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  • 特開-水力発電設備の事故判断方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072235
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】水力発電設備の事故判断方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 15/18 20060101AFI20240520BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALN20240520BHJP
   E02B 9/00 20060101ALN20240520BHJP
【FI】
F03B15/18 Z
G06Q50/06
E02B9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069124
(22)【出願日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202211426509.3
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】523054492
【氏名又は名称】中国長江電力股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】▲ラン▼ 應兵
(72)【発明者】
【氏名】関 傑林
(72)【発明者】
【氏名】張 春輝
(72)【発明者】
【氏名】宋 晶輝
(72)【発明者】
【氏名】譚 ▲ユン▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲ユー▼静
(72)【発明者】
【氏名】肖 燕鳳
(72)【発明者】
【氏名】皮 有春
(72)【発明者】
【氏名】易 萬爽
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲グェァ▼
【テーマコード(参考)】
3H073
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3H073AA02
3H073BB18
3H073CC26
3H073CD02
3H073CD18
3H073FF02
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】人力に頼る事故判断や困難な総合分析や難しい事故の早期警告や長い判断周期や遅い決断などの問題を解決し、事故の知的な判断を実現するための水力発電設備の事故判断方法を提供する。
【解決手段】水力発電設備の事故判断方法は、(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ベースと特徴信号ベースを設定することと、(S2)事故判定類別を定義して事故判定論法を設定し、前記事故判定類別は、懐疑事故と確定事故と正確な作動事故とを含めることと、(S3)事故判定規則を設定することと、(S4)規則の例示化を行うことと、(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力発電設備の事故判断方法であって、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ベースと特徴信号ベースを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を設定することと、
(S4)規則の例示化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、
を備え、
前記S1において、前記特徴信号は事故が起こる前とその際の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ベースは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ベースは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられ、
前記S2において、前記事故判断類別は、少なくとも懐疑事故と確定事故と正確な作動事故という3つの類型を含めることを特徴とする水力発電設備の事故判断方法。
【請求項2】
前記S2において、懐疑事故の定義は、前記特徴信号と前記結果信号のいずれかの発生を懐疑事故と判断し、
前記確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号全体の発生を確定事故と判断し、
前記同じ共有性の具わる特徴信号の定義は、同一の事故に対して複数の監視システムを使う場合、同一のシステムで検出された信号を前記同じ共有性の具わる特徴信号とし、
前記正確な作動事故の定義は、前記同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号全体が発生し、且つ特徴信号の後ろに結果信号の発生を正確な作動事故と判断することを特徴とする請求項1に記載の水力発電設備の事故判断方法。
【請求項3】
前記S3において、XML言語とJavaプログラミング言語で前記S2の事故判断の論理的な規則を実現し、当該規則は、本方法中の事故判断の通用規則として、各事故判断規則を複製して設定することを特徴とする請求項1に記載の水力発電設備の事故判断方法。
【請求項4】
前記S4において、事故毎に一つの規則を設定して、特徴信号ベース及び中枢信号ベース中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則を例示化することを特徴とする請求項1に記載の水力発電設備の事故判断方法。
【請求項5】
前記S5において、信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了し、信号処理の作業量を軽減するように例示時間を定義し、その時間の長さの信号リストを一回規則として信号ユニットを取得して一回規則を実行し、水力発電所全体の事故規則の設定及び例示化を完了することを特徴とする請求項1に記載の水力発電設備の事故判断方法。
【請求項6】
規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つ例示化された全ての規則を同時に監視して水力発電所全体の事故監視を実現することを特徴とする請求項1に記載の水力発電設備の事故判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電故障を検出するという技術分野に属し、特に水力発電設備の事故判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水力発電所には水力タービンや発電機や変圧器などの多くの設備が稼働し、一旦事故が起これば、特に巨大な組立ユニットを備える水力発電所に対して機械停止及び停電を引き起こす場合、発電所の運転、送電網の安定性及び社会的な経済的発展に大きな影響を与える。現在、水力発電所の事故を判断する方法は、事故後の設備の記録とそれに関連する監視及び監視点の信号を調べることで異常な信号が記録されているかどうかを観察し、次いで異常な監視点とその信号の因果的及び時間的な関係を分析することで事故の種類、事故の原因、事故の経過及び事故の結果を判定し、最後に事故に対する判断に従って事故に対処する。このプロセス全体は、運転及び保全人員とそれらの経験に頼って判断を行う。
【0003】
この従来の方法は、設備の既存の信号実時間監視に基づいて総合分析と知的な判断を達成せず、設備事故の特性により初期段階で有効的な早期警告を提供できず、事故後迅速な判断、位置決め、原因分析及び事故決断を達成できない。従来の事故判断方法は、高い人件費及び時間費用、低い効率及び長い反応時間が原因で迅速な決断及び事故対処ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に存在する技術的問題を鑑みて、本発明に提供された水力発電設備の事故判断方法は、人力に頼る事故判断や困難な総合分析や難しい事故の早期警告や長い判断周期や遅い決断などの問題を解決し、事故の知的な判断を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、次の技術的解決策を採用する。
【0006】
水力発電設備の事故判断方法は、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ベースと特徴信号ベースを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を設定することと、
