(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007253
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 651
A63F5/04 603E
A63F5/04 691B
A63F5/04 611B
A63F5/04 605B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108627
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】相地 潤
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CA10
2C182CB06
2C182CD22
2C182CD34
2C182EB11
2C518EA05
2C518EA09
2C518EA20
2C518EB01
2C518EB16
2C518EC17
(57)【要約】
【課題】精算処理を忘れずに行うように促すタイミングを有効利用して、意外性のある遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、遊技制御部と、遊技機と接続された遊技価値記録手段から遊技価値に関する情報を受信することが可能な価値管理部と、操作者の操作に基づいて、遊技価値に関する情報を価値管理部から遊技価値記録手段へ転送することを指示することが可能な転送指示部と、出力部と、を備え、出力部は、遊技価値に関する情報を遊技価値記録手段へ転送する操作が必要な場合に転送指示部への操作を忘れないようにすることを操作者に促すための警告である精算忘れ防止警告を行うことが可能であり、精算忘れ防止警告を提供する場合などに、操作者に特典を付与することが可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機での遊技の進行を制御することが可能な遊技制御部と、
前記遊技機と接続された、または、前記遊技機内に設置された遊技価値記録手段、から前記遊技を行うために必要な遊技価値に関する情報を受信することが可能であり、かつ、前記遊技が進行することで変動する前記遊技価値を管理することが可能な価値管理部と、
操作者の操作に基づいて、前記遊技価値に関する情報を前記価値管理部から前記遊技価値記録手段へ転送することを指示することが可能な転送指示部と、
前記遊技に関する情報を前記操作者に提供することが可能な出力部と、
を備え、
前記出力部は、
前記遊技価値に関する情報の少なくとも一部を前記遊技価値記録手段へ転送する操作が必要な場合に前記転送指示部への操作を忘れないようにすることを前記操作者に促すための警告、および/または、前記遊技価値を現実の価値媒体に変換するための情報を取得する取得処理を忘れないようにすることを前記操作者に促すための警告、である精算忘れ防止警告を提供することが可能であり、かつ、
前記精算忘れ防止警告を提供する場合、および/または、前記精算忘れ防止警告を提供した場合に、前記操作者に特典を付与することが可能である、
遊技機。
【請求項2】
前記出力部は、前記精算忘れ防止警告とは異なる態様の演出であって精算忘れ防止を促すための警告演出として、精算忘れ防止を促すための音声警告を実行することが可能である、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、
前記遊技演出として出力される遊技音声の音量を調整することが可能であり、かつ、
前記遊技音声の音量を調整しても、前記音声警告の音量を調整しない、
請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、かつ、
前記音声警告の音量を、前記遊技演出として出力される遊技音声の音量以上で出力する、
請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、
前記遊技演出として出力される遊技音声の音量を調整することが可能であり、かつ、
前記遊技音声の音量を調整する際に、前記音声警告の音量もあわせて調整する、
請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技制御部は、前記遊技の進行制御の有利度が異なる複数種類の設定値のうちいずれか1つの設定値に基づいて前記遊技の進行を行うこと、および/または、前記遊技の進行状況に関する複数種類のモードのうちいずれか1つのモードに基づいて前記遊技の進行を行うこと、が可能であり、
前記出力部は、前記特典として、選択されている前記設定値および/または前記モードを、前記操作者に報知すること、および/または、示唆することが可能である、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技制御部は、現実の日にち、および/または、時間に関するスケジュールを管理することが可能であり、
前記出力部は、前記特典として、前記精算忘れ防止警告とは異なる態様の演出であって精算忘れ防止を促すための演出警告として、前記スケジュールに応じた演出を実行することが可能である、
請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作者が遊技機の前面に設置された投入口に遊技価値(メダル)を投入することで、遊技機内に設けられたメダルセンサによりメダルが投入されたことが検出される遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技機には、その内部に、メダルの受け入れ、および、払い出しを行うホッパーユニットが設けられており、また、遊技機の下部に、メダルを払い出すための払い出し口と、払い出し口から払い出されたメダルを貯留するための下皿と、が設けられている。
【0004】
現行の遊技機では、現実物品であるメダルが排出されるため、遊技の終了後に遊技機から排出されたメダルを、店舗のスタッフが集計するといった流れとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、店舗の管理業務の効率化などの観点から、今後、現実物品であるメダルが用いられない遊技機(以下では、「メダルレス機」という)が開発されることも考えられうる。
【0007】
このようなメダルレス機では、操作者(遊技を実行しているユーザである遊技者、店舗スタッフ、遊技を終えたユーザを含む)が紙幣をメダル貸出機(メダルユニット)に投入したのちに、メダルユニットから遊技機にメダルデータ(例えば、メダルの数量に関するデータ)が転送され、遊技の進行に伴って遊技機側でメダルデータ(メダルの増減)が管理されることになると想定される。
【0008】
また、このようなメダルレス機では、操作者が遊技を終了させるときには、操作者が計数ボタンを押下することで精算処理が実行されると想定される。この精算処理により、遊技機内で管理されていたメダルデータはメダルユニットに転送される。その後、操作者は、メダルデータが記録されたカードをメダルユニット側から取り出す。
【0009】
このようにメダルレス機では、現実物品であるメダルが排出されないため、操作者は、メダルの精算を忘れないように精算処理を指示するための操作を行う必要がある。したがって、このようなメダルレス機では、操作者に精算忘れ防止を促す警告を報知することが想定される。この精算忘れ防止を促す警告は、例えば、「メダル精算忘れおよびカードの取り忘れや盗難にはご注意ください」などの文字で表示される。
【0010】
一方で、精算忘れ防止を促す警告がなされるだけでは、意外性が少なく、また、操作者にとって十分な恩恵ともいえない。
【0011】
本発明の目的は、精算処理を忘れずに行うように促すタイミングを有効利用して、意外性のある遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
遊技機での遊技の進行を制御することが可能な遊技制御部と、
前記遊技機と接続された、または、前記遊技機内に設置された遊技価値記録手段、から前記遊技を行うために必要な遊技価値に関する情報を受信することが可能であり、かつ、前記遊技が進行することで変動する前記遊技価値を管理することが可能な価値管理部と、
操作者の操作に基づいて、前記遊技価値に関する情報を前記価値管理部から前記遊技価値記録手段へ転送することを指示することが可能な転送指示部と、
前記遊技に関する情報を前記操作者に提供することが可能な出力部と、
を備え、
前記出力部は、
前記遊技価値に関する情報の少なくとも一部を前記遊技価値記録手段へ転送する操作が必要な場合に前記転送指示部への操作を忘れないようにすることを前記操作者に促すための警告、および/または、前記遊技価値を現実の価値媒体に変換するための情報を取得する取得処理を忘れないようにすることを前記操作者に促すための警告、である精算忘れ防止警告を提供することが可能であり、かつ、
前記精算忘れ防止警告を提供する場合、および/または、前記精算忘れ防止警告を提供した場合に、前記操作者に特典を付与することが可能である、
遊技機
である。
【0013】
また、本発明では、
前記出力部は、前記精算忘れ防止警告とは異なる態様の演出であって精算忘れ防止を促すための警告演出として、精算忘れ防止を促すための音声警告を実行することが可能である、
ことができる。
【0014】
また、本発明では、
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、
前記遊技演出として出力される遊技音声の音量を調整することが可能であり、かつ、
前記遊技音声の音量を調整しても、前記音声警告の音量を調整しない、
ことができる。
【0015】
また、本発明では、
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、かつ、
前記音声警告の音量を、前記遊技演出として出力される遊技音声の音量以上で出力する、
ことができる。
【0016】
また、本発明では、
前記出力部は、
前記遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出を出力することが可能であり、
前記遊技演出として出力される遊技音声の音量を調整することが可能であり、かつ、
前記遊技音声の音量を調整する際に、前記音声警告の音量もあわせて調整する、
ことができる。
【0017】
また、本発明では、
前記遊技制御部は、前記遊技の進行制御の有利度が異なる複数種類の設定値のうちいずれか1つの設定値に基づいて前記遊技の進行を行うこと、および/または、前記遊技の進行状況に関する複数種類のモードのうちいずれか1つのモードに基づいて前記遊技の進行を行うこと、が可能であり、
前記出力部は、前記特典として、選択されている前記設定値および/または前記モードを、前記操作者に報知すること、および/または、示唆することが可能である、
ことができる。
【0018】
また、本発明では、
前記遊技制御部は、現実の日にち、および/または、時間に関するスケジュールを管理することが可能であり、
前記出力部は、前記特典として、前記精算忘れ防止警告とは異なる態様の演出であって精算忘れ防止を促すための演出警告として、前記スケジュールに応じた演出を実行することが可能である、
ことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、精算処理を忘れずに行うように促すタイミングを有効利用して、意外性のある遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
【
図5】第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図6】第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図7】レンジ(MY)および有利区間差枚数を説明する図である。
【
図8】のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が表示されている状態を説明する図である。
【
図9】スロットマシンの動作処理の流れを示すフロー図である。
【
図10】貸出処理および精算処理の流れを示すフロー図である。
【
図11】のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1およびメダルユニット7について、
図1~
図11を参照して説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で本発明の実施形態を適宜変更することができる。
【0022】
<メダルユニット7の構成>
メダルユニット7は、
図2に示すとおり、スロットマシン1の外部においてスロットマシン1と通信可能に接続されており、メダルユニット7は、その内部に、現実物品のメダルに代わる電子データとしてのメダルデータを記憶するカード70を、格納することができる。メダルユニット7は、主に、以下に述べるメダルデータのスロットマシン1への転送に伴うメダル貸出処理と、逆にスロットマシン1からのメダルデータの転送に伴うカード70の排出処理とを行うことができる。
【0023】
メダルユニット7は、スロットマシン1の媒体管理部613との間で必要なデータを送受信することで、スロットマシン1内のメダルデータの管理を行うことができる。
【0024】
また、メダルユニット7は、貸出ボタン71を備えている。操作者によってメダルユニット7に紙幣が投入され(メダルユニット7にて生成された投入信号がスロットマシン1へと送信され)、その後、操作者によって貸出ボタン71が押下されることにより、貸出信号が媒体管理部613へと送信される。
【0025】
なお、本明細書において、「操作者」は、遊技を実行しているユーザである遊技者、遊技を終了したユーザ、店舗スタッフのすべてを意味するが、必要に応じて、個別に「店舗スタッフ」、「遊技者」などと表記する場合がある。
【0026】
