(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072163
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】使用済イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置
(51)【国際特許分類】
G21F 9/30 20060101AFI20240520BHJP
G21F 9/00 20060101ALI20240520BHJP
B09B 3/50 20220101ALI20240520BHJP
【FI】
G21F9/30 571F
G21F9/30 531E
G21F9/00 Z
G21F9/30 571Z
B09B3/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182865
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 紘子
(72)【発明者】
【氏名】山田 昂
(72)【発明者】
【氏名】岡部 寛史
(72)【発明者】
【氏名】柳生 基茂
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA06
4D004AB09
4D004CA04
4D004CA43
4D004CB13
(57)【要約】
【課題】装置構成が簡易で、二次廃棄物発生量の少ない使用済イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】使用済みイオン交換樹脂を処理する使用済みイオン交換樹脂の処理方法であって、前記使用済みイオン交換樹脂に、大気圧非平衡プラズマを照射する工程を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みイオン交換樹脂を処理する使用済みイオン交換樹脂の処理方法であって、
前記使用済みイオン交換樹脂に、大気圧非平衡プラズマを照射する大気圧非平衡プラズマ照射工程を有することを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の処理方法。
【請求項2】
前記大気圧非平衡プラズマ照射工程の前に、前記使用済みイオン交換樹脂を、細粒化する粉砕処理工程を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理方法。
【請求項3】
前記粉砕処理工程と、前記大気圧非平衡プラズマ照射工程の間に、細粒化された前記使用済みイオン交換樹脂に所定の液体を含侵させる含侵処理工程を有することを特徴とする請求項2に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理方法。
【請求項4】
前記大気圧非平衡プラズマ照射工程の前に、前記使用済みイオン交換樹脂を、所定形状に成型する成型処理工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理方法。
【請求項5】
前記成型処理工程において、前記用済みイオン交換樹脂を、シート状、又は表面に凹凸を有するシート状、又はペレット状に成型することを特徴とする請求項4に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理方法。
【請求項6】
使用済みイオン交換樹脂を処理する使用済みイオン交換樹脂の処理装置であって、
大気圧非平衡プラズマを発生させる大気圧非平衡プラズマ発生機構と、
内部に収容した前記使用済みイオン交換樹脂に、前記大気圧非平衡プラズマ発生機構で発生させた前記大気圧非平衡プラズマを照射する大気圧非平衡プラズマ照射部と、
を具備したことを特徴とする使用済みイオン交換樹脂の処理装置。
【請求項7】
前記使用済みイオン交換樹脂を収容する使用済みイオン交換樹脂貯槽と、
前記使用済みイオン交換樹脂貯槽から、前記大気圧非平衡プラズマ照射部に、前記使用済みイオン交換樹脂を移送する移送ラインと、
前記大気圧非平衡プラズマ照射部にて生じた使用済みイオン交換樹脂残渣を収容する残渣回収部と、
前記大気圧非平衡プラズマ照射部にて生じた分解ガスを処理する排ガス処理機構と、
を具備したことを特徴とする請求項6に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理装置。
【請求項8】
前記大気圧非平衡プラズマ発生機構において、所定形状に成型した使用済みイオン交換樹脂を、バリア放電の誘電体として使用することを特徴とする請求項6又は7に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理装置。
【請求項9】
前記大気圧非平衡プラズマ照射部に、温度制御機構を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理装置。
【請求項10】
