(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000724
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】熱処理装置
(51)【国際特許分類】
F27B 9/12 20060101AFI20231226BHJP
F27B 9/02 20060101ALI20231226BHJP
F27D 9/00 20060101ALI20231226BHJP
F27B 9/28 20060101ALI20231226BHJP
F27D 7/06 20060101ALI20231226BHJP
F27B 9/04 20060101ALI20231226BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20231226BHJP
B65H 18/08 20060101ALI20231226BHJP
B65H 20/02 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
F27B9/12
F27B9/02
F27D9/00
F27B9/28
F27D7/06 B
F27B9/04
F27D7/06 A
B65H5/06 B
B65H18/08
B65H20/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099587
(22)【出願日】2022-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 英紀
(72)【発明者】
【氏名】米川 英樹
(72)【発明者】
【氏名】石田 洋史
(72)【発明者】
【氏名】大威 英晃
(72)【発明者】
【氏名】加藤 将伸
【テーマコード(参考)】
3F049
3F055
3F103
4K050
4K063
【Fターム(参考)】
3F049AA10
3F049CA14
3F049LB10
3F055AA09
3F055CA01
3F055FA05
3F103AA05
3F103BA01
3F103BA33
3F103EA15
4K050AA02
4K050BA16
4K050CA05
4K050CA10
4K050CA13
4K050CC02
4K050CD06
4K050CD16
4K050CD22
4K050CG05
4K050EA05
4K063AA05
4K063AA15
4K063BA12
4K063BA16
4K063CA01
4K063DA19
4K063DA23
4K063DA32
4K063EA06
(57)【要約】
【課題】シートの処理効率向上。
【解決手段】ここで開示される熱処理装置10は、帯状のシート20が搬送されつつ加熱処理される加熱処理部40と、加熱処理部40で加熱処理された帯状のシート20が搬送されつつ冷却される冷却部50とを備えている。冷却部50は、内部に冷媒が流通する冷却ローラ52と、冷却ローラ52が配置された空間を囲う外壁52aとを有している。熱処理装置10は、冷却部50で冷却された帯状のシート20が巻取られる巻取り部60をさらに備えていてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のシートが搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
前記加熱処理部で加熱処理された前記帯状のシートが搬送されつつ冷却される冷却部と
を備え、
前記冷却部は、
内部に冷媒が流通する冷却ローラと、
前記冷却ローラが配置された空間を囲う外壁と
を有する、
熱処理装置。
【請求項2】
前記冷却部で冷却された前記帯状のシートが巻取られる巻取り部をさらに備える、請求項1に記載された熱処理装置。
【請求項3】
前記加熱処理部は、前記帯状のシートが加熱処理される空間を囲う外壁を有しており、
前記加熱処理部の入口には、前記加熱処理部よりも上流側の空間と前記加熱処理部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられており、
前記冷却部の出口には、前記冷却部よりも下流側の空間と前記冷却部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項4】
前記冷却部には、真空ポンプが接続されている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項5】
前記冷却部には、複数の前記冷却ローラが設けられている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項6】
前記複数の冷却ローラは、
前記帯状のシートの第1面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第1冷却ローラと、
前記帯状のシートの第2面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第2冷却ローラと
を有する、請求項5に記載された熱処理装置。
【請求項7】
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、それぞれ複数設けられており、
前記帯状のシートは、前記第1冷却ローラと前記第2冷却ローラに交互に掛け廻される、請求項6に記載された熱処理装置。
【請求項8】
隣り合う前記第1冷却ローラの間隔および隣り合う前記第2冷却ローラの間隔はそれぞれ、前記冷却ローラの外径よりも狭い、請求項7に記載された熱処理装置。
【請求項9】
前記複数の第1冷却ローラと前記複数の第2冷却ローラは、前記冷却部の前後で順に高さがずれるように配置されている、請求項7に記載された熱処理装置。
【請求項10】
前記冷却ローラは、前記帯状のシートが接するように掛け廻されるローラ部と、前記冷却ローラの回転軸を構成する軸部とを有し、
前記冷却ローラの径方向において、前記軸部と前記ローラ部の間には、空間が形成されている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2021/166048号には、帯状の被処理物を加熱処理するための熱処理装置が開示されている。同公報に開示されている熱処理装置は、搬入口と搬出口との間に配置された処理室を備える炉体と、搬入口から搬出口まで架け渡される被処理物を搬入口から処理室を通って搬出口に搬送する搬送装置と、処理室内において被処理物を案内する複数の案内ローラと、処理室内において被処理物を加熱する加熱装置とを備えている。被処理物は、複数の案内ローラによって規定される搬送経路を通って搬入口から搬出口まで搬送される。加熱装置は、案内ローラの近傍に配置された第1のヒータと、被処理物の搬送方向に隣接する案内ローラの中間位置の近傍に配置された第2のヒータとを備えている。第2のヒータは、赤外領域の電磁波を放射するヒータである。かかる熱処理装置によると、被処理物を効率的に熱処理することができるとされている。
【0003】
特開2012-132662号公報には、3.5μm以下の電磁波の吸収スペクトルを持ち水素結合を有する塗膜を、炉体内部で走行させつつ乾燥させる塗膜乾燥炉が開示されている。塗膜乾燥炉は、炉体の内部に赤外線ヒータを備えている。赤外線ヒータは、フィラメントの外周がローパスフィルターとして機能する管によって同心円状に覆われている。赤外線ヒータとしては、複数の管の間に流体の流路を形成した構造を有するヒータが用いられている。かかる塗膜乾燥炉によると、塗膜を効率的に連続して加熱乾燥することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/166048号
