(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072457
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】検査システムおよび検査システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20240521BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240521BHJP
C12Q 1/686 20180101ALN20240521BHJP
【FI】
G01N35/00 E
C12M1/34 B
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183283
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】金澤 秀和
(72)【発明者】
【氏名】多賀井 浩
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 友希男
【テーマコード(参考)】
2G058
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G058BA01
2G058BA06
2G058BB02
2G058BB09
2G058CA02
2G058FA03
2G058GC02
2G058GC05
4B029AA07
4B029BB13
4B029BB20
4B029FA02
4B029FA11
4B063QA01
4B063QA18
4B063QA19
4B063QQ10
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】複数種類の感染症に対する検査を行うことが可能な検査システムを提供する。
【解決手段】
検査システム100は、検体採取容器1に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う第2ユニット200と、検体に対する測定を行う第3ユニット300と、第2ユニット200に配置される溶解吸着液分注装置125、分注ロボット141および核酸抽出ロボット150と、第3ユニット300に配置されるロボット210と、ロボットコントローラ158および227と、検査システム600の全体を制御する統括制御部400と、を備える。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158および227に伝達し、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を第2ユニット200に実行させ、感染症の種類毎の検査に応じた測定を第3ユニット300に実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムであって、
容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、
検体に対する測定を行う測定部と、
前記前処理部と前記測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、
前記ロボットを制御するロボットコントローラと、
前記検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備え、
前記統括制御部は、
前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達し、
前記感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前記前処理部に実行させ、
前記感染症の種類毎の検査に応じた測定を前記測定部に実行させる、検査システム。
【請求項2】
前記統括制御部は、
前記感染症の種類を受け付け、
受け付けた前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
作業者による前記感染症の種類の入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記統括制御部は、前記入力部に入力された前記感染症の種類を受け付ける、請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記容器には、前記感染症の種類を識別するための識別子が配置されており、
前記検査システムは、前記識別子から前記感染症の種類を読み取る読取部をさらに備える、請求項2に記載の検査システム。
【請求項5】
前記ロボットは、前記前処理部に配置され、核酸抽出用試薬を分注する核酸抽出試薬分注ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することにより、前記感染症の種類毎の検査に応じた量の前記核酸抽出用試薬を前記核酸抽出試薬分注ロボットにより分注させる処理を実行する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項6】
前記ロボットは、前記前処理部に配置され、核酸抽出処理を行う核酸抽出ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することにより、前記核酸抽出ロボットを用いた前記感染症の種類毎の検査に応じた前記核酸抽出処理を実行する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項7】
前記前処理部は、核酸抽出用試薬が分注された検体を加熱する加熱部を含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた温度および時間によって、前記加熱部により検体を加熱する処理を実行する、請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
前記統括制御部は、前記前処理部において、前記感染症の種類毎の検査に応じた時間、核酸の分離処理を実行する、請求項7に記載の検査システム。
【請求項9】
前記ロボットは、前記測定部に配置され、検体に対する測定のための測定用試薬を検体に分注する測定用試薬分注ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた前記測定用試薬を前記測定用試薬分注ロボットに分注させる処理を実行する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項10】
前記ロボットは、前記測定部に配置され、検体に対する測定のための前記測定用試薬の調製を行う測定用試薬調製ロボットをさらに含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた前記測定用試薬を前記測定用試薬調製ロボットにより調製させる処理を実行する、請求項9に記載の検査システム。
【請求項11】
前記測定部は、検体の温度を調節しながら検体を測定する検体測定部をさらに含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じて、前記検体測定部の検体に対する、加熱温度、加熱時間、および、加熱のサイクル数を制御する、請求項1に記載の検査システム。
【請求項12】
前記測定部による検体に対する測定結果を、前記感染症の種類とともに表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の検査システム。
【請求項13】
前記感染症に対する検査は、前記感染症の病原体の核酸を増幅させる処理を含む核酸増幅検査を含む、請求項1に記載の検査システム。
【請求項14】
前記核酸増幅検査は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法による、新型コロナウイルス、サル痘、MERS、エボラ出血熱、HIV、コレラおよびテング熱のうちのいずれか複数の感染症に対する検査を含む、請求項13に記載の検査システム。
【請求項15】
容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、検体に対する測定を行う測定部と、前記前処理部と前記測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、前記ロボットを制御するロボットコントローラと、検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備える、複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムの制御方法であって、
前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することと、
前記統括制御部により、前記感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前記前処理部に実行させることと、
前記感染症の種類毎の検査に応じた測定を前記測定部に実行させることと、を備える、検査システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査システムおよび検査システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のようなPCR検査システムが知られている。特許文献1には、検体回収容器と、移送ロボットと、移送用シリンジと、PCR検査用容器と、を備えるPCR検査前処理自動化装置が開示されている。このPCR検査前処理自動化装置では、PCR検査用容器内において、移送用シリンジから検体が吐出されることにより、検体と粘液溶解剤とが混合され、PCR検査のための前処理が進行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、PCR検査用容器内に予め収容されている粘液溶解剤は、特定の感染症に向けたものであると考えられる。このため、特許文献1のPCR検査前処理自動化装置では、特定の感染症に対するPCR検査前処理しか実行できないという問題点がある。
【0005】
