(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072527
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240521BHJP
H01J 37/08 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01J37/08
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183385
(22)【出願日】2022-11-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】522448735
【氏名又は名称】東亜電子機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161300
【弁理士】
【氏名又は名称】川角 栄二
(72)【発明者】
【氏名】松野 賢治
(72)【発明者】
【氏名】小川 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】津川 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 宗雄
【テーマコード(参考)】
2G084
5C101
【Fターム(参考)】
2G084AA03
2G084BB21
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084FF13
5C101BB01
5C101DD03
5C101DD20
(57)【要約】
【課題】 ガスを長時間にわたって安定した流量で導入できるようなプラズマ生成装置用のガス流量調整手段としてのガス流量調整パイプを提供する。
【解決手段】 ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、ガス供給源から真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ10であって、その内部の流れが、ガス供給源に近い端部10dにおいて粘性流であり、真空槽に近い端部10eにおいて分子流である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプであって、
その内部の流れが、前記ガス供給源に近い端部において粘性流であり、前記真空槽に近い端部において分子流である
ことを特徴とするプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項2】
内径が0.3mm以下であり、長さが3mm以上である
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項3】
材質が金属であり、外径が1.5mm以上である
ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項4】
前記ガス供給源が大気である
ことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項5】
ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブであって、
中空のチューブと、
前記チューブの内部に収容された、請求項1~4いずれかに記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプとを備え、
前記チューブの内周面と前記プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプの外周面とが密着している
ことを特徴とするプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブ。
【請求項6】
請求項1~4いずれかに記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプを備える
ことを特徴とするプラズマ生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
電子顕微鏡における試料室の汚染の除去や、フォトレジストを剥離するプロセス(アッシング)等に、プラズマが利用される。例えば電子顕微鏡に関しては、プラズマクリーナーと呼ばれるプラズマ生成装置を使用して洗浄される(特許文献1参照)。特許文献1に示すようなプラズマ生成装置は、酸素が導入された低圧雰囲気の真空槽に高周波電圧を印加することで、プラズマが生成されるよう構成されている。
【0003】
従来のプラズマ生成装置の真空槽にプラズマの原料となるガス(プロセスガス)を導入する構成として、
図6に示すような、ガス供給源90と真空槽30の間に、ガス流量が可変のニードルバルブ99を介在させて接続する構成が知られている。手動式のニードルバルブ99を用いて真空槽30にプロセスガスを導入する場合は、最初にニードルバルブ99の開度を調整しておけば、その時点での圧力を任意の値に制御することが可能である。しかし、ニードルバルブ99は時間経過とともにプロセスガスの流量が連続的に低下することが知られている(特許文献2参照)。真空槽30内に導入されるガス流量が徐々に低下しつつ、真空ポンプ40による真空槽30からの排気速度が一定であれば、真空槽30内の圧力は連続的に低くなる。真空槽30内の圧力を一定にするために、真空ポンプ40の排気速度を時間の経過とともに減らすよう制御するという手法も考えられるが、この方法ではプロセスガスの流量を確保することができない。
【0004】
この現象を、実例を挙げて説明する。
図7は、従来のプラズマ生成装置において、流量可変のニードルバルブでガス流量を制御し、所定の圧力に調整した後の経過時間と圧力及び反射出力の相関を示したものである。時間の経過とともに真空槽内の圧力指示値は連続的に変動し、この測定例では圧力を初期値に調整した後、約1時間経過でその指示値は20%程度低下し、約2時間経過後には初期値と比較して約30%低下している。
【0005】
真空槽内の圧力変動の原因は、ニードルバルブのシール機構によるものと考えられる。ニードルバルブはそのシール部分が金属と金属が接触する構造であり、いわゆるメタルタッチ構造が採用されていることに由来する。すなわち、ガスを流さないときは金属同士がある程度の押し付け圧のもとで接触することになり、ガスを流す場合は金属同士が接触しない位置でごく僅かな隙間を形成することになる。この隙間の広狭でガス流量を調整することになり、すなわちコンダクタンスを調整することになる。ニードルバルブを全閉状態から少し開いたときのように、接触部に生じていた押し付け圧がなくなった場合は、接触していた金属の弾性変形が緩和されたことになり、金属は接触前の元の形に時間をかけて復元することになる。すなわち、接触する金属面の隙間は次第に狭まることでガス流量も少なくなり、それが真空槽内の圧力の低下を招いていた。
