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特開2024-72419プログラム、フレーム変換装置、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072419
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プログラム、フレーム変換装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 65/102 20220101AFI20240521BHJP
   H04L 69/08 20220101ALI20240521BHJP
【FI】
H04L65/102
H04L69/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183213
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】東 良起
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敬大
(57)【要約】
【課題】宛先が異なるフレームが混在している場合でも対応可能であり且つネットワークの使用帯域を低減するプログラム、フレーム変換装置、及び方法を提供する。
【解決手段】プロトコルの異なる第1ネットワーク20と第2ネットワーク30との間に配設されるフレーム変換装置10にて、第2ネットワーク30における宛先に応じたバッファ12-1,12-2に、第1ネットワーク20のフレームを宛先に応じて振り分け、バッファ12-1,12-2から纏めて出力された設定個数のフレームに宛先を含む1つのヘッダを付加した第2ネットワーク30のフレームを出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロトコルに基づく第1ネットワークと第2プロトコルに基づく第2ネットワークとの間に配設されるフレーム変換装置に、処理を実行させるプログラムであって、
前記処理は、
第1バッファに、振り分けられたフレームを保持させ、保持しているフレームの数がM個になると前記M個のフレームを纏めて出力させることと、
第2バッファに、振り分けられたフレームを保持させ、保持しているフレームの数がN個になると前記N個のフレームを纏めて出力させることと、
前記第1プロトコルに基づくフレームの第1宛先及び第2宛先と前記第1バッファ及び前記第2バッファとの対応関係に基づいて、前記第1プロトコルに基づくフレームを前記第1バッファ及び前記第2バッファに振り分けることと、
前記第1バッファから出力された前記M個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力することと、
前記第2バッファから出力された前記N個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力することと、
を含み、
前記Mの値及び前記Nの値は、それぞれ、1以上の整数であり、
前記Mの値及び前記Nの値のうちの少なくとも一方は、2以上の整数である、
プログラム。
【請求項2】
前記Mの値は、前記Nの値よりも小さく、
前記処理は、第1宛先及び第2宛先と第1バッファ及び第2バッファとの前記対応関係を調整することをさらに含む、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、 前記第1宛先の優先度に基づいて、前記Mの値を調整することと、
前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Nの値を調整することと、 をさらに含む、
請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、前記第1宛先の優先度及び前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Mの値及び前記Nの値を調整することをさらに含む、
請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、
前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第1宛先のフレームに関する第1伝送量、及び、前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第2宛先のフレームに関する第2伝送量を測定することと、
前記第1伝送量に基づいて、前記Mの値を調整し、前記第2伝送量に基づいて、前記Nの値を調整することと、
をさらに含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、
前記第1ネットワークにおける前記第1プロトコルに基づく前記第1宛先のフレームに関する第3伝送量、及び、前記第1ネットワークにおける前記第1プロトコルに基づく前記第2宛先のフレームに関する第4伝送量を測定することと、
前記第3伝送量に基づいて、前記Mの値を調整することと、
前記第4伝送量に基づいて、前記Nの値を調整することと、
をさらに含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項7】
前記処理は、前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第1宛先のフレームに関する第1伝送量、及び、前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第2宛先のフレームに関する第2伝送量を測定することをさらに含み、
前記Mの値を調整することは、前記第1伝送量に基づいて、前記第1宛先の優先度を調整することを含み、
前記Nの値を調整することは、前記第2伝送量に基づいて、前記第2宛先の優先度を調整することを含む、
請求項3記載のプログラム。
【請求項8】
前記処理は、前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第1宛先のフレームに関する第1伝送量、及び、前記第2ネットワークにおける前記第2プロトコルに基づく前記第2宛先のフレームに関する第2伝送量を測定することをさらに含み、
前記Mの値及び前記Nの値を調整することは、前記第1伝送量及び前記第2伝送量に基づいて、前記第1宛先の優先度及び前記第2宛先の優先度を調整することを含む、
請求項4記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1ネットワーク、前記第2ネットワーク、及び、前記フレーム変換装置は、車両に配設され、
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、
前記車両の状態を判定することと、
前記判定された状態に基づいて、前記Mの値及び前記Nの値のうちの少なくとも一方を調整することと、
をさらに含む、
請求項1記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1宛先は、前記車両において行われる第1操作に対応づけられ、
前記第2宛先は、前記車両において行われる第2操作に対応づけられ、
前記調整することは、
前記車両の状態が第1状態であると判定された場合、前記Mの値を大きくする調整を行うことと、
前記車両の状態が第2状態であると判定された場合、前記Mの値を小さくする調整を行うことと、
を含む、
請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1ネットワーク、前記第2ネットワーク、及び、前記フレーム変換装置は、車両に配設され、
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記処理は、
前記車両が置かれた環境を判定することと、
前記判定された環境に基づいて、前記Mの値及び前記Nの値のうちの少なくとも一方を調整することと、
をさらに含む、
請求項1記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1宛先は、前記車両において行われる第3操作に対応づけられ、
前記第2宛先は、前記車両において行われる第4操作に対応づけられ、
前記調整することは、
前記車両が置かれた環境が第1環境であると判定された場合、前記Mの値を大きくする調整を行うことと、
前記車両が置かれた環境が第2環境であると判定された場合、前記Mの値を小さくする調整を行うことと、
を含む、
請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
第1プロトコルに基づく第1ネットワークと第2プロトコルに基づく第2ネットワークとの間に配設されるフレーム変換装置であって、
振り分けられたフレームを保持し、保持しているフレームの数がM個になると前記M個のフレームを纏めて出力する第1バッファと、
振り分けられたフレームを保持し、保持しているフレームの数がN個になると前記N個のフレームを纏めて出力する第2バッファと、
前記第1プロトコルに基づくフレームの第1宛先及び第2宛先と前記第1バッファ及び前記第2バッファとの対応関係に基づいて、前記第1プロトコルに基づくフレームを前記第1バッファ及び前記第2バッファに振り分ける振り分け部と、