本開示は、複数種類の感染症に対する検査を行うことが可能な検査システムおよび検査システムの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の局面による検査システムは、複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムであって、容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、検体に対する測定を行う測定部と、前処理部と測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、ロボットを制御するロボットコントローラと、検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備え、統括制御部は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラに伝達し、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前処理部に実行させ、感染症の種類毎の検査に応じた測定を測定部に実行させる。なお、感染症の種類毎の検査に応じた、とは、感染症の種類、および、検体の種類の両方に応じた、ということを意味する。検体の種類とは、唾液、鼻咽頭拭い液、血液、膿疱および痂皮などを含む。
【0007】
この開示の第1の局面による検査システムは、上記のように、統括制御部は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラに伝達し、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前処理部に実行させ、感染症の種類毎の検査に応じた測定を測定部に実行させる。これにより、感染症の種類毎の検査に応じてロボットが動作するので、感染症の種類毎の検査に応じた前処理および測定が実行される。その結果、単一の検査システムにおいて、複数種類の感染症に対する検査を行うことができる。
【0008】
本開示の第2の局面による検査システムの制御方法は、容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、検体に対する測定を行う測定部と、前処理部と測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、ロボットを制御するロボットコントローラと、検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備える、複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムの制御方法であって、統括制御部により、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラに伝達することと、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前処理部に実行させることと、感染症の種類毎の検査に応じた測定を測定部に実行させることと、を備える。
【0009】
この開示の第2の局面による検査システムの制御方法は、上記のように、統括制御部により、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラに伝達することと、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前処理部に実行させることと、感染症の種類毎の検査に応じた測定を測定部に実行させることと、を備える。これにより、感染症の種類毎の検査に応じてロボットが動作するので、感染症の種類毎の検査に応じた前処理および測定が実行される。その結果、単一の検査システムにおいて、複数種類の感染症に対する検査を行うことが可能な検査システムの制御方法を提供できる。
【0010】
本開示の技術によれば、検査システムおよび検査システムの制御方法は、複数種類の感染症に対する検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態による検査システムの全体構成の概略を示した図である。
【
図2】第1実施形態による検査システムの全体構成の具体的構成を示した図である。
【
図3】第1実施形態による検査システムの第1ユニットの構成を示した図である。
【
図4】第1実施形態による検査システムの検体採取容器を示した図である。
【
図5】第1実施形態による検査システムの消毒液槽を示した図である。
【
図6】第1実施形態による検査システムの検体採取容器搬送部を示した図である。
【
図7】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの開栓分注処理を行うための構成を示した斜視図である。
【
図8】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの開栓分注処理を行うための構成を示した平面図である。
【
図9】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの検体保管部の移動ロボットのハンドを示した図である。
【
図10】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの検体分注部の開栓ロボットのハンドを示した図である。
【
図11】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの検体分注部の開栓把持部を示した図である。
【
図12】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの検体分注部の分注ロボットのハンドを示した図である。
【
図13】第1実施形態による検査システムの第2ユニットのワーク搬送部の搬送ロボットのハンドを示した図である。
【
図14】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの試薬分注部の分注ロボットのハンドを示した図である。
【
図15】第1実施形態による検査システムの核酸抽出処理を行うプレートを示した図である。
【
図16】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの核酸抽出処理を行うための構成を示した図である。
【
図17】第1実施形態による検査システムの第2ユニットの廃棄箱を示した図である。
【
図18】第1実施形態による検査システムの第3ユニットの構成を示した図である。
【
図19】第1実施形態による検体測定部の検体に対する、加熱温度、加熱時間、および、加熱のサイクル数を示した図である。
【
図20】第1実施形態による検査システムの蓋閉め部材を示した図である。
【
図21】第1実施形態による検査システムの入力部を示した図である。
【
図22】第1実施形態による検査システムの核酸抽出処理を説明するための図である。
【
図23】第1実施形態による検査システムの表示部を示す図である。
【
図24】第1実施形態による検査システムの動作を説明するためのフロー図である。
【
図25】第2実施形態による検査システムの検体採取容器を示した図である。
【
図26】第2実施形態による検査システムの動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態による検査システム600について説明する。検査システム600は、被検者から検体を採取し、採取した検体の測定を行い検査するものである。たとえば、検査システム600は、感染性ウィルスのRT-PCR検査を行うためのものである。
【0013】
図1および
図2に示すように、検査システム600は、第1ユニット100と、第2ユニット200と、第3ユニット300と、統括制御部400と、表示部420と、を備えている。また、第1ユニット100、第2ユニット200、第3ユニット300および統括制御部400は、コンテナ500内に配置されている。第1ユニット100、第2ユニット200および第3ユニット300は、仕切部により互いに仕切られた状態で、単一のコンテナ500内に配置されている。なお、第1ユニット100、第2ユニット200および第3ユニット300のうち少なくとも1つがコンテナ500内に配置されていればよい。これにより、検査システム600を、容易に搬送して配置することができる。
【0014】
また、検査システム600は、第1ユニット100、第2ユニット200および第3ユニット300を互いに接続する搬送部430および440を備えている。具体的には、第1ユニット100および第2ユニット200は、搬送部430により接続されている。また、第2ユニット200および第3ユニット300は、搬送部440により接続されている。これにより、第1ユニット100、第2ユニット200および第3ユニット300間の検体の移動を、搬送部430および440により容易に行うことができる。
【0015】
第1ユニット100は、検体を採取して検体を受け入れる。たとえば、第1ユニット100では、被検者から検体を採取し、採取した検体を希釈液により希釈する処理を行う。また、第1ユニット100では、希釈した検体の撹拌処理を行う。また、第1ユニット100では、希釈した検体の遠心分離処理を行う。第2ユニット200は、第1ユニット100に接続され、検体採取容器1に収容された検体に対して測定を行う前の前処理を行う。たとえば、第2ユニット200では、検体の前処理として、不活化処理を行う。また、第2ユニット200では、検体の前処理として、核酸抽出処理を行う。第3ユニット300は、第2ユニット200に接続され、前処理が行われた検体に対する測定を行う。たとえば、第3ユニット300では、RT-PCR検査により検体中に感染性ウィルスが含まれているかを測定する処理を行う。検体採取容器1は、容器の一例である。第2ユニット200は、前処理部の一例である。第3ユニット300は、測定部の一例である。
【0016】
また、検査システム600は、移動体に乗降するための移動拠点に、配置されている。たとえば、検査システム600は、移動拠点としての空港、駅、バスターミナル、フェリー乗り場に配置されている。移動体は、たとえば、航空機、列車、バス、船舶である。これにより、移動拠点において検査システム600により感染症の検査を行うことができるので、移動拠点において、感染症の陽性または陰性を直ちに確認することができる。その結果、移動拠点から感染症が拡大するのを効果的に抑制することができる。
【0017】
検査システム600を空港に配置する場合の例について説明する。空港には、ターミナルビルが存在し、さらに、鉄道およびバスの駅、タクシーの乗車場および駐車場などが存在する。航空機の搭乗者は、駅、乗車場および駐車場と、ターミナルビルの出入口との間で往来する。
【0018】
ターミナルビルは、出入口と、搭乗手続きのためのチェックインカウンタと、X線検査および金属探知機などを使用する保安検査所と、搭乗待合エリアと、搭乗口と、手荷物受取所と、到着口とを含んでいる。空港を出発する航空機の搭乗者は、チェックインカウンタ、保安検査所、搭乗待合エリアおよび搭乗口をこの順で進む。空港に到着した航空機の搭乗者は、手荷物受取所および到着口をこの順で進む。
【0019】
そして、検査システム600は、出入口、チェックインカウンタおよび保安検査所の少なくとも1つに配置される。これにより、検査を受けていない搭乗者が保安検査所を通過することを抑制することが可能である。さらに、検査システム600は、手荷物受取所および到着口の少なくとも1つに配置されていてもよい。これにより、検査を受けていない搭乗者が到着口を通過することを抑制することが可能である。
