(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072178
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】固定装置、および、リアスプロケットアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B62M 9/10 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
B62M9/10 F
B62M9/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182893
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 建二
(57)【要約】
【課題】リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化を行い易い固定装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのリアスプロケットを人力駆動車用のリアハブアセンブリに固定するための固定装置であって、前記固定装置は、軸方向を定義する回転中心軸心を有し、前記固定装置は、ベースボディを備え、前記ベースボディは、前記少なくとも1つのリアスプロケットに設けられるスプロケット内ネジと螺合するように構成される第1外ネジを有し、前記第1外ネジが第1ネジ方向を有する、スプロケット係合部と、前記リアハブアセンブリに設けられるハブ内ネジと螺合するように構成される第2外ネジを有し、前記第2外ネジが前記第1ネジ方向とは異なる第2ネジ方向を有する、ハブ係合部と、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリアスプロケットを人力駆動車用のリアハブアセンブリに固定するための固定装置であって、
前記固定装置は、軸方向を定義する回転中心軸心を有し、
前記固定装置は、ベースボディを備え、
前記ベースボディは、
前記少なくとも1つのリアスプロケットに設けられるスプロケット内ネジと螺合するように構成される第1外ネジを有し、前記第1外ネジが第1ネジ方向を有する、スプロケット係合部と、
前記リアハブアセンブリに設けられるハブ内ネジと螺合するように構成される第2外ネジを有し、前記第2外ネジが前記第1ネジ方向とは異なる第2ネジ方向を有する、ハブ係合部と、
を含む、固定装置。
【請求項2】
前記ベースボディは、工具によって前記固定装置が回転するように、前記工具と係合するように構成される工具係合部を含む、請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記第1ネジ方向は、反時計回り方向であり、
前記第2ネジ方向は、時計回り方向である、請求項1に記載の固定装置。
【請求項4】
前記第1ネジ方向は、時計回り方向であり、
前記第2ネジ方向は、反時計回り方向である、請求項1に記載の固定装置。
【請求項5】
前記ベースボディは、前記軸方向に関する、スプロケット側軸方向端、および、ハブ側軸方向端を有し、
前記スプロケット側軸方向端は、前記軸方向において、前記ハブ側軸方向端の反対側であり、
前記固定装置は、径方向内側面、および、前記径方向内側面によって定義される内部空間を有し、
前記内部空間は、少なくとも前記スプロケット側軸方向端に達し、
前記工具係合部は、前記径方向内側面に設けられる、請求項2に記載の固定装置。
【請求項6】
前記内部空間は、前記ハブ側軸方向端に達する、請求項5に記載の固定装置。
【請求項7】
前記工具係合部は、複数のスプライン歯を含む、請求項2に記載の固定装置。
【請求項8】
前記第1外ネジ、および、前記第2外ネジは、前記軸方向において互いに間隔をあけて配置される、請求項1に記載の固定装置。
【請求項9】
前記ベースボディは、単一の一体部材によって形成される、請求項1に記載の固定装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのリアスプロケットと、
請求項1から9のいずれか一項に記載される前記固定装置と、を備える、リアスプロケットアセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのリアスプロケットは、複数のリアスプロケットを含む、請求項10に記載のリアスプロケットアセンブリ。
【請求項12】
前記複数のリアスプロケットは、小径スプロケット開口部を有する少なくとも1つの小径リアスプロケットを含み、
前記小径スプロケット開口部は、前記リアハブアセンブリのスプロケット支持体の外径よりも小さい開口径を有する、請求項11に記載のリアスプロケットアセンブリ。
【請求項13】
人力駆動車用のリアスプロケットアセンブリであって、
少なくとも1つのリアスプロケットを備え、
前記少なくとも1つのリアスプロケットは、
スプロケット開口部を定義する内周部を有するスプロケットボディと、
前記スプロケットボディから径方向外側に延びる複数のスプロケット歯と、
