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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072452
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240521BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240521BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 653A
H01L29/78 652P
H01L29/78 652T
H01L29/06 301V
H01L29/06 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183275
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大河
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 順
(57)【要約】
【課題】 アバランシェ電流による半導体装置の信頼性の低下を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 半導体基板が、上部電極により覆われた中央領域と、絶縁膜により覆われた終端領域を有する。中央領域が、トレンチが設けられた素子領域と、トレンチが設けられていない中間領域を有する。半導体基板が、素子領域と中間領域に跨って分布しているボディ領域と、p型ピラー領域とn型ピラー領域が交互に配置されたスーパージャンクション領域を備える。p型ピラー領域が、素子領域内に配置された第1p型ピラー領域と、中間領域内に配置された第2p型ピラー領域を有する。第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つのn型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、第1p型ピラー領域を介して隣り合う2つのn型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置(10)であって、
半導体基板(12)と、ゲート絶縁膜(24)と、ゲート電極(26)を備えており、
前記半導体基板が、前記半導体基板の上面(12a)が上部電極(70)により覆われている中央領域(14)と、前記中央領域の周囲に位置しているとともに前記上面が絶縁膜(29)により覆われている終端領域(16)とを有し、
前記中央領域が、前記上面に複数のゲートトレンチ(22)が設けられている素子領域(14a)と、前記素子領域と前記終端領域の間に位置しているとともに前記上面に前記ゲートトレンチが設けられていない中間領域(14b)とを有し、
前記ゲート絶縁膜が、前記ゲートトレンチの内面を覆っており、
前記ゲート電極が、前記ゲートトレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されており、
前記半導体基板が、
前記素子領域内に配置されており、前記上部電極に接しており、前記ゲート絶縁膜に接しているn型のソース領域(30)と、
前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しており、前記素子領域と前記中間領域で前記上部電極に接しており、前記ソース領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接しているp型のボディ領域(32)と、
前記ボディ領域よりも下側の深さ範囲において前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しているスーパージャンクション領域(40)であって、複数のp型ピラー領域(42)と複数のn型ピラー領域(44)が横方向に交互に配置されている前記スーパージャンクション領域と、
を備えており、
複数の前記p型ピラー領域が、前記素子領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第1p型ピラー領域(42a)と、前記中間領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第2p型ピラー領域(42b)を有し、
前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間(L2)で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第1p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間(L1)で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい、
半導体装置。
【請求項2】
前記スーパージャンクション領域が、前記素子領域と前記中間領域と前記終端領域に跨って分布しており、
複数の前記p型ピラー領域が、前記終端領域内に配置されているとともに前記絶縁膜に接している第3p型ピラー領域(42c)を有しており、
