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特開2024-72204車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072204
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240520BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182930
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 哲雄
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC31
2F129CC32
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF24
2F129FF43
2F129FF73
2F129FF74
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】自動車専用道路を走行中の車両の乗員の利便性を向上できる車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラムを得る。
【解決手段】車両用通知装置は、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、
混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、
前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、
前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う、
車両用通知装置。
【請求項2】
前記閾値は、乗員の操作により変更可能とされている請求項1に記載の車両用通知装置。
【請求項3】
乗員に子供が含まれているか否かを判断し、
子供が含まれている場合には、子供が含まれていない場合よりも前記閾値を下げる請求項1に記載の車両用通知装置。
【請求項4】
案内経路上に存在する前記休憩施設の駐車場情報を取得し、
前記駐車場情報から駐車場に駐車可能なスペースがある場合に休憩可能と判断する請求項1~3の何れか1項に記載の車両用通知装置。
【請求項5】
案内経路上に存在する前記休憩施設の入口の画像情報を取得し、
前記入口に進入可能である場合に休憩可能と判断する請求項1に記載の車両用通知装置。
【請求項6】
自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、
混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、
前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、
前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う、
車両用通知方法。
【請求項7】
自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、
混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、
前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、
前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現在位置から目的の施設までの到着所要時間が所定値以下である場合に、施設の混雑情報を生成し、到着所要時間が所定値よりも大きい場合に予測混雑情報を生成する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-158594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、高速道路などの自動車専用道路における混雑状況を予測するだけでは急にトイレに行きたくなった場合などの状況に対応できず、乗員の利便性を向上させる観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、自動車専用道路を走行中の車両の乗員の利便性を向上できる車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る車両用通知装置は、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う。
【0007】
請求項1に係る車両用通知装置では、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得することで、休憩施設が休憩可能であるか判断できる。また、休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地に最も近い第1休憩施設から次に近い第2休憩施設までの移動に要する時間(所要時間)を予測し、この時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、第1休憩施設での休憩を促す通知を行う。これにより、乗員が第1休憩施設でトイレなどを済ませることができ、第2休憩施設までの移動中にトイレに行きたくなる状況を回避できる。
【0008】
請求項2に係る車両用通知装置は、請求項1において、前記閾値は、乗員の操作により変更可能とされている。
【0009】
請求項2に係る車両用通知装置では、頻繁に通知が行われて煩わしく感じる場合に、閾値を大きい値に変更できる。また逆に、閾値を小さい値に変更することで、休憩間隔を短くすることができる。
【0010】
請求項3に係る車両用通知装置は、請求項1において、乗員に子供が含まれているか否かを判断し、子供が含まれている場合には、子供が含まれていない場合よりも前記閾値を下げる。
【0011】
