。
【
図10】
図9の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図11】本実施形態の特許評価処理のシーケンス図である。
【
図12】
図11の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図13】本実施形態の方針提案処理のシーケンス図である。
【
図14】
図13の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図15】第1カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
【
図17】第2カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
【
図19】第3カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
【
図21】第4カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
【
図24】変形例1の特許評価処理のシーケンス図である。
【
図25】
図24の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図26】変形例2の特許評価処理のシーケンス図である。
【
図27】
図26の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図28】変形例3のユーザインタフェースの第1例の画面例を示す図である。
【
図29】変形例3のユーザインタフェースの第2例の画面例を示す図である。
【
図30】変形例3のユーザインタフェースの第3例の画面例を示す図である。
【
図31】変形例3のユーザインタフェースの第4例の画面例を示す図である。
【
図32】変形例3のユーザインタフェースの第5例の画面例を示す図である。
【
図34】変形例5の方針案提案処理のシーケンス図である。
【
図35】変形例6の特許評価処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
本実施形態の用語の定義を説明する。
・「特許」とは、日本における特許出願及び特許権、実用新案登録出願及び実用新案権、並びに、意匠登録出願及び意匠権を意味する。
・「特許保有者」とは、特許を保有する者を意味する。
・「ユーザ」とは、本実施形態の情報処理システム1の使用者を意味する。
・「被引用回数」とは、第三者の特許出願の審査、又は、第三者の特許権に対する異議申立若しくは無効審判において、特許が先行技術文献として引用された回数である。
【0012】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2は、
図1の情報処理システムの機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0014】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0015】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供するコンピュータ(「情報処理装置」の一例)である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0016】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置10の構成を説明する。
【0017】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理において用いられるパラメータ、関数、及び、モデル
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせである。
【0022】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0023】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0024】
(1-2)サーバの構成
サーバ30の構成を説明する。
【0025】
図2に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0026】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理において用いられるパラメータ、関数、及び、モデル
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、例えば、CPU、GPU、ASIC、FPGA、又は、これらの組み合わせである。
【0030】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0031】
通信インタフェース34は、サーバ30とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要を説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0033】
図3に示すように、本実施形態では、特許保有者が保有する特許のうち評価の対象となる特許(以下「評価対象特許」という)について、競合優位度及び事業活用度に基づいて、評価対象特許を評価する。
【0034】
(3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0035】
(3-1)ユーザデータベース
本実施形態のユーザデータベースを説明する。
図4は、本実施形態のユーザデータベースのデータ構造を示す図である。
【0036】
図4のユーザデータベースには、ユーザ情報が格納されている。ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。
ユーザデータベースは、「ユーザID」フィールドと、「ユーザ名」フィールドと、「ユーザ属性」フィールドと、「ユーザフォロー」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0037】
「ユーザID」フィールドには、ユーザ識別情報が格納される。ユーザ識別情報は、ユーザを識別する情報である。
【0038】
「ユーザ名」フィールドには、ユーザ名情報が格納される。ユーザ名情報は、ユーザ名(例えば、氏名)に関する情報である。
【0039】
「ユーザ属性」フィールドには、ユーザ属性情報が格納される。ユーザ属性情報は、ユーザの属性に関する情報である。「ユーザ属性」フィールドは、「所属部門」フィールドと、「職種」フィールドと、を含む。
【0040】
「所属部門」フィールドには、所属部門情報が格納される。所属部門情報は、ユーザが所属する部門に関する情報である。
【0041】
「職種」フィールドには、職種情報が格納される。職種情報は、ユーザの職種に関する情報である。職種は、例えば、以下を含む。
・知財マネージャ
・知財担当者
・知財以外の担当者
【0042】
「ユーザフォロー」フィールドには、ユーザフォロー情報が格納される。ユーザフォロー情報は、ユーザがフォローを希望する情報のキーワード(例えば、事業タグ情報又は技術タグ情報)である。
【0043】
(3-2)特許データベース
本実施形態の特許データベースを説明する。
図5は、本実施形態の特許データベースのデータ構造を示す図である。
図6は、本実施形態の評価カテゴリの説明図である。
【0044】
図5の特許データベースには、特許情報が格納されている。特許情報は、特許保有者が保有する特許に関する情報である。
ユーザデータベースは、「特許ID」フィールドと、「書誌」フィールドと、「期日」フィールドと、「評価」フィールドと、「特許タグ」フィールドと、「特許スコア」フィールドと、「関連特許ID」フィールドと、「費用」フィールドと、「出願書類」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0045】
「特許ID」フィールドには、特許識別情報が格納される。特許識別情報は、ユーザを識別する情報である。
【0046】
「書誌」フィールドには、書誌情報が格納される。書誌情報は、特許の書誌に関する情報である。書誌は、例えば、以下を含む。
・発明の名称
・発明者
・出願番号
・出願日
・公開番号
・公開日
・基礎出願番号
・優先日
・審査請求日
・特許番号
・登録日
【0047】
「期日」フィールドには、期日情報が格納される。期日情報は、特許の期日に関する情報である。期日は、以下の少なくとも1つを含む。
・指定期日情報(ユーザによって指定された期日に関する情報)
・法定期日情報(特許に対して適用される法定アクション(例えば、審査請求、拒絶応答、特許登録、及び、特許維持)毎に設定される法定期日に関する情報)。
【0048】
「評価」フィールドには、評価情報が格納される。評価情報は、1件の特許の評価に関する情報である。「評価」フィールドは、「事業活用度」フィールドと、「競合優位度」フィールドと、「評価スコア」フィールドと、「評価カテゴリ」フィールドと、「相対評価スコア」フィールドと、を含む。
【0049】
「事業活用度」フィールドには、事業活用度情報が格納される。事業活用度情報は、事業に対する特許の活用の程度に応じたスコアである。
【0050】
「競合優位度」フィールドには、競合優位度情報が格納される。競合優位度情報は、特許によって形成される競合優位性の程度に応じたスコアである。
【0051】
「評価スコア」フィールドには、評価スコアが格納される。評価スコアは、1件の特許の総合的な評価の値である。評価スコアは、事業活用度及び競合優位度の組合せに応じた値である。
【0052】
「評価カテゴリ」フィールドには、評価カテゴリ情報が格納される。評価カテゴリ情報は、評価カテゴリに関する情報である。評価カテゴリとは、事業活用度及び競合優位度の組合せに応じて決まるカテゴリである。評価カテゴリは、
図6に示すように、以下の4つのカテゴリを含む。
・「第1カテゴリ」…競合優位度が所定の第1閾値以上であり、且つ、事業活用度が所定の第2閾値以上である特許が分類される重要特許カテゴリ
・「第2カテゴリ」…競合優位度が第1閾値以上であり、且つ、事業活用度が第2閾値未満である特許が分類される競合活用特許カテゴリ
・「第3カテゴリ」…競合優位度が第1閾値未満であり、且つ、事業活用度が第2閾値以上である特許が分類される事業活用特許カテゴリ
・「第4カテゴリ」…競合優位度が第1閾値未満であり、且つ、事業活用度が第2閾値未満である特許が分類される非重要特許カテゴリ