前記第1バッファから出力された前記M個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力し、前記第2バッファから出力された前記N個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力する、変換部と、
を具備し、
前記Mの値及び前記Nの値は、それぞれ、1以上の整数であり、
前記Mの値及び前記Nの値のうちの少なくとも一方は、2以上の整数である、
フレーム変換装置。
【請求項14】
前記Mの値は、前記Nの値よりも小さく、
前記フレーム変換装置は、
第1宛先及び第2宛先と第1バッファ及び第2バッファとの前記対応関係を調整する調整部をさらに具備する、
請求項13記載のフレーム変換装置。
【請求項15】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記フレーム変換装置は、
前記第1宛先の優先度に基づいて、前記Mの値を調整し、前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Nの値を調整する調整部
をさらに具備する、
請求項13記載のフレーム変換装置。
【請求項16】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記フレーム変換装置は、
前記第1宛先の優先度及び前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Mの値及び前記Nの値を調整する調整部
をさらに具備する、
請求項13記載のフレーム変換装置。
【請求項17】
第1プロトコルに基づく第1ネットワークと第2プロトコルに基づく第2ネットワークとの間に配設されるフレーム変換装置による方法であって、
前記第1プロトコルに基づくフレームの第1宛先及び第2宛先と第1バッファ及び第2バッファとの対応関係に基づいて、前記第1プロトコルに基づくフレームを前記第1バッファ及び前記第2バッファに振り分けることと、
前記第1バッファが、前記振り分けられたフレームを保持し、保持しているフレームの数がM個になると前記M個のフレームを纏めて出力することと、
前記第2バッファが、前記振り分けられたフレームを保持し、保持しているフレームの数がN個になると前記N個のフレームを纏めて出力することと、
前記第1バッファから出力された前記M個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力することと、
前記第2バッファから出力された前記N個のフレームの全体に、前記第2プロトコルに基づくヘッダであり且つ前記対応関係において前記第1バッファに対応づけられた宛先を含む1つのヘッダを付加することによって、前記第2プロトコルに基づくフレームを形成し、該第2プロトコルに基づくフレームを前記第2ネットワークに出力することと、
を含み、
前記Mの値及び前記Nの値は、それぞれ、1以上の整数であり、
前記Mの値及び前記Nの値のうちの少なくとも一方は、2以上の整数である、
方法。
【請求項18】
前記Mの値は、前記Nの値よりも小さく、
前記方法は、第1宛先及び第2宛先と第1バッファ及び第2バッファとの前記対応関係を調整することをさらに含む、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記方法は、前記第1宛先の優先度に基づいて、前記Mの値を調整し、前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Nの値を調整することをさらに含む、
請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記対応関係において、前記第1宛先は前記第1バッファに対応づけられ、前記第2宛先は前記第2バッファに対応づけられ、
前記方法は、前記第1宛先の優先度及び前記第2宛先の優先度に基づいて、前記Mの値及び前記Nの値を調整することをさらに含む、
請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、フレーム変換装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1プロトコルに基づく第1ネットワークと第2プロトコルに基づく第2ネットワークとの間に配設される制御ユニットを開示する。第1ネットワークおよび第2ネットワークは、CAN(登録商標)(Controller Area Network)およびイーサネット(登録商標)などである。この制御ユニットは、第1ネットワークからの第1プロトコルに基づくフレームから第2プロトコルに基づくフレームを形成し、これを第2ネットワークに出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-506094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ネットワークの伝送帯域の削減に関する要求がある。
【0005】
本発明者は、特許文献1ではネットワークの伝送帯域の削減について十分検討されていない可能性があることを見出した。また、本発明者は、特許文献1では、宛先が複数有る場合にどのような処理を行うのかについて十分検討されていない可能性があることを見出した。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態によれば、プロトコルの異なる第1、第2のネットワークの間に配設されるフレーム変換装置は、第2ネットワークにおける宛先に応じたバッファに、第1ネットワークのフレームを宛先に応じて振り分け、バッファから纏めて出力された設定個数のフレームに宛先を含む1つのヘッダを付加した第2ネットワークのフレームを出力する。
【発明の効果】
【0008】
上記の一実施の形態によれば、宛先が異なるフレームが混在している場合でも対応可能であり且つネットワークの使用帯域を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態におけるシステムの一例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態におけるシステムの具体的な構成例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態のシステムにおけるフレーム伝送に関するタイミングチャートである。
図5図5は、第2実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図6図6は、第2実施形態の変形例1におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第3実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第3実施形態の変形例4におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図9図9は、第3実施形態の変形例6におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図10図10は、第4実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。
図11図11は、フレーム変換装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
<第1実施形態>
<システムの概要>
図1は、第1実施形態におけるシステムの一例を示す図である。図1においてシステム1は、フレーム変換装置10と、第1ネットワーク20と、第2ネットワーク30とを有している。
【0012】
第1ネットワーク20は、第1プロトコルに基づくネットワークである。第2ネットワーク30は、第2プロトコルに基づく第2ネットワークである。第1プロトコルと第2プロトコルとは、互いに異なるプロトコルである。このため、第1ネットワーク20において伝送されるフレームのフォーマットは、第2ネットワーク30において伝送されるフレームのフォーマットと異なっている。例えば、これに限定されるものではないが、第1ネットワーク20及び第2ネットワーク30の一方は、CANであり、他方は、イーサネットであってもよい。
【0013】
フレーム変換装置10は、第1ネットワーク20と第2ネットワーク30との間に配設されている。例えば、フレーム変換装置10は、第1ネットワーク20から第1プロトコルに基づくフレームを受け取り、この第1プロトコルに基づくフレームを第2プロトコルに基づくフレームに変換する。そして、フレーム変換装置10は、第2プロトコルに基づくフレームを第2ネットワーク30に出力する。
【0014】
<フレーム変換装置の構成例>
図2は、第1実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図2においてフレーム変換装置10は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14とを有している。バッファ12-1及びバッファ12-2は、「宛先バッファマッピング情報(つまり、対応関係)」において、第1宛先及び第2宛先にそれぞれ対応づけられている。「宛先バッファマッピング情報」は、例えば、宛先バッファマッピングテーブルであってもよい。この宛先バッファマッピングテーブルは、記憶部14に記憶されている。また、例えば、第1宛先は、第2ネットワーク30に配設された第1処理部(不図示)であり、第2宛先は、第2ネットワーク30に配設された第2処理部(不図示)であってもよい。なお、以下では、バッファ12-1及びバッファ12-2を区別しない場合、総称してバッファ12と呼ぶことがある。ここでは、説明を簡単にするために、フレーム変換装置10が有するバッファ12の個数を2つとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、フレーム変換装置10が有するバッファ12の個数は3つ以上であってもよい。この場合でも、3つ以上のバッファ12は、それぞれ異なる宛先に対応づけられる。
