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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072481
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240521BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240521BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183314
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 隆博
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA04
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA12
3E142FA35
3E142GA02
3E142GA03
3E142JA01
3E142JA03
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、取引で発生した釣銭やポイントに係る店舗の運用を容易にすることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段と、前記一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段と、前記釣銭額取得手段が取得した釣銭額を前記ポイントに変換する変換手段と、前記ポイント取得手段が取得したポイントと前記変換手段が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段と、
前記一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段と、
前記釣銭額取得手段が取得した釣銭額を前記ポイントに変換する変換手段と、
前記ポイント取得手段が取得したポイントと前記変換手段が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
一取引において前記顧客に付与されるポイントを設定するポイント設定手段をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ポイント設定手段は、顧客が前記釣銭額を現金で受け取らずにポイントに変換する場合に付与される預かり付与ポイントを設定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ポイント設定手段は、ポイントに変換する釣銭額に応じて前記預かり付与ポイントを設定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
顧客ごとに前記預かり付与ポイントの累計ポイントを集計する集計手段と、
前記集計手段が集計した累計ポイントを出力する出力手段と、をさらに備える、
請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記情報処理装置を、
金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段と、
前記一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段と、
前記釣銭額取得手段が取得した釣銭額を前記ポイントに変換する変換手段と、
前記ポイント取得手段が取得したポイントと前記変換手段が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗において、取引で発生した釣銭を店舗に預けるようにするシステムが知られている。このシステムは、顧客が保有する釣銭カードに取引で発生した釣銭の金額を預かり金として書き込む。顧客は、次回以降の取引時に釣銭カードに記憶された預かり金を使用して買い物をすることができる。
【0003】
上記釣銭カードの利用者を拡大するために、当該釣銭カードの利用者にプレミアムポイントを付与するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この従来技術のものでは、釣銭とポイントとを別々に管理する必要があり、店舗における運用が煩雑なものとなっていた。例えば、顧客がポイントと預かり金とを使用して商品を購入する場合、預かり金に係る処理とポイントに係る処理とが必要となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、取引で発生した釣銭やポイントに係る店舗の運用を容易にすることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段と、前記一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段と、前記釣銭額取得手段が取得した釣銭額を前記ポイントに変換する変換手段と、前記ポイント取得手段が取得したポイントと前記変換手段が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のポイントシステムを含む管理システムの概略を示す図である。
図2図2は、実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される預かり付与ポイント設定テーブルのデータ構成を示す図である。
図4図4は、実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される取引情報管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図7図7は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるポイント管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図8図8は、実施形態のサーバ装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施形態のPOS端末の制御部による会計処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態のサーバ装置の制御部によるポイント管理処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態のPOS端末が発行する紙レシートを示す図である。