【0020】
空港に複数のターミナルビルが存在する場合、ターミナルビルごとの上記の場所に検査システム600が配置されていてもよい。また、検査システム600は、ターミナルビルだけでなく、駅、乗車場および駐車場にも配置されていてもよい。
【0021】
(第1ユニット)
図3に示すように、第1ユニット100は、被検者により採取された検体を受け入れる。検体は、たとえば、唾液検体または鼻腔検体などである。第1ユニット100には、検体を処理するためのロボット10が配置されている。ロボット10は、ロボットアーム10aおよび10bを含んでいる。つまり、ロボット10は、2つのロボットアーム10aおよび10bにより処理を行う。また、ロボットアーム10aおよび10bは、各々、水平関節と、水平関節に接続された昇降機構と、を含んでいる。水平関節は、ロボットアーム10aおよび10bの先端を水平方向に移動させる。また、昇降機構は、ロボットアーム10aおよび10bの先端を上下方向(高さ方向)に移動させる。
【0022】
第1ユニット100は、被検者が配置される被検者エリア11を含んでいる。また、第1ユニット100は、被検者エリア11と仕切られて配置され、検体を処理するためのロボット10が配置されるロボットエリア12を含んでいる。
【0023】
図3に示すように、被検者エリア11は、仕切部13により、複数のブースに仕切られている。これにより、複数の被検者同士の感染を抑制することが可能である。また、被検者エリア11と、ロボットエリア12とは、仕切部14により仕切られている。これにより、被検者がロボットエリア12に入り込むのを抑制することが可能である。
【0024】
第1ユニット100は、採取した検体を秤量する秤量部15を含んでいる。また、第1ユニット100は、秤量部15により秤量した検体の量に応じて希釈液の量を調整して検体を希釈する。つまり、検体の量が少ない場合は、希釈液の量を少なくし、検体の量が多い場合には、希釈液の量を多くして、検体の希釈が行われる。これにより、検体が適切な範囲の濃度になるように希釈することができる。なお、第1ユニット100は、ウィルスを不活化する不活化成分を含む希釈液により採取した検体を希釈してもよい。これにより、検体の希釈とともに不活化処理も行うことができる。
【0025】
第1ユニット100は、検体を希釈するための希釈液を供給する希釈液供給部16を含んでいる。希釈液供給部16は、ロボット10に把持された検体採取容器1に対して希釈液を供給する。
【0026】
第1ユニット100は、秤量部15により秤量した検体の量が不足している場合に、被検者に検体の再採取を通知する通知部17を含んでいる。通知部17は、たとえば、被検者エリア11に配置されている。通知部17は、たとえば、画像を表示する表示部である。なお、通知部17は、音声を出力するスピーカであってもよい。これにより、検体の量が不足することに起因して、検査が正しく行えなくなるのを抑制することができる。
【0027】
第1ユニット100には、紫外線照射部18が配置されている。ロボット10は、紫外線照射部18により第1ユニット100内を滅菌処理する。具体的には、ロボット10は、紫外線照射部18の紫外線ランプが点灯した状態で、紫外線照射部18を把持して、第1ユニット100のロボットエリア12内に紫外線を照射することにより、滅菌処理を行う。これにより、第1ユニット100を紫外線により滅菌することができるので、コンタミネーションや感染を効果的に抑制することができる。
【0028】
第1ユニット100は、
図4に示すように、検体採取目安量が付された検体採取容器1に、検体を採取して検体を受け入れる。これにより、被検者が検体を供出する量を容易に把握することができるので、検体を容易に過不足なく採取することができる。検体採取容器1は、蓋1aにより閉塞可能である。また、検体採取容器1は、被検者の情報を含む識別子1bおよび検体採取目安量が印刷されたラベル1cが貼付されている。識別子1bは、たとえば、バーコードである。
【0029】
第1ユニット100は、
図3に示すように、検体が採取された検体採取容器1の外表面を消毒するための消毒液槽19を含んでいる。消毒液槽19は、
図5に示すように、槽内にスポンジ19aが配置されている。スポンジ19aには、消毒液(たとえば、エタノール、次亜塩素酸水)がしみ込んでいる。また、スポンジ19aには、検体採取容器1が挿入可能な複数の穴19bが配置されている。スポンジ19aの穴19bに検体採取容器1が挿入されることにより、消毒液により検体採取容器1の外表面が消毒される。これにより、検体採取容器1の外表面を消毒することができるので、コンタミネーションや感染を効果的に抑制することができる。
【0030】
第1ユニット100は、
図6に示すように、被検者エリア11からロボットエリア12に検体が採取された検体採取容器1を搬送する検体採取容器搬送部20を含んでいる。検体採取容器搬送部20は、検体採取容器1が載置される載置部20aと、空気圧により駆動するエアシリンダ20bとを有している。また、検体採取容器搬送部20は、エアシリンダ20bの駆動により載置部20aを移動させて、検体採取容器1を搬送する。検体採取容器搬送部20は、被検者エリア11に配置されたカバー21が閉められたことに基づいて、載置部20aを被検者エリア11からロボットエリア12に移動させてもよい。ここで、カバー21は、水平方向の回動軸周りに回動可能に配置されている。カバー21は、下に回動して載置部20aを覆う閉位置と、上に回動して載置部20aを露出させる開位置と、に移動可能である。そして、カバー21が閉位置に移動されたことに基づいて、載置部20aを被検者エリア11からロボットエリア12に移動させてもよい。また、検体採取容器搬送部20は、被検者エリア11に配置されたスイッチ20cが操作されたことに基づいて、載置部20aを被検者エリア11からロボットエリア12に移動させてもよい。ロボットエリア12に移動された載置部20aに載置された検体採取容器1は、ロボット10により把持されてロボットエリア12に取り込まれる。これにより、被検者エリア11およびロボットエリア12を確実に隔離しながら、被検者エリア11からロボットエリア12に検体を容易に移動させることができる。
【0031】
図3に示すように、第1ユニット100は、被検者エリア11の空気の流れを調整する空調部22を含んでいる。空調部22は、被検者エリア11の環境を陽圧または陰圧にする。これにより、被検者エリア11を清潔に保つことができる。
【0032】
第1ユニット100は、検体を処理するためのロボット10を滅菌処理する滅菌部23を含んでいる。これにより、ロボット10を滅菌することができるので、コンタミネーションや感染を効果的に抑制することができる。
【0033】
第1ユニット100は、希釈液により希釈された検体が収容された検体採取容器1を搬送する搬送部24を含んでいる。搬送部24は、検体採取容器1を下流のロボット26に向けて搬送する。
【0034】
第1ユニット100は、複数の検体を遠心分離可能な第1遠心分離機25を含んでいる。また、第1ユニット100は、所定時間毎に第1遠心分離機25を駆動させて検体の遠心分離処理を行う。つまり、第1遠心分離機25に検体が満載されなくても、所定時間毎に遠心分離処理が行われる。これにより、検体が貯まるまで待機することに起因して、検体への処理が滞るのを抑制することができる。
【0035】
第1ユニット100は、検体を処理するロボット26を含んでいる。ロボット26は、垂直多関節ロボットアーム26aを有している。ロボット26は、搬送部24により搬送される検体採取容器1を、振盪部27に搬送し、振盪処理後、第1遠心分離機25に搬送する。また、ロボット26は、遠心分離処理後の検体採取容器1を、搬送部430に搬送する。
【0036】
第1ユニット100は、ロボット26により、第1遠心分離機25にバランス用遠沈管を設置して、第1遠心分離機25を駆動させて検体の遠心分離処理を行う。これにより、所定時間毎に遠心分離処理を行うことにより遠心分離処理を行う検体採取容器1の数が毎回異なる場合でも、バランス用遠沈管によりバランスを調整することができる。
【0037】
第1ユニット100は、第1遠心分離機25内の検体の位置を取得するための画像を撮像する撮像部28を含んでいる。また、第1ユニット100は、検体を処理するためのロボット26により、第1遠心分離機25から検体採取容器1を取り出す。具体的には、第1ユニット100は、撮像部28により撮像された画像に基づいて、第1遠心分離機25内の検体採取容器1の位置を認識する。そして、第1ユニット100は、認識した位置の検体採取容器1を、ロボット26により取り出す。これにより、ロボット26により第1遠心分離機25から容易に検体採取容器1を取り出すことができる。
【0038】
第1ユニット100は、検体を再検査する場合に、第2ユニット200から再検査用の検体を受け入れるとともに、受け入れた再検査用の検体を第1遠心分離機25による遠心分離処理に投入する。これにより、検体を再度採取することなく検体の再検査を行うことができる。
【0039】
第1ユニット100は、検体を振盪させる振盪部27を含んでいる。振盪部27は、複数の検体採取容器1を載置可能である。また、振盪部27は、載置された検体採取容器1内の検体を撹拌するために用いられる。また、振盪部27は、載置された検体採取容器1を周期的に移動させて振盪する。また、振盪部27は、振盪処理終了後に一定の位置に停止する。これにより、ロボット26は、検体採取容器1を振盪部27に載置した位置に、振盪後の検体採取容器1を取りに行けばよいので、ロボット26により振盪部27から容易に検体採取容器1を取り出すことができる。
【0040】
図2に示すように、第1ユニット100は、ロボットコントローラ29を含んでいる。ロボットコントローラ29は、ロボット10およびロボット26を制御する。なお、ロボットコントローラ29は、ロボット10およびロボット26の各々に個別に配置されている。
【0041】
(第2ユニット)
第2ユニット200は、第1ユニット100に接続され、検体に対して測定を行う前の前処理を行う。たとえば、第2ユニット200では、検体の前処理として、開栓分注ユニット200aにおいて、検体の分注処理を行う。また、第2ユニット200では、検体の前処理として、開栓分注ユニット200aにおいて、試薬の分注処理を行う。また、第2ユニット200では、開栓分注ユニット200aの下流において、検体の前処理として、核酸抽出処理を行う。
【0042】
(開栓分注ユニットの構成)
図7および
図8に示すように、開栓分注ユニット200aには、検体保管部110と、検体分注部120と、ワーク搬送部130と、試薬分注部140と、が配置されている。また、開栓分注ユニット200aは、第2ユニット200の開栓分注ユニット200aの外部よりも気圧が低い負圧に保たれている。
