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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072364
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20240521BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183109
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】514068130
【氏名又は名称】株式会社ヴァンクリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】向谷 幸大
(72)【発明者】
【氏名】安田 英俊
(72)【発明者】
【氏名】樺澤 大輔
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】ユーザの都合が良い時間帯にオンライン診療を受けやすくする。
【解決手段】情報処理装置1は、複数の医師それぞれの居住地を記憶する記憶部12と、オンライン診療の受診希望者から、受診希望日時を含む診療要求を受け付ける要求受付部131と、記憶部12に記憶された複数の医師の居住地と受診希望者の居住地との時差と、受診希望日時と、に基づいて、一以上の医師を選択する選択部132と、選択部132が選択した一以上の医師を示す情報を受診希望者に提供する情報提供部133と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医師それぞれの居住地を記憶する記憶部と、
オンライン診療の受診希望者から、受診希望日時を含む診療要求を受け付ける要求受付部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の医師の居住地と前記受診希望者の居住地との時差と、前記受診希望日時と、に基づいて、一以上の医師を選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記一以上の医師を示す情報を前記受診希望者に提供する情報提供部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記受診希望者の居住地と前記医師の居住地との時差に基づいて、前記医師の居住地における診療可能時間帯に対応する前記受診希望者の居住地における時間帯を特定し、特定した時間帯に前記受診希望日時が含まれている前記一以上の医師を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの診療可能時間帯をさらに記憶し、
前記選択部は、前記複数の医師それぞれの前記診療可能時間帯に対応する前記受診希望者の居住地における時間帯に前記受診希望日時が含まれている前記一以上の医師を選択する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記受診希望者の居住地と前記医師の居住地との時差に基づいて、前記受診希望日時に対応する前記医師の居住地の現地日時を特定し、前記医師の居住地における診療可能時間帯に前記現地日時が含まれている前記一以上の医師を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの前記診療可能時間帯をさらに記憶し、
前記選択部は、前記現地日時が前記記憶部に記憶された前記診療可能時間帯に含まれている前記一以上の医師を選択する、
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記診療要求には、希望言語を示す情報がさらに含まれており、
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれに関連付けて診療可能時間帯と使用可能言語とをさらに記憶し、
前記情報提供部は、前記使用可能言語が前記希望言語と一致している前記複数の医師に対応する前記診療可能時間帯に前記受診希望日時が含まれていない場合に、前記使用可能言語が前記希望言語と一致している前記複数の医師に対応する前記診療可能時間帯を示す情報を前記受診希望者に提供する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記診療要求には、希望言語を示す情報がさらに含まれており、
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれに関連付けて使用可能言語をさらに記憶し、
前記選択部は、前記希望言語と一致する前記使用可能言語に関連付けられている前記一以上の医師を選択する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記診療要求には、医師の居住地の希望国を示す情報がさらに含まれており、