【特許文献2】特開2012-132662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者は、帯状のシートを搬送しつつ連続的に加熱処理する際の処理効率を向上させたいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで開示される熱処理装置は、帯状のシートが搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、加熱処理部で加熱処理された帯状のシートが搬送されつつ冷却される冷却部とを備えている。冷却部は、内部に冷媒が流通する冷却ローラと、冷却ローラが配置された空間を囲う外壁とを有している。
かかる熱処理装置によると、加熱処理後の帯状のシートを効率よく冷却して巻取ることができる。このため、帯状のシートを搬送しつつ連続的に加熱処理する際の処理効率が向上する。
冷却ローラは単数でもよいが、複数であるほうがより好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、熱処理装置10を示す模式図である。
【
図2】
図2は、シート20の駆動機構を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示における実施形態の1つについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚みなど)は実際の寸法関係を反映するものではない。上、下、左、右、前、後の向きは、図中、U、D、L、R、F、Rrの矢印でそれぞれ表されている。ここで、上、下、左、右、前、後の向きは、説明の便宜上、定められているに過ぎず、特に言及されない限りにおいて本願発明を限定しない。
【0009】
《熱処理装置10》
図1は、熱処理装置10を示す模式図である。熱処理装置10は、帯状の被処理物(以下、シートとも称する。)を加熱処理するための設備である。この実施形態では、熱処理装置10は、いわゆるロールtoロール方式で帯状の被処理物を搬送しつつ連続的に乾燥させるための装置である。
図1に示されているように、熱処理装置10は、巻出し部30と、加熱処理部40と、冷却部50と、巻取り部60とを順に備えている。シート20は、巻出し部30に設けられる巻出しロール22から巻出され、加熱処理部40で加熱処理され、冷却部50で冷却された後、巻取り部60に設けられた巻取りロール24に巻取られる。ここで、シート20は、帯状のシート基材の両面(第1面20aと第2面20b)にそれぞれ電極材料が塗工された二次電池の電極シートなどでありうる。
【0010】
この実施形態では、巻出し部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取り部60の各部は、それぞれ外部空間と隔離された空間を有しており、各部にはそれぞれ真空ポンプ80が接続されている。真空ポンプ80は、巻出し部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取り部60の内部を減圧する。ここでは、シート20は、大気圧よりも低い予め定められた真空雰囲気下で処理される。なお、真空ポンプ80の接続構成は、かかる形態に限定されない。例えば、巻出し部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取り部60は、複数の真空ポンプ80によって内部が減圧されるように構成されていてもよい。例えば、複数の真空ポンプ80が、巻出し部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取り部60の各部にそれぞれ接続されていてもよい。
【0011】
真空ポンプ80の配管には、各部の真空度を調整するための真空バルブ81~84が設けられている。真空バルブ81~84は、各部と真空ポンプ80の接続および各部と真空ポンプ80の切断を切り替え可能に構成されている。各部の真空度を調整しない場合は真空バルブ81~84の替わりに開閉バルブを使用することもある。
【0012】
〈巻出し部30〉
巻出し部30は、加熱処理前の帯状のシート20が巻付けられた状態の巻出しロール22を収容している。巻出し部30は、内部の設備や巻出しロール22を囲う外壁30aを有している。巻出し部30には、第1軸32と、複数のローラ34とが内部に設けられている。第1軸32は、加熱処理前の帯状のシート20が巻かれた巻出しロール22が取り付けられる軸である。この実施形態では、第1軸32が回転駆動されることによって、第1軸32に取り付けられた巻出しロール22から帯状のシート20が巻出される。
【0013】
巻出し部30の外壁30aで囲まれた空間内には、シート20の搬送経路を設定する複数のローラ34が設けられている。第1軸32に取り付けられた巻出しロール22から巻出されたシート20は、複数のローラ34に予め定められた順番で掛け廻されて、加熱処理部40に向けて搬送される。複数のローラ34は、ガイドローラ34aと、張力検出ローラ34bと、フィードローラ34cと、ダンサーローラ34dとを含んでいる。張力検出ローラ34bは、シート20にかかる張力を検出するためのローラである。張力検出ローラ34bには、図示しない張力検出器が取り付けられている。ダンサーローラ34dは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ダンサーローラ34dが移動することによって、シート20の張力が調整される。フィードローラ34cは、図示しない駆動装置によって回転駆動される。フィードローラ34cの回転が制御されることによって、ダンサーローラ34dの位置が調整される。
【0014】
〈加熱処理部40〉
加熱処理部40は、帯状のシート20が搬送されつつ加熱処理される部位である。加熱処理部40では、第1軸32に取り付けられた巻出しロール22から巻出された帯状のシート20が搬送されつつ加熱処理される。なお、この実施形態では、熱処理装置10には、1つの加熱処理部40が設けられているが、かかる形態に限定されず、熱処理装置10には、複数の加熱処理部40が設けられていてもよい。
【0015】
この実施形態では、加熱処理部40は、ヒータ42と、ガイドローラ44a~44dと、外壁40aとを備えている。外壁40aは、ヒータ42と、ガイドローラ44a~44dとが配置された空間を囲っている。巻出し部30の外壁30aと加熱処理部40の外壁40aには、連結部70が設けられている。連結部70には、巻出し部30の出口と、加熱処理部40の入口とが設けられている。加熱処理部40は、連結部70を介して巻出し部30と接続されている。連結部70には、帯状のシート20が通る通り道が形成されている。シート20は、連結部70を通って巻出し部30から加熱処理部40に搬送される。連結部70に形成された、シート20の通り道の寸法は、特に限定されない。この実施形態では、シート20の通り道は、シート20の幅と厚みよりもわずかに大きい寸法に設定されている。これによって、加熱処理部40の雰囲気と巻出し部30の雰囲気は、互いに干渉しにくくなっている。また、加熱処理部40の入口(この実施形態では、連結部70)には、扉70aが設けられている。扉70aは、巻出しロール22を取り替える時などに閉じられる。例えば、巻出しロール22を取り替える時などに、扉70aが閉じられていることによって、加熱処理部40の雰囲気を保つことができ、巻出しロール22を取り替えた際の装置の復旧が早くなる。扉70aは、巻出しロール22を取り替える時など、シート20が連結部70を通っている時に閉じられることもある。巻出しロール22に巻かれたシート20の残りが少なくなってきたとき、巻出しロール22を新しいものと交換する。交換後の巻出しロール22のシート20の端部と、交換前の巻出しロール22のシート20の端部をつなぎ合わせることで、加熱処理部40の雰囲気を保つことができ、巻出しロール22を取り替えた際の装置の復旧が早くなる。
