(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072290
(43)【公開日】2024-05-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/67 20180101AFI20240520BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20240520BHJP
【FI】
G16H40/67
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194656
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2022182539
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510210759
【氏名又は名称】ジェイフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】中村 篤弘
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】第1国にいながら第2国の医師による診療を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にする技術を提供すること。
【解決手段】オンライン診療制御部51は、第1国に存在する患者Kに対して、第2国で処方箋SHを発行する医師Dがオンライン診療を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該医師Dの医療機関端末3との間での情報の授受を制御する。オンライン服薬指導制御部52は、医師Dにより発行された処方箋SHを第2国で受け取った薬剤師Mが、第1国に存在する患者Kに対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該薬剤師Mの薬局端末4との間での情報の授受を制御する。配送手配部53は、処方箋SHに基づいて薬剤師Mにより調剤された処方薬を、患者Kにより指定された第2国の指定場所SBまで配送する手配の制御を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1国に存在する患者に対して、第2国で処方箋を発行する医師がオンライン診療を行うために、当該患者の第1端末と当該医師の第2端末との間での情報の授受を制御するオンライン診療制御手段と、
前記医師により発行された前記処方箋を前記第2国で受け取った薬剤師が、前記患者に対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者の前記第1端末と当該薬剤師の第3端末との間での情報の授受を制御するオンライン服薬指導制御手段と、
前記処方箋に基づいて前記薬剤師により調剤された処方薬を、前記患者により指定された前記第2国の指定場所まで配送する手配の制御を実行する配送手配手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記手配は、前記第2国の前記指定場所から前記第1国の前記患者まで配送できる状態に前記処方薬を梱包する手配を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
第1国に存在する患者に対して、第2国で処方箋を発行する医師がオンライン診療を行うために、当該患者の第1端末と当該医師の第2端末との間での情報の授受を制御するオンライン診療制御ステップと、
前記医師により発行された前記処方箋を前記第2国で受け取った薬剤師が、前記患者に対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者の前記第1端末と当該薬剤師の第3端末との間での情報の授受を制御するオンライン服薬指導制御ステップと、
前記処方箋に基づいて前記薬剤師により調剤された処方薬を、前記患者により指定された前記第2国の指定場所まで配送する手配の制御を実行する配送手配ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
第1国に存在する患者に対して、第2国で処方箋を発行する医師がオンライン診療を行うために、当該患者の第1端末と当該医師の第2端末との間での情報の授受を制御するオンライン診療制御ステップと、
前記医師により発行された前記処方箋を前記第2国で受け取った薬剤師が、前記患者に対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者の前記第1端末と当該薬剤師の第3端末との間での情報の授受を制御するオンライン服薬指導制御ステップと、
前記処方箋に基づいて前記薬剤師により調剤された処方薬を、前記患者により指定された前記第2国の指定場所まで配送する手配の制御を実行する配送手配ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者は、例えば体に不調が生じている場合、下記特許文献1のように遠隔診療を受けることができる。下記特許文献1の遠隔診療システムは、通信端末機に携帯用診療機を追加して患者の容態を随時把握し、異常な事態であると判断された場合には、通信網を通じて医療機関に接続して遠隔診療を受けることができるような構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1の従来技術にあっては、遠隔診療を受けることができるものの、通信端末機に携帯用診療機を追加して患者の容態を随時把握するような内容の遠隔診療であることから、どのような患者でも受診できるシステムではなかった。
