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特開2024-72372ロボット、ロボットの印刷方法、及びロボットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072372
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ロボット、ロボットの印刷方法、及びロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240521BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240521BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240521BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240521BHJP
   B05B 13/04 20060101ALI20240521BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B25J13/00 Z
B05C11/10
B05B12/00 A
B05B13/04
B41J2/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183125
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 竜一
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 孝雄
【テーマコード(参考)】
2C056
3C707
4F035
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EB36
2C056EC07
2C056EC37
2C056FA04
2C056FA09
2C056FB09
3C707AS13
3C707BS10
3C707BS12
3C707CY36
3C707HS27
3C707JS03
3C707KS03
3C707KS07
3C707KS21
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT05
3C707KV01
4F035AA03
4F035BC02
4F035CA01
4F035CA05
4F035CD06
4F035CD08
4F035CD18
4F041AA01
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA23
4F041BA34
4F042AA01
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA10
4F042BA12
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】印刷ヘッドは、ロボットによって移動するときに対象物の表面に画像を形成するため、移動時のロボットの振動によって、画質が低下する場合がある。
【解決手段】ロボットは、インクを吐出する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを第1軸に沿って移動させる振動子及び前記印刷ヘッドを回動させる回動機構を有し、前記印刷ヘッドを支持する移動テーブルと、前記移動テーブルを支持し、前記移動テーブルを移動させるアームと、を備え、前記回動機構は、前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸のうちの少なくとも一方を回動中心に前記印刷ヘッドを回動させ、前記アームによって前記移動テーブルが停止して前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記インクを吐出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを第1軸に沿って移動させる振動子及び前記印刷ヘッドを回動させる回動機構を有し、前記印刷ヘッドを支持する移動テーブルと、
前記移動テーブルを支持し、前記移動テーブルを移動させるアームと、を備え、
前記回動機構は、前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸のうちの少なくとも一方を回動中心に前記印刷ヘッドを回動させ、
前記アームによって前記移動テーブルが停止して前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記インクを吐出する、
ロボット。
【請求項2】
前記回動機構は、前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記印刷ヘッドを前記第2回動軸を回動中心に回動させる、
請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記回動機構は、前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記印刷ヘッドを前記第1回動軸を回動中心に回動させる、
請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記回動機構は、前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記印刷ヘッドを前記第1回動軸、及び前記第2回動軸を回動中心に回動させる、
請求項1に記載のロボット。
【請求項5】
アームの駆動によって、前記アームに支持された移動テーブルを移動し、
前記アームによって前記移動テーブルを所定の位置に停止し、
前記移動テーブルが停止したのち、前記移動テーブルに支持される印刷ヘッドを前記移動テーブルに配置された振動子の駆動によって第1軸に沿って移動するときにインクを吐出し、
前記印刷ヘッドが前記振動子の駆動によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記印刷ヘッドを前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸の内の少なくとも一方を回動中心に回動する、
ロボットの印刷方法。
【請求項6】
インクを吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを第1軸に沿って移動させる振動子及び前記印刷ヘッドを回動させる回動機構を有して前記印刷ヘッドを支持する移動テーブルと、
前記移動テーブルを支持して前記移動テーブルを移動させるアームと、
前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる制御装置と、を備え、
前記回動機構は、前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸のうちの少なくとも一方を回動中心に前記印刷ヘッドを回動させ、
前記制御装置は、前記アームに前記移動テーブルを停止させ、前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに前記インクを吐出させる、
ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット、ロボットの印刷方法、及びロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非平面の領域に画像を印刷するシステムが知られている。特許文献1に記載されるシステムは、印刷ヘッドと、ロボットと、ピエゾアクチュエーターと、を備える。印刷ヘッドは、ロボットに収容される。印刷ヘッドは、ロボットの駆動によって対象物の表面に沿って移動する。ピエゾアクチュエーターは、インク滴の着弾点を変位させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-202781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷ヘッドは、ロボットによって移動するときに対象物の表面に画像を形成するため、移動時のロボットの振動によって、画質が低下する場合がある。また、対象物の表面形状によって、画質が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のロボットは、インクを吐出する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを第1軸に沿って移動させる振動子及び前記印刷ヘッドを回動させる回動機構を有し、前記印刷ヘッドを支持する移動テーブルと、前記移動テーブルを支持し、前記移動テーブルを移動させるアームと、を備え、前記回動機構は、前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸のうちの少なくとも一方を回動中心に前記印刷ヘッドを回動させ、前記アームによって前記移動テーブルが停止して前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記インクを吐出する。
【0006】
本開示のロボットの印刷方法は、アームの駆動によって、前記アームに支持された移動テーブルを移動し、前記アームによって前記移動テーブルを所定の位置に停止し、前記移動テーブルが停止したのち、前記移動テーブルに支持される印刷ヘッドを前記移動テーブルに配置された振動子の駆動によって第1軸に沿って移動するときにインクを吐出し、前記印刷ヘッドが前記振動子の駆動によって前記第1軸に沿って移動するときに、前記印刷ヘッドを前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸の内の少なくとも一方を回動中心に回動する。
【0007】
本開示のロボットシステムは、インクを吐出する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを第1軸に沿って移動させる振動子及び前記印刷ヘッドを回動させる回動機構を有して前記印刷ヘッドを支持する移動テーブルと、前記移動テーブルを支持して前記移動テーブルを移動させるアームと、前記印刷ヘッドに前記インクを吐出させる制御装置と、を備え、前記回動機構は、前記第1軸に沿った第1回動軸及び前記第1軸と直交する第2軸に沿った第2回動軸のうちの少なくとも一方を回動中心に前記印刷ヘッドを回動させ、前記制御装置は、前記アームに前記移動テーブルを停止させ、前記印刷ヘッドが前記振動子によって前記第1軸に沿って移動するときに前記インクを吐出させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】印刷ロボットシステムの全体構成を示す図。
図2】移動ステージの概略構成を示す図。
図3】移動ステージの概略構成を示す図。
図4】印刷ロボットシステムのブロック構成を示す図。
図5】対象面上の印刷領域を示す図。
図6】印刷処理時のフローチャートを示す図。
図7】第1移動ステージの状態を模式的に示す図。
図8】第1移動ステージの状態を模式的に示す図。
図9】第2移動ステージの状態を模式的に示す図。
図10】第2移動ステージの状態を模式的に示す図。
図11】第3移動ステージの状態を模式的に示す図。
図12】第3移動ステージの状態を模式的に示す図。
図13】第3移動ステージの状態を模式的に示す図。
図14】第3移動ステージの状態を模式的に示す図。
