(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072423
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】建築用部材
(51)【国際特許分類】
E04C 3/16 20060101AFI20240521BHJP
E04B 1/26 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
E04C3/16
E04B1/26 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183219
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】増田 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】貞広 修
(72)【発明者】
【氏名】木村 誠
【テーマコード(参考)】
2E163
【Fターム(参考)】
2E163FA12
2E163FB32
2E163FC31
(57)【要約】
【課題】面外剛性及び面内剛性を高めることができる木質材料で構成された建築用部材を提供する。
【解決手段】建築用部材1は、上弦材2と、下弦材3と、複数の上下連結体4と、斜材5と、を備え、斜材5のうち上弦材2の第一方向Xの中央よりも一方側に配置される斜材5Aは、下方に向かうに従って次第に第一方向Xの一方側に向かうように上下方向に対して傾斜し、斜材5のうち上弦材2の第一方向Xの中央よりも他方側に配置される斜材5Bは、下方に向かうに従って次第に第一方向Xの他方側に向かうように上下方向に対して傾斜し、上弦材2、下弦材3、上下連結体4及び斜材5は、木質材料で形成され、上下連結体4は、角材で形成され、上弦材2と下弦材3とを連結する束材41と、平板状に形成され板面を第一方向X及び上下方向に直交する第二方向Yに向けて配置されるとともに、上弦材2と下弦材3とを連結する壁材46と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に延びる上弦材と、
前記第一方向に延び、前記上弦材の下方に配置された下弦材と、
前記上弦材と前記下弦材とを連結し、前記第一方向に離間して配置された複数の上下連結体と、
前記第一方向に隣り合う前記上下連結体の間に配置され、前記上弦材と前記下弦材とを連結する斜材と、を備え、
前記斜材のうち前記上弦材の前記第一方向の中央よりも一方側に配置される前記斜材は、前記下方に向かうに従って次第に前記第一方向の一方側に向かうように上下方向に対して傾斜し、
前記斜材のうち前記上弦材の前記第一方向の中央よりも他方側に配置される前記斜材は、前記下方に向かうに従って次第に前記第一方向の他方側に向かうように前記上下方向に対して傾斜し、
前記上弦材、前記下弦材、前記上下連結体及び前記斜材は、木質材料で形成され、
前記上下連結体は、
角材で形成され、前記上弦材と前記下弦材とを連結する束材と、
平板状に形成され板面を前記第一方向及び前記上下方向に直交する第二方向に向けて配置されるとともに、前記上弦材と前記下弦材とを連結する壁材と、を有する建築用部材。
【請求項2】
前記束材は、前記第一方向に離間して複数配置されている請求項1に記載の建築用部材。
【請求項3】
前記壁材は、前記束材の前記第二方向の両側に配置されている請求項1または2に記載の建築用部材。
【請求項4】
前記上弦材の下部には、上方に向かって凹む溝部が形成され、
前記斜材の上端部には、上方に向かって突出するほぞ部が形成され、
前記斜材の上端部に形成された前記ほぞ部は前記上弦材の前記溝部に嵌合するとともに、前記斜材の上端部は前記上弦材の下部にビスによって固定されている請求項1または2に記載の建築用部材。
【請求項5】
前記下弦材の上部には、下方に向かって凹む溝部が形成され、
前記斜材の下端部には、下方に向かって突出するほぞ部が形成され、
前記斜材の下端部に形成された前記ほぞ部は前記下弦材の前記溝部に嵌合するとともに、前記斜材の下端部は前記下弦材の上部にビスによって固定されている請求項1または2に記載の建築用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ハウトラスやプラットトラス等のトラス構造物を木材で構築する場合には、金物を介してドリフトピンまたはボルトで木材同士を接合した引張接合部とする構成とすることが一般的である(下記の特許文献1参照)。しかし、接合部が多いと、建築物全体のコストが割高となってしまう。
【0003】