(S4)規則の例示化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、を備える。
【0007】
S1において、前記特徴信号は事故が起こる前と際の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ベースは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ベースは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0008】
S2において、前記事故判断類別は、少なくとも懐疑事故と確定事故と正確な作動事故という3つの類型を含める。
【0009】
好ましくは、S2において、懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれかの発生を懐疑事故と判断し、
確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号全体の発生を確定事故と判断し、
前記同じ共有性の具わる特徴信号の定義は、同一の事故に対して複数の監視システムを使う場合、同一のシステムで検出された信号を同じ共有性の具わる特徴信号とし、
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号全体が発生し、且つ特徴信号の後ろに結果信号の発生を正確な作動事故と判断する。
【0010】
好ましくは、S3において、XML言語とJavaプログラミング言語でS2の事故判断の論理的な規則を実現し、この規則は、本方法中の事故判断の通用規則として、それぞれ複製されて各事故判断規則を設定する。
【0011】
好ましくは、S4において、事故毎に一つの規則を設定し、特徴信号ベース及び中枢信号ベース中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合することで、事故規則の例示化を実現する。
【0012】
好ましくは、信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了する。信号処理の作業量を軽減するように例示時間を定義し、その時間の長さの信号リストを一回規則として信号ユニットを取得して一回規則を実行し、水力発電所全体の事故規則の設定及び例示化を完了する。
【0013】
好ましくは、規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つ例示化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0014】
本発明は、次の有益な効果を達成できる。
【0015】
本発明は、水力発電所全体の事故特徴と結果信号を同時に監視し、監視点の信号の総合分析及び知的な判断に対する大規模な監視を果たし、事故全体に対する監視を実現する。特徴信号が全て起こるが結果信号がまだ起こらない時に、本発明は遅く起こる事故に対して事故の早期警告を提供し、運転及び保全人員には事故が発生したかどうかを判断し且つ即時予防策を取るために支援を与える。本発明の方法は、水力発電所における様々な事故に適しており、設定された規則には汎用性があり、新たな事故類型にとって特徴信号及び結果信号が明確となる限り、規則を複製し設定して例示化を行うことができ、事故の知的な判断を果たす。本発明は、運転及び保全人員の事故判断経験の累積を遂げ、手順化、プログラム化及び知的な事故判断を果たし、事故判断の効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、次に図面及び実施例と相まって更に説明される。
【0017】
図1は、本発明の事故判断の手順を示す。
【0018】
図2は、本発明の事故判断の論法を示す。
【0019】
図3は、本発明の事故判断規則を実行する論法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~3に示された好ましい解決策により、水力発電設備の事故判断方法は次のステップを備える。
【0021】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ベースと特徴信号ベースを設定する。
【0022】
前記特徴信号は事故が起こる前と際の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ベースは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ベースは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0023】
例えば、某事故の特徴信号を他の事故の結果信号とし、某事故の結果信号が他の事故の特徴信号となる可能性がある。その例示は次の通りである。事故Aの特徴信号をa、b及びcとし、それの結果信号がd及びeとなる。事故Bの特徴信号をd及びfとし、それの結果信号がg及びhとなる。事故Cの特性信号をi、j及びkとし、それの結果信号がa及びsとなる。それは、事故Aの特徴信号aが事故Cの結果信号となり、事故Aの結果信号dは事故Bの特徴信号となることがある。
【0024】
信号ベースの秩序のある形成を確かにするために、特徴信号ベースと中枢信号ベースは設定される。特徴信号ベースは各事故の特徴信号を管理し、中枢信号ベースは各事故の特徴信号及び結果信号を管理する。特徴信号ベースと中枢信号ベースは、各事故の監視点の信号に対して特徴及び結果の定義とそれの維持を実行する。
【0025】
(S2)事故判断類別を定義して事故判断論法を設定し、前記事故判断類別は、懐疑事故と確定事故と正確な作動事故とを含める。
【0026】
懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれかの発生を懐疑事故と判断する。
【0027】
確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号全体の発生を確定事故と判断する。同一の設備に1つ又は2つの監視システムが使われる場合、前記信号の同じ共有性は、信号が同一の監視システムから由来することを意味する。
【0028】
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号全体が発生し、且つ特徴信号の後ろに結果信号の発生を正確な作動事故と判断する。
【0029】
(S3)事故判断規則を設定し、具体的にXML言語とJavaプログラミング言語でS2の事故判断の論理的な規則を実現し、コンピューター・プログラミングを完了する。
【0030】
このステップは、視覚化操作モードに基づいて条件論理や演算子や計算子や関数及び方法などの要素を様々な規則で設定し、入力データの論理処理を完了する。生成されたルールファイルはXMLで記憶される。規則実行エンジンはXMLファイルを解析し、規則を実行可能な形式に変換する。この規則は、S2での知的な判断を果たす。
【0031】
この設定された規則はS2での事故の知的な判断を果たしていて、本方法中の事故判断の通用規則として、各事故判断規則がこの規則に従う。
【0032】
監視点の信号は信号リストを構成し、事故判断規則はこの信号リストから信号を取得し、この信号に対して事故の特徴信号をそれの結果信号と照合させ且つ一定の論理規則に従って計算することで、事故類別判定を出力する。
【0033】
規則は、プログラムの解析と拡張に便利であるように拡張可能なマークアップ言語XMLで記憶され、且つ解析されたルールファイルは、読みやすいテキスト形式で表示される可能性がある。
【0034】
(S4)規則の例示化を行う。
【0035】
各事故は、S3中の規則を複製することで規則を設定し、特徴信号ベース及び中枢信号ベース中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則の例示化を実現する。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了する。例示時間は、信号処理の作業量を軽減するように定義され、その時間の長さの信号リストを一回規則として信号入力を取得して一回規則を実行する。
【0036】
水力発電所全体の事故規則の設定及び例示化を実現できる。
【0037】
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了する。
【0038】
規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つ例示化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0039】