図15】第4移動ステージの状態を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、印刷ロボットシステム100の全体構成を示している。印刷ロボットシステム100は、多関節ロボット200と、固定部材700と、ロボット制御装置800と、を備える。印刷ロボットシステム100は、ロボットシステムの一例に対応する。
【0010】
多関節ロボット200は、6つの駆動軸を有する6軸ロボットである。多関節ロボット200は、基台210と、ロボットアーム220と、移動ステージ300と、ヘッドユニット400と、を備える。多関節ロボット200は、ロボットの一例に対応する。
【0011】
基台210は、床等の設置面に固定される。基台210は、ロボットアーム220と接続する。基台210は、ロボットアーム220を回転可能に支持する。基台210は、ロボット制御装置800と接続するインターフェイス等を備えてもよい。
【0012】
ロボットアーム220は、基台210と接続する。ロボットアーム220は、複数のアーム部材を有する。図1に示すロボットアーム220は、第1アーム221と、第2アーム222と、第3アーム223と、第4アーム224と、第5アーム225と、第6アーム226とで構成される。アーム部材は、6個に限定されない。ロボットアーム220は、2個以上のアーム部材で構成される。ロボットアーム220は、アームの一例に対応する。
【0013】
第1アーム221は、第1関節J1を介して基台210と接続する。第1関節J1には、第1関節モーターJ1Mと第1関節エンコーダーJ1Eが配置される。第1関節モーターJ1Mは、第1アーム221を回転させる。第1関節エンコーダーJ1Eは、第1関節モーターJ1Mの回転量、もしくは第1アーム221の回動角を検出する。第1関節J1は、ねじり関節である。
【0014】
第2アーム222は、第2関節J2を介して第1アーム221と接続する。第2関節J2には、第2関節モーターJ2Mと第2関節エンコーダーJ2Eが配置される。第2関節モーターJ2Mは、第2アーム222を回転させる。第2関節エンコーダーJ2Eは、第2関節モーターJ2Mの回転量、もしくは第2アーム222の回動角を検出する。第2関節J2は、曲げ関節である。
【0015】
第3アーム223は、第3関節J3を介して第2アーム222と接続する。第3関節J3には、第3関節モーターJ3Mと第3関節エンコーダーJ3Eが配置される。第3関節モーターJ3Mは、第3アーム223を回転させる。第3関節エンコーダーJ3Eは、第3関節モーターJ3Mの回転量、もしくは第3アーム223の回動角を検出する。第3関節J3は、曲げ関節である。
【0016】
第4アーム224は、第4関節J4を介して第3アーム223と接続する。第4関節J4には、第4関節モーターJ4Mと第4関節エンコーダーJ4Eが配置される。第4関節モーターJ4Mは、第4アーム224を回転させる。第4関節エンコーダーJ4Eは、第4関節モーターJ4Mの回転量、もしくは第4アーム224の回動角を検出する。第4関節J4は、ねじり関節である。
【0017】
第5アーム225は、第5関節J5を介して第4アーム224と接続する。第5関節J5には、第5関節モーターJ5Mと第5関節エンコーダーJ5Eが配置される。第5関節モーターJ5Mは、第5アーム225を回転させる。第5関節エンコーダーJ5Eは、第5関節モーターJ5Mの回転量、もしくは第5アーム225の回動角を検出する。第5関節J5は、曲げ関節である。
【0018】
第6アーム226は、第6関節J6を介して第5アーム225と接続する。第6関節J6には、第6関節モーターJ6Mと第6関節エンコーダーJ6Eが配置される。第6関節モーターJ6Mは、第6アーム226を回転させる。第6関節エンコーダーJ6Eは、第6関節モーターJ6Mの回転量、もしくは第6アーム226の回動角を検出する。第6関節J6は、ねじり関節である。第6アーム226は、移動ステージ300を支持する。
【0019】
移動ステージ300は、第6アーム226に支持される。移動ステージ300は、第6アーム226の先端に接続される。移動ステージ300は、ロボットアーム220の駆動によって移動する。移動ステージ300は、ヘッドユニット400を支持する。移動ステージ300は、移動テーブルの一例に対応する。
【0020】
ヘッドユニット400は、移動ステージ300に支持される。ヘッドユニット400は、インクノズル411からインクを吐出することによって、対象物Qに印刷を行う。インクノズル411は、インクを吐出する吐出孔である。複数のインクノズル411がヘッドユニット400に設けられる。ヘッドユニット400は、一例として、インクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッドは、インク室と、インク室の壁面に配置された振動板と、インク室に繋がるインクノズル411と、を有する。インク室及び振動板は、図示されない。振動板が振動することによりインク室内のインクがインクノズル411から吐出する。ヘッドユニット400は、印刷ヘッドの一例に対応する。
【0021】
固定部材700は、対象物Qを支持する。固定部材700は、対象物Qを把持する把持部材を有してもよい。固定部材700は、把持部材等を用いて対象物Qを固定する。固定部材700は、基台210を設置する設置面に設けられてもよいし、設置面と異なるフレーム等に配置されてもよい。
【0022】
ロボット制御装置800は、多関節ロボット200の駆動を制御する。ロボット制御装置800は、多関節ロボット200と通信可能に接続する。ロボット制御装置800は、多関節ロボット200に制御データを送信する。ロボット制御装置800は、多関節ロボット200に制御データを送信することによって、ロボットアーム220、移動ステージ300、及びヘッドユニット400の駆動を制御する。ロボット制御装置800は、多関節ロボット200から各種データを受信する。ロボット制御装置800は、制御装置の一例に対応する。
【0023】
対象物Qは、3次元形状の構造物である。対象物Qは、平面もしくは曲面の対象面Q1を有する。図1に示す対象物Qは、直方体形状の構造物であり、平面の対象面Q1を有する。対象物Qは、直方体形状の構造物に限定されない。
【0024】
多関節ロボット200は、カメラ900を備えてもよい。カメラ900は、対象物Qを撮像可能な位置に配置される。カメラ900は、対象物Q、もしくは対象面Q1を撮像する。カメラ900が対象物Q、もしくは対象面Q1を撮像することによって、ロボット制御装置800に対象物Q、もしくは対象面Q1の形状を解析させる。カメラ900は、ヘッドユニット400によってインクが吐出された対象面Q1の印刷領域Rを撮像してもよい。カメラ900が印刷領域Rを撮像することによって、ロボット制御装置800は、対象面Q1内の印刷領域の位置を判別することができる。
【0025】
図2は、移動ステージ300の概略構成を示している。図2は、移動ステージ300のヘッドユニット400を支持する面を示している。図2は、移動ステージ300がロボットアーム220の第6アーム226に支持される状態を示している。図2は、第6アーム226と、移動ステージ300と、ヘッドユニット400と、を示している。
【0026】
図2を含む複数の図は、XYZ座標系を示している。X軸は、ヘッドユニット400がインクを吐出するときに移動する方向と平行な軸である。Y軸は、ヘッドユニット400が支持される移動ステージ300の面内で、X軸と直交する軸である。Z軸は、X軸及びY軸と直交する軸である。
【0027】
移動ステージ300は、基部310と、ステージ320と、移動機構330と、を備える。移動ステージ300は、ヘッドユニット400を、X軸及びY軸に沿って移動可能に支持する。移動ステージ300は、ヘッドユニット400をX-Y平面内で回転可能に支持する。移動ステージ300は、ヘッドユニット400を、Z軸に沿って移動可能に支持してもよい。
【0028】
基部310は、第6アーム226と接続する。基部310が第6アーム226と接続することによって移動ステージ300は、第6アーム226に支持される。基部310は、図示しない着脱機構によって、第6アーム226に対して着脱自在に接続されてもよい。基部310は、ステージ320と移動機構330とを支持する。
【0029】
ステージ320は、ヘッドユニット400を移動可能に支持する。ステージ320は、基部310上に配置される。ステージ320は、第1ステージ321と第2ステージ322と第3ステージ323とで構成される。第3ステージ323は、ヘッドユニット400を支持する。
【0030】
第1ステージ321は、Z軸に沿った回転軸を中心に基部310に対して回転可能に構成される。第1ステージ321は、第2ステージ322及び第3ステージ323を支持する。第1ステージ321は、回転することによって第2ステージ322及び第3ステージ323をZ軸に平行な軸を回転軸として回転させる。第1ステージ321は、第3ステージ323を回転させることによって、ヘッドユニット400を回転させる。
【0031】
第2ステージ322は、Y軸に沿って移動可能に構成される。第2ステージ322は、図示しない第1リニアガイドによって案内される。第1リニアガイドは、Y軸に沿った第1レールを有する。第2ステージ322は、第1レール上を摺動することによってガタなく移動することができる。第2ステージ322は、Y軸に沿って移動することによって、ヘッドユニット400をY軸に沿って移動させる。
【0032】
第3ステージ323は、X軸に沿って移動可能に構成される。第3ステージ323は、図示しない第2リニアガイドによって案内される。第2リニアガイドは、X軸に沿った第2レールを有する。第3ステージ323は、第2レール上を摺動することによってガタなく移動することができる。第3ステージ323は、X軸に沿って移動することによって、ヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる。
【0033】
移動機構330は、第1ステージ321、第2ステージ322、及び第3ステージ323を移動させる。移動機構330は、第1ステージ321、第2ステージ322、及び第3ステージ323を移動させることによってヘッドユニット400を移動させる。移動機構330は、第1移動機構331と第2移動機構332と第3移動機構333とを有する。
【0034】
第1移動機構331は、基部310に対して第1ステージ321を回転軸を中心に回転させる。第1移動機構331は、第1圧電アクチュエーター341を有する。第1圧電アクチュエーター341は、第1ステージ321を回転させる駆動源である。第1圧電アクチュエーター341は、第1ステージ321の周縁部に接触し、第1ステージ321を回転させる。第1圧電アクチュエーター341は、第1ステージ321を回転させることによって、ヘッドユニット400を回転させる。第1圧電アクチュエーター341が用いられることによって、移動ステージ300の小型化及び軽量化が図られる。第1ステージ321を回転させる駆動源は、第1圧電アクチュエーター341に限定されない。第1圧電アクチュエーター341に代えて電磁モーターが用いられてもよい。第1ステージ321を回転させる駆動源は、第1圧電アクチュエーター341であることが好ましい。
【0035】
第2移動機構332は、第1ステージ321に対して第2ステージ322をY軸に沿って移動させる。第2移動機構332は、第2圧電アクチュエーター342を有する。第2圧電アクチュエーター342は、第2ステージ322を移動させる駆動源である。第2圧電アクチュエーター342は、第2ステージ322を移動させることによって、Y軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第2圧電アクチュエーター342は、第2ステージ322の周縁部に接触し、第2ステージ322を移動させる。第2圧電アクチュエーター342が用いられることによって、移動ステージ300の小型化及び軽量化が図られる。第2ステージ322を移動させる駆動源は、第2圧電アクチュエーター342に限定されない。第2圧電アクチュエーター342に代えて電磁モーターが用いられてもよい。第2ステージ322を移動させる駆動源は、第2圧電アクチュエーター342であることが好ましい。
