(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072492
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/60 20130101AFI20240521BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240521BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240521BHJP
G06F 21/33 20130101ALI20240521BHJP
G06F 3/12 20060101ALN20240521BHJP
【FI】
G06F21/60 360
B41J29/38 401
H04N1/00 127B
H04N1/00 838
G06F21/33
G06F3/12 392
G06F3/12 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183336
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】八谷 昌幸
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN27
5C062AA05
5C062AB38
5C062AC38
5C062AE16
5C062AF02
(57)【要約】
【課題】より簡易的な構成で、暗号化通信を円滑に行う。
【解決手段】プログラムは、端末装置1の制御部10に、生成処理と、判定処理と、アクセス処理と、省略処理とを実行させるよう構成されている。生成処理は、外部デバイス2のウェブページ5のURL(Uniform Resource Locator)を生成する。判定処理は、URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する。アクセス処理は、WebviewにURLを入力することでウェブページ5にアクセスする。省略処理は、URLにIPアドレスが含まれる場合に、暗号化通信において外部デバイス2の自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを備える端末装置における前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記制御部に、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する生成処理と、
前記生成処理にて生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する判定処理と、
前記端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、前記生成処理にて生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするアクセス処理と、
前記判定処理にて前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する省略処理と、
を実行させるよう構成されているプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載されたプログラムにおいて、
前記生成処理は、ユーザからの操作に応じて、前記ウェブページを提供する前記外部デバイスの前記IPアドレスを前記端末装置の前記記憶部から読み出し、読み出した前記IPアドレスを含む前記URLを生成する
プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたプログラムにおいて、
前記生成処理は、アクセス中の前記ウェブページから前記URLを取得することで、次にアクセスする前記ウェブページの前記URLを生成し、
前記判定処理は、前記生成処理により生成された次にアクセスする前記ウェブページの前記URLに、前記IPアドレスが含まれるか否かを判定する
プログラム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載されたプログラムにおいて、
前記Webviewは、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられることを示すエラーを検出する機能を有し、
前記省略処理は、前記Webviewにより検出された前記エラーを無視することで、前記警告が出力されるのを省略する
プログラム。
【請求項5】
端末装置であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成するよう構成された生成部と、
前記生成部が生成した前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定するよう構成された判定部と、
当該端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、前記生成部が生成した前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするよう構成されたアクセス部と、
前記判定部が前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定した場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略するよう構成された省略部と、
を備える端末装置。
【請求項6】
端末装置の制御方法であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成することと、