【0006】
そして、真空槽内でプラズマを生成するプロセスにおいて、圧力の変動は、プラズマにエネルギーを供給している高周波コイル、コイルに高周波を印加している高周波電源及び生成したプラズマからなるRF回路のインピーダンスの変化を引き起こし、そのためプラズマは消失してしまう。プラズマが消失することによってRF回路のインピーダンスはさらに変化し、高周波コイルからプラズマに供給されていた出力が十分に消費されなくなり、高周波の入力に対する反射も上昇してしまう。
図7によれば、プラズマ着火後、真空槽内の圧力は下がり続け、約4時間後にプラズマが消失し、そこで反射波が急増したことがわかる。このように、ガス流量を調整する手段としてニードルバルブを使用すると、ガスの流量を長時間にわたって安定して導入できず真空槽内の圧力が低下し、生成されたプラズマのインピーダンスに変動が生じ、効率よくプラズマを生成することができないという問題があった。
【0007】
一方で、プラズマ生成装置の真空槽に導入するガス流量を任意の値に制御する装置として、ガス流量コントローラ(マスフローコントローラ)が知られている。ガス流量コントローラは、配管の途中に取り付けたガス流量センサーの信号で、ソレノイドもしくはピエゾアクチュエータを介して流量制御バルブを調整し、プラズマ生成装置の真空槽に常に一定のガス量を導入することを可能としている。しかし、プロセスガスの導入にガス流量コントローラを用いる場合、装置として複雑となり、流量制御に用いるガス流量センサー、ソレノイドもしくはピエゾアクチュエータには常に電源を供給しなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-54136号公報
【特許文献2】特開平11-82787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記問題点を鑑みて、本発明は、ガスを長時間にわたって安定した流量で導入できるようなプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプは、ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプであって、その内部の流れが、前記ガス供給源に近い端部において粘性流であり、前記真空槽に近い端部において分子流であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ガスを長時間にわたって安定した流量で導入できるようなプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【0012】
本発明に係る他のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプは、内径が0.3mm以下であり、長さが3mm以上であることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、真空槽の圧力を維持しつつ安定した流量でガスを導入することが可能なプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【0014】
本発明に係る他のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプは、材質が金属であり、外径が1.5mm以上であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、流路の形状が経時的に変形することがなく、導入するガスの流量が一定に維持されるプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【0016】
本発明に係る他のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプは、前記ガス供給源が大気であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、ガス供給源が大気であり真空槽との圧力差が大きい場合でも、大気から安定した流量でガスを導入することが可能なプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【0018】
本発明に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブは、ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブであって、中空のチューブと、前記チューブの内部に収容された、プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプとを備え、前記チューブの内周面と前記プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプの外周面とが密着していることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、ガスを長時間にわたって安定した流量で導入できるとともに、チューブの内部のガス流量調整パイプの数量を変えることで、容易にガスの流量を調整することが可能なプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【0020】
本発明に係るプラズマ生成装置は、プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、ガスを長時間にわたって安定した流量で導入でき、そのため真空槽内に生成されたプラズマのインピーダンスに変動が生じず、効率よくプラズマを生成することが可能なプラズマ生成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ガスを長時間にわたって安定した流量で導入できるようなプラズマ生成装置用のガス流量調整手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置を示す斜視模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプを示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置において、ガス流量調整パイプの長さと真空槽の圧力の関係を表すグラフである。