【0036】
第3移動機構333は、第2ステージ322に対して第3ステージ323をX軸に沿って移動させる。第3移動機構333は、第3圧電アクチュエーター343を有する。第3圧電アクチュエーター343は、第3ステージ323を移動させる駆動源である。第3圧電アクチュエーター343は、第3ステージ323を移動させることによって、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第3圧電アクチュエーター343は、第3ステージ323の周縁部に接触し、第3ステージ323を移動させる。第3圧電アクチュエーター343が用いられることによって、移動ステージ300の小型化及び軽量化が図られる。第3圧電アクチュエーター343は、振動子の一例に対応する。
【0037】
第1圧電アクチュエーター341、第2圧電アクチュエーター342、及び第3圧電アクチュエーター343は、圧電素子の伸縮を用いて振動する構成である。第1圧電アクチュエーター341は、振動を伝達することによって、第1ステージ321を移動させる。第2圧電アクチュエーター342は、振動を伝達することによって、第2ステージ322を移動させる。第3圧電アクチュエーター343は、振動を伝達することによって、第3ステージ323を移動させる。第1圧電アクチュエーター341、第2圧電アクチュエーター342、及び第3圧電アクチュエーター343が用いられることによって、第1ステージ321、第2ステージ322、及び第3ステージ323の駆動精度が向上する。
【0038】
ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。ヘッドユニット400は、対象物Qにインクを吐出することによって、対象物Qに印刷を行う。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動してインクを吐出したのち、Y軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、Y軸に沿って移動したのち、再度X軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、再度X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。X軸は、第1軸の一例に対応する。Y軸は、第2軸の一例に対応する。図2に示すヘッドユニット400は、複数のインクノズル411を有している。複数のインクノズル411の配列は、図2に示す配列に限定されない。複数のインクノズル411の配列は、適宜調整される。
【0039】
図3は、移動ステージ300の概略構成を示している。図3は、ヘッドユニット400を下方に向けたときの移動ステージ300の側面を示している。図3は、移動ステージ300の一例である第1移動ステージ300Aを示している。第1移動ステージ300Aは、基部310と、ステージ320と、スライド機構360と、を備える。
【0040】
ステージ320は、第1ステージ321、第2ステージ322、第3ステージ323を有する。第1ステージ321、第2ステージ322、第3ステージ323は、この順に基部310側からZ軸に沿って配置される。第3ステージ323は、ヘッドユニット400を支持する。ヘッドユニット400の吐出面400aは、対象物Qの対象面Q1と対向する。ヘッドユニット400の吐出面400aには、インクノズル411が設けられる。
【0041】
第2ステージ322は、第2ステージ支持部材322A、及び第2ステージ回動部材322Bを有する。第2ステージ支持部材322Aは、第1ステージ321に支持される。第2ステージ回動部材322Bは、第3ステージ323を支持する。第2ステージ支持部材322Aは、凹形状の第2ステージ支持凹部322Rを有する。第2ステージ支持凹部322Rは、第2ステージ回動部材322Bと対向する。第2ステージ回動部材322Bは、第2ステージ支持凹部322Rに対向する第2ステージ回動凸部322Cを有する。第2ステージ支持凹部322Rの形状は、凸形状の第2ステージ回動凸部322Cの形状に対応する。第2ステージ支持部材322Aには、第1ヘッド回動機構350Aが配置される。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッド回動機構350の一例である。ヘッド回動機構350は、回動機構の一例に対応する。
【0042】
第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ回動部材322Bを回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ回動部材322Bを回動させることによって、ヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、図示しない回動アクチュエーターを有する。回動アクチュエーターは、第2ステージ支持部材322Aに対して第2ステージ回動部材322Bを回動させる。回動アクチュエーターは、第1圧電アクチュエーター341と同様に圧電素子で構成される。回動アクチュエーターは、圧電素子の振動を第2ステージ回動凸部322Cに伝達することによって、第2ステージ回動凸部322Cを第2ステージ支持凹部322Rに沿って摺動させる。
【0043】
X-Z平面での第2ステージ支持凹部322Rの形状は、Y軸に平行な軸を中心とした円弧である。第2ステージ回動部材322Bは、Y軸に沿った第1仮想軸VA1を中心に回動する。第2ステージ回動部材322Bが第1仮想軸VA1を回動中心に回動することによって、ヘッドユニット400は、第1仮想軸VA1を回動中心に回動する。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400を第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。第1仮想軸VA1は、第2回動軸の一例に対応する。ヘッド回動機構350の一例である第1ヘッド回動機構350Aは、回動機構の一例に対応する。
【0044】
スライド機構360は、ステージ320をZ軸に沿って移動させる。スライド機構360は、ステージ320を移動させることによって、ヘッドユニット400をZ軸に沿って移動させる。スライド機構360は、スライドアクチュエーター361を有する。図3に示すスライドアクチュエーター361は、基部310と第1ステージ321との間に配置される。スライドアクチュエーター361は、ステージ320をZ軸に沿って移動させる。スライドアクチュエーター361がZ軸に沿ってステージ320を移動させることによって、ヘッドユニット400をZ軸に沿って移動させる。ヘッドユニット400は、対象物Qに対して接近もしくは離間する。図3に示すスライドアクチュエーター361は、基部310と第1ステージ321との間に配置されるが、これに限定されない。スライドアクチュエーター361は、第1ステージ321と第2ステージ322との間に配置されてもよい。スライドアクチュエーター361は、第2ステージ322と第3ステージ323との間に配置されてもよい。スライドアクチュエーター361は、第6アーム226と基部310との間に配置されてもよい。
【0045】
図3に示す第1移動ステージ300Aは、第1仮想軸VA1を回動中心にヘッドユニット400を回動させるが、この構成に限定されない。移動ステージ300は、X軸に沿った第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させてもよい。移動ステージ300は、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させてもよい。第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させる移動ステージ300の構成は、後述される。第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させる移動ステージ300の構成は、後述される。
【0046】
図4は、印刷ロボットシステム100のブロック構成を示している。図4は、多関節ロボット200のブロック構成とロボット制御装置800のブロック構成とを示している。多関節ロボット200とロボット制御装置800は、ケーブルCを介して通信可能に接続される。多関節ロボット200とロボット制御装置800は、無線で通信可能に接続されてもよい。
【0047】
多関節ロボット200は、ロボットアーム220と移動ステージ300とヘッドユニット400とで構成される。移動ステージ300とヘッドユニット400は、ロボットアーム220を経由して、ロボット制御装置800と通信可能に接続する。
【0048】
ロボットアーム220は、関節モーター群MG、関節エンコーダー群EG、及びカメラ900を含む。関節モーター群MG、関節エンコーダー群EG、及びカメラ900は、ロボット制御装置800によって制御される。
【0049】
関節モーター群MGは、第1関節モーターJ1M、第2関節モーターJ2M、第3関節モーターJ3M、第4関節モーターJ4M、第5関節モーターJ5M、及び第6関節モーターJ6Mを含む。関節モーター群MGは、ロボット制御装置800の制御によって、ロボットアーム220の各アーム部材を駆動させる。
【0050】
関節エンコーダー群EGは、第1関節エンコーダーJ1E、第2関節エンコーダーJ2E、第3関節エンコーダーJ3E、第4関節エンコーダーJ4E、第5関節エンコーダーJ5E、及び第6関節エンコーダーJ6Eを含む。関節エンコーダー群EGは、関節モーター群MGに含まれる各モーターの回転量、もしくは関節モーター群MGによって駆動した各アーム部材の回転角を測定する。関節エンコーダー群EGは、測定した各モーターの回転量、もしくは測定した各アーム部材の回転角をロボット制御装置800に送信する。
【0051】
カメラ900は、ロボット制御装置800の制御によって、対象物Q、対象物Qに印刷された印刷領域R等を撮像し、撮像データを生成する。カメラ900は、撮像データをロボット制御装置800に送信する。
【0052】
移動ステージ300は、移動機構330、ヘッド回動機構350、及びスライド機構360を含む。移動機構330は、第1移動機構331、第2移動機構332、及び第3移動機構333を含む。移動ステージ300に含まれる移動機構330、ヘッド回動機構350、及びスライド機構360は、ロボット制御装置800の制御によって駆動する。
【0053】
移動機構330、ヘッド回動機構350、及びスライド機構360は、図示しない位置センサー群を有してもよい。位置センサー群は、各機構によって移動する第1ステージ321、第2ステージ322、第3ステージ323等の位置を測定する。位置センサー群は、第1ステージ321、第2ステージ322、第3ステージ323等の位置を測定することによって、ヘッドユニット400の位置、及び姿勢をロボット制御装置800に判別させる。
【0054】
ヘッドユニット400は、ロボット制御装置800の制御によって、インクをインクノズル411から吐出する。ヘッドユニット400は、ロボット制御装置800から印刷データを受信する。ヘッドユニット400は、印刷データに基づいて、インクをインクノズル411から吐出する。ヘッドユニット400は、インクを吐出することによって、対象物Qの対象面Q1に画像を印刷する。
【0055】