図12図12は、実施形態の顧客端末によって表示されるレシート一覧画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の情報処理装置およびプログラムついて説明する。以下に説明する実施形態は、情報処理装置をPOS(Point Of Sales)端末とサーバ装置とによって構成した例を示すものである。言い換えれば、以下に説明する実施形態は、POS端末とサーバ装置とが協働して情報処理装置の機能を実現する例を示すものである。しかしながら、情報処理装置の機能をPOS端末に集約させて当該POS端末を情報装置としてもよく、あるいは、情報処理装置の機能をサーバ装置に集約させて当該サーバ装置を情報処理装置としてもよい。
【0009】
また、以下に説明する実施形態では、サーバ装置を1店舗の情報を管理するサーバ装置に適用した例について説明するが、これに限らない。サーバ装置は、例えば、同一企業の複数の店舗の情報を管理するサーバ装置であってもよい。
【0010】
図1は、管理システム1の概略を示す図である。管理システム1は、電子レシートサーバ2と、顧客端末3と、ポイントシステム4とによって構成される。電子レシートサーバ2、顧客端末3、およびポイントシステム4は、インターネット等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続される。
【0011】
電子レシートサーバ2は、電子レシートサービスを利用する顧客である会員の顧客端末3に対して電子レシートを送信する。電子レシートは、紙レシートに印刷される一取引の内容を示す取引情報を電子データとしたものである。電子レシートサーバ2は、ポイントシステム4から顧客ごとの取引情報を取得して電子レシートを生成する。
【0012】
電子レシートサーバ2は、取引終了後に顧客端末3に電子レシートを送信してもよいし、顧客端末3からの要求に応じて当該顧客端末3に電子レシートを送信してもよい。また、電子レシートサーバ2は、顧客端末3からの要求に応じて顧客の所定期間内の取引のレシート情報一覧を当該顧客端末3に送信する。
【0013】
電子レシートサーバ2は、店舗を運営する企業により管理されてもよいし、電子レシートサービスを運営する他の企業で管理されてもよい。また、電子レシートサーバ2は、複数の企業に対して電子レシートサービスを提供するものであってもよい。なお、ポイントシステム4は、必ずしも電子レシートサーバ2に接続されていなくてもよく、この場合、店舗は顧客に対して紙レシートを発行する。
【0014】
顧客端末3は、電子レシートサービスの会員である顧客が所有する情報端末装置であって、例えばスマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)などで構成される。顧客端末3は、電子レシートサーバ2から電子レシートやレシート情報一覧などの情報を受信し、自装置が備える表示部に当該受信した情報を表示する。顧客端末3には、電子レシートサービス用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0015】
ポイントシステム4は、例えば、食料品、衣料品、日用品等を販売するスーパーマーケットなどの店舗に適用される。ポイントシステム4は、複数のPOS端末5とサーバ装置6とを有する。POS端末5とサーバ装置6とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。また、サーバ装置6は、インターネット等のネットワークNを介して電子レシートサーバ2および顧客端末3と通信可能に接続される。なお、電子レシートサーバ2、顧客端末3、POS端末5、およびサーバ装置6の数は図示した例に限らない。
【0016】
POS端末5は、店舗内に設けられ、顧客が購入する商品の代金の支払いに係る会計処理を実行する。会計処理は、商品登録、決済処理、レシート発行等の処理を含む。POS端末5は、店員が商品登録および会計処理に係る操作を行うPOS端末であっても、顧客自身がこれら操作を行うセルフPOS端末であってもよい。また、POS端末5は、店員が商品登録に係る操作を行う登録装置と、顧客が会計処理に係る操作を行う会計装置とを備えたセミセルフPOSであってもよい。
【0017】
POS端末5は、一取引において店舗会員である顧客(以下、「会員顧客」ともいう)に付与されるポイントを設定する。ポイントは、金銭的価値を有するものであって、商品の購入に使用することができる。本実施形態では、1ポイントは1円の金銭的価値を有するものとしているが、1ポイントが有する金銭的価値は店舗が任意に設定することができる。店舗が顧客に付与するポイントは、通常ポイント、預かり付与ポイント、および変換ポイントを含む。
【0018】
本実施形態においては、通常ポイントおよび預かり付与ポイントはPOS端末5で設定され、変換ポイントはサーバ装置6で設定される。なお、上記各種ポイントは全てPOS端末5で設定されてもよい。また、上記各種ポイントは全てサーバ装置6で設定されてもよい。
【0019】
通常ポイントは、顧客が購入した金額に応じて算出される。例えば、通常ポイントは、顧客の購入金額の1パーセントの金額に相当するポイントである。預かり付与ポイントは、顧客が取引で発生した釣銭を現金で受け取らない場合、当該釣銭の金額(以下、「釣銭額」ともいう)に応じて算出される。例えば、預かり付与ポイントは、釣銭額が250円未満の場合は1ポイント、250円以上500円未満の場合は2ポイント、500円以上750円未満の場合は3ポイント、750円以上1000円未満の場合は4ポイントなどに設定される。
【0020】
変換ポイントは、顧客が取引で発生した釣銭を現金で受け取らない場合、釣銭額をポイントに変換したものである。例えば、変換ポイントは、釣銭額と同数のポイント、すなわち釣銭額と同じ金銭価値を有するポイントである。
【0021】
なお、通常ポイント、預かり付与ポイント、および変換ポイントの設定方法は、店舗が任意に設定することができる。例えば、預かり付与ポイントは、釣銭額の0.5パーセントや1パーセントの金額に相当するポイントとしてもよい。
【0022】
本実施形態においては、1000円未満の釣銭額についてのみ、顧客は釣銭を現金で受け取らずに変換ポイントに変換することが可能となっている。これにより、顧客は一取引において1000円未満の小銭を扱う必要がなくなり、買い物における利便性が高まる。なお、顧客が釣銭を現金で受け取らずに変換ポイントに変換することが可能な金額は、500円以下、5000円以下など店舗が任意に設定することができる。以下の説明において、顧客が釣銭を現金で受け取らずに変換ポイントに変換することを「釣銭を預ける」という場合がある。