前記選択部は、前記記憶部に記憶された居住地が前記希望国に含まれている前記一以上の医師を選択する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記診療要求には、診療費用の支払いに使用したい第1通貨を示す情報がさらに含まれており、
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの診療費用と、前記複数の医師それぞれが前記診療費用を受け取りたい第2通貨と、をさらに記憶し、
前記選択部は、前記第1通貨と前記第2通貨との間の為替レートに基づいて、前記診療費用を前記第1通貨で支払う場合の診療額を算出し、算出した前記診療額が低い医師を優先的に前記一以上の医師として選択する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する、
オンライン診療の受診希望者から、受診希望日時を含む診療要求を受け付けるステップと、
記憶部に記憶された複数の医師の居住地と前記受診希望者の居住地との時差と、前記受診希望日時と、に基づいて、前記複数の医師から一以上の医師を選択するステップと、
選択した前記一以上の医師を示す情報を前記受診希望者に提供するステップと、
を有する情報処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オンライン診療のための医師と受診希望者とのマッチングをするためのシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載のシステムにおいては、受診希望者が入力した診療の内容と医師の専門性とに基づいて、医師と受診希望者とをマッチングする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-18178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医師が診療をできる時間帯に受診希望者が時間を取ることができない場合、受診希望者がなかなか診療を受けることができない場合があるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、受診希望者の都合が良い時間帯にオンライン診療を受けやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、複数の医師それぞれの居住地を記憶する記憶部と、オンライン診療の受診希望者から、受診希望日時を含む診療要求を受け付ける要求受付部と、前記記憶部に記憶された前記複数の医師の居住地と前記受診希望者の居住地との時差と、前記受診希望日時と、に基づいて、一以上の医師を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記一以上の医師を示す情報を前記受診希望者に提供する情報提供部と、を有する。
【0007】
前記選択部は、前記受診希望者の居住地と前記医師の居住地との時差に基づいて、前記医師の居住地における診療可能時間帯に対応する前記受診希望者の居住地における時間帯を特定し、特定した時間帯に前記受診希望日時が含まれている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの診療可能時間帯をさらに記憶し、前記選択部は、前記複数の医師それぞれの前記診療可能時間帯に対応する前記受診希望者の居住地における時間帯に前記受診希望日時が含まれている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0009】
前記選択部は、前記受診希望者の居住地と前記医師の居住地との時差に基づいて、前記受診希望日時に対応する前記医師の居住地の現地日時を特定し、前記医師の居住地における診療可能時間帯に前記現地日時が含まれている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの前記診療可能時間帯をさらに記憶し、前記選択部は、前記現地日時が前記記憶部に記憶された前記診療可能時間帯に含まれている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0011】
前記診療要求には、希望言語を示す情報がさらに含まれており、前記記憶部は、前記複数の医師それぞれに関連付けて診療可能時間帯と使用可能言語とをさらに記憶し、前記情報提供部は、前記使用可能言語が前記希望言語と一致している前記複数の医師に対応する前記診療可能時間帯に前記受診希望日時が含まれていない場合に、前記使用可能言語が前記希望言語と一致している前記複数の医師に対応する前記診療可能時間帯を示す情報を前記受診希望者に提供してもよい。
【0012】