【
図4】本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置において、プラズマが着火してからの時間による真空槽の圧力及び反射出力の変化を表すグラフである。
【
図5】本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブを一部を破断して示す斜視模式図である。
【
図6】従来のプラズマ生成装置を示す模式図である。
【
図7】従来のプラズマ生成装置において、ニードルバルブの開度を調整して所定の圧力に調整した後、プラズマが着火してからの時間による真空槽の圧力及び反射出力の変化を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を適用したプラズマ生成装置及びガス流量調整手段の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
〔実施形態〕
本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置及びガス流量調整手段について、
図1~5に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置を示す模式図であり、
図2は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプを示す模式図である。
図3は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置において、ガス流量調整パイプの長さと真空槽の圧力の関係を表すグラフであり、
図4は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置において、プラズマが着火してからの時間による真空槽の圧力及び反射出力の変化を表すグラフである。
図5は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブを示す模式図である。
【0026】
本実施形態に係るプラズマ生成装置1は、ガスがプラズマ化される真空槽30、真空槽30をほぼ真空まで減圧する真空ポンプ40、真空槽30の周囲に配置された高周波コイル50、高周波コイルに高周波電圧を印加する高周波電源60を備えており、真空槽30内でプラズマが生成されるよう構成されている。また真空槽30には圧力を計測する真空計70が接続されている。
【0027】
真空槽30内でプラズマ化するガスは、ガス供給源90から供給される。ガス供給源90と真空槽30とを結ぶ経路には、その経路を流れるガスの流量を調整するガス流量調整手段100が設けられている。ガス流量調整手段100の上流には全開/全閉を切り替えるストップバルブ80が設けられている。本実施形態に係るプラズマ生成装置1がガス流量調整手段100を備えることにより、安定して効率よくプラズマを生成できる。
【0028】
〔実施例その1〕
次にガス流量調整手段100として、ガス流量調整パイプ10を使用した実施例について、
図2に基づき説明する。本実施例においてガス流量調整手段100はガス流量調整パイプ10のみにより構成される。
図2に示すように、ガス流量調整パイプ10は全体的に円柱状の形状を呈し、その中心に長手方向に貫く細い流路10aが設けられてなる。この流路10aをガスが流れる際に抵抗が働くため、流量が調整される。
【0029】
ガス流量調整パイプ10のうち、端部10dはガス供給源90側にあり、端部10eは真空槽30側にある。すなわち、端部10d側は大気圧に近い高圧であり、端部10e側は真空に近い低圧である。そのため流路10a内のガスの流れの性質は場所によって異なり、端部10d付近においては粘性流であり、端部10e付近においては分子流となる。したがって、流路10a内に形成される粘性流領域及び分子流域の分布によって、ガス流量調整パイプ10のコンダクタンスが決定される。
【0030】
図3は、プラズマ生成装置1において、ガス流量調整パイプ10の長さと真空槽30の圧力の関係を表したグラフである。このグラフは、横軸がガス流量調整パイプ10の長さであり、縦軸が真空ポンプ40を作動させて定常状態となったときの真空槽30内の圧力である。なお、使用したガス流量調整パイプ10の内径d1(
図2参照)は0.08mm,0.09mm,0.1mm,0.21mmの4種であり、それぞれについて様々な全長Lのガス流量調整パイプ10を使用して、
図3をプロットした。
【0031】
このグラフによると、ガス流量調整パイプ10の長さが十分に短ければ、全長が少し長くなるだけで圧力が大きく下がるが、全長が約15mmを超えると、圧力の低下の割合が小さくなる。すなわち、ある程度の全長を超えると、流路10aにおいて、抵抗の小さい分子流領域が増えるためと考えられる。なお、プラズマ生成装置1において、どのような寸法のガス流量調整パイプ10を採用すればよいかは、必要とする真空槽30の圧力をもとにこのグラフを読み取れば、必要な全長Lが求められる。なお、
図3のグラフによれば、ガス流量調整パイプ10の長さが3mm以上あれば、真空槽の圧力を十分に低く保つことができる。また、ガス流量調整パイプ10の内径d1を0.08mmとした場合、長さが3mm以上あれば、真空槽の圧力が0.1Pa以下となるため、プラズマクリーナーなどの用途に好適に用いることができる。
【0032】
次に
図2に基づきガス流量調整パイプ10の詳細について説明する。ガス流量調整パイプ10は金属からなり、好適にはニッケルから構成される。外径d2は1.5mm以上であるのが好適であり、d1は0.3mm以下とするのが好適である。この寸法により、ガス流量調整パイプ10の肉厚が十分に確保されるため、圧力によって流路10aの寸法が変化することがなく、経時的に安定した流量を維持することができる。
【0033】
次に、このガス流量調整パイプ10を用いてガスを導入して真空槽30内でプラズマを生成した場合の、経時的な圧力及び反射出力の変化について、
図4に基づき説明する。
図4に示すように、ガス流量調整パイプ10を用いた場合、真空槽30内の圧力の変動は小さく、ほぼ一定で維持されている。そして供給されるガスの流量は安定し、プラズマのインピーダンスも変動しない。そのため高周波回路とのマッチングの状況も変化しない。
図4に示される反射出力は、低いレベルで安定しており、このことからも、インピーダンスのマッチングが良好であり、効率よくプラズマを生成できることがわかる。
