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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007220
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240111BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240111BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240111BHJP
   G02B 27/02 20060101ALN20240111BHJP
【FI】
G09G3/20 622A
G09F9/30 338
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 622G
G09G3/20 622B
G02F1/1368
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108548
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁
【テーマコード(参考)】
2H192
2H199
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192CB01
2H192CB52
2H192CC01
2H192CC41
2H192EA22
2H192EA43
2H192FB03
2H192FB22
2H192FB71
2H192JA01
2H199CA04
2H199CA05
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA36
2H199CA42
2H199CA63
2H199CA69
2H199CA94
2H199CA97
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080FF11
5C080HH09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ06
5C094AA03
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA05
5C094DA09
(57)【要約】
【課題】複数の走査線ごとの負荷のばらつきを抑制することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、基板と、基板の表示領域に設けられた複数の画素と、第1方向に並んで配列され、第1方向と交差する第2方向に延在する複数の信号線と、信号線と交差する方向に延在する複数の走査線と、基板の端部と表示領域との間に位置する周辺領域に配置され、複数の走査線と接続される複数のスイッチング素子を含む走査線駆動回路と、を有し、複数の走査線は、長さが異なる少なくとも2以上の走査線を含み、スイッチング素子に電気的に接続された走査線の長さが長いほど、スイッチング素子のチャネル幅が長い。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表示領域に設けられた複数の画素と、
第1方向に並んで配列され、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数の信号線と、
前記信号線と交差する方向に延在する複数の走査線と、
前記基板の端部と前記表示領域との間に位置する周辺領域に配置され、複数の前記走査線と接続される複数のスイッチング素子を含む走査線駆動回路と、を有し、
複数の前記走査線は、長さが異なる少なくとも2以上の前記走査線を含み、
前記スイッチング素子に電気的に接続された前記走査線の長さが長いほど、前記スイッチング素子のチャネル幅が長い
表示装置。
【請求項2】
前記表示領域の外周は、前記第2方向に延在する第1辺と、前記第1辺の一端側に接続され、前記第2方向に対して傾斜する第1傾斜辺と、を含み、
前記第1傾斜辺に対応する領域に設けられた複数の前記走査線の長さは、前記第1辺に対応する領域に設けられた複数の前記走査線の長さよりも短く、
前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅は、前記第1辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅よりも短い
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1傾斜辺に対応する領域に設けられた複数の前記走査線は、前記第1傾斜辺に沿う方向で前記第1辺から離れるほど長さが短く、
前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子は、前記第1辺から離れるほど前記チャネル幅が短い
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示領域の外周は、前記第1辺の他端側に接続され、前記第2方向に対して傾斜する第2傾斜辺を含み、
前記第2傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅は、前記第1辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅よりも短い
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅は、前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅と等しい
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子と、前記第2傾斜辺との間の距離は、前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子と、前記第1傾斜辺との間の距離よりも大きく、
前記第2傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅は、前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子の前記チャネル幅よりも長い
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記周辺領域に配置され、複数の前記信号線と電気的に接続される信号線接続回路と、
前記周辺領域に配置され、前記走査線駆動回路及び前記信号線接続回路を制御するドライバICと、
前記表示領域に設けられた複数の前記信号線と前記信号線接続回路とを接続する複数の接続配線と、を有し、
複数の前記接続配線は、前記第2傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子と、前記第2傾斜辺との間で、前記第2傾斜辺に沿った方向に延在する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子のチャネル幅方向は、前記第1辺に直交する方向に設けられ、
前記第1傾斜辺に沿って配列された複数の前記スイッチング素子のチャネル幅方向は、前記第1傾斜辺に直交する方向に設けられる
請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
複数のスイッチング素子は、1本の前記走査線に電気的に接続される第1スイッチング素子、第2スイッチング素子及び第3スイッチング素子を含み、
第1スイッチング素子、第2スイッチング素子及び第3スイッチング素子は、それぞれ半導体層、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を含み、
前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記ゲート電極は、前記表示領域の外周の辺に交差する方向に延在し、
前記ゲート電極は、前記半導体層と重なって設けられ、かつ、前記表示領域の外周の辺に沿った方向で、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に配置される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記走査線の延在方向は、前記信号線の延在方向と非平行かつ非直交である
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から特許文献4には、表示領域が矩形以外の異形の外形形状を有する表示装置について記載されている。特許文献1から特許文献4の表示装置は、異形ディスプレイとも呼ばれる。特許文献5には、VR(Virtual Reality:仮想現実)システムに適用される表示装置として、多角形状の表示領域を有する構成が記載されている。
【0003】
また、特許文献6の液晶表示装置では、ゲート配線電圧の電圧値を各ドライバICのスキャンのタイミングに合わせて階段状に増加または減少させることで、パネル内配線の配線抵抗によるゲート電圧の降下を抑制する技術が開示されている。
【0004】
特許文献7の表示装置では、表示用又はタッチ検出用の信号を複数の駆動電極の各々に切り替えて供給する切り替え部を有する。特許文献7では、切り替え部に接続される共通配線の幅、及び、トランジスタのチャネル幅を異ならせることで、制御回路から離れた駆動電極の時定数を低減する技術について記載されている。ただし、特許文献6、7では、異形ディスプレイについて記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-144326号公報
【特許文献2】特開2008-261938号公報
【特許文献3】特開2021-193450号公報
【特許文献4】特開2019-061202号公報
【特許文献5】国際公開第2021/200650号
【特許文献6】特開2009-008942号公報
【特許文献7】特開2017-102301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異形ディスプレイでは、異形の外形形状を有する部分(例えばコーナー部)で、他の領域よりも走査線が短く形成される。したがって、複数の走査線ごとに、複数の走査線の各々の配線抵抗及び複数の走査線を駆動する走査線駆動回路を含めた全体の負荷のばらつきが生じる。複数の走査線ごとに負荷のばらつきが生じることにより、表示特性が低下する可能性がある。
【0007】
