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特開2024-72244データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法、システム及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072244
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法、システム及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 17/00 20060101AFI20240520BHJP
   G06N 3/0442 20230101ALI20240520BHJP
   G06N 3/02 20060101ALI20240520BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20240520BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20240520BHJP
   G01N 29/44 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G01N17/00
G06N3/0442
G06N3/02
H02G1/06
G01N29/04
G01N29/44
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132686
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】202211422664.8
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】523312439
【氏名又は名称】グアンジョウ・パワー・サプライ・ビューロー・オブ・グアンドン・パワー・グリッド・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】メン・リー
(72)【発明者】
【氏名】タオ・シュー
(72)【発明者】
【氏名】ジアシェン・フアン
(72)【発明者】
【氏名】チュオハン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ゲンビン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】キアン・ラン
(72)【発明者】
【氏名】タオ・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ハンルー・リー
【テーマコード(参考)】
2G047
2G050
5G352
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AB03
2G047BC11
2G047GG20
2G047GG33
2G050AA01
2G050AA04
2G050EB01
5G352CA08
5G352CD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を提供する。
【解決手段】次元削減行列を導入して、超音波導波オリジナル信号を再構成することでデータの次元削減を実現し、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、超音波導波オリジナル信号における腐食欠陥の関連情報損失を減少して、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築してケーブルアルミシース欠陥を認識し、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度及び計算効率を向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法であって、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築して、ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルの超音波導波オリジナル信号を取得するステップと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するステップと、を含むことを特徴とするデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項2】
ケーブルアルミシース腐食欠陥サンプルは均一腐食、孔食、糸状腐食欠陥サンプルを含み、重いブロックを人為的に使用して実際腐食欠陥サンプルをシミュレーション又は収集することで取得されることを特徴とする請求項1に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項3】
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップは、
各信号の振幅値スケールに対して正規化処理を行うステップであって、正規化の表現式は以下の通りであり、
【数1】
はi番目の信号の振幅値を示し、Bmaxは信号の最大値を示し、Bminは信号の最小値を示すステップと、
N個の訓練サンプルを取得し、
【数2】
と記し、N個のテストサンプルを取得し、
【数3】
と記すステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項4】
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成するステップは、
距離行列を計算して、訓練サンプル及びテストサンプル導波信号の時間周波数情報を融合させるステップと、
最適化問題ターゲット関数を構造して、次元削減行列を解くステップと、
次元削減行列を使用して訓練サンプル及びテストサンプルを再構成するステップと、を含むことを特徴とする請求項3に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項5】
距離行列を計算して、訓練サンプル及びテストサンプル導波信号の時間周波数情報を融合させ、距離行列
【数4】
は以下の表現式で算出され、
【数5】

【数6】
は距離行列
【数7】
の第
【数8】
行、第
【数9】
列の要素を示し、
【数10】
は異なるサンプルの間の時間周波数情報の振幅差値を示し、
【数11】
は時間周波数情報の振幅差値の重みを制御する重みパラメータであることを特徴とする請求項4に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項6】
最適化問題の表現式は以下の通りであり、
【数12】