【0053】
「相対評価スコア」フィールドには、相対評価スコアが格納される。相対評価スコアは、特許保有者が保有する特許群における1件の特許の相対的な評価の値である。相対評価スコアは、特許群の事業活用度及び競合優位度の組合せ、並びに、1件の特許の事業活用度及び競合優位度の組合せに応じた値である。
【0054】
「特許タグ」フィールドには、特許タグ情報が格納される。特許タグ情報は、特許に対してユーザによって付与されるキーワードに関する情報である。「特許タグ」フィールドは、「技術タグ」フィールドと、「他社事業タグ」フィールドと、を含む。
【0055】
「技術タグ」フィールドには、技術タグ情報が格納される。技術タグ情報は、技術キーワード(例えば、コア技術、又は、重要な技術領域)に関する情報である。技術タグ情報は、技術タグデータベース(
図8)に登録された技術タグ情報の中からユーザの指示に応じて設定される。
【0056】
「他社事業タグ」フィールドには、他社事業タグ情報が格納される。他社事業タグ情報は、特許の権利範囲に含まれる他社事業(つまり、第三者の事業)に関する情報である。
【0057】
「特許スコア」フィールドには、特許スコア情報が格納される。特許スコア情報は、ユーザが特許に対して任意に決める指標であって、且つ、特許評価処理で参照される情報である。「特許スコア」フィールドは、「技術重要度」フィールドと、「ライセンス可能性」フィールドと、「他社実施可能性」フィールドと、を含む。
【0058】
「技術重要度」フィールドには、技術重要度情報が格納される。技術重要度情報は、技術的な重要度に関する情報である。
【0059】
「ライセンス可能性」フィールドには、ライセンス可能性情報が格納される。ライセンス可能性情報は、ライセンスの可能性に関する情報である。
【0060】
「関連特許ID」フィールドには、関連特許識別情報が格納される。関連特許識別情報は、「特許ID」フィールドの特許識別情報によって特定される特許に関連する関連特許の特許識別情報である。
【0061】
「費用」フィールドには、費用情報が格納される。費用情報は、特許にかかった費用(例えば、出願費用、中間処理費用、登録費用、及び、維持費用)である。
【0062】
「出願書類」フィールドには、出願書類情報が格納される。出願書類情報は、出願書類(例えば、特許請求の範囲、明細書、要約書、及び、図面)に関する情報である。
【0063】
(3-3)事業データベース
本実施形態の事業データベースを説明する。
図7は、本実施形態の事業データベースのデータ構造を示す図である。
【0064】
図7の事業データベースには、事業情報が格納されている。事業情報は、特許保有者の事業に関する情報である。
事業データベースは、「事業ID」フィールドと、「事業名」フィールドと、「事業期間」フィールドと、「事業属性」フィールドと、「事業重要度」フィールドと、「活用特許ID」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0065】
「事業ID」フィールドには、事業識別情報が格納される。事業識別情報は、事業を識別する情報である。
【0066】
「事業名」フィールドには、事業名情報が格納される。事業名情報は、事業の名称に関する情報である。
【0067】
「事業期間」フィールドには、事業期間情報が格納される。事業期間情報は、事業期間(一例として、事業開始日及び事業終了日)に関する情報である。
【0068】
「事業属性」フィールドには、事業属性情報が格納される。事業属性情報は、事業の属性に関する情報である。事業属性情報は、例えば、以下を含む。
・事業タイプ(一例として、「BtoB」又は「BtoC」)
・商品サービス
・事業実施国
・特許情報活用形態(一例として、「特許表記」、「訴求情報の根拠」、又は、「表記及び訴求無し」等)
・年間売上高
【0069】
「事業重要度」フィールドには、事業重要度情報が格納される。事業重要度情報は、事業の重要度合いに関する情報である。事業重要度情報が所定の閾値以上である事業は重要事業である。事業重要度情報が当該閾値未満である事業は非重要事業である。
【0070】
「活用特許ID」フィールドには、事業に活用される特許の特許識別情報が格納される。「活用特許ID」フィールドは、「基本特許ID」フィールドと、「応用特許ID」フィールドと、「跡継ぎ特許ID」フィールドと、を含む。
【0071】
「基本特許ID」フィールドには、事業に活用される特許のうち基本特許の特許識別情報が格納される。
【0072】
「応用特許ID」フィールドには、事業に活用される特許のうち応用特許の特許識別情報が格納される。
【0073】
「跡継ぎ特許ID」フィールドには、事業に活用される特許のうち基本特許の跡を継ぐべき特許(以下「跡継ぎ特許」という)の特許識別情報が格納される。
【0074】
「事業タグ」フィールドには、事業タグ情報が格納される。事業タグ情報は、事業のキーワードに関する情報である。
【0075】
(3-4)技術タグデータベース
本実施形態の技術タグデータベースを説明する。
図8は、本実施形態の技術タグデータベースのデータ構造を示す図である。
【0076】
図8の技術タグデータベースには、技術タグ情報が格納されている。
技術タグデータベースは、「技術タグID」フィールドと、「技術タグ名」フィールドと、「基本特許ID」フィールドと、「応用特許ID」フィールドと、「跡継ぎ特許ID」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0077】
「技術タグID」フィールドには、技術タグ識別情報が格納される。技術タグ識別情報は、技術タグを識別する情報である。
【0078】
「技術タグ名」フィールドには、技術タグ名情報が格納される。技術タグ名情報は、技術タグの名称に関する情報である。
【0079】
「基本特許ID」フィールドには、技術タグ名に割り当てられた基本特許の特許識別情報が格納される。
【0080】
「応用特許ID」フィールドには、技術タグ名に割り当てられた応用特許の特許識別情報が格納される。
【0081】
「跡継ぎ特許ID」フィールドには、技術タグ名に割り当てられた跡継ぎ特許の特許識別情報が格納される。
【0082】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理を説明する。
【0083】
(4-1)特許情報登録処理
本実施形態の特許情報登録処理を説明する。
図9は、本実施形態の特許情報登録処理のシーケンス図である。
図10は、
図9の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0084】
図9の処理のトリガーは、ユーザが、ユーザ識別情報を用いてサーバ30が提供するサービスにログインしたことである。
【0085】
図9に示すように、クライアント装置10は、登録リクエスト(S1110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1110(
図10)をディスプレイに表示する。
【0086】
画面P1110は、操作オブジェクトB1110a~B1110fを含む。
【0087】
操作オブジェクトB1110aは、特許情報の登録を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0088】
操作オブジェクトB1110bは、特許の評価を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0089】
操作オブジェクトB1110cは、各種の情報の閲覧を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0090】
操作オブジェクトB1110dは、所望の条件に該当する特許の検索を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0091】
操作オブジェクトB1110eは、寿命解析を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0092】
操作オブジェクトB1110fは、特許診断を要求するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0093】
ユーザが操作オブジェクトB1110aを操作すると、プロセッサ12は、画面P1111(
図10)をディスプレイに表示する。
画面P1111は、フィールドオブジェクトF1111a~F1111fと、操作オブジェクトB1111と、を含む。
【0094】
フィールドオブジェクトF1111aは、書誌情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0095】
フィールドオブジェクトF1111bは、事業識別情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0096】
フィールドオブジェクトF1111cは、特許タグ情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0097】
フィールドオブジェクトF1111dは、特許スコア情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0098】
フィールドオブジェクトF1111eは、費用情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0099】
フィールドオブジェクトF1111fは、出願書類情報の入力又は出願書類のファイルの添付を受け付けるオブジェクトである。
【0100】
操作オブジェクトB1111は、フィールドオブジェクトF1111a~F1111fに対する入力を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0101】
ユーザが、フィールドオブジェクトF1111a~F1111fに所望の情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB1111を操作すると、プロセッサ12は、登録リクエストデータをサーバ30に送信する。登録リクエストデータは、以下の情報を含む。
・フィールドオブジェクトF1111aに入力された書誌情報
・フィールドオブジェクトF1111bに入力された事業識別情報
・フィールドオブジェクトF1111cに入力された特許タグ情報
・フィールドオブジェクトF1111dに入力された特許スコア情報
・フィールドオブジェクトF1111eに入力された費用情報
・フィールドオブジェクトF1111fに入力された出願書類情報
【0102】