【0016】
〈ガイドローラ44a~44d〉
ガイドローラ44a~44dは、加熱処理部40においてシート20が搬送される搬送経路を設定するためのローラである。この実施形態では、ガイドローラ44a~44dは、円柱状のローラである。ガイドローラ44a~44dの軸は、それぞれ左右方向に向けられている。ガイドローラ44aは、加熱処理部40の入口(連結部70)付近に設けられている。複数のガイドローラ44bは、加熱処理部40の下方において前後方向に順に予め定められたピッチで並べられている。複数のガイドローラ44cは、加熱処理部40の上方において、加熱処理部40の入口から出口に向かって複数のガイドローラ44bとは半ピッチずれて並べられている。ガイドローラ44dは、加熱処理部40の出口(連結部72)付近に設けられている。シート20は、加熱処理部40の入口付近のガイドローラ44aに掛けられ下方に搬送される。その後、シート20は、上下のガイドローラ44b,44cに後方から前方に向けて順に交互に掛け廻される。これにより、加熱処理部40でのシート20は、入口から出口に向かって上下に行ったり来たりしつつ進む。そして、出口付近に設けられたガイドローラ44dを通して、冷却部50に向けて搬出される。
【0017】
〈ヒータ42〉
ヒータ42は、シート20を加熱するための設備である。この実施形態では、ヒータ42は、ガイドローラ44a~44dに掛けられて、上下に行ったり来たりしつつ、入口から出口に向かって進むシート20の周りに、シート20に対向するように配置されている。ヒータ42は、ガイドローラ44b,44cに掛けられて、上下に行ったり来たりするシート20の間隙や、搬送されるシート20の周りに、シート20に対向するように配置されている。ヒータ42は、例えば、ヒータホルダーおよび支柱によって固定されてもよい。外壁40aの底壁からヒータホルダーを固定するための支柱を立て、当該支柱にヒータホルダーを固定し、ヒータホルダーにヒータ42を固定してもよい。また、ヒータ42は、例えば、外壁40aの側壁に支持されていてもよい。
【0018】
この実施形態では、ヒータ42として、遠赤外線加熱式の板状のプレートヒータが用いられている。ヒータ42としては、加熱温度や加熱雰囲気等に応じて種々のヒータが用いられうる。ヒータ42としては、例えば、板状のプレートヒータの他に、例えば、筒状のヒータが用いされてもよい。ヒータ42の材質は特に限定されず、金属シースヒータ、セラミックヒータ、ランプヒータ等が用いられてもよい。また、ヒータ42は、遠赤外線加熱式のヒータに限られない。雰囲気炉の場合は、ヒータ42としては、例えば、被処理物に熱風が吹き付けられる熱風加熱式のヒータや赤外線加熱式のランプヒータが用いられてもよい。
【0019】
ガイドローラ44a~44dが上記のように配置されていることによって、加熱処理部40においてシート20が搬送される距離が長くなっている。このため、シート20は、効率よく乾燥されうる。また、シート20の第1面20aと第2面20bに対して、それぞれヒータ42からの熱が同じように当たる。このため、シート20の第1面20aと第2面20bの加熱条件が近くなりうる。これによって、シート20の第1面20aと第2面20bの熱履歴の差を小さくすることができる。熱履歴は、シート20が加熱および冷却された履歴である。シート20内で加熱条件と冷却条件を合わせることによって、シート20内の熱履歴の差が小さくなりうる。
【0020】
なお、ヒータ42やガイドローラ44a~44dの配置は、かかる形態に限定されない。ヒータ42やガイドローラ44a~44dの配置は、シート20の種類や加熱処理の条件等に応じて適宜設定されるとよい。例えば、シート20の第1面20aと第2面20bで異なる材料が形成されている場合等、第1面20aと第2面20bが異なる条件で加熱処理されるように、ヒータ42の配置や出力等が設定されてもよい。
【0021】
〈冷却部50〉
冷却部50は、加熱処理部40で加熱処理された帯状のシート20が搬送されつつ冷却される部位である。冷却部50は、冷却ローラ52と、複数のガイドローラ58と、外壁50aとを有している。この実施形態では、冷却部50には、複数の冷却ローラ52が設けられている。外壁50aは、複数の冷却ローラ52と、複数のガイドローラ58とが配置された空間を囲っている。外壁50aには、シート20が搬入される入口と、シート20が搬出される出口とが形成されている。
【0022】
複数の冷却ローラ52と複数のガイドローラ58は、冷却部50においてシート20が搬送される搬送経路を設定している。冷却部50は、連結部72を介して加熱処理部40と接続されている。シート20は、連結部72を通って加熱処理部40から冷却部50に搬送される。特に限定されないが、連結部72におけるシート20の通り道の寸法は、連結部70と同様、シート20の幅と厚みよりもわずかに大きい寸法に設定されている。これによって、加熱処理部40の雰囲気と冷却部50の雰囲気は、互いに干渉しにくくなっている。冷却ローラ52は単数でもよいが、複数であるほうがより好ましい。
【0023】
〈冷却ローラ52〉
冷却ローラ52は、内部に冷媒が流通するように構成されたローラである。この実施形態では、冷却ローラ52は、少なくとも1つの第1冷却ローラ52aと、少なくとも1つの第2冷却ローラ52bとを有している。ここで、第1冷却ローラ52aは、帯状のシート20の第1面20aが接するように掛け廻される冷却ローラ52である。第2冷却ローラ52bは、帯状のシート20の第2面20bが接するように掛け廻される冷却ローラ52である。この実施形態では、冷却ローラ52は、図示しない駆動装置が接続されている。冷却ローラ52は、に搬送方向に沿って、設定された搬送速度に合わせて回転する。
【0024】
この実施形態では、第1冷却ローラ52aおよび第2冷却ローラ52bは、それぞれ複数(この実施形態では、4つずつ)設けられている。冷却ローラ52の数は特に限定されない。第1冷却ローラ52aおよび第2冷却ローラ52bは、例えば、それぞれ1つずつ設けられていてもよい。
【0025】
この実施形態では、複数の第1冷却ローラ52aは、冷却部50の前方(出口側)に高さ方向に沿って予め定められたピッチで一列に並べられている。複数の第2冷却ローラ52bは、冷却部50の後方(入口側)において、高さ方向に沿って予め定められたピッチで一列に並べられている。隣り合う第1冷却ローラ52aの間隔および隣り合う第2冷却ローラ52bの間隔はそれぞれ、冷却ローラ52の外径よりも狭くなるように設定されている。なお、第1冷却ローラ52aおよび第2冷却ローラ52bの配置は、特に限定されない。例えば、複数の第1冷却ローラ52aおよび複数の第2冷却ローラ52bはそれぞれ、冷却部50の入口側から出口側に向かって並べられていてもよい。複数の第1冷却ローラ52aは、冷却部50の上方に予め定められたピッチで一列に並べられていてもよい。複数の第2冷却ローラ52bは、冷却部50の下方に予め定められたピッチで一列に並べられていてもよい。隣り合う第1冷却ローラ52aの間隔および隣り合う第2冷却ローラ52bの間隔はそれぞれ、冷却ローラ52の外径よりも広くなるように設定されていてもよい。