ロボット制御装置800は、制御データを送信することによって多関節ロボット200を駆動させる。ロボット制御装置800は撮像データ等の測定データに基づいて多関節ロボット200の駆動を調整する。ロボット制御装置800は、制御ユニット810と、メモリー820と、通信インターフェイス830と、を備える。
【0056】
制御ユニット810は、多関節ロボット200の動作を制御する制御コントローラーである。制御ユニット810は、一例として、CPU(Central Processing Unit)を有するプロセッサーである。制御ユニット810は、1又は複数のプロセッサーで構成される。制御ユニット810は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、制御ユニット810のワークエリアとして機能する。制御ユニット810は、メモリー820に記憶される制御プログラムCPを実行することによって、算出部811、駆動制御部813、及び印刷制御部815として機能する。
【0057】
算出部811は、制御ユニット810で動作する機能部である。算出部811は、ロボットアーム220の移動軌跡、及び移動ステージ300の動作軌跡を算出する。ロボットアーム220の移動軌跡は、ロボットアーム220の動作によって移動する移動ステージ300の移動経路を示す。移動ステージ300の動作軌跡は、移動ステージ300のステージ320等の動作によって変動するヘッドユニット400の位置及び姿勢を含む動作経路を示す。算出部811は、対象物Qの形状、固定位置に基づいて移動軌跡、及び動作軌跡を算出する。
【0058】
算出部811は、外部装置から対象物Qの形状データを取得する。対象物Qの形状データは、一例として、対象物Qの3次元CAD(Computer Aided Design)設計データ、3次元測定データである。3次元測定データは、3次元計測器によって予め測定された対象物Qの形状測定データである。算出部811は、カメラ900で対象物Qを撮像することによって生成された撮像データに基づいて対象物Qの形状測定データを生成してもよい。算出部811は、形状測定データを生成することによって、形状測定データを取得する。
【0059】
算出部811は、取得した形状測定データ等を用いて、対象面Q1内の印刷領域Rを決定する。算出部811は、対象面Q1を1つ以上の領域に分割し、分割された領域を印刷領域Rとして決定する。
【0060】
図5は、対象面Q1上の印刷領域Rを示している。図5は、対象物Qが直方体である場合を示している。図5は、対象面Q1を4つの印刷領域Rに分割したときの概略構成を示している。図5に示す印刷領域Rは、仮想的な構成である。図5は、複数の印刷領域Rとして、第1印刷領域R1、第2印刷領域R2、第3印刷領域R3、及び第4印刷領域R4を示している。図5に示す4つの印刷領域Rは、同じ面積で示しているが、これに限定されない。複数の印刷領域Rは、異なる面積、形状に分割されてもよい。
【0061】
印刷領域Rは、対象物Qの形状測定データと移動ステージ300によるヘッドユニット400の稼働範囲によって算出される。算出部811は、複数の印刷領域Rと対向する位置に移動ステージ300をロボットアーム220によって移動させるときの移動軌跡を算出する。算出部811は、複数の印刷領域Rの内の1つの印刷領域Rを印刷するときのヘッドユニット400の経路及びヘッドユニット400の姿勢変動を動作軌跡として算出する。算出部811は、算出した移動軌跡、及び動作軌跡を駆動制御部813に出力する。
【0062】
図4に示す駆動制御部813は、制御ユニット810で動作する機能部である。駆動制御部813は、ロボットアーム220、及び移動ステージ300の駆動を制御する。駆動制御部813は、算出部811から出力された移動軌跡、及び動作軌跡を入力する。駆動制御部813は、移動軌跡に基づいてロボットアーム220の駆動を制御する。駆動制御部813は、動作軌跡に基づいて移動ステージ300の駆動を制御する。
【0063】
駆動制御部813は、移動軌跡に基づいて関節モーター群MGを制御することによって、各アーム部材を移動させる。駆動制御部813は、各アーム部材を移動させることによって、移動ステージ300を所定の印刷領域Rと対向する位置に移動させる。駆動制御部813は、所定の印刷領域Rと対向する位置に移動ステージ300を移動したとき、移動ステージ300を所定の印刷領域Rと対向する位置に停止させる。印刷領域Rと対向する位置は、所定の位置の一例に対応する。
【0064】
駆動制御部813は、動作軌跡に基づいて移動ステージ300を制御することによって、ヘッドユニット400を移動させる。駆動制御部813は、移動ステージ300がロボットアーム220によって印刷領域Rと対向する位置に停止した状態で、移動ステージ300を駆動させる。駆動制御部813は、動作軌跡に基づいて各圧電アクチュエーターを動作させる。
【0065】
駆動制御部813は、第1圧電アクチュエーター341を動作させることによって、第1ステージ321を回転させる。駆動制御部813は、第1ステージ321を回転させることによってヘッドユニット400をZ軸と平行な軸を中心に回動させる。
【0066】
駆動制御部813は、第2圧電アクチュエーター342を動作させることによって、第2ステージ322を移動させる。駆動制御部813は、第2ステージ322を移動させることによってヘッドユニット400をY軸に沿って移動させる。
【0067】
駆動制御部813は、第3圧電アクチュエーター343を動作させることによって、第3ステージ323を移動させる。駆動制御部813は、第3ステージ323を移動させることによってヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる。ヘッドユニット400は、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動する。
【0068】
駆動制御部813は、ヘッド回動機構350を駆動させることによってヘッドユニット400を回動させる。駆動制御部813は、図3に示す第1移動ステージ300Aの第1ヘッド回動機構350Aを駆動させることによって、ヘッドユニット400を第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。第1移動ステージ300Aの第1ヘッド回動機構350Aは、第1仮想軸VA1を回動中心に回動する。
【0069】
駆動制御部813は、スライド機構360のスライドアクチュエーター361を動作させることによって、ステージ320を移動させる。駆動制御部813は、スライド機構360を動作させることによってヘッドユニット400をZ軸と平行な軸に沿って移動させる。
【0070】
駆動制御部813は、第2ステージ322、第3ステージ323、及びスライド機構360を制御することによって、ヘッドユニット400の対象物Qに対する位置を変動させる。駆動制御部813は、ヘッド回動機構350を駆動させることによって、ヘッドユニット400の対象物Qに対する姿勢を変動させる。ヘッドユニット400は、ヘッド回動機構350の駆動によって対象物Qに対して傾斜する。
【0071】
印刷制御部815は、制御ユニット810で動作する機能部である。印刷制御部815は、印刷データに基づいてヘッドユニット400を制御する。印刷制御部815は、インクノズル411からインクを吐出させることによって、ヘッドユニット400に印刷を実行させる。印刷制御部815は、印刷データを取得する。印刷制御部815は、通信インターフェイス830を介して外部装置から送信された印刷データを受信する。
【0072】
印刷制御部815は、駆動制御部813によって印刷領域Rと対向する位置に移動ステージ300が停止しているときに、ヘッドユニット400に印刷を実行させる。印刷制御部815は、X軸に沿ってヘッドユニット400が移動するときに、インクを吐出させる。
【0073】
メモリー820は、各種データを記憶する。メモリー820は、外部装置から送信された印刷データ、対象物Qの形状測定データ、撮像データ等を記憶する。メモリー820は、制御ユニット810で動作する制御プログラムCPを記憶する。メモリー820は、ROMやRAM等で構成される。メモリー820は、記憶部の一例に対応する。
【0074】
制御プログラムCPは、制御ユニット810で実行されることによって、各種機能部を動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット810を算出部811、駆動制御部813、及び印刷制御部815として動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット810を算出部811、駆動制御部813、及び印刷制御部815と異なる機能部として動作させてもよい。
【0075】
通信インターフェイス830は、外部装置と通信接続する。通信インターフェイス830は、外部装置から印刷データ、対象物Qの形状測定データ等を受信する。通信インターフェイス830は、外部装置と所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。通信インターフェイス830は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ、インターフェイス回路を備える。
【0076】
図6は、印刷処理時のフローチャートを示している。図6は、印刷ロボットシステム100の動作を示している。図6は、算出部811が移動軌跡、及び動作軌跡を算出したのちの動作を示している。
【0077】
ロボット制御装置800は、ステップS101で、移動ステージ300を移動させる。多関節ロボット200の移動ステージ300は、ステップS101で所定の印刷領域Rと対向する位置に移動する。移動ステージ300は、一例として第1印刷領域R1と対向する位置に移動する。ロボット制御装置800の駆動制御部813は、移動軌跡に基づいて、移動ステージ300を第1印刷領域R1と対向する位置に移動させる。多関節ロボット200のロボットアーム220は、移動ステージ300を第1印刷領域R1と対向する位置に移動させる。移動ステージ300が移動する位置は、第1印刷領域R1と対向する位置に限定されない。移動ステージ300は、第2印刷領域R2と対向する位置に移動してもよい。以下のステップは、第1印刷領域R1に移動した場合を示している。
【0078】
ロボット制御装置800は、移動ステージ300が第1印刷領域R1と対向する位置に移動したのち、ステップS103で、第1印刷領域R1と対向する位置にロボットアーム220を停止させる。ロボット制御装置800は、ロボットアーム220を停止させることによって、移動ステージ300を停止させる。多関節ロボット200の移動ステージ300は、ステップS103で、第1印刷領域R1と対向する位置で停止する。駆動制御部813は、移動ステージ300を第1印刷領域R1と対向する位置に停止させる。ロボットアーム220は、移動ステージ300を第1印刷領域R1と対向する位置に停止させる。
【0079】
ロボット制御装置800は、移動ステージ300を停止させたのち、ステップS105で、印刷を実行させる。駆動制御部813は、動作軌跡に基づいて移動ステージ300を駆動させる。駆動制御部813は、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。駆動制御部813は、X軸に沿ってヘッドユニット400が移動するときにインクを吐出させる。駆動制御部813は、ヘッドユニット400にインクを吐出させることによって、印刷を実行させる。
【0080】