そこで、ハウトラスにおける束材やプラットトラスにおける斜材等の引張材そのものを鋼材とする混構造トラスも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、混構造トラスの場合、木材と鋼材との接合部は、鋼材の木材へのめり込み変形に配慮した複雑なディテールが必要となったり、丸鋼は木材に比べて強度は高いが所要の剛性を確保するためには一定の断面積を確保する必要があり部材が大きくなったりする。また、屋根面の風圧力(負圧力)に対して圧縮軸力の負担が期待できず、面外剛性及び面内剛性が十分でないという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、面外剛性及び面内剛性を高めることができる木質材料で構成された建築用部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建築用部材は、第一方向に延びる上弦材と、前記第一方向に延び、前記上弦材の下方に配置された下弦材と、前記上弦材と前記下弦材とを連結し、前記第一方向に離間して配置された複数の上下連結体と、前記第一方向に隣り合う前記上下連結体の間に配置され、前記上弦材と前記下弦材とを連結する斜材と、を備え、前記斜材のうち前記上弦材の前記第一方向の中央よりも一方側に配置される前記斜材は、前記下方に向かうに従って次第に前記第一方向の一方側に向かうように上下方向に対して傾斜し、前記斜材のうち前記上弦材の前記第一方向の中央よりも他方側に配置される前記斜材は、前記下方に向かうに従って次第に前記第一方向の他方側に向かうように前記上下方向に対して傾斜し、前記上弦材、前記下弦材、前記上下連結体及び前記斜材は、木質材料で形成され、前記上下連結体は、角材で形成され、前記上弦材と前記下弦材とを連結する束材と、平板状に形成され板面を前記第一方向及び前記上下方向に直交する第二方向に向けて配置されるとともに、前記上弦材と前記下弦材とを連結する壁材と、を有する。
【0008】
このように構成された建築用部材は、第二方向から見て(正面視で)斜材が「ハ」の字状に配置されたハウトラス構造である。上弦材と下弦材とを連結する上下連結体によって、上下連結体に生じる引張力は上弦材及び下弦材に伝達される。上下連結体は、束材と、平板状に形成され板面を第二方向に向けて配置された壁材と、を備えた構成である。よって、建築用部材に生じる負圧力に対して、束材とともに壁材も抗するため、面外剛性及び面内剛性を高めることができる。
【0009】
また、本発明に係る建築用部材では、前記束材は、前記第一方向に離間して複数配置されていてもよい。
【0010】
このように構成された建築用部材では、束材は、第一方向に離間して複数配置されている。よって、束材に生じる引張力を、より確実に上弦材及び下弦材に伝達することができる。
【0011】
また、本発明に係る建築用部材では、前記壁材は、前記束材の前記第二方向の両側に配置されていてもよい。
【0012】
このように構成された建築用部材では、壁材は、束材の第二方向の両側に配置されている。よって、建築用部材に生じる負圧力に対して十分に抗することができ、面外剛性をより一層高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る建築用部材では、前記上弦材の下部には、上方に向かって凹む溝部が形成され、前記斜材の上端部には、上方に向かって突出するほぞ部が形成され、前記斜材の上端部に形成された前記ほぞ部は前記上弦材の前記溝部に嵌合するとともに、前記斜材の上端部は前記上弦材の下部にビスによって固定されていてもよい。
【0014】
このように構成された建築用部材では、斜材に生じる圧縮力はほぞ部の側面及び斜材の木口面(上端面)の支圧で処理される。斜材に生じる引張力は、ビスのせん断及び引張で処理される。よって、斜材に生じる圧縮力及び引張力を上弦材に確実に伝達することができる。
【0015】
また、本発明に係る建築用部材では、前記下弦材の上部には、下方に向かって凹む溝部が形成され、前記斜材の下端部には、下方に向かって突出するほぞ部が形成され、前記斜材の下端部に形成された前記ほぞ部は前記下弦材の前記溝部に嵌合するとともに、前記斜材の下端部は前記下弦材の上部にビスによって固定されていてもよい。
【0016】
このように構成された建築用部材では、斜材に生じる圧縮力はほぞ部の側面及び斜材の木口面(下端面)の支圧で処理される。斜材に生じる引張力は、ビスのせん断及び引張で処理される。よって、斜材に生じる圧縮力及び引張力を下弦材に確実に伝達することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る建築用部材によれば、面外剛性及び面内剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る建築用部材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る建築用部材について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建築用部材を示す正面図である。