S5は、事故判断結果に加えて、正確な事故と正確な作動事故の詳細情報も出力し、S4の規則は同時に信号の詳細情報を事故対処集合と相関できる。詳細情報は、特徴信号、結果信号及びそれらの出現時間などの情報を含める。事故対処集合は原因分析や事故処理等を含める。これは、事故の迅速な決断を行うように運転及び保全人員の事故対処策を累積してきて迅速な表示を実現する。
【0040】
例えば、A/B監視装置で起こられた事故を例にして、事故判断の実行論法を説明する。
【0041】
本システムでは、様々な事故の特徴信号及び結果信号を定義している。事故が起こると、関連する信号データは信号キューに入り、例示化された事故規則は信号キューの信号をリアルタイムで取得し、信号が到着すると、関連する事故判断規則は実行される。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。
【0042】
実行を毎回行う時には、最初の信号から現在の信号までの信号キューに対して次の判定論法を実行する。
【0043】
(1)特徴信号と結果信号のいずれかの発生がある場合、この事故は先ずに「懐疑事故」と判断される。
【0044】
(2)AとBに従って、事故が確実に起こるかどうか、それに正確に応じるかどうかを判断する。AとBの実行する判定論理は同じであり、最終にはAとBの結果に「OR」演算を実行する。
【0045】
Aを例とする。
【0046】
Aの事故の特徴信号リストを抽出し、Aの特徴信号の最早時間、最遅時間、特性信号の数及び無特徴信号の数を統計する。Aの事故は、Aの特徴信号の数が0>となり且つAの無特徴信号の数が=0となり、即ちAの特徴信号がすべて発生する場合、更に「確定事故」と判定される。
【0047】
正確な作動事故は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号全体の発生、且つ特徴信号の後ろに結果信号の発生を正確な作動事故と判断する。
【0048】
「確定事故」を判断し続ける。Aの事故の結果信号リストを抽出し、Aの結果信号の最早時間、結果信号の数及び無結果信号の数を統計する。Aの事故は、「Aの結果信号の数」>0となり且つ「Aの無結果信号の数」=0となり、且つAの特徴信号の最遅時間がAの結果信号の最早時間よりも小さくなり、即ちAの結果信号全体が発生する場合、且つすべての特徴信号が結果信号の前にある場合、更に「正確な作動事故」と判定される。
【0049】
(3)最後に、AとBに対して「OR」演算を実行して事故を判断する。
【実施例0050】
本発明の実施可能性は、次に具体的な事例と相まって説明される。
【0051】
実施例1
【0052】
本発明は、水力発電所全体の事故特徴と結果信号を同時に監視し、監視点の信号の総合分析及び知的な判断に対する大規模な監視を果たし、事故全体に対する監視を実現する。特徴信号が全て起こるが結果信号がまだ起こられない時に、本発明は遅く起こる事故に対して事故の早期警告を提供し、運転及び保全人員には事故が発生したかどうかを判断し且つ即時予防策を取るために支援を与える。某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故を例とすると、それの事故の知的な判断のプロセスは次のとおりである。
【0053】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ベースと特徴信号ベースを設定する。前記特徴信号は事故が起こる前と際の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ベースは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ベースは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0054】
例えば、表1に示された信号はその事故が起こる前と際の信号であり、その事故の特徴信号となる。定義された且つ設定された特徴信号ベースにはその信号を読み込み且つ管理する。
【0055】
表1に、某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故の特徴信号を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
例えば、表2に示された信号はその事故が起こった後の信号であり、その事故の結果信号となる。定義された且つ設定された中枢信号ベースにはその信号を読み込み且つ管理する。
【0058】
表2に、某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故の結果信号を示す。
【0059】
【表2】
【0060】
(S2)事故判断類別を定義して事故判断論法を設定し、前記事故判断類別は、懐疑事故と確定事故と正確な作動事故とを含める。懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれかの発生を懐疑事故と判断する。確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号全体の発生を確定事故と判断する。同一の設備に1つ又は2つの監視システムが使われる場合、前記信号の同じ共有性は、信号が同一の監視システムから由来することを意味する。前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号全体が発生し、且つ特徴信号の後ろに結果信号の発生を正確な作動事故と判断する。
【0061】
例えば:表1における番号1、3、4、5、6及び7の信号と表2における番号1、3、4、5の信号はすべてA監視システムから由来し、これらの信号は同じ共有性を備える。同様に、表1における番号2の信号と表2における番号2の信号は全てB監視システムから由来し、これらの信号は同じ共有性を備える。
【0062】
表1のいずれかの信号が起こる場合は、事故の発生を疑って懐疑事故となる。
【0063】
表1においてA監視システムのみから由来する信号又はB監視システムのみから由来する信号が起こる場合は、事故の確かな発生と判断し、確定事故となる。
【0064】
表1及び表2においてA監視システムのみから由来する特徴信号及び結果信号が起こり、且つ表2における結果信号が表1における全ての特徴信号の後ろに起こる場合は、事故の確かな発生且つ正確な作動と判断し、正確な作動事故となる。B監視システムは同様に運転すると、2つのシステムは、判定中に「OR」演算を実行して、A又はBがOR演算を満足する限り、その事故が正確な作動事故であると判定する。
【0065】
(S3)事故判断規則を設定する。事故判断規則は、視覚化操作モードに基づいて条件論理や演算子や計算子や関数や方法などの要素を様々な規則で設定し、入力データの論理処理を完了する。生成されたルールファイルはXMLで記憶される。規則実行エンジンはXMLファイルを解析し、規則を実行可能な形式に変換する。
【0066】
この設定された規則はS2での事故の知的な判断を果たしていて、本方法中の事故判断の通用規則として、各事故判断規則がこの規則に従う。監視点の信号は信号リストを構成し、事故判断規則はこの信号リストから信号を取得し、この信号に対して事故の特徴信号をそれの結果信号と照合させ且つ一定の論理規則に従って計算することで、事故類別判定を出力する。
【0067】
規則は、プログラムの解析と拡張に便利であるように拡張可能なマークアップ言語XMLで記憶され、且つ解析されたルールファイルは、読みやすいテキスト形式で表示される可能性がある。
【0068】
具体的な規則は、次のとおりである。
【0069】
(S4)規則の例示化を行う。各事故は、S3中の規則を複製することで一つの規則を設定し、特徴信号ベース及び中枢信号ベース中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則の例示化を実現する。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了する。
【0070】
例えば、その事故はS3中の規則を複製することで同事故しか判断しない規則を設定し、その規則の入力信号は表1の信号を表2のそれと照合させることで、その事故の規則の例示化を実現する。表1のいずれか信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。その事故前、事故中及び事故後の信号はmsで測られて非常に短いため、事故信号の統計時間は、信号の長期間の蓄積による誤判断を避けるために、1秒間以下に制限される。統計時間が予想持続時間より大きい場合に前の事故判断の実行を完了すると、次回の知的な判断は、自動的に起動する。
【0071】