Pは次元削減行列を示し、Xは訓練サンプルを示し、Yはテストサンプルを示し、Aは、行列Pが取得した判別特徴の表示係数を示し、
【数13】
はHadamard演算子を示し、Mは距離行列を示し、Jは距離行列Mを構築する補助変数を示し、
【数14】
及び
【数15】
は訓練サンプル及びテストサンプルの重みを調整する2つのパラメータであり、Eは単位行列であり、Fはオリジナル次元であり、τは補助変数のサイズを調整するパラメータであり、
【数16】
は信号時間周波数マップセットを示し、
【数17】
であることを特徴とする請求項5に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項7】
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはGRUによる再帰型ニューラルネットワークモデル、又はLSTMによる再帰型ニューラルネットワークモデルであることを特徴とする請求項1に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項8】
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはGRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルであることを特徴とする請求項7に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法。
【請求項9】
データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識システムであって、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築するサンプル構築モジュールと、
超音波導波オリジナル信号を取得するデータ取得モジュールと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成する前処理モジュールと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成する次元削減再構成モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するモデル訓練モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するモデル認識モジュールと、を含むことを特徴とするデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識システム。
【請求項10】
プログラムが記憶される記憶媒体であって、前記プログラムはコンピュータによって実行されると、請求項1~8の何れか1項に記載のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を実現することを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非破壊検出の技術分野に関して、特にデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法、システム及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧ケーブルは電力システムの重要な構成部分であるとともに、需求量が最大である部分であり、導体、絶縁層、遮蔽層及び保護層という4つの部分から構成される。保護層は外部保護層及び内部保護層に分けられる。外部保護層は一般的にPVC絶縁材料であり、内部保護層は一般的に金属層であり、通常、波付きアルミシースを使用する。取付過程及び長期にわたって複雑工况に暴露するため、ケーブルの防水能力が大幅に低下し、動作過程で電気化学的腐食が生じて、波付きアルミシースの表面に腐食欠陥が発生し、ひどい場合、ケーブルを短絡させて大事故が生じる。アルミシースは絶縁層に包まれ、従来の検出方法はアルミシースの腐食損傷を検出できないため、超音波導波検出技術を導入してケーブルアルミシースの損傷を検出することは、従来技術の人気のある方向になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
人工智能の迅速な発展に連れて、分類器、ニューラルネットワークなどの方法は大幅に適用されている。ところが、導波のマルチモーダル、周波数分散特性及び雑音の導波信号に対する干渉のため、導波データは多様化、大規模、高次元などの特徴を表現し、豊かな内容を有する規律及び情報が含まれるが、よく大量の冗長データにカバーされるため、直観的に観察しにくい。従って、従来のデータ駆動型アルゴリズムは超音波導波信号とキー特徴との間の複雑な関係を捕捉できず、認識精度が低く、計算量が大きすぎるなどのいろんな問題をもたらす。
【0004】
これに鑑みると、本発明はデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を提供することを第1の目的とし、次元削減行列を導入して、超音波導波オリジナル信号を再構成することでデータの次元削減を実現し、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、超音波導波オリジナル信号における腐食欠陥の関連情報損失を減少して、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築してケーブルアルミシース欠陥を認識し、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度及び計算効率を向上する。
【0005】
同じ発明構想に基づいて、本発明は、データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識システムを提供することを第2の目的とする。
【0006】
同じ発明構想に基づいて、本発明は記憶媒体を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の目的は以下の技術案によって達成でき、
データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法であって、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築して、ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルの超音波導波オリジナル信号を取得するステップと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するステップと、を含む。
【0008】
さらに、ケーブルアルミシース腐食欠陥サンプルは均一腐食、孔食、糸状腐食欠陥サンプルを含み、重いブロックを人為的で使用して実際腐食欠陥サンプルをシミュレーションし又は収集することで取得される。
