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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072282
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】基板及び半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240520BHJP
   H01L 23/15 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
H01L23/12 F
H01L23/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193986
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】63/425,670
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521560126
【氏名又は名称】アブソリックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Absolics Inc.
【住所又は居所原語表記】3000 SKC Drive,Covington,GA 30014,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、テキョン
(72)【発明者】
【氏名】ウ、ヨンハ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ジュンロク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コアの縁又は側面で発生するクラックにもかかわらず、優れた収率でパッケージング用基板を製造することができる基板を提供する。
【解決手段】ガラス又はセラミック支持体であるコア20を含む基板10は、製品領域16とダミー領域14とに区分され、製品領域は、1つ以上の個別製品90が配置される領域であり、ダミー領域は、基板において製品領域を除いた領域であり、製品領域又はダミー領域には破損防止部30が配置される。破損防止部30は、1つ以上のクラック停止構造が配置される領域であり、クラック停止構造は、コア20に配置された溝(concave)又はビア(via)であって、コア20の側面から発生するクラックが個別製品90の中央部に向かって成長することを止めるものであり、溝は、コア20の表面が窪んだものであり、ビアは、コア20が厚さ方向に一部貫通するように除去された貫通孔である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス又はセラミック支持体であるコアを含む基板であって、
前記基板は、製品領域とダミー領域とに区分され、
前記製品領域は、1つ以上の個別製品が配置される領域であり、
前記ダミー領域は、前記基板において前記製品領域を除いた領域であり、
前記製品領域又は前記ダミー領域には破損防止部が配置され、
前記破損防止部は、1つ以上のクラック停止構造が配置される領域であり、
前記クラック停止構造は、前記コアに配置された溝(concave)又はビア(via)であって、前記コアの側面から発生するクラックが前記個別製品の中央部に向かって成長することを止めるものであり、
前記溝は、前記コアの表面が窪んだものであり、
前記ビアは、前記コアが厚さ方向に一部貫通するように除去された貫通孔である、基板。
【請求項2】
前記個別製品は、上から見たとき、切断線、中心点及び内部枠線を有し、
前記切断線は、前記個別製品が分離(singulation)されるとき、前記個別製品の外郭をなす線であり、
前記中心点は、前記個別製品の幾何中心に該当する仮想の点であり、
前記内部枠線は、前記切断線から前記中心点に向かって20%の長さだけ進入した仮想の線であり、
前記破損防止部は、前記コアの縁と前記内部枠線との間に配置される、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記破損防止部は、前記溝又はビアの多数個が、前記製品領域と前記ダミー領域との境界線と隣り合って配置されるものを含む、請求項1に記載の基板。
【請求項4】
前記溝又は前記ビアは、直径Aの開口部を有し、隣り合う前記溝又は前記ビアのピッチはAの1.3~20倍である、請求項1に記載の基板。
【請求項5】
前記クラック停止構造は、前記溝又はビアが前記個別製品の角の形状に沿って配置された曲がった構造を含む、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記溝は充填溝であり、前記ビアは充填ビアであり、
前記溝又はビアの開口部はビアパッドと接合される、請求項1に記載の基板。
【請求項7】
前記クラック停止構造は、側面保護層をさらに含み、
前記側面保護層は、前記コアの側面の一部又は全部を囲む構造である、請求項1に記載の基板。
【請求項8】
前記基板は、前記コアを囲む安定化層をさらに含み、
前記安定化層は、前記コアの上面及び下面を含む面を囲む、請求項1に記載の基板。
【請求項9】