前記内周部に設けられ、リアハブアセンブリのスプロケット支持体のハブネジ方向とは異なるスプロケットネジ方向を有するスプロケット内ネジと、を含む、リアスプロケットアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固定装置、および、リアスプロケットアセンブリの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数のリアスプロケットをスプロケット支持体に固定するロックリングが開示される。複数のリアスプロケットは、スプロケット支持体に支持され、スプロケット支持体の軸方向に並ぶように配置される。ロックリングは、フランジ部を備える。フランジ部は、スプロケット支持体の軸方向において、複数のリアスプロケットに対してトップギヤ側から当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2009/0042679A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、複数のリアスプロケットのトップギヤ側にフランジ部を配置可能なスペースを確保する必要がある。フランジ部を配置可能なスペースを確保すると、リアスプロケットを配置するスペースが減少するため、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化を行い難い。
【0005】
本開示の目的の1つは、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化を行い易い固定装置、および、リアスプロケットアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従う固定装置は、少なくとも1つのリアスプロケットを人力駆動車用のリアハブアセンブリに固定するための固定装置であって、前記固定装置は、軸方向を定義する回転中心軸心を有し、前記固定装置は、ベースボディを備え、前記ベースボディは、前記少なくとも1つのリアスプロケットに設けられるスプロケット内ネジと螺合するように構成される第1外ネジを有し、前記第1外ネジが第1ネジ方向を有する、スプロケット係合部と、前記リアハブアセンブリに設けられるハブ内ネジと螺合するように構成される第2外ネジを有し、前記第2外ネジが前記第1ネジ方向とは異なる第2ネジ方向を有する、ハブ係合部と、を含む。
第1側面の固定装置によれば、フランジ部を省略できるため、リアハブアセンブリのスプロケット支持体のトップギヤ側にギヤを配置可能なスペースを確保でき、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0007】
第1側面に従う第2側面の固定装置において、前記ベースボディは、工具によって前記固定装置が回転するように、前記工具と係合するように構成される工具係合部を含む。
第2側面の固定装置によれば、工具を用いて固定装置を操作することが可能になるため、固定装置の取付が容易になる。
【0008】
第1側面に従う第3側面の固定装置において、前記第1ネジ方向は、反時計回り方向であり、前記第2ネジ方向は、時計回り方向である。
第3側面の固定装置によれば、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0009】
第1側面に従う第4側面の固定装置において、前記第1ネジ方向は、時計回り方向であり、前記第2ネジ方向は、反時計回り方向である。
第4側面の固定装置によれば、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0010】
第2から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の固定装置において、前記ベースボディは、前記軸方向に関する、スプロケット側軸方向端、および、ハブ側軸方向端を有し、前記スプロケット側軸方向端は、前記軸方向において、前記ハブ側軸方向端の反対側であり、前記固定装置は、径方向内側面、および、前記径方向内側面によって定義される内部空間を有し、前記内部空間は、少なくとも前記スプロケット側軸方向端に達し、前記工具係合部は、前記径方向内側面に設けられる。
第5側面の固定装置によれば、スプロケット側軸方向端から工具を工具係合部に係合できるため、固定装置とは異なる部材に対する工具の干渉を抑制でき、工具係合部に工具がアクセスし易い。
【0011】
第5側面に従う第6側面の固定装置において、前記内部空間は、前記ハブ側軸方向端に達する。
第6側面の固定装置によれば、固定装置を軽量化できる。
【0012】
第2から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の固定装置において、前記工具係合部は、複数のスプライン歯を含む。
第7側面の固定装置によれば、工具係合部の強度を向上できる。
【0013】
第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の固定装置において、前記第1外ネジ、および、前記第2外ネジは、前記軸方向において互いに間隔をあけて配置される。
第8側面の固定装置によれば、第1外ネジ、および、第2外ネジを形成し易い。
【0014】
