(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072069
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】無線システム、ガス管理システム、警報器側無線装置、及びメータ側無線装置
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20240520BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240520BHJP
G08B 21/16 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G01F3/22 B
G08B25/10 E
G08B21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182682
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】北澤 拓也
【テーマコード(参考)】
2F030
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
2F030CB02
2F030CC13
2F030CE09
2F030CF11
5C086AA02
5C086CA06
5C086DA07
5C086FA06
5C087AA37
5C087AA44
5C087BB20
5C087CC23
5C087EE02
5C087GG17
(57)【要約】
【課題】ガスメータ側において無線接続状態のガス警報器の警報器情報が削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制することができる無線システム、ガス管理システム、警報器側無線装置、及びメータ側無線装置を提供する。
【解決手段】無線システムWSは、ガス警報器10に外部接続される警報器側無線装置20と、ガスメータ40に外部接続されるメータ側無線装置30とを備え、警報器側無線装置20とメータ側無線装置30との間で無線にて情報を送受信するものであって、警報器側無線装置20は、無線接続状態であることを示す接続発呼をメータ側無線装置30に送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求をメータ側無線装置30に送信し、メータ側無線装置30は、警報器側無線装置20から削除要求を受信するまでは、接続発呼を受信しなくとも所定タイミングでガスメータ40に対して接続発呼を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに、内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置とを備え、前記警報器側無線装置と前記メータ側無線装置との間で無線にて情報を送受信する無線システムであって、
前記警報器側無線装置は、前記接続発呼を前記メータ側無線装置に送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信し、
前記メータ側無線装置は、前記警報器側無線装置から前記削除要求を受信するまでは、前記接続発呼を前記警報器側無線装置から受信しなくとも所定タイミングでガスメータに対して前記接続発呼を行う
ことを特徴とする無線システム。
【請求項2】
前記警報器側無線装置は、ガス警報器に対して外部接続されるものであって、ガス警報器から送信される前記接続発呼を受信できない場合、前記所定の削除事象の発生時であると判断し、前記削除要求を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線システム。
【請求項3】
前記メータ側無線装置は、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶した記憶手段を備え、前記記憶手段により記憶される警報器情報のガス警報器について前記接続発呼をガスメータに送信し、前記削除要求を受信すると前記記憶手段から当該削除要求に該当する警報器情報を削除すると共に前記削除要求をガスメータに送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線システム。
【請求項4】
前記メータ側無線装置は、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶した記憶手段を備え、前記記憶手段に記憶された警報器情報のガス警報器に対応した前記警報器側無線装置に対し、特定タイミングでガス警報器が無線接続状態であるかを確認する検索要求を送信し、前記警報器側無線装置から所定の応答がない場合、所定の応答がない前記警報器側無線装置に対応するガス警報器の警報器情報を前記記憶手段から削除する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線システム。
【請求項5】
ガス警報器と、前記ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と、無線接続状態である前記ガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータと、前記ガスメータに内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置とを備え、前記警報器側無線装置及び前記メータ側無線装置との間で無線にて情報を送受信するガス管理システムであって、
前記警報器側無線装置は、前記接続発呼を前記メータ側無線装置に送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信し、
前記メータ側無線装置は、前記警報器側無線装置から前記削除要求を受信するまでは、前記接続発呼を前記警報器側無線装置から受信しなくとも所定タイミングで前記ガスメータに対して前記接続発呼を行う
ことを特徴とするガス管理システム。
【請求項6】
無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに、内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置と無線にて情報を送受信し、ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置であって、
当該接続発呼をメータ側無線装置には送信せず、
所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信する
ことを特徴とする警報器側無線装置。
【請求項7】
無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに内蔵又は外部接続され、ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と無線にて情報を送受信するメータ側無線装置であって、
ガス警報器とガスメータとが無線接続状態を否定する削除要求を警報器側無線装置から受信するまでは、ガス警報器とガスメータとが無線接続状態であることを示す接続発呼を警報器側無線装置から受信しなくとも、所定タイミングでガスメータに対して前記接続発呼を行う