【0015】
振り分け部11は、第1ネットワーク20から第1プロトコルに基づくフレームを受け取る。第1プロトコルに基づくフレームは、該フレームのヘッダ部に「宛先情報」を含む。ここでは、「宛先情報」は、上記の第1宛先又は第2宛先を示す。
【0016】
振り分け部11は、第1プロトコルに基づくフレームを、このフレームの宛先情報が示す宛先に宛先バッファマッピング情報にて対応づけられているバッファ12に振り分ける。例えば、振り分け部11は、第1プロトコルに基づくフレームの宛先情報が第1宛先を示している場合、この第1プロトコルに基づくフレームを、第1宛先に対応づけられたバッファ12-1に振り分ける。なお、振り分け部11は、振り分けの際に、第1プロトコルに基づくフレーム(つまり、ヘッダ部分及びペイロード部分の両方)をそのままバッファ12に出力してもよいし、第1プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分を取り除いたペイロード部分をバッファ12に出力してもよい。
【0017】
バッファ12-1は、振り分け部11から振り分けられたフレーム(つまり、宛先が第1宛先であるフレーム)を保持する。そして、バッファ12-1は、保持しているフレームの数がM個になるとM個のフレームを纏めて変換部13に出力する。
【0018】
バッファ12-2は、振り分け部11から振り分けられたフレーム(つまり、宛先が第2宛先であるフレーム)を保持する。そして、バッファ12-2は、保持しているフレームの数がN個になるとN個のフレームを纏めて変換部13に出力する。
【0019】
ここで、上記のMの値及びNの値は、それぞれ、1以上の整数である。また、上記のMの値及びNの値のうちの少なくとも一方は、2以上の整数である。そして、Mの値は、Nの値と同じであってもよいし異なっていてもよい。上記のMの値及びNの値は、それぞれ、「バッファサイズ」と呼ばれてもよい。
【0020】
変換部13は、バッファ12-1から出力されたM個のフレームの全体に、第2プロトコルに基づくヘッダを1つ付加することによって、第2プロトコルに基づくフレームを形成する。すなわち、変換部13は、バッファ12-1から出力されたM個のフレームの全体を、第2プロトコルに基づくフレームのペイロード部分として、第2プロトコルに基づくフレームに含める。また、変換部13は、その第2プロトコルに基づくフレームのペイロード部分に、第1宛先を含む第2プロトコルに基づくヘッダを1つ付加することによって、第2プロトコルに基づくフレームを形成する。
【0021】
同様に、変換部13は、バッファ12-2から出力されたN個のフレームの全体に、第2プロトコルに基づくヘッダを1つ付加することによって、第2プロトコルに基づくフレームを形成する。すなわち、変換部13は、バッファ12-2から出力されたN個のフレームの全体を、第2プロトコルに基づくフレームのペイロード部分として、第2プロトコルに基づくフレームに含める。また、変換部13は、その第2プロトコルに基づくフレームのペイロード部分に、第2宛先を含む第2プロトコルに基づくヘッダを1つ付加することによって、第2プロトコルに基づくフレームを形成する。
【0022】
なお、上記の通り、第1プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分が取り除かれたペイロード部分がバッファ12に保持される場合でも、変換部13は、宛先バッファマッピング情報を参照することによって、フレームの出力元のバッファ12が対応づけられている宛先を特定できる。このため、変換部13は、バッファ12-1から出力されたM個のフレームから形成される第2プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分には「第1宛先」を含めることができる。一方、変換部13は、バッファ12-2から出力されたN個のフレームから形成される第2プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分には「第2宛先」を含めることができる。
【0023】
そして、変換部13は、形成した第2プロトコルに基づくフレームを第2ネットワーク30に出力する。この第2プロトコルに基づくフレームは、例えば、そのヘッダ部分に含まれる宛先情報の示す処理部に受け取られる。
【0024】
<システムの動作例>
以上の構成を有するシステム1の処理動作の一例について説明する。図3は、第1実施形態におけるシステムの具体的な構成例を示す図である。図4は、第1実施形態のシステムにおけるフレーム伝送に関するタイミングチャートである。ここでは、図3に示すシステムの具体的な構成例に基づいて処理動作の一例について説明する。なお、図3ではフレーム変換装置10の記憶部14の図示が省略されている。
【0025】
図3において第1ネットワーク20は、処理モジュール21-1,21-2,21-3を含む。また、第2ネットワーク30は、処理ユニット31-1,31-2,31-3を含む。
【0026】
処理モジュール21-1は、処理ユニット31-1宛ての、第1プロトコルに基づくフレームF11を出力する。また、処理モジュール21-2は、処理ユニット31-2宛ての、第1プロトコルに基づくフレームF12を出力する。また、処理モジュール21-3は、処理ユニット31-3宛ての、第1プロトコルに基づくフレームF13を出力する。
【0027】
より具体的には、図4に示すように、処理モジュール21-1は、フレームF11-1,F11-2,F11-3を出力している。また、処理モジュール21-2は、フレームF12-1,F12-2,F12-3を出力している。また、処理モジュール21-3は、フレームF13-1,F13-2,F13-3を出力している。
【0028】
また、図3に示すように、フレーム変換装置10は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2,12-3と、変換部13とを有している。バッファ12-1,12-2,12-3は、「宛先バッファマッピング情報」において、宛先1,2,3にそれぞれ対応づけられている。宛先1,2,3は、処理ユニット31-1,31-2,31-3にそれぞれ対応づけられている。
【0029】
振り分け部11は、フレームF11-1,F11-2,F11-3を、宛先1(つまり、処理ユニット31-1)に対応するバッファ12-1に振り分ける。また、振り分け部11は、フレームF12-1,F12-2,F12-3を、宛先2(つまり、処理ユニット31-2)に対応するバッファ12-2に振り分ける。また、振り分け部11は、F13-1,F13-2,F13-3を、宛先3(つまり、処理ユニット31-3)に対応するバッファ12-3に振り分ける。このように、振り分け部11が第2ネットワーク30における宛先に応じたバッファ12に、第1ネットワーク20のフレームを宛先に応じて振り分ける。これにより、宛先が異なるフレームが混在している場合でも対応可能なフレーム変換装置10を実現できる。
【0030】
ここで、バッファ12-1,12-2,12-3のそれぞれの「バッファサイズ」は、第1プロトコルに基づくフレームの3個分のサイズであるものとする。すなわち、バッファ12-1,12-2,12-3のそれぞれは、第1プロトコルに基づくフレームを3個保持すると、これらを纏めて変換部13に出力する。
【0031】
そして、変換部13は、ヘッダ部分H21とペイロード部分P21とを含む、第2プロトコルに基づくフレームF21を形成する。この第2プロトコルに基づくフレームF21のペイロード部分P21は、バッファ12-1から纏めて出力されたフレームF11-1,F11-2,F11-3を含む。また、この第2プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分H21は、処理ユニット31-1を示す宛先情報を含む。そして、変換部13は、形成した第2プロトコルに基づくフレームF21を、第2ネットワーク30に出力する。
【0032】
また、変換部13は、ヘッダ部分H22とペイロード部分P22とを含む、第2プロトコルに基づくフレームF22を形成する。この第2プロトコルに基づくフレームF22のペイロード部分P22は、バッファ12-2から纏めて出力されたフレームF12-1,F12-2,F12-3を含む。また、この第2プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分H22は、処理ユニット31-2を示す宛先情報を含む。そして、変換部13は、形成した第2プロトコルに基づくフレームF22を、第2ネットワーク30に出力する。
【0033】
また、変換部13は、ヘッダ部分H23とペイロード部分P23とを含む、第2プロトコルに基づくフレームF23を形成する。この第2プロトコルに基づくフレームF23のペイロード部分P23は、バッファ12-3から纏めて出力されたフレームF13-1,F13-2,F13-3を含む。また、この第2プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分H23は、処理ユニット31-3を示す宛先情報を含む。そして、変換部13は、形成した第2プロトコルに基づくフレームF23を、第2ネットワーク30に出力する。