前記コアの側面、前記側面と連結される上面の一部、及び前記側面と連結される下面の一部を含む面は側面保護対象面であり、前記側面保護層は、前記側面保護対象面の一部又は全部の上に配置される、請求項7に記載の基板。
【請求項10】
前記安定化層は絶縁層を含み、
前記側面保護層は絶縁層を含む、請求項7又は8に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
具現例は、パッケージング基板の支持基板であるコア、または前記コアを含むパッケージング基板を含む基板に関する。
【0002】
具現例は、前記基板を含む半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
電子部品を作製するにおいて、半導体ウエハに回路を具現することを前工程(FE:Front-End)といい、ウエハを実際の製品で使用可能な状態に組み立てることを後工程(BE:Back-End)といい、この後工程にパッケージング工程が含まれる。
【0004】
最近の電子製品の急速な発展を可能にした半導体産業の4つの核心技術としては、半導体技術、半導体パッケージング技術、製造工程技術、ソフトウェア技術がある。半導体技術は、マイクロ以下のナノ単位の線幅、千万個以上のセル(Cell)、高速動作、多くの熱放出などの様々な形態に発展しているが、相対的にこれを完璧にパッケージングする技術がサポートされていない。そのため、半導体の電気的性能が、半導体技術自体の性能よりは、パッケージング技術及びこれによる電気的接続によって決定されることもある。
【0005】
パッケージング基板の材料としては、セラミック又は樹脂が適用される。セラミック基板の場合、抵抗値が高いか、または誘電率が高いため、高性能高周波の半導体素子を搭載することが容易ではない。樹脂基板の場合、相対的に高性能高周波の半導体素子を搭載することはできるが、配線のピッチの縮小に限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
具現例の目的は、製造収率に優れた基板を提供することである。
【0007】
具現例の他の目的は、コアの縁又は側面で発生し得るクラックにもかかわらず、優れた収率で個別製品であるパッケージング基板を製造することができる基板を提供することである。
【0008】
具現例の更に他の目的は、前記パッケージング基板を適用した半導体モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための1つ以上の具現例は、ガラス又はセラミック支持体であるコアを含む基板であって、前記基板は、製品領域とダミー領域とに区分され、前記製品領域は、1つ以上の個別製品が配置される領域であり、前記ダミー領域は、前記基板において前記製品領域を除いた領域であり、前記製品領域又は前記ダミー領域には破損防止部が配置され、前記破損防止部は、1つ以上のクラック停止構造が配置される領域であり、前記クラック停止構造は、前記コアに配置された溝(concave)又はビア(via)であって、前記コアの側面から発生するクラックが前記個別製品の中央部に向かって成長することを止めるものであり、前記溝は、前記コアの表面が窪んだものであり、前記ビアは、前記コアが厚さ方向に一部貫通するように除去された貫通孔である。
【0010】
前記個別製品は、上から見たとき、切断線、中心点及び内部枠線を有し、前記切断線は、前記個別製品が分離(singulation)されるとき、前記個別製品の外郭をなす線であり、前記中心点は、前記個別製品の幾何中心に該当する仮想の点であり、前記内部枠線は、前記切断線から前記中心点に向かって20%の長さだけ進入した仮想の線であり、前記破損防止部は、前記コアの縁と前記内部枠線との間に配置されてもよい。
【0011】
前記破損防止部は、前記溝又はビアの多数個が、前記製品領域と前記ダミー領域との境界線と隣り合って配置されるものを含むことができる。
【0012】
1つ以上の具現例において、前記溝又は前記ビアは、直径Aの開口部を有し、隣り合う前記溝又は前記ビアのピッチはAの1.3~20倍であってもよい。
【0013】
1つ以上の具現例において、前記クラック停止構造は、前記溝又はビアが前記個別製品の角の形状に沿って配置された曲がった構造を含むことができる。
【0014】
1つ以上の具現例において、前記溝は充填溝であり、前記ビアは充填ビアであり、前記溝又はビアの開口部はビアパッドと接合されてもよい。
【0015】
1つ以上の具現例において、前記クラック停止構造は、側面保護層をさらに含むことができる。前記側面保護層は、前記コアの側面の一部又は全部を囲む構造であってもよい。
【0016】
1つ以上の具現例において、前記基板は、前記コアを囲む安定化層をさらに含むことができる。前記安定化層は、前記コアの上面及び下面を含む面を囲むことができる。
【0017】
1つ以上の具現例において、前記コアの側面、前記側面と連結される上面の一部、及び前記側面と連結される下面の一部を含む面は側面保護対象面であり、前記側面保護層は、前記側面保護対象面の一部又は全部の上に配置されてもよい。
【0018】
前記安定化層は絶縁層を含むことができる。
【0019】
前記側面保護層は絶縁層を含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