「どのような患者でも受診できるシステム」に着目すれば、例えば海外(第1国)にいながら日本国(第2国)の医師による診療を受けることが可能であり、さらには処方薬を受取ることまでも可能にすることは有用であると考えられるが、実現できていないという状況であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、第1国にいながら第2国の医師による診療を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
第1国に存在する患者に対して、第2国で処方箋を発行する医師がオンライン診療を行うために、当該患者の第1端末と当該医師の第2端末との間での情報の授受を制御するオンライン診療制御手段と、
前記医師により発行された前記処方箋を前記第2国で受け取った薬剤師が、前記患者に対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者の前記第1端末と当該薬剤師の第3端末との間での情報の授受を制御するオンライン服薬指導制御手段と、
前記処方箋に基づいて前記薬剤師により調剤された処方薬を、前記患者により指定された前記第2国の指定場所まで配送する手配の制御を実行する配送手配手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1国にいながら第2国の医師による診療を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図2の情報処理システムを構成する
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】患者により指定された第2国の指定場所について説明するためのユーザーインターフェースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、
図1を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システム(後述する
図2参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、海外(第1国)にいながら日本国(第2国)の医師の診療(診察)を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にするサービスである。
【0013】
具体的に本サービスでは、
図1のステップS1に示すように、海外(第1国)にいる患者Kは、自身の端末(以下、「患者端末2」と呼ぶ)を用い、日本国(第2国)の医師Dが操作する医療機関端末3(医師端末と読み替えてもよい)との間で、医師Dによるオンライン診療を受けることができる。
ステップS1において、サービス提供者Sが管理するサーバ1は、海外(第1国)にいる患者Kに対して、日本国(第2国)で処方箋SHを発行する医師Dがオンライン診療を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該医師Dの医療機関端末3との間での情報の授受を制御する。
【0014】
なお、患者Kがオンライン診療を受けた後は、医師Dが発行した処方箋SHは、例えば患者Kが指定した薬局Y(薬剤師M)に届けられるようになる。
【0015】
本サービスでは、
図1のステップS2に示すように、オンライン診療を受けた後の患者Kは、オンライン診療の際と同様に患者端末2を用い、日本国(第2国)の薬剤師Mが操作する薬局端末4との間で、薬剤師Mによるオンライン服薬指導を受けることができる。
ステップS2において、サーバ1は、医師Dにより発行された処方箋SHを日本国(第2国)で受け取った薬剤師Mが、患者Kに対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該薬剤師Mの薬局端末4(薬剤師端末と読み替えてもよい)との間での情報の授受を制御する。
【0016】
本サービスでは、オンライン服薬指導を受けた後の患者Kは、処方箋SHに基づき薬剤師Mにより調剤された処方薬を海外(第1国)で受け取ることができる。
即ち、本サービスでは、
図1のステップS3に示すように、患者Kが指定した指定場所SB(第2国の指定場所SB)まで処方薬を配送することができる(ステップS3参照)ことから、処方薬が届けられた指定場所SBにおいて、処方薬を適宜方法で患者Kへ発送すれば、患者Kは処方薬を海外(第1国)で受け取ることができる。
ステップS3において、サーバ1は、処方箋SHに基づいて薬剤師Mにより調剤された処方薬を、患者Kにより指定された日本国(第2国)の指定場所SBまで配送する手配の制御を実行する。
【0017】
本サービスでは、サービス提供者Sが管理するサーバ1は、日本国(第2国)に限らず、海外(第1国)やその他に存在していてもよいものとする。
また、本サービスでは、医師Dが病院やクリニック等の医療機関Bに属するものとし、薬剤師Mは、調剤薬局等の薬局Y(又はドラックストア等であってもよい)に属するものとする。
また、本サービスでは、指定場所SBが、患者Kの日本国(第2国)における自宅や家族が住む家、或いは患者Kが属する企業等であるものとする。
【0018】
このようにして、本サービスでは、サーバ1が、患者Kが海外(第1国)にいながら日本国(第2国)の医師Dによるオンライン診療(診察)や、薬剤師Mによるオンライン服薬指導を受けることを可能にし、さらには海外(第1国)にいる患者Kが処方薬を受け取ることまでも可能にすることができる。
サーバ1は、医師処方箋発行→薬剤師処方箋受取→処方箋に基づく処方薬の発送→処方薬の指定場所SBへの到達を第2国(日本国内)で行うことができる。
また、サーバ1は、患者Kが第1国(海外)にいても、(処方箋発行&処方薬調剤をしてもらうためのトリガとなる)診療及び服薬指導をオンラインで行うようにすることができる。