第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の固定装置において、前記ベースボディは、単一の一体部材によって形成される。
第9側面の固定装置によれば、固定装置の強度を向上できる。
【0015】
本開示の第10側面に従うリアスプロケットアセンブリは、前記少なくとも1つのリアスプロケットと、第1から第8側面のいずれか1つに従う前記固定装置と、を備える。
第10側面のリアスプロケットアセンブリによれば、フランジ部を省略できるため、リアハブアセンブリのスプロケット支持体のトップギヤ側にギヤを配置可能なスペースを確保でき、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0016】
第10側面に従う第11側面のリアスプロケットアセンブリにおいて、前記少なくとも1つのリアスプロケットは、複数のリアスプロケットを含む。
第11側面のリアスプロケットアセンブリによれば、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0017】
第11側面に従う第12側面のリアスプロケットアセンブリにおいて、前記複数のリアスプロケットは、小径スプロケット開口部を有する少なくとも1つの小径リアスプロケットを含み、前記小径スプロケット開口部は、前記リアハブアセンブリのスプロケット支持体の外径よりも小さい開口径を有する。
第12側面のリアスプロケットアセンブリによれば、フランジ部を省略して確保されるスペースに小径スプロケットを配置できるため、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【0018】
本開示の第13側面に従うリアスプロケットアセンブリは、人力駆動車用のリアスプロケットアセンブリであって、少なくとも1つのリアスプロケットを備え、前記少なくとも1つのリアスプロケットは、スプロケット開口部を定義する内周部を有するスプロケットボディと、前記スプロケットボディから径方向外側に延びる複数のスプロケット歯と、前記内周部に設けられ、リアハブアセンブリのスプロケット支持体のハブネジ方向とは異なるスプロケットネジ方向を有するスプロケット内ネジと、を含む。
第12側面のリアスプロケットアセンブリによれば、少なくとも1つのリアスプロケットをリアハブアセンブリに固定する固定装置のフランジ部を省略できるため、スプロケット支持体のトップギヤ側にギヤを配置可能なスペースを確保でき、リアスプロケットアセンブリの変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリの多段化が行い易い。
【発明の効果】
【0019】
本開示の固定装置、および、リアスプロケットアセンブリによれば、ロックリングのフランジ部を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態に係る制御装置を備える人力駆動車を示す側面図。
【
図3】リアハブアセンブリ、および、リアスプロケットアセンブリを示す背面図。
【
図4】リアハブアセンブリ、および、リアスプロケットアセンブリを示す背面断面図。
【
図6】リアスプロケットアセンブリを示す分解断面図。
【
図7】リアスプロケットアセンブリをスプロケット支持体に固定する前の状態を示す背面図。
【
図8】リアスプロケットアセンブリをスプロケット支持体に固定する前の状態を示す背面断面図。
【
図9】スペーサを介して配置される複数の大径リアスプロケットを示す背面断面図。
【
図10】リベットによって互いに連結される複数の大径リアスプロケットを示す背面断面図。
【
図11】スプロケットキャリアに取り付けられる複数の大径リアスプロケットを示す背面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る固定装置70を含む人力駆動車10が説明される。第1実施形態に係る人力駆動車10の説明には、
図1から
図3が用いられる。
【0022】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。
【0023】
人力駆動車10は、クランク11、フレーム12、シート13、ハンドルバー14、フロントフォーク15、前輪16、後輪17、フロントハブアセンブリ18、フロントスプロケット19、チェーン20、変速機21、リアハブアセンブリ22、および、リアスプロケットアセンブリ30を備える。
図1に示されるクランク11は、フレーム12に対して回転可能なクランク軸11a、クランク軸11aの軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム11bを含む。一対のクランクアーム11bには夫々ペダル11cが連結される。
【0024】
フレーム12には、シートポスト13aを介してシート13が設けられる。フレーム12は、ハンドルバー14、および、フロントフォーク15を回転可能に支持する。ハンドルバー14は、ユーザが把持できるように構成される。ハンドルバー14がフレーム12に対して回転することによってフロントフォーク15が回転し、人力駆動車10の進行方向が変化する。
【0025】