【0034】
〔実施例その2〕
次にガス流量調整手段100として、ガス流量調整チューブ20を使用した実施例について、
図5に基づき説明する。本実施例においてガス流量調整手段100は、ガス流量調整パイプ10を有するガス流量調整チューブ20により構成される。
図5に示すように、ガス流量調整チューブ20は、中空のチューブ11と、先述のガス流量調整パイプ10を有し、ガス流量調整パイプ10はチューブ11の内部に収容され、チューブ11の内周面11aとガス流量調整パイプ10の外周面10cが密着している。また
図5に示すように、チューブ11の内部には、直列に配置された複数のガス流量調整パイプ10が収容されている。このガス流量調整チューブ20をガス流量調整手段100として用いると、ガス流量調整パイプ10の数量を変えることによりガスの流量を調整することができる。
【0035】
チューブ11は軟質の樹脂で構成することが好適であり、具体的にはシリコン製のチューブが好適である。チューブ11の端部から必要な数量のガス流量調整パイプ10を挿入していくことでガス流量調整チューブ20が構成される。ガス流量調整チューブ20内の圧力は低いため、外圧によりチューブ11の内周面11aとガス流量調整パイプ10の外周面10cとの密着は強まる。
【0036】
〔その他の変形例〕
図1に示したプラズマ生成装置1には、ガス供給源90とガス流量調整手段100との間にストップバルブ80が設けられているが、ストップバルブ80を省略することも可能である。また、
図1に示したプラズマ生成装置1はプラズマ化するガスをガス供給源90から導入するよう構成されているが、ガス供給源90を大気として構成することも可能である。
【0037】
本発明に係るプラズマ生成装置は、フォトレジストをアッシングするアッシャーや電子顕微鏡等のプラズマクリーナーとして使用することができる。このとき、設定される真空槽内の圧力は1Torr程度から0.1Pa程度となり得るが、いずれの場合も本発明に係るガス流量調整手段を採用して、安定した効率のよいプラズマを生成することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 プラズマ生成装置
9 プラズマ生成装置
10 ガス流量調整パイプ
10a 流路
10b 内周面
10c 外周面
10d 端部
10e 端部
11 チューブ
11a 内周面
20 ガス流量調整チューブ
30 真空槽
40 真空ポンプ
50 高周波コイル
60 高周波電源
70 真空計
80 ストップバルブ
90 ガス供給源
99 ニードルバルブ
100 ガス流量調整手段
【手続補正書】
【提出日】2023-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されてプラズマ化されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプであって、
その内部の流れが、前記ガス供給源に近い端部において粘性流であり、前記真空槽に近い端部において分子流であり、
前記ガス供給源が大気であり、前記ガス供給源に近い前記端部が大気につながっており、
当該プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプだけで前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量が調整される
ことを特徴とするプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項2】
内径が0.3mm以下であり、長さが3mm以上である
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項3】
材質が金属であり、外径が1.5mm以上である
ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプ。
【請求項4】
ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブであって、
軟質の樹脂からなる中空のチューブと、
前記チューブの内部に収容された、請求項1~3いずれかに記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプとを備え、
前記チューブの内周面と前記プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプの外周面とが密着している
ことを特徴とするプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブ。
【請求項5】
請求項1~3いずれかに記載のプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプを備える
ことを特徴とするプラズマ生成装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプは、ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されてプラズマ化されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整パイプであって、その内部の流れが、前記ガス供給源に近い端部において粘性流であり、前記真空槽に近い端部において分子流であり、前記ガス供給源が大気であり、前記ガス供給源に近い前記端部が大気につながっており、当該プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプだけで前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量が調整されることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明に係るプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブは、ガス供給源とプラズマが生成される真空槽とを結ぶ経路に設けられ、前記ガス供給源から前記真空槽に導入されるガスの流量を調整するプラズマ生成装置用のガス流量調整チューブであって、軟質の樹脂からなる中空のチューブと、前記チューブの内部に収容された、プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプとを備え、前記チューブの内周面と前記プラズマ生成装置用のガス流量調整パイプの外周面とが密着していることを特徴とする。