サーバ1は、海外(第1国)にいる患者Kが、その海外(第1国)で処方薬を得ようと大変な努力(言葉の壁等による苦労)をしなくても、処方薬を受け取れるようにすることができる。
サーバ1は、患者Kが海外(第1国)にいながら、第2国の日本人の医師Dの診療を受けることができるようにして、患者Kに分り易さや安心感を与えることができる。
【0019】
なお、患者Kが指定した指定場所SBまで処方薬を配送しているのは、第2国から第1国の個人(患者K)に直接薬を配送することが、国や薬の種類によって法律違反になる可能性があるというような場合に、これに配慮できるようにしたためである。また、送料のバラツキが出てしまうということにも配慮できるようにしたためである。
言い換えれば、上記の配慮をすることができるという利点を本サービスは有している。
【0020】
本サービスでは、
図1には図示はしないが、サーバ1は、患者Kにより指定された日本国(第2国)の指定場所SBまで処方薬を配送する手配に関し、指定場所SBから海外(第1国)にいる患者Kまで配送できる状態に処方薬を梱包する手配を含むようにしてもよい。
これにより、指定場所SBにおける例えば家族の、配送に係る手間を軽減することができる。
【0021】
次に、
図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成について説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0022】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、患者端末2と、医療機関端末3と、薬局端末4とを含むように構成されている。
サーバ1、患者端末2、医療機関端末3、薬局端末4は、インターネット等のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0023】
サーバ1は、本サービス(
図1)のサービス提供者Sにより管理される情報処理装置である。サーバ1は、患者端末2、医療機関端末3、薬局端末4と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
なお、サーバ1は、日本国(第2国)に存在するとは限らず、これ以外に存在していてよいものとする。
【0024】
患者端末2は、海外(第1国)にいる患者Kにより管理される情報処理装置であって、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成されている。
医療機関端末3は、日本国(第2国)の医療機関Bに属する医師Dが操作する情報処理装置であって、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成されている。
薬局端末4は、日本国(第2国)の薬局Y等に属する薬剤師Mにより管理される情報処理装置であって、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成されている。
【0025】
図3は、
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0027】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0028】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0029】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図2の患者端末2、医療機関端末3、及び薬局端末4)との間で通信を行う。
【0030】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0031】
なお、図示はしないが、
図2の患者端末2、医療機関端末3、及び薬局端末4も、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、患者端末2、医療機関端末3、及び薬局端末4のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0032】
このような
図3のサーバ1を含む
図2の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、
図1の本サービスを提供するための各種処理を実行することができる。
【0033】
図4は、
図2の情報処理システムにおける
図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0034】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、オンライン診療制御部51と、オンライン服薬指導制御部52と、配送手配部53とが機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、処方箋情報DB71と、処方薬配送情報DB72とが設けられている。
【0035】
なお、ここでは特に図示しないが、サーバ1のCPU11においては、ユーザ情報取得処理部、医療機関情報取得処理部、及び薬局情報取得処理部も機能する。
また、同じく特に図示しないが、サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザ情報DBと、医療機関情報DBと、薬局情報DBとが設けられている。
上記ユーザ情報取得処理部は、患者Kの個人登録情報や、第2国の指定場所SB(患者Kの日本国(第2国)における自宅や家族が住む家、或いは患者Kが属する企業等)に係る住所情報、電話番号情報、受取人情報等の取得を制御して、これら情報を上記ユーザ情報DBに格納する。
【0036】
