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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072162
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】屋外用照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20240520BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240520BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240520BHJP
【FI】
F21S8/08 120
F21V23/00 150
F21S8/08 200
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182864
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000123608
【氏名又は名称】かがつう株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】河上 亮大
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014DA05
3K014DA08
(57)【要約】
【課題】LED基板において発生する熱による電子部品の劣化を防止することができる技術を提供する。
【解決手段】ポールの先端に取り付けられる屋外用照明器具であって、前記ポールの先端が挿入されるポール受け部と、前記ポール受け部が貫通するための孔が略中央に設けられ、発光素子が搭載された複数の発光素子基板が下面の前記孔の周囲に配置された円形又は多角形の取付板と、を備え、前記複数の発光素子基板のそれぞれに電源を供給する複数の電源基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されていることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールの先端に取り付けられる屋外用照明器具であって、
前記ポールの先端が挿入されるポール受け部と、
前記ポール受け部が貫通するための孔が略中央に設けられ、発光素子が搭載された複数の発光素子基板が下面の前記孔の周囲に配置された円形又は多角形の取付板と、を備え、
前記複数の発光素子基板のそれぞれに電源を供給する複数の電源基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されていることを特徴とする、
屋外用照明器具。
【請求項2】
前記取付板が地面に対して略平行に設置され、前記複数の発光素子基板と前記複数の電源基板とが鉛直方向において重ならないように前記取付板の上面又は下面においてそれぞれ配置されている請求項1記載の屋外用照明器具。
【請求項3】
前記取付板が地面に対して略平行に設置され、前記複数の発光素子基板と前記複数の電源基板とが鉛直方向において一部分のみが重なるように前記取付板の上面又は下面においてそれぞれ配置されている請求項1記載の屋外用照明器具。
【請求項4】
前記複数の電源基板は、前記取付板の下面において前記複数の発光素子基板のいずれもが配置されていない領域と反対側の上面の領域上にそれぞれ配置されている請求項1記載の屋外用照明器具。
【請求項5】
前記発光素子を発光させるために用いられる電子部品が搭載された電子部品搭載基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されている請求項1記載の屋外用照明器具。
【請求項6】
前記複数の発光素子基板は、搭載された発光素子により発光された光束が自器具の全周囲方向に広がるように前記取付板上に略等間隔で配置されている請求項1から5のいずれか1項記載の屋外用照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外の被照明部を照明する屋外用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具として、発光ダイオード(以下、LEDと記す)を光源として用いる照明器具が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、半導体発光素子からなる光源部と、前記光源部に電力を供給する電源部と、下面に前記光源部及び上面に前記電源部を保持する平面状の保持体と、前記保持体の略中央部に、天井に取り付けられた被取付け部材に前記保持体を取り付けるアダプタ部とを有する照明器具において、前記電源部が前記保持体の上面側に配置され前記電源部の厚さが前記被取付け部材の厚さ以下であることに特徴を有する照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-161649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような特許文献1に開示された照明器具では、LED基板と電源基板が鉛直方向において重なるように配置されているため、LED基板において発生する熱により電源基板に搭載された電子部品が劣化してしまう場合がある。