ステップS1110の後、サーバ30は、特許の新規登録(S1130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)に新規レコードを追加する。新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「特許ID」フィールド:新規の特許識別情報
・「書誌」フィールド:登録リクエストデータに含まれる書誌情報
・「特許タグ」フィールド:登録リクエストデータに含まれる特許タグ情報
・「特許スコア」フィールド:登録リクエストデータに含まれる特許スコア情報
・「費用」フィールド:登録リクエストデータに含まれる費用情報
・「出願書類」フィールド:登録リクエストデータに含まれる出願書類情報
【0103】
ステップS1130の後、サーバ30は、活用特許の登録(S1131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)を参照して、登録リクエストデータに含まれる事業識別情報に関連付けられたレコードを特定する。
プロセッサ32は、当該レコードの「活用特許ID」フィールドに、登録リクエストデータに、ステップS1130で特許データベース(
図5)の「特許ID」フィールドに格納された特許識別情報を格納する。
これにより、特許データベースにおいて新規に登録された特許(以下「新規登録特許」という)が、事業データベースにおいて活用特許として登録される。
【0104】
ステップS1131の後、サーバ30は、関連特許候補の抽出(S1132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、登録リクエストデータに含まれる出願書類情報の少なくとも一部(一例として、特許請求の範囲の文字列)から、新規登録特許の特徴語を抽出する。
プロセッサ32は、新規登録特許以外の特許(以下「既存登録特許」という)の中から、当該特徴語との類似度の高い特許の特許識別情報を関連特許候補の特許識別情報として抽出する。
【0105】
ステップS1130の後、サーバ30は、登録レスポンス(S1132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、登録レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。登録レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・関連特許候補の特許識別情報に関連付けられた特許情報
【0106】
ステップS1132の後、クライアント装置10は、関連特許候補の表示(S1111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1112(
図10)をディスプレイに表示する。
画面P1112には、関連特許候補の特許情報の一覧が表示される。
画面P1112は、操作オブジェクトB1112a~B1112bを含む。
【0107】
操作オブジェクトB1112aは、関連特許候補の中から関連特許を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB112aには、特許識別情報が割り当てられている。
【0108】
操作オブジェクトB1112bは、関連特許の指定を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0109】
ステップS1112の後、クライアント装置10は、関連特許登録リクエスト(S1112)を実行する。
具体的には、ユーザが任意の操作オブジェクトB1112aを操作し、且つ、操作オブジェクトB1112bを操作すると、プロセッサ12は、関連特許登録リクエストデータをサーバ30に送信する。関連特許リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB112aに割り当てられた関連特許識別情報
【0110】
ステップS1112の後、サーバ30は、関連特許の登録(S1134)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「関連特許ID」フィールドに、関連特許登録リクエストに含まれる関連特許識別情報を格納する。
【0111】
なお、特許データベース又は事業データベースに登録した情報を更新するための特許情報更新処理は、特許情報登録処理と同様に実行される。
【0112】
(4-2)特許評価処理
本実施形態の特許評価処理を説明する。
図11は、本実施形態の特許評価処理のシーケンス図である。
図12は、
図11の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0113】
図11の処理のトリガーは、ユーザが、ユーザ識別情報を用いてサーバ30が提供するサービスにログインしたことである。
【0114】
図11に示すように、クライアント装置10は、評価リクエスト(S1210)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1110(
図10)をディスプレイに表示する。
【0115】
ユーザが操作オブジェクトB1110bを操作すると、プロセッサ12は、画面P1210(
図12)をディスプレイに表示する。
【0116】
画面P1210は、フィールドオブジェクトF1210a~F1210bと、操作オブジェクトB1210と、を含む。
【0117】
フィールドオブジェクトF1210aは、特許特定情報の入力を受け付けるオブジェクトである。特許特定情報は、特許データベース(
図5)においてレコードを特定するための情報(つまり、1件の特許に対して一意に決まる情報)である。特許特定情報は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・特許識別情報
・出願番号
・公開番号
・登録番号
【0118】
フィールドオブジェクトF1210bは、競合情報の入力を受け付けるオブジェクトである。
【0119】
操作オブジェクトB1210は、フィールドオブジェクトF1210a~F1210bに対する入力を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0120】
ユーザが、フィールドオブジェクトF1210a~F1210bに所望の情報を入力し、且つ、操作オブジェクトB1210を操作すると、プロセッサ12は、評価リクエストデータをサーバ30に送信する。評価リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・フィールドオブジェクトF1210aに入力された特許特定情報
・フィールドオブジェクトF1210bに入力された競合情報
【0121】
ステップS1210の後、サーバ30は、被引用情報の取得(S1230)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価リクエストデータに含まれる特許特定情報に関連付けられた出願番号を特定する。
プロセッサ32は、特許審査の結果が格納された外部サーバ(不図示)にアクセスして、当該出願番号に対応する特許の被引用回数と、当該特許が引用された特許出願(つまり、審査の対象となる特許出願)の出願人名と、を取得する。
【0122】
ステップS1230の後、サーバ30は、競合優位度の計算(S1231)を実行する。
【0123】
ステップS1231の第1例では、記憶装置31には、競合優位度モデルが記憶されている。競合優位度モデルには、被引用回数と競合優位度との相関関係が記述されている。競合優位度モデルの説明変数は、被引用回数である。競合優位度モデルの目的変数は、競合優位度(例えば、数値又はランク)である。
【0124】
プロセッサ32は、ステップS1230で得られた被引用回数を競合優位度モデルに与えることにより、競合優位度を計算する。
【0125】
ステップS1231の第2例では、記憶装置31には、競合優位度モデルが記憶されている。競合優位度モデルには、被引用回数及び出願人の組合せと競合優位度との相関関係が記述されている。競合優位度モデルの説明変数は、出願人名に応じた重み係数が適用される被引用回数である。競合優位度モデルの目的変数は、競合優位度である。競合企業の重み係数は、非競合企業の重み係数より大きい。
【0126】
プロセッサ32は、ステップS1230で得られた被引用回数及び競合情報を競合優位度モデルに与えることにより、競合優位度を計算する。
【0127】
ステップS1231の後、サーバ30は、事業活用度の計算(S1232)を実行する。
【0128】
ステップS1232の第1例では、プロセッサ32は、事業データベース(
図6)を参照して、評価対象特許の特許識別情報が格納されている「活用特許ID」フィールドの数(つまり、活用されている事業の数)を計算する。
プロセッサ32は、当該事業の数に基づいて、事業活用度を計算する。
【0129】
ステップS1232の第2例では、記憶装置31には、事業活用度モデルが記憶されている。事業活用度モデルには、活用されている事業の数及び事業重要度と事業活用度との相関関係が記述されている。競合優位度モデルの説明変数は、活用されている特許の数、及び、事業重要度である。競合優位度モデルの目的変数は、事業活用度である。
【0130】
プロセッサ32は、ステップS1232の第1例と同様に、プロセッサ32は、事業データベース(
図6)を参照して、「活用特許ID」フィールドの特許識別情報の数(つまり、活用されている特許の数)を計算する。
プロセッサ32は、事業データベースを参照して、評価対象特許の特許識別情報が格納されている「活用特許ID」フィールドの数(つまり、活用されている事業の数)を計算する。
プロセッサ32は、活用されている事業の数及び事業重要度を事業活用度モデルに与えることによって、活用されている事業の数及び事業重要度の組合せに応じた事業活用度を計算する。
【0131】
ステップS1232の後、サーバ30は、評価スコアの計算(S1233)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、評価モデルが記憶されている。評価モデルには、競合優位度及び事業活用度の組合せと、評価との相関関係が記述されている。
評価モデルの説明変数は、競合優位度及び事業活用度である。
評価モデルの目的変数は、評価スコアである。
【0132】
プロセッサ32は、ステップS1231で得られた競合優位度及びステップS1232で得られた事業活用度を評価モデルに与えることにより、評価スコアを計算する。
【0133】