【0034】
このように変換部13は、バッファ12から纏めて出力された設定個数のフレームに宛先を含む1つのヘッダを付加した第2ネットワーク30のフレームを形成し、このフレームを第2ネットワーク30に出力している。これにより、第1プロトコルに基づくフレームの1つ1つに第2プロトコルに基づくヘッダを付加して第2プロトコルに基づくフレームを形成するケースに比べて、第2プロトコルに基づくフレームのヘッダによるオーバヘッドを低減できる。この結果として、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0035】
<第2実施形態>
第2実施形態は、バッファと宛先との対応関係を示す宛先バッファマッピング情報の調整、又は、バッファサイズの調整等に関する。
【0036】
図5は、第2実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図5においてフレーム変換装置40は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、調整部41とを有している。なお、第2実施形態におけるシステムの基本構成は、図1に示すシステム1と同じである。すなわち、第2実施形態におけるシステム1は、フレーム変換装置10の代わりに、フレーム変換装置40を有している。ここでは、説明を簡単にするために、フレーム変換装置40が有するバッファ12の個数を2つとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、フレーム変換装置40が有するバッファ12の個数は3つ以上であってもよい。この場合でも、3つ以上のバッファ12は、それぞれ異なる宛先に対応づけられる。
【0037】
第2実施形態においてバッファ12-1のバッファサイズであるMの値は、バッファ12-2のバッファサイズであるNの値と異なっている。以下では、Mの値は、Nの値よりも小さい。
【0038】
調整部41は、バッファ12-1,12-2と第1宛先及び第2宛先との対応関係を示す宛先バッファマッピング情報を調整する。宛先バッファマッピング情報は、記憶部14に記憶されている。調整部41は、第1宛先及び第2宛先の「優先度」に基づいて、宛先バッファマッピング情報を調整する。例えば、調整部41は、「優先度情報」及び「バッファ情報」を参照して、宛先バッファマッピング情報を調整する。「優先度情報」は、宛先と宛先に応じた優先度とを対応づけている。言い換えれば、「優先度情報」は、処理ユニットと処理ユニットに応じた優先度とを対応づけている。例えば、処理を早急に行うことが求められている処理ユニットほど、その処理ユニットに対応づけられる優先度は高い。「優先度情報」は、例えば、「優先度テーブル」である。「優先度テーブル」は、記憶部14に記憶されている。また、「バッファ情報」は、相対的な優先度と相対的な優先度に応じたバッファとを対応づけている。例えば、「バッファ情報」は、相対的優先度「高」に対してバッファ12-1を対応づけ、相対的優先度「低」に対してバッファ12-2を対応づけてもよい。「バッファ情報」は、例えば、「バッファテーブル」である。「バッファテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0039】
例えば、タイミング(例えば、時間帯)に応じて宛先の優先度が変わる場合には、優先度情報は、第1タイミングの第1優先度情報及び第2タイミングの第2優先度情報を含んでいてもよい。例えば、第1時間帯の第1優先度情報は、第1宛先の優先度を第2宛先の優先度よりも高く規定する。一方、第2時間帯の第2優先度情報は、第1宛先の優先度を第2宛先の優先度よりも低く規定する。そして、調整部41は、第1時間帯(つまり、第1タイミング)では第1優先度情報及びバッファ情報を参照して、バッファ12-1に優先度の高い第1宛先が対応づけられ且つバッファ12-2に優先度の低い第2宛先が対応づけられるように、宛先バッファマッピング情報を調整する。これにより、優先度が相対的に高い宛先(処理ユニット)に関しては、第2ネットワーク30の使用帯域を削減するよりも、宛先(処理ユニット)にフレームが到達するまでの遅延を小さくすることに、重きを置くことができる。また、第2時間帯(つまり、第1タイミングよりも後の第2タイミング)では第2優先度情報及びバッファ情報を参照して、調整部41は、バッファ12-1に優先度の高い第2宛先が対応づけられ且つバッファ12-2に優先度の低い第1宛先が対応づけられるように、宛先バッファマッピング情報を調整する。
【0040】
振り分け部11は、第1プロトコルに基づくフレームを、調整後の宛先バッファマッピング情報にてこのフレームの宛先情報が示す宛先に対応づけられているバッファ12に振り分ける。また、変換部13は、第1プロトコルに基づくフレームのヘッダ部分が取り除かれたペイロード部分がバッファ12に保持される場合、調整後の宛先バッファマッピング情報を参照することによって、フレームの出力元のバッファ12が対応づけられている宛先を特定する。
【0041】
このように調整部41が宛先バッファマッピング情報を調整することにより、優先度の高い宛先のフレームを、バッファサイズの小さいバッファ12-1に保持させて、優先度の高い宛先のフレームのバッファリングによる遅延を小さくできる。これにより、優先度の高い宛先のフレームをより早く宛先に届けることができる。
【0042】
また、調整部41は、バッファ12-1,12-2にフレームが蓄積されていないタイミングで、宛先バッファマッピング情報を調整する。これにより、1つのバッファに宛先の異なるフレームが蓄積されることを回避できる。
【0043】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態のフレーム変換装置40には次のような変形が施されてもよい。
【0044】
<変形例1>図6は、第2実施形態の変形例1におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図6においてフレーム変換装置40は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、調整部42とを有している。
【0045】
第2実施形態の変形例1では、宛先バッファマッピング情報は、第1宛先をバッファ12-1に対応づけ、第2宛先をバッファ12-2に対応づけている。すなわち、第2実施形態の変形例では、宛先バッファマッピング情報が固定であることを前提としている。
【0046】
調整部42は、第1宛先の優先度に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整する。また、調整部42は、第2宛先の優先度に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整する。第1宛先の優先度に基づくMの値の調整と、第2宛先の優先度に基づくNの値の調整とは、独立的に行われてもよい。換言すれば、Mの値及びNの値の調整は、第1宛先及び第2宛先の絶対的な優先度に基づいて行われてもよい。
【0047】
例えば、調整部42は、「優先度情報」、「バッファサイズ情報」、及び「宛先バッファマッピング情報」を参照して、バッファ12のバッファサイズを調整する。「優先度情報」及び「宛先バッファマッピング情報」は、第2実施形態のものと同じである。「バッファサイズ情報」は、処理ユニットに対応づけられ得る処理ユニットの優先度種別と優先度種別に応じたバッファサイズとを対応づけている。例えば、優先度として高、中、低の3段階が存在するものとする。この場合、「バッファサイズ情報」は、例えば、優先度の高、中、低にそれぞれバッファサイズ1,2,3を対応付ける。調整部42は、この「バッファサイズ情報」と第1宛先(第1処理ユニット)の優先度とに従って、Mの値の調整を行い、この「バッファサイズ情報」と第2宛先(第2処理ユニット)の優先度とに従って、Nの値の調整を行ってもよい。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0048】
例えば、第1時間帯の第1優先度情報が、第1処理ユニット(第1宛先)に優先度「高」を対応づけ、第2処理ユニット(第2宛先)に優先度「低」を対応づけているものとする。この場合、調整部42は、第1優先度情報とバッファサイズ情報とを参照して、第1処理ユニット(第1宛先)のバッファサイズ「1」を特定する。そして、調整部42は、「宛先バッファマッピング情報」を参照して、第1処理ユニット(第1宛先)に対応づけられているバッファ12-1を特定し、このバッファ12-1のバッファサイズを「1」に調整する。
【0049】
この調整部42による調整により、宛先の優先度が高いほど、該宛先に対応するバッファのバッファサイズを小さく調整できる。これにより、優先度の高い宛先にフレームを早く届けることができる。
【0050】
なお、調整部42は、バッファ12にフレームが蓄積されていないタイミングで、バッファ12のバッファサイズを調整してもよい。これにより、バッファ12にフレームが蓄積されているタイミングでバッファサイズの値を調整すると起こり得る、蓄積フレームが失われること、を確実に回避できる。