【0026】
この実施形態では、第1冷却ローラ52aと第2冷却ローラ52bは、同じピッチで並べられており、第2冷却ローラ52bの高さは、下から順に、第1冷却ローラ52aよりも半ピッチ高い位置に配置されている。これにより、複数の第1冷却ローラ52aと複数の第2冷却ローラ52bとは、冷却部50の前後で順に高さがずれるように配置されている。換言すると、複数の第1冷却ローラ52aと複数の第2冷却ローラ52bとが千鳥に配置されている。第1冷却ローラ52aと第2冷却ローラ52bがこのように配置されていることによって、冷却部50を高さ方向に長い構造とすることができる。他方で、冷却部50の専有面積を小さくすることができ、設備の省スペース化が図られる。
【0027】
〈ガイドローラ58〉
複数のガイドローラ58は、帯状のシート20を案内するローラである。この実施形態では、ガイドローラ58は、円柱状のローラである。ガイドローラ58の軸は、冷却部50において左右方向に向けられ冷却部50に設けられている。冷却部50には、複数のガイドローラ58によって、入口(連結部72)から複数の冷却ローラ52を通り、複数の冷却ローラ52から出口(連結部74)に向かうように、帯状のシート20の搬送経路が設定されている。なお、複数のガイドローラ58は、シート20にかかる張力を検出する張力検出ローラを含んでいる。
【0028】
冷却部50に設けられた複数のガイドローラ58のうち、ガイドローラ58aは、冷却部50の入口付近に設けられている。複数の冷却ローラ52の上流側には、ガイドローラ58aから下方に向けて搬送経路が設定されるように複数のガイドローラ58が配置されている。ガイドローラ58bは、最下端に配置された第1冷却ローラ52の上流側に配置されている。ガイドローラ58cは、最上端に配置された第2冷却ローラ52bの下流側に配置されている。ガイドローラ58dは、冷却部50の出口付近に設けられている。また、ガイドローラ58cから冷却部50の出口に設けられたガイドローラ58dに向けて搬送経路が設定されるように複数のガイドローラ58が配置されている。
【0029】
帯状のシート20は、
図1に示されているように、冷却部50の入口から、ガイドローラ58aを通って冷却部50に導入され、複数の冷却ローラ52の上流側で下方に搬送される。帯状のシート20は、ガイドローラ58bを通して最下端に配置された第1冷却ローラ52aに搬送される。帯状のシート20は、第1冷却ローラ52aと第2冷却ローラ52bに下側から順に交互に掛け廻され、最上端の第2冷却ローラ52bからガイドローラ58cに向けて搬送される。帯状のシート20は、ガイドローラ58cを通して下方に搬送され、ガイドローラ58dを通して冷却部50の出口から巻取り部60に搬送されている。この際、帯状のシート20は、第1冷却ローラ52aに帯状のシート20の第1面20aが接触し、第2冷却ローラ52bに帯状のシート20の第2面20bが接触するように掛け廻される。このため、帯状のシート20の第1面20aと第2面20bとが順に冷却ローラ52によって冷却される。これにより、帯状のシート20の第1面20aと第2面20bとの熱履歴の差が小さくなる。
【0030】
さらに、この実施形態では、ガイドローラ58bは、最も上流側の冷却ローラ52に対して帯状のシート20が接する角度を調整している。この実施形態では、ガイドローラ58bの上端は、最下端に配置された第1冷却ローラ52aの下端よりも高い位置に配置されている。これによって、最下端に配置された第1冷却ローラ52aに対して帯状のシート20が掛け廻される長さが長くなり、帯状のシート20が冷却されやすくなっている。ガイドローラ58cは、最も下流側の冷却ローラ52に対して帯状のシート20が接する角度を調整している。この実施形態では、ガイドローラ58cの下端は、最上端に配置された第2冷却ローラ52bの上端よりも低い位置に配置されている。これによって、最上端に配置された第2冷却ローラ52bに対して帯状のシート20が掛け廻される長さが長くなり、帯状のシート20が冷却されやすくなっている。この実施形態では、シート20は、周方向において180度以上の角度に亘って第1冷却ローラ52aと第2冷却ローラ52bとにそれぞれ接している。
【0031】
なお、この実施形態では、ガイドローラ58b,58cの位置は、帯状のシート20が最も上流側の冷却ローラ52に接する角度と、帯状のシート20が最も下流側の冷却ローラ52に接する角度とが同じになるように設定されている。これによって、最下端に配置された第1冷却ローラ52aに対して帯状のシート20が掛け廻される長さと、最上端に配置された第2冷却ローラ52bに対して帯状のシート20が掛け廻される長さが同じになっている。このため、帯状のシート20の第1面20aと第2面20bとの熱履歴の差が小さくなる。
【0032】
冷却部50で冷却されたシート20は、巻取り部60に向けて搬送される。この実施形態では、冷却部50の出口(この実施形態では、連結部74)には、扉74aが設けられている。扉74aは、扉70aと同様、巻取りロール24を取り替える時など、シート20が連結部74を通っていない時に閉じられる。例えば、巻取りロール24を取り替える時などに、扉74aが閉じられていることによって、冷却部50の雰囲気を保つことができ、巻取りロール24を取り替えた時の装置の復旧が早くなる。扉74aは、巻取りロール24を取り替える時など、シート20が連結部74を通っている時に閉じられることもある。巻取りロール24に巻かれたシート20が多くなってきたとき、巻取りロール24を新しいものと交換する。交換後の巻取りロール24にシート20の端部をつなぎ合わせることで、加熱処理部40の雰囲気を保つことができ、巻取りロール24を取り替えた際の装置の復旧が早くなる。
【0033】
〈巻取り部60〉
巻取り部60は、冷却ローラ52を通じて冷却されたシート20を巻取るための巻取りロール24を収容している。巻取り部60は、内部の設備を囲う外壁60aを有している。巻取り部60の外壁60aと冷却部50の外壁50aには、連結部74が設けられている。巻取り部60は、連結部74を介して冷却部50と接続されている。シート20は、連結部74を通って巻取り部60に搬送される。特に限定されないが、連結部74におけるシート20の通り道の寸法は、連結部70,72と同様、冷却部50と巻取り部60の雰囲気が干渉しにくい寸法に設定されている。
【0034】
巻取り部60には、第2軸62と、複数のローラ64とが設けられている。第2軸62には、加熱処理部40で加熱処理され、冷却部50で冷却された巻取りロール24が取り付けられる。第2軸62が回転駆動されることによって、巻取りロール24にシート20が巻取られる。
【0035】
複数のローラ64は、巻取り部60においてシート20が搬送される搬送経路を設定する。冷却部50から搬送されたシート20は、巻取り部60の入口(連結部74)付近のローラ64に掛けられた後に、複数のローラ64に予め定められた順番に掛け廻され、巻取りロール24に巻取られる。複数のローラ64は、ガイドローラ64aと、ローラ64bと、張力検出ローラ64cと、フィードローラ64dとを含んでいる。ローラ64bは、予め定められた範囲を移動可能に構成されている。ローラ64bは、例えば、巻取りロール24が交換される際に、シート20の必要な余長を確保するために移動されうる。張力検出ローラ64cには、図示しない張力検出器が取り付けられている。フィードローラ64dは、巻取りロール24を交換するときに交換後の巻取りロール24にシート20を貼り付ける際の、貼り付けに必要な余長を送り出す。