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了する。規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つ例示化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0072】
例えば、その事故にとっては、Bの特徴信号と結果信号が全て起こると、その事故を確定事故と判断する。事故の関連信号は、他の事故の信号とともに監視点信号リストに入り、設定され、且つ例示化された他の事故規則も信号リストから他の事故の関連信号を自動的に取得し、知的な判断を行う。
【0073】
S5には、事故判断結果に加えて、正確な事故と正確な作動事故の詳細情報も出力し、S4の規則は同時に信号の詳細情報を事故対処集合と相関できる。詳細情報は、特徴信号、結果信号及びそれらの出現時間などの情報を含める。事故対処集合は原因分析や事故処理等を含める。これは、事故の迅速な決断を行うように運転及び保全人員の事故対処策を累積してきて迅速な表示を実現する。
【0074】
例えば、その事故のBの信号を確定事故と判定する場合、例示化された信号の詳細情報は表3に示される。
【0075】
【表3】
【0076】
その事故対処集合は次の通りである。
【0077】
一、検査と判断
1、5032スイッチの電流、電圧、1FB~4FBの運転状態があるかどうか、スイッチ入れ作動及びスイッチ切り作動の状況を確認する。
2、10kV、3M及び4Mの送電網が正常に運転するかどうかを確認する。
3、発電所全体の出力、システム周波数及びシステム電圧が安定するかどうか、AGC及びAVCが作動停止するかどうかを確認する。
4、障害の波形記録やバス保護や隣接スイッチ保護や変圧器保護や安全警報等を確認して報告を記録し印刷する。
5、監視システムの信号を整える。
6、現場で設備を一度検査する(5032スイッチに対応し隣接する間隔)。
【0078】
二、報告及び連絡
1、報告について任務を分配する。
2、工場長、担当工場長及び部門長(運転部門、安全管理部門、生産管理部門及び保全部門)へ報告する。
3、工場応急執務室に報告し、工場応急執務室の指示に従って会社の24時間応急当直室に報告する。
4、必要に応じて緊急ON-CALL支援を要請する。
【0079】
三、調整と対処
1、水門を開けて水を補充する(水門を開ける前に定向放送で下流に通知する)。
2、安全制御の作動方式を調整し、発電機遮断方式と安全制御の作動方式とを変更し、500kVを投入し、複II線に対してプレス板を点検し、5031スイッチに対してプレス板を点検する。
3、4F装置が停止していない場合は、工場長に指示を求めて冷却水が至り且つ設備切断状態に変換するまでに4F装置が停止することを願い出る。
4、5032スイッチに電流がないことを確認した後、5032スイッチの両側にあるTSスイッチを引き離して絶縁対策を行うことを願い出る。
5、装置の出力を上げて備用装置を始動して、左岸にある装置の切断方式及び主変圧器の中性点モードを調整することを願い出る。
6、5032スイッチの機能停止作動の原因を確かめて、処理状況に応じて復帰する(5031スイッチと4FBに運転を復帰させる)。
7、資料を収集し、事故報告書を作成する。
【0080】
上記実施例は、本発明の好ましい技術的解決策にすぎず、本発明の限定とみなされるべきではない。請求項に記載の技術的解決策、特に請求項に記載の技術的解決策の技術的特徴の同等の代替策は、本発明の保護範囲に入り、即ち、この範囲内において同等に置換され改善されるものは、本発明の保護範囲に入る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力発電設備の事故判断方法であって、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を設定することと、
(S4)規則のインスタンス化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、
を備え、
前記S1において、前記特徴信号は事故が起こる前と事故期間中の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられ、
表1に示す送電線ケーブル保護動作5032スイッチ故障事故の事故が起こる前と事故期間中の信号は、事故の特徴信号であり、定義され且つ設定された特徴信号ライブラリに読み込まれ且つ管理され、
【表1】
表2に示す送電線ケーブル保護動作5032スイッチ故障事故に続く信号は、事故の結果信号であり、定義され且つ設定された中枢信号ライブラリに読み込まれ且つ管理され、
【表2】
前記S2において、前記事故判断類別は、少なくとも懐疑事故と確定事故と正確な作動事故という3つの類型まれ、
前記S2において、前記懐疑事故の定義は、前記特徴信号と前記結果信号のいずれかが発生した場合に、事故が疑われると判断されることであり
前記確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号が全て発生した場合に、事故が確定したと判断されることであり
前記同じ共有性の具わる特徴信号の定義は、同一の事故に対して複数の監視システムを使用し、複数の監視システムのうち同一の監視システムで検出された信号であり、
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが全て発生し、且つ特徴信号が発生した後に結果信号が発生した場合に、正しい処置が行われたと判断されることであり、
表1の番号1、3、4、5、6、及び7の信号と表2の番号1、3、4、5の信号は監視システムAで検出された信号であり、当該各信号は同じ特徴を共有しており、
表1の番号2の信号と表2の番号2の信号は監視システムBで検出された信号であり、当該各信号は同じ特徴を共有しており、
表1のいずれかの信号が発生した場合、懐疑事故として事故が疑われる事象として発生する可能性があると判断され、
表1の同一の監視システムAの監視系統の信号または同一の監視システムBの監視系統の信号が共に発生した場合、確定事故として確実に事故が発生したと判断され、
同一の監視システムAの表1及び表2の特徴信号と結果信号の両方が発生し、表1の特徴信号が全て発生した後に表2の結果信号が発生した場合、事故は確実に発生して、正確な作動事故として正しい処置が行われたと判断され、
同一の監視システムBの表1及び表2の特徴信号と結果信号の両方が発生し、表1の特徴信号が全て発生した後に表2の結果信号が発生した場合、事故は確実に発生して、正確な作動事故として正しい処置が行われたと判断され、
前記S3において、前記S2の事故判断類別を定義するための事故判断規則は、マークアップ言語とプログラミング言語とを用いて実装されており、当該事故判断規則は、本方法における事故判断の通用規則であり、目的の事故のみを判断する規則は当該事故判断規則を複製して設定され、
前記事故判断規則は、条件論理、演算子、電卓、関数、及びメソッドから選択される少なくとも一以上の規則構築要素を用いて、視覚的操作モードに基づいて入力データの論理処理を完了するように構築されており、生成された前記事故判断規則のファイルは、拡張可能なマークアップ言語であるXMLの形式で保存され、前記事故判断規則を実行するエンジンはXMLファイルを解析し、事故判断規則を実行可能なサービス形式に変換し、
前記S4において、前記事故判断規則を複製することで事故毎に一つの規則を設定して、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、前記事故判断規則がインスタンス化され、
前記S5において、特徴信号及び/又は結果信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され、且つ前記統計時間が同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、現在の事故判断の実行を完了し、信号処理の作業量を軽減するようにインスタンス時間を定義し、前記インスタンス時間の長さに応じて、監視システムが特徴信号及び/又は結果信号を前記インスタンス時間毎に分割し、前記インスタンス時間毎に事故判断が行われ、水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化を完了し、
規則は、監視点の特徴信号及び/又は結果信号のリスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則を同時に監視して水力発電所全体の事故監視を実現することを特徴とする水力発電設備の事故判断方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
水力発電設備の事故判断方法は、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を設定することと、