【0051】
<変形例2>第2実施形態の変形例2におけるフレーム変換装置の基本構成は、第2実施形態の変形例1におけるフレーム変換装置と同じなので、図6を参照する。
【0052】
第2実施形態の変形例2では、宛先バッファマッピング情報は、第1宛先をバッファ12-1に対応づけ、第2宛先をバッファ12-2に対応づけている。すなわち、第2実施形態の変形例では、宛先バッファマッピング情報が固定であることを前提としている。
【0053】
第2実施形態の変形例2の調整部42は、第1宛先の優先度及び第2宛先の優先度に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)及びNの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整する。すなわち、Mの値及びNの値の調整は、第1宛先及び第2宛先の相対的な優先度に基づいて行われてもよい。
【0054】
例えば、調整部42は、「優先度情報」、「バッファサイズ情報」、及び「宛先バッファマッピング情報」を参照して、バッファ12のバッファサイズを調整する。「優先度情報」及び「宛先バッファマッピング情報」は、第2実施形態のものと同じである。「バッファサイズ情報」は、相対的な優先度と相対的な優先度に応じたバッファサイズとを対応づけている。「バッファサイズ情報」は、例えば、相対的な優先度「高」にバッファサイズの値「1」を対応づけ、相対的な優先度「低」にバッファサイズの値「3」を対応づけている。調整部42は、この「バッファサイズ情報」を参照して、第1宛先及び第2宛先のうちで優先度が高い方に対応するバッファ12のバッファサイズを1に調整する。また、調整部42は、第1宛先及び第2宛先のうちで優先度が低い方に対応するバッファ12のバッファサイズを3に調整する。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0055】
例えば、第1時間帯の第1優先度情報が、第1処理ユニット(第1宛先)に優先度「高」を対応づけ、第2処理ユニット(第2宛先)に優先度「低」を対応づけているものとする。この場合、調整部42は、第1優先度情報とバッファサイズ情報とを参照して、第1処理ユニット(第1宛先)のバッファサイズ「1」を特定する。そして、調整部42は、「宛先バッファマッピング情報」を参照して、第1処理ユニット(第1宛先)に対応づけられているバッファ12-1を特定し、このバッファ12-1のバッファサイズを「1」に調整する。
【0056】
この調整部43による調整により、第1宛先の優先度が第2宛先の優先度よりも高い場合、優先度の高い第1宛先のフレームが保持されるバッファ12-1のバッファサイズをバッファ12-2よりも小さくできる。これにより、優先度の高い第1宛先のフレームを第2宛先のフレームより早く宛先に届けることができる。
【0057】
<第3実施形態>
第3実施形態は、フレームの各宛先の伝送量に基づいて各宛先に対応づけられたバッファのバッファサイズを調整する実施形態に関する。
【0058】
図7は、第3実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図7においてフレーム変換装置50は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、測定部51と、調整部52とを有している。なお、第3実施形態におけるシステムの基本構成は、図1に示すシステム1と同じである。すなわち、第3実施形態におけるシステム1は、フレーム変換装置10の代わりに、フレーム変換装置50を有している。ここでは、説明を簡単にするために、フレーム変換装置50が有するバッファ12の個数を2つとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、フレーム変換装置50が有するバッファ12の個数は3つ以上であってもよい。この場合でも、3つ以上のバッファ12は、それぞれ異なる宛先に対応づけられる。
【0059】
第3実施形態では、宛先バッファマッピング情報は、第1宛先をバッファ12-1に対応づけ、第2宛先をバッファ12-2に対応づけている。すなわち、第3実施形態の変形例では、宛先バッファマッピング情報が固定であることを前提としている。
【0060】
測定部51は、第2ネットワーク30における第2プロトコルに基づく第1宛先のフレームに関する伝送量、及び、第2ネットワーク30における第2プロトコルに基づく第2宛先のフレームに関する伝送量を測定する。以下では、第2ネットワーク30における第2プロトコルに基づく第1宛先のフレームに関する伝送量を、単に「第1伝送量」と呼ぶことがある。また、以下では、第2ネットワーク30における第2プロトコルに基づく第2宛先のフレームに関する伝送量を、単に「第2伝送量」と呼ぶことがある。第1伝送量は、第1宛先のフレームによって用いられる第2ネットワーク30の帯域に相当し、また、第2伝送量は、第2宛先のフレームによって用いられる第2ネットワーク30の帯域に相当する。
【0061】
調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整する。例えば、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、Mの値を調整してもよい。「バッファサイズ情報」は、伝送量の大きさに応じた複数の範囲のそれぞれにバッファサイズを対応づけている。具体的には、調整部52は、「バッファサイズ情報」において測定部51にて測定された第1伝送量に応じた範囲に対応づけられているバッファサイズを特定し、このバッファサイズにMの値を調整してもよい。「バッファサイズ情報」は、例えば、伝送量の大きさ(大、中、小)に応じた3つの範囲のそれぞれに異なるバッファサイズ(3,2,1)を対応づけていてもよい。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0062】
同様に、調整部52は、測定部51にて測定された第2伝送量に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整する。例えば、調整部52は、測定部51にて測定された第2伝送量と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、Nの値を調整してもよい。
【0063】
この調整部52による調整により、伝送量が多い宛先に対応付けられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0064】
なお、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量が第1閾値を超えている場合、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)上げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。このようにしても、想定以上に伝送量が多くなった宛先に対応付けられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0065】
また、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量が第2閾値未満となった場合、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)下げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。これにより、想定以上に伝送量が少なくなった宛先に対応付けられたバッファ12のバッファサイズを小さくできる。これにより、想定以上に伝送量が少なくなった宛先にフレームを早く届けることができる。
【0066】
ここで、調整部52は、バッファ12にフレームが蓄積されていないタイミングで、バッファ12のバッファサイズを調整する。これにより、バッファ12にフレームが蓄積されているタイミングでバッファサイズの値を調整すると起こり得る、蓄積フレームが失われること、を確実に回避できる。
【0067】
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態のフレーム変換装置50には次のような変形が施されてもよい。
【0068】
<変形例1>第3実施形態の変形例1は、第3実施形態と第2実施形態とを組み合わせた一形態に相当する。第3実施形態の変形例1におけるフレーム変換装置の基本構成は、第3実施形態におけるフレーム変換装置と同じなので、図7を参照する。例えば、調整部52は、第1宛先の優先度に基づいて、Mの値の初期値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。また、調整部52は、第2宛先の優先度に基づいて、Nの値の初期値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。
【0069】