【0043】
(検体保管部の構成)
検体保管部110は、複数の検体採取容器1を保管する。具体的には、検体保管部110は、検体が採取された検体採取容器1からプレート2に一部の検体を分注した後、残りの検体が収容された検体採取容器1を所定時間保管する。検体保管部110は、たとえば、2時間、検体採取容器1を保管する。これにより、再検査が必要な場合に、検体保管部110から検体を取り出して再検査することができるので、検体を再度採取する必要がない。
【0044】
検体保管部110は、移動ロボット111と、保管部112と、廃棄部113と、検体載置部114と、QC保管部115と、を含んでいる。
【0045】
移動ロボット111は、保管部112の検体採取容器1を移動させる。また、移動ロボット111は、第1ユニット100から検体採取容器1を受け取り、検体載置部114に載置する。また、移動ロボット111は、検体が分注された検体採取容器1を検体載置部114から保管部112に移動させる。また、移動ロボット111は、所定時間保管した検体採取容器1を、廃棄部113に廃棄する。
【0046】
移動ロボット111は、
図7に示すように、ロボット本体111aと、ロボット本体111aの先端に取り付けられたハンド111bと、を含んでいる。ロボット本体111aは、複数の垂直関節を含む垂直多関節ロボットである。ハンド111bは、
図9に示すように、たとえば、4つの検体採取容器1を把持可能である。ハンド111bは、たとえば、4つ組のチャック111cを有している。チャック111cの各々は、3つの爪を有し、3つの爪を開閉することにより検体採取容器1を把持する。4組のチャック111cのうち、3組のチャック111cは共通の空圧源により駆動される。また、4組のチャック111cのうち残りの1組のチャック111cは、他の3組のチャック111cとは異なる空圧源により独立して駆動される。これにより、他の検体よりも優先して前処理を行い測定させる検体である割り込み検体などの個別に把持する必要がある検体採取容器1を個別に把持することが可能である。
【0047】
図7および
図8に示すように、保管部112は、複数の検体採取容器1を載置することが可能である。保管部112は、たとえば、2時間で前処理および測定することが可能な、たとえば、数百個の検体採取容器1を保管することが可能である。保管部112は、検体採取容器1を立てた状態で挿入するための複数の保持孔が形成されている。
【0048】
廃棄部113は、平面視において保管部112内に、たとえば6つ配置されている。廃棄部113には、所定時間保管された後の検体採取容器1が廃棄される。廃棄部113は、架台下に所定時間分の検体採取容器1を収容可能な収容部を有している。所定時間は、たとえば8時間である。
【0049】
検体載置部114は、第1ユニット100から送られた検体採取容器1が載置される。検体載置部114に載置された検体採取容器1は、検体分注部120に受け渡されて、検体が分注された後、再び検体載置部114に戻される。検体載置部114に戻された検体が分注された後の検体採取容器1は、保管部112に移動される。また、検体採取容器1の識別子1bが読み込めないなどにより、作業者による確認が必要な検体採取容器1は、検体載置部114からシュータにより外部に払い出される。
【0050】
QC保管部115は、品質管理のためのポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの試薬が保管される。QC保管部115に保管されたポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの試薬は、所定回数の検体毎に分注されて、測定に送られる。所定回数の検体毎は、たとえば、数十回毎である。
【0051】
検体分注部120は、検体採取容器1から検体をプレート2に分注する。具体的には、検体分注部120は、検体採取容器1を開栓し、開栓した検体採取容器1から検体の一部をプレート2に分注し、分注後の検体採取容器1を閉栓する。
【0052】
(検体分注部の構成)
検体分注部120は、開栓ロボット121と、分注ロボット122と、作業台123と、開栓把持部124と、溶解吸着液分注装置125と、廃棄部126と、を含んでいる。溶解吸着液分注装置125は、ロボットおよび核酸抽出試薬分注ロボットの一例である。
【0053】
開栓ロボット121は、
図7に示すように、ロボット本体121aと、ロボット本体121aの先端に取り付けられたハンド121bと、を含んでいる。ロボット本体121aは、複数の垂直関節を含む垂直多関節ロボットである。ハンド121bは、
図10に示すように、チャック121cを有している。チャック121cは、3つの爪を有し、3つの爪を開閉することにより検体採取容器1の蓋1aを把持する。
【0054】
開栓ロボット121は、検体を分注する検体採取容器1の開栓を行う。具体的には、開栓ロボット121は、検体保管部110の検体載置部114に載置された検体採取容器1を受け取り、
図11に示す開栓把持部124に移動させる。そして、開栓ロボット121は、開栓把持部124により把持された状態の検体採取容器1の蓋1aを把持して開栓方向に回転させることにより、検体採取容器1を開栓する。また、
図10に示すように、開栓ロボット121は、検体が分注された後の検体採取容器1が
図11に示す開栓把持部124により把持された状態で、検体採取容器1の蓋1aをチャック121cにより把持して閉栓方向に回転させることにより、検体採取容器1を閉栓する。そして、開栓ロボット121は、閉栓後の検体採取容器1を検体保管部110の検体載置部114に移動させる。また、開栓ロボット121は、検体採取容器1と同様にして、品質管理のためのポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの容器を受け取り、開栓および閉栓する。
【0055】
図11に示すように、開栓把持部124は、載置された検体採取容器1を回転しないように把持する。また、開栓把持部124には、検体採取容器1の識別子1bを読み取る読取部124aが配置されている。また、開栓把持部124には、蓋1aの開栓および閉栓の状態を検知する検知センサが配置されている。検知センサは、たとえば、カメラ内蔵のレーザセンサを含んでいる。
【0056】
図7および
図8に示すように、分注ロボット122は、検体採取容器1からプレート2に検体を分注する。具体的には、分注ロボット122は、開栓された検体採取容器1から検体を吸引して、プレート2の所定の位置に吸引した検体を吐出する。また、分注ロボット122は、検体採取容器1と同様にして、品質管理のためのポジティブコントロールおよびネガティブコントロールの容器からプレート2に試薬を分注する。
【0057】
分注ロボット122は、
図7に示すように、ロボット本体122aと、ロボット本体122aの先端に取り付けられたハンド122bと、を含んでいる。ロボット本体122aは、複数の垂直関節を含む垂直多関節ロボットである。ハンド122bは、
図12に示すように、本体部122cと、ノズル122dと、を含んでいる。ノズル122dの先端には使い捨てのチップ122eが着脱可能に取り付けられる。本体部122cは、ノズル122dに対して、検体の吸引および吐出を行う負圧および正圧を供給する。また、本体部122cは、ノズル122d内の圧力を検知することにより、容器内の液面を検知する。そして、液面の検知結果と、分注ロボット122により下降されたチップ122eの先端位置とに基づいて、容器内の水位が取得される。容器内の水位から、検体の量または試薬の量が取得される。また、分注ロボット122は、検体を分注する度に作業台123から新しいチップ122eを取り、検体分注後、使用済みのチップ122eを廃棄部126に廃棄する。
【0058】
図7および
図8に示すように、作業台123には、試薬および検体が分注されるプレート2が載置される。また、作業台123には、分注ロボット122のハンド122bの先端に取り付けられる複数のチップ122eが収容されるチップラックが載置される。
【0059】
図7に示すように、溶解吸着液分注装置125は、核酸抽出用試薬として、溶解吸着液をプレート2に分注する。具体的には、溶解吸着液分注装置125は、作業台123上に配置されている。また、溶解吸着液分注装置125は、ワーク搬送部130の搬送ロボット131に把持された状態のプレート2に対して溶解吸着液を分注する。また、溶解吸着液分注装置125は、たとえば4つのノズル125aを含んでおり、
図15に示すプレート2の4つのウェル2aに対して並行して溶解吸着液を分注可能である。また、溶解吸着液分注装置125は、搬送ロボット131によりプレート2を移動させて、2回の動作により1つのプレート2に対して8つのウェル2aに溶解吸着液を分注する。また、溶解吸着液分注装置125は、4つのノズル125aの各々に流量センサが配置されており、4つのポートを切り替えて分注する分注ポンプにより溶解吸着液を分注する。なお、溶解吸着液は、可溶化液とも呼ばれる。
【0060】
図8に示すように、廃棄部126は、検体分注に用いられた使用済みのチップ122eが廃棄される。廃棄部126は、上面に小さな廃棄口126aを有し、廃棄口126aからチップ122eが入れられる。廃棄部126には、廃棄口126aの下方にチップ122eが収容されるメディカルペールが配置される。なお、メディカルペールとは、感染の可能性を有する廃棄物を収容する蓋つきの容器である。
【0061】
(ワーク搬送部の構成)
ワーク搬送部130は、開栓分注ユニット200a内においてワークを搬送する。具体的には、ワーク搬送部130は、検体が分注されるプレート2を搬送する。また、ワーク搬送部130は、検体分注部120において用いられる
図12に示すチップ122eが収容されたチップラックを搬送する。また、ワーク搬送部130は、試薬分注部140において用いられる
図14に示すチップ141eが収容されたチップラックを搬送する。
【0062】
図7および
図8に示すように、ワーク搬送部130は、搬送ロボット131と、棚132と、棚133と、複数のプレート搬送部134と、プレート渡し部135と、を含んでいる。プレート搬送部134は、たとえば、2つ配置されている。
【0063】
搬送ロボット131は、プレート2を把持して搬送する。具体的には、搬送ロボット131は、プレート搬送部134からプレート2を受け取り、作業台123に搬送する。また、搬送ロボット131は、溶解吸着液分注装置125による溶解吸着液を分注する際にプレート2を把持して移動させる。また、搬送ロボット131は、溶解吸着液が分注されたプレート2を、作業台123の検体を分注する位置まで搬送する。また、搬送ロボット131は、検体が分注されたプレート2を、試薬分注部140の作業台142に搬送する。また、搬送ロボット131は、作業台142において試薬が分注されたプレート2をプレート渡し部135に搬送する。