前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第3p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間(L3)で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2p型ピラー領域の幅(w2)が、前記第1p型ピラー領域の幅(w1)よりも広い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
隣り合う2つの前記第2p型ピラー領域を接続するとともに前記ボディ領域に接続されている複数のp型の接続領域(60)をさらに備えている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2p型ピラー領域を介して配置される2つの前記接続領域が、前記第2p型ピラー領域と前記n型ピラー領域の配列方向に直交する方向においてそれぞれ異なる位置に配置されている、請求項4に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、中央領域と終端領域を有する半導体基板を備える半導体装置が開示されている。中央領域は、半導体基板の上面が上部電極により覆われた領域であり、終端領域は、中央領域の周囲に位置しているとともに半導体基板の上面が絶縁膜に覆われた領域である。この半導体装置では、ボディ領域よりも下側の深さ範囲に、p型ピラー領域とn型ピラー領域が横方向に交互に配置されているスーパージャンクション領域が設けられている。
【0003】
特許文献1の半導体装置は、オフするときに、p型ピラー領域とn型ピラー領域の境界のpn接合から横方向に空乏層が伸びる。これにより、n型ピラー領域の略全域が空乏化される。この半導体装置では、当該境界からn型ピラー領域に広がる空乏層によって耐圧が確保される。また、この半導体装置では、n型ピラー領域が空乏化され易いので、電流経路となるn型ピラー領域の不純物濃度を高くすることができ、オン抵抗を低減することができる。
【0004】
特許文献1の半導体装置がオフしている状態で、半導体基板内部のpn接合(例えば、p型ピラー領域とn型ピラー領域の境界のpn接合)へ逆方向バイアスの高電圧が印加されると、アバランシェ降伏が生じてアバランシェ電流が流れる。アバランシェ電流は、ボディ領域を介して上部電極へ流れる。終端領域でアバランシェ降伏が生じた場合、アバランシェ電流が中央領域内のボディ領域の端部(ボディ領域のうちの終端領域近傍の部分)を通って上部電極へ流れる。すなわち、ボディ領域の端部にアバランシェ電流が集中して流れ、当該端部に高い負荷が加わる。
【0005】
特許文献1では、中央領域においてスーパージャンクション領域のp型不純物量とn型不純物量をアンバランスにするすることで、中央領域の耐圧を終端領域の耐圧よりも低くしている。これにより、中央領域内でアバランシェ降伏を生じさせることができ、半導体装置に加わる負荷が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-161559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の半導体装置では、アバランシェ降伏が中央領域内で生じる。アバランシェ電流は、中央領域内のp型ピラー領域及びボディ領域を介して上部電極に流れる。このとき、アバランシェ電流が流れることにより、p型ピラー領域やボディ領域が発熱する。中央領域には、ゲートトレンチが設けられており、ボディ領域はゲート絶縁膜に接しているため、ボディ領域で生じた熱がゲート絶縁膜に伝わる。このため、繰り返しアバランシェ電流が流れると、ゲート絶縁膜に悪影響を及ぼし得る。その結果、特許文献1の技術では、半導体装置の信頼性が低下する。本明細書では、アバランシェ電流による半導体装置の信頼性の低下を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示する半導体装置(10)は、半導体基板(12)と、ゲート絶縁膜(24)と、ゲート電極(26)を備えている。前記半導体基板が、前記半導体基板の上面(12a)が上部電極(70)により覆われている中央領域(14)と、前記中央領域の周囲に位置しているとともに前記上面が絶縁膜(29)により覆われている終端領域(16)とを有している。前記中央領域が、前記上面に複数のゲートトレンチ(22)が設けられている素子領域(14a)と、前記素子領域と前記終端領域の間に位置しているとともに前記上面に前記ゲートトレンチが設けられていない中間領域(14b)とを有している。前記ゲート絶縁膜が、前記ゲートトレンチの内面を覆っている。前記ゲート電極が、前記ゲートトレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されている。前記半導体基板が、前記素子領域内に配置されており、前記上部電極に接しており、前記ゲート絶縁膜に接しているn型のソース領域(30)と、前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しており、前記素子領域と前記中間領域で前記上部電極に接しており、前記ソース領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接しているp型のボディ領域(32)と、前記ボディ領域よりも下側の深さ範囲において前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しているスーパージャンクション領域(40)であって、複数のp型ピラー領域(42)と複数のn型ピラー領域(44)が横方向に交互に配置されている前記スーパージャンクション領域と、を備えている。