【0036】
〈駆動装置32a,62a〉
駆動装置32a,62a(
図2参照)は、巻出しロール22が取り付けられている第1軸32および巻取りロール24が取り付けられている第2軸62を回転駆動する。この実施形態では、駆動装置32aとしてモータが用いられている。
図2は、シート20の駆動機構を示す模式図である。
図2では、巻出し部30と巻取り部60の間の加熱処理部40と冷却部50は省略されている。また、
図2では、巻出し部30の張力検出ローラ34bと、フィードローラ34cと、ダンサーローラ34d以外のローラ34の図示は省略されている。
図2では、巻取り部60の張力検出ローラ64c以外のローラ64の図示は省略されている。
【0037】
図2に示されているように、駆動装置32a,62aは、巻出し部30の一方の外壁30aおよび巻取り部60の一方の外壁60aにそれぞれ取り付けられている。第1軸32は、駆動装置32aに接続されている。駆動装置32aによって第1軸32が回転駆動され、巻出しロール22からシート20が巻出される。第2軸62は、駆動装置62aに接続されている。駆動装置62aによって第2軸62が回転駆動され、巻取りロール24にシート20が巻取られる。駆動装置32a,62aは、外壁30a及び外壁60aに囲まれた空間内に大気ボックスを設けて設置する場合もある。
【0038】
〈制御装置15〉
制御装置15は、予め定められた処理条件に応じてシート20が搬送されるように、シート20の搬送速度やシート20にかかる張力を制御する。この実施形態では、制御装置15は、シート20を巻出す時の巻出し張力と、処理されているシート20にかかる炉内張力と、処理されたシート20を巻取る時の巻取り張力とをそれぞれ制御する。制御装置15は、駆動装置32a,62aに接続されている。また、制御装置15は、張力検出ローラ34b、フィードローラ34c、ダンサーローラ34d、張力検出ローラ64c等と接続されている。制御装置15は、張力検出ローラ34bが検出する巻出し張力を駆動装置32aにフィードバックし、第1軸32のトルクを制御する。これによって、巻出し張力が調整される。また、制御装置15は、処理されているシート20が掛けられた張力検出ローラ(この実施形態では、冷却部50内(
図1参照)に設けられた張力検出ローラ)が検出する炉内張力をダンサーローラ34dにフィードバックする。検出された炉内張力に応じてダンサーロール34dが移動する。これによって、炉内張力が調整される。なお、炉内張力が一定の状態でダンサーロール34dの位置が基準の位置に戻るように、フィードローラ34cの回転速度が制御される。また、制御装置15は、張力検出ローラ64cが検出する巻取り張力を駆動装置62aにフィードバックし、第2軸62のトルクを制御する。これによって、巻取り張力が調整される。
【0039】
制御装置15は、シート20の搬送速度や張力以外にも種々の処理条件を制御可能に構成されていてもよい。制御装置15は、例えば、巻出し部30、加熱処理部40、冷却部50および巻取り部60の各部の雰囲気を制御可能に構成されていてもよい(
図1参照)。
【0040】
図1に示されているように、制御装置15(
図2参照)は、各部の真空度を調整できるように、真空ポンプ80および真空バルブ81~84に接続されている。制御装置15は、各部の真空度を検出するための図示しない真空度検出器に接続されていてもよい。シート20が熱処理装置10で処理される際には、真空バルブ81~84が開かれる。各部の真空度を調整しない場合は真空バルブ81~84の替わりに開閉バルブを使用することもある。定常運転時は扉70aと74aは開かれた状態で、各部の真空度は同じである。
【0041】
ロールが交換される際には、制御装置15は、真空バルブ81~84それぞれの開閉を制御することによって、各部の真空度を切り替えうる。巻出しロール22が交換される際には、扉70aが閉じられた状態で、真空バルブ81が閉じられる。巻取りロール24が交換される際には、扉74aが閉じられた状態で、真空バルブ84が閉じられる。ロールが交換される際には、ロールが交換される部屋は、図示しない大気開放弁によって大気開放される。大気開放弁は、加熱処理部40と冷却部50にも設けられていてもよい。制御装置15は、加熱処理時やロール交換時に真空バルブ81~84および大気開放弁の開閉を制御しうる。なお、熱処理装置10がシート20を予め定められた雰囲気で加熱処理する雰囲気炉である場合には、制御装置15は、熱処理装置10の内部の雰囲気を調整するために雰囲気ガスを供給するガス供給装置に接続されていてもよい。
【0042】
シート20は、上述した熱処理装置10内を搬送されつつ処理される。この実施形態では、シート20は、加熱処理部40で連続的に加熱処理されることによって乾燥される。
【0043】
ところで、本発明者は、シート20の処理効率を向上させるために、帯状のシート20を高速で搬送することを検討している。シート20の搬送速度を上げることによって、単位時間あたりに多くのシート20を処理することができ、シート20の処理効率が向上する。特に限定されないが、シート20の搬送速度は、10m/分~200m/分程度に設定されうる。この実施形態では、シート20の搬送速度は、100m/分程度に設定されている。
【0044】
例えば、シートの搬送速度が遅い場合には、シートが巻取りロールに巻取られるまでに十分に温度が下がりうる。しかしながら、シートの搬送速度が速い場合には、シートが十分に冷却されず、加熱処理されたシートの温度が高い状態で巻取りロールに巻取られうる。本発明者の検討によると、温度が高い状態で巻取りロールに巻取られると、シートが冷却されるまでの時間がシート内で異なりやすくなる。例えば、シートの温度が高い状態で巻取りロールに巻取られた場合には、巻取りロールのコアに近いほど熱がシートから逃げにくくなる。このため、巻取りロールのコアに近いシートほど長い時間高い温度に保たれうる。これによって、シート内で熱履歴に差が出るおそれがある。シート内の熱履歴の差は、シートの性能ばらつきに繋がりうる。また、シートは、温度が変化することによって膨張および収縮しうる。しかしながら、既にシートが巻取りロールに巻取られている場合には、シートが巻取られた後に冷却されても長さ方向(巻取りロールの周方向)において収縮しにくい。このような場合、シートには、長さ方向に収縮しようとする応力がかかりうる。その結果、シートが変形する懸念がある。また、温度が高い状態でシートを取り出そうとすると、取出しの際にシートが酸化してしまう可能性がある。また、真空下で冷却するには時間がかかる。安全性の観点からも、シートの取出しの際にシートが十分に冷却されていることが好ましい。
【0045】
上述した実施形態では、熱処理装置10は、帯状のシート20が搬送されつつ加熱処理される加熱処理部40と、加熱処理部40で加熱処理された帯状のシート20が搬送されつつ冷却される冷却部50とを備えている。冷却部50は、内部に冷媒が流通する冷却ローラ52と、冷却ローラ52が配置された空間を囲う外壁52aとを有している。加熱処理部40で加熱処理されたシート20は、冷却部50の冷却ローラ52によって冷却される。このため、シート20は、十分に冷却された状態で巻取りロール24に巻き取られうる。これによって、シート20の処理効率を向上させるために搬送速度を上げた場合にも、温度変化によるシート20の膨張収縮等が起こりにくい。このように、シート20が冷却されることによって、搬送速度を上げた場合に起こりうる不具合が抑えられる。その結果、シート20の処理効率を向上させやすい。