本発明は、複数の走査線ごとの負荷のばらつきを抑制することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の表示装置は、基板と、前記基板の表示領域に設けられた複数の画素と、第1方向に並んで配列され、前記第1方向と交差する第2方向に延在する複数の信号線と、前記信号線と交差する方向に延在する複数の走査線と、前記基板の端部と前記表示領域との間に位置する周辺領域に配置され、複数の前記走査線と接続される複数のスイッチング素子を含む走査線駆動回路と、を有し、複数の前記走査線は、長さが異なる少なくとも2以上の前記走査線を含み、前記スイッチング素子に電気的に接続された前記走査線の長さが長いほど、前記スイッチング素子のチャネル幅が長い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る表示システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。
図5図5は、第1実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る表示パネルの断面を模式的に示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る画素配列の一例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る走査線駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、走査線駆動回路の出力回路の構成の一例を示す回路図である。
図10図10は、図5における領域A1を拡大して示す平面図である。
図11図11は、図5における領域A2を拡大して示す平面図である。
図12図12は、表示領域の第1傾斜辺に沿って配列された複数の出力回路を模式的に示す平面図である。
図13図13は、第1実施形態に係る表示パネルの、ドライバICから走査線までの全体の負荷を説明するための説明図である。
図14図14は、走査線の長さを説明するための説明図である。
図15図15は、実施例及び比較例に係る表示装置の、第1制御信号及び複数の走査線の電圧と、時間との関係を模式的に示すグラフである。
図16図16は、第2実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
図17図17は、第2実施形態に係る表示パネルの、表示領域の第2傾斜辺に沿って配列された複数の出力回路を模式的に示す平面図である。
図18図18は、画素配列の変形例を示す図である。
図19図19は、第3実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
図20図20は、第3実施形態に係る表示パネルの画素配列、信号線及び走査線の関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示システムの一例を示す構成図である。本実施形態において、表示システム1は、ユーザの動きに伴って表示を変更する表示システムである。例えば、表示システム1は、仮想空間上の3次元のオブジェクト等を示すVR(Virtual Reality)画像を立体表示し、ユーザの頭部の向き(位置)に伴って立体表示を変更することにより、ユーザに仮想現実感を生じさせるVRシステムである。
【0013】
図1に示すように、表示システム1は、例えば、表示装置100と、制御装置200と、を有する。表示装置100と制御装置200とは、ケーブル300を介して情報(信号)の入出力が可能な構成になっている。ケーブル300は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のケーブルを含む。表示装置100と制御装置200とは、無線通信によって情報の入出力が可能な構成としてもよい。
【0014】
表示装置100は、表示パネルを有する。表示パネルは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)であるが、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネル、μ-OLED、μ―LEDパネル、mini-LEDパネル等であってもよい。
【0015】
表示装置100は、装着部材400に固定される。装着部材400は、例えば、ヘッドセット、ゴーグル、ユーザの両目を覆うヘルメット及びマスク等を含む。装着部材400は、ユーザの頭部に装着される。装着部材400は、装着時に、ユーザの両目を覆うように、ユーザの正面に配置される。装着部材400は、内部に固定した表示装置100をユーザの両目の前に位置付けることにより、没入型の装着部材として機能する。装着部材400は、制御装置200から出力される音信号等を出力する出力部を有してもよい。また、装着部材400は、制御装置200の機能を内蔵する構造であってもよい。
【0016】
図1に示す一例では、表示装置100は、装着部材400にスロットインされる場合を示しているが、装着部材400に固定されてもよい。言い換えると、表示システム1は、装着部材400と表示装置100を含む装着型表示装置と制御装置200とで構成されてもよい。
【0017】
図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。図2に示すように、装着部材400は、例えば、ユーザに両目に対応したレンズ410を有する。レンズ410は、ユーザの目に画像を結像させるための拡大レンズである。装着部材400は、ユーザの頭部に装着されると、レンズ410をユーザの目Eの前方に位置付ける。ユーザは、レンズ410によって拡大された表示装置100の表示領域を視認する。そのため、表示装置100は、画像(画面)を鮮明に表示するため、解像度を高める必要がある。なお、本開示において、1つのレンズ410を例示して説明したが、例えば、複数のレンズ410を有し、表示装置100を眼前とは異なる位置に配置してもよい。
【0018】
制御装置200は、例えば、画像を表示装置100に表示させる。制御装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の電子機器を用いることができる。仮想画像は、例えば、コンピュータグラフィック映像、360度の実写映像等の画像を含む。制御装置200は、ユーザの両目の視差を利用した3次元の画像を表示装置100に出力する。制御装置200は、ユーザの頭部の向きに追従する右目用及び左目用の画像を表示装置100に出力する。
【0019】
図3は、第1実施形態に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、表示装置100は、2つの表示パネル110と、センサ120と、画像分離回路150と、インタフェース160と、を備える。
【0020】
表示装置100は、2つの表示パネル110から構成され、一方を左目用の表示パネル110とし、他方を右目用の表示パネル110として用いる。
【0021】
2つの表示パネル110のそれぞれは、表示領域111と、表示制御回路112と、を有する。なお、表示パネル110は、表示領域111を背後から照射する図示しない光源装置(後述するバックライトIL)を有する。
【0022】
表示領域111は、画素Pixが、P×Q個(行方向にP個、列方向にQ個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。本実施形態では、P=2880、Q=1700とする。また、行方向は第1方向Dxに相当し、列方向は第2方向Dyに相当する。図3では、複数の画素Pixの配列を模式的に表しており、詳細な画素Pixの配列は、後述する。
【0023】
表示パネル110は、第1方向Dxに延在する走査線GLと、第1方向Dxと交差する第2方向Dyに延在する信号線SLを有する。例えば、表示パネル110は、2880本の信号線SLと、1700本の走査線GLとを有する。表示パネル110において、信号線SLと走査線GLとに囲まれた領域には、画素Pixが配置される。画素Pixは、信号線SL及び走査線GLと接続されるスイッチング素子(TFT:薄膜トランジスタ)、及び、スイッチング素子に接続された画素電極を有する。1つの走査線GLは、走査線GLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。また、1つの信号線SLは、信号線SLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。
【0024】
なお、以下の説明において、第1方向Dxは、第1基板10(図6参照)の表面と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、第1基板10の表面と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向である。第3方向Dzは、第1基板10の表面の法線方向である。また、「平面視」とは、第1基板10の表面と垂直な方向から見た場合の位置関係をいう。
【0025】
2つの表示パネル110のうち、一方の表示パネル110の表示領域111が右目用であり、他方の表示パネル110の表示領域111が左目用である。第1実施形態では、表示パネル110は、左目用と右目用の2つの表示パネル110を有する場合について説明する。ただし、表示装置100は、上述のように2つの表示パネル110を用いる構造に限定されない。例えば、表示パネル110は、1つであって、右半分の領域には右目用の画像を表示し、左半分の領域には左目用の画像を表示するように、1つの表示パネル110の表示領域111を2分割するようにしてもよい。
【0026】
表示制御回路112は、ドライバIC(Integrated Circuit:集積回路)115、信号線接続回路113及び走査線駆動回路114を備えている。信号線接続回路113は、信号線SLと電気的に接続されている。ドライバIC115は、走査線駆動回路114によって、画素Pixの動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、TFT)のON/OFFを制御する。走査線駆動回路114は、走査線GLと電気的に接続されている。
【0027】
センサ120は、ユーザの頭部の向きを推定可能な情報を検出する。例えば、センサ120は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報を検出し、表示システム1は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報に基づいて、表示装置100を頭部に装着したユーザの頭部の向きを推定する。
【0028】
センサ120は、例えば、表示装置100や装着部材400の角度、加速度、角速度、方位、距離の少なくとも1つを用いて、視線の向きを推定可能な情報を検出する。センサ120は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサ等を用いることができる。センサ120は、例えば、ジャイロセンサによって表示装置100や装着部材400の角度及び角速度を検出してもよい。センサ120は、例えば、加速度センサによって表示装置100や装着部材400に働く加速度の方向及び大きさを検出してもよい。