多関節ロボット200のヘッドユニット400は、ステップS105で、印刷を実行する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。ヘッドユニット400は、X軸に沿ってインクを吐出したのち、Y軸に沿って移動する。Y軸に沿って移動するとき、ヘッドユニット400は、インクを吐出しない。ヘッドユニット400は、Y軸に沿って移動したのち、X軸に沿って移動する。X軸に沿って移動するときにヘッドユニット400はインクを吐出する。ヘッドユニット400は、X軸に沿ってインクを吐出する動作とY軸に沿った移動を繰り返し、第1印刷領域R1の印刷を実行する。
【0081】
駆動制御部813は、X軸に沿ってヘッドユニット400が移動するとき、ヘッド回動機構350を駆動させる。駆動制御部813は、ヘッド回動機構350を駆動させることによって、ヘッドユニット400を回動させる。第1移動ステージ300Aは、第1ヘッド回動機構350Aによって、第1仮想軸VA1を回動中心にヘッドユニット400を回動させる。駆動制御部813は、対象物Qの形状に対応してヘッドユニット400の姿勢を変動させる。駆動制御部813は、動作軌跡に基づいてヘッドユニット400の姿勢を変動させる。駆動制御部813は、X軸に沿って移動するヘッドユニット400の吐出面400aが対象面Q1に対して平行、もしくは略平行となる方向へヘッドユニット400を傾斜させる。
【0082】
ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにヘッド回動機構350によって回動する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。第1移動ステージ300Aに支持されるヘッドユニット400は、第1ヘッド回動機構350Aによって、第1仮想軸VA1を回動中心に回動する。ヘッドユニット400の吐出面400aは、対象面Q1に対して平行、もしくは略平行となる方向へ傾斜する。
【0083】
ヘッド回動機構350は、第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させてもよい。ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するとき、ヘッド回動機構350は、第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。ヘッド回動機構350は、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させてもよい。ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するとき、ヘッド回動機構350は、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2の少なくとも一方を回動中心に回動させる。
【0084】
ロボット制御装置800は、印刷を実行したのち、ステップS107でヘッドユニット400を停止させる。多関節ロボット200の移動ステージ300によるヘッドユニット400の移動は、ステップS107で停止する。駆動制御部813は、第1印刷領域R1の印刷が終了したとき、ヘッドユニット400によるインクの吐出を停止させる。駆動制御部813は、インクの吐出を停止させ、移動ステージ300によるヘッドユニット400の移動を停止させる。駆動制御部813は、ヘッドユニット400を所定の待機位置に移動させたのち、停止させてもよい。ヘッドユニット400は、第1印刷領域R1の印刷が終了したとき、停止する。
【0085】
ロボット制御装置800は、ヘッドユニット400を停止させたのち、ステップS109で、全ての印刷領域Rの印刷が終了したか否かを判別する。ロボット制御装置800は、全ての印刷領域Rの印刷が終了したと判別したとき、印刷処理を終了する(ステップS109:YES)。ロボット制御装置800は、全ての印刷領域Rの印刷が終了していないと判別したとき、ステップS101に戻る(ステップS109:NO)。ロボット制御装置800は、ステップS101で印刷がされていない印刷領域Rと対向する位置に移動ステージ300を移動させる。ロボット制御装置800は、一例として、第1印刷領域R1と異なる第2印刷領域R2と対向する位置に移動ステージ300を移動させる。ロボット制御装置800は、ステップS101からステップS109を繰り返し実行する。
【0086】
多関節ロボット200の印刷方法は、ロボットアーム220の駆動によって、ロボットアーム220に支持された移動ステージ300を移動し、ロボットアーム220によって移動ステージ300を所定の位置に停止し、移動ステージ300が停止したのち、移動ステージ300に支持されるヘッドユニット400を移動ステージ300に配置された第3圧電アクチュエーター343の駆動によってX軸に沿って移動するときにインクを吐出し、ヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343の駆動によってX軸に沿って移動するときに、ヘッドユニット400をX軸に沿った第2仮想軸VA2及びX軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1の内の少なくとも一方を回動中心に回動する。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに移動ステージ300によって移動し、印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、ヘッドユニット400は、印刷を行うことができる。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aの向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【0087】
第1実施形態
第1実施形態は、移動ステージ300の一例である第1移動ステージ300Aを備える印刷ロボットシステム100の構成と動作を示している。図7、および図8は、第1移動ステージ300Aの状態を模式的に示している。第1移動ステージ300Aは、第6アーム226を含むロボットアーム220によって支持される。第1移動ステージ300A、及びヘッドユニット400は、ロボット制御装置800の制御によって駆動する。
【0088】
図7は、ヘッドユニット400が第1位置P1に位置するときの第1移動ステージ300Aを示している。図7は、+Y方向から第1移動ステージ300Aをみた図を示している。+Y方向は、Y軸に沿った一方から他方への方向を示している。第1移動ステージ300Aは、ヘッドユニット400を支持する。図7は、固定部材700と対象物Qとを示している。
【0089】
図7に示す対象物Qは、+Y方向から見たとき楕円形状を示す構造物である。対象物Qの対象面Q1は、ヘッドユニット400と対向する。対象面Q1は、多関節ロボット200によって印刷される。第1位置P1での対象面Q1は、ヘッドユニット400の吐出面400aと略平行な面である。第1位置P1に対してX軸の一方、及び他方に向かって対象面Q1は、第1位置P1の吐出面400aに対して傾斜している。
【0090】
固定部材700は、対象物Qを支持する。固定部材700は、対象面Q1が吐出面400aと対向する姿勢で対象物Qを支持する。固定部材700は、多関節ロボット200が対象物Qを印刷するときに移動不能に対象物Qを固定する。
【0091】
第1位置P1に位置するヘッドユニット400の吐出面400aは、対象面Q1に対して略平行になっている。このとき、第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ回動部材322Bを第2ステージ支持部材322Aに対して回動させない。ヘッドユニット400は、対象面Q1に対して、垂直、もしくは略垂直にインクを吐出することができる。
【0092】
図8は、ヘッドユニット400が第2位置P2に位置するときの第1移動ステージ300Aを示している。図8は、+Y方向から第1移動ステージ300Aをみた図を示している。第3ステージ323は、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第3ステージ323は、第1位置P1から第2位置P2へヘッドユニット400を移動させる。第1位置P1から第2位置P2までの対象面Q1は、ヘッドユニット400よって印刷される。図8は、ヘッドユニット400が第3ステージ323のスライド移動によって第2位置P2に移動したときの状態を示している。
【0093】
第2位置P2の対象面Q1は、第1位置P1の対象面Q1に対して傾斜している。第1移動ステージ300Aは、第2位置P2の対象面Q1の傾斜に対応してヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ支持部材322Aに対して第2ステージ回動部材322Bを第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。第2位置P2のヘッドユニット400の吐出面400aは、第1位置P1のヘッドユニット400の吐出面400aに対して傾斜する。第1ヘッド回動機構350Aが吐出面400aを傾斜させることによって、第2位置P2の吐出面400aは、第2位置P2の対象面Q1に対して平行、もしくは略平行な向きに変位する。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400を第1仮想軸VA1を回動中心に回動させることによって、対象面Q1に対する吐出面400aの向きを略一定に調整することができる。吐出面400aの向きが対象面Q1に対して調整されることによって、画質の低下が抑制される。
【0094】
ヘッドユニット400は、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときにヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、対象面Q1の形状に対応させてヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400がインクを吐出する位置の対象面Q1に対して吐出面400aが平行、もしくは略平行となる向きにヘッドユニット400を回動させる。ヘッドユニット400がインクを吐出するときに第1ヘッド回動機構350Aが対象面Q1に対する吐出面400aの向きを調整することによって、画質の低下が抑制される。
【0095】
多関節ロボット200は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及びヘッドユニット400を回動させる第1ヘッド回動機構350Aを有し、ヘッドユニット400を支持する第1移動ステージ300Aと、第1移動ステージ300Aを支持し、第1移動ステージ300Aを移動させるロボットアーム220と、を備え、第1ヘッド回動機構350Aは、X軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1を回動中心にヘッドユニット400を回動させ、ロボットアーム220によって第1移動ステージ300Aが停止してヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、インクを吐出する。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに第1移動ステージ300Aによって移動し、印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、ヘッドユニット400は、印刷を行うことができる。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aの向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【0096】