例えば、調整部52は、「優先度情報」、「バッファ初期サイズ情報」、及び「宛先バッファマッピング情報」を参照して、バッファ12のバッファサイズの初期値を設定する。「優先度情報」及び「宛先バッファマッピング情報」は、第2実施形態のものと同じである。「バッファ初期サイズ情報」は、処理ユニットに対応づけられ得る処理ユニットの優先度種別と優先度種別に応じたバッファ初期サイズとを対応づけている。例えば、優先度として高、中、低の3段階が存在するものとする。この場合、「バッファ初期サイズ情報」は、例えば、優先度の高、中、低にそれぞれバッファ初期サイズ1,2,3を対応付ける。「バッファ初期サイズ情報」は、例えば、「バッファ初期サイズテーブル」である。「バッファ初期サイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0070】
例えば、優先度情報が、第1処理ユニット(第1宛先)に優先度「高」を対応づけ、第2処理ユニット(第2宛先)に優先度「低」を対応づけているものとする。この場合、調整部52は、優先度情報とバッファ初期サイズ情報とを参照して、第1処理ユニット(第1宛先)のバッファ初期サイズ「1」を特定する。そして、調整部52は、「宛先バッファマッピング情報」を参照して、第1処理ユニット(第1宛先)に対応づけられているバッファ12-1を特定し、このバッファ12-1のバッファ初期サイズを「1」に調整する。
【0071】
この調整部52によるバッファサイズの初期値の調整により、宛先の優先度が高いほど、該宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズの初期値を小さく調整できる。これにより、優先度の高い宛先にフレームを早く届けることができる。
【0072】
そして、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量が第1閾値を超えている場合、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)上げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。
【0073】
また、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量が第2閾値未満となった場合、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)下げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。
【0074】
<変形例2>上記の第3実施形態では、調整部52が伝送量に基づいてバッファサイズを調整するものとして説明を行った。これに対して、この第3実施形態の変形例2では、宛先の伝送量に基づいてこの宛先の優先度が調整され、調整された優先度に基づいてバッファサイズが調整される。すなわち、第3実施形態の変形例2は、第3実施形態と第2実施形態の変形例1とを組み合わせた一形態に相当する。第3実施形態の変形例2におけるフレーム変換装置の基本構成は、第3実施形態におけるフレーム変換装置と同じなので、図7を参照する。
【0075】
調整部52は、「優先度情報」、「バッファサイズ情報」、及び「宛先バッファマッピング情報」を参照して、バッファ12のバッファサイズを調整する。「宛先バッファマッピング情報」及び「バッファサイズ情報」は、第2実施形態の変形例1のものと同じである。「優先度情報」は、伝送量の大きさに応じた複数の範囲のそれぞれに優先度を対応づけている。「優先度情報」は、例えば、伝送量の大きさ(大、中、小)に応じた3つの範囲のそれぞれに優先度(低、中、高)を対応づけていてもよい。「優先度情報」は、例えば、「優先度テーブル」である。「優先度テーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0076】
例えば、調整部52は、「優先度情報」を参照して、第1伝送量が含まれる範囲に応じた優先度を特定する。これにより、第1宛先(第1処理ユニット)に対応付けられる優先度が、第1伝送量に応じて調整される。そして、調整部52は、バッファサイズ情報を参照して、特定された優先度に応じたバッファサイズを特定する。そして、調整部52は、宛先バッファマッピング情報にて第1宛先に対応づけられているバッファ12のバッファサイズを、特定されたバッファサイズに調整する。
【0077】
同様に、調整部52は、第2伝送量が含まれる範囲に応じた優先度を特定する。そして、バッファサイズ情報を参照して、特定された優先度に応じたバッファサイズを特定する。そして、調整部52は、宛先バッファマッピング情報にて第2宛先に対応づけられているバッファ12のバッファサイズを、特定されたバッファサイズに調整する。
【0078】
<変形例3>第3実施形態の変形例3では、第3実施形態の変形例2と同様に、宛先の伝送量に基づいてこの宛先の優先度が調整され、調整された優先度に基づいてバッファサイズが調整される。すなわち、第3実施形態の変形例3は、第3実施形態と第2実施形態の変形例1とを組み合わせた一形態に相当する。
【0079】
第3実施形態の変形例3において「優先度情報」は、宛先と宛先に応じた優先度とを対応づけている。言い換えれば、「優先度情報」は、処理ユニットと処理ユニットに応じた優先度とを対応づけている。そして、例えば、測定部51にて測定された第1伝送量が所定の閾値を超えている場合、調整部52は、「優先度情報」における第1宛先の優先度を現在の優先度から所定段階(例えば、1つ)下げることによって、第1宛先の優先度を調整してもよい。第2宛先の優先度についても同様である。
【0080】
また、調整部52は、測定部51にて測定された第1伝送量が第2閾値未満となった場合、「優先度情報」における第1宛先の優先度を現在の優先度から所定段階(例えば、1つ)上げることによって、第1宛先の優先度を調整してもよい。第2宛先の優先度についても同様である。
【0081】
そして、調整部52は、第2実施形態の変形例1又は第2実施形態の変形例2の調整部42と同様に、調整後の第1宛先及び第2宛先の優先度に基づいて、バッファ12-1,12-2のバッファサイズを調整してもよい。
【0082】
この調整部52による宛先の優先度の調整により、伝送量が多い宛先の優先度を高くすることで、伝送量が多い宛先に対応付けられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0083】
<変形例4>以上の説明では、第2ネットワーク30における第2プロトコルに基づくフレームに関する伝送量に基づいて、バッファサイズの調整又は宛先の優先度の調整が行われている。これに対して、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づくフレームに関する伝送量に基づいて、バッファサイズの調整又は宛先の優先度の調整が行われてもよい。
【0084】
図8は、第3実施形態の変形例4におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図8においてフレーム変換装置50は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、測定部54と、調整部55とを有している。
【0085】
測定部54は、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づく第1宛先のフレームに関する伝送量、及び、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づく第2宛先のフレームに関する伝送量を測定する。以下では、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づく第1宛先のフレームに関する伝送量を、単に「第3伝送量」と呼ぶことがある。また、以下では、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づく第2宛先のフレームに関する伝送量を、単に「第4伝送量」と呼ぶことがある。
【0086】
調整部55は、測定部54にて測定された第3伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整する。例えば、調整部55は、測定部54にて測定された第3伝送量と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、Mの値を調整してもよい。「バッファサイズ情報」は、伝送量の大きさに応じた複数の範囲のそれぞれにバッファサイズを対応づけている。調整部55は、「バッファサイズ情報」において測定部54にて測定された第3伝送量に応じた範囲に対応づけられているバッファサイズを特定し、このバッファサイズにMの値を調整してもよい。「バッファサイズ情報」は、例えば、伝送量の大きさ(大、中、小)に応じた3つの範囲のそれぞれに異なるバッファサイズ(3,2,1)を対応づけていてもよい。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0087】
同様に、調整部55は、測定部54にて測定された第4伝送量に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整する。例えば、調整部55は、第4伝送量が含まれる範囲に応じたバッファサイズにNの値を調整してもよい。
【0088】
ここで、或る宛先への第1ネットワーク20における伝送量は、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量の指標となり得る。このため、調整部55による調整により、第1ネットワーク20の伝送量が多い第2ネットワークにおける宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0089】