具現例の基板は、基板の側面又は縁で発生するクラックなどの損傷により個別製品であるパッケージング基板及び前記パッケージング基板が集まっている製品領域に損傷が発生することを実質的に抑制することができる。
【0021】
具現例の半導体モジュールは、前記基板を活用して高い収率で得られる優れた特性を有するパッケージング基板を提供することができる。特に、板ガラスのように特性のある基板をコアとして適用しても、優れた製造収率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図である。
図2】様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図である。
図3】様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図である。
図4】様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図である。
図5】様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図である。
図6】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図7】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図8】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図9】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図10】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図11】様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
図12図3のb-b'線に沿った断面で様々な具現例の基板を説明する概念図である。
図13図3のb-b'線に沿った断面で様々な具現例の基板を説明する概念図である。
図14】様々な具現例のパッケージング基板の断面を説明する概念図である。
図15】様々な具現例の半導体モジュールを説明する上面図である。
図16】様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図である。
図17図15のX-X'線断面を説明する概念図である。
図18】様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図である。
図19】様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図である。
図20】様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図である。
図21】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図22】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図23】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図24】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図25】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図26】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図27】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図28】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図29】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図30】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
図31】様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。しかし、具現例は、様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。明細書全体にわたって類似の部分に対しては同一の図面符号を付した。
【0024】
本明細書全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0025】
本明細書全体において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、同一の用語を互いに区別するために使用される。また、単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。
【0026】
本明細書において、「~」系は、化合物内に「~」に該当する化合物又は「~」の誘導体を含むことを意味するものであり得る。