また、メダルユニット7は、スロットマシン1の計数ボタン44が押下されることにより、精算信号およびメダルデータをスロットマシン1から受信する。
【0027】
メダルユニット7は、カード70にメダルデータが入っていない場合には、受信したメダルデータをカード70に書き込む処理を実行し、カード70にメダルデータが書きこまれている場合には、カード70のメダルデータを更新する処理および上書きする処理を実行する。
【0028】
メダルユニット7は、図示しないホールコンピュータ(店舗に設置されるコンピュータ)、ユニット管理コンピュータ(メダルユニット7を管理するコンピュータ)などと通信可能に接続されている。各スロットマシン1に接続されるメダルユニット7は、ホールコンピュータなどに、例えば各スロットマシン1に貯留(クレジット)されているメダルデータなどを送信することができる。これにより、ホールコンピュータなどで、スロットマシン1のメダルデータを管理することができる。
【0029】
メダルユニット7は、操作者により排出ボタン72が押下されると、格納されていたカード70を外部に排出する。これにより、メダルユニット7は、カードの排出信号を生成し、スロットマシン1に排出信号を送信してもよい。
【0030】
<スロットマシン1の構成>
本実施形態のスロットマシン1は、従来のスロットマシンとは異なり、前述のメダルユニット7と通信可能に接続され、現実物品であるメダルを用いることなく遊技を進行させることのできるメダルレス機である。本実施形態のスロットマシン1では、現実物品であるメダルに代えて、電子データとしてのメダルデータを用いて遊技が行われる。なお、以下では、説明の便宜上、「メダルデータ」を単に「メダル」と表現する場合もある。
【0031】
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を備える。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0032】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。操作者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0033】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102が設けられている。
【0034】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0035】
スピーカ101は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0036】
電飾部102は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0037】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、ベットスイッチ41、レバー42、デジタルカウンタ43および計数ボタン44などを含む。
【0038】
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受けつける。そして、ストップスイッチ40aが押下されると回転リール20aの回転が停止し、ストップスイッチ40bが押下されると回転リール20bの回転が停止し、ストップスイッチ40cが押下されると回転リール40cの回転が停止する。
【0039】
ベットスイッチ41は、操作者がメダルをベットする際に用いられる。なお、クレジットされるメダル(メダルデータ)およびベットされたメダル(メダルデータ)の数量は、スロットマシン1内で管理される。
【0040】
レバー42は、各回転リール20を回転させるための操作を受けつけるスタートスイッチとして機能する。
【0041】
デジタルカウンタ43には、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数(獲得枚数)、メダルのベット数などがデジタル表記される。
【0042】
計数ボタン44は、操作者の操作に応じて、メダルデータを媒体管理部613からメダルユニット7へ転送することを指示することができる。計数ボタン44が押下された場合には、精算信号が生成され、メダルユニット7、媒体管理部613、および演出制御部620へと精算信号およびメダルデータが送信される。メダルユニット7がメダルデータを受信した場合に、スロットマシン1は、メダルユニット7から、メダルデータを受信した旨の信号を受信する。
【0043】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0044】
また、スロットマシン1は、
図2に示すとおり、回転リールユニット2、および制御部6を備える。回転リールユニット2、および制御部6は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0045】
回転リールユニット2は、
図1および
図2に示すとおり、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。
【0046】
各回転リール20の表面には、例えば、
図3に示すような図柄(シンボル)が配置されている。各回転リール20の回転が停止したときに後述の有効ラインLに表示される図柄の組み合わせが、あらかじめ定められた図柄の組み合わせであるか否かを後述の遊技結果判定部612が判定することで、遊技が進行する。
【0047】
ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
【0048】
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0049】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、後述する回転リール制御部611によって、その回転および停止が制御される。
【0050】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、ベットスイッチ41を操作することによりクレジットされているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定数量のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー42の操作、すなわち遊技を開始することが可能となる。
【0051】
図1では、有効ラインLが、右下がりラインの1本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、1本のラインLが有効化される。
【0052】
以下では、ベル、スイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、メダルの払い出しがなされないリプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。本実施形態における特定の役には、以下に述べる特別役も含まれる。
【0053】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ41、レバー42およびストップスイッチ40を操作して、メダルデータの増減処理を含む遊技の結果を得る一連の動作をいう。
【0054】
具体的には、遊技が開始可能な状態でレバー42が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0055】
<遊技状態について>
遊技中は、
図4に示すように遊技区間の種類が設定され、
図5および
図6に示すように複数の遊技状態の中から1つの遊技状態が設定される。設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんおよび所定の抽せんが行われる。
【0056】
遊技状態には、第1遊技状態(
図5参照)および第2遊技状態(
図6参照)が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
【0057】
第1遊技状態は、
図5に示すように、特別役非持ち越し状態と、ボーナス内部状態(特別役持ち越し状態)と、特別役実施状態とを含む。特別役非持ち越し状態とボーナス内部状態と特別役実施状態とは、排他的に成立する関係にある。
【0058】
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより特別役(例えば、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である1種BB)が当せんしておらず、かつ、特別役の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、例えば、後述の設定値が変更された場合、RAMが初期化された場合(所定条件の一例)、特別役実施状態において所定枚数を超えてメダルが払い出された場合などに設定される。
【0059】
ボーナス内部状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしているものの、その特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、その特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、特別役が未だに入賞していない状態をいう。なお、1種BBの入賞が持ち越された状態にある場合には、さらなる1種BBの抽せんは行われない。
【0060】
特別役実施状態は、内部抽せんにより当せんした特別役が入賞した状態であって、所定枚数を超えてメダルの払い出しがされていない状態をいう。
【0061】
スロットマシン1の遊技中、操作者は、持ち越された状態にある特別役を入賞させることなく、第1遊技状態が特別役持ち越し状態のままで遊技を続行する。
【0062】
本実施形態におけるスロットマシン1は、AT(アシストタイム)機である。AT機は、例えば店舗開店前に店舗スタッフの操作により第1遊技状態がボーナス内部状態に設定されて、この状態のもとで操作者が第2遊技状態を遷移させて遊技を楽しむものである。
【0063】
第2遊技状態は、
図6に示すように、一般遊技状態またはAT(有利遊技状態の一例)のいずれかをとる。第2遊技状態において一般遊技状態とATとは、排他的に成立する関係にある。
【0064】
一般遊技状態とは、ATでない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態(あるいは、発生しにくい状態)である。例えば、RAMクリア後あるいはAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。
【0065】
ATとは、内部抽せんにより当せんした前記特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3、スピーカ101、および電飾部102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が作動している状態である。
【0066】
AT抽せんは、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした(AT移行信号が生成された)場合に、第2遊技状態は、一般遊技状態からATへと移行する。
【0067】
ATにて遊技が開始されてから所定ゲーム数が経過した場合、ATにて遊技が開始されてからメダルが払い出された総枚数が所定枚数に達した場合、または、アシストが規定回数実行された場合に、第2遊技状態は、ATから一般遊技状態へと移行する。これにより、ATは終了する。
【0068】
<遊技区間について>
前述した遊技区間とは、指示機能にかかる処理が行われるか否かを決定するための状態(区間)である。
図4に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とで構成される。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかをとりうる。
【0069】
指示機能にかかる処理とは、例えば、指示機能を発揮させる(アシストを行う)処理、モード(ATの当せん確率が定められたモード)抽せん、モード移行処理、CZ(AT当せん確率の高いチャンスゾーン)抽せん処理、CZ処理、AT抽せん処理(ATの継続に関する処理を含む)、AT処理、などのことである。
【0070】
通常区間は、指示機能にかかる処理を実行することができないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、遊技区間が通常区間である間は、第2遊技状態は一般遊技状態である。
【0071】
有利区間は、指示機能にかかる処理を実行することが可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、CZまたはATで進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件が満たされるまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
【0072】
<制御部6の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62を備える。
【0073】
メイン制御部61は、内部抽せん、および、回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。
【0074】
サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて、演出に関する制御を行う。
【0075】
