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特開2024-72426装着位置検出プログラム及び動作値計測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072426
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】装着位置検出プログラム及び動作値計測プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 60/46 20150101AFI20240521BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240521BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240521BHJP
   A63B 69/38 20060101ALI20240521BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A63B60/46
H04N5/232 290
A63B69/00 505H
A63B69/38 B
A63B69/36 541P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183228
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】山田 博久
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA09
5C122DA13
5C122DA21
5C122EA42
5C122FH11
5C122FH14
5C122GC75
5C122HA13
5C122HA75
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】用具装着器のスポーツ用具に対する取り付け位置の入力を容易にする。
【解決手段】本開示の装着位置検出プログラムPG2は、バット90のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するための用具装着器91に対応させて提供されるものであり、スマートフォン10を、前記用具装着器91が装着されているバット90の写真D1を撮像するための撮像装置72と、写真D1の画像解析により前記バット90の全長L1に対する用具装着器91の位置を検出する位置検出装置73と、として機能させるものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するための用具装着器に対応させて提供される装着位置検出プログラムであって、
カメラ付きの携帯端末で実行されて、その携帯端末を、
前記用具装着器が装着されているスポーツ用具の写真を撮像するための撮像装置と、
前記写真の画像解析により前記スポーツ用具の全長に対する前記用具装着器の位置を検出する位置検出装置と、
として機能させる装着位置検出プログラム。
【請求項2】
前記携帯端末を、
前記スポーツ用具の全長の数値データを入力するための数値データ入力装置と、
入力された前記全長の数値データと、前記位置検出装置によって求められる前記スポーツ用具の全長に対する前記用具装着器の位置とに基づいて、前記スポーツ用具の基端から前記用具装着器までの距離を演算する距離演算部と、
として機能させる請求項1に記載の装着位置検出プログラム。
【請求項3】
バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するために加速度センサと無線回路とを有する用具装着器に対応させて提供される動作値計測プログラムであって、
請求項2に記載の装着位置検出プログラムを含み、カメラ付きの携帯端末で実行されて、その携帯端末を、
前記用具装着器にて計測される前記計測結果を前記用具装着器から無線受信する無線機と、
前記距離演算部が演算した前記距離と前記加速度の計測結果とから前記動作値を演算する動作値演算部と、
として機能させる動作値計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯端末で実行される装着位置検出プログラム及び動作値計測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具に装着されて、スポーツ用具のスイング動作の動作値を計測する用具装着器が普及してきている。また、用具装着器に対応する動作値計測プログラム(アプリケーション)が提供されていて、それが携帯端末で実行されると、動作値の計測が可能になる(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】スマートゴルフレッスン 株式会社GPRO[令和4年10月19日検索]、インターネット<URL:https://www.sky-trak.com/sgl.