【0006】
また、公園灯等のように屋外に設置される照明器具は、防犯上、例えば日没から日の出までの長時間、継続的に周囲を照らすという目的があるが、照明器具を継続的に用いた場合に、LED基板と電源基板の配置によっては、LED基板において発生する熱により電源基板に搭載された電子部品が劣化してしまう場合がある。
【0007】
本発明の目的は、LED基板において発生する熱による電子部品の劣化を防止することができる屋外用照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明の屋外用照明器具は、ポールの先端に取り付けられる屋外用照明器具であって、前記ポールの先端が挿入されるポール受け部と、前記ポール受け部が貫通するための孔が略中央に設けられ、発光素子が搭載された複数の発光素子基板が下面の前記孔の周囲に配置された円形又は多角形の取付板と、を備え、前記複数の発光素子基板のそれぞれに電源を供給する複数の電源基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明の屋外用照明器具は、上記第1の本発明において、前記取付板が地面に対して略平行に設置され、前記複数の発光素子基板と前記複数の電源基板とが鉛直方向において重ならないように前記取付板の上面又は下面においてそれぞれ配置されている。
【0010】
第3の本発明の屋外用照明器具は、上記第1の本発明において、前記取付板が地面に対して略平行に設置され、前記複数の発光素子基板と前記複数の電源基板とが鉛直方向において一部分のみが重なるように前記取付板の上面又は下面においてそれぞれ配置されている。
【0011】
第4の本発明の屋外用照明器具は、上記第1の本発明において、前記複数の電源基板は、前記取付板の下面において前記複数の発光素子基板のいずれもが配置されていない領域と反対側の上面の領域上にそれぞれ配置されている。
【0012】
第5の本発明の屋外用照明器具は、上記第1の本発明において、前記発光素子を発光させるために用いられる電子部品が搭載された電子部品搭載基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されている。
【0013】
第6の本発明の屋外用照明器具は、上記第1~第5のいずれかの本発明において、前記複数の発光素子基板は、搭載された発光素子により発光された光束が自器具の全周囲方向に広がるように前記取付板上に略等間隔で配置されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、LED基板において発生する熱による電子部品の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る屋外用照明器具を示す図である。
図2図2(A)は、本発明に係る屋外用照明器具を上方から見た斜視図であり、図2(B)は、本発明に係る屋外用照明器具を下方から見た斜視図である。
図3図3は、本発明に係る屋外用照明器具の断面図である。
図4図4(A)は、本発明に係る屋外用照明器具をポールに設置した状態の正面図であり、図4(B)は、本発明に係る屋外用照明器具をポールに設置した状態で下方から見た斜視図である。
図5図5は、本発明に係る屋外用照明器具の上部カバーを外した状態を示す上面図である。
図6図6は、本発明に係る屋外用照明器具における電源基板とLED基板の配置を説明するための図である。
図7図7は、本発明に係る屋外用照明器具における電源基板とLED基板の配置を説明するための図である。
図8図8は、本発明に係る屋外用照明器具における電源基板とLED基板の配置の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る屋外用照明器具の一つの形態は、ポールの先端に取り付けられる屋外用照明器具であって、前記ポールの先端が挿入されるポール受け部と、前記ポール受け部が貫通するための孔が略中央に設けられ、発光素子が搭載された複数の発光素子基板が下面の前記孔の周囲に配置された円形又は多角形の取付板と、を備え、前記複数の発光素子基板のそれぞれに電源を供給する複数の電源基板が、前記取付板の前記複数の発光素子基板が配置されていない側の上面の前記孔の周囲に、前記複数の発光素子基板が下面において配置されている場所を避けるように配置されていることを特徴とするものである。
以下、図面を参照してその具体的な実施形態を説明する。