メイン制御部61およびサブ制御部62それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。
【0076】
メイン制御部61のROMには、遊技進行に直接的(例えば、回転リール20の制御、精算処理、出玉制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
【0077】
また、サブ制御部62のROMには、遊技進行に間接的(例えば、液晶画面3の演出制御、電飾部102のLED制御、スピーカ101の音制御)にかかわるプログラムが記憶されている。
【0078】
メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。
【0079】
遊技データには、現在のゲーム数のほか、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。したがって、本実施形態における遊技データには、第1遊技状態が特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態などであることを示すデータが含まれる。
【0080】
サブ制御部62のRAMには、演出制御に関する各種データが記憶される。
【0081】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61およびサブ制御部62として機能する。
【0082】
メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611(遊技制御部の一部)、遊技結果判定部612(遊技制御部の一部)、媒体管理部613(価値管理部に相当)、設定値制御部614(遊技制御部の一部)、区間制御部615(遊技制御部の一部)、遊技状態制御部616(遊技制御部の一部)、RT状態制御部617(遊技制御部の一部)、スケジュール管理部618(遊技制御部の一部)、および、機能作動部619(遊技制御部の一部)として機能する。
【0083】
サブ制御部62は、演出制御部620(出力部に相当)として機能する。
【0084】
<内部抽せん部610>
内部抽せん部610は、レバー42の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的には、内部抽せん部610は、レバー42が操作されたときの第1遊技状態および第2遊技状態と遊技区間とに基づいて、内部抽せんテーブル(図示略)およびレバー42が操作されたときに取得される乱数に従って内部抽せんを行う。
【0085】
そして、内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、遊技状態制御部616、および演出制御部620などに送信される。
【0086】
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルをもとに、レバー42が操作されたときのRT状態(後述)およびボーナスの種類などの組み合わせに応じて内部抽せんを行う。
【0087】
なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連づけられて1以上設定されている。その役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役のほか、ストップスイッチ40の押し順が正しければメダルが払い出される押し順役(例えば、押し順リプ、押し順ベル)が含まれる。
【0088】
押し順役が当せんし、その正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下された場合には、その押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルを獲得することができる。押し順役が当せんしたにもかかわらず、正解の押し順どおりにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、その押し順役は入賞しないか、またはそのほかの役(1枚役など)が入賞する。
【0089】
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんし成立している。しかしながら、一般遊技状態中に押し順役が当せんした場合には、正解押し順の報知は基本的にはされないため、押し順役は取りこぼされたり、払い出し枚数が1枚となったりする。一方、AT中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される可能性が高くなる。
【0090】
<回転リール制御部611>
回転リール制御部611は、レバー42または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0091】
具体的には、回転リール20すべての回転が停止している状態にて、レバー42が操作された場合には、回転リール制御部611は、すべての回転リール20の回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合には、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
【0092】
遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、内部抽せん結果である当せんフラグ(ただし、特別役のフラグを除く)が示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
【0093】
また、遊技者による遊技中の回転停止制御では、回転リール制御部611は、内部抽せんにより当せんした役と、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール40の位置と、に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
【0094】
なお、特別役が当せんした場合に、回転リール制御部611は、その特別役の当せんする直前のレバー42の操作およびその直後のストップスイッチ40の操作に基づいて、回転リール20の回転および停止はさせるものの、その特別役を入賞させないにすることもできる。
【0095】
<遊技結果判定部612の説明>
遊技結果判定部612は、内部抽せん部610から出力された内部抽せん結果信号と、各回転リール20の回転が停止したときにリール窓200を通して見える図柄とに基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果は、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かによって判定される。
【0096】
具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、あらかじめ定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、当せん役が入賞したと判定される。この判定結果は、遊技結果判定信号として遊技結果判定部612から媒体管理部613およびサブ制御部62へ送信される。
【0097】
<媒体管理部613の説明>
媒体管理部613は、遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合にはメダルのベット枚数に応じてクレジット数を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合にはクレジット数を増加させる。
【0098】
また、媒体管理部613は、内部抽せんによって獲得フラグが当せんフラグとして成立し、かつ、遊技者の操作に基づいて獲得当せん役が入賞した場合には入賞した獲得当せん役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に応じてクレジット数を増加させる。
【0099】
また、媒体管理部613は、
図7のとおり、有利区間における(遊技区間が通常区間から有利区間へ移行したのち、再度通常区間へ移行するまでの間)、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数(以下、「有利区間差枚数」という)を算出する。
【0100】
本実施形態において、この有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、媒体管理部613は、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化する。例えば、遊技区間が有利区間に移行したときの差枚数が-300枚である場合には、媒体管理部613は、その-300枚を基準として、差枚数が+2100枚となったとき(この場合には、有利区間差枚数が+2400枚となる)に、有利区間差枚数を初期化する。なお、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合に、その旨の信号を区間制御部615に送信する。これにより、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させる。
【0101】
また、媒体管理部613は、有利区間差枚数が+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされて有利区間が終了したときに、有利区間差枚数を0(ゼロ)に初期化する。
【0102】
媒体管理部613は、遊技区間が再度有利区間へ移行したときに、有利区間差枚数の算出を開始する。
【0103】
また、媒体管理部613は、
図7のとおり、前回スロットマシン1の電源がオンにされてからの、メダルの払い出し枚数からメダルのベット枚数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数を用いて、差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。このレンジ(MY)は、前述の有利区間差枚数とは異なり、すべての遊技区間(有利区間および通常区間)を対象として、すなわちスロットマシン1の電源がオンし続けられている限りは継続して算出される。また、レンジ(MY)は、所定期間の遊技において払い出された遊技価値に関するパラメータの一例である。
【0104】
このレンジ(MY)に関する情報は、機能作動部619に送信され、後述するコンプリート機能に用いられる。
【0105】
媒体管理部613は、コンプリート機能が作動したのちに店舗スタッフによりスロットマシン1の電源がオフにされた場合に、レンジ(MY)をリセットする。
【0106】
<設定値制御部614の説明>
設定値制御部614は、店舗スタッフの操作に基づいて、遊技の進行制御の有利度が異なる複数種類の設定値(例えば、1~6)のうちいずれか1つの設定値を用いて遊技進行を行う。この設定値は、スロットマシン1ごとに設定される。設定値制御部614によって設定された設定値の情報は、内部抽せん部610などに送信される。
【0107】
いずれの設定値が用いられているかによって、遊技進行の有利度、例えば、機械割、共通ベルなど特定の小役の当せん確率、CZの当選確率あるいはATの当選確率などが異なる。例えば、設定値は数字が大きくなるほど(6に近づくほど)、遊技進行の有利度が大きく(例えば、機械割が大きくなる)なる。
【0108】
なお、図示はしていないが、スロットマシン1は、設定キーをさらに備える。設定キーは、設定変更モードへの切り替えキーである。設定値制御部614は、店舗スタッフが設定キーをオフにすることで、設定変更モードをオフにし、店舗スタッフが設定キーをオンにすることで、設定変更モードをオンにする。
【0109】
<区間制御部615>
区間制御部615は、
図4のとおり、遊技の際に、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
【0110】
区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。区間制御部615は、区間移行抽せんに当せんした場合に遊技区間を有利区間に設定(移行)する。所定の抽せん対象役(例えば、チェリー、チャンス目)が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。
【0111】
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するか否か(有利区間を終了させるか否か)を決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間のときに、第2遊技状態がATから一般遊技状態に移行したか否かを判定する。例えば第2遊技状態が一般遊技状態に移行した場合に、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させることができる。
【0112】
また、区間制御部615は、媒体管理部613から有利区間差枚数が+2400枚に達した旨の信号を受信した場合、あるいは、+2400枚となった場合以外で所定の条件が満たされた場合に、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。なお、例えば、有利区間となって以降に有利区間差枚数が-1000枚となった場合には、操作者は、1000枚+2400枚=3400枚まで獲得することができる。
【0113】
また、区間制御部615は、スロットマシン1の電源がオンされた場合、あるいは、RAMがクリアされた場合などに、直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
【0114】
<遊技状態制御部616>
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
【0115】