【0023】
店舗は、釣銭を顧客に渡さずに変換ポイントに変換して当該変換ポイントを顧客に付与することにより、当該顧客が次回以降も自店舗で買い物を行うことが期待できる。言い換えると、店舗は、顧客の囲い込みが可能となる。また、店舗は顧客が釣銭を預けることを選択した場合に預かり付与ポイントを付与するため、顧客が釣銭を預けることが促進される。
【0024】
POS端末5は、電子レシートサービスの会員でない顧客の取引について、紙レシートを発行する。POS端末5が発行する紙レシートには、取引情報や顧客のポイントに関する各種情報が印刷される。
【0025】
サーバ装置6は、店舗の各種情報を管理する店舗サーバとして機能する。例えば、サーバ装置6は、各POS端末5から、会計処理にて支払された商品の商品情報や決済方法等に関する決済情報を含む取引情報を受信する。サーバ装置6は、上記取引情報のうち、電子レシート会員の取引情報を電子レシートサーバ2に送信する。
【0026】
サーバ装置6は、各POS端末5から、所定期間(例えば一日)の売上金額を示した売上情報を受信する。サーバ装置6は、各POS端末5から受信した取引情報、売上情報等を集中的に管理して、一店舗での売上管理等を行う。さらに、サーバ装置6は、店舗が販売する商品に関する情報を記憶した商品マスタを適宜更新し、各POS端末5に送信する。
【0027】
サーバ装置6は、POS端末5から一取引の釣銭額を取得し、必要に応じて変換ポイントに変換する。また、サーバ装置6は、会員顧客に付与された各種ポイントを管理する。例えば、サーバ装置6は、一取引で顧客に付与された通常ポイント、預かり付与ポイント、および変換ポイントを取引ごとに管理する。通常ポイントおよび預かり付与ポイントはPOS端末5から取得され、変換ポイントはサーバ装置6で設定される。また、サーバ装置6は、通常ポイント、預かり付与ポイントおよび変換ポイントを加算したポイントであって、顧客が現時点で保有する保有ポイントを顧客ごとに管理する。
【0028】
次に、POS端末5について詳細に説明する。図2は、POS端末5の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末5は、制御部50と、記憶部51と、表示部52と、操作部53と、スキャナ54と、カードリーダ55と、釣銭機56と、プリンタ57と、通信部58と、を備えている。制御部50、記憶部51、表示部52、操作部53、スキャナ54、カードリーダ55、釣銭機56、プリンタ57および通信部58は、バス59等を介して互いに接続されている。
【0029】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503を備えたコンピュータ構成となっている。CPU501、ROM502、およびRAM503は、バス59を介して互いに接続されている。
【0030】
CPU501は、POS端末5の全体の動作を制御する。ROM502は、CPU501の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用され、ROM502や記憶部51に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部50は、CPU501がROM502や記憶部51に記憶されてRAM503に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、POS端末5の各種制御処理を実行する。
【0031】
また、RAM503は、商品情報部5031を備える。商品情報部5031は、スキャナ54で読取られた商品コードで識別される商品の商品情報(商品コード、商品名、価格など)を記憶する。商品情報部5031に商品情報が登録(記憶)されることによって商品登録が実行される。
【0032】
記憶部51は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部51は、制御プログラム511、商品マスタ512、および預かり付与ポイント設定テーブル513を記憶する。
【0033】
制御プログラム511は、スキャナ54で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行う機能、商品情報部5031に登録された商品情報に基づいて会計処理を行う機能、サーバ装置6との間で各種情報を送受信する機能、一取引において顧客に付与するポイントを設定する機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0034】
商品マスタ512は、サーバ装置6から受信したものである。商品マスタ512は、店舗が販売する商品について、商品コード、商品名、価格などの商品情報を記憶したマスタファイルである。POS端末5は、例えば毎日開店前の定められた時間にサーバ装置6から商品マスタ512を受信して更新する。なお、記憶部51は、商品マスタ512を記憶しない構成であってもよい。この場合、POS端末5は、サーバ装置6と通信して当該サーバ装置6に記憶された商品マスタ612(図5参照)を参照することで、商品マスタ512を記憶する構成と同様な機能を発揮することができる。
【0035】
預かり付与ポイント設定テーブル513は、顧客が現金で受け取らなかった釣銭額に対して付与される預かり付与ポイントを設定したテーブルである。預かり付与ポイント設定テーブル513は、店舗によって任意に設定することができる。図3は、預かり付与ポイント設定テーブル513のデータ構成を示す図である。預かり付与ポイント設定テーブル513は、釣銭額と預かり付与ポイントとを対応付けて記憶する。
【0036】
釣銭額は、一取引において発生した釣銭の金額を示す情報である。預かり付与ポイントは、釣銭額に応じて定められた預かり付与ポイントを示す情報である。例えば、会員顧客が1円以上250円未満の釣銭額を現金で受け取らなかった場合、言い換えると会員顧客が1円以上250円未満の釣銭額を預けた場合、当該会員顧客に対して預かり付与ポイントが1ポイント付与されることとなる。
【0037】
図2に戻って、POS端末5のハードウェア構成について説明する。
【0038】
表示部52は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部52は、制御部50の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部52は、商品登録された商品の商品情報や、一取引の合計金額(取引金額)などを表示する。また、表示部52は、一取引において顧客に付与されるポイント等を表示する。