なお、調整部55は、第3実施形態の変形例1と同様に、第1宛先の優先度に基づいて、Mの値の初期値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。また、調整部55は、第2宛先の優先度に基づいて、Nの値の初期値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。
【0090】
また、調整部55は、第3伝送量及び第4伝送量に基づいてバッファ12-1,12-2のバッファサイズを、必ずしも直接的に調整する必要はない。例えば、第3実施形態の変形例2と同様に、第3伝送量及び第4伝送量に基づいて第1宛先及び第2宛先の優先度を調整し、調整された優先度に基づいて間接的にバッファ12-1,12-2のバッファサイズを調整するようにしてもよい。
【0091】
<変形例5>第3実施形態の変形例5は、第3実施形態の変形例4と同様に、第1ネットワーク20における第1プロトコルに基づくフレームに関する伝送量に基づいて、バッファサイズの調整又は宛先の優先度の調整を行う。第3実施形態の変形例5におけるフレーム変換装置の基本構成は、第3実施形態の変形例4におけるフレーム変換装置と同じなので、図8を参照する。
【0092】
例えば、測定部54にて測定された第3伝送量が第1閾値を超えている場合、調整部55は、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)上げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。
【0093】
また、調整部52は、測定部54にて測定された第3伝送量が第2閾値未満となった場合、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を現在の値から所定値(例えば、1)下げることによって、Mの値を調整してもよい。Nの値についても同様である。
【0094】
なお、調整部55は、第3実施形態の変形例1と同様に、第1宛先の優先度に基づいて、Mの値の初期値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。また、調整部55は、第2宛先の優先度に基づいて、Nの値の初期値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズの初期値)を設定してもよい。
【0095】
また、調整部55は、第3伝送量及び第4伝送量に基づいてバッファ12-1,12-2のバッファサイズを、必ずしも直接的に調整する必要はない。例えば、第3実施形態の変形例2と同様に、第3伝送量及び第4伝送量に基づいて第1宛先及び第2宛先の優先度を調整し、調整された優先度に基づいて間接的にバッファ12-1,12-2のバッファサイズを調整するようにしてもよい。
【0096】
<変形例6>上記の第3実施形態では、第1伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)が調整され、第2伝送量に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)が調整された。この第3実施形態の変形例6では、第3伝送量に基づいて、Mの値を調整するタイミングが制御され、第4伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整するタイミングが制御される。
【0097】
図9は、第3実施形態の変形例6におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図9においてフレーム変換装置50は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、測定部51と、測定部54と、調整部56とを有している。
【0098】
調整部56は、第3伝送量に基づいて、Mの値を調整するタイミングを制御する。具体的には、調整部56は、第3伝送量に基づいて、バッファ12-1にフレームが蓄積される状況を予測し、予測した状況に基づいて、Mの値を調整するタイミングを制御してもよい。例えば、調整部56は、第3伝送量に基づいて、バッファ12-1に蓄積されているフレームが少ないタイミングを予測し、そのタイミングにおいて、第1伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整してもよい。
【0099】
また、調整部56は、第4伝送量に基づいて、Nの値を調整するタイミングを制御する。具体的には、調整部56は、第4伝送量に基づいて、バッファ12-2にフレームが蓄積される状況を予測し、予測した状況に基づいて、Nの値を調整するタイミングを制御してもよい。例えば、調整部56は、第4伝送量に基づいて、バッファ12-2に蓄積されているフレームが少ないタイミングを予測し、そのタイミングにおいて、第2伝送量に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整してもよい。
【0100】
ここで、上記の通り、バッファ12にフレームが蓄積されているタイミングでバッファサイズの値を調整すると、蓄積フレームが失われる可能性がある。これに対して、調整部56は、第3伝送量に基づいて、バッファ12-1に蓄積されているフレームが少ないタイミングを予測し、そのタイミングにおいて、第1伝送量に基づいて、Mの値(つまり、バッファ12-1のバッファサイズ)を調整する。同様に、調整部56は、第4伝送量に基づいて、バッファ12-2に蓄積されているフレームが少ないタイミングを予測し、そのタイミングにおいて、第2伝送量に基づいて、Nの値(つまり、バッファ12-2のバッファサイズ)を調整する。これにより、調整部56は、バッファ12に蓄積されているフレームが少ないタイミングでバッファサイズの値を調整できるので、蓄積フレームが失われるリスクを低減できる。
【0101】
<第4実施形態>
第4実施形態は、車両の状態又は車両の置かれた環境に基づいて、バッファサイズを調整する実施形態に関する。
【0102】
図10は、第4実施形態におけるフレーム変換装置の一例を示すブロック図である。図10においてフレーム変換装置60は、振り分け部11と、バッファ12-1,12-2と、変換部13と、記憶部14と、判定部61と、調整部62と、センサ63とを有している。なお、第4実施形態におけるシステムの基本構成は、図1に示すシステム1と同じである。すなわち、第4実施形態におけるシステム1は、フレーム変換装置10の代わりに、フレーム変換装置60を有している。また、第4実施形態ではシステム1が車両に配設されていることを前提とする。ここでは、説明を簡単にするために、フレーム変換装置60が有するバッファ12の個数を2つとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、フレーム変換装置60が有するバッファ12の個数は3つ以上であってもよい。この場合でも、3つ以上のバッファ12は、それぞれ異なる宛先に対応づけられる。
【0103】
第4実施形態では、宛先バッファマッピング情報は、第1宛先をバッファ12-1に対応づけ、第2宛先をバッファ12-2に対応づけている。すなわち、第4実施形態では、宛先バッファマッピング情報が固定であることを前提としている。
【0104】
判定部61は、システム1、つまり、フレーム変換装置60が配設されている車両の状態を、センサ63のセンシング情報に基づいて判定する。判定される車両の状態は、例えば、現在の車両の走行状態及び停車状態等である。例えば、センサ63は、車両の車軸回転数を検知するセンサであってもよい。この場合、判定部61は、検知された車軸回転数がゼロ以外であれば現在の車両の状態が走行状態であると判定できる。一方、判定部61は、検知された車軸回転数がゼロであれば現在の車両の状態が停止状態であると判定できる。なお、判定部61は、現在の車両の状態の代わりに、又は、現在の車両の状態に加えて、近い将来の車両の状態を予測してもよい。
【0105】
調整部62は、判定部61にて判定された車両の状態に基づいて、バッファ12-1,12-2のうちの少なくとも一方のバッファサイズを調整する。例えば、第1宛先は、車両において行われる第1操作に関するデータを取り扱う処理ユニットに対応づけられ、第2宛先は、車両において行われる第2操作に関するデータを取り扱う処理ユニットに対応づけられている。そして、調整部62は、判定部61にて判定された車両の状態と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、第1宛先に対応づけられているバッファ12-1のバッファサイズを調整する。「バッファサイズ情報」は、例えば、各バッファ12に関して複数の車両状態にそれぞれ対応する複数のバッファサイズに関する情報を含んでいる。調整部62は、「バッファサイズ情報」においてバッファ12-1に関して判定部61にて判定された車両の状態と対応付けられているバッファサイズに、バッファ12-1のバッファサイズを調整する。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0106】