ステップS1233の後、サーバ30は、評価カテゴリの決定(S1234)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、
図6に示すように、ステップS1231で得られた競合優位度と第1閾値との間の大小関係、及び、ステップS1232で得られた事業活用度と第2閾値と間の大小関係に基づいて、評価対象特許の評価カテゴリを決定する。
【0134】
ステップS1234の後、サーバ30は、データベースの更新(S1235)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価リクエストデータに含まれる特許特定情報に関連付けられたレコードを特定する。
プロセッサ32は、以下に示すように、当該レコードの「評価」フィールドに以下の情報を格納する。
・「事業活用度」フィールド:ステップS1232で得られた事業活用度
・「競合優位度」フィールド:ステップS1231で得られた競合優位度
・「評価スコア」フィールド:ステップS1233で得られた評価スコア
・「評価カテゴリ」フィールド:ステップS1234で得られた評価カテゴリ
【0135】
ステップS1235の後、サーバ30は、評価レスポンス(S1236)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、評価レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。評価レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・ステップS1231で得られた競合優位度
・ステップS1232で得られた事業活用度
・ステップS1233で得られた評価スコア
・ステップS1234で得られた評価カテゴリ
【0136】
ステップS1236の後、クライアント装置10は、評価結果の表示(S1211)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1211(
図12)をディスプレイに表示する。
【0137】
画面P1211には、以下の情報が表示される。
・評価レスポンスデータに含まれる競合優位度
・評価レスポンスデータに含まれる事業活用度
・評価レスポンスデータに含まれる評価スコア
・評価レスポンスデータに含まれる評価カテゴリ
【0138】
(4-3)方針提案処理
本実施形態の方針提案処理を説明する。
図13は、本実施形態の方針提案処理のシーケンス図である。
図14は、
図13の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0139】
図13の処理のトリガーは、所定の日時になったことである。
【0140】
図13に示すように、サーバ30は、提案対象特許の抽出(S1330)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、提案対象特許の抽出条件が記憶されている。抽出条件は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・法定期日までの期間が所定以下になった特許。
・ユーザが予め指定した日時になった特許。
【0141】
プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、抽出条件に該当する提案対象特許の特許識別情報を抽出する。
【0142】
ステップS1330の後、サーバ30は、方針モデルの選択(S1331)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、カテゴリ毎の方針モデルが記憶されている。方針モデルには、特許の評価と方針案の相関関係が記述されている。
方針モデルの説明変数は、評価情報である。
方針モデルの目的変数は、方針案である。
【0143】
プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、ステップS1330で得られた特許識別情報の「評価カテゴリ」フィールドの情報(つまり、評価カテゴリ情報)を特定する。
プロセッサ32は、当該評価カテゴリ情報に対応する方針モデルを選択する。
【0144】
ステップS1331の後、サーバ30は、方針案の生成(S1332)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、ステップS1330で得られた特許識別情報に関連付けられた「評価」フィールドの評価情報(つまり、事業活用度、競合優位度、及び、評価スコア)を特定する。
プロセッサ32は、当該評価情報を方針モデルに与えることにより、提案対象特許の方針案を決定する。
【0145】
ステップS1332の後、サーバ30は、提案レスポンス(S1333)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、提案レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。提案レスポンスデータは、ステップS1332で得られた方針案を示すメッセージを含む。
【0146】
ステップS1333の後、クライアント装置10は、方針案の表示(S1310)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P1310(
図14)をディスプレイに表示する。
【0147】
画面P1310には、提案レスポンスデータに含まれる方針案を示すメッセージが表示される。
【0148】
図14の画面P1310は、「提案対象特許の維持」、及び、「跡継ぎ特許の登録」を方針案として決定した場合の方針案を例示している。
画面P1310は、提案対象特許の方針案と、跡継ぎ特許候補一覧と、操作オブジェクトB1310a~B1310bと、を含む。
【0149】
操作オブジェクトB1310aは、跡継ぎ特許候補の中から跡継ぎ特許を指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB1310aには、特許識別情報が割り当てられる。
【0150】
操作オブジェクトB1310bは、跡継ぎ特許候補の指定を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0151】
ステップS1310で跡継ぎ特許の登録を含む方針案が決定された場合、クライアント装置10は、跡継ぎ特許の登録リクエスト(S1311)を実行する。
具体的には、ユーザが操作オブジェクトB1310a~B1310bを操作すると、プロセッサ12は、跡継ぎ特許登録リクエストデータをサーバ30に送信する。跡継ぎ特許登録リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB1310aに割り当てられた特許識別情報
【0152】
ステップS1311の後、サーバ30は、跡継ぎ特許の登録(S1334)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)及び技術タグデータベース(
図8)を参照して、「基本特許ID」フィールドに提案対象特許の特許識別情報が格納されているレコードを特定する。
プロセッサ32は、当該レコードの「跡継ぎ特許ID」フィールドに、跡継ぎ特許登録リクエストデータに含まれる特許識別情報を格納する。
【0153】
(4-3-1)第1カテゴリに分類された特許の方針案の生成
第1カテゴリに分類された特許の方針案の生成(S1332)を説明する。
図15は、第1カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
図16は、
図15の方針案の決定の説明図である。
【0154】
図15に示すように、サーバ30は、提案対象特許の第1残存期間RP1の計算(S1332-100)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、提案対象特許の特許識別情報に関連付けられた出願日を特定する。
プロセッサ32は、当該出願日に基づいて、権利満了日を計算する。
プロセッサ32は、当該権利満了日とステップS1332の実行日との差を残存期間RP1として計算する。
【0155】
ステップS1332-100の後、サーバ30は、関連特許の特定(S1332-101)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、提案対象特許の特許識別情報に関連付けられた関連特許識別情報を特定する。
【0156】
ステップS1332-101の後、サーバ30は、関連特許の残存期間RP2を計算する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、ステップS1332-101で得られた特許識別情報に関連付けられた出願日を特定する。
プロセッサ32は、各関連特許の当該出願日に基づいて、権利満了日を計算する。
プロセッサ32は、各関連特許の当該権利満了日とステップS1332の実行日との差のうち最小の差を残存期間RP2として計算する。
プロセッサ32は、
【0157】
ステップS1332-102の後、サーバ30は、方針案の決定(S1332-103)を実行する。
【0158】
図16に示すように、プロセッサ32は、第1残存期間RP1が所定の第1残存閾値THrp1以上であり、且つ、第2残存期間RP2が所定の第2残存閾値THrp2以上である場合、「提案対象特許の維持」を方針案として決定する。
【0159】
プロセッサ32は、第1残存期間RP1が第1残存閾値THrp1以上であり、且つ、第2残存期間RP2が第2残存閾値THrp2未満である場合、「提案対象特許の維持」、及び、「ホワイトスペースの探索」を方針案として決定する。「ホワイトスペースの探索」とは、ある技術について、新規性があり出願の可能性がある技術範囲を特定することを意味する。
【0160】
プロセッサ32は、第1残存期間RP1が第1残存閾値THrp1未満であり、且つ、第2残存期間RP2が第2残存閾値THrp2以上である場合、「提案対象特許の維持」、及び、「跡継ぎ特許の登録」を方針案として決定する。
【0161】
プロセッサ32は、第1残存期間RP1が第1残存閾値THrp1未満であり、且つ、第2残存期間RP2が第2残存閾値THrp2未満である場合、「提案対象特許の維持」及び「関連特許の出願」を方針案として決定する。
【0162】
ステップS1332-103で「跡継ぎ特許の登録」を含む方針案が決定された場合、サーバ30は、跡継ぎ特許候補の抽出(S1332-104)を実行する。
プロセッサ23は、跡継ぎ条件に該当する特許の特許識別情報を跡継ぎ特許候補として抽出する。
この場合、方針案を示すメッセージは、方針案と、跡継ぎ特許候補として抽出された特許識別情報に関連付けられた特許情報と、を含む。