生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定することと、
前記端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスすることと、
前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略することと、
を備える制御方法。
【請求項7】
制御部と記憶部とを備える端末装置における前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記制御部に、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する生成処理と、
前記生成処理にて生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する判定処理と、
前記プログラム上で制御可能なWebpage表示機能に、前記生成処理にて生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするアクセス処理と、
前記判定処理にて前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する省略処理と、
を実行させるよう構成されているプログラム。
【請求項8】
端末装置の制御方法であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成することと、
生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定することと、
前記端末装置のプログラム上で制御可能なWebpage表示機能に、生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスすることと、
前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略することと、
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェブページにアクセスするためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバとしての機能を有するプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)等のデバイスと、クライアントとしての機能を有するPC等との間で、公開鍵を用いた暗号化通信を行う技術が知られている。一般的に、このような公開鍵には、信頼性を証明するため、認証局から提供される証明書が付されており、公開鍵に適切な証明書が付されていない場合には、PCでは、デバイスへのアクセス時に警告表示等がなされる場合がある。
【0003】
これに対し、特許文献1には、デバイスにルート証明書を生成する機能を設ける技術が開示されている。特許文献1のデバイスは、当該デバイスが生成したルート証明書(換言すれば、自己証明書)が付された公開鍵を用いて、暗号化通信を行う。そして、クライアントは、デバイスの公開鍵に付されているルート証明書を、クライアントにインストールされているルート証明書により検証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によれば、ルート証明書である自己証明書によりデバイスの公開鍵の信頼性が示されるため、認証局から証明書を取得しなくても、デバイスへのアクセス時にクライアントにて警告表示等がなされるのを回避できる。しかしながら、クライアントにてデバイスからルート証明書を取得したり、デバイスのルート証明書を検証したりする必要があるため、クライアントの構成が複雑化する恐れがある。
【0006】
本開示は、より簡易的な構成で、暗号化通信を円滑に行うこと目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、制御部と記憶部とを備える端末装置における制御部が実行可能なプログラムであって、制御部に、生成処理と、判定処理と、アクセス処理と、省略処理と、を実行させるよう構成されている。生成処理は、外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する。判定処理は、生成処理にて生成されたURLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する。アクセス処理は、端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、生成処理にて生成されたURLを入力することで、ウェブページにアクセスする。省略処理は、判定処理にてURLにIPアドレスが含まれると判定された場合に、ウェブページにアクセスするための暗号化通信において外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する。
【0008】
本開示の一態様は、制御部と記憶部とを備える端末装置における制御部が実行可能なプログラムであって、制御部に、生成処理と、判定処理と、アクセス処理と、省略処理と、を実行させるよう構成されている。生成処理は、外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する。判定処理は、生成処理にて生成されたURLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する。アクセス処理は、プログラム上で制御可能なWebpage表示機能に、生成処理にて生成されたURLを入力することで、ウェブページにアクセスする。省略処理は、判定処理にてURLにIPアドレスが含まれると判定された場合に、ウェブページにアクセスするための暗号化通信において外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する。