同様に、調整部62は、判定部61にて判定された車両の状態に基づいて、第2宛先に対応づけられているバッファ12-2のバッファサイズを調整してもよい。例えば、調整部62は、判定部61にて判定された車両の状態と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、第2宛先に対応づけられているバッファ12-2のバッファサイズを調整する。具体的には、調整部62は、「バッファサイズ情報」においてバッファ12-2に関して判定部61にて判定された車両の状態と対応付けられているバッファサイズに、バッファ12-2のバッファサイズを調整する。
【0107】
例えば、リクライニング操作は、車両の停車状態において行われる可能性が高く、走行状態において行われる可能性が低い。このため、リクライニング操作に関するデータを取り扱う宛先(処理ユニット)へのフレームは、車両の停車状態では多くなる傾向があり、走行状態では少なくなる傾向がある。ここで、リクライニング操作に関するデータを取り扱う宛先を、バッファ12-1に対応づけられている第1宛先とする。この場合、「バッファサイズ情報」は、例えば、バッファ12-1に関して、停止状態にバッファサイズ「3」を対応づけ、走行状態にバッファサイズ「1」を対応づけている。このバッファサイズ情報を用いることによって、調整部62は、車両が停車状態にあると判定されたときにはバッファ12-1のバッファサイズを大きくする調整を行う。一方、調整部62は、車両が走行状態にあると判定されたときにはバッファ12-1のバッファサイズを小さくする調整を行う。このように、判定された状態において伝送量が多くなると予想される宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0108】
ここで、車両の状態の種別に応じて、フレームの数が多い宛先は変わる。すなわち、車両の状態の種別は、各宛先についてのフレーム伝送量の指標となり得る。このため、調整部62によるバッファサイズの調整により、判定された状態において伝送量が多くなると予想される宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0109】
<変形例>
第4実施形態のフレーム変換装置60には次のような変形が施されてもよい。
【0110】
第4実施形態の変形例におけるフレーム変換装置の基本構成は、第4実施形態におけるフレーム変換装置と同じなので、図10を参照する。
【0111】
第4実施形態の変形例における判定部61は、システム1、つまり、フレーム変換装置60が配設されている車両が置かれた環境を、センサ63のセンシング情報に基づいて判定する。判定される車両が置かれた環境は、例えば、現在の天候状態である雨天及び非雨天(例えば晴天)等である。例えば、センサ63は、車両のワイパーのオンオフを検知するセンサであってもよい。この場合、判定部61は、ワイパーがオンであることが検知された場合、現在の車両が置かれた環境が雨天であると判定できる。一方、判定部61は、ワイパーがオフであることが検知された場合、現在の車両が置かれた環境が非雨天であると判定できる。なお、判定部61は、現在の車両が置かれた環境の代わりに、又は、現在の車両が置かれた環境に加えて、近い将来の車両が置かれた環境を予測してもよい。
【0112】
調整部62は、判定部61にて判定された車両が置かれた環境に基づいて、バッファ12-1,12-2のうちの少なくとも一方のバッファサイズを調整する。例えば、第1宛先は、車両において行われる第3操作に関するデータを取り扱う処理ユニットに対応づけられ、第2宛先は、車両において行われる第4操作に関するデータを取り扱う処理ユニットに対応づけられている。そして、調整部62は、判定部61にて判定された車両が置かれた環境と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、第1宛先に対応づけられているバッファ12-1のバッファサイズを調整する。「バッファサイズ情報」は、例えば、各バッファ12に関して複数の車両環境にそれぞれ対応する複数のバッファサイズに関する情報を含んでいる。調整部62は、「バッファサイズ情報」においてバッファ12-1に関して判定部61にて判定された車両環境と対応付けられているバッファサイズに、バッファ12-1のバッファサイズを調整する。「バッファサイズ情報」は、例えば、「バッファサイズテーブル」である。「バッファサイズテーブル」は、記憶部14に記憶されている。
【0113】
同様に、調整部62は、判定部61にて判定された車両が置かれた環境に基づいて、第2宛先に対応づけられているバッファ12-2のバッファサイズを調整する。例えば、調整部62は、判定部61にて判定された車両の状態と、「バッファサイズ情報」とに基づいて、第2宛先に対応づけられているバッファ12-2のバッファサイズを調整する。
【0114】
例えば、ワイパー操作は、雨天環境において行われる可能性が高く、非雨天環境において行われる可能性が低い。このため、ワイパー操作に関するデータを取り扱う宛先(処理ユニット)へのフレームは、雨天環境では多くなる傾向があり、非雨天環境では少なくなる傾向がある。ここで、ワイパー操作に関するデータを取り扱う宛先を、バッファ12-1に対応づけられている第1宛先とする。この場合、「バッファサイズ情報」は、例えば、バッファ12-1に関して、雨天環境にバッファサイズ「3」を対応づけ、非雨天環境にバッファサイズ「1」を対応づけている。このバッファサイズ情報を用いることによって、調整部62は、雨天環境にあると判定されたときにはバッファ12-1のバッファサイズを大きくする調整を行う。一方、調整部62は、非雨天環境にあると判定されたときにはバッファ12-1のバッファサイズを小さくする調整を行う。このように、判定された車両の置かれた環境において伝送量が多くなると予想される宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0115】
ここで、車両の置かれた環境の種別に応じて、フレームの数が多い宛先は変わる。すなわち、車両の置かれた環境の種別は、各宛先についてのフレーム伝送量の指標となり得る。このため、調整部62によるバッファサイズの調整により、判定された車両の置かれた環境において伝送量が多くなると予想される宛先に対応づけられたバッファ12のバッファサイズを大きくして、バッファ12から纏めて出力されるフレーム数を多くできる。このため、変換部13にてバッファ12から出力された多くのフレームに第2プロトコルに基づく1つのヘッダ部分が付加されるので、第2プロトコルに基づくヘッダのオーバヘッドを低減できる。これにより、第2ネットワーク30におけるその宛先への伝送量を低減できるので、第2ネットワーク30の使用帯域を低減できる。
【0116】
以上の第1実施形態から第4実施形態のフレーム変換装置10,40,50,60は、それぞれ、図11に示した構成を有することができる。図11は、フレーム変換装置の構成例を示す図である。図11においてフレーム変換装置100は、プロセッサ101と、メモリ102とを有している。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ102は、プロセッサ101から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ101は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ102にアクセスしてもよい。第1実施形態から第4実施形態のフレーム変換装置10,40,50,60の振り分け部11と、変換部13と、調整部41,42,43,52,53,55,62,64と、測定部51,54と、判定部61,63とは、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されてもよい。すなわち、第1実施形態から第4実施形態のフレーム変換装置10,40,50,60は、ソフトウェアで実現可能である。バッファ12-1,12-2は、メモリ102によって実現されてもよい。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、フレーム変換装置10,40,50,60に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってフレーム変換装置10,40,50,60に供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをフレーム変換装置10,40,50,60に供給できる。
【0117】
ただし、第1実施形態から第4実施形態で説明したフレーム変換装置10,40,50,60は、ハードウェア(回路)によっても実現できる。すなわち、第1実施形態から第4実施形態のフレーム変換装置10,40,50,60の振り分け部11と、変換部13と、調整部41,42,43,52,53,55,62,64と、測定部51,54と、判定部61,63とを、回路で実現してもよい。
【0118】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0119】
1 システム
10 フレーム変換装置
11 振り分け部
12 バッファ
13 変換部
20 第1ネットワーク
21 処理モジュール
30 第2ネットワーク
31 処理ユニット
40フレーム変換装置
41 調整部
42 調整部
50 フレーム変換装置
51 測定部
52 調整部
54 測定部
55 調整部
60 フレーム変換装置
61 判定部
62 調整部
63 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11