【0039】
操作部53は、入力デバイスであり、表示部52の表面に設けられたタッチパネル、表示部52とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部53は、POS端末5を使用するユーザの操作により入力された各種情報を制御部50に入力する。例えば、操作部53は、顧客が1000円未満の小銭の釣銭を預けることを示す情報を制御部50に入力する。
【0040】
スキャナ54は、商品に付された商品コードを示すバーコードなどのコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には、スキャナ54は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ54は、認識した商品バーコードをデコードし、商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ54が認識した商品バーコードのデコードは、制御部50で行ってもよい。また、スキャナ54は、顧客端末3に表示されたバーコードから店舗会員の会員IDや電子レシートサービスの会員IDを読取る。スキャナ54は、POS端末5に固定的に設けられたものでもよいし、POS端末5のユーザが手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0041】
カードリーダ55は、顧客の会員カードから店舗会員の会員IDを読み取る。また、カードリーダ55は、顧客のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な顧客情報を読取る。カードリーダ55は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0042】
釣銭機56は、顧客が購入代金を現金で支払った際に、顧客の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。釣銭機56は顧客が1000円未満の小銭の釣銭を預けることを示す情報が操作部53に入力された場合、当該小銭の釣銭の払い出しを禁止する。
【0043】
プリンタ57は、一取引の終了時にレシートを印刷する。プリンタ57は、制御部50の制御の下、一取引に係る取引情報や顧客のポイントに関する各種情報をレシートに印刷する。
【0044】
通信部58は、サーバ装置6などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部50は、通信部58を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0045】
続いて、POS端末5の制御部50の機能構成について説明する。図4は、POS端末5の制御部50の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部50は、CPU501がROM502や記憶部51に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力手段5001、登録手段5002、受付手段5003、決済処理手段5004、ポイント設定手段5005、表示制御手段5006、レシート発行手段5007、および送受信手段5008として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0046】
入力手段5001には、スキャナ54やカードリーダ55から各種情報が入力される。例えば、入力手段5001には、スキャナ54あるいはカードリーダ55から店舗会員の会員IDや電子レシートサービス会員の会員IDが入力される。また、入力手段5001には、スキャナ54から商品コードが入力される。
【0047】
登録手段5002は、商品登録を実行する。具体的には、登録手段5002は、入力手段5001に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ512から読み出して商品情報部5031に登録する。
【0048】
受付手段5003は、操作部53に入力された各種情報を受け付ける。例えば、受付手段5003は、一取引において顧客が1000円未満の小銭の釣銭を預けることを示す情報を受け付ける。
【0049】
決済処理手段5004は、一取引に係る決済処理を実行する。決済処理は、顧客が購入代金の支払いを完了するための処理である。決済処理手段5004は、商品情報部5031に登録された情報に基づいて取引金額を算出し、現金決済やクレジットカード決済などを完了させるための処理を実行する。決済処理手段5004は、顧客が現金決済を行う場合に釣銭額を算出する。決済処理手段5004は、釣銭機56に入金された金額から上記取引金額を減算することで釣銭額を算出する。
【0050】
ポイント設定手段5005は、一取引において顧客に付与される各種ポイントを設定する。具体的には、ポイント設定手段5005は、一取引の取引金額に基づいて通常ポイントを算出して設定する。例えば、ポイント設定手段5005は、決済処理手段5004が算出した取引金額の1パーセントのポイント数を算出して、通常ポイントとして設定する。
【0051】
また、ポイント設定手段5005は、会員顧客が1000円未満の小銭の釣銭を預ける場合、預かり付与ポイント設定テーブル513を参照して預かり付与ポイントを設定する。具体的には、ポイント設定手段5005は、決済処理手段5004が算出した釣銭額に対応する預かり付与ポイントを預かり付与ポイント設定テーブル513から読み出して設定する。
【0052】
表示制御手段5006は、表示部52に各種情報を表示させる。例えば、表示制御手段5006は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部52に表示させる。また、表示制御手段5006は、ポイント設定手段5005が設定したポイントを表示部52に表示させる。
【0053】
レシート発行手段5007は、レシートデータを生成してプリンタ57に当該レシートデータを送信し、プリンタ57にレシートを発行させる。レシート発行手段5007は、ポイント設定手段5005が設定した各種ポイントを含む一取引の取引情報を示すレシートデータを生成してプリンタ57に出力する。上記レシートデータは、プリンタ57が印刷可能なデータ形式のデータである。
【0054】
送受信手段5008は、サーバ装置6との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信手段5008は、ポイント設定手段5005が設定した各種ポイントを含む一取引の取引情報をサーバ装置6に送信する。送受信手段5008は、会員顧客1000円未満の小銭の釣銭を預ける場合、釣銭額および当該釣銭額をポイントに変換する旨の情報(以下、両者を含めて「変換釣銭額」ともいう)をサーバ装置6に送信する。