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の動作値計測プログラムでは、用具装着器のスポーツ用具に対する取り付け位置の入力が面倒であるという問題があり、その対策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本開示の第1態様は、バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するための用具装着器に対応させて提供される装着位置検出プログラムであって、カメラ付きの携帯端末で実行されて、その携帯端末を、前記用具装着器が装着されているスポーツ用具の写真を撮像するための撮像装置と、前記写真の画像解析により前記スポーツ用具の全長に対する前記用具装着器の位置を検出する位置検出装置と、として機能させる装着位置検出プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本開示の第1態様の装着位置検出プログラムは、カメラ付きの携帯端末で実行されると、その携帯端末を、用具装着器が装着されているスポーツ用具の写真を撮像するための撮像装置と、その写真からスポーツ用具の全長に対する用具装着器の位置を検出する位置検出装置と、として機能させるので、メジャー等の別途測定器を使用したスポーツ用具における用具装着器の装着位置の測定が不要になり、用具装着器のスポーツ用具に対する取り付け位置の入力が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1実施形態に係る用具装着器とバットの斜視図
図2】用具装着器とスマートフォンのブロック図
図3】スマートフォンの(A)正面図、(B)その背面図
図4】装着位置検出プログラム及び動作値計測プログラムのフローチャート
図5】スマートフォンの表示画像
図6】画像データの概念図
図7】動作値計測プログラムの実行時のスマートフォンのブロック図
図8】第2実施形態の画像データの概念図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示に係る第1実施形態を図1図7を参照して説明する。図1には、スポーツ用具のスイング動作の動作値を計測するための用具装着器91が示されている。この用具装着器91が対象とするスポーツ用具は、同図に例示された野球のバット90であって、用具装着器91は、リング形のハウジング92に加速度センサ93と、回路基板94と、電池95とが収容された構造をなしている。そして、用具装着器91は、バット90に対してグリップエンド側から嵌合され、バット90の軸方向における途中位置に摩擦係止される。また、用具装着器91がバット90に装着されると、バット90の軸方向の加速度が加速度センサ93にて検出可能になる。
【0009】
図2に示すように、上記回路基板94には、無線回路96と信号処理回路97とが実装され、その信号処理回路97には、ASIC98とメモリ99とが含まれている。そして、用具装着器91は、後述するようにスマートフォン10から計測開始指令を無線受信すると、一定期間(例えば、30秒)に亘り、所定のサンプリング周期(例えば、1~10[mm秒])で加速度センサ93の計測結果をサンプリングしてメモリ99に取り込み、一定期間後に、サンプリングされた一定期間/所定周期分の複数の加速度計測データを無線送信する。
【0010】
図3には、本開示の「カメラ付きの携帯端末」に相当するスマートフォン10の表側面と裏側面とが示されている。このスマートフォン10は、公知なものであって、例えば、表裏から見た形状が縦長の長方形をなし、表側面のうち上端部、下端部及び両側縁部を除いた大部分が、タッチパネルである縦長長方形のモニタ11になっている。また、スマートフォン10の表側面の上端部には、第2カメラ14のレンズが配置され、下端部には、ホームボタン15が配置されている。一方、スマートフォン10の裏側面の上端部には、第1カメラ13のレンズが配置されている。
【0011】
図2に示すように、スマートフォン10には、上記したモニタ11等の他、加速度センサ16、無線回路17と、アプリケーションプロセッサ20とが備えられている。また、アプリケーションプロセッサ20には、CPU21、メモリ22、表示制御回路23が含まれている。
【0012】
また、スマートフォン10には、「スイング計測アプリ」として動作値計測プログラムPG1(図4参照)がインストールされている。そして、モニタ11に表示されるスイング計測アプリのアイコンが選択されると、動作値計測プログラムPG1がCPU21によって繰り返して実行され、ホームボタン15がオン操作されることで動作値計測プログラムPG1の実行が終了する。
【0013】
図4に示すように、動作値計測プログラムPG1は、メニュー処理S10、全長入力処理S11等の複数の処理からなり、動作値計測プログラムPG1のうち全長入力処理S11から距離演算処理S14までの4つの処理に相当する部分が、本開示に係る装着位置検出プログラムPG2になっている。
【0014】
以下、動作値計測プログラムPG1の各処理について説明する。
メニュー処理S10が実行されると、FLG1,2(図示せず)が「0」にリセットされてから、「1.設定入力 2.計測開始」の何れかを選択するかのメニューがモニタ11に表示される。これに対し、タッチパネルであるモニタ11のタッチ操作により、「1.設定入力」が選択されると、FLG1が「1」にセットされてメニュー処理S10が終了し、「2.計測開始」が選択されると、FLG2が「1」にセットされて、メニュー処理S10が終了する。