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態、および、特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態およびATのいずれかに設定する。
【0116】
遊技状態制御部616は、例えば、メイン制御部61のRAMがクリアされた直後などにおいて、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。
【0117】
そして、内部抽せんにより特別役が当せんした場合であって、特別役が入賞しなかった場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態に設定する。
【0118】
ボーナス内部状態において、所定条件が満たされた場合(例えば、RAMがクリアされた場合、または設定値が変更された場合)に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役非持ち越し状態に移行させる。
【0119】
特別役非持ち越し状態において、特別役が当せんし、かつ、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態から特別役実施状態へ移行させる。
【0120】
また、ボーナス内部状態において、特別役が入賞した場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態をボーナス内部状態から特別役実施状態へ移行させる。
【0121】
また、特別役実施状態において、所定条件が満たされた場合あるいは所定枚数を超えてメダルが払い出された場合に、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態から特別役非持ち越し状態へと移行させる。
【0122】
また、
図6に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をATに設定するか否かを判定する。具体的には、遊技区間が有利区間である場合に行われるAT抽せんに当せんした場合に、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATに設定する。
【0123】
一方、AT抽せんに当せんしなかった場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定する。
【0124】
また、ATが終了した場合には、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をATから一般遊技状態に移行させる。
【0125】
また、遊技状態制御部616は、
図6のとおり、第2遊技状態について、遊技の進行状況に関する複数種類のモード(例えば、AT抽せんに当せんしにくい通常モード、AT抽せんに当せんしやすい高確率モード)のうちいずれか1つのモードを選択する。そして、遊技状態制御部616は、選択したモードに関連づけられたAT当せん確率にて、AT抽せんを実行する。
【0126】
<RT状態制御部617の説明>
RT状態制御部617は、複数のRT状態のうちの1つのRT状態を用いて遊技進行を行うことが可能である。複数のRT状態には、それぞれ、リプレイのフラグが当せんフラグとして成立する確率(リプレイ確率)があらかじめ定められており、RT状態制御部617は、所定の役(例えば、特別役)が当せんした場合などに、RT状態を遷移させることができる。
【0127】
本実施形態において、RT状態制御部617は、特別役実施状態とそれ以外の状態(特別役非持ち越し状態、ボーナス内部状態)とで、RT状態を異ならせる。また、RT状態制御部617は、特別役非持ち越し状態とボーナス内部中とでは、同じRT状態を維持する。そして、RT状態制御部617は、ATが実行されるボーナス内部中では、RT状態を遷移させない。
【0128】
<スケジュール管理部618>
スケジュール管理部618は、現実の日にち、および/または、時間に関するスケジュールを管理することが可能である。スケジュール管理部618は、例えば、毎週月曜日の10時に所定のイベントを実行するための情報を管理する、および、現時点での日時(Real Time Clock)を管理する。これらの情報は、演出制御部620に送信される。
【0129】
<機能作動部619>
機能作動部619は、媒体管理部613から送信されたレンジ(MY)に関する情報を受信する。
【0130】
そして、機能作動部619は、レンジ(MY)が例えば18500である第1レンジ以上となったときに、コンプリート機能の作動が近いことを示す事前通知に関する情報を生成する。
【0131】
このコンプリート機能とは、いわゆる打ち止めの機能であり、コンプリート機能が作動した場合には、スロットマシン1は遊技に関する操作を受けつけなくなり、店舗スタッフによって電源がオフ、オンされない限り、操作者は遊技を続行することができなくなる。
【0132】
ここでいう遊技に関する操作とは、1ゲームを消化するための操作を意味し、回転リール20を始動させるための操作として特にメダルをベットするためのベットスイッチ41の操作が含まれる。コンプリート機能が作動した場合には、このような遊技に関する操作が受けつけられなくなるため、コンプリート機能が作動した状態のもとで、いくらベットスイッチ41が操作されたとしても、メダルのベット処理はなされない。
【0133】
事前通知に関する情報は、例えば、この情報が機能作動部619にて生成されている間、毎ゲーム、演出制御部620へと送信される。これにより、演出制御部620にて事前通知がなされる。事前通知に関する情報は、後述のとおり、精算忘れ防止表示の表示開始条件の1つとして用いられる。
【0134】
また、レンジ(MY)が第1レンジである18500未満となったときには、機能作動部619は、事前通知に関する情報の生成を停止する。これにより、演出制御部620で事前通知がなされなくなる。
【0135】
なお、事前通知に関する情報は、事前通知の報知をオンまたはオフにするフラグであってもよい。この場合には、事前通知の報知がオフからオンとなる場合に、フラグが「オン」の情報が演出制御部620に送信され、逆に事前通知の報知がオンからオフとなる場合に、フラグが「オフ」の情報が演出制御部620に送信される。このように、事前通知に関する情報をフラグ式にすることにより、メイン制御部610からサブ制御部620へと伝送する信号が過多となることが抑制することができる。
【0136】
また、機能作動部619は、レンジ(MY)が第2レンジである19000以上となったときに、コンプリート機能を作動させる。
【0137】
機能作動部619は、店舗スタッフがスロットマシン1の電源をオフにしたときに、コンプリート機能を解除する。スロットマシン1の電源がオフから再びオンとなった際に、コンプリート機能が解除されるのみならず、レンジ(MY)はリセットされ、0(ゼロ)となっている。したがって、事前通知の報知はなされておらず、コンプリート機能が再び作動するための条件の成立から遠ざかった状態で、スロットマシン1での遊技が可能となる。
【0138】
<演出制御部620>
演出制御部620は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像(以下では、「遊技演出」という)を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音およびBGMなどをスピーカ101から出力させる。例えば、演出制御部620は、ATに当せんした場合に、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、その演出パターンに従って液晶画面3の表示制御、スピーカ101の音声出力制御、および電飾部102の発光制御を行う。
【0139】
また、演出制御部620は、AT中に、押し順役が当せんしたときの正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ101の少なくとも1つに行わせる。
【0140】
(のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示について)
また、演出制御部620は、のめり込み防止表示(のめり込み防止警告の一例)と、精算忘れ防止表示(精算忘れ防止警告の一例)と、を互いに重ね合わせることなく、液晶画面3にて表示(提供の一例)することが可能である。
【0141】
のめり込み防止表示は、遊技にのめり込みすぎないようにすることを操作者に促すための警告である。のめり込み防止表示は、例えば、「パチスロは適度に楽しむ遊びです」あるいは「のめり込みに注意しましょう」などの文字、画像である。
【0142】
精算忘れ防止表示は、遊技を終了させるにあたってクレジットされているメダルデータのすべてをメダルユニット7へ転送する操作が必要な場合に、計数ボタン44への操作を忘れないようにすることを操作者に促すための警告、および、カードを抜くこと(取得処理の一例)を忘れないようにすることを操作者に促すための警告である。精算忘れ防止表示は、例えば、「メダル精算忘れおよびカードの取り忘れや盗難にはご注意ください」などの文字、画像である。
【0143】
(表示態様)
本実施形態において、「のめりこみ防止表示と精算忘れ防止表示とが重ね合わされることなく表示される」態様の例として、例えば、以下の態様1、2がある。
【0144】
(1)態様1
演出制御部620は、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを、液晶画面3中の異なる箇所に同時期に表示することが可能である。一例としては、演出制御部620は、
図8(a)のとおり、例えば液晶画面3の左上にのめり込み防止表示を表示し、それと同時に、液晶画面3の右下に精算忘れ防止表示を表示することができる。これにより、これらの防止表示が互いに重ね合わされることなく液晶画面3に同時期に表示される。
【0145】
この場合において、演出制御部620は、同一タイミングでのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示の表示を開始することができる。また、演出制御部620は、まず、のめり込み防止表示を表示し、のめり込み防止表示を消去する前に、精算忘れ防止表示を表示する、などのように表示開始タイミングを異ならせることもできる。この場合においても、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示は同一の液晶画面3にて同時期に表示されるときがある。
【0146】
(2)態様2
また、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示のいずれも液晶画面3の同じ箇所(例えば、液晶画面3の左上)に表示することもできる。この場合には、演出制御部620は、
図8(b)、(c)のとおり、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示の表示タイミングを異ならせる。
【0147】
例えば、演出制御部620は、
図8(b)に示されるのめり込み防止表示を所定期間(例えば、3秒間)表示した後に消去し、その後、
図8(c)に示される精算忘れ防止表示を一定期間(例えば、5秒間)表示することができる。
【0148】
のめりこみ防止表示と精算忘れ防止表示とを、液晶画面3の同じ個所に続けて表示(連続して表示)させる場合には、残像防止のために、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示との間で1秒程度間隔を設けることもできる。このように、表示間に間欠的な時間を設けることで、操作者に、異なる情報だと認識させやすくなる。
【0149】
または、演出制御部620は、のめりこみ防止表示を、液晶画面3の左から右へと徐々に消していくのと同時に、精算忘れ防止表示を左から右に表示させてもよい。この場合には、表示間に間欠的な時間は設けられていないが、操作者が認識するべき情報(のめり込み防止表示、精算忘れ防止表示)の表示態様としては、あえて同一箇所に重ねて表示したことへの一体感が生まれる。
【0150】
なお、演出制御部620は、態様1、態様2いずれについても、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を、同一の液晶画面3にて、遊技演出と重ね合わせて表示することができる。
【0151】
より詳細には、演出制御部620は、遊技進行に合わせて遊技演出(例えば、AT中などにおいて、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと対戦するシーン)を表示し、その遊技演出に重ね合わせた状態で、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示することができる。
【0152】
このとき、演出制御部620は、のめり込み防止表示を表示するレイヤ、および精算忘れ防止表示を表示するレイヤを、遊技演出を表示するレイヤよりも上に設定することが可能である。これにより、精算忘れ防止表示などが、遊技演出に隠れて見えにくくなってしまうことを防ぐことができる。
【0153】
なお、演出制御部620は、態様1および態様2のいずれの態様でのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示するかを、所定の抽せんで決定してもよい。
【0154】
演出制御部620は、例えば、実際に設定されている設定値が、遊技者にとって最も有利度の高い値の場合は、80%の確率で態様1を採用し、20%の確率で態様2を採用する、滞在中のモードが、遊技者にとって最も有利度の高いモードである場合は、70%の確率で態様1を採用し、30%の確率で態様2を採用する、または、下のレイヤの演出内容(例えば、遊技演出の内容)に応じて、態様1および態様2のどちらを選択するかを抽せんで決定することもできる。