ことを特徴とするメータ側無線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線システム、ガス管理システム、警報器側無線装置、及びメータ側無線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス警報器とガスメータとを無線にて接続したガス管理システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。このシステムは、ガス警報器、ガス警報器に外部接続される警報器側無線装置、ガスメータに外部接続されるメータ側無線装置、及び、ガスメータを備えて構成されており、例えば双方の無線装置を介してガス警報器からガスメータに対してガス漏れを検知した旨を送信しガスメータにて遮断弁を閉じる等、保安性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1に記載のガス管理システムにおいて、例えばガスメータは、無線接続されているガス警報器の警報器情報(例えばID)を自己のテーブル(すなわち記憶部)に記憶しており、新規のガス警報器が無線接続されると、当該ガス警報器から送信される警報器情報をテーブルに新たに登録する。また、ガス警報器は、無線接続状態である旨をガスメータに知らせるべく例えば定期的に接続発呼を行う。接続発呼は、双方の無線装置を介してガスメータに到達する。ガスメータは、この接続発呼が所定時間届かない場合、ガス警報器が取り外れた等、無線接続状態ではないと判断し、テーブルから該当の警報器情報を削除する。
【0005】
ここで、ガス警報器側とガスメータ側とが有線にて接続されている場合、接続発呼が定期的等、多数回にわたって送信されたとしても消費電力はそれほど大きくならない。しかし、ガス警報器側とガスメータ側とが無線にて接続されている場合、多数回にわたって接続発呼を行うことで、消費電力が大きくなってしまう。このため、例えば警報器側無線装置に電池を多く搭載する等、コストアップになってしまうという問題があった。一方で接続発呼をしない等の対応を行ってしまうとガスメータにおいてテーブルから警報器情報が削除されてしまい、ガスメータが無線接続状態であるガス警報器を把握できなくなることから問題である。
【0006】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ガスメータ側において無線接続状態のガス警報器の警報器情報が削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制することができる無線システム、ガス管理システム、警報器側無線装置、及びメータ側無線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線システムは、ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに、内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置とを備え、前記警報器側無線装置と前記メータ側無線装置との間で無線にて情報を送受信する無線システムであって、前記警報器側無線装置は、前記接続発呼を前記メータ側無線装置に送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信し、前記メータ側無線装置は、前記警報器側無線装置から前記削除要求を受信するまでは、前記接続発呼を前記警報器側無線装置から受信しなくとも所定タイミングでガスメータに対して前記接続発呼を行う。
【0008】
本発明のガス管理システムは、ガス警報器と、前記ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と、無線接続状態である前記ガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータと、前記ガスメータに内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置とを備え、前記警報器側無線装置及び前記メータ側無線装置との間で無線にて情報を送受信するガス管理システムであって、前記警報器側無線装置は、前記接続発呼を前記メータ側無線装置に送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信し、前記メータ側無線装置は、前記警報器側無線装置から前記削除要求を受信するまでは、前記接続発呼を前記警報器側無線装置から受信しなくとも所定タイミングで前記ガスメータに対して前記接続発呼を行う。
【0009】
本発明の警報器側無線装置は、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに、内蔵又は外部接続されるメータ側無線装置と無線にて情報を送受信し、ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置であって、当該接続発呼をメータ側無線装置には送信せず、所定の削除事象の発生時に無線接続状態を否定する削除要求を前記メータ側無線装置に送信する。
【0010】
本発明のメータ側無線装置は、無線接続状態であるガス警報器の警報器情報を記憶可能であって当該ガス警報器と自己とが無線接続状態であることを示す接続発呼を受信できない場合に当該ガス警報器の警報器情報を削除するガスメータに内蔵又は外部接続され、ガス警報器に内蔵又は外部接続される警報器側無線装置と無線にて情報を送受信するメータ側無線装置であって、ガス警報器とガスメータとが無線接続状態を否定する削除要求を警報器側無線装置から受信するまでは、ガス警報器とガスメータとが無線接続状態であることを示す接続発呼を警報器側無線装置から受信しなくとも、所定タイミングでガスメータに対して前記接続発呼を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ガスメータ側において無線接続状態のガス警報器の警報器情報が削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制することができる無線システム、ガス管理システム、警報器側無線装置、及びメータ側無線装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るガス管理システムの構成図である。
【
図2】
図1に示したガス警報器及び警報器側無線装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示したメータ側無線装置及びガスメータの構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るガス管理システムの制御方法の概要を示す第1構成図である。
【
図5】本実施形態に係るガス管理システムの制御方法の概要を示す第2構成図である。
【
図6】本実施形態に係るガス管理システムの制御方法の概要を示す第3構成図である。
【
図7】本実施形態に係るガス管理システムの制御方法の概要を示す第4構成図である。
【
図8】
図2に示したガス警報器の制御方法を示すフローチャートである。