【0027】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上に直接当接してBが位置するか、またはそれらの間に他の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定されて解釈されない。
【0028】
本明細書において、A上にBが連結されるという意味は、AとBが直接連結されるか、またはAとBがそれらの間の他の構成要素を介して連結されることを意味し、特に言及がない限り、AとBが直接連結されることに限定して解釈されない。
【0029】
本明細書において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
【0030】
本明細書において、高周波とは、約1GHz~約300GHzの周波数を意味する。具体的には、約1GHz~約30GHzの周波数を意味してもよく、または約1GHz~約15GHzの周波数を意味してもよい。
【0031】
本明細書において、細線(fine line)とは、他に説明がない限り、5μm以下の幅を有する線を意味し、例示的に1~4μm以下の幅を有する線を意味する。
【0032】
本明細書において、図面での各構成の形態、相対的な大きさ、角度などは例示的なもので、説明を目的として誇張して表現され得、権利が図面に限定されて解釈されない。
【0033】
本明細書において、コアは、基板に配置される板状の支持部材を意味する。
【0034】
本明細書において、パッケージング基板は、基板が切断されて製品化されたものであって、素子を実装できるように再配線層及びソルダーレジスト層などが配置された板状部材を意味する。
【0035】
本明細書において、基板は、前記パッケージング基板に切断される前の基板であって、支持体であるコアを含む。前記基板は、複数の個別製品がダミー領域を挟んで配列されたストリップ基板;複数の前記ストリップの間にダミー領域が配置されたクォート基板;または複数の前記クォートの間にダミー領域が配置されたパネル基板;であってもよい。記述の便宜上、これらを全て「基板」と称する。
【0036】
前記基板は、文脈に応じて、コアに電気伝導性層及び/又は絶縁層が配置されたものと解釈されてもよく、コアに電気伝導性層、絶縁層、及びソルダーレジスト層が配置されたものと解釈されてもよく、バンプをさらに含むものと解釈されてもよい。また、前記基板は、切断されずに互いに連結されている多数のパッケージング基板が並んで、またはダミー領域を挟んで配置されたものを意味することができる。
【0037】
図1図2図3図4及び図5は、様々な具現例の基板をそれぞれ上から見た様子で説明する概念図であり、図6図7図8図9図10及び図11は、様々な具現例の基板を、図5のAで表示された部分を通じて説明する概念図である。
【0038】
図12及び図13は、それぞれ、図3のb-b'線に沿った断面で様々な具現例の基板を説明する概念図であり、図14は、様々な具現例のパッケージング基板の断面を説明する概念図であり、図15は、様々な具現例の半導体モジュールを説明する上面図である。
【0039】
図16は、様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図であり、図17は、図15のX-X'線断面を説明する概念図であり、図18図19及び図20は、様々な具現例の半導体モジュールを断面で説明した概念図である。
【0040】
図21図22図23図24図25図26図27図28図29図30及び図31は、それぞれ、様々な具現例に適用可能なクラック停止構造を説明する概念図である。
【0041】
以下、前記図面を参照して、具現例をより詳細に説明する。
【0042】
前記目的を達成するために、具現例に係る基板10は、半導体パッケージング基板の支持体であるコア20として活用可能なもので、破損防止部30が配置される。
【0043】
前記基板10は、製品領域16とダミー領域14とに区分され得る。
【0044】
製品領域16は、個別製品に切断されてパッケージング基板を構成する部分(便宜上、「個別製品」と称する)が1つ以上配置される領域である。
【0045】
ダミー領域14は、前記コア20において前記製品領域16を除いた領域である。
【0046】
具現例の基板10は、前記ダミー領域14に配置された破損防止部30を含む(図1及び図2参照)。
【0047】
具現例の基板10は、前記製品領域16に配置された破損防止部30を含む(図3及び図4参照)。
【0048】
具現例の基板10は、前記ダミー領域14及び前記製品領域16に配置された破損防止部30を含む(図5参照)。
【0049】
具現例の基板10は、前記ダミー領域14、前記製品領域16及び個別製品90に配置された破損防止部30を含む(図示せず)。
【0050】
破損防止部は、クラック停止構造を配置することで、コアの角または縁で発生して進行するクラックの進行を抑制し、コアの損傷が大きくなることを抑制することができる。
【0051】
前記破損防止部30にはクラック停止構造32が配置される。クラック停止構造32は、前記コアに形成される溝(concave)又はビア(via)であって(図21参照)、前記クラックの進行を抑制する。
【0052】
前記溝は、前記コアの表面が窪んだものであり、前記ビアは、前記コアが厚さ方向に一部貫通するように除去された貫通孔である。