【0163】
跡継ぎ条件は、以下の条件を含む。
(跡継ぎ条件1)第1残存期間RP1より長い残存期間を有すること。
(跡継ぎ条件2)所定の活用条件を満たすこと。
【0164】
活用条件は、以下の少なくとも1つを含む。
・事業活用度が所定の閾値以上であること。
・活用されている事業の売上が所定の閾値以上であること。
・活用されている事業の利益が所定の閾値以上であること。
・ライセンス収入が所定の閾値以上であること。
【0165】
(4-3-2)第2カテゴリに分類された特許の方針案の生成
第2カテゴリに分類された特許の方針案の生成(S1332)を説明する。
図17は、第2カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
図18は、
図17の方針案の決定の説明図である。
【0166】
図17に示すように、サーバ30は、提案対象特許の事業情報の取得(S1332-200)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)を参照して、特許保有者の事業情報を取得する。
【0167】
ステップS1332-200の後、サーバ30は、事業活用可能性BPの推定(S1332-201)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、事業活用可能性推定モデルが記憶されている。
事業活用可能性推定モデルには、マーケット情報及び技術的特徴と、事業活用可能性の相関関係が記述されている。
事業活用可能性推定モデルの説明変数は、マーケット情報及び技術的特徴である。
事業活用可能性推定モデルの目的変数は、事業活用可能性である。
【0168】
プロセッサ32は、提案対象特許の出願書類(例えば、願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、及び、図面)の少なくとも一部に対して解析処理(例えば、テキストマイニング)を適用することにより、提案対象特許の技術的特徴を示す特徴キーワードを特定する。
プロセッサ32は、ユーザから受け付けたマーケット情報と当該特徴キーワードを事業活用可能性推定モデルに与えることにより、当該マーケット情報及び当該特徴キーワードの組合せに応じた事業活用可能性を推定する。
【0169】
ステップS1332-201の後、サーバ30は、特許スコアの特定(S1332-202)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「特許スコア」フィールドを参照して、特許スコア情報(つまり、技術重要度情報及びライセンス可能性情報)を特定する。
【0170】
ステップS1332-202の後、サーバ30は、方針案の決定(S1332-203)を実行する。
【0171】
図18に示すように、プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp以上であり、且つ、技術重要度TIが閾値THti以上である場合、「提案対象特許の維持」及び「事業活用」を方針案として決定する。
【0172】
プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp以上であり、且つ、技術重要度TIが閾値THti未満である場合、「提案対象特許の維持」を方針案として決定する。
【0173】
プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp未満であり、技術重要度TIが閾値THti未満であり、且つ、ライセンス可能性LPが閾値THlp以上である場合、「提案対象特許の維持」及び「ライセンスアウト」を方針案として決定する。
【0174】
プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp未満であり、技術重要度TIが閾値THti未満であり、且つ、ライセンス可能性LPが閾値THlp未満である場合、「提案対象特許の放棄」を方針案として決定する。
【0175】
(4-3-3)第3カテゴリに分類された特許の方針案の生成
第3カテゴリに分類された特許の方針案の生成(S1332)を説明する。
図19は、第3カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
図20は、
図19の方針案の決定の説明図である。
【0176】
図19に示すように、サーバ30は、
図17と同様に、事業情報の取得(S1332-200)及び事業活用可能性BPの推定(S1332-201)を実行する。
【0177】
ステップS1332-201の後、サーバ30は、不実施期間NAの計算(S1332-300)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)を参照して、「活用特許ID」フィールドに提案対象特許の特許識別情報が格納されたレコードを特定する。
プロセッサ32は、当該レコードの「事業期間」フィールドの情報を参照して、事業終了日を特定する。
プロセッサ32は、当該事業終了日と
図19の処理の実行日時との差を不実施期間NAとして計算する。
【0178】
ステップS1332-300の後、方針案の決定(S1332-301)を実行する。
【0179】
図20に示すように、プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp以上である場合、又は、不実施期間NAが閾値THna未満である場合、「提案対象特許の維持」及び「事業活用の検討」を方針案として決定する。
【0180】
プロセッサ32は、事業活用可能性BPが閾値THbp未満であり、且つ、不実施期間NAが閾値THna以上である場合、第4カテゴリに分類された特許の方針案の生成(後述の
図21)を実行する。
【0181】
(4-3-4)第4カテゴリに分類された特許の方針案の生成
第4カテゴリに分類された特許の方針案の生成(S1332)を説明する。
図21は、第4カテゴリに分類された特許の方針案の生成のフローチャートである。
図22は、
図21の方針案の生成の説明図である。
【0182】
図21に示すように、サーバ30は、跡継ぎ特許の判定(S1332-400)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)又は技術タグデータベース(
図8)の「跡継ぎ特許ID」フィールドに提案対象特許の特許識別情報が格納されているか否かを特定する。
当該「跡継ぎ特許ID」フィールドに提案対象特許の特許識別情報が格納されている場合、プロセッサ32は、「跡継ぎ特許である」と判定する。
当該「跡継ぎ特許ID」フィールドに提案対対象特許の特許識別情報が格納されていない場合、プロセッサ32は、「跡継ぎ特許ではない」と判定する。
【0183】
ステップS1332-400で「跡継ぎ特許である」と判定された場合、サーバ30は、方針案の決定(S1332-401)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、「提案対象特許の維持」を方針案として決定する。
【0184】
ステップS1332-400で「跡継ぎ特許ではない」と判定された場合、サーバ30は、自社重要度W1の特定(S1332-402)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、事業データベース(
図7)を参照して、「活用特許ID」フィールドの提案対象特許の特許識別情報が格納されたレコードを特定する。
プロセッサ32は、当該レコードの「事業重要度」フィールドの値を自社重要度W1として特定する。
【0185】
ステップS1332-402の後、サーバ30は、他社事業の特定(S1332-403)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、「他社事業タグ」フィールドに他社事業情報が格納されている場合、「他社事業がある」と判定する。
プロセッサ32は、「他社事業タグ」フィールドに他社事業情報が格納されていない場合、「他社事業がない」と判定する。
【0186】
ステップS1332-402の後、サーバ30は、方針案の決定(S1332-404)を実行する。
【0187】
図22に示すように、プロセッサ32は、自社重要度W1が閾値THw1以上である場合、又は、他社事業がある場合、「提案対象特許の維持」を方針案として決定する。
【0188】
プロセッサ32は、自社重要度W1が閾値THw1未満であり、且つ、他社事業がない場合、「提案対象特許の放棄」及び「原因の特定」を方針案として決定する。
【0189】
(5)本実施形態の小括
本実施形態によれば、競合優位度及び事業活用度の組合せに基づいて、評価対象特許を評価する。これにより、企業価値の向上に資する活動に役立つ特許評価の環境を提供することができる。
【0190】
本実施形態によれば、評価対象特許の被引用回数に基づいて競合優位度を計算してもよい。これにより、評価対象特許と他社特許の関係に応じて、より高い精度の競合優位度が得られる。
【0191】
本実施形態によれば、特許保有者の事業毎に、評価対象特許の活用回数、評価対象特許の活用期間、評価対象特許の活用方法、事業の売上高、及び、評価対象特許の売上貢献度の少なくとも1つに基づいて、事業活用度を計算してもよい。これにより、より高い精度の事業活用度が得られる。
【0192】
本実施形態によれば、競合優位度及び事業活用度の組合せに基づいて、評価対象特許を4つのカテゴリに分類してもよい。これにより、特許保有者における評価対象特許の位置付けを明示することができる。
【0193】
本実施形態によれば、カテゴリに応じて方針案を決定してもよい。これにより、評価対象特許の位置付けに応じた対応方針をユーザに提示することができる。
【0194】
(6)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0195】
(6-1)変形例1
変形例1を説明する。変形例1は、特許を相対的に評価する例である。
【0196】
(6-1-1)変形例1の概要
変形例1の概要を説明する。
図23は、変形例1の概要の説明図である。
【0197】
図23に示すように、変形例1では、特許保有者が保有する特許のうち評価対象特許について、競合優位度及び事業活用度に基づいて、評価対象特許を評価する。この評価は、絶対評価である。
次に、評価対象特許以外の特許(以下「評価参照特許」という)の評価結果と、評価対象特許の評価結果と、を比較して、特許保有者が保有する特許群において評価対象特許を相対的に評価する。
【0198】
(6-1-2)変形例1の特許評価処理