【
図9】
図2に示した警報器側無線装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図3に示したメータ側無線装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図11】
図3に示したガスメータの制御方法を示すフローチャートである。
【
図12】
図3に示したメータ側無線装置の制御方法を示す第2のフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係るガス管理システムの構成図である。
【
図14】
図13に示したガス警報器の構成を示すブロック図である。
【
図15】
図13に示したガスメータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るガス管理システムの構成図である。
図1に示すガス管理システム1は、複数のガス警報器10と、無線システムWSと、ガスメータ40とを備えている。無線システムWSは、複数の警報器側無線装置20と、メータ側無線装置30とを備えて構成されている。なお、
図1に示す例において、複数のガス警報器10とガスメータ40とは、複数の警報器側無線装置20とメータ側無線装置30とを介して無線接続状態とされている。このため、後述するメータ側無線装置30やガスメータ40の記憶部36,45には、無線接続状態である複数の警報器側無線装置20の各ID(警報器情報の一例)が記憶された状態となっている。
【0015】
複数のガス警報器10それぞれは、監視領域におけるガス漏れ発生時に警報を行うものである。複数の警報器側無線装置20は、それぞれが個々のガス警報器10に対して有線接続(外部接続の一例)されるものであって、メータ側無線装置30と無線により情報の送受信を行うものである。ガスメータ40は、需要者側に供給する燃料ガスの流量を積算表示等するものである。メータ側無線装置30は、ガスメータ40に対して有線接続(外部接続の一例)されるものであって、複数の警報器側無線装置20のそれぞれと無線により情報の送受信を行うものである。
【0016】
このようなガス管理システム1は、無線システムWSを介して(複数の警報器側無線装置20とメータ側無線装置30とを中継して)、複数のガス警報器10とガスメータ40との間で情報の送受信が行われる。例えば、特定のガス警報器10aにおいてガス漏れを検出した場合、特定のガス警報器10aは、有線接続される特定の警報器側無線装置20a及びメータ側無線装置30を通じてその旨をガスメータ40に送信する。これにより、ガスメータ40は、例えば遮断弁(図示せず)を弁閉することができる。また、ガスメータ40は、遮断弁を弁閉や弁開した場合、複数の警報器側無線装置20及びメータ側無線装置30を通じてその旨を複数のガス警報器10に送信する。これにより、複数のガス警報器10は、例えば遮断弁が弁閉や弁開した旨を報知することができる。
【0017】
図2は、
図1に示したガス警報器10及び警報器側無線装置20の構成を示すブロック図である。複数のガス警報器10のそれぞれは、
図2に示すように、ガスセンサ11と、制御部12と、報知部13と、通信部14と、タイマー15と、記憶部16とを備えている。
【0018】
ガスセンサ11は、監視領域における検知対象ガスの濃度に応じた信号を出力するものである。制御部12は、ガス警報器10の全体を制御するものであり、ガスセンサ11からの信号に応じて検知対象ガスが異常濃度に達しているかを判断するものである。報知部13は、音声出力可能なスピーカ等によって構成され、例えば検知対象ガスが異常濃度に達した場合にその旨を報知するものである。さらに、報知部13は、ガスメータ40からの遮断弁の弁閉信号等を受信した場合に、その旨の報知等も行う。
【0019】
通信部14は、有線にて警報器側無線装置20と通信するものである。この通信部14は、接続発呼送信部14aを備えている。接続発呼送信部14aは、自己がガスメータ40と無線接続状態であることを示す接続発呼を、有線接続される警報器側無線装置20に送信するものである。この接続発呼送信部14aは、予め定められたタイミングで接続発呼を警報器側無線装置20に送信する。なお、以下の説明において、接続発呼は、10分等の所定時間毎に送信されることを想定して説明する。
【0020】
タイマー15は、計時機能部であって、例えば接続発呼を所定時間毎に送信する場合の所定時間の計測に用いられるものである。なお、タイマー15は、接続発呼の送信に関する計時に限らず、他の機能の計時にも用いられる。
【0021】
記憶部16は、ガス警報器10を制御するプログラム等を記憶したものである。特に、本実施形態に係る記憶部16は、多数のガス警報器10から自己を識別するためのIDを記憶している。このIDは、例えば十数桁の数字等によって構成されており、ガス警報器10毎に異なる値とされたものである。IDは、ガス警報器10の出荷時に予め記憶されている。特に、IDは、ガス警報器10の製造者を識別するための値が付与されることから、製造者間でIDが重複してしまうことが防止されたものである。
【0022】
さらに、制御部12は、異常状態検知部12aを備えている。異常状態検知部12aは、ガス警報器10が正常に機能しなくなる異常状態を検知するものである。例えば異常状態検知部12aは、ガスセンサ11等の故障を検知する。また、異常状態検知部12aは、ガス警報器10がコンセント式である場合には電源プラグ抜けを検知する。同様に、異常状態検知部12aは、ガス警報器10が電池式である場合には電池電圧低下を検知する。このように、異常状態検知部12aは、ガス警報器10の異常状態を検知する。
【0023】
加えて、通信部14は、異常信号送信部14bを備えている。異常信号送信部14bは、ガスセンサ11の故障、電源プラグ抜け、及び電池電圧低下等、異常状態検知部12aにより異常状態が検知された場合に、その旨を示す異常信号を警報器側無線装置20に送信するものである。
【0024】
複数の警報器側無線装置20のそれぞれは、
図2に示すように、制御部21と、第1通信部22と、第2通信部23と、タイマー24と、記憶部25とを備えている。
【0025】
第1通信部22は、有線にてガス警報器10と通信するものである。特に本実施形態において第1通信部22は、接続発呼送信部14aから送信される接続発呼、及び、異常信号送信部14bから送信される異常信号を受信する。
【0026】
制御部21は、警報器側無線装置20の全体を制御するものである。この制御部21は、削除事象判断部21aを備えている。削除事象判断部21aは、ガスメータ40との無線接続状態を否定すべき事象(所定の削除事象)が発生したかを判断する。
【0027】
本実施形態において削除事象判断部21aは、ガス警報器10からの接続発呼が到達しない場合に所定の削除事象が発生したと判断する。詳細に説明すると、本実施形態に係る警報器側無線装置20のタイマー24は、ガス警報器10のタイマー15と同様に所定時間の計時を行っている。正常なガス警報器10が警報器側無線装置20に接続されている場合、タイマー24が所定時間を計時している間に接続発呼が1回送信されるはずであり、第1通信部22は所定時間に1回接続発呼を受信するはずである。一方、タイマー24が所定時間を計時している間に接続発呼を受信できなった場合、ガス警報器10と警報器側無線装置20とが取り外されていたりガス警報器10が正常に機能していなかったり等と推定できる。削除事象判断部21aは、所定時間を計時している間に1回も接続発呼を受信できない状態が発生した場合に、所定の削除事象が発生したと判断する。なお、本実施形態において削除事象判断部21aは、精度を高める観点から、所定時間を計時している間に1回も接続発呼を受信できない状態がN(Nは2以上の整数)回連続した場合に、所定の削除事象が発生したと判断してもよい。