【0053】
前記破損防止部30には、クラック停止構造32である溝、ビア、またはこれらが混在されたものが配置されてもよく、これらが規則的又は不規則的な列(row)の形態で多数個配置されてもよい。
【0054】
コア20は、板形態(board type)の部材が適用される。コア20は、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、及びこれらの組み合わせからなるものから選択されたものであってもよい。
【0055】
コア20は、ライン-スペースの実現可能な限界の克服、半導体モジュールの集積化のために、無機材料をベースとした板形態の部材を適用することができる。
【0056】
コア20は、例示的に、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板などが適用されてもよい。シリコン系セラミック基板は、シリコン基板、シリコンカーバイド基板などを一部又は全部に含む基板であってもよい。ガラス系セラミック基板は、クォーツ基板、サファイア基板などを一部又は全部に含む基板であってもよい。
【0057】
コア20としてガラス系セラミック基板や板ガラスを適用する場合、不導体の特性を有するので、寄生素子の発生が抑制され、高周波半導体パッケージング基板に適用する際に電力効率を向上させることができる。
【0058】
ガラス基板(板ガラス)は、例示的に、アルカリボロシリケート板ガラス、無アルカリボロシリケート板ガラス、無アルカリアルカリ土ボロシリケート板ガラスなどが適用されてもよく、電子部品に適用される板ガラスであれば適用可能である。
【0059】
コア20は、厚さが50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、250μm以上であってもよく、400μm以上であってもよく、または500μm以上であってもよい。前記コアは、厚さが3000μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、または800μm以下であってもよい。このような厚さの範囲で前記コアを適用する場合、半導体パッケージング用基板として優れた活用度を有することができる。
【0060】
コア20は、図面に表示していないが、半導体の支持層又は半導体パッケージング用基板として適用するのに適するように、伝導性貫通ビアなどが形成され得、必要時にキャビティ(cavity)を有することができる。
【0061】
破損防止部30は、1個または数個が互いに独立して配置されてもよい。
【0062】
破損防止部30は、コア20の縁に沿って配置されてもよい。
【0063】
破損防止部30は、製品領域16の縁に沿って配置されてもよい。
【0064】
破損防止部30は、個別製品90の縁に沿って配置されてもよい。
【0065】
「縁に沿って配置される」ということは、縁の内部又は外部(配置可能な場合に限る)に、概ね縁部の形状に沿って点線などの形態で前記破損防止部が配置されることを意味する。
【0066】
破損防止部30の少なくとも一部は、前記製品領域16の境界又は内部に配置されてもよい。
【0067】
破損防止部30がダミー領域14に配置される場合には、基板の製造過程中の切断(singulation)工程で除去され、個別製品90には残っていない。しかし、破損防止部30の一部が製品領域16、特に個別製品(パッケージング基板)の内部に配置される場合には、破損防止部を個別製品の断面などで確認することができる。
【0068】
例示的に、個別製品90は、上から見たとき、切断線92、中心点94及び内部枠線96を有する(図3など参照)。
【0069】
切断線92は、個別製品が分離(singulation)されるとき、個別製品の外郭をなす線である。中心点94は、個別製品の幾何中心に該当する仮想の点である。内部枠線96は、切断線から前記中心点に向かって約20%の長さだけ進入した仮想の線であり、約15%の長さだけ進入、または約10%の長さだけ進入した仮想の線であってもよい。
【0070】
破損防止部30は、切断線と内部枠線との間に配置され得る。破損防止部は、少なくともその一部が切断線と内部枠線との間に位置することができる。
【0071】
クラック停止構造32は、溝及び/又はビアが配列されて、様々な形態で構成され得る。
【0072】
例示的に、クラック停止構造32は、溝又はビアの多数個が、製品領域16とダミー領域14との境界線と隣り合って列を作って配置されてもよい。
【0073】
例示的に、クラック停止構造32は、溝又はビアの多数個が、個別製品90とダミー領域14との境界線と隣り合って列を作って配置されてもよい。
【0074】
例示的に、クラック停止構造32は、隣り合う溝(又はビア)のピッチが1以上であるものを含むことができる。前記ピッチは、1.2以上、1.3以上、1.4以上、または1.5以上であってもよい。前記ピッチは、20以下、16以下、10以下、8以下、4以下、または2以下であってもよい。ピッチは、溝(又はビア)の開口部の直径をAとするとき、隣り合う溝(又はビア)の中心間の距離がAの何倍であるかを意味する。
【0075】
