(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072224
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】地上から使用可能な雨樋清掃器具
(51)【国際特許分類】
B08B 9/032 20060101AFI20240520BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240520BHJP
E04D 13/064 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B08B9/032
B08B3/02 F
E04D13/064 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022193155
(22)【出願日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】302061440
【氏名又は名称】星野 光行
(72)【発明者】
【氏名】星野 光行
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AA15
3B116AA31
3B116AB53
3B116AB54
3B116BB22
3B116BB62
3B116BB90
3B116CD22
3B116CD35
3B201AA12
3B201AA15
3B201AA31
3B201AB53
3B201AB54
3B201BB22
3B201BB88
3B201BB90
3B201BB92
3B201CD22
3B201CD35
(57)【要約】
【課題】建造物の雨樋を清掃する際に危惧される転落事故を防止するために、地上において洗浄清掃及びゴミの収集まで完結する、雨樋清掃器具を提供する。
【解決手段】既存の技術である高圧洗浄機等の動力源を地上に置き、清掃対象の雨樋上の本器具と接続した中空管1を経てノズル2から加圧された水等を噴射し、雨樋内のゴミ等4を除去しつつ流体運動量保存の法則を利用し、導流部6によって排出部7から排出口9へと、ゴミ等4を含んだ水等8が導かれ、排出ダクト10から地上の収集箱へと落下集積する。また、本器具に装備された滑車を雨樋の縁に掛けることにより、本器具の安定と、容易な移動を実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の高所に設置された雨樋の清掃に際し、清掃対象の雨樋上に設置し、作業者が下方から使用することができる、雨樋清掃器具。
【請求項2】
雨樋の清掃に必要な空気または水等の流体(3)がノズル(2)から噴出した後、雨樋内のゴミ等(4)を含んだ流体となった(5)を受容し、その方向を変更するための導流部(6)を設けた、請求項1記載の雨樋清掃器具。
【請求項3】
雨樋内に供給された空気または水等の流体(3)が、ゴミ等(4)とともに、排出口(9)から器具外へ排出される構造の、請求項2記載の雨樋清掃器具。
【請求項4】
器具が安定し、かつ長尺方向への移動が容易にできるように、雨樋の縁に掛けられる滑車(12)を装備した、請求項3記載の雨樋清掃器具。
【請求項5】
ノズル(2)から噴出した流体(3)、除去されたゴミ等(4)、それらを含む流体(5)が、周囲に散乱しないよう、また外部からの影響を受けないよう、器具外側にカバー(11)を装備した、請求項4記載の雨樋清掃器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の高所に設置された雨樋清掃に際し、作業者が脚立や足場を使用すること無く、地上においてゴミ等の除去、洗浄清掃及び、収集を可能とする、雨樋清掃器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで雨樋を清掃する場合は、作業者が脚立または足場等の器具を使用し、その途中からまたは屋根及び庇等へ上がって雨樋内のゴミ等の除去、清掃をおこない、地上からおこなう方法としては、上方向の雨樋まで伸ばした長尺中空管の先端部を下方向に曲げ、空気や水を噴出させてゴミ等の除去をおこなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
雨樋を清掃する際に、作業者は脚立等を使用して建造物の高所に設置された雨樋まで到達するか、屋根や庇へ上がって作業をおこなうため、転落事故の危険性がある。
【0004】
作業者が雨樋内から除去したゴミ等は、作業者が高所で収納具や袋に入れた後に地上へ運ぶか、ゴミ等をそのまま地上へ落下させることとなる。
【0005】
地上からおこなう清掃作業では、空気や水を噴出させるとともに除去されたゴミ等が周囲に散乱することとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
地上の動力源から延長した支柱を兼ねた中空管(1)または、丈夫な支柱に抱き合わせた中空管(1)の先端に本発明に係る器具を取付けて雨樋上に到達させ、動力源から発生する圧縮された空気または水をノズル(2)から噴出させ、雨樋内のゴミ等(4)を除去する。
【0007】
本発明の器具内において、ノズル(2)から噴出した空気または水等の流体(3)は雨樋内の除去すべきゴミ等(4)とともに(5)となり、導流部(6)によって排出部(7)へ導かれ、ゴミ等を含む流体(8)は排出口(9)から器具外へ排出し地上の収集箱に集積される。
【0008】
本発明の器具の内部は、カバー(11)によって保護されるため、ノズル(2)から噴出される流体(3)の勢いによって、ゴミ等(4)及びそれらを含む流体(5)の器具外への散乱を防止する。
【0009】
本器具に取り付けられた滑車(12)を雨樋の縁に掛けることにより、本器具の安定と、雨樋の長尺方向への容易な移動を実現する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の器具を使用することにより、雨樋清掃作業者の高所からの転落事故の防止、除去したゴミ等の高所での処理作業の削減、清掃作業中のゴミ等の散乱防止とともに、清掃箇所の移動を地上からおこなうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】 雨樋長尺方向から見た、本器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
地上に置いた動力源から清掃対象の雨樋上の本器具まで中空管(1)を接続し、動力源から得られた圧縮された空気または水を本器具のノズル(2)から噴出し、雨樋内のゴミ等(4)とともに流体の運動量保存の法則を利用しながら導流部(6)を経て排出部(7)へと導き、(8)の流れによって排出口(9)から地上方向へと排出される。
【0013】
清掃に使用される流体(3)は、空気よりも水の方が収束性が良いので、地上に置く動力源は水を圧縮噴射する高圧洗浄機が適していると考えられる。
【0014】
清掃対象の雨樋までの高さが増し、中空管(1)の強度が不足する場合は、補助支柱と中空管(1)を抱き合わせて本器具へ接続すると安全性が向上する。
【0015】
排出口(9)から地上の収集箱までは、ゴミ等(4)を含む流体(8)が周囲に散乱しないようダクト(10)を接続するべきであるが、これは筒状のビニール等の素材のものを使用すると軽量化が図られ、雨樋への負荷が軽減される。
【0016】
本器具の滑車を雨樋の縁に掛けて移動させる場合は、極力、下方への負荷を減らし、地上の動力部と中空管(1)とは、延長ホース等で接続することが望ましい。
【符号の説明】
【0017】
1 中空管
2 ノズル
3 動力源で発生した流体
4 清掃対象のゴミ等
5 ゴミ等を含んだ流体
6 導流部
7 排出部
8 排出される流体
9 排出口
10 排出ダクト
11 カバー
12 滑車