【0028】
さらに、本実施形態において削除事象判断部21aは、ガス警報器10から異常信号を受信した場合に所定の削除事象が発生したと判断する。上記したように、異常信号は、故障や電源プラグ抜け等、ガス警報器10が正常に機能しなくなったことを示すものである。このため、削除事象判断部21aは、異常信号を受信した場合に所定の削除事象が発生したと判断する。
【0029】
第2通信部23は、メータ側無線装置30(
図1参照)と無線通信するものである。この第2通信部23は、削除要求送信部23aを備えている。削除要求送信部23aは、削除事象判断部21aにより所定の削除事象が発生したと判断された場合に、無線接続状態を否定する削除要求をメータ側無線装置30側に送信する。また、警報器側無線装置20の記憶部25には、ガス警報器10のIDが記憶されている。削除要求送信部23aは、削除要求を送信するにあたり、IDの情報についても送信する。
【0030】
ここで、上記からも明らかなように、第2通信部23は、接続発呼の送信部を備えない構造となっている。すなわち、警報器側無線装置20は、メータ側無線装置30に対して接続発呼を送信しないこととなる。このため、接続発呼は所定時間毎に無線送信されることなく、警報器側無線装置20の消費電力軽減が図られている。
【0031】
図3は、
図1に示したメータ側無線装置30及びガスメータ40の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、メータ側無線装置30は、制御部31と、第1通信部32と、第2通信部33と、第1タイマー34と、第2タイマー35と、記憶部(記憶手段)36とを備えている。
【0032】
第2通信部33は、警報器側無線装置20(
図1参照)と無線通信するものである。この第2通信部33は、警報器側無線装置20から削除要求が送信された場合に、これを受信するものである。
【0033】
制御部31は、メータ側無線装置30の全体を制御するものである。この制御部31は、削除処理部31aを備えている。削除処理部31aは、警報器側無線装置20からの削除要求を受信した場合に、削除処理を実行するものである。ここで、メータ側無線装置30の記憶部36は、無線接続状態である複数のガス警報器10(
図1参照)のそれぞれについて、IDを記憶している。削除処理部31aは、削除要求を受信した場合、無線接続状態が否定された該当のガス警報器10について記憶部36からIDを削除することとなる。
【0034】
第1通信部32は、有線にてガスメータ40と通信するものである。特に本実施形態において第1通信部32は、接続発呼送信部32aを備えている。また、第1タイマー34は、上記したタイマー15,24と同様に、所定時間の計時を行っている。接続発呼送信部32aは、第1タイマー34にて計時される所定時間毎(所定タイミングの一例)にガスメータ40に対して接続発呼を行う。この接続発呼送信部32aは、記憶部36に記憶されるIDのガス警報器10について接続発呼を行う。従って、接続発呼送信部32aは、削除要求を受信せず削除処理部31aによって記憶部36からIDが削除されていないガス警報器10について、所定時間毎に接続発呼を行う。一方、接続発呼送信部32aは、削除要求を受信し削除処理部31aによって記憶部36からIDが削除されたガス警報器10については接続発呼を送信しない。
【0035】
このように、接続発呼送信部32aは、警報器側無線装置20から削除要求が送信されなかったガス警報器10について接続発呼を行い、警報器側無線装置20から削除要求が送信されたガス警報器10について接続発呼を禁止する。すなわち、本実施形態においてメータ側無線装置30は、警報器側無線装置20から削除要求がない場合には、ガス警報器10とガスメータ40とが無線接続状態であるとの前提のもと、ガスメータ40に対して接続発呼を行う。
【0036】
さらに、第1通信部32は、削除要求送信部32bを備えている。削除要求送信部32bは、削除処理を行ったIDのガス警報器10について、ガスメータ40に対して削除要求するものである。これにより、ガスメータ40において無線接続状態であるものとして管理されるガス警報器10のIDが削除され、当該ガス警報器10とガスメータ40との無線接続状態であることが否定された状態となる。なお、後述するように、削除要求送信部32bについては必須ではなく、備えない構成であってもよい。
【0037】
ガスメータ40は、流量計測部41と、制御部42と、通信部43と、タイマー44と、記憶部45とを備えている。
【0038】
流量計測部41は、ガスメータ40を介して需要者に供給される燃料ガスの流量を計測するものである。この流量計測部41により計測された流量がガスメータ40の正面に設けられる表示部(図示せず)に積算表示される。
【0039】
制御部42は、ガスメータ40の全体を制御するものであり、本実施形態においては削除処理部42aを備えている。ここで、記憶部45は、無線接続状態である複数のガス警報器10のそれぞれについて、IDを記憶している。削除処理部42aは、無線接続状態が否定されたガス警報器10のIDを削除する処理を実行する。
【0040】
詳細に説明すると削除処理部42aは、メータ側無線装置30の削除要求送信部32bから削除要求を受信した場合に、該当のガス警報器10のIDを記憶部45から削除する。さらに、削除処理部42aは、所定時間を計時している間に1回も接続発呼を受信できない場合、該当のガス警報器10のIDを記憶部45から削除する。なお、所定時間についてはタイマー44にて計時される。また、削除処理部42aは、精度を高める観点から、所定時間を計時している間に1回も接続発呼を受信できない状態がN回連続した場合に、削除処理を実行してもよい。
【0041】
ここで、メータ側無線装置30は、削除要求送信部32bを備えていなくともよい。これは、メータ側無線装置30がガスメータ40に対して削除要求を送信しなくとも、メータ側無線装置30において削除処理を行うことで接続発呼されなくなるためである。すなわち、メータ側無線装置30から接続発呼されなくなると、ガスメータ40の削除処理部42aは、接続発呼を受信できないことに基づいて削除処理を実行するためである。勿論メータ側無線装置30が削除要求を送信する方が、ガスメータ40において素早くIDが削除されるため、素早く削除したい場合には削除要求送信部32bを備えることが好ましい。
【0042】
以上のように、本実施形態に係るガス管理システム1においてガス警報器10は接続発呼を行うが、その接続発呼は警報器側無線装置20からメータ側無線装置30に送信されない構成となっている。また、メータ側無線装置30は、警報器側無線装置20から削除要求が届かない限りは、ガス警報器10が無線接続状態であるとの前提で、ガスメータ40に対して接続発呼を行う。よって、接続発呼の無線通信による消費電力の増大が抑制されると共に、ガスメータ40に対しては接続発呼が行われていることから、ガスメータ40において無線接続状態であるガス警報器10のIDが削除されてしまうことも防止される。