複数の前記p型ピラー領域が、前記素子領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第1p型ピラー領域(42a)と、前記中間領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第2p型ピラー領域(42b)を有している。前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間(L2)で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第1p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間(L1)で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい。
【0009】
上記の半導体装置では、半導体基板が、終端領域とゲートトレンチが設けられている素子領域との間に、上部電極に覆われているとともにゲートトレンチが設けられていない中間領域を有している。そして、中間領域内のp型ピラー領域(第2p型ピラー領域)を介して隣り合う2つのn型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、素子領域内のp型ピラー領域(第1p型ピラー領域)を介して隣り合う2つのn型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい。すなわち、中間領域の耐圧が素子領域の耐圧よりも低い。このため、上記の半導体装置では、素子領域よりも先に中間領域でアバランシェ降伏が生じる。中間領域には、ボディ領域が設けられており、このボディ領域は上部電極に接している。このため、中間領域でアバランシェ降伏が生じると、アバランシェ電流が中間領域内の第2p型ピラー領域及びボディ領域を介して上部電極へ流れる。素子領域内にはゲートトレンチが設けられている一方、中間領域にはゲートトレンチが設けられていないので、アバランシェ電流が流れることにより、中間領域内のボディ領域が発熱しても、素子領域内に設けられたゲート絶縁膜にほとんど影響を与えない。このように、上記の半導体装置では、ゲートトレンチが存在しない領域で選択的にアバランシェ降伏を生じさせることにより、アバランシェ電流による半導体装置の信頼性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の半導体装置の平面図。
図2】実施例1の半導体装置の部分拡大平面図。
図3図2のIII-III線における断面図。
図4】実施例2の半導体装置の部分拡大平面図。
図5】実施例3の半導体装置の部分拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記スーパージャンクション領域が、前記素子領域と前記中間領域と前記終端領域に跨って分布していてもよい。複数の前記p型ピラー領域が、前記終端領域内に配置されているとともに前記絶縁膜に接している第3p型ピラー領域を有していてもよい。前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第3p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きくてもよい。
【0012】
このような構成では、中間領域の耐圧が終端領域の耐圧よりも低い。このため、終端領域よりも先に中間領域でアバランシェ降伏が生じる。したがって、アバランシェ電流が局所的に集中して流れることを抑制することができる。
【0013】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記第2p型ピラー領域の幅が、前記第1p型ピラー領域の幅よりも広くてもよい。
【0014】
このような構成では、中間領域と素子領域におけるp型不純物量とn型不純物量のバランスの差を容易に調整することができる。
【0015】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、隣り合う2つの前記第2p型ピラー領域を接続するとともに前記ボディ領域に接続されている複数のp型の接続領域をさらに備えていてもよい。
【0016】
このような構成では、第2p型ピラー領域だけでなく、接続領域もアバランシェ電流の経路として機能することができる。すなわち、アバランシェ電流の電流経路を広く確保することができるため、アバランシェ電流の経路の抵抗が低減し、アバランシェ耐量が向上する。
【0017】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記第2p型ピラー領域を介して配置される2つの前記接続領域が、前記第2p型ピラー領域と前記n型ピラー領域の配列方向に直交する方向においてそれぞれ異なる位置に配置されていてもよい。
【0018】