第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、ヘッドユニットを第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。
ヘッドユニット400が第1仮想軸VA1を回動中心に回動することによって、X軸に沿った対象面Q1の凹凸に対応することが可能となる。
【0097】
第2実施形態
第2実施形態は、移動ステージ300の一例である第2移動ステージ300Bを備える印刷ロボットシステム100の構成と動作を示している。図9、および図10は、第2移動ステージ300Bの状態を模式的に示している。図9、及び図10は、Y-Z断面を示している。図9図10は、X軸上の異なる位置のY-Z断面を示している。第2移動ステージ300Bは、第6アーム226を含むロボットアーム220によって支持される。また、第2実施形態は、スライド機構360によってヘッドユニット400がZ軸に沿って移動する場合を示している。第2移動ステージ300B、及びヘッドユニット400は、ロボット制御装置800の制御によって駆動する。
【0098】
第2移動ステージ300Bの第2ステージ322の構成は、第1移動ステージ300Aの第2ステージ322の構成と異なる。第2移動ステージ300Bの第2ステージ322は、1つの部材で構成される。
【0099】
第2移動ステージ300Bの第3ステージ323の構成は、第1移動ステージ300Aの第3ステージ323の構成と異なる。第2移動ステージ300Bの第3ステージ323は、第3ステージ支持部材323Aと第3ステージ回動部材323Bの2つで構成される。
【0100】
第3ステージ支持部材323Aは、第2ステージ322に支持される。第3ステージ支持部材323Aは、凹形状の第3ステージ支持凹部323Rを有する。第3ステージ支持凹部323Rは、第3ステージ回動部材323Bと対向する。
【0101】
第3ステージ回動部材323Bは、ヘッドユニット400を支持する。第3ステージ回動部材323Bは、第3ステージ支持凹部323Rに対向する第3ステージ回動凸部323Cを有する。第3ステージ回動凸部323Cの形状は、凹形状の第3ステージ支持凹部323Rの形状に対応する。第3ステージ回動部材323Bは、第3ステージ支持凹部323Rに沿って回動する。
【0102】
ヘッド回動機構350の一例である第2ヘッド回動機構350Bは、第3ステージ支持部材323Aに配置される。第2ヘッド回動機構350Bは、第3ステージ支持部材323Aに対して第3ステージ回動部材323Bを回動させる。第2ヘッド回動機構350Bは、仮想軸である第2仮想軸VA2を回動中心に第3ステージ回動部材323Bを回動させる。第2ヘッド回動機構350Bは、第3ステージ回動部材323Bを回動させることによって、ヘッドユニット400を第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。第2仮想軸VA2は、X軸に沿った軸である。第2仮想軸VA2は、第1回動軸の一例に対応する。
【0103】
第2ステージ322、第3ステージ323、及び第2ヘッド回動機構350Bを除き、第2移動ステージ300Bの構成は、第1移動ステージ300Aの構成と同じである。
【0104】
図9は、ヘッドユニット400がX軸上の第1主走査位置に位置するときの第2移動ステージ300Bの断面を示している。X軸上の第1主走査位置は、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときの任意の点である。図9は、第2移動ステージ300Bの第1主走査位置でのY-Z断面を示している。-X方向は、X軸に沿った一方から他方への方向を示している。第2移動ステージ300Bは、ヘッドユニット400を支持する。図9は、固定部材700と対象物Qとを示している。
【0105】
図9に示す対象物Qは、-X方向から見たときにX軸上の第1主走査位置で第1断面CS1となる構造物である。対象物Qの対象面Q1は、ヘッドユニット400と対向する。対象面Q1が多関節ロボット200によって印刷される。第1断面CS1のヘッドユニット400と対向する部分は、ヘッドユニット400の吐出面400aに対して略平行である。
【0106】
固定部材700は、対象物Qを支持する。固定部材700は、対象面Q1が吐出面400aと対向する姿勢で対象物Qを支持する。固定部材700は、多関節ロボット200が対象物Qを印刷するときに移動不能に対象物Qを固定する。
【0107】
第1主走査位置に位置するヘッドユニット400の吐出面400aは、対象面Q1に対して略平行になっている。このとき、第2ヘッド回動機構350Bは、第3ステージ回動部材323Bを第3ステージ支持部材323Aに対して回動させない。ヘッドユニット400は、対象面Q1に対して、垂直、もしくは略垂直にインクを吐出することができる。
【0108】
スライド機構360は、基部310と第1ステージ321との間の距離を第1距離D1に設定する。スライド機構360が、第1距離D1に設定したとき、第1主走査位置でのヘッドユニット400の吐出面400aと対象面Q1の間の間隔は、第1ギャップG1となる。
【0109】
図10は、ヘッドユニット400がX軸上の第2主走査位置に位置するときの第2移動ステージ300Bを示している。X軸上の第2主走査位置は、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときの第1主走査位置と異なる位置である。図10は、第2移動ステージ300Bの第2主走査位置でのY-Z断面を示している。第3ステージ323は、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第3ステージ323は、第1主走査位置から第2主走査位置へヘッドユニット400を移動させる。第1主走査位置から第2主走査位置までの対象面Q1は、ヘッドユニット400よって印刷される。ヘッドユニット400が第1主走査位置から第2主走査位置に移動するとき、ロボットアーム220は停止している。ヘッドユニット400が第1主走査位置から第2主走査位置に移動するとき、第2ステージ322は、ヘッドユニット400をY軸に沿って移動させない。図10は、ヘッドユニット400が第3ステージ323のスライド移動によって第2主走査位置に移動したときの状態を示している。
【0110】
図10は、第2主走査位置での対象物Qの第2断面CS2を示している。第2主走査位置の対象面Q1のヘッドユニット400と対向する部分は、X-Y平面に対して傾斜している。第2移動ステージ300Bは、第2主走査位置の対象面Q1の傾斜に対応してヘッドユニット400を回動させる。第2ヘッド回動機構350Bは、第3ステージ支持部材323Aに対して第3ステージ回動部材323Bを第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。第2主走査位置のヘッドユニット400の吐出面400aは、X-Y平面に対して傾斜する。第2ヘッド回動機構350Bが吐出面400aを傾斜させることによって、第2主走査位置の吐出面400aは、第2主走査位置の対象面Q1に対して平行、もしくは略平行な向きに変位する。第2ヘッド回動機構350Bは、ヘッドユニット400を第2仮想軸VA2を回動中心に回動させることによって、対象面Q1に対する吐出面400aの向きを略一定に調整することができる。吐出面400aの向きが対象面Q1に対して調整されることによって、画質の低下が抑制される。
【0111】
ヘッドユニット400は、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。第2ヘッド回動機構350Bは、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときにヘッドユニット400を回動させる。第2ヘッド回動機構350Bは、対象面Q1の形状に対応させてヘッドユニット400を回動させる。第2ヘッド回動機構350Bは、ヘッドユニット400がインクを吐出する位置の対象面Q1に対して吐出面400aが平行、もしくは略平行となる向きにヘッドユニット400を回動させる。ヘッドユニット400がインクを吐出するときに第2ヘッド回動機構350Bが対象面Q1に対する吐出面400aの向きを調整することによって、画質の低下が抑制される。
【0112】
スライド機構360は、Z軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第2主走査位置にヘッドユニット400が位置するとき、対象面Q1の第2主走査位置での形状によって吐出面400aと対象面Q1との間隔が変動する場合がある。スライド機構360は、Z軸に沿ってヘッドユニット400を移動させることによって、吐出面400aと対象面Q1との間の間隔を調整する。
【0113】
ヘッドユニット400が第2主走査位置に位置するとき、スライド機構360は、第2距離D2に設定される。スライド機構360が第2距離D2に設定されると、第2主走査位置での吐出面400aと対象面Q1との間の間隔である第2ギャップG2は、第1ギャップG1と等しいか、略等しい距離に調整される。スライド機構360は、吐出面400aと対象面Q1との間隔を所定の範囲内に調整する。
【0114】
多関節ロボット200は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及びヘッドユニット400を回動させる第2ヘッド回動機構350Bを有し、ヘッドユニット400を支持する第2移動ステージ300Bと、第2移動ステージ300Bを支持し、第2移動ステージ300Bを移動させるロボットアーム220と、を備える。第2ヘッド回動機構350Bは、X軸に沿った第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させ、ロボットアーム220によって第2移動ステージ300Bが停止してヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、インクを吐出する。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに第2移動ステージ300Bによって移動し、印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、ヘッドユニット400は、印刷を行うことができる。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aの向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【0115】
第2ヘッド回動機構350Bは、ヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、ヘッドユニット400を第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。
ヘッドユニット400が第2仮想軸VA2を回動中心に回動することによって、Y軸に沿った対象物Qの凹凸に対応することが可能となる。
【0116】
第3実施形態
第3実施形態は、移動ステージ300の一例である第3移動ステージ300Cを備える印刷ロボットシステム100の構成と動作を示している。図11、および図12は、第3移動ステージ300Cの状態を模式的に示している。第3移動ステージ300Cは、第6アーム226を含むロボットアーム220によって支持される。図11、および図12は、+Y方向からみた第3移動ステージ300Cを示している。図13、および図14は、第3移動ステージ300Cの状態を模式的に示している。図13図14は、X軸上の異なる位置のY-Z断面を示している。第3移動ステージ300C、及びヘッドユニット400は、ロボット制御装置800の制御によって駆動する。