(S4)規則のインスタンス化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
S1において、前記特徴信号は事故が起こる前と事故期間中の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
好ましくは、S4において、事故毎に一つの規則を設定し、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合することで、事故規則のインスタンス化を実現する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
好ましくは、信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、現在の事故判断の実行を完了する。信号処理の作業量を軽減するようにインスタンス時間を定義し、その時間の長さの信号リストを一回規則として信号ユニットを取得して一回規則を実行し、水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化を完了する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
好ましくは、規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明は、水力発電所全体の事故特徴と結果信号を同時に監視し、監視点の信号の総合分析及び知的な判断に対する大規模な監視を果たし、事故全体に対する監視を実現する。特徴信号が全て起こるが結果信号がまだ起こらない時に、本発明は遅く起こる事故に対して事故の早期警告を提供し、運転及び保全人員には事故が発生したかどうかを判断し且つ即時予防策を取るために支援を与える。本発明の方法は、水力発電所における様々な事故に適しており、設定された規則には汎用性があり、新たな事故類型にとって特徴信号及び結果信号が明確となる限り、規則を複製し設定してインスタンス化を行うことができ、事故の知的な判断を果たす。本発明は、運転及び保全人員の事故判断経験の累積を遂げ、手順化、プログラム化及び知的な事故判断を果たし、事故判断の効率を大幅に向上させる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
前記特徴信号は事故が起こる前と事故期間中の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
信号ライブラリの秩序のある形成を確かにするために、特徴信号ライブラリと中枢信号ライブラリは設定される。特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理し、中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理する。特徴信号ライブラリと中枢信号ライブラリは、各事故の監視点の信号に対して特徴及び結果の定義とそれの維持を実行する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
(S4)規則のインスタンス化を行う。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
各事故は、S3中の規則を複製することで規則を設定し、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則のインスタンス化を実現する。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了する。例示時間は、信号処理の作業量を軽減するように定義され、その時間の長さの信号リストを一回規則として信号入力を取得して一回規則を実行する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化を実現できる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
本システムでは、様々な事故の特徴信号及び結果信号を定義している。事故が起こると、関連する信号データは信号キューに入り、インスタンス化された事故規則は信号キューの信号をリアルタイムで取得し、信号が到着すると、関連する事故判断規則は実行される。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定する。前記特徴信号は事故が起こる前と事故期間中の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
例えば、表1に示された信号はその事故が起こる前と事故期間中の信号であり、その事故の特徴信号となる。定義された且つ設定された特徴信号ライブラリにはその信号を読み込み且つ管理
する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
例えば、表2に示された信号はその事故が起こった後の信号であり、その事故の結果信
号となる。定義された且つ設定された中枢信号ライブラリにはその信号を読み込み且つ管理する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
(S4)規則のインスタンス化を行う。各事故は、S3中の規則を複製することで一つの規則を設定し、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則のインスタンス化を実現する。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、前の事故判断の実行を完了する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
例えば、その事故はS3中の規則を複製することで同事故しか判断しない規則を設定し、その規則の入力信号は表1の信号を表2のそれと照合させることで、その事故の規則のインスタンス化を実現する。表1のいずれか信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。その事故前、事故中及び事故後の信号はmsで測られて非常に短いため、事故信号の統計時間は、信号の長期間の蓄積による誤判断を避けるために、1秒間以下に制限される。統計時間が予想持続時間より大きい場合に前の事故判断の実行を完了すると、次回の知的な判断は、自動的に起動する。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了する。規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
例えば、その事故にとっては、Bの特徴信号と結果信号が全て起こると、その事故を確定事故と判断する。事故の関連信号は、他の事故の信号とともに監視点信号リストに入り、設定され、且つインスタンス化された他の事故規則も信号リストから他の事故の関連信号を自動的に取得し、知的な判断を行う。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
例えば、その事故のBの信号を確定事故と判定する場合、インスタンス化された信号の詳細情報
は表3に示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力発電設備の事故判断方法であって、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を作成することと、
(S4)規則のインスタンス化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、
を備え、
前記S1において、前記特徴信号は事故が起こる前と事故発生時の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられ、
表1に示す送電線ケーブル保護動作5032スイッチ故障事故の事故が起こる前と事故発生時の信号は、事故の特徴信号であり、定義され且つ設定された特徴信号ライブラリに読み込まれ且つ管理され、
【表1】
表2に示す送電線ケーブル保護動作5032スイッチ故障事故に続く信号は、事故の結果信号であり、定義され且つ設定された中枢信号ライブラリに読み込まれ且つ管理され、
【表2】
前記S2において、前記事故判断類別には、少なくとも懐疑事故と確定事故と正確な作動事故という3つの類型が含まれ、
前記S2において、前記懐疑事故の定義は、前記特徴信号と前記結果信号のいずれかが発生した場合に、事故が疑われると判断されることであり
前記確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号が全て発生した場合に、事故が確定したと判断されることであり