【0155】
さらには、下のレイヤとなる演出に重要度(例えば、強調したい演出であるほど、演出の重要度が高い)が割り当てられている場合に、下のレイヤの演出の重要度が高いほど、演出制御部620は、態様2を選択することができる。これは、態様1が選択されると演出が隠れてしまう部分が多くなるためである。
【0156】
また、後述の表示開始条件によって、採用される態様があらかじめ決定されていてもよい。具体的には、例えば、紙幣がメダルユニットに投入されたときは、態様1で精算忘れ防止表示等が表示され、AT終了時には態様2で精算忘れ防止表示等が表示される、などとすることができる。
【0157】
なお、演出制御部620がのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示している場合であっても、操作者は遊技を続行することができる。すなわち、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示は、数ゲームにまたいで表示されることもできる。この場合には、下のレイヤの演出はゲームをまたいで変更されるが、表示はゲームをまたいでも変更されないようにすることもできる。
【0158】
(表示開始条件)
本実施形態では、演出制御部620は、以下の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件が満たされたときに、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を開始することができる。
(1)紙幣がメダルユニット7に投入されたとき
(2)メダルユニット7からメダルデータが媒体管理部613へ転送されたとき
(3)AT終了時
(4)スロットマシン1でエラーが検知されたとき
(5)コンプリート機能の作動が近いとき
(6)コンプリート機能が作動したとき
(7)計数ボタン44が押下されたとき
以下、それぞれについて説明する。
【0159】
(1)紙幣がメダルユニット7に投入されたとき
演出制御部620は、紙幣がメダルユニット7に投入されたときに、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。すなわち、紙幣がメダルユニット7に投入されたときに、演出制御部620が、メダルユニット7から投入信号を受信し、それに基づいてのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示することができる。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用しうる。
【0160】
(2)メダルユニット7からメダルデータが媒体管理部613へ転送されたとき
演出制御部620は、メダルユニット7から送信された貸出信号およびメダルデータを媒体管理部613が受信したときに、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用しうる。
【0161】
(3)AT終了時
演出制御部620は、AT終了時に、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示することができる。具体的には、演出制御部620は、ATのリザルト画面(リザルト演出時)を液晶画面3に表示するにあたって、ATのリザルト画面に重ね合わせた状態で、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を液晶画面3に表示する。この場合には、態様1よりも態様2が採用されるほうが好ましい。ATのリザルト画面で設定示唆(
図8(b)、(c)の例では、設定値にあわせたセリフおよびキャラクタ)がなされることがある場合に、態様1が採用されるとリザルト画面が隠れてしまい、設定示唆がよく見えなくなるおそれがあるためである。
【0162】
なお、本実施形態において、演出制御部620は、ATが継続している間は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を行わないようにすることができる。具体的には、AT中に、液晶画面3にてメダルの払い出し枚数のカウント表示がなされている場合には、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を行わないようにすることができる。これは、AT継続中に、のめりこみ防止および精算忘れ防止表示が表示されると、操作者は不快に感じるおそれがあるためである。
【0163】
なお、本実施形態において、第1遊技状態には、一般遊技状態、ATのほか、ATを利用した、いわゆる擬似ボーナスが含まれていてもよい。この場合には、AT終了時のみならず、擬似ボーナスが終了した場合にも、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示することができる。また、擬似ボーナス中に、液晶画面3にてメダルの払い出し枚数のカウント表示がなされている場合には、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を行わないようにすることができる。この場合は、態様1よりも態様2の方が好ましいことは前述と同様である。
【0164】
また、特別役として、ATに用いられる特別役(例えば、2枚がけで2枚払い出されるゲームが数ゲーム続く、いわゆるゼロボーナスに用いられ、リプレイ確率を高くするための特別役)と、280枚を超えてメダルの払い出しが行われる、いわゆるリアルボーナスに用いられる特別役と、が用意されていてもよい。
【0165】
この場合には、AT終了時のみならず、リアルボーナスが終了した場合にも、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示することができる。また、リアルボーナス中に、液晶画面3にてメダルの払い出し枚数のカウント表示がなされている場合には、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示しないようにすることができる。
【0166】
(4)スロットマシン1でエラーが検知されたときの説明
演出制御部620は、スロットマシン1でエラーが検知されたときに、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。
【0167】
具体的には、バックアップの異常が検知されたとき(例えば、電断時に書き込まれたバックアップのチェック結果が、正常値以外の値であった場合かつ電断復帰時に設定キーがオフだった場合)、不正払い出しがあったとき(例えば、転送処理信号の出力がないにもかかわらず、払い出し信号がオンになっている場合)、などに表示されるエラー報知を行うにあたって、演出制御部620は、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。
【0168】
なお、「転送処理信号の出力がない」とは、スロットマシン1からメダルユニット7への転送信号が実際に送られていないことを意味し、「払い出し信号がオン」とは、スロットマシン1のメイン制御部61が、内部的に、スロットマシン1からメダルユニット7へのメダルデータの転送を指示する状態となっていることを意味する。
【0169】
なお、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とは、エラー報知に重ね合わせて液晶画面3に表示される。より詳細には、のめり込み防止表示が表示されるレイヤは、精算忘れ防止表示が表示されるレイヤよりも階層が上に設定され、精算忘れ防止表示が表示されるレイヤは、エラー報知が表示されるレイヤよりも階層が上に設定される。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用する。
【0170】
そして、演出制御部620は、エラーが解除されたのちも、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を再表示する。
【0171】
(5)コンプリート機能の作動が近いとき
演出制御部620は、コンプリート機能の作動の近さに基づいて、媒体管理部613から事前通知に関する情報を受信したことを契機として、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示するか否かを決定することができる。
【0172】
例えば、演出制御部620は、レンジ(MY)が例えば16000未満である場合には、精算忘れ防止表示などを20%の確率で表示し、レンジ(MY)が例えば18500以上である場合には、精算忘れ防止表示などを90%の確率で表示することができる。
【0173】
このときに、演出制御部620は、前述の精算忘れ防止表示とは別に、精算忘れ防止警告として、キャラクタに「遊技終了時は計数ボタンを押してね」などのセリフをしゃべらせることもできる。精算忘れ防止警告は、実際のレンジ(MY)に関係なく、一般遊技中あるいはAT中の演出の一環(一部分)として出力されうる。
【0174】
(6)コンプリート機能が作動したとき
演出制御部620は、機能作動部619がコンプリート機能を作動させたときに、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用する。
【0175】
(7)計数ボタン44が押下されたとき
演出制御部620は、計数ボタン44が押下されたときに、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを重ね合わせることなく液晶画面3に表示する。すなわち、計数ボタン44が押下された場合には、演出制御部620は、受信した精算信号に基づいてのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を表示することができる。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用しうる。ただし、精算スイッチ44が押下されることに応じて設定示唆画面が表示される場合は、態様1よりも態様2が採用されるほうが好ましい。
【0176】
なお、計数ボタン44が押下されたときは、操作者はメダルをベットすることができないため、遊技を進行することができない。これは、精算スイッチ44が押下されることにより、メダルデータがスロットマシン1からメダルユニット7に転送され、スロットマシン1からはメダルデータが消去されるためである。
【0177】
なお、前述の表示開始条件には、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とが同じタイミングで表示開始される場合の条件と、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とが異なるタイミングで表示開始される場合の条件と、が含まれる。
【0178】
そして、同じタイミングで表示開始される場合の条件および異なるタイミングで表示開始される条件、いずれの条件が採用されるかは、所定の抽せんによって決定されることができる。所定の抽せんの具体例については、すでに述べたため省略する。
【0179】
また、表示開始条件の種類によって、同じタイミングで表示開始される場合と、異なるタイミングで表示開始される場合とがあらかじめ設定されていてもよい。例えば、コンプリート機能が作動したときは、同じタイミングで表示開始され、AT終了時は、異なるタイミングで表示開始される、などである。
【0180】
<表示消去条件>
本実施形態では、演出制御部620は、以下の条件のうちの少なくともいずれか1つの条件が満たされたときに、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を消去することができる。
(1)のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が開始されてから一定時間が経過したとき
(2)メダルユニット7からカード70が抜かれたとき
以下、それぞれについて説明する。
【0181】
(1)のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が開始されてから一定時間が経過したとき
例えば、演出制御部620は、のめり込み防止表示が開始されてから3秒経過したのちに、のめり込み防止表示を消去することができ、その後に精算忘れ防止表示が開始されてから10秒が経過したのちに、精算忘れ防止表示を消去することができる。この場合は、態様1が採用される。また、精算忘れ防止表示は、その表示時間によっては、数ゲームにまたがって表示され続けてもよい。
【0182】
(2)メダルユニット7からカード70が抜かれたとき
演出制御部620は、メダルユニット7からカード70が排出されたことを示す信号を取得したのちに、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示を消去することができる。この場合には、演出制御部620は、態様1、2のいずれか一方を選択して採用する。
【0183】
なお、演出制御部620は、計数ボタン44が押下されたのち、例えば、1分が経過してもメダルユニット7から排出信号を受信していない場合には、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示のほか、カード70が排出されていないことを強調するための報知をすることができる。
【0184】
カード70が排出されていないことを強調するための報知としては、例えば、以下の態様が考えられる。
・「カードが抜かれていないですよー」とキャラクタがセリフを発するとともに、スロットマシン1が光る
・のめりこみ防止表示はそのままで、精算忘れ防止表示が赤色あるいは金色にかわる、または、文字の大きさが大きくなる