請求項3に係る車両用通知装置では、子供は、大人と比べてトイレに行く頻度が多いため、子供が含まれている場合に閾値を下げることで、子供が急にトイレに行きたくなる状況を回避できる。なお、ここでいう「子供」とは、一般的に子供と称する年齢及び体型である乗員を広く含む概念である。
【0012】
請求項4に係る車両用通知装置は、請求項1~3の何れか1項において、案内経路上に存在する前記休憩施設の駐車場情報を取得し、前記駐車場情報から駐車場に駐車可能なスペースがある場合に休憩可能と判断する。
【0013】
請求項4に係る車両用通知装置では、駐車可能な施設が休憩可能と判断されることで、車両が駐車できない状況を回避できる。
【0014】
請求項5に係る車両用通知装置は、請求項1において、案内経路上に存在する前記休憩施設の入口の画像情報を取得し、前記入口に進入可能である場合に休憩可能と判断する。
【0015】
請求項5に係る車両用通知装置では、車両が駐車できない状況であっても、施設に進入可能であれば、同乗者がトイレを済ませることが可能であるため、入口に進入可能である場合に休憩可能と判断することで、同乗者がトイレを我慢できなくなる状況を回避できる。
【0016】
請求項6に係る車両用通知方法は、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う。
【0017】
請求項7に係るプログラムは、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、当該第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、前記第1休憩施設から前記第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、前記時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記第1休憩施設での休憩を促す通知を行う処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係る車両用通知装置、車両用通知方法及びプログラムによれば、自動車専用道路を走行中の車両の乗員の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る車両用通知システムの全体構成を示す概略図である。
図2】実施形態に係る車両用通知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態における車載器のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る車両用通知装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】車両の現在位置と案内経路上の休憩施設とを示す概略図である。
図6】実施形態における表示画面の一例であり、通知が行われる前の状態を示す図である。
図7】実施形態における表示画面の一例であり、通知が行われている状態を示す図である。
図8】実施形態における車両用通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態に係る車両用通知装置10を含む車両用通知システムSについて、図面を参照して説明する。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態の車両用通知システムSは、車両用通知装置10、サーバ12、及び車載器14を備えた車両Vを含んで構成されている。そして、車両用通知装置10、サーバ12及び車載器14は、ネットワークNによって接続されている。なお、ネットワークNには複数の車両Vが接続されているが、図1では説明の便宜上、一台の車両Vのみが図示されている。
【0022】
本実施形態の車両用通知装置10は一例として、車両Vの外部に設けられた情報処理装置とされている。サーバ12は、車両Vの外部に設けられており、サーバ12には自動車専用道路上の休憩施設に関する情報などが記憶されている。例えば、サーバ12には、自動車専用道路上に存在する複数の休憩施設の混雑状況に関するデータが記憶されており、混雑状況に関するデータは定期的に更新される。
【0023】
また、サーバ12には、休憩施設の入口を撮像した画像データが記憶されていてもよい。例えば、画像データは、衛星から取得した衛星データでもよく、休憩施設の入口に設置されたカメラなどによって撮像された画像データでもよい。さらに、サーバ12には、画像データに代えて、休憩施設の入口付近で車両の渋滞が発生しているか否かを示すデータのみが記憶されていてもよい。
【0024】
車両Vに搭載された車載器14は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)であり、車両Vの制御などを行う機器でもよい。また、車両Vの車室内には、乗員に対して情報を通知するための表示装置58が設けられている(図3参照)。なお、図1では、説明の便宜上、車載器14の大きさを誇張して描いている。
【0025】
ここで、本実施形態の車両用通知システムSは、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得し、休憩可能な休憩施設のうち、最も違い休憩施設から次に近い休憩施設までの所要時間が閾値よりも大きい場合に所定の通知を行うように構成されている。
【0026】
(車両用通知装置10のハードウェア構成)