オンライン診療制御部51は、第1国に存在する患者Kに対して、第2国で処方箋SHを発行する医師Dがオンライン診療を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該医師Dの医療機関端末3との間での情報の授受を制御する。
オンライン診療制御部51は、診療に係る情報を、患者Kを特定する情報に紐づけて図示しない診療情報DBに格納すると共に、医師Dが発行した処方箋SHに係る情報も、患者Kを特定する情報に紐づけて処方箋情報DB71に格納する。
【0037】
オンライン診療制御部51は、より詳しくは事前予約処理、診療要求処理、診療処理(診察処理)、及び処方箋情報処理の制御を行う。
上記事前予約処理に関して、オンライン診療制御部51は、患者端末2から診療予約に係る依頼を受け付けた場合に、受け付けた診療予約依頼に係る処理の制御を行う。診療予約依頼に係る処理の情報は、図示しない事前予約情報DBに格納される。
また、上記診療要求処理に関して、オンライン診療制御部51は、診療予約時間が到来した際に、患者端末2から、患者Kが指定した医療機関Bを特定する情報を含んだ診療要求を受け付ける処理の制御を行う。診療要求に係る処理の情報は、図示しない要求情報DBに格納される。
また、上記診療処理に関して、オンライン診療制御部51は、患者端末2と、患者Kが指定した医療機関Bの医療機関端末3とを接続し、患者端末2と医療機関端末3との間の診療を可能にする処理の制御を行う。診療に係る処理の情報は、図示しない診療情報DBに格納される。
また、上記処方箋情報処理に関して、オンライン診療制御部51は、診療の結果(診察の結果)、薬剤の処方が必要な場合に、医師Dが発行する処方箋SHをデータ化した処方箋情報を受け付ける。処方箋情報は、例えば紙の処方箋SHをカメラで撮影したり、スキャンしたりしてデータ化(画像化)したものであってもよいし、図示しない電子カルテ装置等により作成された、最初からデータ化されたものであってもよい。処方箋情報は、処方箋情報DB71に格納される。
【0038】
オンライン服薬指導制御部52は、医師Dにより発行された処方箋SHを第2国で受け取った薬剤師Mが、第1国に存在する患者Kに対してオンラインでの服薬指導を行うために、当該患者Kの患者端末2と当該薬剤師Mの薬局端末4との間での情報の授受を制御する。
オンライン服薬指導制御部52は、服薬指導に係る情報を、患者Kを特定する情報に紐づけて図示しない服薬指導情報DBに格納する。
【0039】
オンライン服薬指導制御部52は、より詳しくは事前予約処理、服薬指導要求処理、服薬指導処理の制御を行う。
上記事前予約処理に関して、オンライン服薬指導制御部52は、患者端末2から服薬指導の予約に係る依頼を受け付けた場合に、受け付けた指導予約依頼に係る処理の制御を行う。指導予約依頼に係る処理の情報は、図示しない事前予約情報DBに格納される。
上記服薬指導要求処理に関して、オンライン服薬指導制御部52は、指導予約時間が到来した際に、患者端末2から、患者Kが指定した薬局Y(ドラッグストアを含む。薬剤師Mが属していれば特に限定されない)を特定する情報を含んだ服薬指導要求を受け付ける処理の制御を行う。服薬指導要求に係る処理の情報は、図示しない要求情報DBに格納される。
上記に服薬指導処理関して、オンライン服薬指導制御部52は、患者端末2と、患者Kが指定した薬局Yの薬局端末4とを接続し、患者端末2と薬局端末4との間の服薬指導を可能にする処理の制御を行う。服薬指導に係る処理の情報は、図示しない服薬指導情報DBに格納される。
【0040】
配送手配部53は、処方箋SHに基づいて薬剤師Mにより調剤された処方薬を、患者Kにより指定された第2国の指定場所SB(患者Kの日本国(第2国)における自宅や家族が住む家、或いは患者Kが属する企業等)まで配送する手配の制御を実行する。
また、配送手配部53は、配送記録情報を登録する処理の制御も実行する。
配送手配部53は、指定場所SBや、当該指定場所SBまでの配送に係る情報、及び配送記録情報を、患者Kを特定する情報に紐づけて処方薬配送情報DB72に格納する。
【0041】
このように、オンライン診療制御部51と、オンライン服薬指導制御部52と、配送手配部53とを機能させることで、患者Kが海外(第1国)にいながら日本国(第2国)の医師Dによるオンライン診療(診察)や、薬剤師Mによるオンライン服薬指導を受けることを可能にし、さらには海外(第1国)にいる患者Kが処方薬を受け取ることまでも可能にすることができる。
また、オンライン服薬指導制御部52と、配送手配部53とを機能させることで、医師処方箋発行→薬剤師処方箋受取→処方箋に基づく処方薬の発送→処方薬の指定場所SBへの到達を第2国(日本国内)で行うことができる。
また、オンライン服薬指導制御部52と、配送手配部53とを機能させることで、患者Kが第1国(海外)にいても、(処方箋発行&処方薬調剤をしてもらうためのトリガとなる)診療及び服薬指導をオンラインで行うようにすることができる。
したがって、海外(第1国)にいる患者Kが、その海外(第1国)で処方薬を得ようと大変な努力(言葉の壁等による苦労)をしなくても、処方薬を受け取れるようにすることができる。
【0042】
なお、配送手配部53は、指定場所SBにおける配送に係る手間を軽減するため、指定場所SBから、海外(第1国)にいる患者Kまで配送できる状態に処方薬を梱包する手配の制御も実行する。
【0043】
次に、患者により指定された第2国の指定場所について説明する。
図5は、患者により指定された第2国の指定場所について説明するためのユーザーインターフェースの一例を示す図である。
【0044】
ユーザ(後の患者K)は先ず本サービスの提供を受けるため、アプリをダウンロードして新規会員登録をする。
新規会員登録におけるアカウント情報登録では、基本情報に係る入力、薬局登録に係る入力、支払いに係る入力を順に行う。
【0045】