【0064】
また、搬送ロボット131は、検体分注部120において用いられる
図12に示されるチップ122eが収容されたチップラックを、棚132から取り出して、作業台123に搬送する。また、搬送ロボット131は、試薬分注部140において用いられる
図14に示されるチップ141eが収容されたチップラックを、試薬分注部140の作業台142に搬送する。また、搬送ロボット131は、チップラックの中蓋を蓋廃棄部143に搬送して廃棄する。
【0065】
搬送ロボット131は、ロボット本体131aと、ロボット本体131aの先端に取り付けられたハンド131bと、を含んでいる。ロボット本体131aは、複数の垂直関節を含む垂直多関節ロボットである。ハンド131bは、
図13に示すように、一対のチャック爪131cを有している。一対のチャック爪131cは、開閉することによりプレート2またはチップラックを把持する。
【0066】
図7および
図8に示すように、棚132には、検体分注部120において用いられる
図12に示されるチップ122eが収容されたチップラックが保管される。また、棚132には、試薬分注部140において用いられる試薬が保管される。試薬分注部140において用いられる試薬は、磁性粒子、proK試薬、洗浄液、および、溶出液である。棚132には引き出しが配置されており、保管されたチップラックおよび試薬は引き出しが引き出された状態で搬送ロボット131により取り出される。また、棚132は、外部から作業者がチップラックおよび試薬を供給可能である。
【0067】
棚133には、試薬分注部140において用いられる
図14に示されるチップ141eが収容されたチップラックが保管される。棚133には引き出しが配置されており、保管されたチップラックは引き出しが引き出された状態で搬送ロボット131により取り出される。また、棚133は、外部から作業者がチップラックを供給可能である。
【0068】
プレート搬送部134は、使用前の新しいプレート2を搬送する。プレート搬送部134は、平行に2つ配置されている。2つのプレート搬送部134は、各々、プレート2を搬送するコンベアを有している。
【0069】
プレート渡し部135は、検体および試薬が分注されたプレート2を、核酸抽出処理を行う下流のユニットに受け渡すために配置されている。
【0070】
(試薬分注部の構成)
試薬分注部140は、プレート2に試薬を分注する。具体的には、試薬分注部140は、検体が分注されたプレート2に、磁性粒子およびproK試薬、洗浄液、溶出液を分注する。
【0071】
試薬分注部140は、分注ロボット141と、作業台142と、蓋廃棄部143と、を含んでいる。分注ロボット141は、核酸抽出用試薬として、磁性粒子およびproK試薬、洗浄液、溶出液を分注する。分注ロボット141は、ロボットおよび核酸抽出用試薬分注ロボットの一例である。
【0072】
図8に示すように、分注ロボット141は、作業台142の撹拌機142aに載置されたプレート2に収容された磁性粒子を、検体が分注されたプレート2に分注する。具体的には、分注ロボット141は、撹拌機142aにより撹拌された磁性粒子を吸引して、プレート2の所定の位置に吸引した磁性粒子を吐出する。また、分注ロボット141は、作業台142の冷却器142bに載置されたプレート2に収容されたproK試薬を、検体が分注されたプレート2に分注する。具体的には、分注ロボット141は、冷却器142bにより冷却されたproK試薬を吸引して、プレート2の所定の位置に吸引したproK試薬を吐出する。また、分注ロボット141は、所定の配置位置に配置された洗浄液を吸引し、プレート2の所定の位置に洗浄液を吐出する。また、分注ロボット141は、所定の配置位置に配置された溶出液を吸引し、プレート2の所定の位置に溶出液を吐出する。
【0073】
図7に示すように、分注ロボット141は、ロボット本体141aと、ロボット本体141aの先端に取り付けられたハンド141bと、を含んでいる。ロボット本体141aは、複数の垂直関節を含む垂直多関節ロボットである。ハンド141bは、
図14に示すように、本体部141cと、複数のノズル141dと、を含んでいる。ノズル141dは、たとえば4つ配置されている。複数のノズル141dの各々の先端には使い捨てのチップ141eが着脱可能に取り付けられる。本体部141cは、複数のノズル141dに対して、検体の吸引および吐出を行う負圧および正圧を供給する。また、分注ロボット141は、1つのプレート2に対して、検体が分注された8つのウェル2aの各々に、磁性粒子およびproK試薬、洗浄液、溶出液を順次分注する。
【0074】
図8に示すように、作業台142には、撹拌機142aと、冷却器142bと、廃棄部142cと、プレート載置部142dと、待機部142eと、が配置されている。
【0075】
撹拌機142aは、磁性粒子が収容されたプレート2が載置され、磁性粒子を拡散させるようにプレート2を振動させる。
【0076】
冷却器142bは、proK試薬が収容されたプレート2が載置され、proK試薬を4℃程度に冷却する。
【0077】
廃棄部142cは、作業台142の下方に配置され、分注ロボット141により試薬分注に用いられたチップ141eが廃棄される。
【0078】
プレート載置部142dは、検体が分注されたプレート2が載置され、載置されたプレート2に対して、分注ロボット141により、磁性粒子およびproK試薬、洗浄液、溶出液が分注される。
【0079】
待機部142eは、不活化待機のために、検体が分注されたプレート2が載置される。
【0080】
蓋廃棄部143は、チップラックの中蓋が廃棄される。
【0081】
第2ユニット200は、
図15に示すように、プレート2の複数のウェル2aに対して、複数の希釈された検体を空のウェル2aを隔てて分注する。これにより、間隔をあけて検体を分注することができるので、コンタミネーションを効果的に抑制することができる。
【0082】
第2ユニット200は、
図16に示すように、核酸抽出処理を行う複数の核酸抽出ロボット150を含んでいる。核酸抽出ロボット150は、垂直多関節ロボットアーム150aを有している。核酸抽出処理では、プレート搬送部134によりプレート2が搬送される。プレート搬送部134により搬送されたプレート2は、核酸抽出ロボット150により作業台に移動されて核酸抽出処理が行われる。第2ユニット200は、磁石部151と、チップラック置き場152と、加熱部153と、振盪部154と、廃棄箱155とを含んでいる。また、第2ユニット200は、磁性粒子供給部156と、チップラック置き場157とを含んでいる。核酸抽出ロボット150は、ロボットの一例である。
【0083】
磁石部151は、磁性粒子供給部156からプレート2の検体に供給された磁性粒子を集めるために用いられる。具体的には、磁石部151は、プレート2が載置された状態で、磁石をプレート2の検体に磁石を作用させることにより、集磁する。
【0084】
チップラック置き場152は、チップラック置き場157から供給されるチップラックが置かれる。また、使用済みのチップラックは、チップラック置き場157に返却される。
【0085】
加熱部153は、プレート2の検体を加熱する。すなわち、加熱部153は、核酸抽出用試薬が分注された検体を加熱する。振盪部154は、プレート2の検体を振盪させて撹拌する。
【0086】
廃棄箱155は、検体を分注するためのチップ、プレート2が廃棄される。また、廃棄箱155は、
図17に示すように、収容部155aと、先細り部155bとを有している。つまり、廃棄箱155は、先端が先細り形状に形成されている。これにより、液はねを抑制することができる。
【0087】
核酸抽出ロボット150は、プレート2に対して、核酸抽出処理を行った後、抽出した核酸を
図20に示す複数連チューブ3に分注する。複数連チューブ3は、たとえば、8連PCRチューブである。核酸抽出ロボット150は、検体から抽出された核酸が分注された複数連チューブ3を搬送部440に載置する。
【0088】
図2に示すように、第2ユニット200は、ロボットコントローラ158を含んでいる。ロボットコントローラ158は、移動ロボット111、開栓ロボット121、分注ロボット122、搬送ロボット131、分注ロボット141および核酸抽出ロボット150を制御する。ロボットコントローラ158は、開栓ロボット121、分注ロボット122、搬送ロボット131、分注ロボット141および核酸抽出ロボット150の各々に個別に配置されている。
【0089】
(第3ユニット)
第3ユニット300は、
図18に示すように、検体の測定を行うための試薬を調製する試薬調製室300aと、検体を測定する測定室300bと、を含んでいる。試薬調製室300aは、陽圧にされている。測定室300bは、陰圧にされている。これにより、試薬調製室300a内に浮遊する異物が侵入するのを抑制することができる。また、測定室300bからウィルスが流出するのを抑制することができる。
【0090】
第3ユニット300は、試薬調製室300aと、測定室300bとを連通させる開口を開閉するシャッタ300cを含んでいる。シャッタ300cは、試薬調製室300aと測定室300bとの間で物をやりとりする場合に開放され、それ以外の場合には、閉塞されている。これにより、試薬調製室300aおよび測定室300bを確実に隔離しながら、試薬調製室300aから測定室300bに検体や調製した試薬を容易に移動させることができる。
【0091】
第3ユニット300は、試薬調製処理を行うロボット210を含んでいる。ロボット210は、垂直多関節ロボットアーム210aを有している。また、第3ユニット300の試薬調製室300aには、冷凍庫211と、冷蔵庫212と、開栓装置213と、調製場所214と、チップ置き場215と、廃棄箱216とが配置されている。ロボット210は、測定用試薬分注ロボットおよび測定用試薬調製ロボットの一例である。
【0092】
冷凍庫211には、氷点下のたとえば、-18℃において保管される試薬であるEnzyme Mixが保管されている。また、冷蔵庫212には、低温の、たとえば、4℃において保管される試薬であるReaction Mixが保管されている。Enzyme Mixと、Reaction Mixとは、使用に合わせて混合されて調製される。
【0093】
つまり、第3ユニット300は、検体の検査の受付状況に基づいて、試薬調製室300aにより試薬の調製を行う。これにより、試薬を過不足なく調製することができる。
【0094】
ロボット210は、搬送部440により搬送された複数連チューブ3を作業台に移動させる。ロボット210は、作業台の複数連チューブ3に調製した試薬を分注する。
【0095】
開栓装置213は、試薬の容器を開栓する。調製場所214では、Enzyme Mixと、Reaction Mixとが混合されて調製される。
【0096】