前輪16は、フロントハブアセンブリ18を介してフロントフォーク15に回転可能に取り付けられる。後輪17は、リアハブアセンブリ22を介してフレーム12に回転可能に取り付けられる。リアハブアセンブリ22は、リアスプロケットアセンブリ30、チェーン20、および、フロントスプロケット19を介してクランク11と連結される。
図2、および、
図3に示されるように、リアスプロケットアセンブリ30は、人力駆動車用のリアスプロケットアセンブリ30であって、少なくとも1つのリアスプロケット40を備える。本実施形態では、リアスプロケットアセンブリ30は、少なくとも1つのリアスプロケット40と、固定装置70と、を備える。
【0026】
固定装置70は、少なくとも1つのリアスプロケット40をリアハブアセンブリ22に固定する。少なくとも1つのリアスプロケット40は、複数のリアスプロケット40を含む。
図1に示されるチェーン20は、複数のリアスプロケット40のうち、1つのリアスプロケット40と係合される。
【0027】
変速機21は、人力駆動車10の変速比を変更する。変速比は、クランク軸11aの回転速度に対する後輪17の回転速度の比率を示す。変速機21は、外装変速機、および、内装変速機の少なくとも一方を含む。本実施形態では、変速機21は、外装変速機を含む。外装変速機は、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも一方を含む。本実施形態では、外装変速機は、リアディレイラを含む。リアディレイラは、操作装置がユーザによって操作される場合に、チェーン20を複数のリアスプロケット40の間において掛け替えられるように構成される。
【0028】
図3から
図6が用いられ、リアハブアセンブリ22が説明される。リアハブアセンブリ22は、ハブ軸を介してフレーム12に支持される。
図3、および、
図4に示されるように、リアハブアセンブリ22は、ハブシェル23、および、スプロケット支持体24を含む。ハブシェル23は、回転中心軸心を有する。ハブシェル23は、ハブ軸に対してハブシェル23の回転中心軸心まわりに相対回転するように構成される。ハブシェル23のフランジ部には、後輪17のスポークが固定される。
【0029】
スプロケット支持体24は、円筒形状に形成される。スプロケット支持体24は、トルク伝達可能にハブシェル23に連結される。スプロケット支持体24は、ハブシェル23の回転中心軸心と一致する回転中心軸心CA24を有する。回転中心軸心CA24は、スプロケット支持体24の軸方向AD24、径方向、および、周方向を定義する。スプロケット支持体24は、ハブ軸に対して回転中心軸心CA24まわりに相対回転するように構成される。スプロケット支持体24は、第1回転方向に回転する場合にスプロケット支持体24、および、ハブシェル23の一体回転を許容し、第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転する場合に、スプロケット支持体24、および、ハブシェル23の一体回転を禁止するワンウェイクラッチを介して、ハブシェル23に連結されてよい。
【0030】
図5、および、
図6に示されるように、スプロケット支持体24は、複数の外スプライン歯24a、および、ハブ内ネジ24bを具備する。複数の外スプライン歯24aは、スプロケット支持体24の回転中心軸心CA24に関するスプロケット支持体24の径方向において、スプロケット支持体24の外周部から径方向外側に突出するように形成される。複数の外スプライン歯24aは、回転中心軸心CA24に関するスプロケット支持体24の周方向において、互いに間隔をあけて配置される。
【0031】
図6に示されるハブ内ネジ24bは、スプロケット支持体24の内周部に形成される。ハブ内ネジ24bは、ハブネジ方向を有する。本実施形態では、ハブネジ方向は、回転中心軸心CA24に関するスプロケット支持体24の軸方向AD24における、スプロケット支持体24をハブシェル23とは反対側から見た側面視において、時計回り方向である。ハブネジ方向は、時計回り方向に限定されない。例えば、ハブネジ方向は、反時計回り方向であってよい。
【0032】
図2から
図6が用いられ、リアスプロケットアセンブリ30が説明される。
図2、
図5、および、
図6に示されるように、リアスプロケットアセンブリ30の少なくとも1つのリアスプロケット40は、スプロケット開口部52c,55c,62cを定義する内周部52b,55b,62bを有するスプロケットボディ52,55,62と、スプロケットボディ52,55,62から径方向外側に延びる複数のスプロケット歯53,56,63と、内周部52b,55b,62bに設けられ、リアハブアセンブリ22のスプロケット支持体24のハブネジ方向とは異なるスプロケットネジ方向を有するスプロケット内ネジ57と、を含む。
【0033】
少なくとも1つのリアスプロケット40は、歯数が互いに異なる複数のリアスプロケット40を含む。複数のリアスプロケット40は、小径スプロケット開口部52c,55cを有する少なくとも1つの小径リアスプロケット50を含み、小径スプロケット開口部52c,55cは、リアハブアセンブリ22のスプロケット支持体24の外径D24よりも小さい開口径D52,D55を有する。本実施形態では、複数のリアスプロケット40は、少なくとも1つの小径リアスプロケット50、および、少なくとも1つの大径リアスプロケット60を含む。