図1に示すように、建築用部材1は、上弦材2と、下弦材3と、複数の上下連結体4と、複数の斜材5と、を備えている。上弦材2、下弦材3、上下連結体4及び斜材5は、木質材料で形成されている。建築用部材1は、斜材が「ハ」の字形状に配置されたいわゆるハウトラス構造を基本として束材に面材を加えた構成であり、鉛直荷重に対して引張力が生じる部分を比較的剛な領域として断続的に設けたものである。建築用部材1は、梁等として、建物に設置される。
【0020】
建築用部材1のスパンに対して1/10程度を、トラスせいに設定する。建築用部材1のスパンを偶数分割(本実施形態では8分割)した位置に、上下連結体4を設けられている。なお、分割数は適宜設定可能である。
【0021】
以下の説明において、建築用部材1が延在する方向を長手方向Xとして、建築用部材1を水平面に沿って設置した状態で長手方向Xと直交する水平方向を短手方向Yとし、上下方向を上下方向Zとする。
【0022】
上弦材2及び下弦材3は、長手方向(第一方向)Xに延びている。下弦材3は、上弦材2の下方に配置されている。上弦材2及び下弦材3は、集成材等の角材の木質材料で形成されている。
【0023】
複数の上下連結体4は、長手方向Xに離間して配置されている。上下連結体4は、上弦材2と下弦材3とを連結している。上下連結体4は、複数の束材41と、複数の壁材46と、を有している。
【0024】
複数の束材41は、長手方向Xに離間して配置されている。本実施形態では、1箇所の上下連結体4につき、2本の束材41が配置されているが、束材41の本数は適宜設定可能であり、1本でも3本以上であってもよい。
【0025】
束材41は、上下方向Zに延びている。束材41は、上弦材2と下弦材3とを連結している。束材41の短手方向(第二方向)Yの長さは、上弦材2及び下弦材3の短手方向Y方向の長さと略同一である。束材41は、集成材等の角材の木質材料で形成されている。
【0026】
図2は、
図1のII部拡大図である。
図2に示すように、束材41の上端面41uは、上弦材2の下面2dに当接して配置されている。束材41の上端部41aは、上弦材2の上面2uから打たれたビス22によって固着されている。なお、束材41の両側面からX字状に打たれたビスによって、上弦材2に固着されていてもよい。
【0027】
束材41の固定方法は上下反転した構成であり、図面を省略する。束材41の下端面は、下弦材3の上面に当接して配置されている。束材41の下端部は、下弦材3の下面から打たれたビス(不図示)によって固着されている。なお、束材41の両側面からX字状に打たれたビスによって、下弦材3に固着されていてもよい。これによって束材41に生じる常時の引張力は、上弦材2及び下弦材3に伝達される。
【0028】
図1に示すように、壁材46は、上下方向Zに離間して配置された上弦材2及び下弦材3に跨るとともに、長手方向Xに離間して配置された2本の束材41に跨るように配置されている。換言すると、短手方向Y方向から見て、壁材46の上端部46uは上弦材2に重なって配置され、壁材46の下端部46dは下弦材3に重なって配置され、壁材46の短手方向Yの両端部46aは束材41に重なって配置されている。
【0029】
壁材46は、束材41を挟んで短手方向Yの両側に配置されている。なお、壁材46は、束材41の短手方向Yの少なくとも一方側に配置されていればよい。
【0030】
壁材46は、平板状に形成されている。壁材46の板面は、短手方向Yを向いている。壁材46は、構造用MDF等の木質材料で形成されている。なお、壁材46は構造用MDFに限られず、木質材料で形成されていればよい。
【0031】
壁材46は、上弦材2、下弦材3及び2本の束材41を連結している。
図2に示すように、壁材46の上端部46uは、上弦材2に釘47によって固着されている。壁材46の固定方法は上下反転した構成であり、図面を省略する。壁材46の下端部46dは、下弦材3に釘(不図示)によって固着されている。壁材46の短手方向Yの両端部46aは、束材41に釘47によって固着されている。
【0032】
壁材46の端部を固着する釘47は、外周側及び内周側の両側に打たれている。外周側に打たれて釘47aは、壁材46に生じる引張力を上弦材2及び下弦材3に伝達する。内周側に打たれた釘47bは、壁材46に生じるせん断力を上弦材2、下弦材3及び束材41に伝達する。
【0033】
図1に示すように、斜材5は、長手方向Xに隣り合う上下連結体4の間に配置されている。複数の斜材5のうち建築用部材1の長手方向Xの中央よりも一方側(紙面右側)に配置される斜材5を、斜材5Aとする。斜材5Aは、下方に向かうに従って次第に長手方向Xの一方側に向かうように上下方向Zに対して傾斜している。複数の斜材5のうち建築用部材1の長手方向Xの中央よりも他方側(紙面左側)に配置される斜材5を、斜材5Bとする。斜材5Bは、下方に向かうに従って次第に長手方向Xの他方側に向かうように上下方向Zに対して傾斜している。
【0034】
斜材5の上端部5uは、一の束材41の上端部41aに隣接配置されている。斜材5の下端部5dは、隣り合う束材41の下端部41dに隣接配置されている。
【0035】