前記診療要求には、希望言語を示す情報がさらに含まれており、前記記憶部は、前記複数の医師それぞれに関連付けて使用可能言語をさらに記憶し、前記選択部は、前記希望言語と一致する前記使用可能言語に関連付けられている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0013】
前記診療要求には、医師の居住地の希望国を示す情報がさらに含まれており、前記選択部は、前記記憶部に記憶された居住地が前記希望国に含まれている前記一以上の医師を選択してもよい。
【0014】
前記診療要求には、診療費用の支払いに使用したい第1通貨を示す情報がさらに含まれており、前記記憶部は、前記複数の医師それぞれの診療費用と、前記複数の医師それぞれが前記診療費用を受け取りたい第2通貨と、をさらに記憶し、前記選択部は、前記第1通貨と前記第2通貨との間の前記為替レートに基づいて、前記診療費用を前記第1通貨で支払う場合の診療額を算出し、算出した前記診療額が低い医師を優先的に前記一以上の医師として選択してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、コンピュータが実行する、オンライン診療の受診希望者から、受診希望日時を含む診療要求を受け付けるステップと、記憶部に記憶された複数の医師の居住地と前記受診希望者の居住地との時差と、前記受診希望日時と、に基づいて、前記複数の医師から一以上の医師を選択するステップと、選択した前記一以上の医師を示す情報を前記受診希望者に提供するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、受診希望者の都合が良い時間帯にオンライン診療を受けやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】オンライン診療支援システムSの概要を説明するための図である。
図2】情報処理装置1の構成を示す図である。
図3】登録医師情報の一例を示す図である。
図4】医師Dの居住地における診療可能時間帯と、受診希望者Pの居住地である日本における診療可能時間帯との関係を示す図である。
図5】複数の医師Dそれぞれの診療可能時間帯の現地時間と受診希望日時が示す時刻の現地時間との関係を示す図である。
図6】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[オンライン診療支援システムSの概要]
図1は、オンライン診療支援システムSの概要を説明するための図である。オンライン診療支援システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末2(図1においてはユーザ端末2-1~ユーザ端末2-m、mは整数)と、複数の医師端末3(図1においては医師端末3-1~医師端末3-n、nは整数)と、を有する。情報処理装置1は、オンライン診療の予約を支援する処理を実行するコンピュータであり、例えばクラウドサーバである。
【0019】
ユーザ端末2は、オンライン診療を受けたい受診希望者P(図1における受診希望者P-1~受診希望者P-m)が使用する端末であり、例えばコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。医師端末3は、オンライン診療をする医師D(図1における医師D-1~医師D-n)が使用する端末であり、例えばコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。
【0020】
ユーザ端末2及び医師端末3は、ネットワークNを介して、情報処理装置1との間で、オンライン診療の予約に関する各種のデータを送受信することができる。また、ユーザ端末2は、ネットワークNを介して、予約をした医師Dが使用する医師端末3との間で、オンライン診療の間に各種のデータを送受信することができる。
【0021】
以下、オンライン診療支援システムSにおいて受診希望者Pがオンライン診療を予約する処理の流れの概要を説明する。受診希望者Pは、ユーザ端末2にインストールされた予約用のアプリケーションソフトウェア、又は情報処理装置1が提供するウェブアプリケーションソフトウェアを用いて、オンライン診療を予約する医師Dを選択するための条件(以下、「選択条件」という。)を入力する。選択条件は、例えば、受診希望日時、受診を受けたい医師Dの居住国、オンライン診療で使用する言語、又は診療費用の支払いに使用したい通貨(第1通貨に対応)の少なくとも一部の条件である。
【0022】
受診希望者Pは、受診希望者Pの居住地をさらに入力する。ユーザ端末2は、入力された選択条件と受診希望者Pの居住地を示す情報を含む診療要求データを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、診療要求データを受信すると、予め登録された複数の医師Dのうち、診療要求データに含まれる選択条件を満たす一以上の医師Dを選択し、選択した一以上の医師Dを示す情報をユーザ端末2に提供する。オンライン診療支援システムSにおいては、世界各地に居住する複数の医師Dが登録されており、受診希望者Pがオンライン診療を希望する日時において診療ができる医師Dを選択することを特徴としている。