・カード70が抜かれない時間の経過が長くなるごとに、キャラクタが発する音量が大きくなったり、キャラクタのセリフが徐々に変わる
・カード70が抜かれたら、「ありがとう!またね!」ってキャラクタがセリフを発する
・カード70が抜かれない限り、スロットマシン1の液晶画面3の表示内容(のめり込み防止表示、精算忘れ防止表示を含む)が変わらない
【0185】
なお、「カード70が抜かれない限り、液晶画面3の表示内容が変わらない」が採用される場合には、スロットマシン1は遊技されず放置状態となるが、この場合には、アトラクト画面に遷移しないようにすることができる。そして、カード70が抜かれることで精算忘れ防止表示などが消去されて、遊技されていない状態となってから一定時間経過したのち、アトラクト画面に遷移する。
【0186】
また、表示開始条件が、メダルデータが媒体管理部613からメダルユニット7へ転送されたときである場合(すなわち、計数ボタン44が押下されたとき)には、表示停止条件(1)、(2)のうち、(2)が優先されることが好ましい。この場合には、より一層、操作者によるカード70の抜き忘れを防止するよう促すことができる。
【0187】
なお、演出制御部620は、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを同じタイミングで表示開始する場合には、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを、同じタイミングで表示消去することもでき、また、別々のタイミングで表示消去することもできる。
【0188】
また、演出制御部620は、表示開始条件と表示消去条件との組み合わせについて、さまざまな組み合わせ/態様を採用することができる。演出制御部620は、例えば、AT終了時にのめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が開始されたときは、開始されてから一定時間が経過したときにこれらの表示を消去し、計数ボタン44が押下されたときは、メダルユニット7からカード70が抜かれたときにこれらの表示を消去することができる。また、下のレイヤの演出内容(例えば、当せん役表示、煽り演出)によって、精算忘れ防止表示などが一定時間で消去される、または、カード70が抜かれたときに消去される、が選択されてもよい。
【0189】
(特典)
また、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示したときに、操作者に所定の特典を付与することができる。単なる表示だけではなく特典も付与することにより、精算忘れ防止表示を単なる情報表示と捉えるのではなく、表示されたことへの気づきを促すことができる。以下は、その特典の一例である。
【0190】
(1)特典例1
特典例1は、演出制御部620が、精算忘れ防止を促すための音声警告(ボイス警告)を行うことである。すなわち、前述の精算忘れ防止表示は視覚的な警告であるが、聴覚的な警告であるボイス警告がなされることにより、操作者に、さらなる精算防止忘れの防止を促すことができる。
【0191】
なお、演出制御部620は、操作者の操作に基づいて、遊技の進行状況に応じた演出である遊技演出の1つとして出力される遊技音声の音量を調整することが可能である場合において、ボイス警告の音量を、通常の遊技演出などの音量調整の対象外とすることができる。また、演出制御部620は、ボイス警告の音量として、遊技音声の音量以上とすることもできる。
【0192】
ボイス警告の音量の大きさは、エラー音と同じでもよく、または、固定されていてもよい。また、ボイス警告の音量は、音量が固定される場合に、店舗スタッフが調節することが可能であるが、遊技者は調節することができなくてもよい。この場合のボイス警告の音量調節機構は、筐体の内部にあり、遊技者は触れることができない。
【0193】
(2)特典例2
特典例2は、演出制御部620が、選択されている設定値を、操作者に報知あるいは示唆することである。例えば、通常とは異なるキャラクタボイスにより「カードの取り忘れに注意してね!」などのボイス警告がなされた場合には、設定値が高い(例えば、4、5、6)ことが示唆されており、通常とは異なる口調で「カードの取り忘れに注意だぜ!」などのボイス警告がなされた場合には、設定値が偶数であることが示唆されている。このように、設定示唆を精算忘れ防止表示の特典とすることで、ボイス警告をより認識してもらうことができるため、強力な注意喚起とすることができる。
【0194】
(3)特典例3
特典例3は、演出制御部620が、現在選択されているモードを、操作者に報知あるいは示唆することである。例えば、筐体10の電飾部102の発光色が赤色であった場合には、AT当せん確率が高い高確率モードに滞在していることが示唆されており、電飾部102の発光色がレインボーであった場合には、ATを強制発動させるための天井ゲーム数が少ない期待値大モードに滞在していることが示唆されている。このように、モード示唆を精算忘れ防止の特典とすることで、精算忘れ防止警告をより認識してもらうことができるため、強力な注意喚起とすることができる。
【0195】
(4)特典例4
特典例4は、遊技演出に登場する敵キャラクタの誕生日である場合に、その敵キャラクタが「カードの取り忘れに注意してね!」などのセリフをしゃべることである。キャラクタの誕生日であるか否かは、演出制御部620が、スケジュール管理部618からの日にち情報を受信することで判定することができる。また、演出制御部620は、月曜日にはキャラクタAがボイス警告を行い、火曜日にはキャラクタBがボイス警告を行うなどのようにすることもできる。このように、スロットマシン1の台特有の仕様と、実際のスケジュールとを組み合わせて警告をすることで、特定の日に特定のスロットマシンを遊技したいという意欲につながり、また、精算忘れ防止警告をより認識してもらうことができるため、強力な注意喚起とすることができる。
【0196】
(その他)
また、演出制御部620は、事前通知(まもなくコンプリート機能が作動する旨の表示)に関する情報を受信すると、液晶画面3にて「まもなくコンプリート機能が作動するよ!」などの通知を行う。
【0197】
なお、演出制御部620は、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示と同時期に事前通知を行う場合には、事前通知の表示箇所と、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示の表示箇所とを異ならせる、あるいは、これらの表示開始タイミングをずらす。例えば、演出制御部620は、液晶画面3の左上に事前通知を表示し、液晶画面3の右下に、のめり込み防止表示を表示したのちに精算忘れ防止表示を表示することができる。
【0198】
<スロットマシン1の基本的な動作処理の流れ>
図9を用いて、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れを説明する。
【0199】
スロットマシン1の電源がオンにされており、かつ、設定値が変更された状態で、機能作動部619が、スロットマシン1が遊技可能な状態か否か(コンプリート機能作動中か否か)を判定する(ステップS101)。
【0200】
スロットマシン1が遊技可能な状態ではない場合(S101:NO)には、処理は、後述のステップS115へと進む。
【0201】
一方、スロットマシン1が遊技可能な状態である場合(S101:YES)には、メダルユニット7からメダルデータが転送されていることを条件として、スロットマシン1のメイン制御部61が、クレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS102)。
【0202】
ついで、媒体管理部613が、レンジ(MY)の計数を開始する(ステップS103)。この後、媒体管理部613は、通常区間および有利区間にかかわらず、毎遊技、レンジ(MY)を計数する。
【0203】
ついで、区間制御部615が、通常区間にて遊技を進行させる(ステップS104)。
【0204】
ついで、遊技状態制御部616が、一般遊技状態にて遊技を進行させる(ステップS105)。
【0205】
ついで、区間制御部615が、遊技区間が有利区間であるか否か(区間移行抽せんに当せんしたか否か、有利区間の状態が維持されるか否か、を含む)を判定する(ステップS106)。
【0206】
遊技区間が有利区間ではない場合(S106:NO)には、処理はステップS104へと戻る。
【0207】
一方、遊技区間が有利区間である場合(S106:YES)には、区間制御部615が、有利区間差枚数を計数(有利区間に移行したゲームにおいては、有利区間差枚数の計数を開始)する(ステップS107)。これ以降、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である間(一般遊技状態およびATいずれにおいても)、有利区間差枚数の計数を継続する。
【0208】
ついで、遊技状態制御部616が、第2遊技状態をATへ移行させるか否かを判定する(ステップS108)。
【0209】
第2遊技状態がATへ移行しない場合(S108:NO)には、処理はステップS105へと戻る。
【0210】
一方、第2遊技状態がATへ移行する場合(S108:YES)には、遊技状態制御部616が、ATで遊技を進行させる(ステップS109)。
【0211】
ついで、機能作動部619が、コンプリート機能を作動させるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、機能作動部619は、レンジ(MY)が19000以上となったか否かを判定する。
【0212】
コンプリート機能が作動する場合(S110:YES)には、処理は、後述のステップS113へと移行する。
【0213】
一方、コンプリート機能が作動しない場合(S110:NO)には、区間制御部615が、有利区間差枚数が+2400枚以上となったか否かを判定する(ステップS111)。
【0214】
有利区間差枚数が+2400枚以上となった場合(S111:YES)には、区間制御部615は、遊技区間を通常区間へ移行させ、遊技状態制御部617は、ATを終了させ、かつ、媒体管理部613は、有利区間差枚数をゼロ(0)に初期化し、その後、処理はステップS104へと戻る。
【0215】
一方、有利区間差枚数が+2400枚以上でない場合(S111:NO)には、遊技状態制御部616が、ATを終了させるか否かを判定する(ステップS112)。
【0216】
ATが終了する場合(S112:YES)には、処理はステップS105へと戻る。
【0217】
一方、ATが終了しない場合(S112:NO)には、処理は、ステップS109へと戻る。
【0218】
ステップS110に戻って、コンプリート機能が作動した場合(S110:YES)には、機能作動部619が、操作者がスロットマシン1で遊技を進行することができないように制御する(ステップS113)。
【0219】
ついで、操作者(遊技を終えたユーザ)が計数ボタン44を押下したことに応じて、媒体管理部613およびメダルユニット7が必要な情報を送受信することで、精算処理を実行する(ステップS114)。
【0220】
ついで、店舗スタッフの電断操作に応じて、スロットマシン1の電源がオフとされた(ステップS115)ことに応じて、媒体管理部613がレンジ(MY)を初期化するとともに、機能作動部619がコンプリート機能を解除する(ステップS116)。なお、スロットマシン1が電断復帰のみされた場合には、レンジ(MY)が初期化されるとともにコンプリート機能は解除されるが、有利区間および有利区間差枚数は引き継がれる。
【0221】
ついで、店舗スタッフの電断復帰操作に応じて、スロットマシン1の電源がオンとなる(ステップS117)。その後、処理は、ステップS102へと戻る。
以上が、スロットマシン1の基本的な動作処理の流れとなる。
【0222】
<貸出処理および精算処理>
つぎに、
図10を用いて、貸出処理および精算処理の流れを詳細に説明する。
【0223】
まず、メダルユニット7が、操作者による紙幣(例えば、1000円)の投入を受けつける(ステップS201)。このとき、メダルユニット7は、投入信号を生成し、それをスロットマシン1に送信する。
【0224】
ついで、メダルユニット7が、操作者による貸出ボタン71の押下に応じて、スロットマシン1(媒体管理部613)に、貸出信号、および、50枚分のメダルデータを送信する(ステップS202)。
【0225】
ついで、媒体管理部613が、スロットマシン1にクレジットされているメダルの数量をデジタルカウンタ43に表示させ、操作者によるベットスイッチ41、レバー42などの操作を受けつける。これにより、スロットマシン1が遊技開始状態となる(ステップS203)。
【0226】
つぎに、クレジットされているメダルが2枚以下でない場合(S204:NO)には、計数ボタン44が押下されたか否かが判定される(ステップS205)。
【0227】
計数ボタン44が押下されていない場合(S205:NO)には、処理はステップS204へと戻る。
【0228】
一方、計数ボタン44が押下された場合(S205:YES)には、媒体管理部613が、精算信号、および、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータ(例えば、105枚分のメダルデータ)をメダルユニット7へと送信する(ステップS206)。
【0229】
ついで、メダルユニット7が、スロットマシン1にクレジットされていたメダルデータを、カード70に記録する(ステップS207)。
【0230】
ついで、メダルユニット7が、操作者による排出ボタン72への押下に応じて、カード70をメダルユニット7から排出する(ステップS208)。
【0231】
ステップS204に戻って、クレジットされているメダルが2枚以下である場合(S204:YES)であって、かつ、操作者が遊技を継続する場合(S209:YES)には、処理はステップS201へと戻る。