【0029】
また、センサ120は、例えば、方位センサによって表示装置100の方位を検出してもよい。センサ120は、例えば、距離センサ、GPS(Global Positioning System)受信機等によって表示装置100や装着部材400の移動を検出してもよい。センサ120は、ユーザの頭部の向き、視線の変化、移動等を検出するためのセンサであれば、光センサ等の他のセンサでもよく、複数のセンサを組み合わせて用いてもよい。センサ120は、後述するインタフェース160を介して、画像分離回路150と電気的に接続されている。
【0030】
画像分離回路150は、ケーブル300を介して制御装置200から送られてきた左目用の画像データと右目用の画像データを受けとり、左目用の画像データを左目用の画像を表示する表示パネル110に送り、右目用の画像データを右目用の画像を表示する表示パネル110に送る。
【0031】
インタフェース160は、ケーブル300(図1)が接続されるコネクタを含む。インタフェース160には、接続されたケーブル300を介して、制御装置200からの信号が入力される。画像分離回路150は、インタフェース160及びインタフェース240を介して、センサ120から入力された信号を制御装置200へ出力する。ここで、センサ120から入力された信号には、上述した視線の向きを推定可能な情報が含まれる。あるいは、センサ120から入力された信号は、インタフェース160を介して直接、制御装置200の制御部230へ出力されてもよい。インタフェース160は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して制御装置200との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0032】
制御装置200は、操作部210と、記憶部220と、制御部230と、インタフェース240と、を備える。
【0033】
操作部210は、ユーザの操作を受け付ける。操作部210は、例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン等の入力デバイスを用いることができる。操作部210は、制御部230と電気的に接続されている。操作部210は、操作に応じた情報を制御部230に出力する。
【0034】
記憶部220は、プログラム及びデータを記憶する。記憶部220は、制御部230の処理結果を一時的に記憶する。記憶部220は、記憶媒体を含む。記憶媒体は、例えば、ROM、RAM、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等を含む。記憶部220は、表示装置100に表示させる画像のデータを記憶してもよい。
【0035】
記憶部220は、例えば、制御プログラム211、VRアプリケーション212等を記憶する。制御プログラム211は、例えば、制御装置200を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。VRアプリケーション212は、仮想現実の画像を表示装置100に表示させる機能を提供できる。記憶部220は、例えば、センサ120の検出結果を示すデータ等の表示装置100から入力された各種情報を記憶できる。
【0036】
制御部230は、例えば、MCU(Micro Control Unit)、CPU(Central Processing Unit)等を含む。制御部230は、制御装置200の動作を統括的に制御できる。制御部230の各種機能は、制御部230の制御に基づいて実現される。
【0037】
制御部230は、例えば、表示する画像を生成するGPU(Graphics Processing Unit)を含む。GPUは、表示装置100に表示する画像を生成する。制御部230は、GPUが生成した画像を、インタフェース240を介して表示装置100に出力する。本実施形態では、制御装置200の制御部230は、GPUを含む場合について説明するが、これに限定されない。例えば、GPUは、表示装置100又は表示装置100の画像分離回路150に設けてもよい。この場合、表示装置100は、例えば、制御装置200、外部の電子機器等からデータを取得し、当該データに基づいてGPUが画像を生成すればよい。
【0038】
インタフェース240は、ケーブル300(図1参照)が接続されるコネクタを含む。インタフェース240には、ケーブル300を介して、表示装置100からの信号が入力される。インタフェース240は、制御部230から入力された信号を、ケーブル300を介して表示装置100へ出力する。インタフェース240は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して表示装置100との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0039】
制御部230は、VRアプリケーション212を実行すると、ユーザ(表示装置100)の動きに応じた画像を表示装置100に表示させる。制御部230は、画像を表示装置100に表示させた状態で、ユーザ(表示装置100)の変化を検出すると、当該変化した方向の画像へ表示装置100に表示している画像を変化させる。制御部230は、画像の作成開始時に、仮想空間上の基準視点及び基準視線に基づく画像を作成し、ユーザ(表示装置100)の変化を検出した場合、表示させている画像を作成する際の視点又は視線を、基準視点又は基準視線方向からユーザ(表示装置100)の動きに応じて変更し、変更した視点又は視線に基づく画像を表示装置100に表示させる。
【0040】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、ユーザの頭部の右方向への移動を検出する。この場合、制御部230は、現在表示させている画像から右方向へ視線を変化させた場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像の右方向の画像を視認することができる。
【0041】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、表示装置100の移動を検出すると、検出した移動に応じて画像を変化させる。制御部230は、表示装置100が前方へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の前方へ移動した場合の画像へ変化させる。制御部230は、表示装置100が後方方向へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の後方へ移動した場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像から、自身の移動方向の画像を視認することができる。
【0042】
図4は、第1実施形態に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。以下、上述した走査線GLは、複数の走査線G1、G2、G3を総称している。上述した信号線SLは、複数の信号線S1、S2、S3を総称している。図4に示す例では、走査線GLと信号線SLとが直交しているが、これに限定されない。例えば、走査線GLと信号線SLとは直交していなくても良い。
【0043】
図4に示すように、表示領域111には、各画素PixR、PixG、PixBのスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3、信号線SL、走査線GL等が形成されている。信号線S1、S2、S3は、各画素電極PE1、PE2、PE3(図6参照)に画素信号を供給するための配線である。走査線G1、G2、G3は、各スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3を駆動するゲート信号を供給するための配線である。
【0044】
表示領域111の画素Pixには、配列された複数の画素PixR、PixG、PixBが含まれる。以下、複数の画素PixR、PixG、PixBを総称して、画素Pixとすることがある。画素PixR、PixG、PixBは、それぞれスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3及び液晶層LCの容量を備えている。スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。後述する画素電極PE1、PE2、PE3と共通電極COMとの間に第6絶縁膜16(図6参照)が設けられ、これらによって図4に示す保持容量Csが形成される。
【0045】
図4に示すカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、例えば赤(第1色:R)、緑(第2色:G)、青(第3色:B)の3色に着色された色領域が周期的に配列されている。上述した図4に示す各画素PixR、PixG、PixBに、R、G、Bの3色の色領域が1組として対応付けられる。そして、3色の色領域に対応する画素PixR、PixG、PixBを1組とされる。なお、カラーフィルタは、4色以上の色領域を含んでいてもよい。画素PixR、PixG、PixBがそれぞれ、副画素と呼ばれることもある。
【0046】
図5は、第1実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。なお、図5では図面を見やすくするために、複数の信号線の一部を省略して示している。
【0047】
図5に示すように、表示パネル110の表示領域111は、平面視で多角形状である。より詳細には、表示領域111は、八角形状であり、第1辺e1、第2辺e2、第3辺e3、第4辺e4、第1傾斜辺ea1、第2傾斜辺ea2、第3傾斜辺ea3及び第4傾斜辺ea4を有する。表示パネル110の第1基板10の基板端部と、表示領域111の各辺との間は、周辺領域と呼ばれる。
【0048】
第1辺e1は、表示領域111の外周の右側に位置する辺であり、第2方向Dyに延在する。第2辺e2は、第1辺e1の反対側、すなわち表示領域111の外周の左側に位置し、第2方向Dyに延在する。第3辺e3は、表示領域111の外周の上側に位置する辺であり、第1方向Dxに延在する。第4辺e4は、第3辺e3の反対側、すなわち表示領域111の外周の下側に位置する辺であり、第1方向Dxに延在する。
【0049】
第3辺e3及び第4辺e4に対応する領域に設けられた複数の信号線SLの第2方向Dyでの長さは、それぞれ等しい。また、第1辺e1及び第2辺e2に対応する領域に設けられた複数の走査線GLの第1方向Dxでの長さは、それぞれ等しい。
【0050】