【0023】
例えば日本の医師Dのみが登録されている場合、オンライン診療が可能な時間帯は、一般的には午前9時から午後8時ぐらいまでの間であると考えられる。しかしながら、受診希望者Pの中には、日本の医師Dがオンライン診療できる時間帯に仕事をしており、その時間帯にオンライン診療を受けづらいという人もいる。
【0024】
これに対して、オンライン診療支援システムSには日本以外の国に居住している医師Dも登録されているので、例えば日本時間の深夜帯にオンライン診療をしたい受診希望者Pがいる場合、情報処理装置1は、当該時間帯にオンライン診療をできる外国の医師Dを選択することができる。オンライン診療支援システムSがこのように構成されていることで、ユーザの都合が良い時間帯にオンライン診療を受けやすくなる。
以下、情報処理装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0025】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、要求受付部131と、選択部132と、情報提供部133と、を有する。
【0026】
通信部11は、ユーザ端末2及び医師端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを含む。通信部11は、ユーザ端末2から診療要求データを受信した場合、受信した診療要求データを要求受付部131に入力する。通信部11は、診療要求データを記憶部12に記憶させてもよい。また、通信部11は、情報提供部133から入力された、選択された医師Dを示す情報をユーザ端末2に送信する。通信部11は、選択された医師Dが使用する医師端末3に対して、選択されたことを通知するメッセージを送信してもよい。
【0027】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、予め登録された複数の医師Dに関する情報である登録医師情報を記憶する。
【0028】
図3は、登録医師情報の一例を示す図である。図3に示す登録医師情報においては、医師Dを識別するための医師IDと、医師Dの居住地と、医師Dの診療可能時間帯と、医師Dが使用できる言語と、医師Dが診療費用を受け取りたい通貨(第2通貨に対応)と、医師Dのオンライン診療の診療費用(例えば1時間あたりの診療費用)とが関連付けられている。
【0029】
診療可能時間帯としては、曜日や日ごとに異なる時間帯が登録されていてもよい。診療可能時間帯は、予め登録された固定時間帯であってもよいが、医師Dに対する診療の予約状況によってリアルタイムで変化してもよい。また、診療費用としては、診療の曜日、時間帯、診療の内容ごとに異なる診療費用が登録されていてもよい。
【0030】
記憶部12は、予約内容を示す予約情報をさらに記憶してもよい。予約情報においては、予約した受診希望者Pを識別するための受診希望者IDと、医師IDと、予約日時と、が関連付けられている。
【0031】
記憶部12は、複数の国の間の時差をさらに記憶してもよい。記憶部12は、基準となる国として設定された国(例えば日本)と他の国との間の時差を記憶してもよい。
【0032】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、要求受付部131、選択部132及び情報提供部133として機能する。
【0033】
要求受付部131は、通信部11を介して、オンライン診療の受診希望者から、医師Dを選択する条件の一つとして受診希望日時を含む診療要求を受け付ける。具体的には、要求受付部131は、通信部11がユーザ端末2から受信した診療要求データを取得することにより、診療要求を受け付ける。一例として、診療要求に含まれる受診希望日時は、受診希望者Pの居住地における時間における日時である。例えば受診希望者Pが日本に住んでいる場合、診療要求に含まれる受診希望日時は日本時間の時刻である。なお、受診希望日時は、受診希望者Pの居住地における時間以外の標準時間(例えばグリニッジ標準時)により表されてもよい。要求受付部131は、診療要求データに含まれている選択条件と受診希望者Pの居住地とを選択部132に通知する。
【0034】
選択部132は、選択条件を満たす一以上の医師Dを選択する。選択部132は、選択した一以上の医師Dに関する情報を、情報提供部133を介して受診希望者Pに通知する。以下、選択部132の動作を詳細に説明する。
【0035】