例えば、第2p型ピラー領域を介して配置される2つの接続領域が、第2p型ピラー領域とn型ピラー領域の配列方向に直交する方向において同じ位置に配置されている場合、接続領域と第2p型ピラー領域との接続部分におけるp型不純物濃度が過度に大きくなることがあり、半導体装置の耐圧が低下し得る。これに対して、上記の構成では、局所的に(すなわち、上記接続部分の)p型不純物濃度が過大になることが抑制され、半導体装置の耐圧が低下することを抑制することができる。
【0019】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記中央領域内では、前記半導体基板を上から見たときに、前記p型ピラー領域と前記n型ピラー領域が第1方向に沿って長く伸びるとともに前記第1方向に直交する第2方向に沿って交互に配置されていてもよい。この場合、第2方向における寸法が、前記p型ピラー領域と前記n型ピラー領域の幅である。
【0020】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記終端領域内では、前記中央領域から前記半導体基板の外周縁に向かう方向に沿って交互に配置されていてもよい。この場合、前記終端領域内では、前記p型ピラー領域と前記n型ピラー領域が前記中央領域を多重に囲むように環状に伸びていてもよい。この場合、前記中央領域から前記半導体基板の外周縁に向かう方向における寸法が、前記p型ピラー領域と前記n型ピラー領域の幅である。
【0021】
(実施例)
図1は、実施例の半導体装置10を示している。半導体装置10は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、半導体基板12と、電極、絶縁膜等を有している。半導体基板12は、SiC(炭化シリコン)により構成されている。ただし、半導体基板12を構成する材料は特に限定されず、例えば、Si(シリコン)やGaN(窒化ガリウム)等、他の半導体材料であってもよい。図1に示すように、半導体基板12は、中央領域14と終端領域16を有している。中央領域14は、半導体基板12の中央側に配置されており、半導体基板12の上面12a(図2、3等参照)が上部電極70に覆われている領域である。終端領域16は、中央領域14の周囲に配置されており、半導体基板12の上面12aが絶縁膜29に覆われている領域である。また、中央領域14の半導体基板12の上面12aには、ゲート信号を入力するためのゲートパッド18が設けられている。以下では、半導体基板12の上面12aに平行な一方向をx方向といい、半導体基板12の上面12aに平行でx方向に直交する方向をy方向といい、半導体基板12の厚み方向をz方向という。
【0022】
図2は、図1に破線で示す領域Aを上から見たときの拡大図である。図2に示すように、中央領域14は、素子領域14aと中間領域14bを有している。素子領域14aは、中央領域14の中央側に位置している領域であり、半導体基板12の上面12aに複数のゲートトレンチ22が形成されている領域である。中間領域14bは、素子領域14aと終端領域16の間に位置している領域であり、半導体基板12の上面12aにゲートトレンチ22が設けられていない領域である。
【0023】
各ゲートトレンチ22は、x方向に沿って長く延びている。各ゲートトレンチ22は、互いに平行に延びている。各ゲートトレンチ22は、y方向に間隔を空けて配列されている。なお、図2では、半導体基板12の上面12a上の構成(電極、絶縁膜等)の図示を省略している。図に示すように、各ゲートトレンチ22内には、ゲート絶縁膜24とゲート電極26が配置されている。ゲート絶縁膜24は、各ゲートトレンチ22の内面を覆っている。ゲート電極26は、各ゲートトレンチ22の内部に配置されている。各ゲート電極26は、ゲート絶縁膜24によって半導体基板12から絶縁されている。各ゲート電極26は、図示しない位置で、図1に示すゲートパッド18に接続されている。
【0024】
各ゲート電極26の上面は、層間絶縁膜28によって覆われている。半導体基板12の上面12aには、上部電極70が配置されている。上部電極70は、層間絶縁膜28が設けられていない部分で、中央領域14(すなわち、素子領域14a及び中間領域14b)内の半導体基板12の上面12aに接している。上部電極70は、層間絶縁膜28によってゲート電極26から絶縁されている。終端領域16内の半導体基板12の上面12aは、絶縁膜29によって覆われている。半導体基板12の下面12bには、下部電極72が配置されている。下部電極72は、半導体基板12の下面12bの略全域に接している。
【0025】
図に示すように、半導体基板12の内部には、複数のソース領域30、ボディ領域32、スーパージャンクション領域40、底部ドリフト領域34、及びドレイン領域35が設けられている。
【0026】
各ソース領域30は、n型であり、素子領域14a内に配置されている。各ソース領域30は、半導体基板12の上面12aに露出する位置に設けられている。各ソース領域30は、上部電極70にオーミック接触している。各ソース領域30は、ゲートトレンチ22の側面において、ゲート絶縁膜24に接している。
【0027】
ボディ領域32は、p型であり、素子領域14aと中間領域14bに跨って分布している。ボディ領域32は、コンタクト領域32aとメインボディ領域32bを有している。コンタクト領域32aのp型不純物濃度は、メインボディ領域32bのp型不純物濃度よりも高い。