第1傾斜辺ea1は、第1辺e1と第3辺e3との間の辺であり、第1辺e1の一端側(図5における上端側)に接続され、第2方向Dyに対して傾斜する。第2傾斜辺ea2は、第1辺e1と第4辺e4との間の辺であり、第1辺e1の他端側(図5における下端側)に接続され、第2方向Dyに対して傾斜する。第3傾斜辺ea3は、第2辺e2と第3辺e3との間の辺であり、第2辺e2の一端側に接続され、第2方向Dyに対して傾斜する。第4傾斜辺ea4は、第2辺e2と第4辺e4との間の辺であり、第2辺e2の他端側に接続され、第2方向Dyに対して傾斜する。
【0051】
本実施形態では、第1傾斜辺ea1と第2傾斜辺ea2とは、第1辺e1の中点を通り第1方向Dxに平行な仮想線を対象軸として線対称になるように設けられている。第1傾斜辺ea1及び第2傾斜辺ea2に対応する領域に設けられた信号線SLの第2方向Dyでの長さは、第3辺e3及び第4辺e4に対応する領域に設けられた信号線SLの第2方向Dyでの長さよりも短い。第1傾斜辺ea1及び第2傾斜辺ea2に対応する領域に設けられた複数の信号線SLは、第1方向Dxで、第3辺e3及び第4辺e4の右端から離れるほど(すなわち、第1辺e1に近づくほど)第2方向Dyでの長さが短くなる。
【0052】
また、第3傾斜辺ea3と第4傾斜辺ea4とは、第2辺e2の中点を通り第1方向Dxに平行な仮想線を対象軸として線対称になるように設けられている。第3傾斜辺ea3及び第4傾斜辺ea4に対応する領域に設けられた信号線SLの第2方向Dyでの長さは、第3辺e3及び第4辺e4に対応する領域に設けられた信号線SLの第2方向Dyでの長さよりも短い。第3傾斜辺ea3及び第4傾斜辺ea4に対応する領域に設けられた複数の信号線SLは、第1方向Dxで、第3辺e3及び第4辺e4の左端から離れるほど(すなわち、第2辺e2に近づくほど)第2方向Dyでの長さが短くなる。
【0053】
第1傾斜辺ea1と第3傾斜辺ea3とは、第3辺e3の中点を通り第2方向Dyに平行な仮想線を対象軸として線対称になるように設けられている。第1傾斜辺ea1及び第3傾斜辺ea3に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さは、第1辺e1及び第2辺e2に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さよりも短い。第1傾斜辺ea1及び第3傾斜辺ea3に対応する領域に設けられた複数の走査線GLは、第1傾斜辺ea1及び第3傾斜辺ea3のそれぞれに沿った方向で、第1辺e1及び第2辺e2の一端から離れるほど(すなわち、第3辺e3に近づくほど)第1方向Dxでの長さが短くなる。
【0054】
また、第2傾斜辺ea2と第4傾斜辺ea4とは、第4辺e4の中点を通り第2方向Dyに平行な仮想線を対象軸として線対称になるように設けられている。第2傾斜辺ea2及び第4傾斜辺ea4に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さは、第1辺e1及び第2辺e2に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さよりも短い。第2傾斜辺ea2及び第4傾斜辺ea4に対応する領域に設けられた複数の走査線GLは、第2傾斜辺ea2及び第4傾斜辺ea4のそれぞれに沿った方向で、第1辺e1及び第2辺e2の他端から離れるほど(すなわち、第4辺e4に近づくほど)第1方向Dxでの長さが短くなる。
【0055】
走査線駆動回路114Aは、表示パネル110の第1基板10の基板端部と、表示領域111の第1傾斜辺ea1、第1辺e1及び第2傾斜辺ea2との間の周辺領域に配置されている。より詳細には、走査線駆動回路114Aは、第1辺e1に沿って設けられた第1回路部31、第1傾斜辺ea1に沿って設けられた第2回路部32、及び、第2傾斜辺ea2に沿って設けられた第3回路部33を含む。
【0056】
走査線駆動回路114Bは、走査線駆動回路114Aの反対側で、表示パネル110の第1基板10の基板端部と、表示領域111の第2傾斜辺ea2、第2辺e2及び第4傾斜辺ea4との間の周辺領域に配置されている。より詳細には、走査線駆動回路114Bは、第2辺e2に沿って設けられた第4回路部34、第3傾斜辺ea3に沿って設けられた第5回路部35、及び、第4傾斜辺ea4に沿って設けられた第6回路部36を含む。複数の走査線GLの右端側は、走査線駆動回路114Aに電気的に接続され、複数の走査線GLの左端側は、走査線駆動回路114Bに電気的に接続される。
【0057】
信号線接続回路113は、表示パネル110の第1基板10の基板端部と、表示領域111の第4辺e4との間の周辺領域に配置されている。信号線接続回路113は、複数の信号線SLと電気的に接続される。ドライバIC115は、表示パネル110の第1基板10の基板端部と、表示領域111の第4辺e4との間の周辺領域に配置されている。ドライバIC115は、走査線駆動回路114A、114B及び信号線接続回路113を制御する回路である。
【0058】
図5に示す例において、信号線SLは第1方向Dxに並んで配列され、第2方向Dyと平行に延在する。走査線GLは信号線SLと交差する方向(第1方向Dx)と平行に延在する。走査線GLが延在する方向は、信号線SLが延在する方向と直交であるので、例えば、各画素PixR、PixG、PixB(図7参照)は、長方形である。ただし、各画素PixR、PixG、PixBは長方形に限られない。例えば、各画素PixR、PixG、PixBは、平行四辺形であっても良い。なお、各画素PixR、PixG、PixBは、画素PixSと呼ぶこともある。
【0059】
次に、表示パネル110の断面構造について、図6を参照して説明する。図6は、第1実施形態に係る表示パネルの断面を模式的に示す断面図である。図6において、アレイ基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第1基板10を基体としている。アレイ基板SUB1は、第1基板10の対向基板SUB2と対向する側に、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、第6絶縁膜16、信号線S1からS3、画素電極PE1からPE3、共通電極COM、第1配向膜AL1などを備えている。以下の説明において、アレイ基板SUB1から対向基板SUB2に向かう方向を上方、あるいは、単に上と称する。
【0060】
第1絶縁膜11は、第1基板10の上に位置している。第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上に位置している。第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12の上に位置している。信号線S1からS3は、第3絶縁膜13の上に位置している。第4絶縁膜14は、第3絶縁膜13の上に位置し、信号線S1からS3を覆っている。
【0061】
必要があれば、第4絶縁膜14の上には、配線を配置してもよい。この配線は、第5絶縁膜15によって覆われることになる。本実施形態では、配線を省略している。第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、及び、第6絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。第4絶縁膜14及び第5絶縁膜15は、透光性を有する樹脂材料によって形成され、無機系材料によって形成された他の絶縁膜と比べて厚い膜厚を有している。ただし、第5絶縁膜15については無機系材料によって形成されたものであってもよい。
【0062】
共通電極COMは、第5絶縁膜15の上に位置している。共通電極COMは、第6絶縁膜16によって覆われている。第6絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。
【0063】
画素電極PE1からPE3は、第6絶縁膜16の上に位置し、第6絶縁膜16を介して共通電極COMと対向している。画素電極PE1からPE3、及び、共通電極COMは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PE1からPE3は、第1配向膜AL1によって覆われている。第1配向膜AL1は、第6絶縁膜16も覆っている。
【0064】
対向基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第2基板20を基体としている。対向基板SUB2は、第2基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0065】
図6に示すように、遮光層BMは、第2基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置している。そして、遮光層BMは、画素電極PE1からPE3とそれぞれ対向する開口の大きさを規定している。遮光層BMは、黒色の樹脂材料や、遮光性の金属材料によって形成されている。
【0066】
カラーフィルタCFR、CFG、CFBのそれぞれは、第2基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置し、それぞれの端部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFRは、画素電極PE1と対向している。カラーフィルタCFGは、画素電極PE2と対向している。カラーフィルタCFBは、画素電極PE3と対向している。一例では、カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ青色、赤色、緑色に着色された樹脂材料によって形成されている。
【0067】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透光性を有する樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0068】
以上説明したように、対向基板SUB2は、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFBなどを備えている。遮光層BMは、図4に示した走査線G1、G2、G3、信号線S1、S2、S3、スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3などの配線部と対向する領域に配置されている。
【0069】
図6において、対向基板SUB2は、3色のカラーフィルタCFR、CFG、CFBを備えていたが、青色、赤色、及び、緑色とは異なる他の色、例えば白色、透明、イエロー、マゼンタ、シアンなどのカラーフィルタを含む4色以上のカラーフィルタを備えていてもよい。また、これらのカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、アレイ基板SUB1に備えられていてもよい。
【0070】
また、図6において、カラーフィルタCFは対向基板SUB2に設けられているが、アレイ基板SUB1にカラーフィルタCFを備える、所謂COA(Color filter on Array)の構造であってもよい。