前記同じ共有性の具わる特徴信号の定義は、同一の事故に対して複数の監視システム使用される場合に、複数の監視システムのうち同一の監視システムで検出された信号であり、
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが全て発生し、且つ特徴信号が発生した後に結果信号が発生した場合に、正確な作動事故と判断されることであり、
表1の番号1、3、4、5、6、及び7の信号と表2の番号1、3、4、5の信号は監視システムAで検出された信号であり、当該各信号は同じ特徴を共有しており、
表1の番号2の信号と表2の番号2の信号は監視システムBで検出された信号であり、当該各信号は同じ特徴を共有しており、
表1のいずれかの信号が発生した場合、懐疑事故として事故が疑われる事象として発生する可能性があると判断され、
表1の同一の監視システムAの監視系統の信号または同一の監視システムBの監視系統の信号が共に発生した場合、確定事故として確実に事故が発生したと判断され、
同一の監視システムAの表1及び表2の特徴信号と結果信号の両方が発生し、表1の特徴信号が全て発生した後に表2の結果信号が発生した場合、事故確実に発生し正確な作動事故として判断され、
同一の監視システムBの表1及び表2の特徴信号と結果信号の両方が発生し、表1の特徴信号が全て発生した後に表2の結果信号が発生した場合、事故確実に発生し正確な作動事故として判断され、
前記S3において、前記S2の事故判断類別を定義するための事故判断規則は、マークアップ言語とプログラミング言語とを用いて実装されており、当該規則は、本方法中の事故判断の通用規則として複製されて事故判断規則が作成され、
前記事故判断規則は、条件論理、演算子、計算子、関数、及びメソッドから選択される少なくとも一以上の規則構築要素を用いて、視覚的操作モードに基づいて入力データの論理処理を完了するように構築されており、生成された前記事故判断規則のファイルは、拡張可能なマークアップ言語であるXMLの形式で保存され、前記事故判断規則を実行するエンジンはXMLファイルを解析し、事故判断規則を実行可能な形式に変換し、
前記S4において、事故毎に一つの規則が作成され、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、前記事故判断規則がインスタンス化され、
前記S5において、特徴信号及び/又は結果信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が各事故信号の実際の発生時刻と終了時刻を記録し分析するプロセスに基づいて定義され、且つ前記統計時間が同事故のために予め定義された予想持続時間より大きくなる場合は、今回の事故判断の実行完了し、信号処理の作業量を軽減するようにインスタンス時間定義され、前記インスタンス時間の時間帯の信号リストを使用することで信号単位が取得されて規則が1回実行され、水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化完了し、
前記各事故信号には、特徴信号、結果信号、特定の事故に関連する表1に記載された信号、および特定の事故に関連する表2に記載された信号のうち少なくとも1以上が含まれるが、これらに限定されず、
特性信号は事故が起こる前または事故発生時に発生する主要な指示信号であり、結果信号は事故によって引き起こされる実際の応答信号であり、
規則は、監視点の特徴信号及び/又は結果信号のリスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則を同時に監視して水力発電所全体の事故監視を実現することを特徴とする水力発電設備の事故判断方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電故障を検出するという技術分野に属し、特に水力発電設備の事故判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水力発電所には水力タービンや発電機や変圧器などの多くの設備が稼働し、一旦事故が起これば、特に巨大な組立ユニットを備える水力発電所に対して機械停止及び停電を引き起こす場合、発電所の運転、送電網の安定性及び社会的な経済的発展に大きな影響を与える。現在、水力発電所の事故を判断する方法は、事故後の設備の記録とそれに関連する監視及び監視点の信号を調べることで異常な信号が記録されているかどうかを観察し、次いで異常な監視点とその信号の因果的及び時間的な関係を分析することで事故の種類、事故の原因、事故の経過及び事故の結果を判定し、最後に事故に対する判断に従って事故に対処する。このプロセス全体は、運転及び保全人員とそれらの経験に頼って判断を行う。
【0003】
この従来の方法は、設備の既存の信号実時間監視に基づいて総合分析と知的な判断を達成せず、設備事故の特性により初期段階で有効的な早期警告を提供できず、事故後迅速な判断、位置決め、原因分析及び事故決断を達成できない。従来の事故判断方法は、高い人件費及び時間費用、低い効率及び長い反応時間が原因で迅速な決断及び事故対処ができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に存在する技術的問題を鑑みて、本発明に提供された水力発電設備の事故判断方法は、人力に頼る事故判断や困難な総合分析や難しい事故の早期警告や長い判断周期や遅い決断などの問題を解決し、事故の知的な判断を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、次の技術的解決策を採用する。
【0006】
水力発電設備の事故判断方法は、
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定することと、
(S2)事故判断類別を定義することと、
(S3)S2の事故判断類別を判断するために事故判断規則を作成することと、
(S4)規則のインスタンス化を行うことと、
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了すること、を備える。
【0007】
S1において、前記特徴信号は事故が起こる前と事故発生時の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0008】
S2において、前記事故判断類別は、少なくとも懐疑事故と確定事故と正確な作動事故という3つの類型を含める。
【0009】
好ましくは、S2において、懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれか発生した場合に、事故が疑われると判断されることであり
確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号発生した場合に、事故が確定したと判断されることであり
前記同じ共有性の具わる特徴信号の定義は、同一の事故に対して複数の監視システムが使用される場合、複数の監視システムのうち同一の監視システムで検出された信号であり
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが発生し、且つ特徴信号が発生した後に結果信号発生した場合に、正確な作動事故と判断されることである。
【0010】
好ましくは、S3において、XML言語とJavaプログラミング言語でS2の事故判断の論理的な規則を実現し、この規則は、本方法中の事故判断の通用規則として、それぞれ複製されて各事故判断規則を作成する。
【0011】
好ましくは、S4において、事故毎に一つの規則が作成され、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合することで、事故規則のインスタンス化を実現する。
【0012】
好ましくは、信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、今回の事故判断の実行を完了する。信号処理の作業量を軽減するようにインスタンス時間を定義し、その時間帯の信号リストを使用することで信号単位を取得して、規則を一回実行し、水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化を完了する。
【0013】
好ましくは、規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0014】
本発明は、次の有益な効果を達成できる。
【0015】