【0117】
第3移動ステージ300Cは、第3ヘッド回動機構350Cを備える。第3移動ステージ300Cは、第3ヘッド回動機構350Cを備える以外、第1移動ステージ300Aと同じ構成である。第3移動ステージ300Cは、第6アーム226を含むロボットアーム220に支持される。
【0118】
第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッドユニット400を回動させる。第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッド回動機構350の一例である。第3ヘッド回動機構350Cは、第3ステージ323に支持される。第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッド支持部材351と、第4圧電アクチュエーター353とを備える。
【0119】
ヘッド支持部材351は、ヘッドユニット400を支持する。ヘッド支持部材351は、回動可能に第3ステージ323に支持される。ヘッド支持部材351は、回動することによってヘッドユニット400を回動させる。ヘッド支持部材351は、仮想軸である第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させる。第2仮想軸VA2は、X軸に沿った軸である。ヘッド支持部材351は、第2仮想軸VA2を中心とする円筒形状の部材である。
【0120】
第4圧電アクチュエーター353は、ヘッド支持部材351を回動させる。第4圧電アクチュエーター353は、第3ステージ323に支持される。第4圧電アクチュエーター353は、振動によってヘッド支持部材351を回動させる。第4圧電アクチュエーター353は、ヘッド支持部材351の周面に接触し、振動をヘッド支持部材351に伝達することによってヘッド支持部材351を回動させる。
【0121】
図11は、ヘッドユニット400が第3位置P3に位置するときの第3移動ステージ300Cを示している。図11は、+Y方向から第3移動ステージ300Cをみた図を示している。第3移動ステージ300Cは、ヘッドユニット400を支持する。図11は、固定部材700と対象物Qとを示している。
【0122】
図11に示す対象物Qは、+Y方向から見たときに楕円形状を示す構造物である。対象物Qの対象面Q1は、ヘッドユニット400と対向する。対象面Q1が多関節ロボット200によって印刷される。第3位置P3での対象面Q1は、ヘッドユニット400の吐出面400aと略平行な面である。第3位置P3に対してX軸の一方、及び他方に向かって対象面Q1は、第3位置P3の吐出面400aに対して傾斜している。
【0123】
固定部材700は、対象物Qを支持する。固定部材700は、対象面Q1が吐出面400aと対向する姿勢で対象物Qを支持する。固定部材700は、多関節ロボット200が対象物Qを印刷するときに移動不能に対象物Qを固定する。
【0124】
第3位置P3に位置するヘッドユニット400の吐出面400aは、対象面Q1に対して略平行になっている。このとき、第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ回動部材322Bを第2ステージ支持部材322Aに対して回動させない。ヘッドユニット400は、対象面Q1に対して、垂直、もしくは略垂直にインクを吐出することができる。
【0125】
図12は、ヘッドユニット400が第4位置P4に位置するときの第3移動ステージ300Cを示している。図12は、+Y方向から第3移動ステージ300Cをみた図を示している。第3ステージ323は、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第3ステージ323は、第3位置P3から第4位置P4へヘッドユニット400を移動させる。第3位置P3から第4位置P4までの対象面Q1は、ヘッドユニット400よって印刷される。図12は、ヘッドユニット400が第3ステージ323のスライド移動によって第4位置P4に移動したときの状態を示している。
【0126】
第4位置P4の対象面Q1は、第3位置P3の対象面Q1に対して傾斜している。第3移動ステージ300Cは、第4位置P4の対象面Q1の傾斜に対応してヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、第2ステージ支持部材322Aに対して第2ステージ回動部材322Bを第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。第4位置P4のヘッドユニット400の吐出面400aは、第3位置P3のヘッドユニット400の吐出面400aに対して傾斜する。第1ヘッド回動機構350Aが吐出面400aを傾斜させることによって、第4位置P4の吐出面400aは、第4位置P4の対象面Q1に対して略平行な向きに変位する。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400を第1仮想軸VA1を回動中心に回動させることによって、対象面Q1に対する吐出面400aの向きを略一定に調整することができる。吐出面400aの向きが対象面Q1に対して調整されることによって、画質の低下が抑制される。
【0127】
ヘッドユニット400は、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときにヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、対象面Q1の形状に対応させてヘッドユニット400を回動させる。第1ヘッド回動機構350Aは、ヘッドユニット400がインクを吐出する位置の対象面Q1に対して吐出面400aが平行、もしくは略平行となる向きにヘッドユニット400を回動させる。ヘッドユニット400がインクを吐出するときに第1ヘッド回動機構350Aが対象面Q1に対する吐出面400aの向きを調整することによって、画質の低下が抑制される。
【0128】
図13は、ヘッドユニット400がX軸上の第3主走査位置に位置するときの第3移動ステージ300Cの断面を示している。X軸上の第3主走査位置は、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときの任意の点である。図13は、第3移動ステージ300Cの第3主走査位置でのY-Z断面を示している。図13は、固定部材700と対象物Qとを示している。
【0129】
図13に示す対象物Qは、X軸上の第3主走査位置で第3断面CS3となる構造物である。対象物Qの対象面Q1は、ヘッドユニット400と対向する。対象面Q1は、多関節ロボット200によって印刷される。第3断面CS3のヘッドユニット400と対向する部分は、ヘッドユニット400の吐出面400aに対して略平行である。
【0130】
第3主走査位置に位置するヘッドユニット400の吐出面400aは、対象面Q1に対して略平行になっている。このとき、第4圧電アクチュエーター353は、ヘッド支持部材351を回動させない。ヘッドユニット400は、対象面Q1に対して、垂直、もしくは略垂直にインクを吐出することができる。
【0131】
図14は、ヘッドユニット400がX軸上の第4主走査位置に位置するときの第3移動ステージ300Cを示している。X軸上の第4主走査位置は、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときの第3主走査位置と異なる点である。図14は、第3移動ステージ300Cの第4主走査位置でのY-Z断面を示している。第3ステージ323は、X軸に沿ってヘッドユニット400を移動させる。第3ステージ323は、第3主走査位置から第4主走査位置へヘッドユニット400を移動させる。第3主走査位置から第4主走査位置までの対象面Q1は、ヘッドユニット400よって印刷される。ヘッドユニット400が第3主走査位置から第4主走査位置に移動するとき、ロボットアーム220は停止している。ヘッドユニット400が第3主走査位置から第4主走査位置に移動するとき、第2ステージ322は、ヘッドユニット400をY軸に沿って移動させない。図14は、ヘッドユニット400が第3ステージ323のスライド移動によって第4主走査位置に移動したときの状態を示している。
【0132】
図14は、第4主走査位置での対象物Qの第4断面CS4を示している。第4主走査位置の対象面Q1のヘッドユニット400と対向する部分は、X-Y平面に対して傾斜している。第3移動ステージ300Cは、第4主走査位置の対象面Q1の傾斜に対応してヘッドユニット400を回動させる。第3ヘッド回動機構350Cは、第3ステージ323に対してヘッド支持部材351を第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。第4主走査位置のヘッドユニット400の吐出面400aは、X-Y平面に対して傾斜する。第3ヘッド回動機構350Cが吐出面400aを傾斜させることによって、第4主走査位置の吐出面400aは、第4主走査位置の対象面Q1に対して略平行な向きに変位する。第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッドユニット400を第2仮想軸VA2を回動中心に回動させることによって、対象面Q1に対する吐出面400aの向きを略一定に調整することができる。吐出面400aの向きが対象面Q1に対して調整されることによって、画質の低下が抑制される。
【0133】
ヘッドユニット400は、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動する。ヘッドユニット400は、X軸に沿って移動するときにインクを吐出する。第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッドユニット400がX軸に沿って移動するときにヘッドユニット400を回動させる。第3ヘッド回動機構350Cは、対象面Q1の形状に対応させてヘッドユニット400を回動させる。第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッドユニット400がインクを吐出する位置の対象面Q1に対して吐出面400aが平行、もしくは略平行となる向きにヘッドユニット400を回動させる。ヘッドユニット400がインクを吐出するときに第3ヘッド回動機構350Cが対象面Q1に対する吐出面400aの向きを調整することによって、画質の低下が抑制される。
【0134】
第3移動ステージ300Cは、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2の内の少なくとも一方を回動中心にヘッドユニット400を回動させる。第3移動ステージ300Cは、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させることが好ましい。第3移動ステージ300Cが、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を回動中心にヘッドユニット400を回動させることによって、対象物Qの形状に対応し易くなる。
【0135】