【0055】
送受信手段5008は、取引を行う顧客が電子レシートサービスの会員である場合、レシート発行手段5007が生成したレシートデータをサーバ装置6に送信する。サーバ装置6は、受信したレシートデータを電子レシートサーバ2に送信する。また、送受信手段5008は、取引を行う会員顧客の現時点での保有ポイント(通常ポイント、預かり付与ポイント、および変換ポイントの合計ポイント)をサーバ装置6から受信する。
【0056】
なお、送受信手段5008は、サーバ装置6に情報を送信する際に自装置を特定するPOS端末IDを送信するものとする。これにより、サーバ装置6は、情報の送信元であるPOS端末5を特定して、受信した情報に対する応答を当該POS端末5に送信することができる。
【0057】
次に、サーバ装置6について詳細に説明する。図5は、サーバ装置6の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置6は、制御部60と、記憶部61と、表示部62と、操作部63と、通信部64と、を備えている。制御部60、記憶部61、表示部62、操作部63、および通信部64は、バス65等を介して互いに接続されている。
【0058】
制御部60は、CPU601、ROM602、RAM603を備えたコンピュータ構成となっている。CPU601、ROM602、およびRAM603は、バス65を介して互いに接続されている。
【0059】
CPU601は、サーバ装置6の各部を統括的に制御する。ROM602は、CPU601の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用され、ROM602や記憶部61に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部60は、CPU601がROM602や記憶部61に記憶されてRAM603に展開された制御プログラムにしたがって動作することによって、サーバ装置6の各種制御処理を実行する。
【0060】
記憶部61は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部61は、制御プログラム611、商品マスタ612、取引情報管理テーブル613、およびポイント管理テーブル614を記憶する。
【0061】
制御プログラム611は、POS端末5から一取引における各種ポイントや釣銭額を取得する機能、POS端末5から取得した釣銭額をポイントに変換する機能、各種ポイントを管理する機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0062】
商品マスタ612は、POS端末5に記憶される商品マスタ512と同様であるので、重複する説明は省略する。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ612は適宜更新され、各POS端末5に送信される。
【0063】
取引情報管理テーブル613は、一取引の取引情報を会員顧客ごとに管理するテーブルである。取引情報管理テーブル613は、会員顧客が取引を行うたびにPOS端末5から取得した情報に基づいて更新される。なお、店舗会員以外の顧客の取引は、サーバ装置6によって別途管理されるものとする。図6は、取引情報管理テーブル613のデータ構成を示す図である。取引情報管理テーブル613は、会員IDに対応付けて、電子レシート会員ID、取引ID、取引日時、取引金額、商品コード、通常ポイント、預かり付与ポイント、および変換ポイントを記憶する。
【0064】
会員IDは、店舗会員を識別する情報である。電子レシート会員IDは、電子レシートサービスの会員を識別する情報である。店舗会員の中で、電子レシートサービスの会員となっている顧客についてのみ、会員IDと対応付けて電子レシート会員IDが登録される。
【0065】
取引IDは、取引を識別する情報である。取引日時は、取引においてPOS端末5で会計処理が完了した日時を示す情報である。取引金額は、取引された金額すなわち顧客が購入した商品の合計金額である。取引金額の項目には、商品の本体価格と消費税額とが認識可能に登録されている。商品コードは、商品を識別する情報である。一取引において複数の商品が購入された場合、商品コードの項目には複数の商品コードが登録される。
【0066】
通常ポイントは、一取引で顧客に付与された通常ポイントである。預かり付与ポイントは、一取引で顧客に付与された預かり付与ポイントである。変換ポイントは、一取引で顧客に付与された変換ポイントである。変換ポイントは、POS端末5から受信した釣銭額を制御部60が変換したポイントである。
【0067】
ポイント管理テーブル614は、会員顧客が保有している各種ポイントの合計である保有ポイントを会員顧客ごとに管理するテーブルである。ポイント管理テーブル614は、会員顧客がポイントを利用して商品を購入した際、あるいは会員顧客が商品を購入して各種ポイントが付与された際に更新される。図7は、ポイント管理テーブル614のデータ構成を示す図である。ポイント管理テーブル614は、会員IDと保有ポイントとを対応付けて記憶する。
【0068】
会員IDは、上述したとおり、店舗会員を識別する情報である。保有ポイントは、会員IDで識別される顧客が現時点で保有しているポイントであって、通常ポイント、預かり付与ポイント、変換ポイントの合計ポイントである。
【0069】
図5に戻ってサーバ装置6のハードウェア構成について説明する。
【0070】
表示部62は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部62は、制御部60の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部62は、商品マスタ612などに情報を入力するための入力画面等を表示する。
【0071】
操作部63は、入力デバイスであり、表示部62の表面に設けられたタッチパネル、マウスなどで構成される。操作部63は、サーバ装置6を操作するユーザの操作により入力された情報を制御部60に入力する。
【0072】
通信部64は、電子レシートサーバ2、POS端末5などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部60は、通信部64を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0073】