前記大気圧非平衡プラズマ照射部に、放射線量監視部を有することを特徴とする請求項9に記載の使用済みイオン交換樹脂の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、使用済イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所において、炉水浄化系や廃液処理系などの浄化設備でイオン交換樹脂が使用されている。このような浄化設備で使用された使用済みイオン交換樹脂は、放射性物質を吸着しており、放射能濃度が高いため、安全、安価な処理技術が求められている。使用済みイオン交換樹脂の処理方法としては、超臨界水による完全無機化方法や、吸着した元素を部分的に分離する方法、誘導結合プラズマ(ICP)や熱プラズマを利用する方法(特許文献1、特許文献2)等の処理技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4032606号公報
【特許文献2】特許第4403240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、超臨界水による完全無機化方法では、高温高圧条件が必要であるため、大規模な装置が必要になるという課題がある。また、吸着した元素を部分的に分離する方法では、樹脂処理後に二次廃棄物として廃液が発生し、更なる処理を行う必要があるなど処理費用が高くなるという課題がある。また、誘導結合プラズマ(ICP)や熱プラズマを利用する方法では、高温で処理するため放射性核種や腐食性のガスが揮発してしまい、排ガス処理が必要となり処理費用が高くなるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記した従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、装置構成が簡易で、二次廃棄物発生量の少ない使用済イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の使用済イオン交換樹脂の処理方法は、使用済みイオン交換樹脂を処理する使用済みイオン交換樹脂の処理方法であって、前記使用済みイオン交換樹脂に、大気圧非平衡プラズマを照射する工程を有することを特徴とする。
【0007】
実施形態の使用済イオン交換樹脂の処理装置は、使用済みイオン交換樹脂を処理する使用済みイオン交換樹脂の処理装置であって、大気圧非平衡プラズマを発生させる大気圧非平衡プラズマ発生機構と、内部に収容した前記使用済みイオン交換樹脂に、前記大気圧非平衡プラズマ発生機構で発生させた前記大気圧非平衡プラズマを照射する大気圧非平衡プラズマ照射部と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置構成が簡易で、二次廃棄物発生量の少ない使用済イオン交換樹脂の処理方法及び処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図。
【
図2】第1実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理装置の概略構成を模式的に示す図。
【
図3】第2実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図。
【
図4】第3実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図。
【
図5】第4実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図。
【
図6】第4実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の成型形状をシート状とした例を模式的に示す図。
【
図7】第4実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の成型形状をシート状かつ表面に凹凸を付けた例を示す図。
【
図8】第4実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の成型形状をペレット状とした例を模式的に示す図。
【
図9】
図2の使用済みイオン交換樹脂の処理装置の変形例の概略構成を模式的に示す図。
【
図10】
図9の使用済みイオン交換樹脂の処理装置の変形例の概略構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理方法及び処理装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態では、原子力発電所の炉水浄化系や廃液処理系等の浄化設備において使用され、放射性物質が吸着した使用済みイオン交換樹脂の処理について説明するが、放射性物質以外の重金属元素等が吸着した使用済みイオン交換樹脂の処理についても同様にして適用することができる。
【0011】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理方法及び処理装置について
図1、
図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図であり、