第3ユニット300は、検体測定部221に検体を供給する処理を行うロボット220を含んでいる。ロボット220は、垂直多関節ロボットアーム220aを有している。また、第3ユニット300の測定室300bには、複数の検体測定部221と、第2遠心分離機222と、チューブ保持部223と、蓋閉め部224と、廃棄箱225とを含んでいる。
【0097】
検体測定部221は、検体の温度を調節しながら検体を測定する。検体測定部221は、複数の検体を収容可能な複数のチューブ3aが連なった複数連チューブ3に検体を収容した状態で検体を測定する。検体測定部221は、たとえば、RT-PCRによる測定を行う。検体測定部221は、検体の温度を調節する。検体測定部221は、予め設定されているプログラムに従って検体に対する加熱温度T、加熱時間tおよび加熱のサイクル数Nを調節する。たとえば、
図19に示すように、検体を、温度T1でt1秒加熱した後、温度T2でt2秒加熱する動作を、Nサイクル繰り返すように設定されている。
【0098】
図20に示すように、複数連チューブ3は、たとえば、8個のチューブ3aが直線状に連結されている。また、複数連チューブ3のチューブ3aには、各々蓋3bが連結されている。蓋3bは、連結部を折り曲げることにより、チューブ3aを閉塞する。
【0099】
図20に示すように、第3ユニット300は、複数連チューブ3の蓋3bが開いていることを検知する開状態検知部226を含んでいる。これにより、複数連チューブ3の蓋3bが開いているにもかかわらず、複数連チューブ3が扱われるのを抑制することができるので、複数連チューブ3の蓋3bが開いていることに起因するコンタミネーションを効果的に抑制することができる。
【0100】
第2遠心分離機222は、検体を遠心分離する。また、第2遠心分離機222は、遠心分離処理終了後に停止位置が位置合わせされて停止する。これにより、ロボット220は、遠心分離処理後の検体を位置合わせされた停止位置に取りに行けばよいので、ロボット220により遠心分離処理後の検体を第2遠心分離機222から容易に取り出すことができる。
【0101】
チューブ保持部223は、複数の複数連チューブ3を保持する。具体的には、チューブ保持部223は、複数連チューブ3を上下方向に重ねて保持する。
【0102】
ロボット220は、複数連チューブ3を搬送する。また、第3ユニット300は、ロボット220により、チューブ保持部223から複数連チューブ3を下方に取り出すとともに、複数連チューブ3に検体を分注した後、複数のチューブ3aの各々に接続された蓋3bを互いに異なるタイミングで曲げながら閉塞させる処理を行う。
【0103】
具体的には、蓋閉め部224は、
図20に示すように、複数連チューブ3の複数の蓋3bの各々が当接する複数の当接部224aの平面視における位置が段差状にズレている。これにより、複数連チューブ3の複数の蓋3bが当接部224aに当接するタイミングが互いに異なるようになる。その結果、複数連チューブ3の複数の蓋3bを容易に閉めることができる。
【0104】
また、第3ユニット300は、検査の精度を管理するための管理試薬を所定のタイミングにより測定する。これにより、検査の精度が低下するのを効果的に抑制することができる。
【0105】
図2に示すように、第3ユニット300は、ロボットコントローラ227を含んでいる。ロボットコントローラ227は、ロボット210およびロボット220を制御する。ロボットコントローラ227は、ロボット210およびロボット220の各々に個別に配置されている。
【0106】
(統括制御部)
第1実施形態では、
図1に示すように、統括制御部400は、検査システム600の全体を制御する。統括制御部400は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有する記憶部とを含んでいる。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158および227に伝達する。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を第2ユニット200に実行させる。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた測定を第3ユニット300に実行させる。なお、感染症の種類毎の検査に応じた、とは、感染症の種類、および、検体の種類の両方に応じた、ということを意味する。
【0107】
第1実施形態では、感染症に対する検査は、感染症の病原体の核酸を増幅させる処理を含む核酸増幅検査を含む。また、核酸増幅検査は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法による、新型コロナウイルス、サル痘、MERS、エボラ出血熱、HIV、コレラおよびテング熱のうちのいずれか複数の感染症に対する検査を含む。なお、新型コロナウイルスは、たとえば、COVID-19である。また、感染症に対する検査として、重症性肝炎の検査を含めてもよい。
【0108】
第1実施形態では、
図21に示すように、検査システム600は、作業者による感染症の種類の入力を受け付ける入力部401を備えている。具体的には、入力部401は、統括制御部400に配置されている。入力部401は、たとえば、タッチパネルからなる。入力部401には、検査システム600が検査可能な感染症の種類が表示されている。
図21では、3種類の感染症A、感染症Bおよび感染症Cのボタン401aが表示されている。作業者がいずれかのボタン401aを押下することにより、統括制御部400は、感染症の種類を受け付ける。統括制御部400は、受け付けた感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158および227に伝達する。これにより、第2ユニット200は、押下されたボタン401aに対応する感染症の種類毎の検査に応じた前処理を実行する。第3ユニット300は、押下されたボタン401aに対応する感染症の種類毎の検査に応じた測定を実行する。また、入力部401には、スタートボタン401bと、ストップボタン401cとが表示されている。作業者がスタートボタン401bを押下することにより、検査システム600が動作を開始する。作業者がストップボタン401cを押下することにより、検査システム600が停止する。
【0109】
第1実施形態では、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158に伝達することにより、感染症の種類毎の検査に応じた量の核酸抽出用試薬を溶解吸着液分注装置125および分注ロボット141により分注させる処理を実行する。具体的には、溶解吸着液分注装置125は、感染症の種類毎の検査に応じた量の溶解吸着液をプレート2に分注する。分注ロボット141は、感染症の種類毎の検査に応じた量の、磁性粒子、proK試薬、洗浄液、および、溶出液を、プレート2に分注する。
【0110】
第1実施形態では、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158に伝達することにより、核酸抽出ロボット150を用いた感染症の種類毎の検査に応じた核酸抽出処理を実行する。また、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた温度および時間によって、加熱部153により検体を加熱する処理を実行する。また、統括制御部400は、第2ユニット200において、感染症の種類毎の検査に応じた時間、核酸の分離処理を実行する。具体的には、
図22に示すように、核酸抽出処理は、溶解吸着液の分注、加熱部153による加熱、proK試薬の分注、加熱部153による加熱、磁性粒子の分注、磁石部151による分離、洗浄液の分注、溶出液の分注、加熱部153による加熱、および、核酸の抽出が行われる。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じて、加熱部153による加熱時間、および、磁石部151による分離時間を制御する。核酸抽出ロボット150は、プレート2を加熱部153および磁石部151に搬送する。
【0111】
第1実施形態では、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210により調製させる処理を実行する。測定用試薬は、感染症の種類毎の検査によって異なる。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令を、ロボットコントローラ227に伝達する。ロボット210は、感染症の種類毎の検査に応じた試薬を調製する。
【0112】
第1実施形態では、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210に分注させる処理を実行する。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令を、ロボットコントローラ227に伝達する。ロボット210は、作業台の複数連チューブ3に感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬を分注する。
【0113】
第1実施形態では、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じて、検体測定部221の検体に対する、加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nを制御する。検体測定部221の、加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nは、感染症の種類毎の検査によって異なる。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令を、検体測定部221に伝達する。検体測定部221は、感染症の種類毎の検査に応じた加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nによって動作する。
【0114】
第1実施形態では、
図23に示すように、表示部420は、第3ユニット300による検体に対する測定結果を、感染症の種類とともに表示する。具体的には、
図1に示すように、検査システム600は、検査結果判定部410を備えている。検査結果判定部410は、CPUと、ROMおよびRAMを有する記憶部を有する制御部を含んでいる。検査結果判定部410と統括制御部400とは、たとえばネットワークにより接続されている。すなわち、検査結果判定部410および表示部420は、第1ユニット100、第2ユニット200、第3ユニット300、および、統括制御部400とは、分離された空間に配置されている。検査結果判定部410は、第3ユニット300による検体に対する測定に基づいて、検体が感染症に対して陽性か陰性かを判定する。表示部420は、陽性または陰性の結果を、感染症の種類とともに表示する。また、表示部420は、被検者の情報を表示する。
【0115】