【0043】
さらに、本実施形態においてメータ側無線装置30は、第2通信部33に検索要求送信部33aを備えている。この検索要求送信部33aは、記憶部36に記憶されるIDのガス警報器10が無線接続状態であることを確認すべく、当該ガス警報器10に対応した警報器側無線装置20に対して検索要求を送信するものである。さらに、メータ側無線装置30は、第2タイマー35によって特定時間(例えば1日であって所定時間よりも長い時間)を計時している。検索要求送信部33aは、例えば第2タイマー35によって計時される特定時間毎(特定タイミングの一例)に検索要求を送信する。
【0044】
図2に示す警報器側無線装置20は、ガス警報器10から接続発呼を受信できており、且つ、異常信号を受信していない場合において、検索要求を受信すると第2通信部23から所定の応答信号を返信する。
図3に示すメータ側無線装置30の制御部31は、所定の応答信号を受信した場合、ガス警報器10が無線接続状態であることを確認する。一方、制御部31は、所定の応答信号を受信できない場合、ガス警報器10が無線接続状態でないと判断する。この場合、削除処理部31aは、記憶部36からガス警報器10のIDを削除し、削除要求送信部32bはガスメータ40に対して該当のガス警報器10について削除要求を送信する。
【0045】
ここで、本実施形態においてメータ側無線装置30は、削除要求が届かない限り、ガスメータ40に対して接続発呼を送信する。このため、メータ側無線装置30は、例えば警報器側無線装置20が故障してしまい削除要求を送信できなくなったとしてもガスメータ40に対して接続発呼を送信し続けることとなる。この場合、ガスメータ40は、無線接続状態でないガス警報器10を無線接続状態であると認識し続けてしまうこととなる。しかし、メータ側無線装置30から検索要求を行うことで、警報器側無線装置20の故障等においても無線接続状態であることを確認することができる。
【0046】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る無線接続方法の概要を説明する。
図4は、本実施形態に係るガス管理システム1の制御方法の概要を示す第1構成図である。まず、
図4に示す各ガス警報器10の記憶部16(
図2参照)はIDを記憶している。なお、以下では説明の便宜上、IDを1桁で表現するものとし、第1ガス警報器10aのIDをAとし、第2ガス警報器10bのIDをBとし、第3ガス警報器10cのIDをCとする。
【0047】
これらのガス警報器10は、例えば所定時間毎に接続発呼(接続発呼A~C参照)を行う。このとき、第1~第3ガス警報器10a~10cは、接続発呼と共に自己のIDについても送信する。また、第1~第3警報器側無線装置20a~20cの削除事象判断部21a(
図2参照)は、異常信号が受信されていない場合において、接続発呼を受信しているとき、所定の削除事象が発生していないと判断する。このため、第1~第3警報器側無線装置20a~20cの削除要求送信部23a(
図2参照)は削除要求を送信することがない。
【0048】
また、メータ側無線装置30の接続発呼送信部32a(
図3参照)は、削除要求を受信しない限り、所定時間毎に記憶部36(
図3参照)に記憶するIDのガス警報器10に関し接続発呼(接続発呼A~C参照)を行う。これにより、ガスメータ40は、第1~第3ガス警報器10a~10cが無線接続状態であることを把握することができ、ガスメータ40の記憶部45(
図3参照)からIDが削除されてしまうことが防止される(ID:A~C参照)。特に、
図4からも明らかなように、各警報器側無線装置20からメータ側無線装置30には接続発呼が無線送信されることなく、消費電力の軽減が図れている。
【0049】
図5は、本実施形態に係るガス管理システム1の制御方法の概要を示す第2構成図である。
図5に示すように、例えば第1ガス警報器10aと第1警報器側無線装置20aとの有線接続が解除されてしまったとする。この場合、第1ガス警報器10aの接続発呼は第1警報器側無線装置20aに受信されないこととなる。よって、第1警報器側無線装置20aの削除事象判断部21a(
図2参照)は所定の削除事象が発生したと判断し、第1警報器側無線装置20aの削除要求送信部23a(
図2参照)は削除要求を送信することとなる。なお、第2及び第3警報器側無線装置20b,20cは、
図4に示した場合と同様に、所定の削除事象が発生していないと判断し、削除要求を送信しないこととなる。
【0050】
また、メータ側無線装置30において第1ガス警報器10aに関する削除要求が受信されることから、削除処理部31a(
図3参照)は記憶部36(
図3参照)から第1ガス警報器10aのID:Aを削除することとなる。このため、接続発呼送信部32a(
図3参照)は、第2及び第3ガス警報器10b,10cについて接続発呼を送信するものの(接続発呼B,C参照)、第1ガス警報器10aについては接続発呼を送信しないこととなる。
【0051】
これにより、ガスメータ40の削除処理部42a(
図3参照)は、所定時間にわたって接続発呼が届かない第1ガス警報器10aについて、記憶部45(
図3参照)からIDを削除することとなる。一方、接続発呼が届いている第2及び第3ガス警報器10b,10cについては、記憶部45からIDが削除されることなく(ID:B,C参照)、ガスメータ40は第2及び第3ガス警報器10b,10cが無線接続状態であると把握することができる。
【0052】
なお、メータ側無線装置30が削除要求送信部32b(
図3参照)を備える場合、削除処理部42aは、所定時間にわたって接続発呼が届かないことを確認することなく、削除要求に従って、記憶部45から第1ガス警報器10aのIDを削除することとなる。
【0053】
図6は、本実施形態に係るガス管理システム1の制御方法の概要を示す第3構成図である。
図6においては、第1警報器側無線装置20aが故障しているものとする。第1警報器側無線装置20aが故障していることから、第1ガス警報器10aとガスメータ40とは無線通信することができず、無線接続状態であるとはいえない。しかし、第1警報器側無線装置20aが故障している場合には、削除要求も送信されないこととなる。このため、メータ側無線装置30は、削除要求が届かない第1ガス警報器10aについて、接続発呼を送信し続けることとなる(接続発呼A参照)。
【0054】
図7は、本実施形態に係るガス管理システム1の制御方法の概要を示す第4構成図である。ところが、
図7に示すようにメータ側無線装置30から検索要求を送信することで上記問題が解消される。すなわち、メータ側無線装置30の検索要求送信部33a(
図3参照)は、各警報器側無線装置20に対して検索要求を送信する(検索要求A~C参照)。
【0055】
この検索要求に対して、第2及び第3警報器側無線装置20b,20cは、応答することとなる(応答B,C参照)。このため、メータ側無線装置30は、第2及び第3警報器側無線装置20b,20cを介して、第2及び第3ガス警報器10b,10cが無線接続状態であると判断する。一方、検索要求に対して、第1警報器側無線装置20aは応答できず、メータ側無線装置30は、第1ガス警報器10aが無線接続状態でないと判断する。