【0028】
素子領域14a内では、コンタクト領域32aは、2つのソース領域30に挟まれた範囲に配置されており、上部電極70にオーミック接触している。メインボディ領域32bは、各ソース領域30及びコンタクト領域32aの下側に配置されている。メインボディ領域32bは、各ソース領域30及びコンタクト領域32aに対して下側から接している。メインボディ領域32bは、ソース領域30の下側で、ゲートトレンチ22の側面において、ゲート絶縁膜24に接している。
【0029】
中間領域14b内では、ソース領域30が設けられておらず、メインボディ領域32bが半導体基板12の上面12aに露出する位置まで延びている。メインボディ領域32bは、上部電極70に接している。すなわち、メインボディ領域32bは、コンタクト領域32aの周囲に配置されている。
【0030】
スーパージャンクション領域40は、ボディ領域32よりも下側の深さ範囲において、素子領域14a、中間領域14b、及び終端領域16に跨って分布している領域である。スーパージャンクション領域40は、複数のp型ピラー領域42と複数のn型ピラー領域44とが、横方向(すなわち、半導体基板12の上面12aに平行な方向(図の断面ではy方向))に沿って交互に繰り返し配置された領域である。p型ピラー領域42は、複数の第1p型ピラー領域42aと、複数の第2p型ピラー領域42bと、複数の第3p型ピラー領域42cを有している。第1p型ピラー領域42aは、素子領域14a内に配置されている。第2p型ピラー領域42bは、中間領域14b内に配置されている。第3p型ピラー領域42cは、終端領域16内に配置されている。
【0031】
各第1p型ピラー領域42aは、メインボディ領域32bに接続されており、メインボディ領域32bから下側に延びている。すなわち、各第1p型ピラー領域42aは、メインボディ領域32b及びコンタクト領域32aを介して上部電極70に接続されている。このため、各第1p型ピラー領域42aの電位は、上部電極70の電位と略等しい。第1p型ピラー領域42aは、2つのゲートトレンチ22に挟まれた範囲のそれぞれに配置されている。各第1p型ピラー領域42aは、ゲートトレンチ22と平行な方向(x方向)に延びている。第1p型ピラー領域42aは、y方向に間隔を空けて配列されている。各第1p型ピラー領域42aは、コンタクト領域32aの下方にそれぞれ配置されており、ゲート絶縁膜24に接していない。各第1p型ピラー領域42aのp型不純物濃度は、各コンタクト領域32aのp型不純物濃度よりも低い。素子領域14a内では、各n型ピラー領域44は、ゲートトレンチ22の下部にそれぞれ配置されている。各n型ピラー領域44は、メインボディ領域32bの下側でゲート絶縁膜24に接している。各n型ピラー領域44は、ゲートトレンチ22と平行な方向(x方向)に延びている。n型ピラー領域44は、y方向に間隔を空けて配列されている。各n型ピラー領域44は、ボディ領域32によってソース領域30から分離されている。各n型ピラー領域44のn型不純物濃度は、各ソース領域30のn型不純物濃度よりも低い。
【0032】
各第2p型ピラー領域42bは、メインボディ領域32bに接続されており、メインボディ領域32bから下側に延びている。すなわち、各第2p型ピラー領域42bは、メインボディ領域32b及びコンタクト領域32aを介して上部電極70に接続されている。このため、各第2p型ピラー領域42bの電位は、上部電極70の電位と略等しい。各第2p型ピラー領域42bは、素子領域14aの周囲を一巡するように延びている。第2p型ピラー領域42bは、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って間隔を空けて配列されている。各第2p型ピラー領域42bのp型不純物濃度は、各第1p型ピラー領域42aのp型不純物濃度と略等しい。中間領域14b内では、各n型ピラー領域44は、メインボディ領域32bに接続されており、メインボディ領域32bから下側に延びている。各n型ピラー領域44は、素子領域14aの周囲を一巡するように延びている。n型ピラー領域44は、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って間隔を空けて配列されている。すなわち、中間領域14bでは、第2p型ピラー領域42bとn型ピラー領域44とが、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って交互に配置されている。
【0033】
各第3p型ピラー領域42cは、半導体基板12の上面12aに露出しており、絶縁膜29に接している。各第3p型ピラー領域42cは、半導体基板12の上面12aから下側に延びている。すなわち、各第3p型ピラー領域42cは、上部電極70から絶縁されている。このため、各第3p型ピラー領域42cは、電気的にフローティング状態である。各第3p型ピラー領域42cは、中間領域14bの周囲を一巡するように延びている。第3p型ピラー領域42cは、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って間隔を空けて配列されている。各第3p型ピラー領域42cのp型不純物濃度は、各第1p型ピラー領域42aのp型不純物濃度と略等しい。終端領域16内では、各n型ピラー領域44は、半導体基板12の上面12aに露出しており、絶縁膜29に接している。各n型ピラー領域44は、半導体基板12の上面12aから下側に延びている。各n型ピラー領域44は、中間領域14bの周囲を一巡するように延びている。n型ピラー領域44は、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って間隔を空けて配列されている。すなわち、終端領域16では、第3p型ピラー領域42cとn型ピラー領域44とが、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って交互に配置されている。