図24を参照して、検査システム600の動作について説明する。ステップS1において、作業者は、入力部401のいずれかのボタン401aを押下する。これにより、統括制御部400は、感染症の種類を受け付ける。
【0116】
ステップS2において、第1ユニット100において検体採取容器1が受け入れられる。第2ユニット200の読取部124aは、検体採取容器1の、被検者の情報を含む識別子1bを読み取る。
【0117】
ステップS3において、感染症の種類毎の検査に応じた前処理が行われる。具体的には、統括制御部400は、受け付けた感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158に伝達する。第2ユニット200は、押下されたボタン401aに対応する感染症の種類毎の検査に応じた前処理を実行する。溶解吸着液分注装置125は、感染症の種類毎の検査に応じた量の溶解吸着液を、検体が分注されたプレート2に分注する。分注ロボット141は、感染症の種類毎の検査に応じた量の、磁性粒子、proK試薬、洗浄液、および、溶出液を、検体が分注されたプレート2に分注する。核酸抽出ロボット150は、感染症の種類毎の検査に応じた核酸抽出処理を実行する。加熱部153は、感染症の種類毎の検査に応じた加熱時間、検体を加熱する。磁石部151は、感染症の種類毎の検査に応じた時間、検体に磁石を作用させる。
【0118】
ステップS4において、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令を、ロボットコントローラ227に伝達する。ロボット210は、感染症の種類毎の検査に応じた試薬を調製する。
【0119】
ステップS5において、感染症の種類毎の検査に応じた測定が行われる。具体的には、統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令を、ロボットコントローラ227および検体測定部221に伝達する。ロボット210は、作業台の複数連チューブ3に、感染症の種類毎の検査に応じて調製された試薬を分注する。検体測定部221は、感染症の種類毎の検査に応じた加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nによって動作する。ロボット220は、検体測定部221に検体を供給する処理を行う。
【0120】
ステップS6において、統括制御部400は、第3ユニット300による検体に対する測定結果を検査結果判定部410に送信する。検査結果判定部410は、検体が感染症に対して陽性か陰性かを判定する。表示部420は、陽性または陰性の結果を、被検者の情報および感染症の種類とともに表示する。
【0121】
[第1実施形態の効果]
統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158および227に伝達し、感染症の種類毎の検査に応じた前処理を第2ユニット200に実行させ、感染症の種類毎の検査に応じた測定を第3ユニット300に実行させる。これにより、感染症の種類毎の検査に応じて溶解吸着液分注装置125、分注ロボット141および核酸抽出ロボット150が動作するので、感染症の種類毎の検査に応じた前処理および測定が実行される。その結果、単一の検査システム600において、複数種類の感染症に対する検査を行うことができる。
【0122】
統括制御部400は、感染症の種類を受け付け、受け付けた感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158および227に伝達する。これにより、統括制御部400は、受け付けた感染症の種類毎の検査に基づいて、容易に、複数種類の感染症に対する検査を検査システム600に実行させることができる。
【0123】
検査システム600は、作業者による感染症の種類の入力を受け付ける入力部401を備える。統括制御部400は、入力部401に入力された感染症の種類を受け付ける。これにより、統括制御部400は、作業者によって入力された感染症の種類毎の検査に基づいて、容易に、複数種類の感染症に対する検査を検査システム600に実行させることができる。
【0124】
第2ユニット200には、核酸抽出用試薬を分注する溶解吸着液分注装置125および分注ロボット141が配置されている。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158に伝達することにより、感染症の種類毎の検査に応じた量の核酸抽出用試薬を、溶解吸着液分注装置125および分注ロボット141により分注させる処理を実行する。ここで、核酸抽出用試薬は、感染症の種類毎の検査によって適切な量が異なる。そこで、統括制御部400が、感染症の種類毎の検査に応じた量の核酸抽出用試薬を溶解吸着液分注装置125および分注ロボット141により分注させる処理を実行することにより、感染症の種類毎の検査に応じて適切な前処理を行うことができる。
【0125】
第2ユニット200には、核酸抽出処理を行う核酸抽出ロボット150が配置されている。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた指令をロボットコントローラ158に伝達することにより、核酸抽出ロボット150を用いた感染症の種類毎の検査に応じた核酸抽出処理を実行する。これにより、核酸抽出ロボット150が感染症の種類毎の検査に応じた核酸抽出処理を実行するので、感染症の種類毎の検査に応じて適切な前処理を行うことができる。
【0126】
第2ユニット200は、核酸抽出用試薬が分注された検体を加熱する加熱部153を含む。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた時間、加熱部153により検体を加熱する処理を実行する。ここで、検体を加熱する適切な温度および時間は、感染症の種類毎の検査によって異なる。そこで、統括制御部400が、感染症の種類毎の検査に応じた温度および時間によって、加熱部153により検体を加熱する処理を実行することにより、感染症の種類毎の検査に応じて適切な加熱処理を行うことができる。
【0127】
統括制御部400は、第2ユニット200において、感染症の種類毎の検査に応じた時間、核酸の分離処理を実行する。ここで、核酸の分離処理の適切な時間は、感染症の種類毎の検査によって異なる。そこで、統括制御部400が、第2ユニット200において、感染症の種類毎の検査に応じた時間、核酸の分離処理を実行することにより、感染症の種類毎の検査に応じて適切な分離処理を行うことができる。
【0128】
第3ユニット300には、検体に対する測定のための測定用試薬を検体に分注するロボット210が配置されている。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210に分注させる処理を実行する。ここで、測定用試薬は、感染症の種類毎の検査によって異なる。そこで、統括制御部400が、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210に分注させる処理を実行することにより、感染症の種類毎の検査に応じて適切な試薬を分注することができる。
【0129】
第3ユニット300には、検体に対する測定のための測定用試薬の調製を行うロボット210が配置されている。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210により調製させる処理を実行する。ここで、測定用試薬は、感染症の種類毎の検査によって異なる。そこで、統括制御部400が、感染症の種類毎の検査に応じた測定用試薬をロボット210により調製させる処理を実行することにより、感染症の種類毎の検査に応じた試薬を適切に調製することができる。
【0130】
第3ユニット300は、検体の温度を調節しながら検体を測定する検体測定部221を含む。統括制御部400は、感染症の種類毎の検査に応じて、検体測定部221の検体に対する、加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nを制御する。ここで、検体測定部221の検体に対する、加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nは、感染症の種類毎の検査によって異なる。そこで、統括制御部400が、感染症の種類毎の検査に応じて、検体測定部221の検体に対する、加熱温度T、加熱時間t、および、加熱のサイクル数Nを制御することにより、感染症の種類毎の検査に応じて適切な検体の測定を行うことができる。
【0131】
検査システム600は、第3ユニット300による検体に対する測定結果を、感染症の種類とともに表示する表示部420を備える。これにより、作業者が表示部420を視認することにより、容易に、感染症の種類と測定結果とを認識することができる。
【0132】
感染症に対する検査は、感染症の病原体の核酸を増幅させる処理を含む核酸増幅検査を含む。これにより、検査システム600は、複数種類の感染症に対する核酸増幅検査を行うことができる。
【0133】
核酸増幅検査は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法による、新型コロナウイルス、サル痘、MERS、エボラ出血熱、HIV、コレラおよびテング熱のうちのいずれか複数の感染症に対する検査を含む。これにより、検査システム600は、新型コロナウイルス、サル痘、MERS、エボラ出血熱、HIV、コレラおよびテング熱のうちのいずれか複数の感染症に対する検査を行うことができる。
【0134】
[第2実施形態]
第2実施形態による検査システム700について説明する。第2実施形態では、
図25に示すように、検体採取容器1には、被検者の情報および感染症の種類を識別するための識別子701が配置されている。識別子701は、たとえば、バーコードである。
【0135】
図26を参照して、検査システム700の動作について説明する。ステップS11において、第1ユニット100において検体採取容器1が受け入れられる。第2ユニット200の読取部124aは、検体採取容器1の識別子701を読み取る。読取部124aに読み取られた被検者の情報および感染症の種類は、統括制御部400に伝達される。
【0136】
ステップS12において、統括制御部400は、読取部124aに読み取られた感染症の種類を受け付ける。なお、ステップS3からステップS6までの動作は、上記第1実施形態と同様である。
【0137】
[第2実施形態の効果]
検体採取容器1には、感染症の種類を識別するための識別子701が配置されている。検査システム700は、識別子701から感染症の種類を読み取る読取部124aをさらに備える。これにより、人手によって感染症の種類の入力する必要が無いので、作業者の手間を省くことができる。
【0138】
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0139】