【0015】
そして、メニュー処理S10以降の処理のうち装着位置検出プログラムPG2に含まれる全長入力処理S11から距離演算処理S14までの4つの処理では、最初にFLG1が「1」であるか否かが判別されて、最初にFLG1が「1」でない場合には、直ちに終了する。一方、装着位置検出プログラムPG2に含まれない計測指示処理S15と動作値演算処理S16の2つの処理は、最初にFLG2が「1」であるか否かが判別されて、最初にFLG2が「1」でない場合には直ちに終了する。以下の各処理S11~S16の説明においては、FLG1,2に係る判別処理の関する説明は割愛する。
【0016】
メニュー処理S10が終了すると、全長入力処理S11が実行される。全長入力処理S11では、バット90の全長データの入力が求められる。ここで、バット90には、多くの場合は、全長や商品番号が表記されているが、それらが表記されていなかったり、消えている場合がある。そこで、全長入力処理S11が実行されると、バット90の全長データの入力方法の選択肢として、「1.全長数値入力 2.型式入力 3.スマホ測定入力」がモニタ11に表示される。
【0017】
これに対し、「1.全長数値入力」が選択されると、モニタ11にテンキーを含んだコンソール71B(図7参照)が表示されるので、バット90に表記されている全長L1をテンキーで入力すると、それが全長データとしてメモリ22に記憶され、全長入力処理S11が終了する。
【0018】
「2.型式入力」が選択された場合も、モニタ11にコンソール71Bが表示される。そして、バット90の商品番号を入力すると、スマートフォン10がインターネットに接続され、入力された商品番号からバット90の全長L1の情報が自動でネット検索される。そして、ネット検索により全長L1の情報が見つかった場合には、それがメモリ22に記憶されて全長入力処理S11が終了する。一方、ネット検索で全長L1の情報が見つからなかった場合には、モニタ11に「バットの全長の情報が見つかりません」という表示がされて、全長データの入力方法の選択画面が再表示される。
【0019】
「3.スマホ測定入力」が選択された場合には、モニタ11に測定開始ボタンと測定終了ボタン(図示せず)が表示されると共に、例えば、「バットを地面に立て、スマホを、画面を上に向けた状態で、バットの上端と同じ高さにして測定開始ボタンをオンし、地面に重なる位置まで移動した後、測定終了ボタンをオンして下さい」というメッセージが表示される。そこで、その通りに操作すると、測定開始ボタンのオンから測定終了ボタンのオンまでの間のスマートフォン10の加速度の変化が加速度センサ16により測定される。そして、その測定結果に基づいてバット90の全長L1が演算され、その演算結果が全長データとしてメモリ22に記憶されて全長入力処理S11が終了する。
【0020】
全長入力処理S11が終了すると、撮像処理S12が実行される。撮像処理S12が実行されると、「用具装着器を装着したバットを、地面又は床面に寝かせ、真上から写真撮影を行って下さい」というメッセージがモニタ11に表示された後に、第1カメラ13がアクティブになり、図5に示すように、モニタ11にカメラ画像と撮像用ボタン81とが表示される。そこで、上記メッセージに従い、カメラ画像に用具装着器91付きのバット90の全体が収まるようにして撮像用ボタン81をオン操作して写真撮影を行うと、その写真D1が、図6に示すようにマトリクス状のピクセル群の配列データg(n,m)(n=0~a、m=0~b)である画像データとしてメモリ22に記憶され、撮像処理S12が終了する。
【0021】
撮像処理S12が終了すると、割合演算処理S13が実行される。割合演算処理S13が実行されると、公知な画像解析により、写真D1におけるバット90及び用具装着器91の輪郭線が特定され、バット90の輪郭線から、バット90の基端と先端とが特定される。そして、バット90の全長L1に対するバット90の基端面(グリップエンド側の端面)から用具装着器91までの距離L2の比率R1(=L2/L1)が演算されてメモリ22に記憶され、割合演算処理S13が終了する。
【0022】
割合演算処理S13が終了すると、距離演算処理S14が実行される。距離演算処理S14が実行されると、メモリ22に記憶された全長データから特定されるバット90の全長L1と、メモリ22に記憶された比率R1(=L2/L1)とからバット90の基端面から用具装着器91まで距離L2(=L1・R1)が演算されて、その演算された距離L2が装着位置データとしてメモリ22に記憶され、距離演算処理S14が終了する。
【0023】
距離演算処理S14が終了すると、計測指示処理S15が実行される。計測指示処理S15が実行されると、モニタ11に計測開始ボタン74A(図7参照)が表示されると共に、「計測開始ボタンを押してから、30秒以内にバットをスイングして下さい」というメッセージが表示される。そこで、計測開始ボタンをオン操作すると、用具装着器91に計測開始指令が無線送信される。すると前述の通り、計測開始指令を無線受信した用具装着器91は、30秒に亘り、所定のサンプリング周期(例えば、1~10[mm秒])で加速度センサ93の計測結果をサンプリングしてメモリ99に取り込み、一定期間後に、サンプリングされた一定期間/所定周期分の複数の加速度計測データを無線送信する。そして、複数の加速度計測データをスマートフォン10が無線受信すると、それらをメモリ22に記憶して、計測指示処理S15が終了する。