【0056】
このため、メータ側無線装置30の削除処理部31a(
図3参照)は記憶部36(
図3参照)から第1ガス警報器10aのID:Aを削除することとなる。よって、接続発呼送信部32a(
図3参照)は、第2及び第3ガス警報器10b,10cについて接続発呼を送信するものの(接続発呼B,C参照)、第1ガス警報器10aについては接続発呼を送信しないこととなる。
【0057】
これにより、ガスメータ40の削除処理部42a(
図3参照)は、所定時間にわたって接続発呼が届かない第1ガス警報器10aについて、記憶部45(
図3参照)からIDを削除することとなる。一方、接続発呼が届いている第2及び第3ガス警報器10b,10cについては、記憶部45からIDが削除されることなく(ID:B,C参照)、ガスメータ40は第2及び第3ガス警報器10b,10cが無線接続状態であると把握することができる。
【0058】
なお、メータ側無線装置30が削除要求送信部32b(
図3参照)を備える場合、
図5に示した場合と同様に、削除処理部42aは、所定時間にわたって接続発呼が届かないことを確認することなく、削除要求に従って、記憶部45から第1ガス警報器10aのIDを削除することとなる。
【0059】
次に、
図8~
図12を参照して、各部10,20,30,40の制御方法の詳細を説明する。
【0060】
図8は、
図2に示したガス警報器10の制御方法を示すフローチャートである。
図8に示すように、警報器側無線装置20と有線接続されるガス警報器10において、まず制御部12は、タイマー15をスタートさせる(S1)。次いで、制御部12は、タイマー15の値が所定値に到達したかを判断する(S2)。タイマー15の値が所定値に達していない場合(S2:NO)、処理はステップS5に移行する。
【0061】
タイマー15の値が所定値に達した場合(S2:YES)、接続発呼送信部14aは、警報器側無線装置20に対して接続発呼を送信する(S3)。その後、制御部12は、タイマー15を初期化し(S4)、処理はステップS5に移行する。
【0062】
ステップS5において制御部12の異常状態検知部12aは、センサ異常等の異常状態が発生しているかを判断する(S5)。異常状態が発生していない場合(S5:NO)、処理はステップS7に移行する。異常状態が発生している場合(S5:YES)、異常信号送信部14bは、警報器側無線装置20に対して異常信号を送信する(S6)。そして、処理はステップS7に移行する。
【0063】
ステップS7において制御部12は、電源がオフされているかを判断し(S7)、電源がオフされていない場合(S7:NO)、処理はステップS2に移行する。一方、電源がオフされている場合(S7:YES)、
図8に示す処理は終了する。
【0064】
図9は、
図2に示した警報器側無線装置20の制御方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、警報器側無線装置20の制御部21は、タイマー24をスタートさせる(S11)。次いで、削除事象判断部21aは、接続発呼を受信したかを判断する(S12)。接続発呼を受信した場合(S12:YES)、制御部21は、タイマー24を初期化させ(S13)、処理はステップS16に移行する。
【0065】
接続発呼を受信していない場合(S12:NO)、削除事象判断部21aは、タイマー24の値が所定値に到達したかを判断する(S14)。タイマー24の値が所定値に達していない場合(S14:NO)、処理はステップS16に移行する。
【0066】
タイマー24の値が所定値に達した場合(S14:YES)、削除事象判断部21aは、所定値に達した状態がN回連続したかを判断する(S15)。所定値に達した状態がN回連続していない場合(S15:NO)、制御部21は、タイマー24を初期化させ(S13)、処理はステップS16に移行する。
【0067】
ステップS16において削除事象判断部21aは、異常信号が受信されたかを判断する(S16)。異常信号が受信されていない場合(S16:NO)、処理はステップS18に移行する。
【0068】
一方、所定値に達した状態がN回連続した場合(S15:YES)、及び、異常信号が受信された場合(S16:YES)、削除事象判断部21aは、所定の削除事象が発生したと判断し、削除要求送信部23aは、削除要求をメータ側無線装置30に送信する(S17)。その後、処理はステップS18に移行する。
【0069】
ステップS18において制御部21は、電源がオフされているかを判断する(S18)。電源がオフされていない場合(S18:NO)、処理はステップS12に移行する。一方、電源がオフされている場合(S18:YES)、
図9に示す処理は終了する。
【0070】
図10は、
図3に示したメータ側無線装置30の制御方法を示すフローチャートである。
図10に示すように、メータ側無線装置30の制御部31は、第1タイマー34をスタートさせる(S21)。次いで、制御部31は、第1タイマー34の値が所定値に到達したかを判断する(S22)。第1タイマー34の値が所定値に達していない場合(S22:NO)、処理はステップS25に移行する。
【0071】
第1タイマー34の値が所定値に達した場合(S22:YES)、接続発呼送信部32aは、ガスメータ40に対して接続発呼を送信する(S23)。その後、制御部31は、第1タイマー34を初期化し(S24)、処理はステップS25に移行する。
【0072】
ステップS25において制御部31は、削除要求を受信したかを判断する(S25)。削除要求を受信していない場合(S25:NO)、処理はステップS28に移行する。削除要求を受信した場合(S25:YES)、削除処理部31aは、記憶部36から該当のガス警報器10のIDを削除する(S26)。その後、削除要求送信部32bは、該当のガス警報器10のIDを削除する旨の削除要求をガスメータ40に送信する(S27)。そして、処理はステップS28に移行する。
【0073】
ステップS28において制御部31は、電源がオフされているかを判断する(S28)。電源がオフされていない場合(S28:NO)、処理はステップS22に移行する。一方、電源がオフされている場合(S28:YES)、
図10に示す処理は終了する。
【0074】
図11は、
図3に示したガスメータ40の制御方法を示すフローチャートである。
図11に示すように、ガスメータ40の制御部42は、タイマー44をスタートさせる(S31)。次いで、制御部42は、削除要求を受信したかを判断する(S32)。削除要求が受信された場合(S32:YES)、処理はステップS37に移行する。
【0075】
削除要求が受信されていない場合(S32:NO)、制御部42は、接続発呼を受信したかを判断する(S33)。接続発呼が受信された場合(S33:YES)、制御部42は、タイマー44を初期化させ(S34)、処理はステップS38に移行する。
【0076】
接続発呼が受信されていない場合(S33:NO)、制御部42は、タイマー44の値が所定値に到達したかを判断する(S35)。タイマー44の値が所定値に達していない場合(S35:NO)、処理はステップS38に移行する。