【0034】
図3に示す断面において、各p型ピラー領域42の中心間の距離(例えば、隣り合う2つの第1p型ピラー領域42aの中心間の距離、隣り合う第1p型ピラー領域42aと第2p型ピラー領域42bの中心間の距離等)は略等しい。また、第2p型ピラー領域42bの幅(短手方向の長さ)w2は、第1p型ピラー領域42aの幅w1及び第3p型ピラー領域42cの幅w3よりも大きい。上述したように、第1p型ピラー領域42a、第2p型ピラー領域42b、及び第3p型ピラー領域42cのp型不純物濃度は互いに略等しい。しかしながら、第2p型ピラー領域42bの幅w2が、第1p型ピラー領域42aの幅w1及び第3p型ピラー領域42cの幅w3よりも広いため、第2p型ピラー領域42bに含まれるp型不純物の量は、第1p型ピラー領域42aに含まれるp型不純物の量及び第3p型ピラー領域42cに含まれるp型不純物の量よりも多い。
【0035】
スーパージャンクション領域40では、第2p型ピラー領域42bを介して隣り合う2つのn型ピラー領域44の中心間L2で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、第1p型ピラー領域42aを介して隣り合う2つのn型ピラー領域44の中心間L1で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい。また、中心間L2で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、第3p型ピラー領域42cを介して隣り合う2つのn型ピラー領域44の中心間L3で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい。換言すると、中間領域14b内のp型不純物量とn型不純物量のバランスが、素子領域14a内及び終端領域16内のp型不純物量とn型不純物量のバランスよりも悪い。具体的には、中心間L1及び中心間L3で測定すると、p型不純物の量とn型不純物の量が略等しい。一方、中心間L2で測定すると、第2p型ピラー領域42bに含まれるp型不純物量が比較的多いので、p型不純物の量がn型不純物の量よりも多い。
【0036】
底部ドリフト領域34は、n型であり、スーパージャンクション領域40の下側において、素子領域14a、中間領域14b、及び終端領域16に跨って分布している。底部ドリフト領域34は、各p型ピラー領域42及び各n型ピラー領域44に対して下側から接している。
【0037】
ドレイン領域35は、n型であり、底部ドリフト領域34の下側に配置されている。ドレイン領域35は、素子領域14a、中間領域14b、及び終端領域16に跨って分布している。ドレイン領域35のn型不純物濃度は、底部ドリフト領域34のn型不純物濃度よりも高い。ドレイン領域35は、半導体基板12の下面12bに露出している。ドレイン領域35は、半導体基板12の下面12bで下部電極72にオーミック接触している。
【0038】
半導体装置10の使用時には、下部電極72に上部電極70よりも高い電位が印加される。ゲート電極26にゲート閾値以上の電圧を印加すると、ゲート絶縁膜24に接する範囲のボディ領域32にチャネルが形成され、半導体装置10がオンする。ゲート電極26に印加する電圧をゲート閾値未満まで低下させると、チャネルが消失し、半導体装置10がオフする。
【0039】
半導体装置10がオフしている状態では、下部電極72の電位が上部電極70の電位よりも遥かに高い。この状態では、n型ピラー領域44及び底部ドリフト領域34は、下部電極72に近い電位を有する。また、上述したように、第1p型ピラー領域42a及び第2p型ピラー領域42bは、上部電極70と略等しい電位を有する。このため、中央領域14では、ボディ領域32、第1p型ピラー領域42a、及び第2p型ピラー領域42bと、各n型ピラー領域44との界面のpn接合に高い逆電圧が印加される。したがって、ボディ領域32、第1p型ピラー領域42a、及び第2p型ピラー領域42bから各n型ピラー領域44内に、空乏層が広がる。この空乏層によって、下部電極72と上部電極70の間に印加されている電圧が保持される。また、この空乏層は、中央領域14から終端領域16に向かって広がる。ボディ領域32及び第2p型ピラー領域42bから伸びる空乏層が、最も内周側の(すなわち、最も中央領域14に近い)第3p型ピラー領域42cに達すると、その第3p型ピラー領域42cからさらに外周側に空乏層が伸びる。このようにして、終端領域16では、空乏層が各第3p型ピラー領域42cを経由しながら外周側に伸展する。これにより、終端領域16の耐圧が確保される。以上の通り、スーパージャンクション領域40では、ボディ領域32だけでなく、第1p型ピラー領域42a及び第2p型ピラー領域42bからも各n型ピラー領域44へ空乏層が広がるので、各n型ピラー領域44が空乏化され易い。したがって、スーパージャンクション領域40を有する半導体装置10では、電流経路(すなわち、n型ピラー領域44)のn型不純物濃度を高くすることができる。このため、半導体装置10のオン抵抗を低減することができる。