クラック停止構造32は、一定の配列で配置され得る。例示的に、溝及び/又はビアが列を作って配置された列構造であってもよい(図8など参照)。例示的に、溝及び/又はビアが個別製品の角の形状に沿って配置された曲がった構造であってもよい(図9など参照)。
【0076】
溝とビアは、コアが厚さ方向に窪んでいるか、貫通しているかで区分され、開口部の形状は多様に適用され得る。開口部の形状は、円、楕円、四角形、長方形、菱形、台形、三角形、六角形、多角形などの様々な形態が適用されてもよい。図面には円形、楕円形、四角形、三角形などを提示したが、これに限定されるものではない。
【0077】
クラック停止構造32は、コアの縁と並んで配置されてもよい。
【0078】
クラック停止構造32は、コアの頂点からコアの中心に向かう方向に配置されてもよい。
【0079】
前記クラック停止構造32は、前記溝及び/又はビアが前記個別製品の頂点の形状に沿って曲がった構造で配置されたものを含むことができる。
【0080】
基板の損傷、特に、側面から始まって一面又は他面と平行な方向に進行するクラック(breakage、ガラスで発生する場合、ガラスコヒーシブセパレーション(Glass Cohesive Separation))は、様々な原因により発生し得る。例示的に、前記クラックは、再配線層を形成する過程でコアの上面及び/又は下面に繰り返してラミネーションされる材料の硬化による収縮が基板の上下面に収縮せん断応力を作り、この影響により、基板に水平方向の損傷が発生すると考えられている。このような応力の発生を最小化しようとする努力も必要であるが、コアがこのような応力の発生にもかかわらず、構造的にクラックの発生が防止されたり、発生したクラックによって個別製品の機能が損傷しないようにする方法が必要である。
【0081】
このような損傷は、コアの角部で発生頻度が高く、したがって、コアの角または個別製品の角の形状に沿って"┐"構造または"□"構造で形成されるクラック停止構造が配置されることがよい。
【0082】
溝又はビアは、充填材で充填されてもよく、充填されなくてもよい(図24図25など参照)。
【0083】
前記溝は、充填材で充填された充填溝325、または溝の内部に空き空間を有するブランク溝327である。
【0084】
前記ビアは、充填材で充填された充填ビア323、またはビアの内部に空き空間を有するブランクビア321である。
【0085】
前記充填材は、金属材料、有機材料、有機無機複合材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたいずれか1つが適用されてもよい。
【0086】
前記有機材料、有機無機複合材料は、例示的に弾性材料であってもよい。前記充填材として弾性材料が適用される場合、コアに発生する応力を一部吸収してバッファーの役割を行うことができる。
【0087】
前記有機無機複合材料はガラス繊維を含むことができる。前記ガラス繊維は、充填材間の結合力を高めることで、基板に発生する張力にもかかわらず、基板の破損をさらに抑制することができる。
【0088】
前記溝やビアが充填された形態である場合、絶縁材111及び/又は伝導性金属131が充填され得る。
【0089】
前記金属は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0090】
前記絶縁材は、熱硬化性物質、熱可塑性物質、UV硬化性物質などであってもよい。絶縁材は、シリコン系物質、エポキシ系物質、アクリル系物質などであってもよい。絶縁材は、高分子材料、高分子材料に無機粒子が分散された有機無機複合材料であってもよい。絶縁材は、EMC(Epoxy Molding Compound)であってもよい。例示的に、味の素社のABFが適用されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0091】
溝やビアが絶縁材で充填された形態である場合、各開口部は、再配線層の絶縁部と接することができる。この場合、絶縁材は、コアのガラスコヒーシブセパレーション(Glass Cohesive Separation)の発生を効率的に抑制することができる。
【0092】
溝やビアが金属層(電気伝導性層)で充填された形態である場合、各開口部は、ビアパッド329と接することができる(図24(b)参照)。また、前記ビアパッド329は、再配線層に配置されるブラインドビアと接することができる(図24(c)、図27参照)。これを通じて、前記ビア又は溝は、クラック停止構造としての役割と同時に、発熱ビア又は電気伝導性ビアの役割も行うことができる。
【0093】
前記クラック停止構造32は、前記コアの側面からクラックの発生を抑制することができる。
【0094】
前記クラック停止構造32は、前記コアの側面から発生するクラックが前記個別製品の中央部に向かって成長することを止めることができる。
【0095】
前記クラック停止構造32は、絶縁材で充填された充填ビア、または溝の内部に行くほど直径が小さくなる充填溝を含むことができる(図25参照)。
【0096】
前記クラック停止構造32は、それぞれ上面及び下面に開口部を有する、溝の内部に行くほど直径が小さくなる充填溝が並んで配置されたものを含むことができる(図26図28参照)。
【0097】
【0098】