【0077】
タイマー44の値が所定値に達した場合(S35:YES)、制御部42は、所定値に達した状態がN回連続したかを判断する(S36)。所定値に達した状態がN回連続していない場合(S36:NO)、制御部42は、タイマー44を初期化させ(S34)、処理はステップS38に移行する。
【0078】
所定値に達した状態がN回連続した場合(S36:YES)、削除処理部42aは、接続発呼が届かないこと、又は、削除要求に基づいて、記憶部45から該当のガス警報器10のIDを削除する(S37)。そして、処理はステップS38に移行する。
【0079】
ステップS38において制御部42は、電源がオフされているかを判断する(S38)。電源がオフされていない場合(S38:NO)、処理はステップS32に移行する。一方、電源がオフされている場合(S38:YES)、
図11に示す処理は終了する。
【0080】
図12は、
図3に示したメータ側無線装置30の制御方法を示す第2のフローチャートである。
図12に示すように、メータ側無線装置30の制御部31は、第2タイマー35をスタートさせる(S41)。次いで、制御部31は、第2タイマー35の値が所定値に到達したかを判断する(S42)。第2タイマー35の値が所定値に達していない場合(S42:NO)、処理はステップS45に移行する。
【0081】
第2タイマー35の値が所定値に達した場合(S42:YES)、検索要求送信部33aは、警報器側無線装置20に対して検索要求を送信する(S43)。その後、制御部31は、第2タイマー35を初期化し(S44)、処理はステップS45に移行する。
【0082】
ステップS45において制御部31は、所定の応答があったかを判断する(S45)。所定の応答があった場合(S45:YES)、処理はステップS48に移行する。所定の応答がなかった場合(S45:NO)、削除要求送信部32bは、該当のガス警報器10のIDを削除する旨の削除要求をガスメータ40に送信する(S46)。その後、削除処理部31aは、記憶部36から該当のガス警報器10のIDを削除する(S47)。そして、処理はステップS48に移行する。
【0083】
ステップS48において制御部31は、電源がオフされているかを判断する(S48)。電源がオフされていない場合(S48:NO)、処理はステップS42に移行する。一方、電源がオフされている場合(S48:YES)、
図12に示す処理は終了する。
【0084】
このようにして、本実施形態に係る無線システムWS及びガス管理システム1によれば、警報器側無線装置20は、削除要求についてメータ側無線装置30に送信するものの、接続発呼をメータ側無線装置30に送信しないため、接続発呼の無線通信による電力の消費が抑えられることとなる。また、メータ側無線装置30は削除要求を受信するまでは、ガス警報器10とガスメータ40とが無線接続状態であるとの前提のもとガスメータ40に対して接続発呼を行うため、接続発呼が無線通信されないことによりガスメータ40においてガス警報器10のIDが削除されてしまうことが防止されることとなる。従って、ガスメータ40側において無線接続状態のガス警報器10のIDが削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制することができる。
【0085】
また、警報器側無線装置20は、ガス警報器10から送信される接続発呼を受信できない場合、所定の削除事象の発生時であると判断し削除要求を送信するため、ガス警報器10が取り外されてしまった等の可能性が高い場合に、削除要求をすることができ、適切な削除要求をすることができる。
【0086】
また、メータ側無線装置30は、無線接続状態であるガス警報器10のIDを記憶した記憶部36を備え、削除要求を受信すると記憶部36から当該削除要求に該当するIDを削除する。このため、メータ側無線装置30は、削除要求に該当するIDのガス警報器10について、以後、接続発呼しないようにすることができる。また、メータ側無線装置30は、削除要求送信部32bを備え、警報器側無線装置20から削除要求を受信すると削除要求をガスメータ40にも送信するため、ガスメータ40は接続発呼が届かないことを確認してからIDを削除するという手順を行うことなく、メータ側無線装置30からの削除要求に応じて素早くIDを削除することができる。
【0087】
また、検索要求を送信し所定の応答がない場合、IDを削除するため、例えば警報器側無線装置20が故障しており、そもそも削除要求が送信されないような場合であっても、メータ側無線装置30からの問い合わせによって無線接続状態でないことを確認することができる。
【0088】
また、本実施形態に係る警報器側無線装置20及びメータ側無線装置30によれば、ガスメータ40側において無線接続状態のガス警報器10のIDが削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制することができる無線システムWSの提供に貢献することができる。
【0089】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係るガス管理システム2は第1実施形態のものと同様であるが、第1実施形態のものと一部構成が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0090】
図13は、第2実施形態に係るガス管理システムの構成図である。
図13に示すように、第2実施形態に係るガス管理システム2は、複数のガス警報器50と、ガスメータ60とを備えている。第2実施形態においては、第1実施形態に示した警報器側無線装置20及びメータ側無線装置30に相当する構成(後述の符号52,61参照)がガス警報器50及びガスメータ60に内蔵されている。この内蔵される構成によって無線システムWS(
図14及び
図15参照)が構築されている。
【0091】
図14は、
図13に示したガス警報器50の構成を示すブロック図である。第2実施形態に係るガス警報器50は、
図14に示すように、ガス警報機能部51と、無線機能部(警報器側無線装置)52とを備えている。
【0092】
ガス警報機能部51は、ガスセンサ51a、制御部51b、報知部51c、通信部51d、タイマー51e及び記憶部51fを備えている。制御部51bは異常状態検知部51b1を備えている。通信部51dは、接続発呼送信部51d1及び異常信号送信部51d2を備えている。ここで、ガスセンサ51a、制御部51b、報知部51c、タイマー51e及び記憶部51fは、
図2に示したガスセンサ11、制御部12、報知部13、タイマー15及び記憶部16と同じである。また、第2実施形態に係る通信部51dは、通信相手が無線機能部52である点を除き、
図2に示した通信部14と同じものである。この通信部51dは、接続発呼及び異常信号を無線機能部52に送信する。
【0093】
また、無線機能部52は、制御部52a、第1通信部52b、第2通信部52c、タイマー52d、及び記憶部52eを備えている。制御部52aは、削除事象判断部52a1を備えている。また、第2通信部52cは、削除要求送信部52c1を備えている。ここで、制御部52a、タイマー52d、及び記憶部52eは、