【0009】
さらに、収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップは、
収集された導波信号の振幅値に同じ数値スケールを具備させて、信号再構成ネットワークが大きな振幅値特徴を有する信号をバイアスして抽出することを回避するために、各信号の振幅値スケールに対して正規化処理を行うステップであって、正規化の表現式は以下の通り:
【数1】
はi番目の信号の振幅値を示し、Bmaxは信号の最大値を示し、Bminは信号の最小値を示すステップと、
N個の訓練サンプルを取得し、
【数2】
と記し、N個のテストサンプルを取得し、
【数3】
と記すステップと、を含む。
【0010】
さらに、訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成するステップは、
距離行列を計算して、訓練サンプル及びテストサンプル導波信号の時間周波数情報を融合させるステップと、
最適化問題ターゲット関数を構造して、次元削減行列を解くステップと、
次元削減行列を使用して訓練サンプル及びテストサンプルを再構成するステップと、を含む。
【0011】
さらに、距離行列を計算して、訓練サンプル及びテストサンプル導波信号の時間周波数情報を融合させ、距離行列
【数4】
は以下の表現式で計算されて取得される:
【数5】

【数6】
は距離行列
【数7】
の第
【数8】
行、第
【数9】
列の要素を示し、
【数10】
は異なるサンプルの間の時間周波数情報の振幅差値を示し、
【数11】
は時間周波数情報の振幅差値の重みを制御する重みパラメータである。
【0012】
さらに、最適化問題の表現式は以下の通りであり、
【数12】
Pは次元削減行列を示し、Xは訓練サンプルを示し、Yはテストサンプルを示し、Aは、行列Pが取得した判別特徴の表示係数を示し、
【数13】
はHadamard演算子を示し、Mは距離行列を示し、Jは距離行列Mを構築する補助変数を示し、
【数14】
は訓練サンプル及びテストサンプルの重みを調整する2つのパラメータであり、Eは単位行列であり、Fはオリジナル次元であり、τは補助変数のサイズを調整するパラメータであり、
【数15】
は信号時間周波数マップセットを示し、
【数16】
である。
【0013】
さらに、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはGRUによる再帰型ニューラルネットワークモデル、又はLSTMによる再帰型ニューラルネットワークモデルである。
【0014】
さらに、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはGRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルである。
【0015】
本発明の第2の目的は以下の技術案によって達成でき、
データ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識システムであって、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築するサンプル構築モジュールと、
超音波導波オリジナル信号を取得するデータ取得モジュールと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成する前処理モジュールと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成する次元削減再構成モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するモデル訓練モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するモデル認識モジュールと、を含む。
【0016】
本発明の第3の目的は以下の技術案によって達成でき、
プログラムが記憶される記憶媒体であって、前記プログラムはコンピュータによって実行されると、上記のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を実現する。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に対して本発明は以下の有益な効果を有する:
(1)本発明において、次元削減行列を導入して、超音波導波オリジナル信号を再構成することでデータの次元削減を実現し、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算効率を向上する。
(2)本発明において、訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成し、本発明の再構成方法によれば、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、より少ない超音波導波オリジナル信号における腐食欠陥の関連情報の損失を実現して、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度を向上する。
(3)本発明において、GRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルを構築し、GRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルを使用して再構成サンプルを訓練して認識し、長期記憶及び誤差逆伝播における階調などの問題を解決し、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度及び計算効率をさらに向上して、電力システム運転の確実性及びセキュリティを高める。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本出願の実施例の技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を取得できる。
図1】本発明の実施例1のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例1のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法のネットワーク再構成のフローチャートである。
図3】本発明の実施例1のGRU入出力の構造図である。
図4】本発明の実施例1のGRUの内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点がより分かりやすくなるために、以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載する。明らかに、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本発明の保護範囲に属している。