図2は、本実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理装置の概略構成を模式的に示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態では、放射性物質をイオン交換した使用済みイオン交換樹脂101に、大気圧非平衡プラズマ照射102を行う。この大気圧非平衡プラズマは、電子温度のみが高温(例えば、数万℃以上)であるのに対し、イオン温度やガス温度が常温程度となるプラズマであり、空気等のガス雰囲気下において、電気的なエネルギーを印加することにより発生させることができる。この場合、例えば、グロー放電プラズマ、バリア放電プラズマ、アーク放電プラズマ、高周波誘導プラズマ、コロナプラズマ等のプラズマを利用することができる。
【0013】
図2に示すように、使用済みイオン交換樹脂の処理装置は、使用済みイオン交換樹脂貯槽1、大気圧非平衡プラズマ発生装置3、大気圧非平衡プラズマ照射部4、残渣回収部5、排ガス処理装置6、及び、使用済みイオン交換樹脂貯槽1、大気圧非平衡プラズマ照射部4、残渣回収部5を接続する移送ライン2等から構成されている。移送ライン2は、例えば、スクリューコンベア、ベルトコンベア等の物理的に使用済みイオン交換樹脂101及びその残渣を移送する搬送機構から構成される。
【0014】
使用済みイオン交換樹脂貯槽1から、移送ライン2により大気圧非平衡プラズマ照射部4に移送された使用済みイオン交換樹脂は、ここで、大気圧非平衡プラズマ発生装置3によって発生させた大気圧非平衡プラズマが照射される。大気圧非平衡プラズマ発生装置3では、所定のガス、例えば、空気や空気に他のガスを添加したガス等が流される。これにより、ガスに含まれる酸素などのガス分子が励起され、オゾンやヒドロキシラジカルなどの活性種が生成し、使用済みイオン交換樹脂101がこのガスに含まれる活性種と接触する。
【0015】
このため、
図1に示すように、使用済みイオン交換樹脂101は、所定時間の大気圧非平衡プラズマ照射102によって、使用済みイオン交換樹脂残渣103と分解ガス104とに分かれる。使用済みイオン交換樹脂残渣103は、
図2の移送ライン2により残渣回収部5に移送され、処分される。一方、分解ガス104は、排ガス処理装置6に回収され、無害化される。
【0016】
上記の使用済みイオン交換樹脂101への大気圧非平衡プラズマ照射102では、上述したオゾンやヒドロキシラジカルなどの活性種が作用し、使用済みイオン交換樹脂101を構成する炭素結合やイオン交換基の結合が切断される。使用済みイオン交換樹脂101からはイオン交換基や放射性物質が脱離し、ガス成分として二酸化炭素等が発生する。
【0017】
以上のように、第1実施形態によれば、高温、高圧、高真空を必要とする装置等を用いずに、構成の簡易な装置を用いることができ、使用済みイオン交換樹脂101に大気圧非平衡プラズマ照射102が実行され、使用済みイオン交換樹脂101からイオン交換基や放射性物質が脱離し、使用済みイオン交換樹脂101の減容または放射線量を低減することができる。
【0018】
また、一般に、使用済みイオン交換樹脂101の樹脂は、その結合が強固で、圧縮による減容を行おうとすると樹脂によるスプリングバックにより減容に限界があるが、樹脂の結合を大気圧非平衡プラズマ照射102によって切断することにより、樹脂によるスプリングバックを抑制することができ、圧縮による廃棄物の減容が容易となる。また、結合の切断により放射性物質が分離されると使用済みイオン交換樹脂残渣103の放射線量が下がり、処理費用を低減することができる。なお、場合によっては、使用済みイオン交換樹脂残渣103を、放射能の高い残渣と、低い残渣とに分離して夫々別々に処分することもできる。
【0019】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理方法について
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図である。
【0020】
図3に示すように、本実施形態では、使用済イオン交換樹脂101に、大気圧非平衡プラズマ照射102を行う前に、粉砕処理105を行い、使用済みイオン交換樹脂101を、例えば、数百ミクロン以下程度に粉砕する。使用済みイオン交換樹脂の粉砕方法としては、例えば、乳化する方法、ロッドミル、ボールミル、振動ロッドミル、振動ボールミルなどを使用する方法等を用いることができる。
【0021】
以上のように、本実施形態では、粉砕処理105を行うことによって、使用済イオン交換樹脂101の粒径が細粒化し、その表面積が増大する。これによって、より効率的に大気圧非平衡プラズマを作用させることができ、処理の効率を向上させることができる。
【0022】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理方法について
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図である。
【0023】
図4に示すように、本実施形態では、使用済イオン交換樹脂101に、大気圧非平衡プラズマ照射102を行う前に、粉砕処理105によって細粒化された使用済みイオン交換樹脂101に液体を含侵させる含侵処理106を行う。この含侵処理106において、含侵させる液体としては、例えば、水、過酸化水素水等を使用することができる。
【0024】