【0040】
半導体装置10がオフすると、各p型領域32、42から広がる空乏層により、各n型ピラー領域44ならびに底部ドリフト領域34の略全域が空乏化される。半導体装置10がオフしている状態で下部電極72に高電圧が印加されると、半導体基板12内でアバランシェ降伏が生じ、底部ドリフト領域34及び各n型ピラー領域44から中央領域14内の各p型ピラー領域42及びボディ領域32を介して上部電極70へアバランシェ電流が流れる。アバランシェ電流が流れると、アバランシェ電流が流れた領域が発熱する。本実施例では、スーパージャンクション領域40において、中間領域14b内のp型不純物量とn型不純物量のバランスが、素子領域14a及び終端領域16内のp型不純物量とn型不純物量のバランスよりも悪くなるように各領域の不純物濃度が設定されている。すなわち、中間領域14bの耐圧が、素子領域14a及び終端領域16のいずれの耐圧よりも低い。このため、本実施例の半導体装置10では、素子領域14a及び終端領域16よりも先に中間領域14bでアバランシェ降伏が生じる。
【0041】
上述したように、中間領域14bには、ボディ領域32が設けられており、このボディ領域32は上部電極70に接している。このため、中間領域14bでアバランシェ降伏が生じると、アバランシェ電流が中間領域14b内の第2p型ピラー領域42b及びボディ領域32を介して上部電極70へ流れる。中間領域14bにはゲートトレンチ22が設けられていないので、アバランシェ電流が流れることにより中間領域14b内のボディ領域32が発熱しても、素子領域14a内に設けられたゲート絶縁膜24にほとんど影響を与えない。このように、本実施例の半導体装置10では、ゲートトレンチ22が存在しない領域(すなわち、中間領域14b)で選択的にアバランシェ降伏を生じさせることにより、アバランシェ電流による半導体装置10の信頼性の低下を抑制することができる。
【0042】
また、上述したように、本実施例では、終端領域16よりも先に中間領域14bでアバランシェ降伏が生じる。仮に終端領域16でアバランシェ降伏が生じた場合、アバランシェ電流が中央領域14内のボディ領域32の端部(すなわち、中間領域14bのボディ領域32のうちの終端領域16近傍の部分)を通って上部電極70へ流れる。すなわち、ボディ領域32の端部にアバランシェ電流が集中して流れ、当該端部に高い負荷が加わる。しかしながら、本実施例では、終端領域16よりも先に中間領域14bでアバランシェ降伏が生じるため、アバランシェ電流が局所的に集中して流れることを抑制することができる。
【0043】
(実施例2)
実施例2の半導体装置では、実施例1の構成と比較して、半導体基板12の内部に接続領域60がさらに設けられている。図4に示すように、接続領域60は、隣り合う2つの第2p型ピラー領域42bを接続している。図示していないが、各接続領域60は、メインボディ領域32bから下側に延びている。各接続領域60は、メインボディ領域32bから各第2p型ピラー領域42bと略同じ深さ範囲まで延びている。図4に示すように、実施例2では、半導体基板12を上から見たときに、各第2p型ピラー領域42bと各接続領域60とにより格子形状が形成されるように、各接続領域60が配置されている。
【0044】
実施例2の半導体装置では、第2p型ピラー領域42bだけでなく、接続領域60もアバランシェ電流の経路として機能することができる。すなわち、実施例2の半導体装置では、アバランシェ電流の電流経路を広く確保することができるため、アバランシェ電流の経路の抵抗が低減し、アバランシェ耐量が向上する。
【0045】
(実施例3)
実施例3の半導体装置では、実施例2と比較して、接続領域60の構成が異なっている。実施例3では、図5に示すように、第2p型ピラー領域42bを介して配置される2つの接続領域60が、第2p型ピラー領域42bとn型ピラー領域44の配列方向に直交する方向においてそれぞれ異なる位置に配置されている。換言すると、第2p型ピラー領域42bと接続領域60との接続部分が、T字形状となるように、各接続領域60が配置されている。その他の点は、実施例2と同様である。
【0046】
第2p型ピラー領域42bを介して配置される2つの接続領域60が、第2p型ピラー領域42bとn型ピラー領域44の配列方向に直交する方向において同じ位置に配置されている場合(すなわち、実施例2の構成)、半導体装置の製造工程において、接続領域60と第2p型ピラー領域42bとの接続部分におけるp型不純物濃度が過度に大きくなることがあり、半導体装置の耐圧が低下し得る。これに対して、実施例3の構成では、局所的に(すなわち、上記接続部分の)p型不純物濃度が過大になることが抑制され、半導体装置の耐圧が低下することを抑制することができる。
【0047】