【0017】
本発明に係る屋外用照明器具1(以下、照明器具1と称す)は、図1図3等に示すように、ポールの先端に取り付けられる照明器具1であって、照明部10と、ポールの先端が挿入されるポール受け部としてのホルダ12と、を有する。
【0018】
照明部10は、透光性カバーであるグローブ14と、グローブ14の上部に設けられる上部カバー16と、を有する。グローブ14は、例えば樹脂で構成され、透光性及び光拡散性を有している。グローブ14の中心には、ホルダ12の一部を貫通させる開口部14aが形成されている。
【0019】
ホルダ12は筒状である。ホルダ12の周囲には、略等間隔に、外周側に突出する突出部12aが形成されている。突出部12aは、それぞれホルダ12の内側面18aから外周側に突出する内側面18eを有する。また、突出部12aは、グローブ14側である上方よりも下方のほうが側面の肉厚が薄く構成されている。
【0020】
また、突出部12aの上面には、グローブ14の開口部14aの周囲を保持する保持部30が形成されている。保持部30には、グローブ14がねじ止めされる。すなわち、グローブ14は、保持部30で保持された状態で、ねじ止めされて固定される。
【0021】
ホルダ12の内側の上方には、挿入されたポールを支持するための複数の段差部が形成されている。具体的には、ホルダ12の内側には、外側から順に、段差部20a、段差部20b、段差部20c及び段差部20dが形成されている。段差部20aと段差部20dが、同等の高さである。また、段差部20bと段差部20dが、同等の高さであり、段差部20aと段差部20dよりも上方に配置されている。
【0022】
このように段差部20a~20dを、外側2段と内側2段の4段構成とし、それぞれの高さ位置を上面19aと上面19bの2段階に構成することにより、複数径のポール22に対応させて照明器具1を固定することができる。
【0023】
また、ホルダ12の内側中心の、段差部20a~20dの下方に形成された上面19cには、ポール22内に設けられた電力供給部に接続される電源線固定金具24が固定されている。
【0024】
ホルダ12の側面には、ポール22の径が所定の径以下の場合に用いる固定部26aと、ポール22の径が所定の径より大きい場合に用いる固定部26bと、を有する。固定部26aは、突出部12aのない箇所に設けられ、固定部26bは、突出部12aに設けられる。すなわち、固定部26bは、固定部26aよりも外周側に突出した位置に設けられる。固定部26aと固定部26bは、それぞれ3つ設けられ、略同一径上において、交互に、略等間隔に設けられる。
【0025】
また、ホルダ12の、保持部30の上方の外側面には、段差状の取付部32が形成されている。取付部32には、取付板34が固定されている。取付板34は、詳細には後述するが、例えば円形又は多角形の板状で、略中央にはホルダ12の上部を貫通させるための孔34aが形成されている。取付板34の上面には、2つの電源基板38が固定されている。電源基板38は、それぞれ電源線固定金具24を介して電力供給部から供給された交流電圧を直流電圧に変換するための部品等が搭載されている。また、取付板34の下面には、取付板40が固定されている。取付板40の下面には、発光素子であるLED42が複数搭載されたLED基板44がねじ止めされて固定されている。
【0026】
グローブ14の開口部14aにホルダ12を挿入し、ホルダ12の保持部30にグローブ14をねじ止めする。そして、電源基板38とLED基板44が固定された取付板34をホルダ12の取付部32にねじ止めする。そして、グローブ14の上部に上部カバー16を装着して、上部カバー16の中央付近に形成されたねじ孔にねじを貫通させてホルダ12の突起部45にそれぞれねじ止めするように構成されている。これにより、電源基板38とLED基板44は、照明部10内に収容される。
【0027】
図4(A)及び図4(B)は、ポール22に、照明器具1が設置されている状態を示す図である。図4(A)及び図4(B)は、照明器具1を、固定部26bによりポール22に固定した状態を示している。図4(A)及び図4(B)に示すように、照明器具1は、複数径のポール22に対応して、複数径のポール22の先端に装着して用いられる。
【0028】
次に、取付板34における電源基板38とLED基板44の配置例について、図5図7を用いて詳述する。図5は、照明器具1の上部カバー16を外した状態を示す上面図である。また、図6は、取付板34の水平方向における電源基板38とLED基板44の配置関係を示す図であり、図7は、取付板34の鉛直方向における電源基板38とLED基板44の配置関係を示す図である。
【0029】
取付板34は、上述したように円形又は多角形の板状である。取付板34の略中央には、ホルダ12の上部を貫通させるための孔34aが形成されている。孔34aは、円形又は多角形状である。ここで、図5においては、取付板34として、外形が多角形の板状で、略中心に多角形状の孔34aが形成された例を示し、図6においては、取付板34として、外形が円形の板状で、略中心に円形状の孔34aが形成された例を示している。なお、外形と孔の形状をそれぞれ組み合わせた構成であってもよい。