【0071】
上述したアレイ基板SUB1及び対向基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。液晶層LCは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に封入されている。液晶層LCは、誘電率異方性が負のネガ型液晶材料、あるいは、誘電率異方性が正のポジ型液晶材料によって構成されている。
【0072】
アレイ基板SUB1がバックライトユニットILと対向し、対向基板SUB2が表示面側に位置する。バックライトユニットILとしては、種々の形態のものが適用可能であるが、その詳細な構造については説明を省略する。
【0073】
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1基板10の外面、あるいは、バックライトユニットILと対向する面に配置される。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、第2基板20の外面、あるいは、観察位置側の面に配置される。第1偏光板PL1の第1偏光軸及び第2偏光板PL2の第2偏光軸は、例えばX-Y平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0074】
例えば、液晶層LCがネガ型液晶材料である場合であって、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、液晶分子LMは、X-Y平面内において、その長軸がX方向に沿う方向に初期配向している。一方、液晶層LCに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PE1からPE3と共通電極COMとの間に電界が形成されたオン時において、液晶分子LMは、電界の影響を受けてその配向状態が変化する。オン時において、入射した直線偏光は、その偏光状態が液晶層LCを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。
【0075】
図7は、第1実施形態に係る画素配列の一例を示す図である。なお、図7では、画素PixS(各画素PixR、PixG、PixB)の第2方向Dyの距離(配置ピッチ)をPh1、第1方向Dxの距離(配置ピッチ)をPw1としている。また、図8では、本開示において説明に必要な構成要素のみを示し、それ以外の構成要素は省略あるいは簡略化している。
【0076】
図7に示すように、本実施形態に係る表示パネル110は、画素PixS(各画素PixR、PixG、PixB)のカラーフィルタCF(CFR、CFG、CFB)が遮光層BMにより区切られている。画素PixS(各画素PixR、PixG、PixB)は、カラーフィルタCF(CFR、CFG、CFB)が設けられた開口部から、バックライトユニットILから放射された光が透過して、各色(青色、赤色、緑色)を発する。
【0077】
画素PixR、PixG、PixBは、第1方向Dxでこの順に繰り返し配列される。また、画素PixR、PixG、PixBは、それぞれ、第2方向Dyに並んで配列される。
【0078】
次に、図8から図12を参照して、走査線駆動回路114Aの詳細な構成について説明する。以下の説明では、走査線駆動回路114Aについて説明するが、走査線駆動回路114Bも同様の構成であり、走査線駆動回路114Aについての説明は、走査線駆動回路114Bにも適用できる。
【0079】
図8に示すように、走査線駆動回路114Aは、複数の出力回路50と、シフトレジスタ51と、反転回路52と、を含む。シフトレジスタ51は、ドライバIC115(図5参照)からのクロック信号等に基づいて、複数の出力回路50に順次走査信号SRを出力する回路である。シフトレジスタ51から出力された走査信号SRは、4つの出力回路50に共通の入力信号Vinとして供給される。
【0080】
反転回路52は、シフトレジスタ51からの走査信号SRを反転した入力信号xVinを出力する回路である。反転回路52は、走査信号SRがハイ(高レベル電圧)の場合に、入力信号xVinをロウ(低レベル電圧)とする。反転回路52は、走査信号SRがロウ(低レベル電圧)の場合に、入力信号xVinをハイ(高レベル電圧)とする。反転回路52から出力された入力信号xVinは、4つの出力回路50に共通の信号として供給される。
【0081】
また、駆動信号供給回路54は、第1制御信号Venb及び第2制御信号VGLを4つの出力回路50に供給する回路である。第1制御信号Venbは、それぞれ4つの配線L1を介して4つの出力回路50に供給される。第2制御信号VGLは、共通の配線L2を介して4つの出力回路50に供給される。駆動信号供給回路54は、例えばドライバIC115に含まれる回路である。ただし、駆動信号供給回路54はドライバIC115とは個別に設けられていてもよい。
【0082】
複数の出力回路50は、複数の走査線GL-1、GL-2、GL-3、GL-4のそれぞれに設けられる。出力回路50は、入力信号Vin、xVinに基づいて、出力信号Voを走査線GL-1、GL-2、GL-3、GL-4に出力する回路である。なお、以下の説明において走査線GL-1、GL-2、GL-3、GL-4を区別して説明する必要がない場合には、単に走査線GLと表す。
【0083】
出力信号Voは、各画素Pixが有するスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3(図4参照)のゲート駆動信号であり、駆動信号供給回路54からの第1制御信号Venb及び第2制御信号VGLのいずれか一方を含む。第1制御信号Venbはスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3をオンにする電位を有する信号であり、第2制御信号VGLはスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3をオフにする電位を有する信号である。
【0084】
なお、図8では、4つの出力回路50及び4本の走査線GLを示しているが、シフトレジスタ51は、4つの出力回路50(4本の走査線GL)ごとに時分割的に順次走査信号SRを供給する。また、共通の走査信号SRが供給される出力回路50の数は、4つに限定されず、1以上3以下、あるいは5つ以上であってもよい。また、図8に示す走査線駆動回路114Aはあくまで模式的に示したものであり、必要に応じてバッファ回路やレベルシフタなどの他の回路を備えていてもよい。
【0085】
図9は、走査線駆動回路の出力回路の構成の一例を示す回路図である。図9に示すように、出力回路50は、第1スイッチング素子Tr1と、第2スイッチング素子Tr2と、第3スイッチング素子Tr3と、を有する。第1スイッチング素子Tr1は、nチャネルのMOS型のTFTで構成されている。第2スイッチング素子Tr2は、pチャネルのMOS型のTFTで構成されている。第1スイッチング素子Tr1と第2スイッチング素子Tr2とが並列に接続されてCMOS構造のスイッチング素子TrCとして構成される。第3スイッチング素子Tr3は、nチャネルのMOS型のTFTで構成されている。
【0086】
第1スイッチング素子Tr1のゲートには、シフトレジスタ51からの走査信号SRに基づく入力信号Vinが供給される。第1スイッチング素子Tr1は、入力信号Vinによりオンオフ制御される。また、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3のゲートには、シフトレジスタ51からの走査信号SRを反転した入力信号xVinが供給される。第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3は、入力信号xVinによりオンオフ制御される。
【0087】
第1スイッチング素子Tr1の入力側及び第2スイッチング素子Tr2の入力側には、駆動信号供給回路54から配線L1(図8参照)を介して第1制御信号Venbが供給される。また、第2スイッチング素子Tr2の入力側には、駆動信号供給回路54から配線L2(図8参照)を介して第2制御信号VGLが供給される。第1スイッチング素子Tr1の出力側、第2スイッチング素子Tr2の出力側及び第3スイッチング素子Tr3の出力側は、走査線GLに電気的に接続され、出力信号Voを出力する。
【0088】
入力信号Vinがハイ(高レベル電圧)、入力信号xVinがロウ(低レベル電圧)の場合、第1スイッチング素子Tr1及び第2スイッチング素子Tr2がオン(導通状態)となり、第3スイッチング素子Tr3がオフ(非道通状態)となる。したがって、出力回路50は、出力信号Voとして第1制御信号Venbを出力する。これにより、出力回路50に接続された走査線GLが選択される。
【0089】
入力信号Vinがロウ(低レベル電圧)、入力信号xVinがハイ(高レベル電圧)の場合、第1スイッチング素子Tr1及び第2スイッチング素子Tr2がオフ(非道通状態)となり、第3スイッチング素子Tr3がオン(導通状態)となる。したがって、出力回路50は、出力信号Voとして第2制御信号VGLを出力する。これにより、出力回路50に接続された走査線GLが非選択となる。
【0090】
ここで、図8に示すように、4つの出力回路50に共通の入力信号Vin、xVinが供給されるので、4つの出力回路50の各スイッチング素子Trは、同期してオンオフ制御がなされる。また、4つの出力回路50に個別に配線L1が接続されているので、駆動信号供給回路54は時分割的に第1制御信号Venbを4つの出力回路50に出力してもよい。この場合、4つの出力回路50のそれぞれに接続された走査線GLが、順次時分割的に選択される。
【0091】
また、図8に示すように、4つの出力回路50に共通の配線L2が接続されているので、駆動信号供給回路54は第2制御信号VGLを4つの出力回路50に共通の出力信号Voとして出力する。この場合、4つの出力回路50に接続された走査線GLが、同期して非選択となる。
【0092】
図10は、図5における領域A1を拡大して示す平面図である。図10に示すように、複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4は、表示領域111の第1辺e1に沿って第2方向Dyに並んで配列される。図10に示す複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4は、走査線駆動回路114Aの第1回路部31の一部の回路を構成する。なお、以下の説明において、出力回路50-1、50-2、50-3、50-4について区別して説明する必要がない場合には、単に出力回路50と表す。
【0093】