【0020】
実施例1:
図1に示すように、本実施例はデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を提供し、以下のステップを含む:
S10:ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築して、ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルの超音波導波オリジナル信号を取得する;
本実施例において、ケーブルアルミシース腐食欠陥サンプルは均一腐食、孔食、糸状腐食欠陥サンプルを含み、重いブロックを人為的使用して実際腐食欠陥サンプルをシミュレーションし又は収集することで取得される。
【0021】
S20:収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップは具体的に、
収集された導波信号の振幅値に同じ数値スケールを具備させて、信号再構成ネットワークが大きな振幅値特徴を有する信号をバイアスして抽出することを回避するために、各信号の振幅値スケールに対して正規化処理を行って、正規化の表現式は以下の通りであり、
【数17】
はi番目の信号の振幅値を示し、Bmaxは信号の最大値を示し、Bminは信号の最小値を示し、
N個の訓練サンプルを取得し、
【数18】
と記し、N個のテストサンプルを取得し、
【数19】
と記す。
【0022】
S30:訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成し、図2に示すように、以下のステップを含む:
S31:距離行列を計算して、訓練サンプル及びテストサンプル導波信号の時間周波数情報を融合させる;
本実施例において、ステップS31の距離行列
【数20】
は以下の表現式で計算されて取得される:
【数21】

【数22】
は距離行列
【数23】
の第
【数24】
行、第
【数25】
列の要素を示し、
【数26】
は異なるサンプルの間の時間周波数情報の振幅差値を示し、
【数27】
は時間周波数情報の振幅差値の重みを制御する重みパラメータである。
【0023】
S32:最適化問題ターゲット関数を構造して、次元削減行列を解く;
本実施例において、最適化問題の表現式は以下の通りであり、
【数28】
Pは次元削減行列を示し、Xは訓練サンプルを示し、Yはテストサンプルを示し、Aは、行列Pが取得した判別特徴の表示係数を示し、
【数29】
はHadamard演算子を示し、Mは距離行列を示し、Jは距離行列Mを構築する補助変数を示し、
【数30】
は訓練サンプル及びテストサンプルの重みを調整する2つのパラメータであり、Eは単位行列であり、Fはオリジナル次元であり、τは補助変数のサイズを調整するパラメータであり、
【数31】
は信号時間周波数マップセットを示し、
【数32】
である。
【0024】
S33:次元削減行列を使用して訓練サンプル及びテストサンプルを再構成し、具体的に、PYは再構成されたテストサンプルであり、PXは再構成された訓練サンプルである。
【0025】
S40:ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練する;
図3及び図4に示すように、本実施例において、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはGRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルであり、GRUの入力はt時点のx及びt-1時点の隠れ層状態ht-1から構成され、隠れ層状態には前のノードの関連情報が含まれ、GRUの出力はt時点の隠れノードの出力y及び次のノードに伝送された隠れ状態hから構成される。
【0026】
前の伝送された状態ht-1及び現在ノードの入力xによって更新ゲート及びリセットゲートという2つのゲート状態を取得する。
【0027】
ゲート信号を取得した後、まず、リセットゲートによってht-1をリセットして、ht-1とxとをスティッチングし、最後、1つのtanh活性化関数によってデータを-1~1の範囲にスケーリングして、
【数33】
を取得する。
【数34】
ここで、
【数35】
は主に、現在入力されたxデータを含み、
【数36】
に現在の隠れ状態を標的に追加すれば、情報の選別を実現する。
【0028】
現在時点及び前の時点の隠れユニットに対して、リセットゲートは新たな入力情報と前の記憶との結合方法を決定し、更新ゲートは前の記憶の、現在時間ステップに保存される量を定義する。
【数37】
t-1は履歴情報を含み、
【数38】
は候補隠れ状態であり、zは更新ゲートである。当該操作は、伝送されたht-1におけるいくつかの次元情報を忘れて、現在ノードから入力されたいくつかの次元情報を加入させる。Zの範囲は0~1であり、ゲート信号が1に近接するほど、記憶された履歴データが多く、0に近接するほど、忘れられた履歴データが多い。
【0029】
本発明の別の実施例において、ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルはLSTMによる再帰型ニューラルネットワークモデルである。
【0030】
S50:ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するステップは以下のステップを含む:
S51:ケーブルアルミシース超音波導波オリジナル信号を取得する;
S52:収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行う;
S53:ステップS32で取得された次元削減行列を使用して、超音波導波オリジナル信号に対して次元削減及び再構成を行う;
S54:ステップS53で取得された再構成信号を、ステップS40で取得されたケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルに入力して、ケーブルアルミシースの腐食欠陥認識結果を取得する。
【0031】
以上のように、本実施例において、次元削減行列を導入して、超音波導波オリジナル信号を再構成することでデータの次元削減を実現し、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算効率を向上する;本実施例において、訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成し、本発明の再構成方法によれば、超音波導波オリジナル信号における冗長情報を減少するとともに、より少ない超音波導波オリジナル信号における腐食欠陥の関連情報の損失を実現して、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度を向上し、本実施例において、GRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルを構築し、GRUによる再帰型ニューラルネットワークモデルを使用して再構成サンプルを訓練して認識し、高圧ケーブルアルミシース欠陥認識の計算精度及び計算効率をさらに向上して、電力システム運転の確実性及びセキュリティを高める。