図2は、車両用通知装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。この図2に示されるように、車両用通知装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)20、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、ストレージ26、通信I/F(通信インタフェース)28及び入出力I/F(入出力インタフェース)を含んで構成されている。各構成は、バス32を介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU20は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20は、ROM22又はストレージ26からプログラムを読み出し、RAM24を作業領域としてプログラムを実行する。CPU20は、ROM22又はストレージ26に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM22は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM24は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ26は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。本実施形態では、ROM22又はストレージ26には、乗員へ通知を行うための通知プログラム及び各種データなどが格納されている。
【0029】
通信I/F28は、車両用通知装置10がサーバ12及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。入出力I/F30は、周辺機器と電気的に接続されており、入出力I/F30を介して周辺機器と車両用通知装置10との間で通信が行われる。
【0030】
(車載器14のハードウェア構成)
図3は、車載器14のハードウェア構成を示すブロック図である。この図3に示されるように、車載器14は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)40、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)44、ストレージ46、通信I/F(通信インタフェース)48及び入出力I/F(入出力インタフェース)50を含んで構成されている。各構成は、バス52を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
CPU40は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU40は、ROM42又はストレージ46からプログラムを読み出し、RAM44を作業領域としてプログラムを実行する。CPU40は、ROM42又はストレージ46に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0032】
ROM42は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM44は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ46は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0033】
通信I/F48は、車載器14がサーバ12及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、CAN、イーサネット(登録商標)、LTE、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0034】
入出力I/F50は、GPS装置(Global Positioning Systems)54、ナビゲーションシステム56及び表示装置58と電気的に接続されている。
【0035】
GPS装置54は、複数のGPS衛星によって測位された車両Vの現在地等の位置情報を受信する装置である。ナビゲーションシステム56は、乗員によって設定された目的地までの案内経路を算出する装置である。
【0036】
表示装置58は、例えば、車室内の前部に設けられており、乗員に対して種々の情報を表示する装置である。表示装置58は、インストルメントパネルに設けられたセンタディスプレイ、及び運転席に前方に映像を投影するヘッドアップディスプレイ装置などを含んで構成される。特に、本実施形態では、表示装置58には、ナビゲーションシステム56によって算出された案内経路が表示される。また、表示装置58は、所定の条件で乗員へ通知を行う。
【0037】
(車両用通知装置10の機能構成)
車両用通知装置10は、図2に示されたハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用通知装置10が実現する機能構成について図4を参照して説明する。
【0038】
図4に示されるように、車両用通知装置10は、機能構成として、休憩施設情報取得部62、休憩可否判断部64、所要時間予測部66、閾値変更受付部68、閾値設定部70及び通知部72を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU20がROM22又はストレージ26に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0039】
休憩施設情報取得部62は、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得する。例えば、図5において、車両Vの案内経路上に休憩施設Aから休憩施設Eまでが存在する場合、休憩施設情報取得部62は、休憩施設Aから休憩施設Eまでの休憩施設の混雑状況を取得する。
【0040】
なお、図5は、車両Vが休憩施設Bと休憩施設Cとの間を走行している状況を示したものである。このため、休憩施設情報取得部62は、休憩施設Cから休憩施設Eまでの休憩施設の混雑状況を取得する。休憩施設情報取得部62は、例えば、サーバ12にアクセスし、サーバ12から各休憩施設における最新の混雑状況を取得し、混雑状況に応じて休憩施設の表示態様を変更してもよい。
【0041】