以上のように、本実施形態では、粉砕処理105によって粒径が細粒化した使用済みイオン交換樹脂101に液体を含侵させる含侵処理106を行うことによって、大気圧非平衡プラズマ照射102を行った際に、使用済みイオン交換樹脂101の表面で、含侵させた液体を構成する分子等の活性種が生成する。これにより、発生した活性種が効率的に使用済みイオン交換樹脂101の結合切断に寄与するため、処理の効率を向上させることができる。
【0025】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態に係る使用済みイオン交換樹脂の処理方法について
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る使用済イオン交換樹脂の処理方法の処理の流れを示すフロー図である。
【0026】
図5に示すように、本実施形態では、使用済イオン交換樹脂101に、大気圧非平衡プラズマ照射102を行う前に、使用済みイオン交換樹脂101を所定形状、例えば、
図6に示すようにシート状に成型する成型処理107を行う。
【0027】
成型される使用済みイオン交換樹脂101は、粉砕処理105によって細粒化されたものも使用することもできる。成型されるシートの厚みは1mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましい。
【0028】
大気圧非平衡プラズマでは、使用するガス種によって必要な電極間距離や活性種の発生範囲が異なるため、使用するガス種に応じてシートの厚みを設定することができる。また、成型時に加温し、融着させることもできる。シート状の使用済みイオン交換樹脂は、ベルトコンベアなどで大気圧非平衡プラズマ照射部4に移送することもできる。シート状の使用済みイオン交換樹脂は、バリア放電の誘電体として利用することもできる。この場合、プラズマに晒される効率が上がり処理時間を短縮することが可能となる。誘電体はガラスなどと組み合わせても良く、形状もシート状に限らない。
【0029】
本実施形態の使用済みイオン交換樹脂の成型形態は、以下の変形が可能である。
図7はシート状に成型する際に金型等を使用し、表面に凹凸を設け、大気圧非平衡プラズマが照射される表面の面積を増大させた成型例を示している。
図8はペレット状に使用済みイオン交換樹脂を成型した例を示している。成型は加圧によって行うこともでき、水を添加して加工性を向上させることや、プラズマ処理で分解する高分子、例えばPVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルキシメチルセルロース)、ゼラチンやデキストリン等のバインダーを添加してもよい。
【0030】
以上のように、本実施形態では、使用済みイオン交換樹脂101を成型することにより、大気圧非平衡プラズマのガス流によって使用済みイオン交換樹脂101が飛散することが抑制される。これによって、大気圧非平衡プラズマ発生装置3の電極面等への使用済みイオン交換樹脂101の付着等が抑制される。また、照射時間や照射距離の変動が抑制され、均一な条件で使用済みイオン交換樹脂101の処理が可能であるため、照射時間や照射距離を変えずに一定の条件での処理が可能となる。
【0031】
次に、
図2に示した使用済みイオン交換樹脂の処理装置の変形例について
図9、
図10を参照して説明する。なお、
図9、
図10において、
図2に示した使用済みイオン交換樹脂の処理装置と対応する部分には同一の符号を付して、重複した説明は省略する。
【0032】
図9は、使用済みイオン交換樹脂の処理装置の変形例の概略構成を模式的に示す図である。
図9に示すように、この使用済みイオン交換樹脂の処理装置は、大気圧非平衡プラズマ照射部4に、温度制御機構7を具備しており、大気圧非平衡プラズマ照射部4の温度を制御できるようになっている。
【0033】
この温度制御機構7による大気圧非平衡プラズマ照射部4の制御温度は、数百℃、例えば300℃程度とすることが好ましく、高温とする場合も、例えば、揮発性の高い放射性核種であるCs-137の化合物の融点600℃未満であることが好ましい。また、
図10に示すように放射線量監視部8を具備する構成とすることもできる。
【0034】
上記のように、大気圧非平衡プラズマ照射部4に温度制御機構7を設けた構成とした場合、大気圧非平衡プラズマ照射部4を加熱することで、プラズマ化している活性種の移動速度が向上する。これによって、使用済みイオン交換樹脂の酸化反応が加速するため、処理速度を向上させることができる。また、放射線量監視部8にて放射線量を監視できるようにすることで、安全な処理が遂行できる。
【0035】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1……使用済みイオン交換樹脂貯槽、2……移送ライン、3……大気圧非平衡プラズマ発生装置、4……大気圧非平衡プラズマ照射部、5……残渣回収部、6……排ガス処理装置、7……温度制御機構、8……放射線量監視部、101……使用済みイオン交換樹脂、102……大気圧非平衡プラズマ照射、103……使用済みイオン交換樹脂残渣、104……分解ガス、105……粉砕処理、106……含侵処理、107……成型処理。