【0024】
計測指示処理S15が終了すると、動作値演算処理S16が実行される。動作値演算処理S16が実行されると、複数の加速度計測データから最大の加速度のデータが選択される。そして、下記式から、バット90のスイングの回転速度が、バット90のスイング動作における動作値の1つとして演算される。なお、下記公式のαは複数の加速度計測データから求められる最大の加速度であり、下記公式のωはスイングの回転速度であり、下記公式のrは、前述したバット90の基端面から用具装着器91まで距離L2の値である。
【0025】
α=r・ω
【0026】
そして、モニタ11に、演算されたスイングの回転速度が表示されると共に、メニューに戻るための戻りボタン75A(図7参照)が表示される。そこで、メニューに戻るボタンがオン操作されると、動作値演算処理S16が終了し、動作値計測プログラムPG1が最初から実行される。
【0027】
上述した動作値計測プログラムPG1が実行されることで、スマートフォン10は、図7のブロック図で示された複数の機能部を有するシステムになる。即ち、上述したメニュー処理S10が実行されているときのスマートフォン10は、図7のメニュー選択部70として機能する。また、全長入力処理S11が実行されているときのスマートフォン10は、全長演算部71Aと前述のコンソール71Bとして機能し、これら全長演算部71Aと前述のコンソール71Bとスマートフォン10の加速度センサ16とから本開示に係る数値データ入力装置71が形成される。また、撮像処理S12の実行されているときのスマートフォン10は、前述の撮像用ボタン81を有し、その撮像用ボタン81と第1カメラ13とから、本開示に係る撮像装置72が形成される。さらには、割合演算処理S13が実行されているときのスマートフォン10は割合演算部73Aとして機能し、距離演算処理S14が実行されているときのスマートフォン10は距離演算部73Bとして機能し、それら割合演算部73Aと距離演算部73Bとから、本開示に係る位置検出装置73が形成される。また、計測指示処理S15が実行されているときのスマートフォン10は計測指令部74として機能し、動作値演算処理S16が実行されているときのスマートフォン10は動作値演算部75として機能する。
【0028】
本実施形態の「スイング計測アプリ」として動作値計測プログラムPG1(装着位置検出プログラムPG2を含む)の説明は以上である。上述するように装着位置検出プログラムPG2がスマートフォン10で実行されると、スマートフォン10は、用具装着器91が装着されているバット90の写真D1を撮像するための撮像装置72と、写真D1の画像解析によりバット90の全長L1に対する用具装着器91の位置を検出する位置検出装置73と、として機能するので、メジャー等の別途測定器を使用したバット90における用具装着器91の装着位置の測定が不要になり、用具装着器91のバット90に対する取り付け位置の入力が容易になる。
【0029】
[第2実施形態]
図8と第1実施形態でも使用した図4とを参照して、本開示の第2実施形態について以下説明する。本実施形態は、前記第1実施形態とは、装着位置検出プログラムPG2における全長入力処理S11、撮像処理S12、割合演算処理S13の構成が異なる。即ち、本実施形態の全長入力処理S11がスマートフォン10で実行されると、バット90の全長データの入力方法の選択肢として、前述した「1.全長数値入力 2.型式入力 3.スマホ測定入力」に「4.身長入力」という選択肢が加わる。そして、「4.身長入力」が選択されると、モニタ11に前述のコンソール71B(図7参照)と共に「あなたの身長を入力して下さい」というメッセージが表示される。そこで、身長L3(図8参照)を入力すると、全長入力処理S11が終了する。
【0030】
全長入力処理S11で「4.身長入力」が選択された場合には、撮像処理S12、割合演算処理S13では、以下の処理が行われる。即ち、撮像処理S12が実行されると、「ご自身が直立姿勢になってバットを地面に立てた状態で写真撮影を行って下さい」というメッセージがモニタ11に表示された後に、第1カメラ13のカメラ画像と撮像用ボタン81とがモニタ11に表示される。そこで、スマートフォン10を補助者に渡し、上記のメッセージに従い、直立姿勢でバットを地面に立てた状態で図8に示すような写真D2を撮影すると、その写真D2の画像データがメモリ22に記憶され、撮像処理S12が終了する。
【0031】
次いで、割合演算処理S13が実行されると、公知な画像解析により、写真D2における直立姿勢の人間80とバット90と用具装着器91の輪郭線が特定され、人間80の既知の身長L3に基づき、バット90の全長L1と、その全長L1に対するバット90の基端面から用具装着器91まで距離L2との比率R1(=L2/L1)が演算されてメモリ22に記憶され、割合演算処理S13が終了する。
【0032】
上記以外の構成は、第1実施形態と同じである。本実施形態に装着位置検出プログラムPG2によっても、メジャーを用いたバット90における用具装着器91の装着位置の測定が不要になり、用具装着器91のバット90に対する取り付け位置の入力が容易になる。