図2に示した制御部21、タイマー24、及び記憶部25と同じである。また、第2実施形態に係る第1通信部52bは、通信相手がガス警報機能部51である点を除き、
図2に示した第1通信部22と同じものである。第2通信部52cは、通信相手が後述の無線機能部61である点を除き、
図2に示した第2通信部23と同じものである。第2実施形態において第1通信部52bは、ガス警報機能部51から接続発呼及び異常信号を受信し、第2通信部52cは削除要求を後述の無線機能部61に送信する。
【0094】
図15は、
図13に示したガスメータ60の構成を示すブロック図である。第2実施形態に係るガスメータ60は、
図15に示すように、無線機能部(メータ側無線装置)61と、メータ機能部62とを備えている。
【0095】
無線機能部61は、制御部61a、第1通信部61b、第2通信部61c、第1タイマー61d、第2タイマー61e及び記憶部(記憶手段)61fを備えている。制御部61aは、削除処理部61a1を備えている。第1通信部61bは、接続発呼送信部61b1、及び削除要求送信部61b2を備えている。第2通信部61cは、検索要求送信部61c1を備えている。制御部61a、第1タイマー61d、第2タイマー61e及び記憶部61fは、
図3に示した制御部31、第1タイマー34、第2タイマー35及び記憶部36と同じである。また、第2実施形態に係る第1通信部61bは、通信相手がメータ機能部62である点を除き、
図3に示した第1通信部32と同じものである。第2通信部61cは、通信相手がガス警報器50の無線機能部52である点を除き、
図3に示した第2通信部33と同じものである。第2実施形態において第1通信部61bは、メータ機能部62に接続発呼及び削除要求を送信し、第2通信部61cはガス警報器50の無線機能部52に検索要求を送信する。
【0096】
メータ機能部62は、流量計測部62a、制御部62b、通信部62c、タイマー62d、及び記憶部62eを備えている。流量計測部62a、制御部62b、タイマー62d、及び記憶部62eは、
図3に示した流量計測部41、制御部42、タイマー44、及び記憶部45と同じである。また、第2実施形態に係る通信部62cは、通信相手が無線機能部61である点を除き、
図3に示した通信部43と同じものである。この通信部62cは、無線機能部61から接続発呼及び削除要求を受信する。
【0097】
このような第2実施形態に係るガス管理システム2は、第1実施形態と同様に、ガス警報機能部51からの接続発呼を無線機能部52にて受信するが、無線機能部52はガスメータ60の無線機能部61に接続発呼を送信しない。その一方で、ガス警報器50の無線機能部52は、ガス警報機能部51から接続発呼を受信できなくなったり異常信号を受信したりした場合、ガスメータ60の無線機能部61に削除要求を送信する。また、ガスメータ60の無線機能部61は、ガス警報器50の無線機能部52から削除要求が届かない限りは、メータ機能部62に接続発呼を行う。
【0098】
なお、第2実施形態に係る処理は、
図8~
図12に示したものと同様である。
【0099】
このようにして、第2実施形態に係る無線システムWS、ガス管理システム2、及び無線機能部52,61によれば、第1実施形態と同様に、ガスメータ60側において無線接続状態のガス警報器50のIDが削除されることを防止しつつ、接続発呼に関する電力消費量を抑制すること等ができる。
【0100】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜実施形態同士の技術や他の技術を組み合わせてもよい。
【0101】
例えば第1記実施形態においてガス警報器10と警報器側無線装置20とは有線接続されているが、これに限らず、コネクタ同士を接続する等、信号線を介さないで外部接続されていてもよい。メータ側無線装置30とガスメータ40とについても同様である。
【0102】
さらに、上記実施形態において、警報器側無線装置20及び無線機能部52は、無線にて接続発呼を送信しない構成となっているが、一時的に接続発呼する時間を設けてもよい。例えば従来20回の接続発呼を送信するところ、4回中3回は送信せず1回だけ送信するような、間引く処理を行ってもよい。この場合においても、「接続発呼をメータ側無線装置30に送信しない」という期間を設けたことに変わりなく、消費電力が削減されるからである。
【0103】
また、上記において各タイマー15,24,34,44,51e,52d,61d,62dは全て所定時間を計時するものであるが、特にこれに限らず、いずれか1つ以上が所定時間を計時するものでなくともよい。例えばガス警報器10が10分に1回接続発呼を送信する場合、タイマー15は10分を計時することとなる。一方、警報器側無線装置20は10分内に接続発呼を受信しない状態が2回連続したときに所定の削除事象が発生したと判断する場合、タイマー24も10分を計時するものとなる。この場合、警報器側無線装置20は、タイマー24が20分を計時して1回も接続発呼を受信しない場合に所定の削除事象が発生したと判断するものでもよい。
【0104】
加えて、各タイマー15,24,34,44,51e,52d,61d,62dは、同期されている必要もない。さらに、各タイマー15,24,34,35,44,51e,52d,61d,61e,62dは、カウントアップ式であってもよいし、カウントダウン式のものであってもよい。
【0105】
さらに、上記実施形態においてメータ側無線装置30又は無線機能部61が削除要求送信部32b,61b2を備え、ガスメータ40又はメータ機能部62に対して削除要求した場合、ガスメータ40又はメータ機能部62において適切に削除されたか確認すべく、記憶部45,52e内において無線接続状態であると管理されるIDを返信するよう要求してもよい。
【0106】
また、第2実施形態においてガス警報機能部51は無線機能部52に対して接続発呼を行うが、これに限らず、可能であれば接続発呼を行わなくともよい。例えば第2実施形態においてガス警報機能部51及び無線機能部52は、共にガス警報器50に内蔵されている。このため、両者の接続が確保されている可能性が極めて高く、第1実施形態と比較すると接続を確認するため接続発呼を行う必要性が小さいからである。また、この点は、ガスメータ60においても同様である。
【符号の説明】
【0107】
1,2 :ガス管理システム
10 :ガス警報器
16 :記憶部
20 :警報器側無線装置
21a :削除事象判断部
22 :第1通信部
23 :第2通信部
23a :削除要求送信部
25 :記憶部
30 :メータ側無線装置
31a :削除処理部
32 :第1通信部
32a :接続発呼送信部
32b :削除要求送信部
33 :第2通信部
33a :検索要求送信部
36 :記憶部(記憶手段)
40 :ガスメータ
50 :ガス警報器
51 :ガス警報機能部
51f :記憶部
52 :無線機能部(警報器側無線装置)
52a :制御部
52a1:削除事象判断部
52b :第1通信部
52c :第2通信部
52c1:削除要求送信部
52e :記憶部
60 :ガスメータ
61 :無線機能部(メータ側無線装置)
61a1:削除処理部
61b :第1通信部
61b1:接続発呼送信部
61b2:削除要求送信部
61c :第2通信部
61c1:検索要求送信部
61f :記憶部(記憶手段)
62 :メータ機能部
WS :無線システム