【0034】
少なくとも1つの小径リアスプロケット50は、第1小径リアスプロケット51、および、第2小径リアスプロケット54を含む。小径リアスプロケット50の枚数は、本実施形態に限定されない。第1小径リアスプロケット51は、複数のリアスプロケット40において、歯数が最も少ないトップギヤに対応する。第1小径リアスプロケット51は、第1小径スプロケットボディ52、および、第1小径スプロケット歯53を含む。
【0035】
第1小径スプロケットボディ52は、外周部52a、および、内周部52bを有する。第1小径スプロケットボディ52の外周部52aは、第1小径リアスプロケット51の歯底円に対応する。第1小径スプロケットボディ52は、スプロケット支持体24の回転中心軸心CA24と一致する回転中心軸心を有する。
図4に示されるように、第1小径スプロケットボディ52は、スプロケット支持体24に対して、スプロケット支持体24の軸方向AD24において、間隔をあけて配置される。
図6に示されるように、第1小径スプロケットボディ52は、第1小径スプロケット開口部52cを有する。第1小径スプロケット開口部52cは、第1開口径D52を有する。第1開口径D52は、スプロケット支持体24の外径D24よりも小さい。
【0036】
図2に示されるように、複数の第1小径スプロケット歯53は、第1小径スプロケットボディ52の回転中心軸心に関する第1小径リアスプロケット51の径方向において、第1小径スプロケットボディ52の外周部52aから径方向外側に突出するように形成される。複数の第1小径スプロケット歯53は、第1小径リアスプロケット51の回転中心軸心に関する第1小径リアスプロケット51の周方向に並ぶように形成される。
【0037】
図3、および、
図4に示されるように、第2小径リアスプロケット54は、第1小径リアスプロケット51よりもスプロケット支持体24側に配置される。第2小径リアスプロケット54の歯数は、第1小径リアスプロケット51の歯数よりも多い。本実施形態において、第2小径リアスプロケット54は、第1小径リアスプロケット51と一体的に形成される。
図5、および、
図6に示されるように、第2小径リアスプロケット54は、第2小径スプロケットボディ55、複数の第2小径スプロケット歯56、および、スプロケット内ネジ57を含む。
【0038】
図2、および、
図4に示されるように、第2小径スプロケットボディ55は、外周部55a、および、内周部55bを有する。第2小径スプロケットボディ55の外周部55aは、第2小径リアスプロケット54の歯底円に対応する。第2小径スプロケットボディ55は、スプロケット支持体24の回転中心軸心CA24と一致する回転中心軸心を有する。
図4に示されるように、第2小径スプロケットボディ55は、スプロケット支持体24の軸方向AD24において、スプロケット支持体24と第1小径リアスプロケット51との間に配置される。
図6に示されるように、第2小径スプロケットボディ55は、第2小径スプロケット開口部55cを有する。
【0039】
第2小径スプロケット開口部55cは、第2開口径D55を有する。第2開口径D55は、スプロケット支持体24の外径D24よりも小さい。第2開口径D55は、第1小径スプロケットの第1開口径D52よりも大きい。複数の第2小径スプロケット歯56は、第1小径スプロケットの第1小径スプロケット歯53と同様に形成される。
【0040】
本実施形態において、スプロケット内ネジ57は、第2小径スプロケットボディ55の内周部55bに形成される。スプロケット内ネジ57のスプロケットネジ方向は、第2小径リアスプロケット54の回転中心軸心に関する第2小径リアスプロケット54の軸方向における、第2小径リアスプロケット54をハブシェル23とは反対側から見た側面視において、反時計回り方向である。スプロケットネジ方向は、ハブネジ方向と異なる方向であればよい。例えば、ハブネジ方向が反時計回り方向である場合、スプロケットネジ方向は、時計回り方向であってよい。
【0041】
図6に示される少なくとも1つの大径リアスプロケット60は、開口径D62がスプロケット支持体24の外径D24よりも大きい大径スプロケット開口部62cを有する。少なくとも1つの大径リアスプロケット60の歯数は、第2小径リアスプロケット54の歯数よりも多い。
図2、
図5、および、
図6に示されるように、大径リアスプロケット60は、第1大径リアスプロケット61を含む。
【0042】
第1大径リアスプロケット61は、第2小径リアスプロケット54よりもスプロケット支持体24側に配置される。本実施形態において、第1大径リアスプロケット61は、第1小径リアスプロケット51、および、第2小径リアスプロケット54と一体的に形成される。
【0043】
図2、
図5、および、
図6に示されるように、第1大径リアスプロケット61は、第1大径スプロケットボディ62、複数の第1大径スプロケット歯63、および、支持体係合部64を含む。第1大径スプロケットボディ62は、外周部62a、および、内周部62bを有する。第1大径スプロケットボディ62の外周部62aは、第1大径リアスプロケット61の歯底円に対応する。第1大径スプロケットボディ62は、スプロケット支持体24の回転中心軸心と一致する回転中心軸心を有する。第1大径スプロケットボディ62は、第1大径スプロケット開口部62cを有する。