斜材5は、集成材等の角材の木質材料で形成されている。
図2に示すように、斜材5の上端部5uには、上方に向かって突出するほぞ部51が設けられている。上弦材2の下面2dには、上方に向かって凹む溝部21が形成されている。斜材5のほぞ部51は、上弦材2の溝部21に嵌合されている。斜材5の上端部5uは、ビス52によって上弦材2に固着されている。なお、ビス52は斜材5に対して直交に設けるほか、上弦材2に対して直交に設けてもよい。斜材5の固定方法は上下反転した構成であり、図面を省略する。斜材5の下端部に設けられたほぞ部51は、下弦材3に形成された溝部21に嵌合されている。斜材5の下端部は、ビス52によって下弦材3に固着されている。なお、ビス52は斜材5に対して直交に設けるほか、下弦材3に対して直交に設けてもよい。斜材5に生じる圧縮力はほぞ部51の側面51a及び斜材5の木口面(上下端面)5aの支圧で処理される。斜材5に生じる引張力は、ビス52のせん断及び引張で処理される。
【0036】
このように構成された建築用部材1では、短手方向Yから見て(正面視で)斜材5が「ハ」の字状に配置されたハウトラス構造である。上弦材2と下弦材3とを連結する上下連結体4によって、上下連結体4に生じる引張力は上弦材2及び下弦材3に伝達される。上下連結体4は、束材41と、平板状に形成され板面を短手方向Yに向けて配置された壁材46と、を備えた構成である。よって、建築用部材1に生じる負圧力に対して、束材41とともに壁材46も抗するため、面外剛性及び面内剛性を高めることができる。
【0037】
また、束材41は、長手方向Xに離間して複数配置されている。よって、束材41に生じる引張力を、より確実に上弦材2及び下弦材3に伝達することができる。
【0038】
また、壁材46は、束材41の短手方向Yの両側に配置されている。よって、建築用部材1に生じる負圧力に対して十分に抗することができ、面外剛性をより一層高めることができる。
【0039】
また、斜材5に生じる圧縮力はほぞ部51の側面51a及び斜材5の木口面(上下端面)5aの支圧で処理される。斜材5に生じる引張力は、ビス52のせん断及び引張で処理される。よって、斜材5に生じる圧縮力及び引張力を上弦材2及び下弦材3に確実に伝達することができる。
【0040】
また、壁材46の端部を固着する釘47は、外周側及び内周側の両側に打たれている。外周側に打たれて釘47aは、壁材46に生じる引張力を上弦材2及び下弦材3に伝達することができる。内周側に打たれた釘47bは、壁材46のせん断力を上弦材2、下弦材3及び束材41に伝達することができる。また、外周側及び内周側の釘47の配置を交換して、伝達する力の分布を変えてもよい。
【0041】
また、上下連結体4が壁材46を備えることによって、上下連結体4のせん断剛性が、斜材5(接合部を含む)よりも高い。よって、鉛直荷重時の変形に着目した場合には、実際よりも短いスパン(有効スパン)のトラスに相当する。したがって、ロングスパン(20mm強程度)の架構を実現するのに有効な方法である。
【0042】
また、ビス留め、釘打ち等の簡易な接合の組合せによって、負圧力を含めた荷重に対して十分な面外剛性が期待できる。よって、従来よりも、ロングスパンを実現することができる。
【0043】
また、上下連結体4の壁材46の内部に斜材を追加して組み込むことによって、見え掛かりを変えずに準耐火建築物建築物としての燃えしろ設計が可能となる部材構成とできる。
【0044】
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0045】
例えば、上記に示す実施形態では、斜材5のほぞ部51は、上弦材2及び下弦材3の溝部21に嵌合されているが、これに限られない。斜材5と上弦材2及び下弦材3とは、ほぞ部51と溝部21との嵌合ではなく、単にビス固定のみによって固定される構成であってもよい。
【0046】
また、壁材46の端部を固着する釘47は、外周側及び内周側の両側に打たれているが、これに限られない。釘47は、外周側及び内周側の両側の二重に打たれるのではなく、一重であってもよい。
【0047】
また、建築用部材(ハウトラス)1の両端近くに配置された斜材5と、平板状に形成された壁材46とを併用してもよい。単に併用するだけではなく、斜材5と壁材46とを釘で接合して一体化することにより、斜材5の接合性能を向上させ、これによりスパンの長い、または支配幅(間隔)の大きい部材へと適用範囲を広げることができる。
【0048】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係る建築用部材1は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0049】
1 建築用部材
2 上弦材
3 下弦材
4 上下連結体
5,5A,5B 斜材
21 溝部
41 束材
46 壁材
51 ほぞ部
X 長手方向(第一方向)
Y 短手方向(第二方向)
Z 上下方向