続いて、サーバ装置6の制御部60の機能構成について説明する。図8は、サーバ装置6の制御部60の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部60は、CPU601がROM602や記憶部61に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信手段6001、変換手段6002、情報管理手段6003、および集計手段6004として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0074】
送受信手段6001は、電子レシートサーバ2やPOS端末5との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信手段6001は、一取引に関する取引情報をPOS端末5から受信する。上記取引情報は、一取引においてPOS端末5が設定した通常ポイントおよび預かり付与ポイントを含む。送受信手段6001は、金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段として機能する。
【0075】
また、送受信手段6001は、会員顧客が1000円未満の小銭の釣銭を現金で受け取らずに預けることとした取引において、変換釣銭額をPOS端末5から受信する。送受信手段6001は、一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段として機能する。
【0076】
さらに、送受信手段6001は、集計手段6004が集計した累計ポイントを電子レシートサーバ2やPOS端末5に送信する。累計ポイントは、一顧客が所定期間に獲得した預かり付与ポイントの合計である。送受信手段6001は、集計手段6004が集計した累計ポイントを出力する出力手段として機能する。
【0077】
変換手段6002は、釣銭額取得手段(送受信手段6001)が取得した変換釣銭額をポイントに変換する。具体的には、変換手段6002は、送受信手段6001が受信した変換釣銭額を当該変換釣銭額と同じ金銭価値を有するポイントに変換する。上述のとおり、本実施形態においては、1ポイントを1円の金銭的価値を有するものとして定めているので、例えば送受信手段6001が受信した変換釣銭額が100円である場合、変換手段6002は変換釣銭額を100ポイントに変換する。
【0078】
情報管理手段6003は、各種情報を管理する。ここで、情報を管理するとは、記憶部41に情報を記憶し、あるいは当該記憶部41から情報を読み出すことをいうものとする。例えば、情報管理手段6003は、必要に応じて取引情報管理テーブル613やポイント管理テーブル614から情報を読み出す。情報管理手段6003は、現時点における一会員の保有ポイントを算出してポイント管理テーブル614を更新する。
【0079】
情報管理手段6003は、送受信手段6001が受信した通常ポイントおよび預かり付与ポイントを取引情報管理テーブル613に記憶する。また、情報管理手段6003は、変換手段6002によって変換された変換ポイントを取引情報管理テーブル613に記憶する。情報管理手段6003は、送受信手段6001が取得したポイントと変換手段6002が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段として機能する。
【0080】
集計手段6004は、顧客ごとに預かり付与ポイントの累計ポイントを集計する。例えば、集計手段6004は、送受信手段6001が電子レシートサーバ2から累計ポイント要求を受信すると、当該累計ポイント要求に含まれる会員IDの預かり付与ポイントを集計する。詳細には、集計手段6004は、取引情報管理テーブル613から該当する会員IDの過去の預かり付与ポイントを抽出して集計(加算)する。集計手段6004は、該当する会員IDの過去の預かりポイント全てを集計してもよいし、所定期間例えば直近の1か月間のポイントを集計してもよい。
【0081】
次に、上記構成のPOS端末5が実行する会計処理について説明する。図9は、POS端末5の制御部50による会計処理の流れを示すフローチャートである。会計処理は、顧客が購入する商品の代金の支払いを行う際に実行される。
【0082】
制御部50は、受付手段5003が操作部53から取引開始入力を受け付けたか否か判断し(ステップS1)、受け付けなければ(ステップS1のN)、ステップS1の処理に戻って待機する。受付手段5003が操作部53から取引開始入力を受付けると(ステップS1のY)、制御部50は、入力手段5001に商品コードが入力されたか否か判断する(ステップS2)。
【0083】
入力手段5001に商品コードが入力されると(ステップS2のY)、登録手段5002は商品登録を行う(ステップS3)。続いて、制御部50は、受付手段5003が決済指示を受け付けたか否か判断し(ステップS4)、受け付けなければ(ステップS4のN)、ステップS2の処理に戻る。入力手段5001に商品コードが入力されない場合(ステップS2のN)、制御部50は、ステップS3の処理をスキップしてステップS4の処理に移行する。
【0084】
受付手段5003が決済指示を受け付けると(ステップS4のY)、決済処理手段5004は、取引金額の算出を行う(ステップS5)。具体的には、決済処理手段5004は、商品情報部5031に登録されている商品の価格の合計額および消費税を算出する。続いて、制御部50は、入力手段5001に店舗会員の会員IDが入力されているか否か判断する(ステップS6)。制御部50は、取引開始入力がなされて以降に入力手段5001に店舗会員の会員IDが入力されたか否か判断する。
【0085】
入力手段5001に店舗会員の会員IDが入力されている場合(ステップS6のY)、ポイント設定手段5005は、通常ポイントを設定する(ステップS7)。具体的には、ポイント設定手段5005は、取引金額の1パーセントのポイント数を算出して通常ポイントに設定する。なお、通常ポイントの算出対象となる取引金額は、消費税を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0086】
次いで、制御部50は、顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けたか否か判断する(ステップS8)。なお、このとき顧客が保有ポイントを使用する旨の情報を受付手段5003が受け付けた場合、送受信手段5008は、サーバ装置6から当該顧客の保有ポイントを取得する。そして、決済処理手段5004は、保有ポイントのうち顧客が使用するポイントを取引金額から減算する。以下の説明においては、取引金額から顧客が使用するポイントを減算した金額についても取引金額ということとする。