【0232】
一方、操作者が遊技を継続しない場合(S209:NO)には、操作者による計数ボタン44への押下(ステップS210)に応じて、処理は、ステップS206へと移行する。
以上が、貸出処理および精算処理の流れである。
【0233】
<のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示処理>
つぎに、
図11を用いて、のめり込み防止表示/精算忘れ防止表示処理の流れを説明する。
【0234】
まず、演出制御部620が、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示の表示開始条件が満たされているか否かを判定する(ステップS301)。
【0235】
表示開始条件が満たされていない場合(S301:NO)には、処理は、ステップS301を繰り返す。
【0236】
一方、表示開始条件が満たされている場合(S301:YES)には、演出制御部620が、のめり込み防止および精算忘れ防止表示の表示態様を設定する(ステップS302)。
【0237】
ついで、演出制御部620が、のめり込み防止および/または精算忘れ防止表示の表示を開始する(ステップS303)。のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示が同時に表示されている期間がある場合には、演出制御部620は、のめり込み防止表示と精算忘れ防止表示とを、液晶画面3の同一位置に重ねて表示しないようにする。
【0238】
ついで、演出制御部620が、精算忘れ防止表示を表示したことを契機として、特典を付与する(ステップS304)。例えば、演出制御部620は、現在のモードに関する情報、設定値に関する情報などを受信して、それに基づいてモード示唆(あるいはモード報知)、設定示唆(あるいは設定値報知)などを行う。
【0239】
ついで、演出制御部620が、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示の表示消去条件が満たされているか否かを判定する(ステップS305)。
【0240】
表示消去条件が満たされていない場合(S305:NO)には、処理は、ステップS305を繰り返す。
【0241】
一方、表示消去条件が満たされている場合(S305:YES)には、演出制御部620が、のめり込み防止表示および/または精算忘れ防止表示を消去する(ステップS306)。
以上が、のめり込み防止表示/精算忘れ防止表示処理の流れである。
【0242】
以上をまとめると、本発明のスロットマシン1は、
スロットマシン1での遊技の進行を制御することが可能な遊技制御部(区間制御部615、遊技状態制御部619など)と、
スロットマシン1と接続されたメダルユニット7から遊技を行うために必要なメダルデータを受信することが可能であり、かつ、遊技が進行することで変動するメダルの枚数を管理することが可能な媒体管理部613と、
操作者の操作に基づいて、メダルデータを媒体管理部613からメダルユニット7へ転送することを指示することが可能な計数ボタン44と、
遊技に関する情報を操作者に提供することが可能な演出制御部620と、
を備える。
さらに、本実施形態のスロットマシン1は以下の機能を備える。
【0243】
まず、演出制御部620は、のめり込み防止表示(「パチスロは適度に楽しむ遊びです」の文字)と、精算忘れ防止表示(「メダル精算忘れおよびカードの取り忘れや盗難にはご注意ください」の文字)と、を互いに重ね合わせることなく、操作者に表示する。
【0244】
また、演出制御部620は、表示開始条件(例えば、AT終了時)が満たされた場合に、精算忘れ防止表示を操作者に表示し、かつ、表示消去条件(例えば、カード70が抜かれたとき)が満たされた場合に、精算忘れ防止表示の表示を消去する。
【0245】
さらに、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示する場合、および/または、精算忘れ防止表示を表示した場合に、操作者に特典を付与する。
【0246】
<発明の効果>
精算忘れ防止を促す警告と、のめり込み防止を促す警告とは、その目的が異なるものであるから、それぞれが表示されるタイミングが重要となる。例えば、精算忘れ防止を促す警告とのめり込み防止を促す警告とが、同一画面で互いに重なった状態で表示された場合には、ユーザに警告の内容が伝わりにくくなってしまい、これらの警告が報知される意味がなくなってしまうおそれがある。
【0247】
この点、前記構成によれば、のめり込み防止表示と精算忘れ防止警告とが互いに重なり合って表示された場合には、操作者にこれらの警告の内容が伝わりにくくなってしまうおそれがあるが、前記構成によれば、これらの情報が別々のタイミングで、あるいは、離れた位置に表示されることになる。したがって、必要な情報を操作者に確実に伝えることができ、操作者によるカードの取り忘れを抑制することができる。
【0248】
特に、例えば、表示開始条件が満たされた場合に、のめり込み防止表示が3秒間表示されたのちにのめり込み防止表示が消去され、その後に、同一位置に精算忘れ防止表示が表示される場合には、のめり込み防止表示と、精算忘れ防止表示とを、別々に操作者に適切に報知することができる。
【0249】
したがって、本実施形態によれば、精算忘れ防止警告を、例えばのめり込み防止警告とともに操作者に適切に伝えることができる。
【0250】
精算忘れ防止を促す警告が、遊技進行上適切ではないタイミングでなされた場合、唐突になされた場合、または、常時なされる場合などには、操作者に違和感を与えたり、警告の重要性が操作者に伝わりにくくなったりするおそれがある。例えば、遊技進行に関する演出が盛り上がってきているときに精算忘れ防止を促す警告がなされた場合には、警告の重要性が伝わらないうえに、操作者の遊技に対する没入感がそがれてしまうおそれがある。
【0251】
前記構成であれば、例えば、表示開始条件を、AT終了時、精算ボタンが押下されたとき、などのように、遊技進行の邪魔にならないタイミングにあらかじめ決定しておくことで、遊技進行に関する演出が盛り上がってきているときに精算忘れ防止表示が表示されるといった不具合を回避することができる。したがって、操作者の遊技に対する没入感がそがれてしまうことを防止することができる。
【0252】
したがって、本実施形態によれば、精算処理を忘れずに行うように促す情報を、遊技進行の適切なタイミングで提供することで、警告の重要性を操作者に適切に伝えることができる。
【0253】
また、前記構成であれば、精算忘れ防止表示が行われたタイミングで、例えば設定示唆などがなされる。そのため、操作者としては、精算忘れ防止が促されるだけではなく、意外性がある状態で、遊技にかかわる情報(例えば、操作者にとって有利な状態であるか否かなどの情報)を取得することができる。
【0254】
したがって、本実施形態によれば、精算処理を忘れずに行うように促すタイミングを有効利用して、意外性のある恩恵を操作者に付与することができる。
【0255】
[第2実施形態]
本実施形態は、演出制御部620が、遊技進行の状態などによって、のめり込み防止および/または精算忘れ防止表示を表示する場合と表示しない場合とがある例である。なお、以下では、各機能の名称および符号は第1実施形態にならうものとし、機能が異なる部分を主に説明する。
【0256】
演出制御部620は、クレジットされている枚数が所定枚数(例えば、100枚)以上である場合(所定条件の一例)に、精算忘れ防止表示を表示することができる。一方、クレジット枚数が例えば、100枚未満である場合には、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示しない。
【0257】
なお、クレジット枚数が100枚を超える場合であっても、液晶画面3にてATにおけるメダルの払い出し枚数がカウントアップされる様子が表示されている場合には、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示しないようにすることもできる。
【0258】
一方、リザルト画面として、液晶画面3にATでの最終獲得枚数が表示されている場合(所定条件の一例)には、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示することもできる。
【0259】
また、演出制御部620は、コンプリート機能の作動が近いか否かに応じて、精算忘れ防止表示を表示するか否かを決定することもできる。例えば、レンジ(MY)が15000以上である場合には、コンプリート機能の作動が近い(可能性が高い)ものとし、演出制御部620が、精算忘れ防止表示を表示することを決定することができる。
【0260】
また、演出制御部620は、コンプリート機能の作動が近いか否かではなく、コンプリート機能が作動する可能性に応じて、具体的には実際のレンジ(MY)の値とコンプリート機能の作動条件であるレンジ(MY)の値との差に応じて、遊技演出の一環とし精算忘れ防止表示を表示するか否かを決定することができる。例えば、実際のレンジ(MY)の値とコンプリート機能の作動条件であるレンジ(MY)の値との差が小さくなるほど、コンプリート機能の作動が近くなる(可能性が高くなる)ため、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示することを決定することができる。
【0261】
また、所定条件としては、CZにてAT抽せんが3回連続で非当せんであったこと、ATのゲーム数の上乗せ抽せんに当せんしたこと、前回ATが終了してから10ゲーム以内にATに当せんしたこと、などであってもよい。
【0262】
また、本実施形態において表示が決定された精算忘れ防止表示は、例えば、遊技中の遊技演出の一環として、出力されることができる。精算忘れ防止表示は、ゲーム内に登場する特定のキャラクタがセリフを発する(例えば、特定のキャラクタが「遊技を終了するときは計数ボタンを押してねー」とのセリフを発する)こと、実際に設定されている設定値そのものを報知または設定値を示唆すること、現在のモードが示唆されること、のいずれか、または少なくとも1つの組み合わせ、を兼ねることもできる。
【0263】
また、前記において表示が決定されたか否かにかかわらず、精算忘れ防止表示は、遊技中の遊技演出の一環として出力されることも可能である。遊技演出は、すでに述べたように、遊技が進行する過程において、当該遊技の進行状況に応じて適宜出力される演出である。
【0264】
また、遊技中の遊技演出の一環として、遊技のチュートリアルとともに精算忘れ防止表示が表示されてもよい。
【0265】
また、遊技中の遊技演出の一環として、カットイン演出画面が表示され、そのカットイン演出画面中に、直前の遊技演出に登場していたキャラクタの画像とともに精算忘れ防止表示が表示されてもよい。カットイン演出画面は、例えばレア役などの所定役が当せんした場合、あるいは、CZ、ATの当せん判定演出が開始される場合などに出力される。
【0266】
なお、本実施形態において、演出制御部620が、精算忘れ防止表示を表示するか否かを抽せんで決定することもできる。また、クレジットされているメダルが多ければ多いほど、演出制御部620は、頻繁に精算忘れ防止表示を表示してもよい。
【0267】
さらには、クレジットの有無によって、精算忘れ防止表示が表示される、あるいは非表示とされる、が選択されてもよい。すなわち、クレジットがない場合には、精算する対象がないため、非表示とされ、クレジットがある場合には、精算する対象があるので、表示されることになる。
【0268】
以上をまとめると、本実施形態のスロットマシンの演出制御部620は、所定条件(例えば、クレジット枚数が100枚以上であること、AT中などで、払い出し枚数がカウントされていないこと、など)が満たされている場合に、操作者に精算忘れ防止表示を表示する。
【0269】
また、演出制御部620は、遊技演出の一環として、精算忘れ防止表示を表示する。
【0270】
<発明の効果>
精算忘れ防止を促す警告が、頻繁になされた場合、唐突になされた場合、または、常時なされる場合には、操作者が煩わしいと感じてしまうおそれがある。例えば、メダルのクレジット枚数が少ないにもかかわらず、精算忘れ防止警告が頻繁になされる場合には、操作者は煩わしいと感じ、警告の重要性が伝わらないうえに、操作者の遊技に対する没入感がそがれてしまう可能性がある。
【0271】
この点、前記構成によれば、遊技進行のさまざまな状況に応じて、演出制御部620が、精算忘れ防止表示を表示するか否かを決定することができる。これにより、操作者に煩わしいと感じさせることなく、精算忘れ防止表示を表示することができる。また、画一的に精算忘れ防止表示が行われるよりも効果的に、操作者に精算忘れ防止を促すことができる。
【0272】
また、精算忘れ防止を促す警告が唐突になされた場合には、操作者に違和感を与えるおそれがある。特に、遊技進行に関する演出とは無関係に精算忘れ防止を促す警告がなされた場合には、不自然な印象を操作者に与えてしまうおそれがある。
【0273】
この点、前記構成によれば、遊技進行にかかる演出の一環として精算忘れ防止表示が表示されるため、精算忘れ防止表示が表示されたことに操作者に違和感を与えるといった不具合が発生することを回避することができる。そのため、操作者が遊技に対する没入感を失ってしまうことを抑制することができる。
【0274】
本実施形態によれば、精算処理を忘れずに行うように促す情報を、遊技進行に関する演出の一環として提供することで、自然な形で適切に伝えることができる。
その他の構成および作用効果は、第1実施形態と同様である。
【0275】
[第3実施形態]
本実施形態は、演出制御部620が、遊技進行の状態によって、のめり込み防止および/または精算忘れ防止表示を表示する場合と表示しない場合とがある例の別例である。なお、以下では、各機能の名称および符号は第1実施形態にならうものとし、機能が異なる部分を主に説明する。
【0276】