また、前記クラック停止構造32は、それぞれ上面及び下面に開口部で貫通ビアがパッドと接し、上面及び下面のパッドは、それぞれ、ブラインドビア及び前記ブラインドビア上のパッドと接続され得る。このとき、ブラインドビアは、上部再配線層または下部再配線層に形成されるものであり得る(図30図31など参照)。
【0099】
クラック停止構造32は、側面保護層40をさらに含むことができる(図19図20など参照)。
【0100】
側面保護層40は、コアの側面の一部または全部を囲む層である。
【0101】
側面保護層40は充填材料を含むことができる。
【0102】
前記充填材料は、ビア又は溝を充填する充填材料と同様の材料が適用可能である。
【0103】
コアの側面、前記側面と連結される上面の一部、及び前記側面と連結される下面の一部を含む面は、側面保護対象面である。
【0104】
側面保護層40は、前記側面保護対象面の一部又は全部の上に配置され得る。
【0105】
側面保護層40は、金属、高分子、ガラス繊維及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたいずれか1つを含むことができる。
【0106】
側面保護層40は、コアの側面を囲むことで、コアの側面または縁から発生し得る損傷の成長を抑制するのに役立ち得る。
【0107】
基板10は、前記コアを囲む安定化層45をさらに含むことができる(図16図18など参照)。
【0108】
安定化層45は、前記コアの上面及び下面をそれぞれ囲む層であってもよい。
【0109】
安定化層45は、前記コアの上面及び下面、そして、これらを連結する側面を囲む層であってもよい。
【0110】
安定化層45は、金属、高分子、ガラス繊維及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたいずれか1つを含むことができる。
【0111】
前記安定化層45は、前記充填材料を含む層であり得る。
【0112】
前記安定化層45は絶縁層を含むことができる。
【0113】
前記側面保護層40は絶縁層を含むことができる。
【0114】
前記絶縁層は、高分子樹脂に分散された無機粒子を含むことができる。
【0115】
コアは、キャビティを有するものであり得る(図示せず)。
【0116】
コアは、片面又は両面に配置されたキャビティ空間をさらに含むことができる。
【0117】
個別基板は、コアの一面又は両面に配置されたキャビティ空間をさらに含むことができる。
【0118】
キャビティ空間は、前記コアの一部が窪んで素子の一部又は全部が埋め込まれる空間である。
【0119】
図14は、パッケージング基板90で説明する概念図である。コア20の一面上には上部再配線層27(再配線ワイヤは図示せず)が配置され得る。コアの他面下には下部再配線層29(再配線ワイヤは図示せず)が配置され得る。前記クラック停止構造32の溝又はビアは、前記上部再配線層または前記下部再配線層と接続され得る。上部再配線層27と下部再配線層29の上及び下には、それぞれソルダーレジスト60が配置され得る。下部再配線層29の下には、バンプ52のような接続構造がさらに配置され得る。
【0120】
図15及び図17は、それぞれ、半導体モジュールを断面で説明する概念図である。半導体モジュール900は、基板、及び基板に実装される素子80を含む。基板10は、上述した基板が適用される。基板は、コアが板ガラスであるものが適用され得る。基板、パッケージング基板などについての具体的な説明は、前記に記載したものがそのまま適用される。
【0121】
素子80は、能動素子、及び/又は受動素子が適用されてもよい。
【0122】
例示的に、能動素子(active element)は、アプリケーションプロセッサ(Application processor、AP)、電力管理集積回路(Power management integrated circuit、PMIC)、中央処理装置(central processing unit、CPU)、コントローラ(controller)及び注文型半導体(application specific integrated circuit、ASIC)のいずれか1つを含むことができる。
【0123】
例示的に、受動素子(passive element)は、キャパシタ(capacitor)、レジスタ(resistor)、及びインダクタ(inductor)のいずれか1つを含むことができる。
【0124】
素子の間を接続するバンプ構造など、一般に半導体モジュールに適用される構造は、具現例に適用可能である。
【0125】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0126】
10 基板
12 基板の縁
14 ダミー領域
16 製品領域
20 コア
22 コアの縁
30 破損防止部
32 クラック停止構造
321 ブランクビア
323 充填ビア
325 充填溝
327 ブランク溝
329 ビアパッド
40 側面保護層
45 安定化層
90 個別製品、パッケージング基板
96 内部枠線
94 中心点
92 切断線
111 絶縁材
131 伝導性金属
27 上部再配線層
29 下部再配線層
60 ソルダーレジスト
52 バンプ
80 素子
900 半導体モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【外国語明細書】