【0030】
取付板34の上面の、孔34aの周囲には、複数のLED42が搭載されたLED基板44のそれぞれに電源を供給する2つの電源基板38が固定されている。
【0031】
また、取付板34の下面の、孔34aの周囲には、複数のLED42が搭載された3つのLED基板44が固定されている。LED基板44は、搭載されたLED42により発光された光束が自器具の全周囲方向に広がるように、略等間隔で、例えば120度間隔で配置されている。
【0032】
すなわち、図6に示すように、LED基板44は、電源基板38が配置されていない領域の裏面側に配置されている。つまり、2つの電源基板38が、取付板34の上面の孔34aの周囲に、取付板34の下面においてLED基板44が配置されていない領域に、LED基板44が下面において配置されている場所を避けるように配置されている。すなわち、電源基板38は、LED基板44が配置されている領域の上面側に配置しないように配置されている。
【0033】
つまり、取付板34が地面に対して略平行に設置され、LED基板44と電源基板38とが鉛直方向においてそれぞれ重ならないように配置されている。すなわち、電源基板38は、取付板34の下面においてLED基板44のいずれもが配置されていない領域と反対側の上面の領域上にそれぞれ配置されている。
【0034】
また、取付板34の上面の、下面においてLED基板44が配置されていない領域の孔34aの周囲には、耐雷基板、ノイズフィルタ、ハーネス中継基板等の、LED42を発光させるために用いられる電子部品が搭載された電子部品搭載基板39が配置されている。すなわち、電子部品搭載基板39は、取付板34の、下面においてLED基板44が配置されていない領域の上面の孔34aの周囲に、LED基板44が下面において配置されている場所を避けるように配置されている。
【0035】
つまり、取付板34の下面の孔34aの周囲に、略等間隔であって、例えば120度間隔に、3つのLED基板44が配置され、取付板34の孔34aの周囲の、下面におけるLED基板44間の上面に2つの電源基板38と電子部品搭載基板39がそれぞれ等間隔に配置されている。
【0036】
以上のように、取付板34に対して、電源基板38と電子部品搭載基板39を上面に、LED基板44を下面にそれぞれ配置し、鉛直方向において重ならないように構成することにより、電源基板38等を、LED基板44の鉛直方向上方に配置する場合と比較して、LED基板44において発生する熱が、電源基板38等に伝わりにくくなる。これにより、LED42において発生する熱による電子部品の劣化を防止することができる。
【0037】
次に、取付板34における電源基板38とLED基板44の配置の変形例について、図8を用いて説明する。
【0038】
図8に示すように、取付板34の下面の半分の、孔34aの周囲に略等間隔であって、例えば60度間隔に、3つのLED基板44が配置される。そして、取付板34の上面の半分の、孔34aの周囲の、下面においてLED基板44が配置されていない領域に2つの電源基板38と電子部品搭載基板39が配置されている。
【0039】
本変形例においても、取付板34に対して、電源基板38と電子部品搭載基板39を上面に、LED基板44を下面にそれぞれ配置し、鉛直方向において重ならないように構成することにより、電源基板38等を、LED基板44の鉛直方向上方に配置する場合と比較して、LED基板44において発生する熱である放熱による電子部品の劣化を防止することができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、取付板34が地面に対して略平行に設置され、複数のLED基板44と複数の電源基板38と電子部品搭載基板39が鉛直方向において重ならない場合を例にして説明したが、これに限らず、取付板34が地面に対して略平行に設置され、LED基板44と電源基板38とが鉛直方向において一部分のみが重なるように取付板34の上面又は下面においてそれぞれ配置されるようにしてもよい。
【0041】
また、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で変更可能な技術範囲を包含するものである。
【符号の説明】
【0042】
1 照明器具
10 照明部
12 ホルダ(ポール受け部)
14 グローブ(透光性カバー)
16 上部カバー
22 ポール
24 電源線固定金具
30 保持部
32 取付部
34、40 取付板
38 電源基板
39 電子部品搭載基板
42 LED
44 LED基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8