【0046】
上述した実施形態では、熱処理装置10は、冷却部50で冷却された帯状のシート20が巻取られる巻取り部60をさらに備えている。ここでは、シート20が加熱処理される加熱処理部40と、加熱処理されたシート20が巻取られる巻取り部60との間に、冷却ローラ52を有する冷却部50が設けられている。冷却部50は、外壁50aに囲われた空間を有しているため、加熱処理部40や巻取り部60の雰囲気の影響を受けにくい。これによって、冷却部50内部の温度等の雰囲気や冷却ローラ52の温度等が安定しやすい。このため、安定した条件で効率よくシート20を処理することができる。例えば、シート20の処理効率を向上させるために搬送速度を上げた場合にも、シート20の熱履歴を合わせやすい。
【0047】
上述した実施形態では、加熱処理部40は、帯状のシート20が加熱処理される空間を囲う外壁40aを有している。加熱処理部40の入口には、加熱処理部40よりも上流側の空間と加熱処理部40の雰囲気を切り替えるための扉70aが設けられている。冷却部50の出口には、冷却部50よりも下流側の空間と冷却部50の雰囲気を切り替えるための扉74aが設けられている。かかる構成によって、加熱処理部40と冷却部50は、第1軸32および第2軸62が設けられている空間(この実施形態では、巻出し部30と巻取り部60)に対して雰囲気が切り替えられる。例えば、巻出しロール22や巻取りロール24を交換する際、扉70aと扉74aを閉じて、加熱処理部40および冷却部50の雰囲気を保った状態でロールの交換作業をすることができる。このとき、加熱処理部40および冷却部50は、シート20を処理する際の雰囲気が保たれている。このため、熱処理装置10の雰囲気が、シート20を処理可能になるように準備されるまでにかかる時間が短縮されうる。例えば、ロール交換後、巻出し部30と巻取り部60の雰囲気がシート20を処理可能な雰囲気になるのを待つだけでシート20の処理を再開することができる。ロール交換後にシート20の熱処理が可能になるまでにかかる時間が短縮されることによって、シート20の処理効率が向上しうる。
【0048】
冷却ローラは単数でもよいが、複数であるほうがより好ましい。冷却部50に複数の冷却ローラ52が設けられていることによって、冷却効率がより向上され、シート20の処理効率が向上しうる。
【0049】
複数の冷却ローラ52は、帯状のシート20の第1面20aが接するように掛け廻される少なくとも1つの第1冷却ローラ52aと、帯状のシート20の第2面20bが接するように掛け廻される少なくとも1つの第2冷却ローラ52bとを有している。シート20が複数の冷却ローラ52に掛け廻されることによって、シート20は、巻取りロール24に巻取られる前に十分に冷却されやすくなる。このため、巻取られた後のシート20の温度変化が抑えられる。これによって、シート20内の熱履歴のばらつきやシート20の変形が抑えられる。その結果、例えば、シート20の搬送速度を速くした場合にも、製品品質を維持しつつシート20の処理効率を向上させることができる。また、上述した実施形態では、シート20の第1面20aが第1冷却ローラ52aに冷却され、第2面20bが第2冷却ローラ52bに冷却される。シート20の第1面20aと第2面20bの両面が冷却されることで、シート20の厚み方向の温度のばらつきが小さくなる。その結果、シート20の第1面20aと第2面20bの熱履歴の差を小さくすることができる。
【0050】
上述した実施形態では、第1冷却ローラ52aおよび第2冷却ローラ52bは、それぞれ複数設けられている。このため、シート20の冷却効率は、良好である。また、シート20は、第1冷却ローラ52aと第2冷却ローラ52bに交互に掛け廻されている。かかる構成によって、シート20の第1面20aと第2面20bは、交互に冷却される。これによって、第1面20aと第2面20bが均一に冷却されやすくなり、第1面20aと第2面20bの熱履歴が小さくなりうる。
【0051】
上述した実施形態では、隣り合う第1冷却ローラ52aの間隔および隣り合う第2冷却ローラ52bの間隔はそれぞれ、冷却ローラ52の外径よりも狭い。冷却ローラ52の間隔がこのように設定されていることによって、シート20は、周方向において冷却ローラ52に接する長さが長くなっている。ここでは、シート20は、周方向において180度以上の角度に亘って冷却ローラ52と接している。シート20と冷却ローラ52が接する距離が長くなることによって、シート20が効率的に冷却されうる。
【0052】
上述した実施形態では、冷却部50には、真空ポンプ80が接続されている。加熱処理部40も同様に、真空ポンプ80が接続されている。このため、シート20は、真空雰囲気下で処理される。これによって、シート20の乾燥効率が向上されている。
【0053】
ところで、この実施形態では、加熱処理部40よりも下流の冷却部50および巻取り部60も同様に真空雰囲気である。真空雰囲気下では、シート20の周囲の雰囲気ガスが希薄になっており、雰囲気ガスによってシート20から熱が奪われにくくなっている。換言すると、対流によるシート20の冷却がされにくくなる。その結果、真空雰囲気下では、シート20の冷却効率が低下しうる。
【0054】
上述した実施形態では、シート20は、冷却ローラ52に掛け廻されつつ搬送される。このとき、シート20が冷却ローラ52と接することによって、シート20の熱は、シート20が接触する冷却ローラ52へ伝わりやすくなる。このため、冷却ローラ52を有している熱処理装置10では、真空雰囲気でもシート20の冷却効率が良好である。例えば、シート20の搬送速度が速い場合にも、シート20は、巻取りロール24に巻取られる前に十分に冷却されやすくなる。
【0055】
以下、熱処理装置に用いられる冷却ローラの一例について、図面を参照しつつ説明する。
図3~
図5は、熱処理装置10に用いられる冷却ローラ52の一実施形態を模式的に示している。
図3は、冷却ローラ52の断面図である。
図3では、冷却ローラ52の軸に沿った断面が示されている。
図4は、
図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5は、
図3のV-V線に沿った断面図である。
図4および
図5では、冷却ローラ52の径方向に沿った断面が示されている。
図3および
図4において、図中の矢印は、冷媒が供給される方向を示している。
【0056】
図3に示されているように、冷却ローラ52は、ローラ部54と、軸部56とを有している。ローラ部54は、シート20が接するように掛け廻される部位である。軸部56の外径は、ローラ部54の外径よりも小さく形成されている。軸部56は、冷却ローラ52の回転軸を構成する部位である。ローラ部54は、円盤状の端部54a,54bと、端部54a,54bに支持される円筒部54cを有している。軸部56は、ローラ部54の端部54a,54bの略中央部を通っている。この実施形態では、冷却ローラ52の径方向において、軸部56とローラ部54の間には、空間55が形成されている。また、端部54a,54bには、略円形の孔54a1,54b1がそれぞれ複数形成されている。
【0057】
この実施形態では、ローラ部54と軸部56は、一体的に形成されている。軸部56は、外壁50a(
図1参照)の側壁に回転可能に架け渡されている。詳細な図示は省略するが、この実施形態では、軸部56の端部56a,56bは、外壁50aに対して軸受を介して支持されている。