多関節ロボット200は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及びヘッドユニット400を回動させる第3ヘッド回動機構350Cを有し、ヘッドユニット400を支持する第3移動ステージ300Cと、第3移動ステージ300Cを支持し、第3移動ステージ300Cを移動させるロボットアーム220と、を備える。第3ヘッド回動機構350Cは、X軸に沿った第2仮想軸VA2及びX軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1のうちの少なくとも一方を回動中心にヘッドユニット400を回動させ、ロボットアーム220によって第3移動ステージ300Cが停止してヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、インクを吐出する。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに第3移動ステージ300Cによって移動し、印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、ヘッドユニット400は、印刷を行うことができる。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aの向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【0136】
第3ヘッド回動機構350Cは、ヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、ヘッドユニット400を第1仮想軸VA1、及び第2仮想軸VA2を回動中心に回動させる。
ヘッドユニット400が第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2を中心に回動することによって、X軸及びY軸に沿った対象面Q1の凹凸に対応することが可能となる。
【0137】
印刷ロボットシステム100は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400をX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及びヘッドユニット400を回動させる第3ヘッド回動機構350Cを有してヘッドユニット400を支持する第3移動ステージ300Cと、第3移動ステージ300Cを支持して第3移動ステージ300Cを移動させるロボットアーム220と、ヘッドユニット400にインクを吐出させるロボット制御装置800と、を備える。第3ヘッド回動機構350Cは、X軸に沿った第2仮想軸VA2及びX軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1のうちの少なくとも一方を回動中心にヘッドユニット400を回動させる。ロボット制御装置800は、ロボットアーム220に第3移動ステージ300Cを停止させ、ヘッドユニット400が第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときにインクを吐出させる。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに第3移動ステージ300Cによって移動し、印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、ヘッドユニット400は、印刷を行うことができる。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aの向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【0138】
第4実施形態
第4実施形態は、移動ステージ300の一例である第4移動ステージ300Dを備える印刷ロボットシステム100の構成と動作を示している。図15は、第4移動ステージ300Dの状態を模式的に示している。第4移動ステージ300Dは、第6アーム226を含むロボットアーム220によって支持される。第4移動ステージ300D、及びヘッドユニット400は、ロボット制御装置800の制御によって駆動する。
【0139】
第4移動ステージ300Dは、対象物Qを保持する。対象物Qは、ロボットアーム220の駆動によって、ヘッドユニット400と対向する位置に移動される。第4移動ステージ300Dは、対象物Qの対象面Q1がヘッドユニット400と対向する姿勢で対象物Qを保持する。
【0140】
第4移動ステージ300Dは、保持部材325を備える。保持部材325は、対象物Qを保持する。保持部材325は、第3ステージ323に支持される。第3ステージ323は、第3圧電アクチュエーター343によって駆動することによって、対象物Qを移動させる。第4移動ステージ300Dは、ロボットアーム220が停止しているときに、対象物Qを第3ステージ323によって移動させる。
【0141】
図15に示す第4移動ステージ300Dの構成は、保持部材325を除き、第1移動ステージ300Aの構成と同じである。第4移動ステージ300Dの構成は、第2移動ステージ300Bもしくは第3移動ステージ300Cの構成と同じでもよい。図15に示す第4移動ステージ300Dは、第1仮想軸VA1を回動中心に対象物Qを回動させる。第4移動ステージ300Dは、第1仮想軸VA1及び第2仮想軸VA2のうちの少なくとも一方を回動中心に対象物Qを回動させてもよい。第4移動ステージ300Dは、第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときに、対象物Qを回動させる。
【0142】
ヘッドユニット400は、ヘッド固定部材750によって固定される。ヘッド固定部材750は、多関節ロボット200を囲う筐体でもよいし、筐体に設けられる部材でもよい。ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止したときに、対象物Qの対象面Q1にインクを吐出する。ヘッドユニット400は、インクを対象面Q1に吐出することによって、対象面Q1を印刷する。
【0143】
第4移動ステージ300Dは、X軸に沿って対象物Qを移動させるときに、対象物Qを回動させる。第4移動ステージ300Dは、第2ステージ支持部材322Aに対して第2ステージ回動部材322Bを回動させることによって、対象物Qを第1仮想軸VA1を回動中心に回動させる。第4移動ステージ300Dは、第1仮想軸VA1を回動中心に回動させることによって、ヘッドユニット400の吐出面400aに対する対象面Q1のヘッドユニット400と対向する対向部分の向きを調整する。第4移動ステージ300Dは、吐出面400aと対象面Q1が平行、もしくは略平行になる向きに、対象物Qを回動させる。吐出面400aと対象面Q1の対向部分が平行、もしくは略平行に調整されることによって、画質の低下が抑制できる。
【0144】
印刷ロボットシステム100は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400によって印刷される対象物QをX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及び対象物Qを回動させる第1ヘッド回動機構350Aを有して対象物Qを支持する第1移動ステージ300Aと、第1移動ステージ300Aを支持して第1移動ステージ300Aを移動させるロボットアーム220と、ヘッドユニット400にインクを吐出させるロボット制御装置800と、を備える。第1ヘッド回動機構350Aは、X軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1を回動中心に対象物Qを回動させ、ロボット制御装置800は、ロボットアーム220に第1移動ステージ300Aを停止させ、対象物Qが第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときにインクを吐出させる。
【0145】
印刷ロボットシステム100は、インクを吐出するヘッドユニット400と、ヘッドユニット400によって印刷される対象物QをX軸に沿って移動させる第3圧電アクチュエーター343及び対象物Qを回動させるヘッド回動機構350を有して対象物Qを支持する移動ステージ300と、移動ステージ300を支持して移動ステージ300を移動させるロボットアーム220と、ヘッドユニット400にインクを吐出させるロボット制御装置800と、を備える。ヘッド回動機構350は、X軸に沿った第2仮想軸VA2及びX軸と直交するY軸に沿った第1仮想軸VA1を回動中心に対象物Qを回動させ、ロボット制御装置800は、ロボットアーム220に移動ステージ300を停止させ、対象物Qが第3圧電アクチュエーター343によってX軸に沿って移動するときにインクを吐出させる。
ヘッドユニット400は、ロボットアーム220が停止しているときに移動ステージ300によって移動する対象物Qに対して印刷を行う。ロボットアーム220が駆動するときの振動を受けることなく、対象物Qは、ヘッドユニット400によって印刷される。印刷時の画質の低下が抑制できる。また、対象面Q1の形状に対応して吐出面400aと対向する対向部分の向きが調整可能となっていることから、対象面Q1の形状に起因する画質の低下が抑制可能となる。
【符号の説明】
【0146】
100…印刷ロボットシステム、200…多関節ロボット、210…基台、220…ロボットアーム、221…第1アーム、222…第2アーム、223…第3アーム、224…第4アーム、225…第5アーム、226…第6アーム、300…移動ステージ、300A…第1移動ステージ、300B…第2移動ステージ、300C…第3移動ステージ、300D…第4移動ステージ、310…基部、320…ステージ、321…第1ステージ、322…第2ステージ、322A…第2ステージ支持部材、322B…第2ステージ回動部材、322C…第2ステージ回動凸部、322R…第2ステージ支持凹部、323…第3ステージ、323A…第3ステージ支持部材、323B…第3ステージ回動部材、323C…第3ステージ回動凸部、323R…第3ステージ支持凹部、325…保持部材、330…移動機構、331…第1移動機構、332…第2移動機構、333…第3移動機構、341…第1圧電アクチュエーター、342…第2圧電アクチュエーター、343…第3圧電アクチュエーター、350…ヘッド回動機構、350A…第1ヘッド回動機構、350B…第2ヘッド回動機構、350C…第3ヘッド回動機構、351…ヘッド支持部材、353…第4圧電アクチュエーター、360…スライド機構、361…スライドアクチュエーター、400…ヘッドユニット、400a…吐出面、411…インクノズル、700…固定部材、750…ヘッド固定部材、800…ロボット制御装置、811…算出部、813…駆動制御部、815…印刷制御部、820…メモリー、830…通信インターフェイス、900…カメラ、C…ケーブル、CP…制御プログラム、CS1…第1断面、CS2…第2断面、CS3…第3断面、CS4…第4断面、D1…第1距離、D2…第2距離、EG…関節エンコーダー群、G1…第1ギャップ、G2…第2ギャップ、J1…第1関節、J1E…第1関節エンコーダー、J1M…第1関節モーター、J2…第2関節、J2E…第2関節エンコーダー、J2M…第2関節モーター、J3…第3関節、J3E…第3関節エンコーダー、J3M…第3関節モーター、J4…第4関節、J4E…第4関節エンコーダー、J4M…第4関節モーター、J5…第5関節、J5E…第5関節エンコーダー、J5M…第5関節モーター、J6…第6関節、J6E…第6関節エンコーダー、J6M…第6関節モーター、MG…関節モーター群、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、P4…第4位置、Q…対象物、Q1…対象面、R…印刷領域、R1…第1印刷領域、R2…第2印刷領域、R3…第3印刷領域、R4…第4印刷領域、VA1…第1仮想軸、VA2…第2仮想軸。
図1
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