基本情報に係る入力では、ユーザの名前、生年月日、性別、電話番号、住所の入力を行う。住所は、上述の指定場所SBとなる住所である。なお、住所の変更が必要な場合は、登録情報の変更をすればよい(指定場所SBの変更は可能である)。
受取可能な国内住所登録(第2国の指定場所SB)があれば、海外(第1国)にいながら処方薬を受け取ることができる。
【0046】
なお、新規会員登録において、(第2国の)健康保険証の登録をしておくことで、海外(第1国)にいながら比較的安価に診療等を受けることができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0048】
上述の実施形態では、海外(第1国)にいながら日本国(第2国)の医師の診療(診察)を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にするサービスとしてその例を説明したが、例えば日本国(第2国)に観光やビジネス等で訪れる海外(第1国)のユーザに対しても本サービスは適用可能である。
【0049】
また、上述の実施形態では、患者Kにより指定された第2国の指定場所SBに処方薬が配送されるようになっているが、例えば薬剤師Mがドラッグストアに属しているのであれば、ドラッグストアで販売している市販薬や日用品等を「ついで買い」することを促して一緒に配送することも可能である。
【0050】
特に図示しないが、本実施形態のサーバ1は、第1国がどこの国であるかについて、その情報を取得して医師Dや薬剤師Mに提供する機能を有しているものとする。これにより、オンライン診療やオンライン服薬指導の際に医師Dや薬剤師Mが適切な対応を取ることができるようになるのは勿論である。
【0051】
本サービスは、企業が海外駐在日本人従業員に対する福利厚生サービスとして導入すれば、従業員満足度を向上させることに繋げることができる。
【0052】
図2に示すシステム構成、及び
図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0053】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が
図2の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0054】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。
例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、患者端末2側、医療機関端末3側、薬局端末4側又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0055】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0056】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0057】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0058】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0059】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図1乃至
図4のサーバ1)は、
第1国(例えば
図1の世界地図に示す海外の国)に存在する患者(例えば
図1の患者K)に対して、第2国(例えば
図1の世界地図に示す日本国)で処方箋(例えば
図1の処方箋SH)を発行する医師(例えば
図1の医師D)がオンライン診療(例えば
図1に示すオンライン診療)を行うために、当該患者の第1端末(例えば
図1、
図2、及び
図4の患者端末2)と当該医師の第2端末(例えば
図1、
図2、及び
図4の医療機関端末3)との間での情報の授受を制御するオンライン診療制御手段(例えば
図4のオンライン診療制御部51)と、
前記医師により発行された前記処方箋を前記第2国で受け取った薬剤師(例えば
図1の薬剤師M)が、前記患者に対してオンラインでの服薬指導(例えば
図1に示すオンライン服薬指導)を行うために、当該患者の前記第1端末と当該薬剤師の第3端末(例えば
図1、
図2、及び
図4の薬局端末4)との間での情報の授受を制御するオンライン服薬指導制御手段(例えば
図4のオンライン服薬指導制御部52)と、
前記処方箋に基づいて前記薬剤師により調剤された処方薬を、前記患者により指定された前記第2国の指定場所(例えば
図1の指定場所SB)まで配送する手配の制御を実行する配送手配手段(例えば
図4の配送手配部53)と、
を備えれば足りる。
【0060】
このようにして、第1国にいながら第2国の医師による診療を受けることが可能であり、さらには処方薬を受け取ることまでも可能にすることができる。
【0061】
また、本発明が適用される情報処理装置は、
前記手配は、前記第2国の前記指定場所から前記第1国の前記患者まで配送できる状態に前記処方薬を梱包する手配を含む、
ことができる。
【0062】
これにより、指定場所における配送に係る手間を軽減することができる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・サーバ、2・・・患者端末、3・・・医療機関端末、4・・・薬局端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバルメディア、51・・・オンライン診療制御部、52・・・オンライン服薬指導制御部、53・・・配送手配部、71・・・処方箋情報DB、72・・・処方薬配送情報DB、B・・・医療機関、K・・・患者、D・・・医師、M・・・薬剤師、M2・・・調剤薬剤師、Y・・・薬局