図4に示される休憩可否判断部64は、休憩施設情報取得部62によって取得された混雑状況に関するデータに基づいて、各休憩施設が休憩可能であるか、休憩不可であるかを判断する。例えば、休憩可否判断部64は、案内経路上に存在する休憩施設の駐車場情報を取得し、駐車場情報から駐車場に駐車可能なスペースがある場合に休憩可能と判断してもよい。また、例えば、休憩可否判断部64は、案内経路上に存在する休憩施設の入口の画像情報を取得し、入口に進入可能である場合に休憩可能と判断してもよい。この場合、休憩施設の駐車場が満車であっても、入口に進入可能であれば、休憩可能と判断される。ここで、図5では、休憩施設Dの駐車場が満車となっているため、他の休憩施設とは表示態様が異なっている。
【0042】
図4に示される所要時間予測部66は、混雑状況から休憩可能と判断された休憩施設のうち、車両Vの現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、第1休憩施設の次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得し、第1休憩施設から第2休憩施設までの移動に要する時間(所要時間)を予測する。
【0043】
例えば、図5では、車両Vが休憩施設Bと休憩施設Cとの間を走行しているため、車両Vの現在地から最も近い第1休憩施設が休憩施設Cとなる。また、休憩施設Dは、休憩可否判断部64によって休憩不可と判断されているため、第1休憩施設の次に近い第2休憩施設は、休憩施設Eとなる。
【0044】
ここで、図5において、車両Vの現在位置から休憩施設Cまでの距離をXとし、休憩施設Cから休憩施設Dまでの距離をYとし、休憩施設Cから休憩施設Eまでの距離をZとした場合、所要時間予測部66は、距離Zの移動に要する時間を予測する。例えば、所要時間予測部66は、車両Vの平均速度と距離Zから所要時間を予測してもよい。また、例えば、所要時間予測部66は、車両Vの平均速度及び距離Zに対して、休憩施設Cから休憩施設Eまでの道路の混雑状況、道路の勾配、及び車線の数などの情報を加味して距離Zの所要時間を予測してもよい。
【0045】
閾値変更受付部68は、閾値の変更を受け付ける。ここでいう閾値とは、通知の基準となる所要時間の閾値であり、例えば、20分から180分の間で設定される。例えば、乗員が閾値を変更する操作を実行した場合、閾値変更受付部68は、閾値の変更を受け付ける。また、閾値変更受付部68は、乗員が希望する閾値が20分より小さい値、又は180分よりも大きい値である場合、閾値の変更を受け付けずに乗員に対して所定の通知を行うようにしてもよい。
【0046】
図4に示される閾値設定部70は、予め設定された初期値を閾値として設定する。例えば、閾値設定部70は、車両Vが始動される度に閾値を初期値に設定してもよい。また、例えば、閾値設定部70は、車両Vが始動された際に、前回設定された閾値を維持してもよい。さらに、閾値設定部70は、閾値変更受付部68によって閾値の変更が受け付けられた場合、閾値を更新して、受け付けた閾値とする。
【0047】
また、閾値設定部70は、所定の条件を満たす場合に、設定された閾値を変更してもよい。例えば、車室内に設けられたカメラなどによって乗員に子供が含まれていると判断された場合、閾値設定部70は、子供が含まれていない場合よりも小さい閾値に変更してもよい。ここで、乗員が子供であるか否かを判断する際には、種々の方法を採用し得る。例えば、車室内に設けたカメラで乗員を撮像し、画像データから乗員の体型を検知して子供であるか否かを判断してもよい。また、例えば、画像データから乗員の顔を検出し、子供の顔に特有の特徴が検出された場合に子供であると判断してもよい。
【0048】
なお、ここでいう子供とは、法的に成人とみなされる年齢以下の子供に限定されず、一般的に子供と称する年齢及び体型である乗員を広く含む概念である。例えば、成人と比較して頻繁に休憩が必要とされる年齢の乗員を子供として判断してもよい。
【0049】
通知部72は、第1休憩施設から第2休憩施設までの移動に要する時間が閾値よりも大きい場合に、第1休憩施設での休憩を促す通知を行う。例えば、図5において、第1休憩施設である休憩施設Cまでの所要時間が15分と予測され、休憩施設Cから第2休憩施設である休憩施設Eまでの所要時間が60分と予測された場合について考える。このとき、閾値が30分に設定されていれば、休憩施設Cから休憩施設Eまでの所要時間が閾値よりも大きくなるため、通知部72が所定の通知を行う。一方、閾値が70分に設定されていれば、休憩施設Cから休憩施設Eまでの所要時間が閾値よりも小さいため、通知部72は通知を行わない。
【0050】
乗員への通知は種々の方法によって行われるが、本実施形態では一例として、表示装置58によって車室内の表示領域に所定の表示を行うことで乗員へ通知する。図6及び図7を参照して、通知部72による通知の一例について説明する。
【0051】
図6には、表示装置58によって表示領域Wに表示された表示画面の一例が示されている。具体的には、図6は、車両Vが自動車専用道路を走行している状態における表示例である。表示領域Wの左半分には、車両Vの現在位置と地図情報とが表示されている。また、表示領域Wの右半分には、案内経路上に存在する休憩施設の情報が表示されている。具体的には、車両Vの現在位置から近い休憩施設が順に表示されている。なお、表示領域Wには、休憩施設の名称、休憩施設までの距離、及び休憩施設までの所要時間などが表示されている。
【0052】
図7には、通知部72によって通知が行われた状態における表示画面の一例が示されている。図7に示されるように、表示領域Wの右側に、メッセージウインドウMが表示されている。メッセージウインドウMには、休憩不可である休憩施設の情報、及び直近の休憩施設で休憩を促すメッセージが表示される。
【0053】
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0054】
(通知処理)
車両用通知装置10による通知処理の流れの一例について、図8に示されているフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、CPU20がROM22又はストレージ26に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。また、本実施形態では一例として、車両Vが自動車専用道路において走行を開始した場合に、所定の間隔で通知処理が実行される。
【0055】