選択部132は、記憶部12に記憶された複数の医師Dの居住地と受診希望者Pの居住地との時差と、受診希望日時と、に基づいて、一以上の医師Dを選択する。一例として、選択部132は、まず、受診希望者Pの居住地と医師Dの居住地との時差に基づいて、医師Dの居住地における診療可能時間帯に対応する受診希望者Pの居住地における時間帯を特定する。そして、選択部132は、医師Dの居住地の診療可能時間帯に対応する受診希望者Pの居住地における時間帯に受診希望日時が含まれている一以上の医師Dを選択する。居住地における診療可能時間帯とは、居住地における標準的な勤務時間帯であり、例えば午前9時から午後6時である。
【0036】
選択部132は、記憶部12に記憶された複数の医師Dそれぞれの診療可能時間帯に対応する受診希望者の居住地における時間帯に受診希望日時が含まれている一以上の医師Dを選択してもよい。以下、具体的な例を参照しながら選択部132の動作を説明する。以下の例においては、受診希望者Pの居住地が日本であり、受診希望者Pの受診希望時刻が日本時間の23時であるとする。
【0037】
図4は、医師Dの居住地における診療可能時間帯と、受診希望者Pの居住地である日本における診療可能時間帯との関係を示す図である。日本と米国のカリフォルニアとの時差は7時間であるので、カリフォルニアの医師D3が現地時間で14時から20時まで診療ができるとすると、当該医師D3は、日本時間で7時から13時まで診療ができるということになる。このように日本時間に換算された診療可能時間帯は、それぞれの医師Dが診療可能時間帯を登録した時点で制御部13が算出して記憶部12に記憶させてもよく、選択部132が医師Dを選択する時点で算出してもよい。
【0038】
このように日本時間に換算された診療可能時間帯のうち、受診希望時刻である23時が含まれている医師Dは、フランスに居住している医師D5とドイツに居住している医師D6である。したがって、この例の場合、選択部132は医師D5及び医師D6を選択したことを情報提供部133に通知する。
【0039】
選択部132は、受診希望者Pの居住地と医師Dの居住地との時差に基づいて、受診希望日時に対応する医師Dの居住地の現地日時を特定し、医師Dの居住地における診療可能時間帯に受診希望日時の現地日時が含まれている一以上の医師Dを選択してもよい。選択部132は、現地日時が、医師Dに関連付けて記憶部12に記憶された診療可能時間帯に含まれている一以上の医師Dを選択してもよい。
【0040】
図5は、複数の医師Dそれぞれの診療可能時間帯の現地時間と受診希望日時が示す時刻の現地時間との関係を示す図である。受診希望日時が日本時間の23時である場合、選択部132は、日本時間の23時に対応する、登録されている複数の医師Dそれぞれの居住地の現地時刻を算出する。図5に示す例の場合、日本時間の23時は、カリフォルニアにおいては6時、ニューヨークにおいては10時、フランスにおいては15時、ドイツにおいては15時、タイにおいては21時となる。この場合、医師D5及び医師D6の診療可能時間帯に受診希望日時が含まれている。したがって、この場合にも、選択部132は医師D5及び医師D6を選択したことを情報提供部133に通知する。
【0041】
ただし、受診希望日時が診療可能時間帯に含まれていても、同じ日時に既に医師Dに予約が入っていることも想定される。そこで、選択部132は、予約情報を参照することにより、受診希望日時に他の予約が入っていない一以上の医師Dを選択してもよい。
【0042】
また、受診希望者Pが日本語しか使えないにもかかわらず、日本語が使えない医師Dが選択されてしまうと、受診希望者Pはオンライン診療を受けることが困難である。そこで、選択部132は、診療要求データが示す希望言語と一致する使用可能言語に関連付けられている一以上の医師Dを選択してもよい。図3に示す例の場合、医師D5及び医師D6のうち、医師D6は日本語を使用することができ、医師D5は日本語を使用することができない。したがって、選択部132は医師D6を選択したことを情報提供部133に通知する。選択部132がこのように動作することで、受診希望者Pは自分が話すことができる言語でオンライン診療を受けることができる。
【0043】
選択部132は、記憶部12に記憶された居住地が、診療要求データが示す希望国に含まれている一以上の医師Dを選択してもよい。一例として、選択部132が医師D5及び医師D6を候補として選択し、診療要求データが示す希望国にドイツが含まれておりフランスが含まれていないという場合、選択部132は医師D6を選択したことを情報提供部133に通知する。選択部132がこのように動作することで、例えば受診希望者Pが信頼できると考えている国の医師Dの診療を受診希望者Pが受けられるので、受診希望者Pの満足度が向上する。
【0044】
ところで、医師Dによって診療費用が異なる。また、複数の国の組み合わせによって、各国で使用されている通貨間の為替レートが異なるので、受診希望者Pが支払う診療費用は為替レートの影響も受ける。そこで、選択部132は、受診希望者Pが診療費用の支払いに使いたい第1通貨と医師Dが診療費用の受け取りに使いたい第2通貨との間の為替レートに基づいて、複数の医師Dそれぞれの診療費用を第1通貨で支払う場合の診療額を算出し、算出した診療額が低い医師Dを優先的に一以上の医師Dとして選択してもよい。