本発明は、水力発電所全体の事故特徴と結果信号を同時に監視し、監視点の信号の総合分析及び知的な判断に対する大規模な監視を果たし、事故全体に対する監視を実現する。特徴信号が全て起こるが結果信号がまだ起こらない時に、本発明は遅く起こる事故に対して事故の早期警告を提供し、運転及び保全人員には事故が発生したかどうかを判断し且つ即時予防策を取るために支援を与える。本発明の方法は、水力発電所における様々な事故に適しており、設定された規則には汎用性があり、新たな事故類型にとって特徴信号及び結果信号が明確となる限り、規則を複製し設定してインスタンス化を行うことができ、事故の知的な判断を果たす。本発明は、運転及び保全人員の事故判断経験の累積を遂げ、手順化、プログラム化及び知的な事故判断を果たし、事故判断の効率を大幅に向上させる。
【0016】
本発明は、次に図面及び実施例と相まって更に説明される。
【0017】
図1は、本発明の事故判断の手順を示す。
【0018】
図2は、本発明の事故判断の論法を示す。
【0019】
図3は、本発明の事故判断規則を実行する論法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~3に示された好ましい解決策により、水力発電設備の事故判断方法は次のステップを備える。
【0021】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定する。
【0022】
前記特徴信号は事故が起こる前と事故発生時の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0023】
例えば、某事故の特徴信号を他の事故の結果信号とし、某事故の結果信号が他の事故の特徴信号となる可能性がある。その例示は次の通りである。事故Aの特徴信号をa、b及びcとし、それの結果信号がd及びeとなる。事故Bの特徴信号をd及びfとし、それの結果信号がg及びhとなる。事故Cの特性信号をi、j及びkとし、それの結果信号がa及びsとなる。それは、事故Aの特徴信号aが事故Cの結果信号となり、事故Aの結果信号dは事故Bの特徴信号となることがある。
【0024】
信号ライブラリの秩序のある形成を確かにするために、特徴信号ライブラリと中枢信号ライブラリは設定される。特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理し、中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理する。特徴信号ライブラリと中枢信号ライブラリは、各事故の監視点の信号に対して特徴及び結果の定義とそれの維持を実行する。
【0025】
(S2)事故判断類別を定義して事故判断論法を設定し、前記事故判断類別は、懐疑事故と確定事故と正確な作動事故とを含める。
【0026】
懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれか発生した場合に、事故が疑われると判断されることである。
【0027】
確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号発生した場合に、事故が確定したと判断されることである。同一の設備に1つ又は2つの監視システムが使われる場合、前記信号の同じ共有性は、信号が同一の監視システムから由来することを意味する。
【0028】
前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが発生し、且つ特徴信号が発生した後に結果信号発生した場合、正確な作動事故と判断されることである。
【0029】
(S3)事故判断規則を作成し、具体的にXML言語とJavaプログラミング言語でS2の事故判断の論理的な規則を実現し、コンピューター・プログラミングを完了する。
【0030】
このステップは、視覚化操作モードに基づいて条件論理や演算子や計算子や関数及び方法などの要素を様々な規則で設定し、入力データの論理処理を完了する。生成されたルールファイルはXMLで記憶される。規則実行エンジンはXMLファイルを解析し、規則を実行可能な形式に変換する。この規則は、S2での知的な判断を果たす。
【0031】
この設定された規則はS2での事故の知的な判断を果たしていて、本方法中の事故判断の通用規則として、各事故判断規則がこの規則に従う。
【0032】
監視点の信号は信号リストを構成し、事故判断規則はこの信号リストから信号を取得し、この信号に対して事故の特徴信号をそれの結果信号と照合させ且つ一定の論理規則に従って計算することで、事故類別判定を出力する。
【0033】
規則は、プログラムの解析と拡張に便利であるように拡張可能なマークアップ言語XMLで記憶され、且つ解析されたルールファイルは、読みやすいテキスト形式で表示される可能性がある。
【0034】
(S4)規則のインスタンス化を行う。
【0035】
各事故は、S3中の規則を複製することで規則を作成し、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則のインスタンス化を実現する。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、今回の事故判断の実行を完了する。インスタンス時間は、信号処理の作業量を軽減するように定義され、その時間帯の信号リストを使用することで信号単位を取得して、規則を一回実行する。
【0036】
水力発電所全体の事故規則の設定及びインスタンス化を実現できる。
【0037】
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了する。
【0038】
規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0039】
S5は、事故判断結果に加えて、正確な事故と正確な作動事故の詳細情報も出力し、S4の規則は同時に信号の詳細情報を事故対処集合と相関できる。詳細情報は、特徴信号、結果信号及びそれらの出現時間などの情報を含める。事故対処集合は原因分析や事故処理等を含める。これは、事故の迅速な決断を行うように運転及び保全人員の事故対処策を累積してきて迅速な表示を実現する。
【0040】
例えば、A/B監視装置で起こられた事故を例にして、事故判断の実行論法を説明する。
【0041】
本システムでは、様々な事故の特徴信号及び結果信号を定義している。事故が起こると、関連する信号データは信号キューに入り、インスタンス化された事故規則は信号キューの信号をリアルタイムで取得し、信号が到着すると、関連する事故判断規則は実行される。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。
【0042】
実行を毎回行う時には、最初の信号から現在の信号までの信号キューに対して次の判定論法を実行する。
【0043】
(1)特徴信号と結果信号のいずれかの発生がある場合、この事故は先ずに「懐疑事故」と判断される。
【0044】
(2)AとBに従って、事故が確実に起こるかどうか、それに正確に応じるかどうかを判断する。AとBの実行する判定論理は同じであり、最終にはAとBの結果に「OR」演算を実行する。
【0045】
Aを例とする。
【0046】
Aの事故の特徴信号リストを抽出し、Aの特徴信号の最早時間、最遅時間、特性信号の数及び無特徴信号の数を統計する。Aの事故は、Aの特徴信号の数が0>となり且つAの無特徴信号の数が=0となり、即ちAの特徴信号がすべて発生する場合、更に「確定事故」と判定される。
【0047】
正確な作動事故は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが発生、且つ特徴信号が発生した後に結果信号発生した場合、正確な作動事故と判断する。
【0048】
「確定事故」を判断し続ける。Aの事故の結果信号リストを抽出し、Aの結果信号の最早時間、結果信号の数及び無結果信号の数を統計する。Aの事故は、「Aの結果信号の数」>0となり且つ「Aの無結果信号の数」=0となり、且つAの特徴信号の最遅時間がAの結果信号の最早時間よりも小さくなり、即ちAの結果信号全体が発生する場合、且つすべての特徴信号が結果信号の前にある場合、更に「正確な作動事故」と判定される。
【0049】
(3)最後に、AとBに対して「OR」演算を実行して事故を判断する。
【実施例0050】
本発明の実施可能性は、次に具体的な事例と相まって説明される。
【0051】
実施例1
【0052】
本発明は、水力発電所全体の事故特徴と結果信号を同時に監視し、監視点の信号の総合分析及び知的な判断に対する大規模な監視を果たし、事故全体に対する監視を実現する。特徴信号が全て起こるが結果信号がまだ起こられない時に、本発明は遅く起こる事故に対して事故の早期警告を提供し、運転及び保全人員には事故が発生したかどうかを判断し且つ即時予防策を取るために支援を与える。某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故を例とすると、それの事故の知的な判断のプロセスは次のとおりである。
【0053】