【0009】
上記構成によれば、外部デバイスのウェブページにアクセスする際、ウェブページのURLにIPアドレスが含まれていれば、外部デバイスの自己証明書を用いた暗号化通信が行われていたとしても、警告が省略される。このため、より簡易的な構成で、暗号化通信を円滑に行うことができる。
【0010】
また、本開示の別の態様は、上記プログラムにより動作するコンピュータに相当する端末装置や、上記プログラムにより実現される制御方法である。このような態様によれば、より簡易的な構成で、暗号化通信を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】端末装置及び外部デバイスのブロック図である。
【
図2】画像形成アプリの操作画面及び設定画面の説明図である。
【
図3】外部デバイスにより提供されるウェブページの説明図である。
【
図4】証明書に関するエラーの検出時に表示される警告画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0013】
[1.概要]
本実施形態の端末装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はノートパソコン等のモバイル端末や、据え置き型のPC(Personal Computer)として構成されている(
図1参照)。一方、本実施形態の外部デバイス2は、プリンタ機能及びスキャン機能のうちの少なくとも一方を有しており、端末装置1は、ネットワークを介して外部デバイス2と互いに通信可能である。また、端末装置1には、ユーザから受け付けた操作に従い外部デバイス2を制御するよう構成された画像形成アプリ11bがインストールされている。なお、アプリとは、アプリケーションの略語であることを付言しておく。
【0014】
一例として、端末装置1は、無線LANによる無線通信によりネットワークにアクセスし、外部デバイス2と通信を行う。無論、これに限らず、端末装置1は、有線通信によりネットワークにアクセスし、外部デバイス2と通信を行っても良い。有線通信としては、有線LANによる通信及びUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介した通信等が挙げられる。
【0015】
また、端末装置1は、所謂EWS(Embedded Web Server)としての機能を有する外部デバイス2と通信可能となっている。無論、端末装置1は、このような外部デバイス2に加え、EWSとして構成されていない外部デバイスとも通信可能であっても良い。
【0016】
[2.端末装置の構成]
端末装置1は、制御部10と、記憶部11と、表示部12と、操作部13と、通信部14とを備える(
図1参照)。
【0017】
制御部10は、CPUを有する。
記憶部11は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。なお、NVRAMにおける「NV」は「Non Volatile」の略称である。また、記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)を備えていてもよい。
【0018】
記憶部11は、A non-transitory computer-readable storage mediumの一例としての構成を有している。また、端末装置1には、一例として、オペレーションシステム11aと、オペレーションシステム11a上で動作する画像形成アプリ11bとがインストールされている。オペレーションシステム11aとは、例えば、Android(登録商標)やiOS(登録商標)であっても良い。記憶部11には、オペレーションシステム11a及び画像形成アプリ11bを含む複数のプログラムが記憶されている。
【0019】
なお、画像形成アプリ11bは、例えば、端末装置1に予めインストールされていても良い。また、画像形成アプリ11bは、例えば、インターネットやネットワークを介してダウンロードすることで、端末装置1にインストールされても良いし、USBメモリ等の記録媒体から端末装置1にインストールされても良い。
【0020】
制御部10は、記憶部11に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能を実現する。なお、制御部10により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0021】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
操作部13は、ユーザからの各種操作を受け付ける部位である。一例として、操作部13は、表示部12を覆うように配置されたタッチパネルを有していても良い。
【0022】
通信部14は、ネットワークやインターネットにアクセスするため、無線通信又は有線通信を行う部位である。具体的には、通信部14は、無線LANインタフェース及びUSBインタフェースを有している。また、通信部14は、有線LANインタフェースを有していてもよい。
【0023】
[3.外部デバイスの構成]
外部デバイス2は、制御部20と、記憶部21と、印刷部22と、読取部23と、表示部24と、操作部25と、通信部26とを備える(
図1参照)。
【0024】
制御部20は、CPUを有する。
記憶部21は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。なお、記憶部21は、HDDまたはSSDを備えていても良い。
【0025】
また、記憶部21には、プリンタ機能及びスキャン機能を実現するためのプログラムが記憶されている。また、外部デバイス2がEWSとしての機能を有する場合、記憶部21には、外部デバイス2をサーバとして動作させるためのプログラムが記憶されている。制御部20は、記憶部21に記憶されているプログラムを実行することで、各種機能を実現する。また、記憶部21には、後述する自己証明書21aが記憶されている。
【0026】
印刷部22は、例えば、サーマル方式、インクジェット方式や電子写真方式等の印刷方式により、印刷媒体(例えば、紙、ラベル)に画像を印刷するよう構成された部位である。印刷部22は、制御部20により制御される。印刷部22は、プリントエンジンとも言い得る。
【0027】
読取部23は、イメージセンサを備え、記録媒体(例えば、紙)に記録されている画像を読み取り、読み取った画像のデータを生成するよう構成された部位である。読取部23は、制御部20により制御される。
【0028】
なお、外部デバイス2は、印刷部22及び読取部23のうちの一方を備えていても良い。
表示部24は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
【0029】
操作部25は、ユーザからの各種操作を受け付ける部位である。
通信部26は、ネットワークやインターネットにアクセスするため、無線通信又は有線通信を行う部位である。具体的には、通信部26は、無線LANインタフェース及びUSBインタフェースを有している。また、通信部26は、有線LANインタフェースを有していてもよい。
【0030】
[4.画像形成アプリ]
(1)概要について
端末装置1にインストールされている画像形成アプリ11bは、制御部10により、オペレーションシステム11a上で動作する(
図1参照)。以後の説明では、制御部10により動作する画像形成アプリ11bによる制御や処理の主体を、単に画像形成アプリ11bと記載する。
【0031】
画像形成アプリ11bは、通信部14を介して外部デバイス2と通信を行うことで、操作部13を介してユーザから受け付けた操作に応じて外部デバイス2を制御する。画像形成アプリ11bは、端末装置1が通信可能な外部デバイス2を、所定のユーザ操作により登録可能となっている。画像形成アプリ11bは、上記ユーザ操作を受け付けると外部デバイス2のIPアドレスを、登録済の外部デバイス2のIPアドレスとして記憶部11に記憶(保存)する。画像形成アプリ11bは、複数の外部デバイス2のIPアドレスを登録可能である。また、画像形成アプリ11bは、端末装置1の表示部12に操作画面3を表示すると共に(
図2参照)、一例として、タッチパネルとして構成された操作部13により、操作画面3を介してユーザの操作を受け付ける。操作画面3は、選択エリア30と操作エリア34とを有する。
【0032】
選択エリア30は、登録済の外部デバイス2のうちのいずれかを、操作対象として選択するためのエリアである。選択エリア30には、操作対象として選択されている外部デバイス2のアイコン31と、機種名称32と、IPアドレス33とが表示される。また、画像形成アプリ11bは、例えば、選択エリア30に対して行われた操作に応じて、操作対象となる外部デバイス2を変更し、新たに操作対象となった外部デバイス2を選択エリア30に表示する。具体的には、画像形成アプリ11bは、選択エリア30にてユーザによるタップ操作を受け付けると、画像形成アプリ11bに登録済の外部デバイス2のリストを表示する。画像形成アプリ11bは、このリスト上で、何れかの外部デバイス2を選択する操作をユーザから受け付けると、この選択された外部デバイス2を新たな操作対象の外部デバイス2として、記憶部11に記憶し、選択エリア30にこの新たな操作対象の外部デバイス2のアイコンと、機種名称32と、IPアドレス33とを表示する。
【0033】
また、画像形成アプリ11bは、選択エリア30への操作に応じて、端末装置1が通信可能な未登録の外部デバイス2を、選択エリア30に表示しても良い。そして、画像形成アプリ11bは、選択エリア30への操作に応じて、選択エリア30に表示されている未登録の外部デバイス2を登録しても良い。
【0034】
一方、操作エリア34には、操作対象である外部デバイス2を動作させるためのボタンが表示される。一例として、操作エリア34には、印刷ボタン35やスキャンボタン36が表示されても良い。
【0035】
印刷ボタン35とは、記憶部11に保存されているファイルに基づく印刷を、操作対象である外部デバイス2に実行させるためのボタンである。画像形成アプリ11bは、印刷ボタン35への操作を受け付けると、印刷を行うファイルの選択を受け付ける。そして、画像形成アプリ11bは、操作対象である外部デバイス2に対し、選択されたファイルと、該ファイルの印刷を指示するコマンドとを送信する。
【0036】
また、スキャンボタン36とは、操作対象である外部デバイス2にセットされた記録媒体の画像のスキャンを実行させるためのボタンである。画像形成アプリ11bは、スキャンボタン36への操作を受け付けると、操作対象である外部デバイス2に対し、セットされている記録媒体のスキャンを指示するコマンドを送信する。その後、画像形成アプリ11bは、スキャンにより生成された画像データを外部デバイス2から取得し、記憶部11に保存する。
【0037】
(2)ウェブページへのアクセス
画像形成アプリ11bは、EWSとして構成された外部デバイス2が操作対象である場合には、該外部デバイス2により提供されるウェブページ5にアクセス可能となっている(
図3参照)。
【0038】
画像形成アプリ11bは、選択エリア30に表示されている外部デバイス2のアイコン31への操作を受け付けると、該外部デバイス2の設定画面4を表示部12に表示する(
図2参照)。さらに、画像形成アプリ11bは、一例として、設定画面4に表示されている項目40を操作すると、EWSとして構成された外部デバイス2へのアクセスを開始し、ウェブページ5を表示部12に表示する。
【0039】
具体的には、画像形成アプリ11bは、一例として、端末装置1のオペレーションシステム11aにより提供される機能であるWebviewを利用して、EWSとしての外部デバイス2にアクセスし、EWSから提供されたウェブページを表示部12に表示するよう構成されている。Webviewは、例えば、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)によりEWSと通信を行うよう構成されている。また、Webviewは、セキュリティの低いサーバにアクセスする際には、エラーを検出し、警告を表示するよう構成されている。具体的には、例えば、サーバとの間の暗号化通信(一例として、SSL/TLS通信)にて、サーバで自己証明書が用いられている場合には、証明書に関するエラーが検出される。そして、一例として、警告画面6を表示することで(
図4参照)、証明書に関するエラーの発生が報知される。
【0040】
外部デバイス2のウェブページ5へのアクセス中、画像形成アプリ11bは、操作部13を介して表示中のウェブページ画面に受け付けた操作に応じて各種コマンドを外部デバイス2に送信する。一方、外部デバイス2は、画像形成アプリ11bから受信したコマンドに従い、例えば、ウェブページ5を切り替えたり、外部デバイス2の各種ステータスの表示や変更を行ったりしても良い。
【0041】
また、ウェブページ5には、外部デバイス2により提供される他のウェブページへのハイパーリンク50が設定されている。この他にも、ウェブページ5には、外部デバイス2ではない外部サーバにより提供されるウェブページへのハイパーリンク51が設定されていても良い。画像形成アプリ11bは、このようなハイパーリンク51への操作を受け付けると、外部サーバにアクセスし、外部サーバにより提供されるウェブページを表示部12に表示する。
【0042】
外部デバイス2は、当該外部デバイス2が提供するウェブページにアクセスする画像形成アプリ11bとの間で、HTTPSにより通信を行う。この時、外部デバイス2と画像形成アプリ11bとの間の暗号化通信では、外部デバイス2では自己証明書21aが用いられる。
【0043】
[5.外部デバイスへのアクセス]
次に、画像形成アプリ11bが外部デバイス2により提供されるウェブページにアクセスする際の処理である外部デバイス処理について、
図5のフローチャートにより説明する。外部デバイス処理は、画像形成アプリ11bの動作中に実行される。
【0044】
画像形成アプリ11bは、端末装置1の操作部13を介してユーザから受け付けた操作に従い、表示部12に、選択対象である外部デバイス2に対応する上述した設定画面4を表示する(S100)。
【0045】
S105では、画像形成アプリ11bは、操作部13を介して受け付けた操作に従い、EWSとして構成された外部デバイス2により提供されるウェブページへのアクセスを開始する。具体的には、画像形成アプリ11bは、オペレーションシステム11aからWebviewを呼び出す。これにより、WebviewのWebpage表示機能を当該画像形成アプリ11b上で動作させることが可能となる。また、画像形成アプリ11bは、記憶部11から選択対象である外部デバイス2のIPアドレスを読み出し、該IPアドレスを含むURL(Uniform Resource Locator)を生成し、S110に移行する。ここで、IPアドレスを含むURLとは、例えば、https://YYY.YY.YY.YYといったものであっても良い。なお、YYY.YY.YY.YYは、IPアドレスを示す数値を意味する。
【0046】
S110では、画像形成アプリ11bは、S105又はS125で生成したURLにIPアドレスが含まれているか否かを判定する。そして、画像形成アプリ11bは、肯定判定が得られた場合には(S110:Yes)、S115に移行し、否定判定が得られた場合には(S110:No)、S130に移行する。
【0047】
S115では、画像形成アプリ11bは、証明書に関するエラーが検出されたことの警告を省略するための省略処理を行う。省略処理では、該警告を省略するためのコマンドが、画像形成アプリ11bからオペレーションシステム11aに出力される。より詳しくは、一例として、画像形成アプリ11bは、Webviewのインスタンスを生成し、証明書に関するエラーを検出する関数を実行する。この関数が実行されると、画像形成アプリ11bからオペレーションシステム11aへ、証明書に関するエラーを検出するためのコマンドが出力される。そして、画像形成アプリ11bは、該関数により証明書に関するエラーが検出された際には、該エラーを無視することで、該エラーの発生を報知する警告画面6の表示を行わないようにする関数を実行する。この関数が実行されると、画像形成アプリ11bからオペレーションシステム11aへ、証明書に関するエラーが発生した場合であっても、それに対応する警告を表示せずにウェブページ表示処理を進めるためのコマンドが出力される。なお、この他にも、画像形成アプリ11bは、例えば、証明書に関するエラーを検出する処理そのものを停止するためのコマンドをオペレーションシステム11aへ出力することで、省略処理を実現しても良い。
【0048】
S120では、画像形成アプリ11bは、外部デバイス2(又は、外部サーバ)により提供されるウェブページを表示部12に表示する。具体的には、画像形成アプリ11bは、Webviewを制御するためのAPI(Application Programming Interface)を実行し、S105又はS125で生成したURLをWebviewに入力することで、ウェブページを表示する。
【0049】
なお、S110~S120の処理の順序は、上述したものに限らず、適宜定められ得る。具体的には、例えば、画像形成アプリ11bは、ウェブページを表示するためWebviewにURLを入力した後に、URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、省略処理を実行しても良い。
【0050】
続くS125では、画像形成アプリ11bは、操作部13を介して、表示中のウェブページに対し、別のウェブページにアクセスするための操作(換言すれば、ハイパーリンクへの操作)がなされたか否かを判定する。なお、別のウェブページとは、外部デバイス2により提供されるものであっても良いし、外部デバイス2とは別の外部サーバにより提供されるものであっても良い。
【0051】
そして、画像形成アプリ11bは、肯定判定が得られた場合には(S125:Yes)、ハイパーリンクからURLを取得することで、新たにアクセスする別のウェブページのURLを生成し、S110に移行する。一方、否定判定が得られた場合には(S125:No)、画像形成アプリ11bは、S125に移行する。
【0052】
一方、S110で否定判定が得られた場合には、証明書に関するエラーの警告を省略するための省略処理は行われない。画像形成アプリ11bは、S120と同様にして、外部デバイス2(又は、外部サーバ)により提供されるウェブページを表示部12に表示する。しかし、この場合には、サーバにて自己証明書を用いた暗号化通信が行われと、証明書に関するエラーが検出され、表示部12には、証明書に関するエラーが発生したことを示す警告画面6が表示される(S130)。
【0053】
[6.効果]
(1)上記実施形態によれば、画像形成アプリ11bでは、外部デバイス2のウェブページ5にアクセスする際、ウェブページ5のURLにIPアドレスが含まれていれば、証明書に関するエラーが検出されても、警告が省略される。このため、より簡易的な構成で、暗号化通信を円滑に行うことができる。
【0054】
(2)また、画像形成アプリ11bは、外部デバイス2のウェブページ5にアクセスする際、端末装置1の記憶部11から読み出した該外部デバイス2のIPアドレスに基づき、該ウェブページ5のURLを生成する。このため、外部デバイス2のウェブページ5に良好にアクセスできる。
【0055】
(3)また、画像形成アプリ11bは、アクセス中のウェブページから取得したURLが示すウェブページにアクセスする場合においても、該URLにIPアドレスが含まれているか否かを判定する。そして、該URLにIPアドレスが含まれている場合には、証明書に関するエラーの警告を省略する省略処理を実行し、含まれていない場合には省略処理を実行しない。このため、外部デバイス2のウェブページ5のハイパーリンクにより外部サーバにより提供されるウェブページにアクセスする場合には、証明書に関するエラーの警告を実行できる。
【0056】
(4)また、画像形成アプリ11bは、省略処理にて、検出された証明書に関するエラーを無視することで証明書に関するエラーの警告を省略する。このため、簡易的な処理により、証明書に関するエラーの警告を省略できる。
【0057】
[7.他の実施形態]
(1)本明細書に記載されている複数の実施形態は、組み合わせられても良い。
(2)上記実施形態では、画像形成アプリ11bは、オペレーションシステム11aにより提供されるWebviewを利用して、ウェブページを表示させている。しかしながら、画像形成アプリ11bは、Webviewと同様の機能であるWebpage表示機能を備えても良い。そして、画像形成アプリ11bは、Webviewに替えて、当該画像形成アプリ11bに設けられたWebpage表示機能によりサーバにアクセスし、ウェブページを表示するようにしても良い。この形態の場合、上記省略処理は、オペレーションシステム11aへ各種コマンドを出力することで実現する代わりに、画像形成アプリ11b内の処理によって実現してもよい。
【0058】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0059】
(4)上述した端末装置1の他、画像形成アプリ11bが記憶されている、例えば半導体メモリやハードディスクドライブ等のA non-transitory computer-readable storage mediumや、画像形成アプリ11bにより実現される外部デバイス処理に対応する制御方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。また、上記実施形態では、画像形成アプリ11bは、端末装置1にインストールされるネイティブアプリを記載したが、画像形成アプリ11bは、それに限らず、クラウドアプリ、ウェブアプリ、ハイブリッドアプリ等であってもよい。
【0060】
[8.文言の対応関係]
画像形成アプリ11bがプログラムの一例に相当する。また、外部デバイス処理におけるS105、S125が生成処理及び生成部の一例に、S110が判定処理及び判定部の一例に、S120がアクセス処理及びアクセス部の一例に、S115が省略処理及び省略部の一例に相当する。
【0061】
[9.本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
制御部と記憶部とを備える端末装置における前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記制御部に、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する生成処理と、
前記生成処理にて生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する判定処理と、
前記端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、前記生成処理にて生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするアクセス処理と、
前記判定処理にて前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する省略処理と、
を実行させるよう構成されているプログラム。
【0062】
[項目2]
項目1に記載されたプログラムにおいて、
前記生成処理は、ユーザからの操作に応じて、前記ウェブページを提供する前記外部デバイスの前記IPアドレスを前記端末装置の前記記憶部から読み出し、読み出した前記IPアドレスを含む前記URLを生成する
プログラム。
【0063】
[項目3]
項目1又は項目2に記載されたプログラムにおいて、
前記生成処理は、アクセス中の前記ウェブページから前記URLを取得することで、次にアクセスする前記ウェブページの前記URLを生成し、
前記判定処理は、前記生成処理により生成された次にアクセスする前記ウェブページの前記URLに、前記IPアドレスが含まれるか否かを判定する
プログラム。
【0064】
[項目4]
項目1から項目3のうちのいずれか1項に記載されたプログラムにおいて、
前記Webviewは、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられることを示すエラーを検出する機能を有し、
前記省略処理は、前記Webviewにより検出された前記エラーを無視することで、前記警告が出力されるのを省略する
プログラム。
【0065】
[項目5]
端末装置であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成するよう構成された生成部と、
前記生成部が生成した前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定するよう構成された判定部と、
当該端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、前記生成部が生成した前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするよう構成されたアクセス部と、
前記判定部が前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定した場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略するよう構成された省略部と、
を備える端末装置。
【0066】
[項目6]
端末装置の制御方法であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成することと、
生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定することと、
前記端末装置のオペレーションシステムが提供するWebviewに、生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスすることと、
前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略することと、
を備える制御方法。
【0067】
[項目7]
制御部と記憶部とを備える端末装置における前記制御部が実行可能なプログラムであって、
前記制御部に、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する生成処理と、
前記生成処理にて生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定する判定処理と、
前記プログラム上で制御可能なWebpage表示機能に、前記生成処理にて生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスするアクセス処理と、
前記判定処理にて前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略する省略処理と、
を実行させるよう構成されているプログラム。
【0068】
[項目8]
端末装置の制御方法であって、
外部デバイスより提供されるウェブページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を生成することと、
生成された前記URLにIPアドレスが含まれるか否かを判定することと、
前記端末装置のプログラム上で制御可能なWebpage表示機能に、生成された前記URLを入力することで、前記ウェブページにアクセスすることと、
前記URLに前記IPアドレスが含まれると判定された場合に、前記ウェブページにアクセスするための暗号化通信において前記外部デバイスの自己証明書が用いられた場合に発せられる警告が出力されるのを省略することと、
を備える制御方法。
【符号の説明】
【0069】
1…端末装置、10…制御部、11…記憶部、11a…オペレーションシステム、11b…画像形成アプリ、12…表示部、13…操作部、2…画像形成装置、20…制御部、21…記憶部、21a…自己証明書、3…操作画面、30…選択エリア、…ウェブページ、50、51…ハイパーリンク。