【0045】
仮に、図3に示すニューヨークの医師D4とフランスの医師D5が候補として選択された場合、選択部132は、医師D4の診療費用及び医師D5の診療費用を円に換算した額を算出する。1ドルが150円、1ユーロが140円である場合、選択部132は、医師D4の診療費用がUSD250×150=37,500円であり、医師D5の診療費用がEUR300×140=42,000円であると算出する。そして、選択部132は、円に換算した診療費用が安い医師D4を選択したことを情報提供部133に通知する。選択部132は、情報提供部133を介して、受診希望者Pが希望する時間帯に診療ができる複数の医師Dに関連付けて、受診希望者Pが希望する通貨に換算した診療費用を受診希望者Pに通知してもよい。
【0046】
情報提供部133は、通信部11を介して各種の情報をユーザ端末2に送信することにより、各種の情報を受診希望者Pに提供する。情報提供部133は、例えば選択部132が選択した一以上の医師Dに関する情報をユーザ端末2に送信する。情報提供部133は、選択された一以上の医師Dに関連付けて、受診希望者Pが希望する通貨に換算した診療費用を通知してもよい。診療要求データに、希望する診療内容が含まれており、登録医師情報に診療内容別の診療費用が含まれている場合、情報提供部133は、診療内容に基づいて算出された診療費用を受診希望者Pに通知してもよい。
【0047】
ところで、受診希望者Pの受診希望日時によっては、診療可能時間帯に受診希望日時が含まれており、かつ受診希望者Pが希望する言語を使用できる医師Dが存在しないという場合も想定される。そこで、選択部132は、使用可能言語が希望言語と一致している複数の医師Dに対応する診療可能時間帯に受診希望日時が含まれていない場合に、使用可能言語が希望言語と一致している複数の医師Dに対応する診療可能時間帯を示す情報を受診希望者Pに提供してもよい。
【0048】
一例として、日本に居住する受診希望者Pの受診希望時刻が21時であり、図4に示すように、医師D5の診療可能時間帯にのみ受診希望時刻が含まれているとする。ところが、医師D5は日本語を話すことができない。このような場合、選択部132は、例えば、受診希望者Pが希望する言語を使用できる一以上の医師Dのうち、受診希望時刻と診療可能時間帯とが近い順に医師Dを選択する。
【0049】
図5に示す例の場合、選択部132は、日本時間の診療可能時間帯が9時から20時であり、受診希望時刻の21時と診療可能時間帯の一部の時刻との差が1時間になっている医師D2を第1の候補として選択する。選択部132は、日本時間の診療可能時間帯が0時から8時であり、受診希望時刻の21時と診療可能時間帯の一部の時刻との差が3時間になっている医師D4を第2の候補として選択する。
【0050】
情報提供部133は、選択された一以上の医師Dに関する情報と、選択された医師Dが診療可能な時間帯に関する情報をユーザ端末2に提供する。情報提供部133がこのような情報を提供することで、受診希望者Pは受診希望時刻を変更するかどうかを検討することができる。そして、受診希望時刻を変更することで、受診希望者Pが使用できる言語を用いてオンライン診療を受けることが可能になる。
【0051】
情報提供部133は、受診希望者Pに情報を提供した後に、受診希望者Pからオンライン診療の予約を受け付けてもよい。具体的には、情報提供部133は、ユーザ端末2に通知した一以上の医師Dから受診希望者Pが選択した医師Dを示す情報をユーザ端末2から取得すると、当該医師Dに関連付けて、受診希望日時(すなわち予約日時)と受診希望者Pを特定するための情報(例えば氏名)とを記憶部12に記憶させる。
【0052】
情報提供部133は、予約日時及び受診希望者Pを特定するための情報を含む予約確定情報を医師端末3に送信することにより、医師Dに対して予約が行われたことを通知してもよい。情報提供部133は、医師Dが、自身の予約状況を確認するための操作を医師端末3で行ったことに応じて医師端末3から予約確認要求データが送られてきた場合に、医師Dに関連付けて記憶部12に記憶された予約の内容を医師端末3に送信してもよい。
【0053】
情報提供部133は、予約日時に受診希望者Pが医師Dによるオンライン診療を受けられるように、ユーザ端末2及び医師端末3に、データ通信を行うためのアクセス先情報を送信してもよい。予約した日時に受診希望者P及び医師Dがアクセス先情報にアクセスすることにより、受診希望者Pがオンライン診療を受けることができる。オンライン診療は、情報処理装置1を介して行われてもよく、情報処理装置1を介することなく行われてもよい。