各出力回路50の第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3は、表示領域111の第1辺e1に直交する方向(第1方向Dx)に並んで配列される。複数の配線L1は、表示領域111の第1辺e1と第1スイッチング素子Tr1との間で、第1辺e1に沿って第2方向Dy延在する。配線L2は、第3スイッチング素子Tr3よりも基板端部側に設けられ、第2方向Dyに延在する。
【0094】
第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3は、それぞれ半導体層SC、ソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEを有する。ソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEはそれぞれ表示領域111の第1辺e1と直交する方向(第1方向Dx)に延在する。ゲート電極GEは、半導体層SCと重なって設けられ、第1辺e1に沿った方向(第2方向Dy)で、ソース電極SEとドレイン電極DEとの間に配置される。半導体層SCは、ゲート電極GEに対して第1方向Dxの一方側で、ドレイン電極DEとコンタクトホールを介して電気的に接続され、ゲート電極GEに対して第1方向Dxの他方側で、ソース電極SEとコンタクトホールを介して電気的に接続され。
【0095】
半導体層SCのうち、ゲート電極GEと重なる部分にチャネル領域が形成される。半導体層SCのチャネル領域の、ゲート電極GEの延在方向に沿った方向(図10では第1方向Dx)での長さをチャネル幅W1a、W2a、W3aと表す。言い換えると、チャネル幅W1a、W2a、W3aは、半導体層SCのチャネル領域の、ソース電極SEとゲート電極GEとを結ぶ方向と直交する方向での幅を表す。領域A1では、チャネル幅W1a、W2a、W3aの方向(チャネル幅方向)は、表示領域111の第1辺e1と直交する方向(第1方向Dx)に沿って設けられる。
【0096】
なお、以下の説明において、チャネル幅W1a、W2a、W3aを区別して説明する必要がない場合には、単にチャネル幅Wと表す。また、第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3を区別して説明する必要がない場合には、単にスイッチング素子Trと表す。
【0097】
また、1つの出力回路50で、第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3のチャネル幅W1a、W2a、W3aは、実質的に同じ幅で形成される。複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4で、複数の第1スイッチング素子Tr1のチャネル幅W1aは、実質的に同じ幅で形成される。複数の第2スイッチング素子Tr2のチャネル幅W2a、及び、複数の第3スイッチング素子Tr3のチャネル幅W3aも、それぞれ実質的に同じ幅で形成される。言い換えると、共通の配線L3、L4に電気的に接続され、共通の入力信号Vin、xVinでオンオフ制御がなされる各スイッチング素子のチャネル幅W1a、W2a、W3aは、実質的に同じ幅で形成される。
【0098】
第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3のドレイン電極DEは、共通の配線で形成され、出力配線L5と電気的に接続される。出力配線L5は、それぞれ配線L1と交差して表示領域111側に延在し、走査線GLと電気的に接続される。出力配線L5は、出力回路50からの出力信号Voを走査線GLに出力するための配線である。
【0099】
第1スイッチング素子Tr1及び第2スイッチング素子Tr2のソース電極SEは、共通の配線で形成され、第1制御信号Venbが供給される配線L1と電気的に接続される。第3スイッチング素子Tr3のソース電極SEは、第1スイッチング素子Tr1及び第2スイッチング素子Tr2のソース電極SEと離隔して設けられ、第2制御信号VGLが供給される配線L2と電気的に接続される。
【0100】
出力回路50-1、50-2、50-3、50-4の第1スイッチング素子Tr1のゲート電極GEは、ゲート接続配線GB1により並列に接続される。ゲート接続配線GB1は、平面視で複数のソース電極SE及び複数のドレイン電極DEと交差して第2方向Dyに延在する。ゲート接続配線GB1により接続された4つのゲート電極GEは、ブリッジ配線LBを介して、配線L3と電気的に接続される。配線L3は、入力信号Vinを第1スイッチング素子Tr1のゲートに供給するための配線である。
【0101】
第2スイッチング素子Tr2のゲート電極GE及び第3スイッチング素子Tr3のゲート電極GEは、共通の配線で形成される。出力回路50-1、50-2、50-3、50-4の、第2スイッチング素子Tr2のゲート電極GE及び第3スイッチング素子Tr3のゲート電極GEは、ゲート接続配線GB2により並列に接続される。ゲート接続配線GB2は、平面視で複数のドレイン電極DE及びゲート接続配線GB1と交差して第2方向Dyに延在する。
【0102】
ゲート接続配線GB2により接続された第2スイッチング素子Tr2のゲート電極GE及び第3スイッチング素子Tr3のゲート電極GEは、配線L4と電気的に接続される。配線L4は、入力信号xVinを第2スイッチング素子Tr2のゲート及び第3スイッチング素子Tr3のゲートに供給するための配線である。
【0103】
図11は、図5における領域A2を拡大して示す平面図である。図11では、第1傾斜辺ea1の第3辺e3(図5参照)との接続部分に近い側、すなわち、表示領域111のドライバIC115から最も離れた上端側の領域A2を拡大して示している。また、図11に示す複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4は、走査線駆動回路114Aの第2回路部32の一部の回路を構成する。
【0104】
図11に示すように、複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4は、表示領域111の第1傾斜辺ea1に沿って並んで配列される。領域A2での複数の出力回路50の第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3の接続構成は、図10にて上述した領域A1と同様であり、繰り返しの説明は省略する。
【0105】
領域A2では、各出力回路50の第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3は、第1傾斜辺ea1と直交する方向(第1方向Dx及び第2方向Dyに交差する方向)に並んで配列される。複数の配線L1は、表示領域111の第1傾斜辺ea1と第1スイッチング素子Tr1との間で、第1傾斜辺ea1に沿って延在する。配線L2は、第3スイッチング素子Tr3よりも基板端部側に設けられ、第1傾斜辺ea1に沿う方向と平行方向に延在する。
【0106】
領域A2では、第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3のソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEは、それぞれ表示領域111の第1傾斜辺ea1と直交する方向(第1方向Dx及び第2方向Dyに交差する方向)に延在する。
【0107】
領域A2では、チャネル幅W1b、W2b、W3bの方向は、表示領域111の第1傾斜辺ea1と直交する方向(第1方向Dx及び第2方向Dyに交差する方向)に沿って設けられる。また、第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3のチャネル幅W1b、W2b、W3bは、実質的に同じ幅で形成される。また、複数の出力回路50-1、50-2、50-3、50-4で、各スイッチング素子のチャネル幅W1b、W2b、W3bは実質的に同等の幅を有する。
【0108】
図11に示す領域A2でのチャネル幅W1b、W2b、W3bは、図10に示す領域A2でのチャネル幅W1a、W2a、W3aよりも短い。より具体的には、第1傾斜辺ea1に沿って配列された複数のスイッチング素子Tr(第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3)のチャネル幅W1b、W2b、W3bは、第1辺e1に沿って配列された複数のスイッチング素子のチャネル幅W1a、W2a、W3aよりも短い。
【0109】
図12は、表示領域の第1傾斜辺に沿って配列された複数の出力回路を模式的に示す平面図である。図12では、第1傾斜辺ea1の第3辺e3(図5参照)との接続部分に近い側(領域A2)、第1傾斜辺ea1の第1辺e1(図5参照)との接続部分に近い側(領域A1に近い側)、及び、これらの領域の中間領域をそれぞれ拡大して示している。また、図12では、それぞれ出力回路50-1を示しているが、出力回路50-2、50-3、50-4についても上述した図11と同様の構成である。
【0110】
図12に示すように、領域A2での各スイッチング素子のチャネル幅W1b、W2b、W3bは、中間領域での各スイッチング素子のチャネル幅W1c、W2c、W3cよりも短い。中間領域での各スイッチング素子のチャネル幅W1c、W2c、W3cは、領域A1に近い側の各スイッチング素子のチャネル幅W1d、W2d、W3dよりも短い。
【0111】
図11及び図12に示すように、第1傾斜辺ea1に沿って配列された各スイッチング素子Trのチャネル幅W1は、第1傾斜辺ea1に沿う方向で、第1辺e1の一端から離れるほど(すなわち、第3辺e3に近づくほど)短くなる。
【0112】
ここで、図5にて上述したように、第1傾斜辺ea1に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さは、第1辺e1及び第2辺e2に対応する領域に設けられた走査線GLの第1方向Dxでの長さよりも短い。また、第1傾斜辺ea1に対応する領域に設けられた複数の走査線GLは、第1傾斜辺ea1に沿う方向で、第1辺e1から離れるほど(すなわち、第3辺e3に近づくほど)第1方向Dxでの長さが短くなる。
【0113】
すなわち、本実施形態では、スイッチング素子(第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3)に電気的に接続された走査線GLの第1方向Dxでの長さが長いほど、スイッチング素子Trのチャネル幅Wが長い。より詳細には、第1傾斜辺ea1に対応する領域に設けられた複数の走査線GLは、第1傾斜辺ea1に沿う方向で第1辺e1から離れるほど第1方向Dxでの長さが短く、第1傾斜辺ea1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trは、第1辺e1から離れるほどのチャネル幅Wが短く形成される。
【0114】