変形例1の特許評価処理を説明する。
図24は、変形例1の特許評価処理のシーケンス図である。
図25は、
図24の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0199】
【0200】
図24に示すように、クライアント装置10は、
図11と同様に、評価リクエスト(S1210)を実行する。
【0201】
ステップS1210の後、サーバ30は、
図11と同様に、被引用情報の取得(S1230)~評価カテゴリの決定(S1234)を実行する。
【0202】
ステップS1234の後、サーバ30は、相対評価(S2130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「評価」フィールドを参照して、特許保有者が保有する特許のうち評価参照特許の参照評価結果(つまり、事業活用度、競合優位度、及び、評価スコア)を特定する。
プロセッサ32は、当該参照評価結果に対して、ステップS1231~S1233で得られた評価結果(つまり、評価対象特許の事業活用度、競合優位度、及び、評価スコア)の相対評価スコアを計算する。
相対評価スコアは、例えば、偏差スコアである。偏差スコアは、例えば、以下の少なくとも1つである。
・偏差値
・絶対偏差
・平均偏差
・平均絶対偏差
・標準偏差
【0203】
ステップS2130の後、サーバ30は、データベースの更新(S2131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価リクエストデータに含まれる特許特定情報に関連付けられたレコードを特定する。
プロセッサ32は、以下に示すように、当該レコードの「評価」フィールドに以下の情報を格納する。
・「事業活用度」フィールド:ステップS1232で得られた事業活用度
・「競合優位度」フィールド:ステップS1231で得られた競合優位度
・「評価スコア」フィールド:ステップS1233で得られた評価スコア
・「評価カテゴリ」フィールド:ステップS1234で得られた評価カテゴリ
・「相対評価スコア」フィールド:ステップS2131で得られた相対評価スコア
【0204】
ステップS2131の後、サーバ30は、評価レスポンス(S2132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、評価レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。評価レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・ステップS1231で得られた競合優位度
・ステップS1232で得られた事業活用度
・ステップS1233で得られた評価スコア
・ステップS1234で得られた評価カテゴリ
・ステップS2131で得られた相対評価スコア
【0205】
ステップS2132の後、クライアント装置10は、表示(S2110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P2110(
図25)をディスプレイに表示する。
【0206】
画面P2110には、以下の情報が表示される。
・評価レスポンスデータに含まれる競合優位度
・評価レスポンスデータに含まれる事業活用度
・評価レスポンスデータに含まれる評価スコア
・評価レスポンスデータに含まれる評価カテゴリ
・評価レスポンスデータに含まれる相対評価スコア
【0207】
(6-1-2)変形例1の小括
【0208】
変形例1によれば、特許保有者が保有する特許群において、評価対象特許を相対的に評価してもよい。これにより、予算が限られている場合であっても、予算内で優先的に取り扱うべき特許を容易に特定することができる。
【0209】
変形例1によれば、相対評価の結果を偏差スコアとして計算する。これにより、予算が限られている場合であっても、予算内で優先的に取り扱うべき特許をより容易に特定することができる。
【0210】
(6-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2は、評価対象特許の費用対効果を計算する例である。
【0211】
(6-2-1)変形例2の特許評価処理
変形例2の情報処理を説明する。
図26は、変形例2の特許評価処理のシーケンス図である。
図27は、
図26の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0212】
【0213】
図26に示すように、クライアント装置10は、
図11と同様に、評価リクエスト(S1210)を実行する。
【0214】
ステップS1210の後、サーバ30は、
図11と同様に、被引用情報の取得(S1230)~評価カテゴリの決定(S1234)を実行する。
【0215】
ステップS1234の後、サーバ30は、費用対効果の計算(S3130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価対象特許の特許識別情報に関連付けられたレコードを特定する。
プロセッサ32は、当該レコードの「費用」フィールドの値でステップS1231~S1233で得られた評価結果(つまり、競合優位度、事業活用度、及び、評価スコア)を割ることにより、費用対効果を計算する。費用対効果は、例えば、以下の少なくとも1つを含む。
・特許にかかった費用に対する競合優位度
・特許にかかった費用に対する事業活用度
・特許にかかった費用に対す評価スコア
【0216】
ステップS3130の後、サーバ30は、データベースの更新(S3131)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価リクエストデータに含まれる特許特定情報に関連付けられたレコードを特定する。
プロセッサ32は、以下に示すように、当該レコードの「評価」フィールドに以下の情報を格納する。
・「事業活用度」フィールド:ステップS1232で得られた事業活用度
・「競合優位度」フィールド:ステップS1231で得られた競合優位度
・「評価スコア」フィールド:ステップS1233で得られた評価スコア
・「評価カテゴリ」フィールド:ステップS1234で得られた評価カテゴリ
・「費用対効果」フィールド(不図示):ステップS3131で得られた費用対効果
【0217】
ステップS3131の後、サーバ30は、評価レスポンス(S3132)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、評価レスポンスデータをクライアント装置10に送信する。評価レスポンスデータは、例えば、以下の情報を含む。
・ステップS1231で得られた競合優位度
・ステップS1232で得られた事業活用度
・ステップS1233で得られた評価スコア
・ステップS1234で得られた評価カテゴリ
・ステップS3131で得られた費用対効果
【0218】
ステップS3132の後、クライアント装置10は、表示(S3110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P3110(
図27)をディスプレイに表示する。
【0219】
画面P2110には、以下の情報が表示される。
・評価レスポンスデータに含まれる競合優位度
・評価レスポンスデータに含まれる事業活用度
・評価レスポンスデータに含まれる評価スコア
・評価レスポンスデータに含まれる評価カテゴリ
・評価レスポンスデータに含まれる費用対効果
【0220】
(6-2-2)変形例2の特許評価処理の代替例
変形例2は、1件の評価対象特許の費用対効果を計算する例を示したが、変形例2は、これに限られない。変形例2は、事業単位の特許の費用対効果を計算する例にも適用可能である。
具体的には、サーバ30は、事業データベース(
図7)の「活用特許ID」フィールドを参照して、事業毎に活用されている特許(以下「活用特許」という)の特許識別情報を特定する。
サーバ30は、特許データベース(
図5)を参照して、活用特許の特許識別情報に関連付けられた事業活用度、競合優位度、評価スコア、及び、費用情報を特定する。
サーバ30は、ステップS3130で示したように、当該活用特許毎の費用対効果を計算する。
サーバ30は、事業毎に、当該費用対効果の平均値を計算する。この平均値は、事業毎の費用対効果を示す。
【0221】
(6-2-3)変形例2の小括
【0222】
変形例2によれば、特許の評価結果と、特許にかかった費用と、を考慮して、費用対効果を計算する。これにより、予算が限られている場合であっても、予算内で優先的に取り扱うべき特許を容易に特定することができる。
【0223】
変形例2の代替例によれば、事業毎に、費用対効果を計算する。これにより、事業毎に、特許活動の成否を容易に判断することができる。
【0224】
(6-3)変形例3
変形例3を説明する。変形例3は、ユーザインタフェースに関する変形例である。
【0225】
(6-3-1)変形例3のユーザインタフェースの第1例
変形例3のユーザインタフェースの第1例を説明する。
図28は、変形例3のユーザインタフェースの第1例の画面例を示す図である。
【0226】
ユーザが、例えば、操作オブジェクトB1110cを操作し、且つ、所望の特許識別情報を入力すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、
図28の画面P4110をディスプレイに表示する。
【0227】
画面P4110は、1件の特許(つまり、特許識別情報)に対応する画面である。
画面P4110は、特許識別情報(例えば、特許番号)と、カテゴリ情報と、活用事業情報と、被引用情報と、技術タグ情報と、特許タグ情報と、を含む。
【0228】
活用事業情報は、当該特許が活用されている事業(つまり、事業データベース(
図7)において、当該特許の特許識別情報に関連付けられた事業識別情報に対応する事業)の事業情報である。
【0229】
ユーザが、例えば、特許タグ情報「有効成分X」を指定すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、画面P4111(
図28)をディスプレイに表示する。
【0230】
画面P4111は、指定された特許タグ情報に関連付けられた特許の特許情報と、基本特許情報と、跡継ぎ特許識別情報と、操作オブジェクトB4111と、を含む。
【0231】
指定された特許タグ情報に関連付けられた特許の特許情報は、カテゴリ情報と、特許識別情報(例えば、特許番号)と、を含む。
【0232】
基本特許情報は、特許タグ情報「有効成分X」における基本特許の特許識別情報及び法的ステータスを含む。
【0233】
跡継ぎ特許識別情報は、特許タグ情報「有効成分X」における跡継ぎ特許の特許識別情報及び法的ステータスを含む。