【0033】
[他の実施形態]
(1)前記各実施形態の用具装着器91は、スポーツ用具としてのバット90のスイング動作の動作値を計測するためのものであったが、スポーツ用具は、バット90以外のものであってもよく、例えば、ゴルフクラブ、テニスやバドミントンのラケット等であってもよい。
【0034】
(2)用具装着器91は、加速度センサ93を1つ備えたものでも、複数備えたものでもよい。また、用具装着器91は、加速度センサ93を有さず、カメラ13の動画で捉えやすくするための単なるマークや発光体であってもよい。
【0035】
(3)用具装着器91を使用して計測されるスポーツ用具のスイング動作の動作値は、スイング動作を定量的に表す値であればどのようなものでもよく、例えば、用具装着器91が加速度センサ93を有するものである場合は、スポーツ用具の回転速度(角速度)の他、スイング時間、ヘッドスピード(周速)や重力方向に対するスポーツ用具の軌跡の角度(アッパースイングやダウンスイングの角度)や、回転軸のぶれ角等であってもよい。
【0036】
(4)前記実施形態では、用具装着器91とスマートフォン10との間で直接無線通信を行っていたが、中継器を介して無線通信を行うようにしてもよい。また、無線を行わず、有線で用具装着器91とスマートフォン10との間で通信を行うようにしてもよい。
【0037】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成の符号を括弧書きで示すが、これら特徴群は、この括弧書きで示した符号の構成に限定されるものではない。
【0038】
[特徴1]
バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具(90)のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するための用具装着器(91)に対応させて提供される装着位置検出プログラム(PG2)であって、カメラ(13)付きの携帯端末(10)で実行されて、その携帯端末(10)を、前記用具装着器(91)が装着されているスポーツ用具(90)の写真(D1,D2)を撮像するための撮像装置(72)と、前記写真(D1,D2)の画像解析により前記スポーツ用具(90)の全長(L1)に対する前記用具装着器(91)の位置を検出する位置検出装置(73)と、として機能させる装着位置検出プログラム(PG2)。
【0039】
[特徴2]
前記携帯端末(10)を、前記スポーツ用具(90)の全長(L1)の数値データを入力するための数値データ入力装置(71)と、入力された前記全長(L1)の数値データと、前記位置検出装置(73)によって求められる前記スポーツ用具(90)の全長(L1)に対する前記用具装着器(91)の位置とに基づいて、前記スポーツ用具(90)の基端から前記用具装着器(91)までの距離を演算する距離演算部(73B)と、として機能させる特徴1に記載の装着位置検出プログラム(PG2)。
【0040】
[特徴3]
バット、ゴルフクラブ、ラケットその他のスポーツ用具(90)のスイング動作を定量的に表す動作値を計測するために加速度センサ(93)と無線回路(96)とを有する用具装着器(91)に対応させて提供される動作値計測プログラム(PG1)であって、特徴2に記載の装着位置検出プログラム(PG2)を含み、カメラ(13)付きの携帯端末(10)で実行されて、その携帯端末(10)を、前記用具装着器(91)にて計測される前記加速度センサ(93)の計測結果を前記用具装着器(91)から無線受信する無線機(17)と、前記距離演算部(73B)が演算した前記距離と前記計測結果とから前記動作値を演算する動作値演算部(75)と、として機能させる動作値計測プログラム(PG1)。
【0041】
特徴1の装着位置検出プログラム(PG2)及びそれを含んだ特徴3の動作値計測プログラム(PG1)がカメラ(13)付きの携帯端末(10)で実行されると、その携帯端末(10)を、用具装着器(91)が装着されているスポーツ用具(90)の写真(D1,D2)を撮像するための撮像装置(72)と、写真(D1,D2)の画像解析によりスポーツ用具(90)の全長(L1)に対する用具装着器(91)の位置を検出する位置検出装置(73)と、として機能させるので、メジャー等の別途測定器を使用したスポーツ用具(90)における用具装着器(91)の装着位置の測定が不要になり、用具装着器(91)のスポーツ用具(90)に対する取り付け位置の入力が容易になる。
【0042】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0043】
10 スマートフォン(携帯端末)
13 第1カメラ(カメラ)
17,96 無線回路
23 表示制御回路
71 数値データ入力装置
72 撮像装置
73 位置検出装置
73B 距離演算部
74 計測指令部
75 動作値演算部
81 撮像用ボタン
90 バット(スポーツ用具)
91 用具装着器
93 加速度センサ
D1,D2 写真
L1 全長
L2 距離
L3 身長
PG1 動作値計測プログラム
PG2 装着位置検出プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8