【0032】
実施例2:
本実施例はデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識システムを提供し、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築するサンプル構築モジュールと、
超音波導波オリジナル信号を取得するデータ取得モジュールと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成する前処理モジュールと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成する次元削減再構成モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するモデル訓練モジュールと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するモデル認識モジュールと、を含む。
【0033】
つまり、本実施例の上記の各モジュールにおいて、サンプル構築モジュールとデータ取得モジュールとは協働して本発明の実施例1のステップS10を実現し、前処理モジュールは実施例1のステップS20を実現し、次元削減再構成モジュールは実施例1のステップS30を実現し、モデル訓練モジュールは実施例1のステップS40を実現し、モデル認識モジュールとデータ取得モジュールとは協働して実施例1のステップS50を実現する。実施例1はステップS10~S50を詳しく記載したため、明細書の記載を簡潔にするために、本実施例において、上記の各モジュールの詳しい実現過程について実施例1を参照すればよく、贅言しない。
【0034】
実施例3:
プログラムが記憶される記憶媒体であって、前記プログラムはコンピュータによって実行されると、本発明の実施例1のデータ駆動型高圧ケーブルアルミシース欠陥認識方法を実現し、
ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルを構築して、ケーブルアルミシース腐食模擬サンプルの超音波導波オリジナル信号を取得するステップと、
収集された超音波導波オリジナル信号に対して前処理を行って、訓練サンプル及びテストサンプルを作成するステップと、
訓練サンプルとテストサンプルとをマージするとともに、訓練サンプル及びテストサンプルの次元数を低減して再構成するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを構築し、再構成された訓練サンプル及びテストサンプルを使用してケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを訓練するステップと、
ケーブルアルミシース欠陥認識ニューラルネットワークモデルを使用してケーブルアルミシースの腐食欠陥を認識するステップと、を含む。
【0035】
ここで、本実施例のコンピュータ可読記憶媒体はコンピュータ可読信号媒体、又はコンピュータ可読記憶媒体、或いは上記両者の任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、或いは以上の任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例示は、1つ又は複数のリード線を有する電気接続、ポータブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD-ROM)、光メモリ、磁気メモリ、又は上記の任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0036】
本実施例において、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含み又は記憶する任意の有形媒体であってもよく、当該プログラムは指令実行システム、装置又はデバイスによって使用され、又はそれと結合して使用される。本実施例において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンド中又はキャリア一の一部として伝播されるデータ信号を含んでもよく、コンピュータ可読プログラムが搭載される。このように伝播されるデータ信号に対して多種の形態を採用してもよく、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体はさらに、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、当該コンピュータ可読信号媒体は指令実行システム、装置又はデバイスによって使用され、又はそれと結合して使用されるプログラムを送信し、伝播し又は伝送できる。コンピュータ可読記憶媒体に含まれるコンピュータプログラムは任意の適切な媒体で伝送でき、ワイヤー、光ケーブル、RF(無線周波数)、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0037】
上記コンピュータ可読記憶媒体は1つ又は複数のプログラム設計言語、或いはその組み合わせで、本実施例を実行するコンピュータプログラムを書き、上記のプログラム設計言語は、オブジェクト指向のプログラム設計言語、例えばJava、Smalltalk、C++、通常の手続き型プログラム設計言語、例えばC言語又は類似のプログラム設計言語を含む。プログラムは全部的にユーザーコンピュータで実行されてもよいし、部分的にユーザーコンピュータで実行されてもよいし、個別のパッケージソフトとして実行されてもよいし、一部がユーザーコンピュータで、他の一部がリモートコンピュータで実行されてもよいし、又は全部的にリモートコンピュータ又はサーバーで実行されてもよい。リモートコンピュータに関する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域エリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザーコンピュータに接続され、又は外部コンピュータに接続される(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用してインターネットを介して接続される)。
【0038】
上記に記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎず、本発明は上記の実施例の細部に限定されず、当業者が完成した適切な変更又は修飾は、何れも本発明の特許範囲から逸脱していない。
図1
図2
図3
図4