【0054】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図6は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、受診希望者Pがユーザ端末2においてオンライン診療の予約をするための操作を行った時点から開始している。
【0055】
要求受付部131は、ユーザ端末2から送信された診療要求データを受信すると、診療要求を受け付ける(S1)。要求受付部131は、診療要求データに含まれている各種のデータを記憶部12に記憶させるとともに、診療要求を受け付けたことを選択部132に通知する。続いて、選択部132は、診療要求データに基づいて受診希望日時を特定し(S2)、診療要求データに含まれている選択条件に基づいて、オンライン診療が可能かどうかを確認する対象とする一人の医師Dを選択する(S3)。
【0056】
選択部132は、受診希望者Pの居住地と選択した医師Dの居住地との時差に基づいて、受診希望者Pの受診希望日時を医師Dの居住地の時間に変換するか、医師Dの診療可能時間帯を受診希望者Pの居住地の時間に変換した後に、受診希望日時と診療可能時間帯とを比較する(S4)。選択部132は、受診希望日時が診療可能時間帯に含まれていると判定した場合(S4においてYES)、受診希望者Pが希望する言語を医師Dが使用できるか否かを判定する(S5)。選択部132は、受診希望者Pが希望する言語を医師Dが使用できると判定した場合(S5においてYES)、受診希望者Pが希望する通貨で当該医師Dに診療費用を支払ってもよいか否かを判定する(S6)。S4、S5及びS6の処理の順序は任意である。
【0057】
選択部132は、受診希望者Pが希望する通貨で当該医師Dに診療費用を支払ってもよいと判定した場合(S6においてYES)、当該医師Dを診療可能な医師として選択したことを記憶部12に記憶させる(S7)。続いて、選択部132は、オンライン診療が可能かどうかを確認する対象となる他の医師Dがいるか否かを判定する(S8)。選択部132は、S4、S5又はS6でNOと判定した場合、S7の処理を行うことなくS8の処理を実行する。
【0058】
選択部132は、他の医師Dがいると判定した場合(S8においてYES)、S3に戻り、S3からS8までの処理を繰り返す。選択部132は、他の医師Dがいないと判定した場合(S8においてNO)、その旨を情報提供部133に通知する。情報提供部133は、記憶部12を参照することにより、S7において診療可能な医師Dとして選択された医師Dがいるか否かを判定する(S9)。
【0059】
情報提供部133は、診療可能な医師Dとして選択された医師Dがいる場合(S9においてYES)、当該医師Dに関する情報を受診希望者Pに提供する(S10)。情報提供部133は、診療可能な医師Dとして選択された医師Dがいない場合(S9においてNO)、受診希望日時に診療可能な医師Dがおらず診療を受けられないことを受診希望者Pに通知する(S11)。
【0060】
情報提供部133は、受診希望日時に診療可能な医師Dがいない場合に、選択部132に指示して、受診希望者Pの選択条件を満たす医師Dが診療できる他の日時があるかどうかを確認させる。他の日時の候補がある場合、情報提供部133は、他の日時の候補をユーザ端末2に送信することにより受診希望者Pに通知する(S12)。情報提供部133は、診療可能な他の時間帯の問い合わせを受診希望者Pから受けたことを条件として、他の日時の候補を受診希望者Pに通知してもよい。その後、要求受付部131が、受診希望者Pが希望する他の受診希望日時を示す診療要求データを取得すると、制御部13は、S1からS12までの処理を繰り返す。
【0061】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、情報処理装置1は、受診希望者Pからオンライン診療の要求を受け付けると、複数の医師Dの居住地と受診希望者Pの居住地との時差と、受診希望者Pが指定した受診希望日時と、に基づいて、医師Dが診療できる時間帯に受診希望日時が含まれる一以上の医師Dに関する情報を受診希望者Pに通知する。情報処理装置1がこのように構成されていることで、受診希望者Pが居住している国以外の国に居住している医師Dもオンライン診療を受ける候補となるので、受診希望者Pの都合が良い時間帯にオンライン診療を受けやすくなる。さらに、登録した医師Dにとっては、医師Dの居住地の近くの患者に対する診療をしていない時間帯に、他国の医師Dのオンライン診療をすることが可能になり、時間を有効活用して多くの患者の助けになることが可能になる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
3 医師端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 要求受付部
132 選択部
133 情報提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6