なお、複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wは、第1傾斜辺ea1に沿って連続的に短く形成される場合に限定されず、複数のスイッチング素子Tr(例えば4つの出力回路50-1から50-4に含まれる複数のスイッチング素子Tr)ごとに短く形成されてもよい。また、複数の走査線GLは、第1傾斜辺ea1に沿って連続的に短く形成される場合に限定されず、複数の走査線GLを含む走査線ブロックごとに短く形成されてもよい。
【0115】
なお、本実施形態では、走査線駆動回路114Aの第2傾斜辺ea2に沿って設けられた第3回路部33の図示を省略している。ただし、第3回路部33の各出力回路50は、図11及び図12の各出力回路50を上下反転させた傾きを有して配置される。例えば、図11及び図12に示す第2回路部32の各出力回路50において、各スイッチング素子Trのソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEが第1方向Dxに対して+θ°の角度を有して傾斜している場合に、第3回路部33の各出力回路50において、各スイッチング素子Trのソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEは第1方向Dxに対して-θ°の角度を有して傾斜する。
【0116】
また、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wは、第1傾斜辺ea1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wと実質的に等しい。また、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wは、第1辺e1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wよりも短い。つまり、第2傾斜辺ea2に対応する領域に設けられた複数の走査線GLは、第2傾斜辺ea2に沿う方向で第1辺e1から離れるほど第1方向Dxでの長さが短く、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trは、第1辺e1から離れるほどのチャネル幅Wが短く形成される。
【0117】
このような構成により、本実施形態の表示装置100は、複数の走査線GLの抵抗値が大きいほど、複数の走査線GLに接続されたスイッチング素子Trの抵抗値が抑制される。したがって、本実施形態の表示装置100は、表示領域111が異形状を有する構成であっても、複数の走査線GLごとの負荷のばらつきを抑制することができる。
【0118】
次に、複数の走査線GLの負荷を含む表示パネル110の全体の負荷について説明する。図13は、第1実施形態に係る表示パネルの、ドライバICから走査線までの全体の負荷を説明するための説明図である。図13に示すように、ドライバIC115から走査線GLまでの表示パネル110全体の負荷として、抵抗R1、R2、R3、R4、容量C1、C2を有する。
【0119】
抵抗R1は、ドライバIC115の出力インピーダンスの抵抗成分である。抵抗R2及び容量C1は、第1制御信号Venbを供給するための配線L1及び第2制御信号VGLを供給するための配線L2(図10から図12参照)の抵抗成分及び容量成分である。抵抗R3は、出力回路50の抵抗成分である。抵抗R4及び容量C2は、走査線GLの抵抗成分及び容量成分である。なお、図13では、1本の走査線GLでの表示パネル110の負荷を示しており、配線L1、L2の抵抗R2及び容量C1も、1本の走査線GLに接続された配線L1、L2の抵抗R2及び容量C1を示す。
【0120】
複数の走査線GLは領域ごとに異なる長さを有しており、走査線GLの長さが長いほど図13の抵抗R4及び容量C2の値が大きくなる。一方で、上述したように走査線GLの第1方向Dxでの長さが長いほど、スイッチング素子Trのチャネル幅Wが長い。すなわち、図13における出力回路50の抵抗R3の値が小さくなる。これにより、表示領域111が異形状であり複数の走査線GLの長さが異なる場合であっても、複数の走査線GLごとの負荷のばらつきを抑制することができる。
【0121】
次に、「走査線GLの第1方向Dxでの長さ」について説明する。図14は、走査線の長さを説明するための説明図である。図14は、表示パネル110の一部を拡大して模式的に示す平面図であり、遮光層BMに斜線を付けて示している。図14に示すように、遮光層BMは、周辺重畳部BMaと、走査線重畳部BMbと、信号線重畳部BMcと、を含む。周辺重畳部BMaは、周辺領域に設けられ、走査線駆動回路114A等の周辺回路と重畳する。周辺重畳部BMaは、表示領域111と重なる領域に開口を有し、表示領域111の外周に沿って設けられた内縁部BMeを有する。走査線重畳部BMb及び信号線重畳部BMcは、内縁部BMeで囲まれた領域(実質的に表示領域111と重なる領域)に設けられ、それぞれ走査線GL及び信号線SLと重畳する。
【0122】
本明細書において、周辺重畳部BMaの内縁部BMeを、表示領域111の外周の各辺に沿った直線状とした場合に、走査線GLの第1方向Dxでの長さW-GLとは、走査線GLの内縁部BMeよりも表示領域111の中央部側で延在する部分の長さを示す。ここで、周辺重畳部BMaの内縁部BMeは、仮想的に走査線重畳部BMb及び信号線重畳部BMcが設けられず、表示領域111の外周の各辺に沿って連続する内縁部BMeとする。
【0123】
より詳細には、走査線GLの第1方向Dxの右側に走査線駆動回路114Aが接続され、走査線GLの第1方向Dxの左側に走査線駆動回路114B(図5参照)が接続された場合には、走査線GLの第1方向Dxでの長さW-GLは、走査線GLの第1方向Dxの右側で内縁部BMeと重なる位置と、走査線GLの第1方向Dxの左側で内縁部BMeと重なる位置との間の長さの1/2とする。言い換えると、走査線GLの内縁部BMeと重なる位置と、走査線GLの第1方向Dxでの中点(図14における走査線GLの左端)との間の長さである。
【0124】
また、走査線GLに走査線駆動回路114A、114Bの一方のみが接続された場合には、走査線GLの第1方向Dxでの長さW-GLは、走査線GLの第1方向Dxの右側で内縁部BMeと重なる位置と、走査線GLの第1方向Dxの左側で内縁部BMeと重なる位置との間の長さとなる。
【0125】
(実施例)
図15は、実施例及び比較例に係る表示装置の、第1制御信号及び複数の走査線の電圧と、時間との関係を模式的に示すグラフである。図15は、ドライバIC115(駆動信号供給回路54)から供給される第1制御信号Venbがハイ(高レベル電圧)からロウ(低レベル電圧)に変化したときの、各走査線GLの電圧の変化を示すシミュレーション結果である。
【0126】
図15における実施例1-1から実施例1-4では、表示領域111の第1辺e1に沿って設けられた出力回路50の各スイッチング素子Trのチャネル幅W1a、W2a、W3a(図10参照)を60μmとし、表示領域111の第1傾斜辺ea1に沿って設けられた出力回路50の各スイッチング素子Trのチャネル幅W1b、W2b、W3b(図11参照)を25μmとする。また、比較例1-1、1-2では、表示領域111の第1辺e1に沿って設けられた出力回路50の各スイッチング素子Trのチャネル幅W1a、W2a、W3a(図10参照)、及び、表示領域111の第1傾斜辺ea1に沿って設けられた出力回路50の各スイッチング素子Trのチャネル幅W1b、W2b、W3b(図11参照)を、いずれも60μmとする。
【0127】
実施例1-1は、表示領域111の第1傾斜辺ea1に対応する領域に設けられた走査線GLのうち、ドライバIC115から最も離れた位置の走査線GL(図14における走査線GLa参照)の、内縁部BMeと重なる位置(図14における位置N1参照)での電圧の変化を示す。実施例1-2は、ドライバIC115から最も離れた位置の走査線GL(図14における走査線GLa参照)の、中点(図14における位置N2参照)での電圧の変化を示す。実施例1-3は、表示領域111の第1辺e1に対応する領域に設けられた走査線GL(図14における走査線GLb参照)の、実施例1-1の位置N1と同じ第1方向Dxでの位置(図14における位置N3参照)での電圧の変化を示す。実施例1-4は、表示領域111の第1辺e1に対応する領域に設けられた走査線GL(図14における走査線GLb参照)の、中点(図14における位置N4参照)での電圧の変化を示す。
【0128】
比較例1-1、1-2は、チャネル幅W1a、W2a、W3a、W1b、W2b、W3b(図11参照)を、いずれも60μmとしたときの、走査線GLaの位置N1、N2での電圧の変化を示す。なお、比較例1-1、1-2での第1辺e1に対応する領域に設けられた走査線GL(図14における走査線GLb参照)での電圧変化は、実施例1-3、1-4と同様であり、図示を省略する。
【0129】
図15に示すように、走査線GLの第1方向Dxでの長さが長いほど、出力回路50の各スイッチング素子Trのチャネル幅Wを長くすることにより、実施例1-1、1-2の電圧値は、実施例1-3、1-4の電圧値との差が小さくなり、実施例1-3、1-4と同等の電圧変化を示す。一方、比較例1-1、1-2では、実施例1-1、1-2、1-3、1-4に対して電圧値の差が大きくなっている。
【0130】
以上の結果から、実施例1-1から実施例1-4では、比較例1-1、1-2に比べて複数の走査線GLごとの負荷のばらつきを抑制され、電圧値の差が小さく抑制されることが示された。
【0131】
(第2実施形態)
図16は、第2実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0132】
図16に示すように、第2実施形態に係る表示パネル110Aにおいて、第3回路部33と表示領域111の第2傾斜辺ea2との間の領域に、信号線SLと信号線接続回路113とを接続する複数の信号線接続配線SLCNが設けられている。走査線駆動回路114Aの第3回路部33は、第2回路部32と異なる傾斜角を有して配置される。すなわち、第3回路部33と表示領域111の第2傾斜辺ea2との距離は、第2回路部32と表示領域111の第1傾斜辺ea1との距離よりも大きい。第3回路部33は、表示領域111の第2傾斜辺ea2との間の距離が、信号線接続回路113に近づくほど大きくなるように配置される。
【0133】
なお、第2実施形態では、走査線駆動回路114Aの第3回路部33について説明するが、走査線駆動回路114Aの第3回路部33についての説明は、走査線駆動回路114Bの第6回路部36についても適用できる。
【0134】
図17は、第2実施形態に係る表示パネルの、表示領域の第2傾斜辺に沿って配列された複数の出力回路を模式的に示す平面図である。図17は、図16における領域A3を拡大して示す平面図である。なお、領域A3での複数の出力回路50の第1スイッチング素子Tr1、第2スイッチング素子Tr2及び第3スイッチング素子Tr3の接続構成は、図10図11にて上述した領域A1、A2と同様であり、繰り返しの説明は省略する。
【0135】