【0234】
(6-3-2)変形例3のユーザインタフェースの第2例
変形例3のユーザインタフェースの第2例を説明する。
図29は、変形例3のユーザインタフェースの第2例の画面例を示す図である。
【0235】
ユーザが、例えば、操作オブジェクトB1110eを操作し、且つ、所望の特許タグ情報(例えば、技術タグ情報)を入力すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、
図29の画面P4210をディスプレイに表示する。
【0236】
画面P4210は、1つの特許タグ情報(例えば、技術タグ情報「有効成分X」)に対応する画面である。
【0237】
画面P4210は、以下の情報を含む。
・技術タグ情報「有効成分X」に関連付けられた特許のうち、第1カテゴリに分類された特許の特許識別情報(例えば、特許番号)及び第1残存期間
・技術タグ情報「有効成分X」の平均評価スコア
【0238】
画面P4210は、操作オブジェクトB4210a~B4210bを含む。
【0239】
操作オブジェクトB4210aは、技術タグ情報「有効成分X」の跡継ぎ特許の候補を検索するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0240】
操作オブジェクトB4210bは、技術タグ情報「有効成分X」の情報を他のユーザに通知するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0241】
ユーザが、操作オブジェクトB4210aを操作すると、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「技術タグ」フィールドに技術タグ情報「有効成分X」が格納されているレコードを特定する。
プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、画面P4211をディスプレイに表示する。
【0242】
画面P4211は、跡継ぎ候補と、操作オブジェクトB4211a~B4211bと、を含む。
【0243】
跡継ぎ候補は、特定されたレコードに対応する特許の特許情報(例えば、カテゴリ情報、特許番号、及び、第1残存期間)である。
【0244】
操作オブジェクトB4211aは、跡継ぎ特許として登録するためのユーザの指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB4211aには、特許識別情報が割り当てられている。操作オブジェクトB4211aが操作されると、プロセッサ12は、跡継ぎ特許登録リクエストデータをサーバ30に送信する。跡継ぎ特許登録リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB4211aに割り当てられた特許識別情報
・プロセッサ32によって特定された技術タグ情報
プロセッサ32は、技術タグデータベース(
図8)を参照して、跡継ぎ特許登録リクエストデータに含まれる技術タグ情報に関連付けられた「跡継ぎ特許ID」フィールドに、跡継ぎ特許登録リクエストデータに含まれる特許識別情報を格納する。これにより、ユーザが操作オブジェクトB4211aで指定した跡継ぎ特許がサーバ30に登録される。
【0245】
操作オブジェクトB4211bは、跡継ぎ候補ではないことを設定するためのユーザの指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB4211bには、特許識別情報が割り当てられる。操作オブジェクトB4211bが操作されると、プロセッサ12は、跡継ぎ特許非登録リクエストデータをサーバ30に送信する。跡継ぎ特許非登録リクエストデータは、例えば、以下の情報を含む。
・操作オブジェクトB4211bに割り当てられた特許識別情報
・プロセッサ32によって特定された技術タグ情報
プロセッサ32は、技術タグデータベース(
図8)を参照して、跡継ぎ特許非登録リクエストデータに含まれる技術タグ情報に関連付けられた「跡継ぎ特許ID」フィールドに、跡継ぎ特許登録リクエストデータに含まれる特許識別情報と、「跡継ぎではない」ことを示すタグと、を関連付けて格納する。これにより、ユーザが操作オブジェクトB4211bで指定した特許が跡継ぎにならない特許としてサーバ30に登録される。
【0246】
ユーザが、例えば、跡継ぎ候補の中から所望の特許番号を選択すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、画面P4212(
図29)をディスプレイに表示する。
【0247】
画面P4212は、画面P4110(
図28)と同様である。
【0248】
(6-3-3)変形例3のユーザインタフェースの第3例
変形例3のユーザインタフェースの第3例を説明する。
図30は、変形例3のユーザインタフェースの第3例の画面例を示す図である。
【0249】
ユーザが、例えば、操作オブジェクトB1110fを操作し、且つ、「第3カテゴリの診断」を指定すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、
図30の画面P4310をディスプレイに表示する。
【0250】
画面P4310は、第3カテゴリに分類された特許の特許情報(例えば、カテゴリ情報、特許番号、及び、不活用期間)と、操作オブジェクトB4310a~B4310bと、フィールドオブジェクトF4310と、を含む。
【0251】
フィールドオブジェクトF4310は、不活用期間の条件を指定するためのユーザ入力を受け付けるオブジェクトである。ユーザがフィールドオブジェクトF4310に所望の不活用期間を入力すると、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「カテゴリ」フィールドにカテゴリ情報「第3カテゴリ」が格納されているレコードのうち、当該不活用期間に該当するレコードの情報を疑惑リストとして表示する。
不活用期間とは、事業データベース(
図7)の「活用特許ID」フィールドに当該特許の特許識別情報が登録されていない連続期間(活用すると、事業への活用終了非からの経過期間)である。
【0252】
操作オブジェクトB4310aは、第4カテゴリに変更すべき特許であることを示す特許タグ情報を設定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB4310aが操作されると、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「特許タグ」フィールドに特許タグ情報「第4カテゴリ候補認定」を格納する。
【0253】
操作オブジェクトB4310bは、第3カテゴリを維持すべき特許であることを示す特許タグ情報を設定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB4310aが操作されると、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の「特許タグ」フィールドに特許タグ情報「第4カテゴリ候補非認定」を格納する。
【0254】
(6-3-3)変形例3のユーザインタフェースの第4例
変形例3のユーザインタフェースの第4例を説明する。
図31は、変形例3のユーザインタフェースの第4例の画面例を示す図である。
【0255】
ユーザが、例えば、所望のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、画面P4410をディスプレイに表示する。
画面P4410は、サーバ30が提供するサービスのトップ画面である。画面P4410は、表示オブジェクトA4410a~A4410bと、操作オブジェクトB4410a~B4410cと、を含む。
【0256】
表示オブジェクトA4410aは、発明の創出が推奨される技術の技術タグ情報を含む。
【0257】
表示オブジェクトA4410bは、緊急性の高い特許(例えば、即時の対応が求められる特許)の特許情報(例えば、特許番号及び技術タグ情報)を含む。
【0258】
操作オブジェクトB4410aは、ユーザに固有のページ(以下「マイページ」という)を表示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0259】
操作オブジェクトB4410bは、所望の技術タグ情報に関連付けられた特許の一覧を表示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0260】
操作オブジェクトB4410cは、特許保有者が保有する全ての特許の統計情報を表示させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0261】
ユーザが、例えば、操作オブジェクトB4410aを操作し、且つ、ユーザ識別情報及びパスワードを入力すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、画面P4411(
図31)をディスプレイに表示する。
【0262】
画面P4411は、表示オブジェクトA4411a~A4411cを含む。
【0263】
表示オブジェクトA4411aは、ユーザに固有のお知らせを含む。
【0264】
表示オブジェクトA4411bは、ユーザがフォローしている技術タグ情報(例えば、ユーザデータベース(
図4)の「ユーザフォロー」フィールドに格納された情報)を含む。
【0265】
表示オブジェクトA4411cは、ユーザに対してフォローを推奨する技術タグ情報(例えば、技術タグ情報のうちユーザデータベース(
図4)の「ユーザフォロー」フィールドに格納されていない情報)を含む。
【0266】
(6-3-3)変形例3のユーザインタフェースの第5例
変形例3のユーザインタフェースの第4例を説明する。
図32は、変形例3のユーザインタフェースの第5例の画面例を示す図である。
【0267】
ユーザが、例えば、操作オブジェクトB1110fを操作し、且つ、「第4カテゴリの診断」を指定すると、プロセッサ12は、サーバ30と通信することにより、
図32の画面P4510をディスプレイに表示する。
【0268】
画面P4510は、第4カテゴリに分類された特許のうち、事業情報、被引用情報、技術タグ情報、及び、特許タグ情報が関連付けられていない特許(以下「休眠特許」という)の特許番号と、操作オブジェクトB4510と、を含む。
【0269】