ステップS102では、CPU20は、休憩施設の混在状況を取得する。具体的には、CPU20は、休憩施設情報取得部62の機能により、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得する。
【0056】
ステップS104では、CPU20は、第1休憩施設から第2休憩施設までの所要時間を予測する。具体的には、CPU20は、休憩可否判断部64の機能によって休憩可能とされた休憩施設のうち、車両Vの現在地から最も近い第1休憩施設の位置情報と、次に近い第2休憩施設の位置情報とを取得する。そして、CPU20は、所要時間予測部66の機能によって、第1休憩施設から第2休憩施設までの移動に要する時間を予測する。
【0057】
ステップS106では、CPU20は、閾値に変更が有るか否かについて判定する。具体には、CPU20は、閾値変更受付部68の機能によって閾値の変更を受け付けた場合、閾値に変更が有ると判定する。また、CPU20は、乗員の中に子供が含まれている場合、閾値に変更が有ると判定する。
【0058】
CPU20は、ステップS106で閾値に変更が有ると判定された場合、ステップS108の処理へ移行して閾値を更新する。例えば、CPU20は、閾値変更受付部68の機能によって閾値の変更を受け付けた場合、受け付けた閾値に変更する。また、例えば、CPU20は、乗員に子供が含まれている場合、予め設定された閾値に変更する。そして、処理はステップS112へ移行する。
【0059】
一方、CPU20は、ステップS106で閾値に変更が有ると判定されなかった場合、すなわち、閾値の変更がない場合、ステップS110の処理へ移行し、現在の閾値を維持した状態でステップS112の処理へ移行する。
【0060】
ステップS112では、CPU20は、ステップS104で予測した所要時間が閾値よりも大きいか否かについて判定する。所要時間が閾値よりも大きいと判定された場合、ステップS114の処理へ移行し、表示領域Wに表示を行う。具体的には、通知部72の機能によって、第1休憩施設での休憩を促す通知を行う(図7参照)。
【0061】
一方、CPU20は、ステップS112で所要時間が閾値よりも小さいと判定された場合、通知は行われずに通知処理を終了させる。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る車両用通知装置10によれば、自動車専用道路における案内経路上に存在する休憩施設の混雑状況を取得することで、休憩施設が休憩可能であるか判断できる。また、休憩可能と判断された休憩施設のうち、自車両の現在地に最も近い第1休憩施設から次に近い第2休憩施設までの移動に要する時間を予測し、この時間が予め設定された閾値よりも大きい場合に、第1休憩施設での休憩を促す通知が行われる。これにより、乗員が第1休憩施設でトイレなどを済ませることができ、第2休憩施設までの移動中にトイレに行きたくなる状況を回避できる。この結果、自動車専用道路を走行中の車両の乗員の利便性を向上できる。
【0063】
また、本実施形態では、乗員が閾値を変更可能に構成されている。このため、頻繁に通知が行われて煩わしく感じる場合に、乗員が閾値を大きい値に変更できる。また逆に、乗員が閾値を小さい値に変更することで、休憩間隔を短くすることができ、長距離の運転であっても体調を適切に管理できる。
【0064】
さらに、本実施形態では、子供は、大人と比べてトイレに行く頻度が多いため、子供が含まれている場合に閾値を下げることで、子供が急にトイレに行きたくなる状況を回避できる。
【0065】
さらにまた、本実施形態では、駐車可能な施設を休憩可能な休憩施設であると判断することで、車両Vが駐車できない状況を回避できる。
【0066】
一方、車両Vが駐車できない状況であっても、施設に進入可能であれば、同乗者がトイレを済ませることが可能であるため、入口に進入可能である場合に休憩可能と判断すれば、同乗者がトイレを我慢できなくなる状況を回避できる。
【0067】
以上、実施形態に係る車両用通知装置10について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、通知部72は、表示装置58によって車室内の表示領域Wに表示を行うことで乗員へ通知をしたが、これに限定されない。すなわち、表示領域Wへの表示に加えて、音声で乗員へ通知を行ってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、休憩可否判断部64は、駐車場に駐車可能なスペースがある場合に休憩可能と判断したが、これに限定されない。例えば、休憩可否判断部64は、車両Vが休憩施設に到着する予定時刻に基づいて、予定時刻に駐車場が空く可能性が高い場合に、休憩可能と判断してもよい。この場合、時間、季節、天候などの情報に基づく駐車場の使用率などの統計情報から駐車場が空く可能性が高いことを予測してもよい。
【0069】
さらに、上記実施形態では、閾値設定部70は、乗員に子供が含まれていると判断された場合に閾値を小さくする構成としたが、他の条件を満たす場合に閾値を変更してもよい。例えば、車室内及び外気温が低い場合に、閾値設定部70が閾値を小さくしてもよい。また、例えば、運転者の顔を撮像するドライバー用モニタが撮像した画像データから、運転者の体調が悪いと判断した場合に、閾値設定部70が閾値を小さくしてもよい。
【0070】
さらにまた、上記実施形態でCPU20がプログラムを読み込んで実行した処理を、CPU20以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよく、例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0071】
また、上記実施形態では、ストレージ26及びストレージ46に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。
【符号の説明】
【0072】
10 車両用通知装置
A-E 休憩施設
V 車両
図1
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