(S1)特徴信号と結果信号とを定義し、中枢信号ライブラリと特徴信号ライブラリを設定する。前記特徴信号は事故が起こる前と事故発生時の信号であり、前記結果信号は事故が起こった後の信号であり、前記特徴信号ライブラリは各事故の特徴信号を管理するために用いられ、前記中枢信号ライブラリは各事故の特徴信号及び結果信号を管理するために用いられる。
【0054】
例えば、表1に示された信号はその事故が起こる前と事故発生時の信号であり、その事故の特徴信号となる。定義された且つ設定された特徴信号ライブラリにはその信号を読み込み且つ管理する。
【0055】
表1に、某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故の特徴信号を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
例えば、表2に示された信号はその事故が起こった後の信号であり、その事故の結果信号となる。定義された且つ設定された中枢信号ライブラリにはその信号を読み込み且つ管理する。
【0058】
表2に、某回路において送電線保護に作動する5032スイッチの機能停止事故の結果信号を示す。
【0059】
【表2】
【0060】
(S2)事故判断類別を定義して事故判断論法を設定し、前記事故判断類別は、懐疑事故と確定事故と正確な作動事故とを含める。懐疑事故の定義は、特徴信号と結果信号のいずれか発生した場合に、事故が疑われると判断されることである。確定事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号発生した場合に、事故が確定したと判断されることである。同一の設備に1つ又は2つの監視システムが使われる場合、前記信号の同じ共有性は、信号が同一の監視システムから由来することを意味する。前記正確な作動事故の定義は、同じ共有性の具わる特徴信号と結果信号とが発生し、且つ特徴信号が発生した後に結果信号発生した場合、正確な作動事故と判断されることである。
【0061】
例えば:表1における番号1、3、4、5、6及び7の信号と表2における番号1、3、4、5の信号はすべてA監視システムから由来し、これらの信号は同じ共有性を備える。同様に、表1における番号2の信号と表2における番号2の信号は全てB監視システムから由来し、これらの信号は同じ共有性を備える。
【0062】
表1のいずれかの信号が起こる場合は、事故の発生を疑って懐疑事故となる。
【0063】
表1においてA監視システムのみから由来する信号又はB監視システムのみから由来する信号が起こる場合は、事故の確かな発生と判断し、確定事故となる。
【0064】
表1及び表2においてA監視システムのみから由来する特徴信号及び結果信号が起こり、且つ表2における結果信号が表1における全ての特徴信号の後ろに起こる場合は、事故の確かな発生且つ正確な作動と判断し、正確な作動事故となる。B監視システムは同様に運転すると、2つのシステムは、判定中に「OR」演算を実行して、A又はBがOR演算を満足する限り、その事故が正確な作動事故であると判定する。
【0065】
(S3)事故判断規則を作成する。事故判断規則は、視覚化操作モードに基づいて条件論理や演算子や計算子や関数や方法などの要素を様々な規則で設定し、入力データの論理処理を完了する。生成されたルールファイルはXMLで記憶される。規則実行エンジンはXMLファイルを解析し、規則を実行可能な形式に変換する。
【0066】
この設定された規則はS2での事故の知的な判断を果たしていて、本方法中の事故判断の通用規則として、各事故判断規則がこの規則に従う。監視点の信号は信号リストを構成し、事故判断規則はこの信号リストから信号を取得し、この信号に対して事故の特徴信号をそれの結果信号と照合させ且つ一定の論理規則に従って計算することで、事故類別判定を出力する。
【0067】
規則は、プログラムの解析と拡張に便利であるように拡張可能なマークアップ言語XMLで記憶され、且つ解析されたルールファイルは、読みやすいテキスト形式で表示される可能性がある。
【0068】
具体的な規則は、次のとおりである。
【0069】
(S4)規則のインスタンス化を行う。各事故において、S3中の規則を複製することで一つの規則が作成され、特徴信号ライブラリ及び中枢信号ライブラリ中の同事故の監視点に対してそれの特徴信号をそれの結果信号の監視点と照合させることで、事故規則のインスタンス化を実現する。最初の信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。信号の蓄積による誤判定を避けるために、各事故信号の統計時間が定義され且つ同事故のために設定された予想持続時間より大きくなる場合は、今回の事故判断の実行を完了する。
【0070】
例えば、その事故はS3中の規則を複製することで同事故しか判断しない規則を作成し、その規則の入力信号は表1の信号を表2のそれと照合させることで、その事故の規則のインスタンス化を実現する。表1のいずれか信号は、到達すると直ちに実行され、後続の信号は起こり続けて前の信号に蓄積され、関連する事故判断規則は再度実行される。その事故前、事故中及び事故後の信号はmsで測られて非常に短いため、事故信号の統計時間は、信号の長期間の蓄積による誤判断を避けるために、1秒間以下に制限される。統計時間が予想持続時間より大きい場合に今回の事故判断の実行を完了すると、次回の知的な判断は、自動的に起動する。
【0071】
(S5)規則を実行して事故の監視と判断を完了する。規則は、監視点の信号リスト情報をリアルタイムで取得して事故判断を行って事故判断の結果を出力し、且つインスタンス化された全ての規則が同時に監視して水力発電所全体の事故監視を果たす。
【0072】
例えば、その事故にとっては、Bの特徴信号と結果信号が全て起こると、その事故を確定事故と判断する。事故の関連信号は、他の事故の信号とともに監視点信号リストに入り、設定され、且つインスタンス化された他の事故規則も信号リストから他の事故の関連信号を自動的に取得し、知的な判断を行う。
【0073】
S5には、事故判断結果に加えて、正確な事故と正確な作動事故の詳細情報も出力し、S4の規則は同時に信号の詳細情報を事故対処集合と相関できる。詳細情報は、特徴信号、結果信号及びそれらの出現時間などの情報を含める。事故対処集合は原因分析や事故処理等を含める。これは、事故の迅速な決断を行うように運転及び保全人員の事故対処策を累積してきて迅速な表示を実現する。
【0074】
例えば、その事故のBの信号を確定事故と判定する場合、インスタンス化された信号の詳細情報は表3に示される。
【0075】
【表3】
【0076】
その事故対処集合は次の通りである。
【0077】
一、検査と判断
1、5032スイッチの電流、電圧、1FB~4FBの運転状態があるかどうか、スイッチ入れ作動及びスイッチ切り作動の状況を確認する。
2、10kV、3M及び4Mの送電網が正常に運転するかどうかを確認する。
3、発電所全体の出力、システム周波数及びシステム電圧が安定するかどうか、AGC及びAVCが作動停止するかどうかを確認する。
4、障害の波形記録やバス保護や隣接スイッチ保護や変圧器保護や安全警報等を確認して報告を記録し印刷する。
5、監視システムの信号を整える。
6、現場で設備を一度検査する(5032スイッチに対応し隣接する間隔)。
【0078】
二、報告及び連絡
1、報告について任務を分配する。
2、工場長、担当工場長及び部門長(運転部門、安全管理部門、生産管理部門及び保全部門)へ報告する。
3、工場応急執務室に報告し、工場応急執務室の指示に従って会社の24時間応急当直室に報告する。
4、必要に応じて緊急ON-CALL支援を要請する。
【0079】
三、調整と対処
1、水門を開けて水を補充する(水門を開ける前に定向放送で下流に通知する)。
2、安全制御の作動方式を調整し、発電機遮断方式と安全制御の作動方式とを変更し、500kVを投入し、複II線に対してプレス板を点検し、5031スイッチに対してプレス板を点検する。
3、4F装置が停止していない場合は、工場長に指示を求めて冷却水が至り且つ設備切断状態に変換するまでに4F装置が停止することを願い出る。
4、5032スイッチに電流がないことを確認した後、5032スイッチの両側にあるTSスイッチを引き離して絶縁対策を行うことを願い出る。
5、装置の出力を上げて備用装置を始動して、左岸にある装置の切断方式及び主変圧器の中性点モードを調整することを願い出る。
6、5032スイッチの機能停止作動の原因を確かめて、処理状況に応じて復帰する(5031スイッチと4FBに運転を復帰させる)。
7、資料を収集し、事故報告書を作成する。
【0080】
上記実施例は、本発明の好ましい技術的解決策にすぎず、本発明の限定とみなされるべきではない。請求項に記載の技術的解決策、特に請求項に記載の技術的解決策の技術的特徴の同等の代替策は、本発明の保護範囲に入り、即ち、この範囲内において同等に置換され改善されるものは、本発明の保護範囲に入る。