【0058】
冷却ローラ52は、内部に冷媒が流通可能に構成されている。特に限定されないが、冷媒としては、水等が用いられうる。冷媒の温度は、冷却条件に応じて適宜設定されるとよく、例えば、5~20℃程度に設定されうる。冷却ローラ52は、冷媒が流通する冷媒経路53を内部に有している。冷媒経路53に冷媒が供給されることによって、金属製の冷却ローラ52が冷却される。冷却された冷却ローラ52にシート20が接することによって、シート20が冷却される。
【0059】
この実施形態では、冷却ローラ52は、いわゆる二重管構造を有している。二重管構造は、軸部56の一方の端部56aに形成されている。冷却ローラ52では、軸部56の一方の端部56aから冷媒が流入および流出する。端部56aにおいて、軸部56は、内管56a1および外管56a2を有している。内管56a1と外管56a2には、冷媒供給装置52cが接続されている。冷媒供給装置52cからの冷媒は、内管56a1と外管56a2の間の冷媒経路53に供給される。軸部56の端部56aの冷媒経路53から供給された冷媒は、ローラ部54の端部54aに形成された冷媒経路53に向かって流れる。
【0060】
図4に示されているように、ローラ部54の端部54aにおいて、隣り合う孔54a1の間を通るように冷媒経路53が形成されている。ローラ部54の端部54aには、複数(この実施形態では、4本)の冷媒経路53が形成されている。当該冷媒経路53は、端部54aの外径方向に沿って延びている。供給された冷媒は、ローラ部54の円筒部54cに向かって外径方向に流れる。
【0061】
円筒部54cでは、冷媒経路53は、円筒部54cの表面に沿って周方向に連続的に形成されている(
図4および
図5参照)。円筒部54cの冷媒経路53は、端部54aから端部54bに向かって形成されている(
図3参照)。円筒部54cに達した冷媒は、端部54bに向かう方向に流れつつ、円筒部54cの周方向にも流れる。円筒部54cにおいて冷媒経路53が周方向に連続的に形成されていることによって、周方向において円筒部54cの表面が均一に冷却されうる。これによって、周方向において温度のばらつきが抑制されうる。その結果、円筒部54cの外表面に接するシート20が均一に冷却されやすくなる。なお、円筒部54cにおいて、冷媒経路53は必ずしも周方向に連続して形成されている必要はない。例えば、円筒部54cには、一端から他端に向かう複数の冷媒経路が形成されていてもよい。
【0062】
ローラ部54の端部54bでは、端部54aと同様の形状の冷媒経路53が形成されている。
図3に示されているように、端部54bに達した冷媒は、ローラ部54の端部54bを内径方向に流れる。端部54bを流れた冷媒は、軸部56の内部に形成された冷媒経路53で合流する。
【0063】
軸部56では、冷媒経路53は、端部56bから端部56aに向かう方向に沿って形成されている。合流した冷媒は、当該冷媒経路53を端部54aに向かって流れる。冷媒経路53は、内管56a1の内部に繋がっている。図示は省略するが、内管56a1の端部は、開口を有している。冷媒は、内管56a1の内側を流れ、当該開口から排出される。当該開口には、冷媒を排出するための配管が接続されうる。冷媒供給装置52cとしては、冷媒を予め定められた温度に調整して冷媒を循環させる、冷却水循環装置が用いられていてもよい。この場合、冷媒を排出するための配管は、冷媒供給装置52cに接続されうる。
【0064】
なお、冷却ローラ52の構造は、上述した形態に限定されない。例えば、冷媒が軸部56の端部56aから供給され、円筒部54cを通り、軸部56の反対側の端部56bから排出されるような構成であってもよい。
【0065】
この実施形態では、冷却ローラ52は、ステンレス製である。冷却ローラ52が金属製であることよって、冷却ローラ52が冷却されやすくなる。これによって、シート20の冷却効率が向上しうる。なお、冷却ローラ52は、ステンレス製に限られない。冷却ローラ52のうちシート20が接する面には、平滑性や強度等を調整するために、めっき等の表面処理が施されていてもよい。
【0066】
この実施形態では、冷却ローラ52は、シート20が接するように掛け廻されるローラ部54と、冷却ローラ52の回転軸を構成する軸部56とを有している。冷却ローラ52の径方向において、軸部56とローラ部54の間には、空間55が形成されている。軸部56とローラ部54の間に空間55が形成されていることによって、冷却ローラ52は、軽量化されている。冷却ローラ52が軽量化されていることによって、冷却ローラ52を回転させるために必要なシート20の張力が小さくなるので、駆動装置32a,62aの小型化が容易になる。
【0067】
以上、具体的な実施形態を挙げて詳細な説明を行ったが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。このように、請求の範囲に記載の技術には、以上に記載した実施形態を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、上述した実施形態では、巻取りロール24は、冷却部50よりも下流に設けられた巻取り部60の第2軸62に取り付けられているが、かかる形態に限定されない。巻取りロールを取り付けるための第2軸は、冷却ローラが収容された冷却部に設けられていてもよい。冷却部は、加熱処理されたシートの冷却と、シートの巻取りとの両方が行われるように構成されていてもよい。
【0068】
なお、本明細書は以下の項目1~10を含んでいる。以下の項目1~10は、上記した実施形態には限定されない。
【0069】
項目1は、熱処理装置に関する。項目1における、熱処理装置は、
帯状のシートが搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
前記加熱処理部で加熱処理された前記帯状のシートが搬送されつつ冷却される冷却部と
を備え、
前記冷却部は、
内部に冷媒が流通する冷却ローラと、
前記冷却ローラが配置された空間を囲う外壁と
を有している。
【0070】
項目2は、項目1に記載された熱処理装置であって、
前記冷却部で冷却された前記帯状のシートが巻取られる巻取り部をさらに備えている。
【0071】
項目3は、項目1または2に記載された熱処理装置であって、
前記加熱処理部は、前記帯状のシートが加熱処理される空間を囲う外壁を有しており、
前記加熱処理部の入口には、前記加熱処理部よりも上流側の空間と前記加熱処理部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられており、
前記冷却部の出口には、前記冷却部よりも下流側の空間と前記冷却部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられている。
【0072】
項目4は、項目1~3のいずれか一つに記載された熱処理装置であって、
前記冷却部には、真空ポンプが接続されている。
【0073】
項目5は、項目1~4のいずれか一つに記載された熱処理装置であって、
前記冷却部には、複数の前記冷却ローラが設けられている。
【0074】
項目6は、項目5に記載された熱処理装置であって、
前記複数の冷却ローラは、
前記帯状のシートの第1面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第1冷却ローラと、
前記帯状のシートの第2面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第2冷却ローラと