上記第1および第2実施形態では、感染症に対する検査が、PCR検査である例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、PCR検査以外の核酸増幅法を使用する検査に対して本開示を適用してもよい。
【0140】
上記第1および第2実施形態では、核酸抽出処理が行われるPCR検査である例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、核酸抽出処理が行われないダイレクトPCR法による検査に本開示を適用してもよい。
【0141】
上記第1および第2実施形態では、第2ユニット200および第3ユニット300の両方にロボットが配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第2ユニット200および第3ユニット300のうちの一方のみにロボットが配置されていてもよい。
【0142】
上記第1実施形態では、感染症の種類の入力を受け付ける入力部401がタッチパネルである例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、作業者がキーボードなどの入力部により感染症の種類を入力してもよい。
【0143】
上記第2実施形態では、感染症の種類を識別するための識別子701がバーコードである例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、感染症の種類を識別するための識別子701がICタグなどでもよい。
【0144】
上記第1および第2実施形態では、検体に対する測定のための測定用試薬の調製を行うロボット210が配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、ロボット210を配置せずに、作業者が、検体に対する測定のための測定用試薬を第3ユニット300に配置してもよい。
【0145】
上記第1および第2実施形態では、統括制御部400などとは分離された空間に配置された表示部420に、被検者の情報、検体に対する測定結果および感染症の種類が表示される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、統括制御部400に配置された表示部に、被検者の情報、検体に対する測定結果および感染症の種類が表示されてもよい。
【0146】
上記第2実施形態では、第2ユニット200に配置されている読取部124aが、識別子701から感染症の種類を読み取る例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、識別子701から感染症の種類を読み取る読取部が、第1ユニット100に配置されていてもよい。
【0147】
上記第1および第2実施形態では、溶解吸着液分注装置125により、溶解吸着液がプレート2に分注される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、分注ロボット141により溶解吸着液がプレート2に分注されてもよい。
【0148】
上記第1および第2実施形態では、第1ユニット100において、被検者により採取された検体が受け入れられる例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、医師や看護師などが被検者エリア11において被検者から検体を採取するとともに、採取した検体を第1ユニット100に投入してもよい。
【0149】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0150】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0151】
(項目1)
複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムであって、
容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、
検体に対する測定を行う測定部と、
前記前処理部と前記測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、
前記ロボットを制御するロボットコントローラと、
前記検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備え、
前記統括制御部は、
前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達し、
前記感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前記前処理部に実行させ、
前記感染症の種類毎の検査に応じた測定を前記測定部に実行させる、検査システム。
【0152】
(項目2)
前記統括制御部は、
前記感染症の種類を受け付け、
受け付けた前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達する、項目1に記載の検査システム。
【0153】
(項目3)
作業者による前記感染症の種類の入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記統括制御部は、前記入力部に入力された前記感染症の種類を受け付ける、項目2に記載の検査システム。
【0154】
(項目4)
前記容器には、前記感染症の種類を識別するための識別子が配置されており、
前記検査システムは、前記識別子から前記感染症の種類を読み取る読取部をさらに備える、項目2に記載の検査システム。
【0155】
(項目5)
前記ロボットは、前記前処理部に配置され、核酸抽出用試薬を分注する核酸抽出試薬分注ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することにより、前記感染症の種類毎の検査に応じた量の前記核酸抽出用試薬を前記核酸抽出試薬分注ロボットにより分注させる処理を実行する、項目1から項目4までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0156】
(項目6)
前記ロボットは、前記前処理部に配置され、核酸抽出処理を行う核酸抽出ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することにより、前記核酸抽出ロボットを用いた前記感染症の種類毎の検査に応じた前記核酸抽出処理を実行する、項目1から項目5までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0157】
(項目7)
前記前処理部は、核酸抽出用試薬が分注された検体を加熱する加熱部を含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた温度および時間によって、前記加熱部により検体を加熱する処理を実行する、項目6に記載の検査システム。
【0158】
(項目8)
前記統括制御部は、前記前処理部において、前記感染症の種類毎の検査に応じた時間、核酸の分離処理を実行する、項目7に記載の検査システム。
【0159】
(項目9)
前記ロボットは、前記測定部に配置され、検体に対する測定のための測定用試薬を検体に分注する測定用試薬分注ロボットを含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた前記測定用試薬を前記測定用試薬分注ロボットに分注させる処理を実行する、項目1から項目8までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0160】
(項目10)
前記ロボットは、前記測定部に配置され、検体に対する測定のための前記測定用試薬の調製を行う測定用試薬調製ロボットをさらに含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じた前記測定用試薬を前記測定用試薬調製ロボットにより調製させる処理を実行する、項目9に記載の検査システム。
【0161】
(項目11)
前記測定部は、検体の温度を調節しながら検体を測定する検体測定部をさらに含み、
前記統括制御部は、前記感染症の種類毎の検査に応じて、前記検体測定部の検体に対する、加熱温度、加熱時間、および、加熱のサイクル数を制御する、項目1から項目10までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0162】
(項目12)
前記測定部による検体に対する測定結果を、前記感染症の種類とともに表示する表示部をさらに備える、項目1から項目11までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0163】
(項目13)
前記感染症に対する検査は、前記感染症の病原体の核酸を増幅させる処理を含む核酸増幅検査を含む、項目1から項目12までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0164】
(項目14)
前記複数種類の感染症に対する検査は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法による、新型コロナウイルス、サル痘、MERS、エボラ出血熱、HIVコレラおよびテング熱のうちのいずれか複数の感染症に対する検査を含む、項目1から項目13までのいずれか1項に記載の検査システム。
【0165】
(項目15)
容器に収容された検体に対して測定を行うための前処理を行う前処理部と、検体に対する測定を行う測定部と、前記前処理部と前記測定部とのうちの少なくとも一方に配置されるロボットと、前記ロボットを制御するロボットコントローラと、検査システムの全体を制御する統括制御部と、を備える、複数種類の感染症に対する検査を行う検査システムの制御方法であって、
前記感染症の種類毎の検査に応じた指令を前記ロボットコントローラに伝達することと、
前記統括制御部により、前記感染症の種類毎の検査に応じた前処理を前記前処理部に実行させることと、
前記感染症の種類毎の検査に応じた測定を前記測定部に実行させることと、を備える、検査システムの制御方法。
【符号の説明】
【0166】
1 検体採取容器(容器)
124a 読取部
125 溶解吸着液分注装置(ロボット、核酸抽出試薬分注ロボット)
141 分注ロボット(ロボット、核酸抽出試薬分注ロボット)
150 核酸抽出ロボット(ロボット)
153 加熱部
158 ロボットコントローラ
200 第2ユニット(前処理部)
210 ロボット(測定用試薬分注ロボット、測定用試薬調製ロボット)
221 検体測定部
227 ロボットコントローラ
300 第3ユニット(測定部)
400 統括制御部
401 入力部
420 表示部
600 検査システム
700 検査システム
701 識別子