上述した各実施例において、第2p型ピラー領域42bの幅w2は、第1p型ピラー領域42aの幅w1及び第3p型ピラー領域42cの幅w3より広くなくてもよい。例えば、幅w2が、幅w1及び幅w3と略等しくてもよい。また、上述した各実施例では、中心間L2で測定したときに、p型不純物の量がn型不純物の量よりも多かったが、n型不純物の量がp型不純物の量よりも多い構成であってもよい。すなわち、p型ピラー領域42を介して隣り合う2つのn型ピラー領域44の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、中間領域14bにおいて最も大きければよい。
【0048】
また、上述した実施例では、第2p型ピラー領域42b及び第3p型ピラー領域42cが環状に形成されていた。しかしながら、第2p型ピラー領域42b及び第3p型ピラー領域42cの形状はこれに限られず、例えば、第1p型ピラー領域42aと同様に直線状に延びていてもよい。
【0049】
また、実施例2において、中央領域14から終端領域16に向かう方向に沿って見たときに、中間領域14bの中央部分よりも両端部分(すなわち、素子領域14a及び終端領域16に近接する部分)において接続領域60の幅を狭くしてもよい。このような構成では、中間領域14bの中央部分の耐圧が中間領域14bの両端部分の耐圧よりも低くなる。すなわち、中間領域14bの中央部分が最も耐圧が低くなる。このため、中間領域14bにおいて、より確実にアバランシェ降伏を生じさせることができる。
【0050】
以下に、本明細書に開示の構成を列記する。
(構成1)
半導体装置であって、
半導体基板と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極を備えており、
前記半導体基板が、前記半導体基板の上面が上部電極により覆われている中央領域と、前記中央領域の周囲に位置しているとともに前記上面が絶縁膜により覆われている終端領域とを有し、
前記中央領域が、前記上面に複数のゲートトレンチが設けられている素子領域と、前記素子領域と前記終端領域の間に位置しているとともに前記上面に前記ゲートトレンチが設けられていない中間領域とを有し、
前記ゲート絶縁膜が、前記ゲートトレンチの内面を覆っており、
前記ゲート電極が、前記ゲートトレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されており、
前記半導体基板が、
前記素子領域内に配置されており、前記上部電極に接しており、前記ゲート絶縁膜に接しているn型のソース領域と、
前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しており、前記素子領域と前記中間領域で前記上部電極に接しており、前記ソース領域の下側で前記ゲート絶縁膜に接しているp型のボディ領域と、
前記ボディ領域よりも下側の深さ範囲において前記素子領域と前記中間領域に跨って分布しているスーパージャンクション領域であって、複数のp型ピラー領域と複数のn型ピラー領域が横方向に交互に配置されている前記スーパージャンクション領域と、
を備えており、
複数の前記p型ピラー領域が、前記素子領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第1p型ピラー領域と、前記中間領域内に配置されているとともに前記ボディ領域に接続されている複数の第2p型ピラー領域を有し、
前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第1p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい、
半導体装置。
(構成2)
前記スーパージャンクション領域が、前記素子領域と前記中間領域と前記終端領域に跨って分布しており、
複数の前記p型ピラー領域が、前記終端領域内に配置されているとともに前記絶縁膜に接している第3p型ピラー領域を有しており、
前記第2p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値が、前記第3p型ピラー領域を介して隣り合う2つの前記n型ピラー領域の中心間で測定されるp型不純物の量とn型不純物の量の差の絶対値よりも大きい、構成1に記載の半導体装置。
(構成3)
前記第2p型ピラー領域の幅が、前記第1p型ピラー領域の幅よりも広い、構成1又は2に記載の半導体装置。
(構成4)
隣り合う2つの前記第2p型ピラー領域を接続するとともに前記ボディ領域に接続されている複数のp型の接続領域をさらに備えている、構成1~3のいずれかに記載の半導体装置。
(構成5)
前記第2p型ピラー領域を介して配置される2つの前記接続領域が、前記第2p型ピラー領域と前記n型ピラー領域の配列方向に直交する方向において異なる位置に配置されている、構成4に記載の半導体装置。
【0051】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0052】
10:半導体装置、12:半導体基板、14:中央領域、14a:素子領域、14b:中間領域、16:終端領域、22:ゲートトレンチ、24:ゲート絶縁膜、26:ゲート電極、29:絶縁膜、30:ソース領域、32:ボディ領域、40:スーパージャンクション領域、42a:第1p型ピラー領域、42b:第2p型ピラー領域、42c:第3p型ピラー領域、44:n型ピラー領域、60:接続領域、70:上部電極、72:下部電極、80:絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5