【0044】
第1大径スプロケット開口部62cは、開口径D62を有する。開口径D62は、スプロケット支持体24の外径D24よりも大きい。複数の第1大径スプロケット歯63は、第1小径リアスプロケット51の第1小径スプロケット歯53と同様に形成される。
【0045】
図6に示されるように、支持体係合部64は、第1大径スプロケットボディ62の内周部62bに形成される。本実施形態では、支持体係合部64は、スプロケット支持体24の複数の外スプライン歯24aと噛み合うように構成される複数の内スプライン歯64aを含む。支持体係合部64の複数の内スプライン歯64aが外スプライン歯24aと噛み合うことによって、支持体係合部64は、スプロケット支持体24の複数の外スプライン歯24aと係合する。支持体係合部64が複数の外スプライン歯24aと係合することによって、少なくとも1つのリアスプロケット40の回転をスプロケット支持体24に伝達できる。
【0046】
図5、および、
図6に示される固定装置70は、少なくとも1つのリアスプロケット40を人力駆動車用のリアハブアセンブリ22に固定するための固定装置70である。固定装置70は、径方向外側面70a、および、径方向内側面70bを有する円筒状に形成される。固定装置70は、径方向内側面70b、および、径方向内側面70bによって定義される内部空間70cを有する。
【0047】
図2、
図5、および、
図6に示されるように、固定装置70は、軸方向AD70を定義する回転中心軸心CA70を有する。本実施形態では、回転中心軸心CA70は、軸方向AD70、固定装置70の径方向、および、固定装置70の周方向を定義する。固定装置70の取付状態において、固定装置70の回転中心軸心CA70は、スプロケット支持体24の回転中心軸心CA24と一致する。固定装置70の取付状態において、固定装置70の軸方向AD70は、スプロケット支持体24の軸方向AD24と一致する。固定装置70は、スプロケット支持体24、および、少なくとも1つのリアスプロケット40の径方向内側に配置される。
【0048】
固定装置70は、ベースボディ71を備える。ベースボディ71は、外周面、および、内周面を有する円筒状に形成される。本実施形態では、ベースボディ71の外周面によって、固定装置70の径方向外側面70aが形成される。ベースボディ71の内周面によって、固定装置70の径方向内側面70bが形成される。本実施形態において、ベースボディ71は、スプロケット支持体24、および、第2小径スプロケットボディ55に挿入できるように形成される。
【0049】
ベースボディ71は、軸方向AD70に関する、スプロケット側軸方向端71a、および、ハブ側軸方向端71bを有する。
図4に示されるように、ハブ側軸方向端71bは、ベースボディ71のうち、固定装置70の取付状態での軸方向AD70において、ハブシェル23に近い側の端部に形成される。スプロケット側軸方向端71aは、軸方向AD70において、ハブ側軸方向端71bの反対側である。
【0050】
図6に示されるように、固定装置70の内部空間70cは、少なくともスプロケット側軸方向端71aに達する。本実施形態では、内部空間70cは、スプロケット側軸方向端71a、および、ハブ側軸方向端71bに達する。内部空間70cがハブ側軸方向端71bに達することによって、内部空間70cの範囲を拡大して固定装置70の軽量化を図れる。
【0051】
ベースボディ71は、単一の一体部材によって形成される。
図5、および、
図6に示されるように、ベースボディ71は、少なくとも1つのリアスプロケット40に設けられるスプロケット内ネジ57と螺合するように構成される第1外ネジ72aを有し、第1外ネジ72aが第1ネジ方向を有する、スプロケット係合部72と、リアハブアセンブリ22に設けられるハブ内ネジ24bと螺合するように構成される第2外ネジ73aを有し、第2外ネジ73aが第1ネジ方向とは異なる第2ネジ方向を有する、ハブ係合部73と、を含む。
【0052】
スプロケット係合部72の第1外ネジ72aは、固定装置70の径方向外側面70aに形成される。第1外ネジ72aの第1ネジ方向は、第2小径リアスプロケット54のスプロケット内ネジ57のネジ方向と一致する。本実施形態では、第1ネジ方向は、反時計回り方向である。第1ネジ方向は、反時計回り方向に限定されない。例えば、第1ネジ方向は、時計回り方向であってよい。
【0053】
ハブ係合部73の第2外ネジ73aは、固定装置70の径方向外側面70aに形成される。第2外ネジ73aは、第1外ネジ72aよりもスプロケット支持体24側に形成される。本実施形態では、第2外ネジ73aのねじピッチ、ねじ山径、および、ねじ谷径は、第1外ネジ72aのねじピッチ、ねじ山径、および、ねじ谷径と等しい。第1外ネジ72a、および、第2外ネジ73aは、ねじピッチ、ねじ山径、および、ねじ谷径等の少なくとも一つが互いに異なってもよい。
【0054】