【0087】
顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けると(ステップS8のY)、決済処理手段5004は、釣銭額の算出を行う(ステップS9)。決済処理手段5004は、釣銭機56に入金された金額から取引金額を減算することによって釣銭額を算出する。
【0088】
制御部50は、顧客が釣銭を現金で受け取らずに預けることを示す釣銭預け入力を受付手段5003が受け付けたか否か判断する(ステップS10)。受付手段5003が釣銭預け入力を受け付けると(ステップS10のY)、ポイント設定手段5005は、預かり付与ポイントを設定する(ステップS11)。具体的には、ポイント設定手段5005は、預かり付与ポイント設定テーブル513を参照して、取引において生じた釣銭額に対応する預かり付与ポイントを読み出す。
【0089】
送受信手段5008は、取引情報をサーバ装置6に送信する(ステップS12)。取引情報は、ポイント設定手段5005が設定した通常ポイント、預かり付与ポイント、通常ポイントと預かりポイントの合計ポイント、および決済処理手段5004が算出した釣銭額(変換釣銭額)を含む。なお、ポイント設定手段5005が変換釣銭額をポイントに変換してもよく、この場合、合計ポイントはポイント設定手段5005によって変換された変換ポイントも加算したポイントとなる。
【0090】
送受信手段5008は、サーバ装置6から累計預かり付与ポイントを取得する(ステップS13)。例えば、送受信手段5008は、取引情報の送信時に累計預かり付与ポイント要求を併せてサーバ装置6に送信し、当該累計預かり付与ポイント要求に対応してサーバ装置6が送信する累計預かり付与ポイントを受信する。なお、送受信手段5008は、サーバ装置6が取引情報の受信に対応して自動的に送信する累計預かりポイントを受信してもよい。
【0091】
送受信手段5008は、サーバ装置6から取引を行った顧客の現時点の保有ポイントを取得する(ステップS14)。次いで、レシート発行手段5007は、プリンタ57にレシートを発行させる(ステップS15)。このとき、顧客が電子レシートサービスの会員である場合、レシート発行手段5007は、送受信手段5008を介して電子レシートサーバ2に電子レシートの発行指示を出力する。そして、制御部50は会計処理を終了する。
【0092】
ステップS6の処理において、会員IDが入力されない場合(ステップS6のN)、すなわち顧客が店舗会員でない場合、制御部50は、顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けたか否か判断する(ステップS16)。
【0093】
顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けると(ステップS16のY)、決済処理手段5004は、ステップS9と同様にして釣銭額の算出を行う(ステップS17)。決済処理手段5004は、算出された釣銭額の払い出し指示を釣銭機56に対して出力する(ステップS18)、そして、制御部50はステップS15の処理に移行する。
【0094】
ステップS16の処理において、顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けない場合(ステップS16のN)、決済処理手段5004はキャッシュレス決済処理を実行する(ステップS19)。キャッシュレス決済処理は、クレジットカード決済、電子マネー決済、二次コード決済等の決済方法による支払いを完了させるための処理である。決済処理手段5004は、各種決済を行う決済サーバ(図示せず)との通信などを行い、顧客が希望する決済方法による支払いを完了させる。そして、制御部50はステップS15の処理に移行する。
【0095】
ステップS8の処理において、顧客が現金決済を行う旨の情報を受付手段5003が受け付けない場合(ステップS8のN)、決済処理手段5004はステップS16と同様にしてキャッシュレス決済処理を実行する(ステップS20)。そして、制御部50はステップS22の処理に移行する。
【0096】
ステップS10の処理において、受付手段5003が釣銭預け入力を受け付けない場合(ステップS10のN)、決済処理手段5004は、釣銭機56に対して算出された釣銭額の払い出し指示を出力する(ステップS21)。送受信手段5008は、取引情報をサーバ装置6に送信する(ステップS22)。取引情報は、ポイント設定手段5005が設定した通常ポイントを含む。そして、制御部50はステップS14の処理に移行する。
【0097】
上記会計処理によって、POS端末5は、取引に係る決済を完了させることができるとともに、顧客に付与するポイントを設定することができる。
【0098】
次に、サーバ装置6が実行するポイント管理処理について説明する。図10は、サーバ装置6の制御部60によるポイント管理処理の流れを示すフローチャートである。ポイント管理処理は、POS端末5から受信した取引情報に基づいて顧客のポイントを管理する処理である。
【0099】
制御部60は、送受信手段6001がPOS端末5から取引情報を受信したか否か判断し(ステップS31)、受信しなければ(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。送受信手段6001がPOS端末5から取引情報を受信すると(ステップS31のY)、変換手段6002は、送受信手段6001が受信した取引情報に変換釣銭額が含まれるか否か判断する(ステップS32)。
【0100】
送受信手段6001が受信した取引情報に変換釣銭額が含まれる場合(ステップS32のY)、変換手段6002は釣銭額を変換ポイントに変換する(ステップS33)。集計手段6004は、変換手段6002が変換した変換ポイント、および送受信手段6001が受信した取引情報に含まれる通常ポイントと預かり付与ポイントとを合算する(ステップS34)。
【0101】
さらに、集計手段6004は、累計預かり付与ポイントを集計する(ステップS35)。具体的には、集計手段6004は、取引情報管理テーブル613に登録されている顧客の預かり付与ポイントおよび送受信手段6001が受信した預かり付与ポイントを合算する。
【0102】
送受信手段6001は、集計手段6004が集計した累計預かり付与ポイントをPOS端末5に送信する(ステップS36)。これにより、POS端末5は、発行するレシートに預かり付与ポイントの累計を示すことができる。このため、店舗は、釣銭額をポイントに変換することによるメリットを顧客にアピールすることができる。