操作オブジェクトB4510は、休眠特許の次回の年金納付を見送る(つまり、放棄する)ことの方針を特許タグ情報として設定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB4510が操作されると、プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、休眠特許の特許識別情報に関連付けられた「特許タグ」フィールドに、特許タグ情報「年金不納付」を格納する。
【0270】
(6-4)変形例4
変形例4を説明する。変形例4は、予算を考慮して方針案を決定する例である。
【0271】
(6-4-1)変形例4の概要
変形例4の概要を説明する。
図33は、変形例4の概要の説明図である。
【0272】
図33に示すように、変形例4では、特許保有者が保有する特許のうち評価対象特許について、競合優位度及び事業活用度に基づいて、評価対象特許を評価する。
次に、評価対象特許の評価結果と、特許保有者の予算と、に基づいて、評価対象特許の方針案を決定する。
【0273】
(6-4-2)変形例4の方針提案処理
変形例4の方針提案処理を説明する。
【0274】
変形例4の方針案提案処理では、サーバ30は、
図13と同様に、提案対象特許の抽出(S1330)~方針モデルの選択(S1331)を実行する。
【0275】
ステップS1331の後、サーバ30は、方針案の生成(S1332)を実行する。
具体的には、変形例4の方針モデルには、特許の評価及び予算と、方針案との相関関係が記述されている。
方針モデルの説明変数は、評価情報、及び、予算を更に含む。
方針モデルの目的変数は、方針案である。
【0276】
プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、ステップS1330で得られた特許識別情報に関連付けられた「評価」フィールドの評価情報(つまり、事業活用度、競合優位度、及び、評価スコア)を特定する。
プロセッサ32は、提案対象特許の特許識別情報が関連付けられた事業識別情報を特定する。
プロセッサ32は、当該事業識別情報に予め関連付けられた予算残高(以下「事業別予算残高」という)を特定する。
プロセッサ32は、当該事業別特許予算残高と、当該評価情報と、を方針モデルに与えることにより、提案対象特許の方針案を決定する。
【0277】
ステップS1332の後、サーバ30は、
図13と同様に、提案レスポンス(S1333)を実行する。
【0278】
ステップS1333の後、クライアント装置10は、
図13と同様に、方針案の表示(S1310)~跡継ぎ特許の登録リクエスト(S1311)を実行する。
【0279】
ステップS1311の後、サーバ30は、
図13と同様に、跡継ぎ特許の登録(S1334)を実行する。
【0280】
(6-4-3)変形例4の代替例
変形例4での代替例を説明する。
【0281】
(6-4-3-1)変形例4の代替例1
変形例4は、事業別特許予算残高を考慮して1件の特許の方針案を決定する例を示したが、変形例4はこれに限られない。
変形例4は、事業別特許予算残高を考慮して複数件の特許の方針案を一括で決定する例にも適用可能である。
【0282】
(6-4-3-2)変形例4の代替例2
変形例4は、事業別特許予算残高を考慮して1件の特許の方針案を決定する例を示したが、変形例4はこれに限られない。
変形例4は、特許保有者の全体の予算残高を考慮して、1件又は複数件の特許の方針案を決定する例にも適用可能である。
【0283】
(6-4-4)変形例4の小括
変形例4によれば、事業別予算残高及び評価結果の組合せに応じて、特許の取り扱いの方針案を決定する。これにより、予算残高に応じて特許を取り扱うことができる。
【0284】
(6-5)変形例5
変形例5を説明する。変形例5は、跡継ぎ特許の評価スコアを補正する例である。
【0285】
(6-5-1)変形例5の方針案提案処理
変形例5の方針案提案処理を説明する。
図34は、変形例5の方針案提案処理のシーケンス図である。
【0286】
図34に示すように、サーバ30は、
図13と同様に、提案対象特許の抽出(S1330)~提案レスポンス(S1333)を実行する。
【0287】
ステップS1333の後、クライアント装置10は、
図13と同様に、方針案の表示(S1310)~跡継ぎ特許の登録リクエスト(S1311)を実行する。
【0288】
ステップS1311の後、サーバ30は、
図13と同様に、跡継ぎ特許の登録(S1334)を実行する。
【0289】
ステップS1334の後、サーバ30は、跡継ぎ特許の評価スコアの補正(S5130)を実行する。
具体的には、記憶装置31には、評価スコア補正モデルが記憶されている。評価スコア補正モデルは、残存期間及び活用内容と、評価スコアの補正係数との相関関係が記述されている。
評価スコア補正モデルの説明変数は、残存期間及び活用内容である。
評価スコア補正モデルの目的変数は、評価スコアの補正係数である。
【0290】
プロセッサ32は、ステップS1332-104(
図15)で得られた跡継ぎ特許の残存期間及び活用内容(例えば、事業活用度、活用されている事業の売上、活用されている事業の利益、及び、ライセンス収入の少なくとも1つ)を評価スコア補正モデルに与えることにより、評価スコアの補正係数を計算する。
プロセッサ32は、特許データベース(
図5)の跡継ぎ特許の特許識別情報に関連付けられた「評価スコア」フィールドの値に当該補正係数を適用することにより、補正後の評価スコアを計算する。
プロセッサ32は、当該「評価スコア」フィールドに補正後の評価スコアを格納する。
【0291】
(6-5-2)変形例5の小括
変形例5によれば、跡継ぎ特許の評価スコアを補正する。これにより、事業活用度及び競合優位度が低いとしても、将来有望な特許の評価スコアを高く見積もることができる。
【0292】
(6-6)変形例6
変形例6を説明する。変形例6は、他社の実施可能性を考慮して評価スコアを計算する例である。
【0293】
(6-6-1)変形例6の特許評価処理
変形例6の特許評価処理を説明する。
図35は、変形例6の特許評価処理のシーケンス図である。
【0294】
図35に示すように、クライアント装置10は、
図11と同様に、評価リクエスト(S1210)を実行する。
【0295】
ステップS1210の後、サーバ30は、
図11と同様に、被引用情報(S1230)~評価カテゴリの決定(S1234)を実行する。
【0296】
ステップS1234の後、サーバ30は、他社実施特許の決定(S6130)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、評価対象特許の出願書類(例えば、特許請求の範囲)から特徴語(例えば、化粧品の成分に関する用語)を抽出する。
プロセッサ32は、競合他社の商品に関する情報(以下「競合品情報」という)が格納されたデータベースにアクセスして、当該商品の特徴語(例えば、化粧品の成分に関する用語)を抽出する。
プロセッサ32は、出願書類の特徴語と、競合品情報の特徴語の類似度を計算する。当該類似度は、他社が評価対象特許を実施する可能性(以下「他社実施可能性」という)を示す指標である。
プロセッサ32は、当該類似度が所定の閾値以上である場合、評価対象特許を他社実施特許として決定する。他社実施特許は、他社が実施する可能性が高い特許である。
プロセッサ32は、特許データベース(
図5)を参照して、評価対象特許の特許識別情報に他社実施可能性を関連付けて記憶する。
【0297】
ステップS6130の後、サーバ30は、
図11と同様に、データベース(S1235)~評価レスポンス(S1236)を実行する。
【0298】
ステップS1236の後、クライアント装置10は、
図11と同様に、評価結果の表示(S1211)を実行する。
【0299】
(6-6-2)変形例6の代替例
変形例6では、サーバ30は、ユーザの指示に応じて、ユーザが指定した評価対象特許を他社実施特許として決定してもよい。この場合、ユーザの指示に応じて、評価対象特許の特許識別情報と、他社実施特許であることを示すタグ情報と、を関連付けて記憶装置31に記憶する。
【0300】
(6-6-3)変形例6の小括
変形例6によれば、他社実施の可能性を考慮して、評価スコアを計算する。これにより、企業価値の向上に資する活動により役立つ特許評価の環境を提供することができる。
【0301】
(7)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
【0302】
本実施形態では、評価スコアとして、数値を提示する例を示したが、本実施形態はこれに限られない。本実施形態は、評価スコアが数値とは異なる指標(例えば、評価ランクを表すアルファベット)である例にも適用可能である。
【0303】
本実施形態では、技術重要度をユーザが任意に決定する例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。技術重要度は、技術タグ情報の数に応じてサーバ30が決定してもよい。
これにより、ユーザの主観及び負担なしに、定量的な技術重要度を蓄積することができる。
【0304】
本実施形態では、評価カテゴリにユーザが任意のカテゴリ名称を付しても良い。各カテゴリのカテゴリ名称は、例えば、以下のとおりである。
・第1カテゴリ…ライオン
・第2カテゴリ…イノシシ
・第3カテゴリ…コアラ
・第4カテゴリ…イワシ
これにより、評価結果が表示されたときに、ユーザは直感的に評価カテゴリを認識することができる。
【0305】
本実施形態では、
図8に示すように、跡継ぎ特許識別情報を基本特許識別情報に関連付けて記憶する(つまり、跡継ぎ特許は、基本特許の後継特許である)例を示したが、本実施形態の範囲はこれに限られない。跡継ぎ特許識別情報は、特許識別情報(
図5)のうち、特定の評価カテゴリ(例えば、第1カテゴリ)に関連付けられた特許識別情報に関連付けて記憶されても良い。この場合、跡継ぎ特許は、第1カテゴリに分類された特許の後継特許になる。
これにより、特許保有者にとって重要な特許に限定して跡継ぎ特許を管理することができる。
【0306】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0307】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。
例えば、クライアント装置10が上記の情報処理の全てのステップを実行可能である場合、クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信することなく、スタンドアロンで動作する情報処理装置として機能する。
【0308】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0309】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース