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  • 特開-ポンプ装置 図1
  • 特開-ポンプ装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072504
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/06 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
F04B49/06 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183352
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】洞戸 翔太
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA03
3H145AA22
3H145AA26
3H145AA42
3H145BA32
3H145CA03
3H145CA06
3H145CA25
3H145CA26
3H145DA04
3H145EA13
3H145EA14
(57)【要約】
【課題】エネルギーロスを抑制することができるポンプ装置を提供する。
【解決手段】ポンプ装置は、塗布液を吐出可能なポンプ部と、電力によって駆動するモータと、外部の圧縮空気供給源から供給される圧縮空気の圧力を調整して吐出する圧力調整部と、を有し、ポンプ部に駆動力を供給する駆動装置と、モータを駆動させる第1方式と、圧力調整部を駆動させる第2方式と、に駆動方式を切り替えることでポンプ部からの塗布液の吐出を制御する制御部と、を備え、制御部は、ポンプ部から塗布液が吐出される場合に駆動方式を第1方式に設定し、ポンプ部から塗布液が吐出されない場合に駆動方式を第2方式に設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を吐出可能なポンプ部と、
電力によって駆動するモータと、外部の圧縮空気供給源から供給される圧縮空気の圧力を調整して吐出する圧力調整部と、を有し、前記ポンプ部に駆動力を供給する駆動装置と、
前記モータを駆動させる第1方式と、前記圧力調整部を駆動させる第2方式と、に駆動方式を切り替えることで前記ポンプ部からの塗布液の吐出を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ポンプ部から塗布液が吐出される場合に前記駆動方式を前記第1方式に設定し、前記ポンプ部から塗布液が吐出されない場合に前記駆動方式を前記第2方式に設定する、
ポンプ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記駆動方式が前記第1方式に設定された状態で所定期間前記ポンプ部から塗布液が吐出されない場合に前記駆動方式を前記第1方式から前記第2方式に切り替える、
請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記圧力調整部から吐出される前記圧縮空気の圧力を計測する圧力計測部を更に備え、
前記制御部は、前記駆動方式が前記第2方式に設定された状態で前記圧力計測部によって計測された前記圧縮空気の圧力が変化した場合に前記駆動方式を前記第2方式から前記第1方式に切り替える、
請求項2に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばポンプ装置として用いられるプランジャポンプは、圧縮空気を駆動源とする空気動式と電動機を駆動源とする電動式のものが知られている。近年、二酸化炭素の排出量削減を目的として、空気動式から稼働時のエネルギー効率が優位である電動式への置き換えが注目されている。ところで、例えばワークの搬入又は搬送や養生等の段取り作業等による作業状況によっては、プランジャポンプを一定に加圧した状態で長時間待機される場合がある。空気動式は、電動式に比べて稼働時のエネルギー効率が劣るが、一方、待機時のエネルギー効率が優位である。そのため、プランジャポンプの駆動状況によっては、空気動式及び電動式ともに、エネルギー効率を低下させてしまう場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-29184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギーロスを抑制することができるポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のポンプ装置は、塗布液を吐出可能なポンプ部と、電力によって駆動するモータと、外部の圧縮空気供給源から供給される圧縮空気の圧力を調整して吐出する圧力調整部と、を有し、前記ポンプ部に駆動力を供給する駆動装置と、前記モータを駆動させる第1方式と、前記圧力調整部を駆動させる第2方式と、に駆動方式を切り替えることで前記ポンプ部からの塗布液の吐出を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ポンプ部から塗布液が吐出される場合に前記駆動方式を前記第1方式に設定し、前記ポンプ部から塗布液が吐出されない場合に前記駆動方式を前記第2方式に設定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態によるプランジャポンプを適用したポンプ装置の電気的構成の一例を模式的に示す図
図2】一実施形態による塗布工程における制御部の制御内容の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態において、構成要素等に付された「第1」、「第2」との語句は、類似した構成要素を単に区別するためのものであり、構成要素間の優劣や時間的要素を意味するものではない。
【0008】
本実施形態のポンプ装置としてのプランジャポンプ10は、プランジャポンプで構成されている。ポンプ装置の適用対象としては、プランジャポンプに限られず、ダイヤフラムポンプやベローズポンプ等であっても良い。プランジャポンプ10は、例えば塗料等の比較的高粘度の塗布液を加圧して霧化させるエアレス塗装等に用いることができる。プランジャポンプ10は、図示しない台車に固定されることによって、工場等の作業現場内を移動可能に構成されている。プランジャポンプ10は、台車に固定される構成に限らず、鋼製のフレームや壁等に固定される構成であっても良い。
【0009】
プランジャポンプ10は、図1に示すように、駆動装置20、ポンプ部30、及び制御部40を備えている。駆動装置20及び制御部40は、例えば防爆仕様の筐体11内に収容されている。駆動装置20は、プランジャポンプ10の駆動源としての機能つまりポンプ部30に駆動力を供給する機能を有する。駆動装置20は、エア駆動部21、電動駆動部22、ケース23、ピストン24、及びロッド25を有している。エア駆動部21は、例えばコンプレッサ等の圧縮空気供給源51に接続されており、圧縮空気供給源51で圧縮された空気によって駆動力を発生させる。
【0010】
エア駆動部21は、圧力調整部211、圧力計測部212、及び制御弁213を有している。圧力調整部211は、圧縮空気供給源51と制御弁213との間に設けられている。圧力調整部211は、例えば電空レギュレータで構成されており、圧縮空気供給源51から供給される圧縮空気の圧力を調整して吐出する機能を有する。圧力計測部212は、例えば圧力センサで構成されており、圧力調整部211に内蔵されている。圧力計測部212は、圧力調整部211から吐出される圧縮空気の圧力を計測する機能を有する。
【0011】
制御弁213は、圧力調整部211とケース23との間に設けられている。制御弁213は、例えば5方電磁弁で構成されており、ケース23に対する圧縮空気の供給及び排出を制御するためのものである。制御弁213の下流側は、ケース23の上部の図示しない上部ポート及びケース23の下部の図示しない下部ポートに接続されている。
【0012】
電動駆動部22は、モータ221及び電流検知部222を含んで構成されている。モータ221は、例えば商用電源やバッテリ電力等の外部の電力供給源から供給される電力によって駆動する。モータ221は、例えばステッピングモータやブラシレスモータ等で構成されており、図示しないギア等を介してロッド25に接続されている。電流検知部222は、モータ221に流れる電流を検知する。電流検知部222は、例えば電流センサで構成されている。
【0013】
ケース23は、例えば鋼製で円筒形状に形成されている。ピストン24及びロッド25の一部は、ケース23内に収容されている。ピストン24は、例えば円盤状で構成されている。ピストン24は、ケース23の上部ポート及び下部ポートを介して、ピストン24の上下の空間に対して圧縮空気の供給及び排出が交互に行われることによって、ケース23内を上下方向に往復移動可能である。ロッド25は、ピストン24に接続されており、ピストン24と一体的に上下方向に往復移動可能である。ロッド25は、例えば電動駆動部22に接続されており、電動駆動部22から供給される駆動力を受けてケース23内を上下方向に往復移動可能である。ロッド25の下端部は、ケース23から下方へ突出している。
【0014】
ポンプ部30は、例えばタンク52に貯留された塗布液を吸引し、その吸引した塗布液を所定の吐出圧で吐出する機能を有する。所定の吐出圧とは、例えば5~15МPa程度の高圧を意味する。ポンプ部30は、ポンプケース31及びプランジャ32を有して構成することができる。ポンプケース31は、例えば鋼製で円筒形状に形成されており、ポンプ部30の外殻を構成している。
【0015】
ポンプケース31は、吸引口311及び吐出口312を有している。吸引口311は、タンク52に貯留された塗布液をポンプケース31内に吸引する機能を有する。吸引口311は、ポンプケース31の下部に設けられており、例えば可撓性を有するサクションホース53を介してタンク52に接続されている。吸引口311には、図示しない吸引弁が設けられている。吸引弁は、ポンプケース31の外部からポンプケース31の内部へ向かう塗布液は通すが、ポンプケース31の内部からポンプケース31の外部へ向かう塗布液は遮断する逆止機能を有している。
【0016】
吐出口312は、ポンプケース31内に供給された塗布液をポンプケース31外へ吐出する機能を有する。吐出口312は、ポンプケース31の側面に設けられており、例えば耐圧性を有する塗料ホース54を介してスプレーガン91に接続されている。作業者は、スプレーガン91を操作してポンプケース31内に供給された塗布液を被塗物に対して塗布する。また、吐出口312の下流側には図示しない逆止弁が設けられており、吐出口312から吐出された塗布液が吐出口312からポンプケース31内部の空間に逆流することが防止されている。
【0017】
プランジャ32は、下側部分がポンプケース31内に収容され、上側部分がポンプケース31内から突出しており、直線方向つまり上下方向に往復移動可能に構成されている。プランジャ32の上端部分は、例えばナット等で構成された図示しない接合部材を介してロッド25の下端部に着脱可能に接続されている。この場合、プランジャ32の上端部分及びロッド25の下端部には、例えば雄ねじ加工が施されている。このようにして、プランジャ32は、エア駆動部21及び電動駆動部22によって駆動つまりロッド25の往復移動に連動して上下方向に往復移動する。そして、ポンプ部30は、プランジャ32の上下方向への往復移動に伴い、塗布液の吸引及び吐出が繰り返し連続して行われる。
【0018】
制御部40は、例えば図示しないCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、プランジャポンプ10全体の制御を司る。制御部40は、圧力調整部211、圧力計測部212、制御弁213、モータ221、及び電流検知部222と電気的に接続されている。制御部40は、記憶領域に記憶されているプログラムを実行することによりプランジャポンプ10に関する様々な制御や処理を実行する。
【0019】
制御部40は、圧力計測部212によって計測された圧力及び電流検知部222によって検知された電流に基づいて、圧力調整部211、制御弁213、及びモータ221の駆動を制御することで、ポンプ部30からの塗布液の吐出を制御する。本実施形態では、制御部40は、複数の駆動方式を切り替え可能に構成されている。つまり、制御部40は、モータ221を駆動させる第1方式と、圧力調整部211を駆動させる第2方式と、に駆動方式を切り替えることができる。
【0020】
制御部40は、ポンプ部30から塗布液が吐出される場合に、駆動方式を第1方式に設定できる。一方、制御部40は、ポンプ部30から塗布液が吐出されない場合に、駆動方式を第2方式に設定できる。制御部40は、ポンプ部30つまりプランジャポンプ10の稼働状況によって駆動方式を切り替えることができる。また、制御部40は、駆動方式が第1方式に設定された状態で、所定期間ポンプ部30から塗布液が吐出されない場合に、駆動方式を第1方式から第2方式に切り替えることができる。更に、制御部40は、駆動方式が第2方式に設定された状態で、圧力計測部212によって計測された圧縮空気の圧力が変化した場合に、駆動方式を第2方式から第1方式に切り替えることができる。
【0021】
次に、図2を参照して、塗布工程において制御部40で実行される制御内容の一例を説明する。図2のグラフ(a)は、塗布工程におけるスプレーガン91に対する操作つまりスプレーのON-OFFの推移を示すものである。図2のグラフ(b)は、モータ221における電流の出力値つまり電流検知部222の計測値の推移を示すものである。図2のグラフ(c)は、圧力調整部211における圧力の出力値つまり圧力計測部212の計測値の推移を示すものである。また、塗布工程は、第1期間T1及び第2期間T2が交互に推移する。第1期間T1は、制御部40によって駆動方式が第1方式に設定されている期間である。第2期間T2は、制御部40によって駆動方式が第2方式に設定されている期間である。
【0022】
図2の例の場合、制御部40は、プランジャポンプ10に電源が投入されると、待機電流I0をモータ221に出力する。待機電流I0は、ピストン24の位置を維持させる程度の液圧に相当する。このように、待機電流I0を供給することによって、ポンプ部30内の液圧によってモータ221が逆回転してしまうことを防止できる。次に、制御部40は、図2の矢印A1部分に示すように、スプレーがONされると、待機電流I0を切り替えて駆動電流I1をモータ221に出力する。
【0023】
その後、制御部40は、図2の矢印A2部分に示すように、スプレーがOFFされると、駆動電流I1の供給を停止して、待機電流I0をモータ221に出力する。そして、制御部40は、スプレーのON-OFFの切り替えに応じて待機電流I0と駆動電流I1とを切り替えて出力する。なお、スプレーのON-OFFの判断は、例えば電流検知部222の計測値の変化に基づいて行うことができる。
【0024】
制御部40は、図2の矢印A3部分に示すように、スプレーがOFFされてから所定期間t例えば5分間スプレーがONされない場合、モータ221への電流の供給を停止するとともに、エア駆動部21を制御して、待機電流I0の大きさに相当する待機圧力Pをケース23内に供給する。このようにして、スプレーがOFFされてから所定期間tが経過してポンプ部30が待機状態となっている場合に、制御部40は、駆動方式を第1方式から第2方式に切り替える。これにより、電動駆動部22の駆動を停止して電力消費を抑えつつ、エア駆動部21から供給される空気圧によってポンプ部30の待機状態を維持することができる。
【0025】
その後、制御部40は、図2の矢印A4に示すように、スプレーがONされて、ポンプ部30を再稼働する場合、エア駆動部21を制御してケース23内から待機時に使用していた圧縮空気を排出するとともに、モータ221に駆動電流I1を出力する。このとき、ケース23内にエア駆動部21から圧縮空気が供給された状態で、スプレーがONされると、図2の矢印B1に示すように、圧力計測部212によって計測される圧縮空気の圧力が下がる。つまり、制御部40は、圧力計測部212の計測結果に基づいて、ポンプ部30が待機状態から再稼働したことを判断することができる。制御部40は、ポンプ部30が待機状態から再稼働した場合に、駆動方式を第2方式から第1方式に切り替える。このようにして、制御部40は、ポンプ部30つまりプランジャポンプ10の駆動状況に応じて駆動方式を第1方式と第2方式とに切り替えることで、塗布工程を実行できる。
【0026】
ここで、例えばプランジャポンプ10がエア駆動部21と電動駆動部22のうち、エア駆動部21のみを備える構成とした場合、スプレーがONされると、ケース23とポンプ部30との圧力のバランスが崩れ、それを補填するためにエア駆動部21によって圧縮空気が補填されることが考えられる。しかしながら、エア駆動部21による圧縮空気の供給は時間を要するため、ポンプ部30内の液圧が低下する場合がある。
【0027】
一方、電動駆動部22のみを備える構成とした場合、スプレーがONされると、モータ221の負荷電流が低減するため、その電流を補填するようにモータ221に電流を供給し、ポンプ部30内の液圧低下を抑えることが考えられる。しかしながら、モータ221に供給する電流は、モータ221の焼損等のリスク回避の観点から制限する必要があり、結果的にスプレーON時のモータ221に補填する電流が制限されるため、ポンプ部30内の液圧低下を招く場合がある。
【0028】
そこで、本実施形態のプランジャポンプ10は、エア駆動部21と電動駆動部22とを備える構成とすることで、ポンプ部30の再稼働の瞬間にエア駆動部21による圧縮空気を利用してモータ221に対して制限されている電流を当該圧縮空気で補填することができる。これにより、プランジャポンプ10がエア駆動部21と電動駆動部22のうちいずれ一方のみを備える構成に比べて、スプレーON時のポンプ部30内の液圧低下を抑制することができる。
【0029】
以上説明した実施形態によれば、プランジャポンプ10は、ポンプ部30と、駆動装置20と、制御部40と、を備える。ポンプ部30は、塗布液を吐出可能である。駆動装置20は、ポンプ部30に駆動力を供給する。駆動装置20は、モータ221及び圧力調整部211を有する。モータ221は、電力によって駆動する。圧力調整部211は、外部の圧縮空気供給源51から供給される圧縮空気の圧力を調整して吐出する。制御部40は、モータ221を駆動させる第1方式と、圧力調整部211を駆動させる第2方式と、に駆動方式を切り替えることで、ポンプ部30からの塗布液の吐出を制御する。そして、制御部40は、ポンプ部30から塗布液が吐出される場合に駆動方式を第1方式に設定し、ポンプ部30から塗布液が吐出されない場合に駆動方式を前記第2方式に設定する。
【0030】
ここで、例えばモータ221のみによってポンプ部30からの塗布液の吐出を制御する場合、ポンプ部30から塗布液が吐出されないつまりプランジャポンプ10の待機時にもポンプ部30に一定の駆動力を供給するための待機電流を流しておく必要がある。そのため、プランジャポンプ10の待機時に電力が消費される。そこで、ポンプ部30から塗布液が吐出されない待機時には、駆動方式を第1方式から第2方式に切り替えて、モータ221を停止させるとともに圧力調整部211を駆動して待機電流に相当する空気圧をポンプ部30に対して供給することで、電力の消費を抑えることができる。これにより、エネルギーロスを抑制できる。結果として、二酸化炭素の排出量の削減を図り、環境負荷の低減を実現することができる。
【0031】
また、制御部40は、駆動方式が第1方式に設定された状態で所定期間tポンプ部30から塗布液が吐出されない場合に、駆動方式を第1方式から第2方式に切り替える。これによれば、例えば断続してポンプ部30が稼働される場合には、駆動方式を第1方式に維持してエネルギー効率が優位であるモータ221を動作させることで、エネルギーロスをより一層抑制できる。
【0032】
更に、プランジャポンプ10は、圧力計測部212を更に備える。圧力計測部212は、圧力調整部211から吐出される圧縮空気の圧力を計測する。そして、制御部40は、駆動方式が第2方式に設定された状態で、圧力計測部212によって計測された圧縮空気の圧力が変化した場合に、駆動方式を第2方式から第1方式に切り替える。
【0033】
これによれば、圧力計測部212が計測する圧縮空気の圧力が変化した場合に、ポンプ部30が待機状態から再稼働したと判断して、駆動方式を第2方式から第1方式に切り替えることができる。これにより、円滑にプランジャポンプ10を稼働させることができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0035】
10…プランジャポンプ(ポンプ装置)、20…駆動装置、211…圧力調整部、212…圧力計測部、221…モータ、30…ポンプ部、40…制御部
図1
図2