【0103】
続いて、情報管理手段6003は、送受信手段6001が受信した取引情報に基づいて、取引情報管理テーブル613およびポイント管理テーブル614を更新する(ステップS37)。詳細には、情報管理手段6003は、送受信手段6001が受信した取引情報および変換手段6002によって変換された変換ポイントを取引情報管理テーブル613に登録する。また、情報管理手段6003は、ステップS34の処理によって合算されたポイントを顧客の保有ポイントに加算してポイント管理テーブル614を更新する。そして、制御部60はポイント管理処理を終了する。
【0104】
なお、ステップS32の処理において、送受信手段6001が受信した取引情報に変換釣銭額が含まれない場合(ステップS32のN)、制御部60は、ステップS33~ステップS36の処理をスキップしてステップS37に移行する。この場合、ステップS37では、送受信手段6001が受信した通常ポイントに関するデータのみ更新される。
【0105】
次に、POS端末5の会計処理によって発行されるレシートについて説明する。図11は、POS端末5が発行する紙レシートを示す図である。紙レシートには、ヘッダー部71、購入情報部72、ポイント情報部73、および会員情報部74が形成される。
【0106】
ヘッダー部71には、店舗名、取引日時、会計処理を実行したPOS端末5の番号などが印刷される。購入情報部72には、顧客が購入した商品の商品名および価格、小計額、税額、合計金額、顧客から預かった預かり金額、ポイントに変換する釣銭額(今回預金)などが印刷される。
【0107】
ポイント情報部73には、取引後の時点での保有ポイント、これまでに付与された累計預かり付与ポイントなどが印刷される。会員情報部74には、店舗会員の会員IDが印刷される。なお、顧客端末3に表示される電子レシートは、紙レシートに印刷される情報と同様の情報を表示する。
【0108】
図12は、顧客端末3によって表示されるレシート一覧画面を示す図である。レシート一覧画面は、顧客端末3からのレシート一覧要求に応じて電子レシートサーバ2が当該顧客端末3に送信した情報を表示する。レシート一覧画面には、レシート情報部31およびポイント情報部32が形成される。
【0109】
レシート情報部31には、所定期間のレシート情報が一覧表示される。レシート情報は、取引日時、店舗名、および取引金額を含む。レシート情報部31は、上下方向にスクロールすることによって、所定期間内のレシート情報を全て表示することができる。ポイント情報部32は、紙レシートのポイント情報部73と同様の情報、すなわち取引後の時点での保有ポイント、これまでに付与された累計預かり付与ポイントなどが表示される。
【0110】
POS端末5が発行する紙レシート、および電子レシートサーバ2が発行する電子レシートやレシート一覧情報に累計預かりポイントを示すことによって、顧客は、釣銭額をポイントに変換することによるメリットを認識することができる。
【0111】
以上説明したとおり、実施形態のサーバ装置6は、金銭的価値を有するものであって一取引において商品を購入した顧客に付与されたポイントを取得するポイント取得手段(送受信手段6001)と、前記一取引で発生した釣銭額を取得する釣銭額取得手段(送受信手段6001)と、前記釣銭額取得手段が取得した釣銭額を前記ポイントに変換する変換手段6002と、前記ポイント取得手段が取得したポイントと変換手段6002が変換したポイントとを合算して顧客ごとに管理するポイント管理手段(情報管理手段6003)とを備える。
【0112】
これにより、サーバ装置6は、顧客が現金で受け取らなかった釣銭額をポイントとして管理することができる。このため、サーバ装置6は、上記釣銭額を店舗が顧客に付与する他のポイントと一括で管理することができ、取引で発生した釣銭やポイントに係る店舗の運用を容易にすることができる。
【0113】
また、実施形態のPOS端末5およびサーバ装置6からなる情報処理装置は、一取引において顧客に付与されるポイントを設定するポイント設定手段5005をさらに備える。
【0114】
これにより、情報処理装置は、通常ポイント、預かり付与ポイント、変換ポイントなどの各種ポイントの設定を容易とすることができる。
【0115】
さらに、実施形態のPOS端末5およびサーバ装置6からなる情報処理装置は、ポイント設定手段5005が、顧客が釣銭額を現金で受け取らずにポイントに変換する場合に付与される預かり付与ポイントを設定する。
【0116】
これにより、情報処理装置は、顧客による釣銭額の変換ポイントへの変換を促進することができる。このため、情報処理装置は、店舗による顧客の囲い込みを可能とすることができる。
【0117】
加えて、実施形態のPOS端末5およびサーバ装置6からなる情報処理装置は、ポイント設定手段5005が、ポイントに変換する釣銭額に応じて預かり付与ポイントを設定する。
【0118】
これにより、情報処理装置は、顧客が変換ポイントに変換する釣銭額を多くすることができる。このため、情報処理装置は、店舗による顧客の囲い込みをより促進することができる。
【0119】
また、実施形態のPOS端末5およびサーバ装置6からなる情報処理装置は、顧客ごとに預かり付与ポイントの累計ポイントを集計する集計手段6004と、集計手段6004が集計した累計ポイントを出力する出力手段(送受信手段6001)と、をさらに備える。
【0120】
これにより、情報処理装置は、顧客に対して、釣銭額を変換ポイントに変換したことによって得られたメリットをアピールすることができる。このため、情報処理装置は、顧客による釣銭額の変換ポイントへの変換をより促進することができる。
【0121】
なお、上記実施形態において、POS端末5およびサーバ装置6等の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記実施形態の各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0122】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0123】
5 POS端末(情報処理装置)
6 サーバ装置(情報処理装置)
5005 ポイント設定手段
6001 送受信手段(ポイント取得手段、釣銭額取得手段、出力手段)
6002 変換手段
6003 情報管理手段(ポイント管理手段)
6004 集計手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開2003-248867号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12