を有する。
【0075】
項目7は、項目6に記載された熱処理装置であって、
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、それぞれ複数設けられており、
前記帯状のシートは、前記第1冷却ローラと前記第2冷却ローラに交互に掛け廻される。
【0076】
項目8は、項目7に記載された熱処理装置であって、
隣り合う前記第1冷却ローラの間隔および隣り合う前記第2冷却ローラの間隔はそれぞれ、前記冷却ローラの外径よりも狭い。
【0077】
項目9は、項目7または8に記載された熱処理装置であって、
前記複数の第1冷却ローラと前記複数の第2冷却ローラは、前記冷却部の前後で順に高さがずれるように配置されている。
【0078】
項目10は、項目1~項目9のいずれか1つに記載された熱処理装置であって、
前記冷却ローラは、前記帯状のシートが接するように掛け廻されるローラ部と、前記冷却ローラの回転軸を構成する軸部とを有し、
前記冷却ローラの径方向において、前記軸部と前記ローラ部の間には、空間が形成されている。
【符号の説明】
【0079】
10 熱処理装置
15 制御装置
20 シート
20a 第1面
20b 第2面
22 巻出しロール
24 巻取りロール
30 巻出し部
40 加熱処理部
50 冷却部
52 冷却ローラ
52a 第1冷却ローラ
52b 第2冷却ローラ
53 冷媒経路
54 ローラ部
55 空間
56 軸部
58 ガイドローラ
60 巻取り部
70,72,74 連結部
70a,74a 扉
80 真空ポンプ
【手続補正書】
【提出日】2022-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のシートが搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
前記加熱処理部で加熱処理された前記帯状のシートが搬送されつつ冷却される冷却部と
を備え、
前記冷却部は、
内部に冷媒が流通する冷却ローラと、
前記冷却ローラが配置された空間を囲う外壁と
を有し、
前記冷却部の前記外壁には、真空ポンプが接続されている、
熱処理装置。
【請求項2】
前記冷却部で冷却された前記帯状のシートが巻取られる巻取り部をさらに備える、請求項1に記載された熱処理装置。
【請求項3】
前記加熱処理部は、前記帯状のシートが加熱処理される空間を囲う外壁を有しており、
前記加熱処理部の入口には、前記加熱処理部よりも上流側の空間と前記加熱処理部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられており、
前記冷却部の出口には、前記冷却部よりも下流側の空間と前記冷却部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項4】
前記冷却部には、複数の前記冷却ローラが設けられている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項5】
前記複数の前記冷却ローラは、
前記帯状のシートの第1面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第1冷却ローラと、
前記帯状のシートの第2面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第2冷却ローラと
を有する、請求項4に記載された熱処理装置。
【請求項6】
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、それぞれ複数設けられており、
前記帯状のシートは、前記第1冷却ローラと前記第2冷却ローラに交互に掛け廻される、請求項5に記載された熱処理装置。
【請求項7】
隣り合う前記第1冷却ローラの間隔は、前記第1冷却ローラの外径よりも狭く、
隣り合う前記第2冷却ローラの間隔は、前記第2冷却ローラの外径よりも狭い、請求項6に記載された熱処理装置。
【請求項8】
前記複数の前記第1冷却ローラと前記複数の前記第2冷却ローラは、前記冷却部の前後0で順に高さがずれるように配置されている、請求項6に記載された熱処理装置。
【請求項9】
前記冷却ローラは、前記帯状のシートが接するように掛け廻されるローラ部と、前記冷却ローラの回転軸を構成する軸部とを有し、
前記冷却ローラの径方向において、前記軸部と前記ローラ部の間には、空間が形成されている、請求項1または2に記載された熱処理装置。
【請求項10】
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、同数設けられている、請求項6に記載された熱処理炉。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のシートが搬送されつつ加熱処理される加熱処理部と、
前記加熱処理部で加熱処理された前記帯状のシートが搬送されつつ冷却される冷却部と、
前記冷却部で冷却された前記帯状のシートが巻取られる巻取り部と
を備え、
前記冷却部は、
内部に冷媒が流通する冷却ローラと、
前記冷却ローラが配置された空間を囲う外壁と
を有し、
前記巻取り部は、
前記帯状のシートを巻取る巻取りロールと、
前記巻取りロールを囲う外壁と
を有し、
前記冷却部の外壁で囲まれた空間と、前記巻取り部の外壁で囲まれた空間とは、それぞれ真空ポンプに接続されている、
熱処理装置。
【請求項2】
前記加熱処理部は、前記帯状のシートが加熱処理される空間を囲う外壁を有しており、
前記加熱処理部の入口には、前記加熱処理部よりも上流側の空間と前記加熱処理部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられており、
前記冷却部の出口には、前記冷却部よりも下流側の空間と前記冷却部の雰囲気を切り替えるための扉が設けられている、請求項1に記載された熱処理装置。
【請求項3】
前記冷却部には、複数の前記冷却ローラが設けられている、請求項1に記載された熱処理装置。
【請求項4】
前記複数の前記冷却ローラは、
前記帯状のシートの第1面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第1冷却ローラと、
前記帯状のシートの第2面が接するように掛け廻される少なくとも1つの第2冷却ローラと
を有する、請求項3に記載された熱処理装置。
【請求項5】
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、それぞれ複数設けられており、
前記帯状のシートは、前記第1冷却ローラと前記第2冷却ローラに交互に掛け廻される、請求項4に記載された熱処理装置。
【請求項6】
隣り合う前記第1冷却ローラの間隔は、前記第1冷却ローラの外径よりも狭く、
隣り合う前記第2冷却ローラの間隔は、前記第2冷却ローラの外径よりも狭い、請求項5に記載された熱処理装置。
【請求項7】
前記複数の前記第1冷却ローラと前記複数の前記第2冷却ローラは、前記冷却部の前後で順に高さがずれるように配置されている、請求項5に記載された熱処理装置。
【請求項8】
前記冷却ローラは、前記帯状のシートが接するように掛け廻されるローラ部と、前記冷却ローラの回転軸を構成する軸部とを有し、
前記冷却ローラの径方向において、前記軸部と前記ローラ部の間には、空間が形成されている、請求項1に記載された熱処理装置。
【請求項9】
前記第1冷却ローラおよび前記第2冷却ローラは、同数設けられている、請求項5に記載された熱処理装置。