本実施形態では、操作者は、特別役非持ち越し状態およびボーナス内部状態のほか、当せんした特別役を入賞させて特別役実施状態を遊技することができる。この特別役は入賞することで300枚を超えるメダルの払い出しを受けることのできる、いわゆるリアルボーナスを作動させる。
【0277】
そして、本実施形態では、特別役実施状態以外(特別役非持ち越し状態またはボーナス内部中)のときであって、かつ、有利区間が終了条件を満たしたために終了した場合に、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示することができる。なお、有利区間が終了した場合に精算忘れ防止表示が表示されるタイミングとしては、有利区間から通常区間に移行したタイミング、有利区間後の通常区間中があげられる。また、通常区間から再び次の有利区間に移行した場合に、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示することもできる。
【0278】
一方、特別役実施状態中であって、かつ、有利区間が終了した場合には、演出制御部620は、精算忘れ防止表示を表示しない。
【0279】
ここで、特別役実施状態中であってかつ有利区間が終了した場合とは、当せんしたリアルボーナスが入賞し、当該ボーナスが実施されている間に、有利区間が通常区間に移行する場合を意味する。
【0280】
より具体的には、当該ボーナスの実施中であって、かつ、JAC非当選の状態中またはJACが当選したが入賞はしていないJAC内部中に、区間制御部616は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させ、再び次の有利区間に移行させることが可能である。このとき、ボーナス中に有利区間がいったん途切れているため、有利区間における有利区間終了条件のパラメータ(例えば有利区間差枚数)は、有利区間のリセットに伴ってリセットされた状態となっている。
【0281】
これにより、見かけ上、リアルボーナスの前後で有利区間が続いているかのように遊技者は感じることができる。また、有利区間の有利区間終了条件もリセットされているため、有利区間が終了する可能性は、リセット前に比べて遠ざかる。したがって、遊技者は、有利区間が貫通しているかのように感じることができる。
【0282】
このように、見かけ上、有利区間が続いている場合に、精算忘れ防止表示が表示されてしまうと、有利区間が続いていると認識されており、かつ、ボーナス中であるにも関わらず、遊技者による特別役実施状態への没入感が失われてしまうおそれがある。
【0283】
また、ボーナス中はボーナス演出が出力され続けているが、その演出出力中の間に精算忘れ防止表示が表示されてしまうと、ボーナス演出の邪魔となり、遊技者は不快に感じてしまう。そのため、本実施形態の演出制御部620は、特別役実施状態中であってかつ有利区間が終了した場合は、精算忘れ防止表示の表示を行わない。
【0284】
<発明の効果>
本実施形態では、特別役実施状態中に遊技区間が通常区間へ移行したとしても精算忘れ防止表示が表示されないため、特別役実施状態が終了した後であっても、有利区間が継続しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の遊技への没入感を維持することができる。
その他の構成および作用効果は、第1実施形態と同様である。
【0285】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更することができる。また、各実施形態において説明した各種制御手段および処理手順、処理内容は、単体で構成したり、適宜組み合わせたりすることも可能である。
【0286】
前記実施形態に限られず、メダルのベット数は、デジタル表記に代えて、LEDによる表示がなされてもよい。
【0287】
また、前記実施形態に限られず、のめりこみ防止表示が消去された後に精算忘れ防止表示が消去されてもよく、また、のめりこみ防止および精算忘れ防止が同時に消えてもよい。
【0288】
また、前記実施形態に限られず、表示開始条件として、以下のものが含まれていてもよい。例えば、精算忘れ防止表示は、遊技時間が所定時間(例えば、遊技開始から2時間が経過)となったことに基づいて表示されてもよく、あらかじめ決められた時間で時報的に表示されてもよく、ボーナスが終了したときに表示されてもよく、メダルが払い出されたときに表示されてもよく、店舗スタッフが設定した時間に表示されてもよい。
【0289】
また、前記実施形態に限られず、表示停止条件として、以下のものが含まれていてもよい。例えば、精算忘れ防止表示は、遊技が進行した際に消去されてもよく、他の演出(例えば、遊技演出、アトラクト画面)が発生した際に消去されてもよく、他の演出の表示物と重なったときに消去されてもよい。
【0290】
また、前記実施形態に限られず、特にAT継続中は、のめりこみ防止が表示されても、精算忘れ防止表示は表示されなくてもよい。なお、この「AT継続中」には、ATとATとの間に疑似ボーナスが実施され、その疑似ボーナスのリザルト画面が表示されている状態も含まれる。
【0291】
また、前記実施形態に限られず、特典として、「携帯電話とパチスロ機演出との連動システム」、あるいは、「対応機種の総プレイ数、ボーナス回数など、遊技記録をアプリケーションで連動することのできるサービス」などに用いることのできる二次元コードなどが表示されてもよい。この場合には、次にスロットマシンで選択することのできるキャラクタの増加、キャラクタのコスチュームなどが追加される(アプリケーションで管理され、スロットマシンにパスワードが入力されると、追加された内容が反映され、スロットマシンで設定可能になる)。また、前述のキャラクタの増加などは、同じ種類のスロットマシンの精算回数、総遊技数に応じて設定することができてもよい。
【0292】
また、前記実施形態に限られず、演出制御部は、遊技演出の音量を調整することができ、かつ、その遊技演出の音量を調整する際に、精算忘れ防止警告にかかる警告演出の音量もあわせて調整することが可能である。
【0293】
前記実施形態では、のめり込み防止警告および精算忘れ防止警告はともに、視覚的な「表示」によってなされていたが、本発明はこれには限られない。のめり込み防止警告および精算忘れ防止警告はともに、聴覚的な「音声出力」によってなされてもよく、「表示」および「音声出力」の双方によってなされてもよい。また、メダルユニットの発光、振動などによって精算忘れ防止警告がなされてもよい。
【0294】
前記実施形態では、精算忘れ防止表示が表示されるときの、直前に、または、同時に、のめり込み防止表示も表示されている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、精算忘れ防止表示とのめり込み防止表示とは、別々のタイミング/表示開始条件、で表示されてもよい。また、精算忘れ防止表示が表示されたのちに、のめり込み防止表示が表示されてもよい。
【0295】
また、前記実施形態では、メダルユニットは、スロットマシンの外部においてスロットマシンと通信可能に接続されている例が記載されていたが、本発明はこれには限られない。メダルユニットは、メイン制御部などとともにスロットマシンの筐体の中に一体的に格納されていてもよく、また、例えばメイン制御部に組み込まれて、媒体管理部の一部として機能してもよい。すなわち、本明細書において「接続された」とは、スロットマシンとメダルユニットとの間に何も介入されておらず、両者が直接接続された状態、および、両者の間に何かが介入されて間接接続された状態のいずれをも含むことを意味している。
【0296】
また、前記実施形態に限られず、精算忘れ防止表示は、すべてのメダルデータではなく(遊技の終了時ではなく)、メダルデータの少なくとも一部(例えば、50枚)をメダルユニットへ転送する操作が必要な場合に計数ボタンへの操作を忘れないようにすることを操作者に促すための警告であってもよい。
【0297】
また、前記実施形態に限られず、演出制御部が精算忘れ防止表示を表示している場合には、操作者は遊技を続行することができなくてもよい。
【0298】
また、前記実施形態では、演出制御部が精算忘れ防止表示を表示した場合に、操作者に特典を付与することができる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、演出制御部は、精算忘れ防止表示を表示することを決定したときであって、まだ精算忘れ防止表示を表示していないときに、操作者に特典を付与することができてもよい。また、演出制御部は、特典を付与するか否かを、所定の抽せんで決定してもよく、また、表示開始条件の種類(例えば、計数ボタンが押下されたときは特典が付与されないが、AT終了時は特典が付与される)によって決定してもよい。
【0299】
また、前記実施形態では、操作者によってメダルユニットに紙幣が投入されたのち、操作者によって貸出ボタンが押下されることにより、貸出信号およびメダルデータが媒体管理部へと送信される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、メダルユニットに紙幣が投入されることにより、自動的に、貸出信号およびメダルデータが媒体管理部へと送信されてもよい。
【0300】
前記実施形態では、液晶画面が1つである例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、スロットマシンが液晶画面を2つ備えており、メインの液晶画面にてのめり込み防止表示が行われ、サブの液晶画面にて精算忘れ防止表示が行われてもよい。この場合には、のめり込み防止表示および精算忘れ防止表示は、同じタイミングで表示開始/表示消去されてもよく、異なるタイミングで表示開始/表示消去されてもよい。
【0301】
また、スロットマシンは、所定のタイミング(例えば、5ゲームごと、10分ごと)で、その時点でスロットマシンにクレジットされているメダルデータをメダルユニットに送信すること(メダルユニットを介してホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータなどにメダルデータが送信されることを含む)ができてもよい。
【0302】
この場合において、メダルユニット(および/または、ホールコンピュータ、ユニット管理コンピュータ。以下、同じ)は、送信されたデータを記録し、最終的に計数ボタンが押下されたときに精算信号とともに送信されるメダルデータと比較して、メダルデータが不正な情報となっていないかを確認することもできる。
【0303】
さらには、メダルユニットは、所定のタイミングで受信するメダルデータが、スロットマシンでの遊技進行(AT中か否か、ボーナス中か否か、通常区間か否かなど)に基づいて、不正な情報となっていないかを確認することもできてもよい。具体的には、スロットマシンのスペックとしてAT中の1ゲームの純増枚数が2枚であるにもかかわらず、100ゲームで1000枚増えている場合などに、メダルユニットは、メダルデータが不正な状態であることを検知することができる。
【0304】
なお、ユニット管理コンピュータで管理されるメダルデータは、さらに遊技情報コンピュータに集約され、すべてのスロットマシンのメダルデータを管理することができてもよい。
【0305】
また、前記実施形態において、操作者は、遊技中の任意のタイミングで休憩をすることができる。この場合において、店舗スタッフは、他のユーザが操作することができないよう、スロットマシンおよび/またはメダルユニットをロックすることができてもよい。
【0306】
また、前記実施形態においてボーナスは、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。ボーナスは、第一種特別役物、第一種特別役物にかかる役物連続作動装置、第二種特別役物、または第二種特別役物にかかる役物連続作動装置の少なくともいずれか1つであればよい。
【0307】
また、前記実施形態では、スロットマシンがAT機である例が記載されているが、スロットマシンはART機であってもよい。
【0308】
また、遊技区間の種類を表す信号が区間制御部からデジタルカウンタに送信されることで、デジタルカウンタにおいて、例えばドットが表示されるか否かで、遊技区間が有利区間であるか否かを表示することができてもよい。
【0309】
また、前記実施形態に限られず、例えば、有利区間の継続ゲーム数が3000ゲームに到達した場合に、区間制御部は、遊技区間を有利区間から通常区間へと強制的に移行させてもよい。
【0310】
また、前記実施形態においては記載されていないが、モードは特定条件が満たされた場合(例えば、CZに当せんしたがATに当せんしなかった場合、ATが終了した場合、または、有利区間が終了した場合)に、変更されてもよい。
【0311】
また、前記実施形態においては、コンプリート機能を作動させるにあたって、レンジ(MY)が用いられていたが、これには限られず、メダルの差枚数がコンプリート機能を作動させるか否かの判定に用いられてもよい。
【0312】
前記実施形態では、遊技機はスロットマシンであったが、これには限られず、パチンコであってもよい。このパチンコは、例えば、遊技球が入球可能な主遊技始動口、開放状態/閉鎖状態に変位可能な可変部材、可変入賞口、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段など、を備える。
【符号の説明】
【0313】
1 スロットマシン(遊技機)
45 計数ボタン(転送指示部)
610 内部抽せん部(遊技制御部)
611 回転リール制御部(遊技制御部)
612 遊技結果判定部(遊技制御部)
613 媒体管理部(価値管理部)
614 設置値制御部(遊技制御部)
615 区間制御部(遊技制御部)
616 遊技状態制御部(遊技制御部)
617 RT状態制御部(遊技制御部)
618 スケジュール管理部(遊技制御部)
619 機能作動部(遊技制御部)
620 演出制御部(出力部)