図5に示されるように、第1外ネジ72a、および、第2外ネジ73aは、軸方向AD70において互いに間隔Dをあけて配置される。間隔Dの長さは、特に限定されない。第2外ネジ73aの第2ネジ方向は、スプロケット支持体24のハブ内ネジ24bのハブネジ方向と一致する。本実施形態では、第2ネジ方向は、時計回り方向である。第2ネジ方向は、第1ネジ方向と異なる方向であればよい。例えば、第1ネジ方向が時計回り方向である場合、第2ネジ方向は、反時計回り方向であってよい。
【0055】
図2、および、
図6に示すように、本実施形態では、ベースボディ71は、工具によって固定装置70が回転するように、工具と係合するように構成される工具係合部74を含む。工具係合部74は、固定装置70の径方向内側面70bに設けられる。本実施形態では、工具係合部74は、複数のスプライン歯74aを含む。複数のスプライン歯74aは、工具に形成されるスプライン歯と噛み合うように構成される。複数のスプライン歯74aは、回転中心軸心CA70に関する固定装置70の周方向において、互いに間隔をあけて配置される。複数のスプライン歯74aが工具のスプライン歯と噛み合うことによって、工具係合部74、および、工具が係合される。工具係合部74、および、工具が係合されることによって、工具の回転が固定装置70に伝達される。
【0056】
工具係合部74の構成は、工具の回転が固定装置70に伝達される構成であれば、どのような構成であってもよい。例えば、工具係合部74は、非円形状、および、多角形状に形成される固定装置70の径方向内側面70bによって構成されてもよい。
【0057】
図7、および、
図8が用いられ、少なくとも1つのリアスプロケット40がリアハブアセンブリ22に固定される手順が説明される。固定装置70は、スプロケット支持体24に対して、ハブシェル23の反対側から挿入される。リアスプロケットアセンブリ30は、スプロケット支持体24に対して、ハブシェル23の反対側から嵌め合わされる。第1大径リアスプロケット61の支持体係合部64は、スプロケット支持体24の複数の外スプライン歯24aと係合される。
【0058】
図8に示されるように、ハブ内ネジ24b、第2外ネジ73a、第1外ネジ72a、および、スプロケット内ネジ57は、固定装置70の軸方向AD70に並ぶように配置される。第2外ネジ73aは、軸方向AD70において、ハブ内ネジ24bよりもハブシェル23に対して遠い側に配置される。第1外ネジ72aは、軸方向AD70において、スプロケット内ネジ57よりもハブシェル23に対して近い側に配置される。
【0059】
図7、および、
図8に示す状態において、固定装置70の工具係合部74には、工具が係合される。工具は、作業者によって第2外ネジ方向に回転される。本実施形態では、工具は、軸方向AD70における、固定装置70を第1小径リアスプロケット51側から見た場合の側面視において、時計回り方向に回転される。スプロケット支持体24、および、リアスプロケットアセンブリ30は、作業者によって回転が規制される。固定装置70は、工具の回転によってスプロケット支持体24、および、リアスプロケットアセンブリ30に対して第2外ネジ方向に相対回転される。
【0060】
固定装置70がスプロケット支持体24に対して第2外ネジ方向に相対回転されることによって、第2外ネジ73aは、ハブ内ネジ24bに螺合される。固定装置70がリアスプロケットアセンブリ30に対して第2ネジ方向に相対回転されることによって、第1外ネジ72aは、スプロケット内ネジ57に螺合される。
【0061】
固定装置70は、第1外ネジ72aがスプロケット内ネジ57に螺合され、かつ、第2外ネジ73aがハブ内ネジ24bに螺合されることによって、少なくとも1つのリアスプロケット40をリアハブアセンブリ22に固定する。本実施形態では、US2009/0042679A1号公報に記載されるようなロックリングのフランジ部を省略できるため、フランジ部の省略によって生じるスペースにギヤを配置できる。本実施形態では、フランジ部の省略によって生じるスペースに、少なくとも1つの小径リアスプロケット50が配置されるため、リアスプロケットアセンブリ30の変速範囲の拡大、および、リアスプロケットアセンブリ30の多段化が行い易い。
【0062】
図7に示されるように、少なくとも1つの小径リアスプロケット50は、複数の小径リアスプロケット51,54を含む。小径リアスプロケット50が複数の小径リアスプロケット51,54を含むことによって、リアスプロケット40の枚数を増加できる。
【0063】
本実施形態では、固定装置70が第2ネジ方向に回転されることによって、第1外ネジ72aがスプロケット内ネジ57に螺合され、かつ、第2外ネジ73aがハブ内ネジ24bに螺合されるため、少なくとも1つのリアスプロケット40がリアハブアセンブリ22に容易に固定される。
【0064】
図9に示されるように、大径リアスプロケット80は、複数の大径リアスプロケット80を含んでよい。複数の大径リアスプロケット80は、第1大径リアスプロケット81から第8大径リアスプロケット88を含む。複数の大径リアスプロケット80の総数は、本実施形態に限定されない。第1大径リアスプロケット81から第8大径リアスプロケット88の歯数は、互いに異なる。第1大径リアスプロケット81から第8大径リアスプロケット88の歯数は、第2小径リアスプロケット54の歯数よりも多い。第1大径リアスプロケット81から第8大径リアスプロケット88は、スプロケット支持体24の軸方向AD24において、歯数が多いギヤほどハブシェル23に近い位置に配置される。