図17に示すように、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Tr、及び、第1制御信号Venbを供給するための4本の配線L1と、第2傾斜辺ea2との間に複数の信号線接続配線SLCNが設けられている。出力配線L5は、各スイッチング素子Trのドレイン電極DEと接続され、それぞれ複数の配線L1及び複数の信号線接続配線SLCNと交差して表示領域111側に延在し、走査線GLと電気的に接続される。これにより、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trと、第2傾斜辺ea2との間の距離は、第1傾斜辺ea1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trと、第1傾斜辺ea1との間の距離よりも大きい。領域A3の複数の出力回路50では、領域A2の複数の出力回路50(図11参照)に比べて、出力配線L5が複数の信号線接続配線SLCNと交差する部分の容量分だけ負荷が大きくなる。すなわち、実質的に走査線GLの容量C2(図13参照)が大きくなるといえる。
【0136】
第2実施形態では、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅W1e、W2e、W3eは、第1傾斜辺ea1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅W1b、W2b、W3b(図11参照)よりも長い。また、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅W1e、W2e、W3eは、第1辺e1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅W1a、W2a、W3a(図10参照)よりも短い。
【0137】
例えば、第1傾斜辺ea1に沿って配列された各スイッチング素子Trのチャネル幅W1b、W2b、W3bが25μmの場合、第2傾斜辺ea2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅W1e、W2e、W3eは30μm程度である。ただし、チャネル幅W1e、W2e、W3eの長さは、あくまで一例であり、適宜変更することができる。また、図17では第2傾斜辺ea2に沿う複数の出力回路50のうち4つの出力回路50のみ示しているが、図12に示す例と同様に、第2傾斜辺ea2に沿って配列された各スイッチング素子Trのチャネル幅Wは、第2傾斜辺ea2に沿う方向で、第1辺e1から離れるほど(すなわち、第4辺e4に近づくほど)短くなるように設けられる。
【0138】
このような構成により、第2実施形態では、第1傾斜辺ea1の複数の走査線GLと、第2傾斜辺ea2の複数の走査線GLとで、抵抗値のばらつきが生じた場合であっても、表示領域111の第1傾斜辺ea1、第1辺e1及び第2傾斜辺ea2の全体に亘って、複数の走査線GLごとの負荷のばらつきを抑制することができる。
【0139】
なお、図17では、各スイッチング素子Trのソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEは、第2傾斜辺ea2と非直交の方向に延在して設けられる。ただし、これに限定されず、各スイッチング素子Trのソース電極SE、ドレイン電極DE及びゲート電極GEは、第2傾斜辺ea2と直交する方向に延在してもよい。
【0140】
(変形例)
図18は、画素配列の変形例を示す図である。図18に示すように変形例に係る画素配列では、各画素PixR、PixG、PixBが第1方向Dxでこの順で繰り返し並んで配置され、各行ごとに画素PixR、PixG、PixBの位置がずれるように配置される。第2方向Dyにおいても各画素PixR、PixG、PixBがこの順で繰り返し並んで配置される。
【0141】
図18に示す画素PixS(各画素PixR、PixG、PixB)の第2方向Dyでの距離Ph1(配置ピッチ)は、図7に示した第1実施形態の画素構成の距離Ph1(配置ピッチ)よりも小さい。また、図18に示す画素PixS(各画素PixR、PixG、PixB)の第1方向Dxでの距離Pw1は、図7に示した第1実施形態の画素構成の距離Pw1よりも大きい。
【0142】
変形例の画素配列では、画素PixSの距離Ph1(配置ピッチ)に対応して走査線GLの配置ピッチが小さくなる。このため、周辺回路の配置の制約が大きくなり、走査線GLの負荷を調整するための回路や素子を配置することが困難となる。この場合であっても、上述した第1実施形態及び第2実施形態によれば、負荷を調整するための回路や素子を追加する必要がなく、各スイッチング素子Trのチャネル幅Wを調整することで走査線GLの負荷のばらつきを抑制することができる。また、このような画素配列は、表示パネル110の解像度を高めることができ、VRシステム用の表示パネル110に好適に用いることができる。変形例に係る画素配列は、第1実施形態及び第2実施形態のいずれにも適用可能である。
【0143】
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る表示パネルの一例を示す模式図である。図19に示すように、第3実施形態に係る表示パネル110Bにおいて、走査線GLが延在する方向は、信号線SLが延在する方向と非平行かつ非直交である。具体的には、信号線SLは第2方向Dyに延在する。走査線GLは、第1方向Dx及び第2方向Dyに対して傾斜する方向に延在する。
【0144】
表示領域111の第3辺e3と第1傾斜辺ea1とが接続されたコーナー部でも走査線GLが設けられるように、走査線駆動回路114Bは、第3辺e3に沿って延在する第7回路部37を含む。また、表示領域111の第4辺e4側では、走査線GLは走査線接続配線GLCNを介して走査線駆動回路114Aと電気的に接続される。
【0145】
図19に示す例では、複数の走査線GLのうち、表示領域111の第1辺e1と第2傾斜辺ea2とが接続されたコーナー部と、表示領域111の第2辺e2と第3傾斜辺ea3とが接続されたコーナー部とを結んで設けられた走査線GLが最も長い。走査線GLと直交する方向で、最も長い走査線GLから離れるにしたがって、走査線GLの長さは徐々に短くなる。
【0146】
本実施形態では、表示領域111の第1辺e1に対応する領域に設けられた走査線GLの長さは一定ではなく、第2傾斜辺ea2側から第1傾斜辺ea1側に近づくほど走査線GLの長さが短くなる。第1辺e1に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wも、走査線GLが短くなるほど短くなる。また、表示領域111の第1辺e1に対応する領域に設けられた走査線GLは、第3傾斜辺ea3側から第4傾斜辺ea4側に近づくほど短くなる。第2辺e2に沿って配列された複数のスイッチング素子Trのチャネル幅Wも、走査線GLが短くなるほど短くなる。
【0147】
図20は、第3実施形態に係る表示パネルの画素配列、信号線及び走査線の関係を示す模式図である。図20に示すように、各画素PixR、PixG、PixBは、第2方向Dyにそれぞれずらして並んでいる。各画素PixR、PixG、PixBの第1方向Dxの長さは、距離Pw1であり、各画素PixR、PixG、PixBの第2方向Dyの長さは、距離Ph1とすると、Pw1:Ph1=1:3の関係にある。
【0148】
図20において、方向Vslは、信号線SLが延在する方向である。方向Vslと直交する方向Vsgは、第1方向Dxと平行である。方向Vssは、走査線GLが延びる方向である。方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgだけ、走査線GLが、第1方向Dxに対して傾いている。
【0149】
図20に示すように、方向Vssは、1つの走査線GLに接続された複数の画素PixRにおける第1基準位置Pglを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第1基準位置Pglは、走査線GL上であって、この走査線GLと平面視で交差するとともに、隣り合う信号線SLの中点である。第1基準位置Pglは、これに限られず、例えば画素PixRの面積重心としてもよい。なお、画素PixRを基準として、第1基準位置Pglを定義したが、画素PixRの代わりに、画素PixGあるいは、画素PixBとしてもよい。
【0150】
図20に示すように、方向Vslは、1つの信号線SLに接続された複数の画素PixRにおける第2基準位置Pslを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第2基準位置Pslは、信号線SL上であって、この信号線SLと平面視で交差する走査線GLとの交差位置Ptの中点である。第2基準位置Pslは、これに限られず、例えば画素PixRの面積重心としてもよい。なお、画素PixRを基準として、第2基準位置Pslを定義したが、画素PixRの代わりに、画素PixGあるいは、画素PixBとしてもよい。
【0151】
図20に示すように、画素PixRと、隣接する画素PixGとは、方向Vslに距離Δh1ずれて配置される。1つの走査線GLに接続された2つの画素PixRでは、距離Δh1の3倍ずれる。図6に示す距離Ph1の半分が、図20に示す距離Δh1の3倍に等しい場合、第1方向Dxに隣り合う同色の画素、例えば、画素PixR同士が方向Vslに半分ずれる。従って、同色の画素の位置は、偶数列と奇数列で2種類の位置を取る。その結果、横の白黒線をより細かく表示することができ、表示装置100の実質的な解像が向上する。なお、図20に示す走査線GLは、方向Vssに沿って直線状に延びると、図19に示すように、各画素PixR、PixG、PixBが、平行四辺形になる。
【0152】
なお、図20に示す画素配列及び画素の配置ピッチは、あくまで一例であり、適宜変更することができる。
【0153】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0154】
1 表示システム
10 第1基板
20 第2基板
50、50-1、50-2、50-3、50-4 出力回路
100 表示装置
110、110A、110B 表示パネル
111 表示領域
112 表示制御回路
113 信号線接続回路
114、114A、114B 走査線駆動回路
115 ドライバIC
200 制御装置
300 ケーブル
400 装着部材
410 レンズ
BM 遮光層
COM 共通電極
LC 液晶層
GL、G1、G2、G3 走査線
PE1、PE2、PE3 画素電極
Pix 画素
PixS、PixR、PixG、PixB 画素
SL、S1、S2、S3 信号線
Tr、TrD1、TrD2、TrD3 スイッチング素子
Tr1 第1スイッチング素子
Tr2 第2スイッチング素子
Tr3 第3スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図18
図19
図20