【0065】
第1大径リアスプロケット81から第8大径リアスプロケット88は、スプロケット支持体24の軸方向AD24において、スペーサ91を介して等間隔に配置される。第1大径リアスプロケット81は、
図3に示される第1大径リアスプロケット61と同様に形成される。
【0066】
第2大径リアスプロケット82、および、第3大径リアスプロケット83は、第1大径リアスプロケット81の第1大径スプロケットボディの軸方向延長部81aに、例えばスプライン係合等によりトルク伝達可能に取り付けられる。従って、第2大径リアスプロケット82、および、第3大径リアスプロケット83は、第1大径リアスプロケット81と一体的に回転するように構成される。
【0067】
第4大径リアスプロケット84から第8大径リアスプロケット88は、スプロケット支持体24の外周面に、例えばスプライン係合等によりトルク伝達可能に取り付けられる。従って、第4大径リアスプロケット84から第8大径リアスプロケット88は、スプロケット支持体24と一体的に回転するように構成される。
【0068】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0069】
例えば、各実施形態における固定装置70、および、リアスプロケットアセンブリ30の構成は一例であり、固定装置70、および、リアスプロケットアセンブリ30は、各実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、各実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。
【0070】
図10には、第1変形例に係る複数の大径リアスプロケット80の構成が示される。
図10に示される複数の大径リアスプロケット80は、第1大径リアスプロケット81から第10大径リアスプロケット90を含む。複数の大径リアスプロケット80の総数は、本実施形態に限定されない。
【0071】
第1大径リアスプロケット81は、
図3に示される第1大径リアスプロケット61と同様に形成される。第2大径リアスプロケット82から第10大径リアスプロケット90は、リベット92を介して互いに連結される。第2大径リアスプロケット82から第10大径リアスプロケット90の少なくとも1つは、例えばスプライン係合等により、スプロケット支持体24と一体的に回転するように構成される。
図10においては、第4大径リアスプロケット84がスプロケット支持体24と一体的に回転するように構成される。
【0072】
図11には、第2変形例に係る複数の大径リアスプロケット80の構成が示される。
図11に示される複数の大径リアスプロケット80は、第1大径リアスプロケット81から第9大径リアスプロケット89を含む。複数の大径リアスプロケット80の総数は、本実施形態に限定されない。
【0073】
第1大径リアスプロケット81は、
図3に示される第1大径リアスプロケット61と同様に形成される。第2大径リアスプロケット82は、リベット92を介して第3大径リアスプロケット83に連結される。第3大径リアスプロケット83から第9大径リアスプロケット89は、スプロケットキャリア93を介してスプロケット支持体24に取り付けられる。
【0074】
スプロケットキャリア93は、第3大径リアスプロケット83から第9大径リアスプロケット89が取り付けられる複数の取付部93aを含む。第3大径リアスプロケット83から第9大径リアスプロケット89は、例えば、リベット、または、接着剤等により、スプロケットキャリア93の複数の取付部93aに取り付けられる。スプロケットキャリア93、および、第3大径リアスプロケット83から第9大径リアスプロケット89が、単一の材料で一体的に構成されてもよい。複数の取付部93aは、スプロケット支持体24の軸方向AD24に間隔をあけて配置される。複数の取付部93aは、トップギヤ側の取付部93aほど、径方向においてスプロケット支持体24に近い位置に配置される。スプロケットキャリア93は、例えばスプライン係合等により、スプロケット支持体24と一体的に回転するように構成される。
【0075】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0076】
10…人力駆動車、22…リアハブアセンブリ、24b…ハブ内ネジ、40…リアスプロケット、50…小径スプロケット、52,55,62…スプロケットボディ、52c,55c…小径スプロケット開口部、53,56,63…スプロケット歯、55b…内周部、57…スプロケット内ネジ、70…固定装置、70b…径方向内側面、70c…内部空間、71…ベースボディ、71a…スプロケット側軸方向端、71b…ハブ側軸方向端、72…スプロケット係合部、72a…第1外ネジ、73…ハブ係合部、73a…第2外ネジ、74…工具係合部、74a…スプライン歯、AD70…軸方向、CA70…回転中心軸心、D24…スプロケット支持体の外径、D52,D55…開口径